JP3194748B2 - ピラゾール誘導体 - Google Patents

ピラゾール誘導体

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JP3194748B2 JP52482396A JP52482396A JP3194748B2 JP 3194748 B2 JP3194748 B2 JP 3194748B2 JP 52482396 A JP52482396 A JP 52482396A JP 52482396 A JP52482396 A JP 52482396A JP 3194748 B2 JP3194748 B2 JP 3194748B2
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雅司 坂本
和史 中村
和好 小池
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、新規ピラゾール誘導体、このピラゾール誘
導体を有効成分とする除草剤およびこのピラゾール誘導
体を製造するために好適な中間体に関する。
背景技術および発明が解決しようとする課題 雑草防除作業の省力化や農園芸作物の生産性向上にと
って、除草剤は極めて重要な薬剤であり、そのため長年
にわたって除草剤の研究開発が積極的に行われ、現在多
種多様な薬剤が実用化されている。しかし、今日におい
てもさらに卓越した除草特性を有する新規薬剤、特に栽
培作物に薬害を及ぼすことなく、対象雑草のみを選択的
に、かつ低薬量で防除しうる薬剤の開発が望まれてい
る。
従来、トウモロコシなどの栽培時には、トリアジン系
除草剤であるアトラジンや、酸アニリド系除草剤である
アラクロールおよびメトラクロールが用いられてきた
が、アトラジンはイネ科雑草に対する活性が低く、アラ
クロール、メトラクロールは逆に広葉雑草に対する活性
が低い。したがって現在のところ、単一の薬剤でイネ科
および広葉の雑草を一度に防除することは困難である。
さらに、これらの除草剤は高薬量を必要とし、環境問題
上好ましくない。
また、水田には水稲とともに、種々の雑草、例えばノ
ビエなどの一年生イネ科雑草、タマガヤツリなどの一年
生カヤツリグサ科雑草、コナギ、キカシグサなどの一年
生広葉雑草、ウリカワ、ヒルムシロ、ヘラオモダカ、ホ
タルイ、マツバイ、ミズガヤツリ、クログワイ、オモダ
カ、セリなどの多年生雑草が生育することが知られてお
り、これらの雑草を、水稲に薬害を与えずに、しかも環
境汚染の問題から小量の散布で効率よく雑草することが
稲作にとって極めて重要である。一般にノビエに対して
高い除草活性を有する薬剤は水稲に薬害を与え易いこと
が知られているが、イネ科雑草であるノビエに対して高
い除草活性を示しかつ水稲とノビエとの属間選択性に優
れた薬剤の開発が、特に重要な課題となっている。
ところで、特定の4−ベンゾイルピラゾール誘導体が
除草活性を有することは、公知であり(特開昭63−1226
72号、同63−122673号、同63−170365号、特開平1−52
759号、同2−173号、同2−288866号公報など)、現在
市販されている除草剤としては下記化学式で示されるピ
ラゾレートがある。
また、上記の公報に記載の4−ベンゾイルピラゾール
誘導体の代表例である(A)(特開平2−173号公報中
の化合物No.35)の化学式を以下に示す。
化合物(A):特開平2−173号公報記載の化合物No.35 しかし、これらの4−ベンゾイルピラゾール誘導体
は、除草活性を有するものの、実用的には不十分であ
り、とりわけノビエ、エノコログサ等のイネ科雑草に対
する除草活性は著しく劣っている。また、水田用除草剤
として用いた場合には、水稲とイネ科雑草との間での選
択性が悪いため、水稲に薬害を与えるおそれがある。
そこで、本発明者らはチオクロマン環を有するピラゾ
ール誘導体を提案し、既に特許出願を行っている(特願
平4−185526号及び国際公開WO93/18031号公報)。これ
らの先行出願明細書中に記載の化合物の代表例(B)及
び(C)を以下に示す。
化合物(B):国際公開WO93/18031号公報記載の化合物
No.66 化合物(C):特願平4−185526号公報記載の化合物N
o.b−3 しかしながら、これらの化合物は高い除草活性を有す
るが、水稲に対する安全性の点で改善の余地を残すもの
である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところは、トウモロコシ、水稲等の作物
に対する薬害がなく、広範な畑地雑草および水田雑草、
特に水田におけるノビエを低薬量で防除できるピラゾー
ル誘導体およびそれを用いた除草剤、さらにはこのピラ
ゾール誘導体を得るための中間体を提供することにあ
る。
発明の開示 本発明は、式(I) {式中、 R1は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり; R2はC1〜C4アルキル基であり; X1は水素原子、ハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基か
らなる群から選ばれる1種であり; X2、X3、X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素
原子またはC1〜C4アルキル基であるか、またはX2とX5
たはX5とX7が互いに結合して不飽和結合を形成すること
ができ; X4は水素原子、ハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基か
らなる群から選ばれる1種であり; Qは水素原子または式−A−Bで表される基 [式中、 Aは−SO2−基、−CO−基および−CH2CO−基からなる群
から選ばれる1種であり、 BはC1〜C8アルキル基、C3〜C8シクロアルキル基および
式(V) (式中、Yはハロゲン原子、ニトロ基、C1〜C4アルキル
基、C1〜C4アルコキシ基およびC1〜C4ハロアルキル基か
らなる群から選ばれる1種であり、mは0、1または2
の整数を表す。)からなる群から選ばれる1種であり]
であり; nは0、1または2であり; pは0または1を表す。
但し、X2およびX3が同時にC1〜C4アルキル基であっ
