JP3194806B2 - 弾性履帯 - Google Patents

弾性履帯

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JP3194806B2
JP3194806B2 JP04280393A JP4280393A JP3194806B2 JP 3194806 B2 JP3194806 B2 JP 3194806B2 JP 04280393 A JP04280393 A JP 04280393A JP 4280393 A JP4280393 A JP 4280393A JP 3194806 B2 JP3194806 B2 JP 3194806B2
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Inventor
吉郎 上野
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オーツタイヤ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性材料例えばゴム又
はゴム状材料等を主体とする無端状の弾性履帯に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種弾性履帯としては、図13〜図1
5に例示するように、弾性材料からなる無端帯状の本体
21内に、該本体21の幅方向に延びかつ幅方向中央部
両側に案内突起22を有する芯金23(幅方向補強体)
が、周方向に所定間隔をもって埋設されると共に、周方
向に延びるスチールコード等からなる抗張体24が接地
面側に埋入され、本体21には幅方向中央部に駆動スプ
ロケットの係合孔25が周方向に所定間隔で設けられ、
本体21の接地側に左右一対のラグ26が周方向に定間
隔で突設されたものが知られている。
【0003】従来、前記芯金23の翼部23Aは、強度
上及び軽量化の面から、芯金23中央即ち案内突起22
側から端にかけて、その厚さが順次薄くされ、補強体の
翼部23A外端から本体中央部側にかけて幅方向にわた
りほぼ同じ曲率半径とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術では、前記芯金翼部23Aの接地面側周方向両端角部
27特に抗張体24に対応する部分は、面取り曲率半径
が小さく、かつ抗張体24に大きな荷重を伝達するた
め、抗張体24に応力集中が生じ、抗張体24の寿命が
短くなるほか、前記角部27周辺の本体21に亀裂を生
じさせて雨・水等の侵入を生起し、抗張体24を腐食さ
せ、切断にまで発展するなどの問題がある。
【0005】本発明は、上述のような実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、補強体による抗
張体の応力集中を緩和し、抗張体の損傷を防止して耐久
性の向上を図りうる弾性履帯を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、弾性材料からなる無端帯状の本体内に、該本体の
幅方向に延びる補強体が周方向に所定間隔をもって埋設
されると共に、周方向に延びる抗張体が前記補強体の接
地側に埋入されている弾性履帯において、前記補強体の
接地面側周方向両角部の少なくとも前記抗張体に対応す
る部分は、前記補強体の撓みの大きい側から小さい側に
向って面取り曲率半径を漸次大きくしたことを特徴とし
ている。
【0007】
【作用】本発明によれば、補強体の接地面側周方向両角
部の抗張体に対応する部分は、面取り曲率半径が撓みの
小さい即ち本体中央部側から撓みの大きい即ち端部側に
向って漸次小さくなっている。したがって、抗張体に異
常張力が作用した場合など、補強体の抗張体に対応する
前記角部の荷重による面圧が大きくても、抗張体の応力
集中が緩和され、また、本体の弾性材料に亀裂等を生起
させることがなく、抗張体の寿命が長くなり、弾性履帯
の耐久性が向上する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1〜図6は本発明の第1実施例を示し、1は無端
帯状の弾性履帯で、全体が耐摩耗性・耐候性のある実質
ゴムからなる本体2と、該本体2内に埋設された幅方向
補強体である芯金3と、該芯金3の接地側に周方向に延
びるスチールコード等からなる伸張阻止用の抗張体4
と、キャンバス等の補強材5とから成っている。
【0009】前記芯金3は、本体2の幅方向に延びる左
右一対の翼部3Aを周方向前後の2本の連結部3Bで連
結して、中央部に駆動歯輪係合孔6を設け、連結部3B
側の端部に反接地側(内周側)に突出する左右一対の案
内突起7を設けたもので、本体2の幅方向に延びかつ周
方向に所定の間隔をもって多数埋設されている。また、
前記芯金3の翼部3Aには、図4に示すように、その左
右両端に窪みが形成されると共に角部8に面取りがなさ
れ、該翼部3Aの本体周方向前後端の接地側角部9,1
0に面取りがなされており、図3、図4に示すように、
これらの角部8,9,10の面取り曲率半径R1,R
は、両端角部8接地側のコーナー部8Aを半径R1と
し、周方向前後の接地側角部9,10の半径Rが、前記
翼部3Aの撓みの大きい前記角部8から、撓みの小さい
中央部案内突起7側に向って順次大きくされている。
【0010】したがって、抗張体4の対応する部分の角
部9,10の丸みが、翼部3Aの撓みの大きさに反比例
して大きくなっており、前記角部9,10による抗張体
4の応力集中が大幅に緩和され、抗張体4の強度を保持
でき、本体2の弾性材料に亀裂を誘発させることもな
く、雨、水の侵入による抗張体4の腐食を防止すること
ができ、抗張体4の寿命が長くなり、弾性履帯1の耐久
性が向上する。
【0011】前記本体2には、接地側に芯金3に対応し
て、幅方向に振分けられた一対のラグ11が突設され、
該ラグ11に幅方向中央部両側に周方向に延出するリブ
(図示省略)を設けて、剛性が高められており、反接地
側に前記案内突起7間に位置して凹溝(図示省略)を設
けてあり、芯金3の駆動歯輪係合孔6と連通する係合孔
6Aが設けられている。