て、かつpが1であるときに、X5、X6、X7およびX8が同
時に水素原子である場合を除く。}で表されるピラゾー
ル誘導体またはその塩を第一の要旨とする。
また、本発明は、上記式(I)で表されるピラゾール
誘導体および/またはその塩を有効成分とする除草剤を
第二の要旨とする。
さらに、本発明は、上記式(I)で示されるピラゾー
ル誘導体を製造するために有用な式(II) {式中、 X1はハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり; X2、X3、X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素
原子またはC1〜C4アルキル基であるか、またはX2とX5
たはX5とX7が互いに結合して不飽和結合を形成すること
ができ; X4は水素原子、ハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基か
らなる群から選ばれる1種であり; nは0、1または2であり; pは0または1を表す。
但し、X2およびX3が同時にC1〜C4アルキル基であっ
て、かつpが1であるときに、X5、X6、X7およびX8が同
時に水素原子である場合を除く。}で示される芳香族カ
ルボン酸誘導体またはその塩を第三の要旨とする。
発明を実施するための最良の形態 本発明の新規ピラゾール誘導体は式(I) で表わされる化合物である。
式(I)において、R1は水素原子またはC1〜C4アルキ
ル基であり、好ましくは水素原子である。R2はC1〜C4
ルキル基である。ここでR1、R2としてのC1〜C4アルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基などのプロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基などのブチル基が挙げられる。R2としての
C1〜C4アルキル基としては、エチル基が好ましい。
X1は水素原子、ハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基
からなる群から選ばれる1種である。X1としてのハロゲ
ン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が
挙げられ、C1〜C4アルキル基としてはR1およびR2で例示
したものが挙げられる。好ましくはC1〜C4アルキル基、
より好ましくはメチル基である。
X2、X3、X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水
素原子またはC1〜C4アルキル基であるか、または、X2
X5またはX5とX7が互いに結合して不飽和結合を形成する
こともできる。C1〜C4アルキル基としては、R1およびR2
で例示したものが挙げられる。好ましくはそれぞれ独立
に水素原子、メチル基またはエチル基である場合、ま
た、X2とX5とが互いに結合して二重結合を形成した場合
である。
X4は水素原子、ハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基
からなる群から選ばれる1種である。ハロゲン原子とし
てはX1で例示したものが挙げられ、C1〜C4アルキル基と
してはR1およびR2で例示したものが挙げられる。好まし
くは水素原子、C1〜C4アルキル基、より好ましくはメチ
ル基である。またX4の置換位置はp=0のとき、好まし
くはベンゾ[b]チオフェン環の7位、p=1のとき、
好ましくはチオクロマン環の8位である。
Qは水素原子または式−A−Bで示される基であり、
Aは−SO2−基、−CO−基および−CH2CO−基からなる群
から選ばれる1種を表し、BはC1〜C8アルキル基、C3
C8シクロアルキル基および式(V) で表わされる基からなる群から選ばれる1種である。
ここで、Bの一態様であるC1〜C8アルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等が挙げられ、炭素数3以上の場合には、直鎖のもので
も分岐状のものでもよい。好ましくはエチル基、n−プ
ロピル基またはi−プロピル基である。またBの他の態
様であるC3〜C8シクロアルキル基としては、例えばシク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基
等が挙げられ、好ましくはシクロヘキシル基である。
さらにBのもう一つの態様である式(V)の基中、Y
はハロゲン原子、ニトロ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4
アルコキシ基またはC1〜C4ハロアルキル基である。ここ
で、ハロゲン原子としてはX1およびX4で例示したものが
挙げられ、C1〜C4アルキル基としては、R1およびR2で例
示したものが挙げられ、好ましくはメチル基である。C1
〜C4アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキ
シ基、分岐を有していてもよいプロポキシ基、ブトキシ
基が挙げられる。C1〜C4ハロアルキル基としては、例え
ば、R1およびR2で例示したC1〜C4アルキル基の水素原子
をX1およびX4で例示したハロゲン原子で置換したもの、
具体的には、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CF2CF3、−CCl
3、−CH2CF3等が挙げられる。
Yの数を示すmは0、1または2の整数である。
好ましい−A−B基のAとBの組み合わせの一態様と
しては、例えばAが−SO2−基のとき、BがC1〜C8アル
キル基または、1または2のハロゲン原子、ニトロ基、
C1〜C4アルキル基またはC1〜C4アルコキシ基で置換され
たフェニル基(式(V)においてYがハロゲン原子、ニ
トロ基、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4アルコキシ基で
あり、mが1または2の場合)が挙げられる。好ましい
AとBの組み合わせの他の態様としては、Aが−CO−基
または−CH2CO−基のとき、BがC1〜C8アルキル基また
はハロゲン置換または非置換フェニル基(式(V)にお