【0012】なお、本体2内に芯金3の接地側に埋入さ
れた抗張体4は、本体幅方向に所定の幅をもって、周方
向に延びており、該抗張体4と芯金翼部3Aの間に、前
記キャンバス等の補強材5が周方向に埋設されている。
また、前記芯金3の案内突起7は、左右が本体2の周方
向にずらして突設されており、該突起7の頂面が転輪通
過面7Aとなるように本体2の内周面と略平行な平坦面
とされ、チ鳥状になっている。左右案内突起7の対向面
には、平面視コ字形の切欠き凹部12が上下方向に貫通
状にかつ本体周方向にずらして設けられると共に、該凹
部12に続く凹部13が互いに本体周方向逆方向に形成
され、これらの凹部12,13に、本体2と同じ弾性材
料が埋められて本体2と一体的に接続される弾性支持体
14が構成されている。
【0013】なお、前記支持体14は、案内突起7頂面
7Aよりも若干突出され、その頂面14Aが転輪通過面
とされている。そして、弾性支持体14は、本体2と大
きなボリュームで接続され、かつ一体化されるので、該
支持体14の強度が増大し、しかも案内突起7との接着
面積が増大して接着強度が非常に大きくなり、早期剥離
防止を図ることができ、耐久性が向上する。また、転輪
通過時における転輪の落ち込みが大幅に減少すると共
に、弾性支持体14が周方向にずれてラップしないの
で、転輪の転動が静かで安定し、振動を低減させること
ができる。
【0014】図7〜図10は本発明の第2実施例の要部
特に芯金3を示し、第1実施例と異なるところは、翼部
3Aが1本の連結部3Bにより連結され、案内突起7の
頂面は転輪通過面とせず、該突起7の夫々外側翼部3A
に厚さが同一の転輪通過部15が抗張体4埋設幅に対応
する範囲に設けられ、前記突起7は左右対称位置に設け
られると共に切欠凹部等を設けていない点である。
【0015】なお、翼部3Aの本体周方向前後端の接地
側角部9,10の面取り曲率半径Rは、翼部両端接地側
角部8の面取り曲率半径R1をベースとして、端部から
案内突起7までの範囲で順次大きくなっており、第1実
施例と同様に、抗張体4への応力集中を緩和してその耐
久性を向上できる。図11は本発明の第3実施例の要部
特に芯金3を示し、第2実施例と異なるところは、案内
突起7が中央に1個設け、転輪通過部15の芯金長手方
向両外側に転輪横ずれ防止突起16を設けた点であり、
翼部3Aの本体周方向前後端の接地側角部9の面取り曲
率半径Rは、両端角部8から中央の突起7に向って順次
大きくなっており、抗張体4への応力集中を緩和して、
抗張体4の寿命を長くできる。
【0016】図12は本発明の第4実施例の要部である
芯金3を示し、第3実施例と異なるところは、中央の案
内突起がなく、両側の転輪通過部15の夫々芯金長手方
向両側に転輪案内突起17を設け、芯金3の本体周方向
前後端の接地側角部9の面取り曲率半径Rは、転輪通過
部15及び抗張体対応部分が大きく、芯金3の中央及び
その長手方向両端に向って順次小さくなるように変化さ
せた点である。
【0017】該第3実施例においても、抗張体の応力集
中を緩和して、その耐久性の向上を図ることができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、適宜
設計変更でき、他の形式の芯金等の補強体に採用するこ
とができる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、上述のように、弾性材料から
なる無端帯状の本体内に、該本体の幅方向に延びる補強
体が周方向に所定間隔をもって埋設されると共に、周方
向に延びる抗張体が前記補強体の接地側に埋入されてい
る弾性履帯において、前記補強体の接地面側周方向両角
部の少なくとも前記抗張体に対応する部分は、撓みの大
きい側から小さい側に向って面取り曲率半径を漸次大き
くしたことを特徴とするものであるから、補強体による
抗張体への応力集中が緩和され、補強体の本体周方向前
後端の接地側角部による本体の弾性材料の損傷を防止し
て、抗張体への雨・水等の侵入を阻止でき、抗張体の寿
命を長くし、弾性履帯の耐久性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】同第1実施例の芯金の反接地側からみた平面図
である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2の底面図である。
【図5】図2のB−B線断面図である。
【図6】図2のC−C線断面図である。
【図7】本発明の第2実施例の要部である芯金の反接地
側からみた平面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】図8の左側面図である。
【図10】図7のD−D線断面図である。
【図11】本発明の第3実施例の要部である芯金の正面
図である。
【図12】本発明の第4実施例の要部である芯金の正面
図である。
【図13】従来例の反接地側からみた平面図である。
【図14】図13のE−E線断面図である。
【図15】図13のF−F線断面図である。
【符号の説明】
1 弾性履帯 2 本体 3 芯金(補強体) 3A 翼部 4 抗張体 6,6A 駆動歯輪係合孔 9 角部 10 角部 11 ラグ R 面取り曲率半径

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性材料からなる無端帯状の本体内に、
    該本体の幅方向に延びる補強体が周方向に所定間隔をも
    って埋設されると共に、周方向に延びる抗張体が前記補
    強体の接地側に埋入されている弾性履帯において、前記
    補強体の接地面側周方向両角部の少なくとも前記抗張体
    に対応する部分は、前記補強体の撓みの大きい側から小
    さい側に向って面取り曲率半径を漸次大きくしたことを
    特徴とする弾性履帯。
JP04280393A 1993-03-03 1993-03-03 弾性履帯 Expired - Lifetime JP3194806B2 (ja)

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