いてYがハロゲン原子、mが0、1または2の場合)が
挙げられる。
nは酸素の数を表し、それぞれ0、1または2の整数
である。すなわち、nが0のときスルフィド、nが1の
ときスルホキシド、nが2のときスルホンを示す。
pは0または1の整数であり、pが1の場合は一般式
(I)のピラゾール誘導体は一般式(I x) で表わされるピラゾール誘導体を表わし、pが0の場合
は一般式(I)のピラゾール誘導体は一般式(I y) で表されるピラゾール誘導体を表す。
一般式(I)においてQが水素であるピラゾール誘導
体、即ち は互変異性の為、次の3種の構造をとりうるが、本発明
のピラゾール誘導体は、これらすべての構造を包含する
ものである。
また、式(I a)で表わされるピラゾール誘導体は酸
性物質であり、塩基と処理することにより容易に塩とす
ることができ、この塩も本発明のピラゾール誘導体に包
含されるものである。ここで塩基としては公知のもので
あれば制限はないが、例えばアミン類やアニリン類など
の有機塩基やナトリウム化合物やカリウム化合物などの
無機塩基が挙げられる。アミン類としてモノアルキルア
ミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミンなどが挙
げられる。アルキルアミン類中のアルキル基は通常C1
C4アルキル基である。アニリン類としてアニリンやモノ
アルキルアニリン、ジアルキルアニリンなどが挙げられ
る。アルキルアニリン類中のアルキル基は通常C1〜C4
ルキル基である。ナトリウム化合物としては水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウムなどであり、カリウム化合物と
しては、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどである。
本発明の除草剤は、式(I)で表わされる本発明の新
規なピラゾール誘導体および/またはその塩を有効成分
として含有するものであって、これらの化合物を溶媒な
どの液状担体又は鉱物質微粉などの固体担体と混合し、
水和剤、乳剤、粉剤、粒剤などの形態に製剤化して使用
することができる。製剤化に際して乳化性、分散性、展
着性などを付与するためには界面活性剤を添加すればよ
い。
本発明の除草剤を水和剤の形態で用いる場合、通常は
本発明のピラゾール誘導体および/またはその塩10〜55
重量%、固体担体40〜88重量%及び界面活性剤2〜5重
量%の割合で配合して組成物を調製し、これを用いれば
よい。また、乳剤の形態で用いる場合、通常は本発明の
ピラゾール誘導体および/またはその塩20〜50重量%、
溶剤35〜75重量%及び界面活性剤5〜15重量%の割合で
配合して調製すればよい。
一方、粉剤の形態で用いる場合、通常は本発明のピラ
ゾール誘導体および/またはその塩1〜15重量%、固体
担体80〜97重量%及び界面活性剤2〜5重量%の割合で
配合して調製すればよい。さらに、粒剤の形態で用いる
場合は、本発明のピラゾール誘導体および/またはその
塩1〜15重量%、固体担体80〜97重量%及び界面活性剤
2〜5重量%の割合で配合して調製すればよい。
ここで固体担体としては鉱物質の微粉が用いられ、こ
の鉱物質の微粉としては、例えばケイソウ土、消石灰な
どの酸化物、リン灰石などのリン酸塩、セッコウなどの
硫酸塩、タルク、パイロフェライト、クレー、カオリ
ン、ベントナイト、酸性白土、ホワイトカーボン、石英
粉末、ケイ石粉などのケイ酸塩などを挙げることができ
る。
また溶剤としては有機溶媒が用いられ、具体的にはベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、o
−クロロトルエン、トリクロロエタン、トリクロロエチ
レンなどの塩素化炭化水素、シクロヘキサノール、アミ
ルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール、
イソホロン、シクロヘキサノン、シクロヘキセニル−シ
クロヘキサノンなどのケトン、ブチルセロソルブ、ジエ
チルエーテル、メチルエチルエーテルなどのエーテル、
酢酸イソプロピル、酢酸ベンジル、フタル酸メチルなど
のエステル、ジメチルホルムアミドなどのアミドあるい
はこれらの混合物を挙げることができる。
さらに、界面活性剤としては、アニオン型、ノニオン
型、カチオン型あるいは両性イオン型(アミノ酸、ベタ
インなど)のいずれも用いることができる。
本発明の除草剤には、有効成分として前記一般式
(I)で表わされるピラゾール誘導体および/またはそ
の塩と共に、必要に応じ他の除草活性成分を含有させる
ことができる。このような他の除草活性成分としては、
従来公知の除草剤、例えばフェノキシ系、ジフェニルエ
ーテル系、トリアジン系、尿素系、カーバメイト系、チ
オカーバメイト系、酸アニリド系、ピラゾール系、リン
酸系、スルホニルウレア系、オキサジアゾン系などを挙
げることができ、これらの除草剤の中から適宜選択して
用いることができる。
さらに、本発明の除草剤は必要に応じて殺虫剤、殺菌
剤、植物成長調節剤、肥料などと混用することができ
る。
本発明の式(I)で示される新規ピラゾール誘導体は
下記方法(1)および(2)によって製造される。
先ず本発明のピラゾール誘導体の製造方法(1)につ
いて詳細に説明する。
なお上記反応式中、Q1は式−A−Bで表される基であ
り、Aは−SO2−基、−CO−基および−CH2CO−基からな
る群から選ばれる1種を表し、BはC1〜C8アルキル基、
C3〜C8シクロアルキル基および式(V) で表される基(式中、Yはハロゲン原子、ニトロ基、C1
〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基およびハロC1〜C4
アルキル基からなる群から選ばれる1種であり、mはY
の数を表し、0、1または2の整数を表す)からなる群
から選ばれる1種を表す。またR1、R2、X1、X2、X3
X4、X5、X6、X7、X8、pおよびnは一般式(I)におい
て先に定義したものと同一のものを表し、Halはハロゲ
ン原子を表す。
以下、上記製造方法を各工程毎に詳説する。
(工程1) 式(II)の化合物と式(III)の化合物とを脱水剤、
例えばDCC(N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド)、CDI(1,1−カルボニルジイミダゾール)、EDC
(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミド)等及び塩基の存在下、不活性溶媒中で反
応させてピラゾール誘導体(I a)を製造する。
式(III)の化合物は、式(II)の化合物に対し、1.0
〜3.0倍モル使用するのが好ましい。また、脱水剤は式
(II)の化合物に対し、1.0〜1.5倍モル使用するのが好
ましい。塩基の種類は、特に制限はないが、好ましくは
炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどで、式(II)の化合
物に対して0.5〜2.0倍モル用いるのが好ましい。反応溶
媒は、反応に不活性なものであれば特に制限はないが、
アセトニトリル、1,4−ジオキサン、t−アミルアルコ
ール、t−ブチルアルコール、i−プロピルアルコール
等が好ましい。反応温度は0℃から溶媒の沸点までの範
囲で選択が可能であるが、80℃程度が好ましい。反応時
間は、1〜48時間であるが、通常は8時間程度である。
なお、反応中間体としてエステルを生じるが、このエ
ステル中間体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー等
の手段で単離することができるが、通常は単離せずに反
応を進める。エステル中間体を単離した場合は、これに
炭酸カリウム等の塩基を加えてさらに反応させることに
より、目的のピラゾール誘導体(I a)を得ることがで
きる。この場合に用いる塩基の量は、エステル中間体に
対して0.5〜3.0当量、好ましくは0.5〜1.5当量である。
反応温度は、一般に80〜150℃であるが、好ましくは100
〜120℃である。反応時間は、一般に0.5〜8時間である
が、好ましくは1〜2時間程度である。
反応終了後、常法に従い、溶媒を留去後、有機溶媒と
水で分液を行い、得られた水層を塩酸等の酸で中和し、
酢酸エチルで抽出を行い、有機層を無水硫酸ナトリウム
等の脱水剤で乾燥し、溶媒を留去するなどの手段により
目的のピラゾール誘導体(I a)を単離することができ
る。
(工程2) 工程1で得られた化合物(I a)を塩基の存在下、Q1
−Hal(IV)(Q1およびHalは先に定義したものを表す)
と不活性溶媒中で反応させて化合物(I d)を製造す
る。
この工程において化合物(I a)と化合物(IV)のモ
ル比率は1:1〜1:3とするのが好ましく、また反応により
副生するハロゲン化水素を捕捉するために、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等の
塩基を式(I a)の出発原料に対してモル比率で等量以
上用いるのが好ましい。反応温度は、室温から用いる溶
媒の沸点までの範囲とするのが好ましい。また反応に用
いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素、ジエチルエーテル等のエーテル系、メチルエチル
ケトン等のケトン系、塩化メチレン、クロロホルム等の
ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。またこれらの溶媒
と水から成る2相系溶媒を用いることもでき、この場
合、反応系内に例えばクラウンエーテル、塩化ベンジル
トリエチルアンモニウム等の相間移動触媒を加えること
により好ましい結果が得られる。
反応終了後、常法に従い、分液を行い、目的物を水層
からジクロロメタン等の有機溶媒で抽出し、有機層を脱
水した後溶媒を留去することにより目的のピラゾール誘
導体(I d)を単離することができる。
上記方法において式(III)の化合物との反応に用い
られる式(II) {式中、X1は水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C4アル
キル基であり; X2、X3、X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素
原子またはC1〜C4アルキル基であるか、またはX2とX5
たはX5とX7が互いに結合して不飽和結合を形成すること
ができ; X4は水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基で
あり; nは0、1または2であり; pは0または1を表す。
但し、X2およびX3が同時にC1〜C4アルキル基であっ
て、かつpが1であるときに、X5、X6、X7およびX8が同
時に水素原子である場合を除く。} で示される芳香族カルボン酸誘導体は文献未記載の新規
化合物であり、本発明のピラゾール誘導体の製造のため
の中間体として有用である。
式(II)中のX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8
具体例は、前記式(I)のピラゾール誘導体で例示した
ものが挙げられる。
式(II)で表わされる芳香族カルボン酸誘導体は酸性
物質であり、塩基と処理することにより容易に塩とする
ことができ、この塩も本発明の芳香族カルボン酸誘導体
に包含されるものである。ここで塩基としては公知のも
のであれば制限はないが、例えばアミン類やアニリン類
などを有機塩基やナトリウム化合物やカリウム化合物な
どの無機塩基が挙げられる。アミン類としてはモノアル
キルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミンな
どが挙げられる。アルキルアミン類中のアルキル基は通
常C1〜C4アルキル基である。アニリン類としてはアニリ
ンやモノアルキルアニリン、ジアルキルアニリンなどが
挙げられる。アルキルアニリン類中のアルキル基として
は通常C1〜C4アルキル基である。ナトリウム化合物とし
ては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどであり、カ
リウム化合物としては、水酸化カリウム、炭酸カリウム
などである。
一般式(II)で表される芳香族カルボン酸誘導体のう
ちpが1である化合物(但し、X2とX5およびとX7が互
いに結合することはない)すなわち一般式(II x)で表
わされる芳香族カルボン酸誘導体は以下の製造スキーム
1〜6で表される方法によって製造される。
なお上記反応式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8
およびHalは前記定義の通りである。
出発物質である式(VI)のチオフェノール類は、公知
の方法によって得られる(例えば「新実験化学講座14,
有機化合物の合成と反応III 1704ページ 8・1章 チ
オール類 f.ジチオ炭酸エステルを経由する合成法」丸
善株式会社、昭和61年2月20日発行)。
(工程1) 式(VI)の出発物質と式(VII)の化合物をアセト
ン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド等の不活
性溶媒中で、無水炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、無水炭酸ナトリウム、トリエチルアミン
等の塩基の存在下に反応させ、式(VIII)の化合物を得
る。式(VIII)の化合物および塩基は、式(VI)の出発
物質に対しそれぞれ1.0〜1.5モル当量および1.0〜1.5モ
ル当量使用する。反応温度は、通常0〜80℃、反応時間
は、通常1〜8時間程度が好ましい。
(工程2) 式(VIII)の化合物にポリリン酸、硫酸、五酸化リン
等の脱水縮合剤を加えて閉環させ、式(IX)の化合物
(チオクロマン化合物)を得る。脱水縮合剤は、式(VI
II)の化合物に対して1〜10モル当量使用する。反応温
度は、通常0〜100℃、反応時間は通常1〜8時間程度
が好ましい。
(工程3) 式(IX)の化合物に、塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素等の溶媒の存在下、臭素、塩化スルフリル、
塩素等のハロゲン化試薬を反応させ、6位にハロゲン置
換された式(X)の化合物を得る。反応温度は、通常0
〜80℃、反応時間は、通常1〜80時間程度が好ましい。
(工程4) 式(X)の化合物をマグネシウム(Mg)と反応させて
グリニャール試薬とし、これに二酸化炭素(CO2)を反
応させ、6位にカルボキシル基の導入された本発明の式
(II x)の芳香族カルボン酸誘導体である化合物(XI)
(n=0、スルフィド化合物)を得る。溶媒としてはジ
エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類
を用いるのが好ましい。反応温度は0〜70℃、特に20〜
60℃が好ましい。反応時間は、通常1〜7時間程度であ
る。
グリニャール試薬を得るためのマグネシウム(Mg)の
量は式(X)の化合物に対して1.1〜3.5モル当量とする
のが好ましい。このグリニャール化反応はヨウ化メチル
のようなヨウ化アルキルや、臭化エチルのような臭化ア
ルキルなどの共存下に反応を行なうと、当該反応が円滑
に進行するので好ましい。この際用いるハロゲン化アル
キルの量は式(X)の化合物に対して0.1〜2.5モル当量
とするのが好ましい。
グリニャール試薬と二酸化炭素(CO2)との反応は溶
媒中のグリニャール試薬にボンベより二酸化炭素ガスを
吹き込むことにより、またはドライアイス(固体炭酸)
から発生させた二酸化炭素ガスを吹き込むことにより行
なわれる。また、ドライアイスを直接グリニャール試薬
に加えて反応させてもよい。
(工程5) 式(XI)の化合物(式(II x)において、n=0、ス
ルフィド化合物)に酸化剤(例えば過酸化水素、過酢
酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウム等)を溶媒(例えば酢
酸、水、メタノール等)中で作用させて本発明の式(II
x)の芳香族カルボン酸誘導体である化合物(XII)
(n=1、スルホキシド化合物/n=2、スルホン化合
物)を得る。化合物(XI)に対して酸化剤を1当量反応
させることによりスルホキシド(n=1の化合物)が、
2当量反応させることによりスルホン(n=2の化合
物)が得られる。
(工程1および2) 出発物質(VI)より化合物(VIII)を経て化合物(I
X)を製造する工程1および工程2はスキーム1におい
て化合物(VI)から化合物(IX)を製造する場合と同様
である。
(工程3) 式(IX)の化合物にジクロロメタン、ニトロメタン、
アセトニトリル、ベンゼン等の溶媒の存在下、塩化アル
ミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄等のルイス酸またはフッ化
水素、硫酸、リン酸等のプロトン酸と共に塩化アセチル
を反応させ6位にアセチル基が導入された化合物(XII
I)を得る。ルイス酸、プロトン酸は(IX)の化合物に
対し1.0〜1.5モル当量、塩化アセチルは1.0〜1.5モル当
量使用する。反応温度は通常0〜80℃、反応時間は1〜
8時間程度が好ましい。
(工程4) 化合物(XIII)(スルフィド)に酸化剤(例えば過酸
化水素、過酢酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウム等)を溶媒
(例えば酢酸、水、メタノール等)中で作用させて化合
物(XIV)(n=1、スルホキシド化合物/n=2、スル
ホン化合物)を得る。化合物(XIII)に対して酸化剤を
1当量反応させることによりスルホキシド化合物(n=
1の化合物)が、2当量反応させることによりスルホン
化合物(n=2の化合物)が得られる。
(工程4′) チオクロマン環の硫黄原子Sを酸化せずに6位のメチ
ルケトン基(アセチル基)をカルボキシル基に変換する
方法として、J.Am.Chem.Soc.66,1612頁(1944)に記載
の方法がある。つまり式(XIII)のメチルケトン化合物
をピリジン中でヨウ素と反応させ、アルカリで分解する
ことにより本発明の式(II x)の芳香族カルボン酸誘導
体である化合物(XI)(n=0、スルフィド化合物)が
得られる。
(工程5) メチルケトン化合物(XIV)を、酸化剤(例えば過マ
ンガン酸塩、クロム酸、ハロゲン、酸素、硫酸等)を用
いてハロホルム反応により本発明の芳香族カルボン酸誘
導体(II x)である化合物(XII)(n=1、スルホキ
シド化合物/n=2、スルホン化合物)に変換する。
一般式(II x)で表わされる芳香族カルボン酸誘導体
は、一般に以下の製造スキーム3で表される方法によっ
て製造することができる。
(工程1) 式(VI)で示されるチオフェノール類と、式(XV)で
示されるアルコール類を、ベンゼン、トルエン等の芳香
族系溶媒、あるいはジクロロエタン、テトラクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒中、硫酸、p−トルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、蟻酸、酢酸等の酸触
媒を加えて反応させ、式(XVI)で示される化合物を製
造する。式(XV)のアルコール類は式(VI)のチオフェ
ノール類に対し1.0〜3.0モル等量使用する。酸触媒はチ
オフェノール類に対し、0.01〜1.0モル等量使用する。
酢酸、蟻酸等は溶媒を兼ねて使用しても良い。反応温度
は室温から溶媒の沸点迄可能であるが、通常50℃から10
0℃である。
(工程2) 式(XVI)の化合物にグリニャール試薬を反応させ、
式(XVII)のアルコール類を製造する。この工程はよく
知られたグリニャール反応であり、詳細は省略する。
(工程3) 式(XVII)のアルコール類に例えば、ポリリン酸、五
酸化二燐、硫酸等の脱水剤を反応させるか、またはメタ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒を反
応させて、式(XIX)の化合物を製造する工程である。
溶媒としてはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、
あるいはジクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロ
ゲン系炭化水素系溶媒を用いることができる。ポリリン
酸、硫酸の場合は溶媒としても用いることができる。反
応温度は室温から溶媒の沸点まで可能であるが、通常50
℃から100℃である。
(工程4) 式(XVII)のアルコール類に例えば、塩化チオニル、
オキシ塩化リン、五塩化リン等のハロゲン化剤を反応さ
せて、式(XVIII)のハロゲン化合物を得る工程であ
る。ハロゲン化剤は式(XVII)のアルコール類に対して
1.0〜1.5モル等量用いる。溶媒としては反応に対して不
活性であれば特に制限は無いが、工程3で例示したもの
が挙げられる。ハロゲン化剤である塩化チオニルやオキ
シ塩化リンを溶媒として用いても良い。反応温度は室温
から沸点迄可能であるが、普通は60℃から80℃である。
(工程5) 式(XVIII)のハロゲン化合物に塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、塩化鉄のようなルイス酸を作用させ、式(XI
X)の化合物を製造する工程である。塩化アルミニウム
が好ましい。ルイス酸は式(XIX)の化合物に対して1.0
〜1.5モル等量用いる。溶媒としては、塩化メチレン、
ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒が好まし
い。反応温度は、0℃から溶媒の沸点まで可能である
が、通常室温付近で反応は円滑に進行する。
以上の工程により式(XIX)の化合物を製造し、以下
は、上記の製造スキーム1または2と同様に反応を行っ
て、一般式(II x)の芳香族カルボン酸を得る。
(工程1) 出発原料である臭素化チオクロマン−4−オン化合物
(XX)は公知の方法、例えば特開昭58−198483号公報、
国際公開WO88/06155公報等に記載の方法によって製造で
きる。式(XX)で示される臭素化チオクロマン−4−オ
ン化合物にグリニャール試薬を反応させ、式(XXI)で
表されるチオクロマノール誘導体とする。この工程は典
型的なグリニャール反応であり、詳細は省略する。
(工程2) 式(XXI)で表されるチオクロマノール誘導体を有機
溶媒中で、酸触媒を用いて脱水し、式(XXII)で表され
る3,4−デヒドロチオクロマン誘導体とする工程であ
る。用いる酸触媒としては硫酸、p−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸
等が挙げられる。酸触媒はチオクロマノール誘導体(XX
I)に対し、0.001〜1.0モル等量、好ましくは0.01〜0.1
モル等量用いる。反応に用いる溶媒としてはベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、1,2−ジクロロエ
タン、1,1,1−トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロ
ゲン化炭化水素系溶媒が挙げられる。反応温度は、一般
に60〜120℃であるが、好ましくは80〜100℃である。
(工程3) 式(XXII)で表される3,4−デヒドロチオクロマン誘
導体を還元して、式(XXIII)のチオクロマン誘導体と
する工程である。還元の方法には特に制限は無いが、パ
ラジウム、白金等の触媒の存在下、常圧または加圧条件
で水素を用いて還元する方法が好ましい。
以下は、上記製造スキーム1と同様にカルボキシル
化、酸化を行うことにより、一般式(II x)の芳香族カ
ルボン酸を得る。
(工程1) 式(VI)で表されるチオフェノール類と、式(XXIV)
で表されるα,β−不飽和ケトン類をピリジン、ピペリ
ジン、トリエチルアミンのような塩基性触媒の存在下で
反応させて、式(XVI a)のスルフィド類とする工程で
ある、反応に用いる溶媒としては反応に不活性なもので
あれば、特に制限は無いが、例えば1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロ
エタンのようなハロゲン化炭化水素溶媒が好ましい。反
応温度は室温から溶媒の沸点まで可能であるが、一般に
室温付近で反応は円滑に進行する。反応に用いる式(XX
IV)のα,β−不飽和ケトン類は式(VI)のチオフェノ
ール類に対して1〜5倍モル等量反応させるが、好まし
くは1.0〜1.5倍モル等量である。
以下の工程2〜5はスキーム3と同様に反応を行えば
良く、詳細は省略する。次いで工程3または5で得られ
た化合物(XIX a)について上記製造スキーム1または
2と同様に反応を行い、式(II x)の芳香族カルボン酸
誘導体を得る。
(工程1) 製造スキーム5の工程1によって得られた式(XVI
a)のスルフィド類を還元して、式(XVII b)のアルコ
ール類とする工程である。用いる還元剤としては特に大
きな制限は無いが、水素化ホウ素ナトリウムを用いるこ
とが好ましい。水素化ホウ素ナトリウムは式(XVI a)
のスルフィド類に対し、0.25〜1.0モル等量用い、溶媒
としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶
媒が好ましい。反応は一般に0℃から室温の範囲内で円
滑に進行し、特に加熱する必要はない。
以下の工程2、3、4は製造スキーム3の工程3、
4、5と同様に行えば良く、詳細は省略する。次いで工
程3または4で得られた化合物(XIX b)について上記
製造スキーム1または2と同様に反応を行い、式(II
x)の芳香族カルボン酸誘導体を得る。
一般式(II)で表わされる芳香族カルボン酸誘導体の
うちpが0である化合物(但し、X2とX5が互いに結合を
形成することはない)すなわち一般式(II y)で表わさ
れる芳香族カルボン酸誘導体は以下の製造スキーム7〜
10で表される方法によって製造される。
(工程1) 工程1は塩基の存在下に置換チオフェノール(VI)を
アルキル化剤であるハロゲン化オレフィン(XXV)と反
応させてアルキル化し、アルキル置換チオフェノール
(XXVI)を得る反応である。
この反応に用いる塩基としては、無水炭酸カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、トリ
エチルアミン等の有機塩基が挙げられるが、好ましくは
無水炭酸カリウムである。用いる塩基の量は、置換チオ
フェノール(VI)に対して一般に0.5〜3.0当量、好まし
くは1.0〜1.2当量である。
この反応で用いるアルキル化剤であるハロゲン化オレ
フィン(XXV)は、置換チオフェノール(VI)に対して
一般に1.0〜2.0当量用いるが、1.0〜1.2当量用いるのが
好ましい。
反応溶媒は、反応に不活性なものであれば特に制限は
ないが、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)等が
好ましい。反応時間は、10分〜8時間であるが、通常2
時間程度で完結する。反応温度は、0℃〜溶媒の還流温
度まで任意に選べるが、室温〜60℃が好ましい。
反応終了後、反応液を冷却し、不溶物を除去し、溶媒
を留去する。残渣をヘキサン等の有機溶媒に再分散し、
洗浄、乾燥後、溶媒を留去することによりアルキル置換
チオフェノール(XXVI)を単離することができる。
(工程2) 工程2は、脱水縮合剤の存在下、アルキル置換チオフ
ェノール(XXVI)を分子内フリーデル−クラフツ反応に
より環化し、ヒドロベンゾ[b]チオフェン化合物(XX
VII)を形成する反応である。
この反応に用いる脱水縮合剤としては、例えば硫酸、
リン酸、五酸化リン、ポリリン酸等が挙げられ、ポリリ
ン酸が好ましい。脱水縮合剤は、通常アルキル置換チオ
フェノール(XXVI)に対して通常1〜10モル当量使用す
る。
反応温度は、室温〜200℃の範囲であるが、通常は100
〜150℃が好ましい。反応時間は、30分〜16時間である
が、通常は2〜8時間が好ましい。
反応終了後、反応液を氷水に注ぎ、ヘキサン等の溶媒
を加えて分液し、得られた有機層を洗浄、脱水後、溶媒
を留去する。得られた残渣をヘキサン等の展開溶媒でカ
ラムクロマトグラフィー等の手段で精製することにより
ヒドロベンゾ[b]チオフェン化合物(XXVII)を単離
することができる。
(工程3) 工程3は、ヒドロベンゾ[b]チオフェン化合物(XX
VII)に、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等
の溶媒の存在下、臭素、塩化スルフリル、塩素等のハロ
ゲン化試薬を反応させ、ベンゾ[b]チオフェン環の5
位にハロゲン置換されたハロゲン化ベンゾ[b]チオフ
ェン化合物(XXVII)を得る反応である。
この反応で用いるハロゲン化試薬の量は、ヒドロベン
ゾ[b]チオフェン化合物(XXVIII)に対して一般に1.
0〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。反応温度
は、通常0〜80℃、反応時間は、通常1〜80時間程度が
好ましい。
反応終了後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液等で、過剰
のハロゲン化試薬を除去し、常法に従って後処理を行い
目的のハロゲン化ベンゾ[b]チオフェン化合物(XXVI
II)を単離することができる。
(工程4) 工程4は、ハロゲン化ベンゾ[b]チオフェン(XXVI
II)をマグネシウム(Mg)と反応させてグリニャール試
薬とし、これに二酸化炭素(CO2)を反応させ、ヒドロ
ベンゾ[b]チオフェン環の5位にカルボキシル基の導
入された式(II y)の芳香族カルボン酸誘導体である化
合物(XXIX)(n=0、スルフィド化合物)を得る反応
である。溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロ
フランなどのエーテル類を用いるのが好ましい。反応温
度は0〜70℃、特に20〜60℃が好ましい。反応時間は、
通常1〜7時間程度である。
グリニャール試薬を得るためのマグネシウム(Mg)の
量は、ハロゲン化ヒドロベンゾ[b]チオフェン化合物
(XXVIII)に対して1.1〜3.5モル当量とするのが好まし
い。このグリニャール化反応はヨウ化メチルのようなヨ
ウ化アルキルや、臭化エチルのような臭化アルキルなど
の共存下に反応を行なうと、当該反応が円滑に進行する
ので好ましい。この際用いるハロゲン化アルキルの量
は、ハロゲン化ヒドロベンゾ[b]チオフェン化合物
(XXVIII)に対して0.1〜2.5モル当量とするのが好まし
い。
グリニャール試薬と二酸化炭素(CO2)との反応は溶
媒中のグリニャール試薬にボンベより二酸化炭素ガスを
吹き込むことにより、またはドライアイス(固体炭酸)
から発生させた二酸化炭素ガスを吹き込むことにより行
われる。また、ドライアイスを直接グリニャール試薬に
加えて反応させてもよい。
反応後、反応液に塩酸等の酸を滴下して反応を停止さ
せ、酢酸エチル等の有機溶媒を加えて分液し、得られた
有機層を炭酸カリウム水溶液等のアルカリを加えて分液
し、得られた水層を塩酸等の酸で中和し、酢酸エチル等
の有機溶媒で抽出する。得られた有機層を洗浄、乾燥
後、溶媒を留去することにより式(II y)の芳香族カル
ボン酸誘導体である化合物(XXIX)(n=0、スルフィ
ド化合物)を単離することができる。
(工程5) 工程5は、式(XXIX)の化合物に酸化剤(例えば過酸
化水素、過酢酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウム等)を溶媒
(例えば酢酸、水、メタノール等)中で作用させて式
(II y)の芳香族カルボン酸誘導体である化合物(XX
X)(n=1、スルホキシド化合物、n=2、スルホン
化合物)を得る反応である。
化合物(XXIX)に対して酸化剤を1当量反応させるこ
とによりスルホキシド(n=1の化合物)が、2当量以
上反応させることによりスルホン(n=2の化合物)が
得られる。
本反応の反応温度は、通常25〜110℃であるが、好ま
しくは60〜100℃である。反応時間は、一般に30分〜8
時間であるが、好ましくは1〜3時間である。
反応終了後、反応液を亜硫酸水素ナトリウム水溶液等
に投入し、酢酸エチル等の有機溶媒を加えて分液し、得
られた有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去することによ
り、目的の式(XXX)の化合物を単離することができ
る。
出発原料である式(XXVII)のヒドロベンゾ[b]チ
オフェン化合物は製造スキーム7の工程1および2によ
って得られる。以下、工程1、2、2′および3は、そ
れぞれ製造スキーム2の工程3、4、4′および5と本
質的に同じ反応であり、詳細は省略する。
(工程1) 工程1は、塩基の存在下、置換チオフェノール(VI)
と、α−ハロ−カルボニル化合物(XXXIII)とを縮合さ
せ、式(XXXIV)の化合物を得る反応である。
この反応に用いる塩基としては、例えば無水炭酸カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩
基、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられ、無水炭
酸カリウムが好ましい。塩基の使用量は、置換チオフェ
ノール(VI)に対し一般に0.5〜3.0モル当量であり、1.
0〜1.2モル等量が好ましい。
α−ハロ−カルボニル化合物(XXXIII)は、置換チオ
フェノール(VI)に対して通常1.0〜2.0モル当量用いる
が、特に1.0〜1.2モル当量用いるのが適当である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に
制限はないが、例えばアセトン、ジメチルホルムアミド
(DMF)等が適当である。
反応温度は、0℃〜溶媒の還流温度まで任意に選べる
が、室温〜60℃が好ましい。反応時間は、10分〜8時間
であるが、通常2時間程度で完結する。
反応終了後、反応液を冷却し、不溶物を除去し、溶媒
を留去する。得られた残渣をヘキサン等の溶媒に再分散
し、洗浄、乾燥後、溶媒を留去することにより化合物
(XXXIV)を単離することができる。
(工程2) 工程2は、脱水剤及び/又は酸触媒の存在下、工程1
で得られた化合物(XXXIV)を分子内脱水縮合反応させ
ることにより、ベンゾ[b]チオフェン化合物(XXXV)
を形成する反応である。
この反応で用いる脱水剤としては、例えば、硫酸、リ
ン酸、五酸化リン、ポリリン酸等が挙げられ、ポリリン
酸が好ましい。また酸触媒としては、p−トルエンスル
ホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸等が挙げられ、トリフルオロメタンスルホン酸が好
ましい。脱水剤及び/又は酸触媒は、化合物(XXXIV)
に対して一般に1〜10モル等量、好ましくは1.0〜3.0モ
ル等量使用する。
反応温度は、0℃〜溶媒の還流温度まで任意に選べる
が、通常室温〜60℃が好ましい。反応時間は、10分〜8
時間であるが、通常2時間程度で完結する。
反応終了後、常法に従い、反応液を氷水に注ぎ、析出
した白色結晶をn−ヘキサン等の有機溶媒に再分散し、
洗浄後溶媒を留去することによりベンゾ[b]チオフェ
ン化合物(XXXV)を単離することができる。
(工程3) 工程3は、工程2で得られたベンゾ[b]チオフェン
化合物(XXXV)を還元し、チオフェン環の2位と3位の
間の二重結合が還元されたヒドロベンゾ[b]チオフェ
ン化合物(XXVII a)を得る反応である。
還元の方法には特に制限はないが、パラジウム、酸化
白金等の触媒の存在下、常圧または加圧した水素で還元
する方法が簡便で好ましい。
反応終了後、常法に従い、触媒を除去し、溶媒を留去
して目的のヒドロベンゾ[b]チオフェン化合物(XXVI
I a)を単離することができる。
以下、ハロゲン化反応、グリニャール反応、酸化反応
は製造スキーム7の工程3、4、5と同様にして達成さ
れ、目的とする芳香族カルボン酸誘導体(II y)が得ら
れる。
一般式(II y)で表わされる芳香族カルボン酸誘導体
は一般に以下の製造スキーム10で表される方法によって
製造される。
(工程1) 式(VI)のチオフェノール類と式(XXXIII a)で表さ
れるケトン類を、上記製造スキーム9と同様の方法で反
応させて、式(XXXIV a)のスルフィド類を製造する。
(工程2) 工程1で得られた、式(XXXIV a)のスルフィド類に
グリニャール試薬を反応させて式(XXXVI)のアルコー
ル類とする工程である。この工程は典型的なグリニャー
ル反応であり、詳細は省略する。
以下の工程3、4、5は製造スキーム3の工程3、
4、5と同様に行えば良く、詳細は省略する。次いで工
程3または5で得られた化合物(XXXVII b)について、
上記製造スキーム7と同様に反応を行い、式(II y)の
芳香族カルボン酸誘導体を得る。
一般式(II)で表わされる芳香族カルボン酸誘導体の
うち、X4が水素である芳香族カルボン酸誘導体について
は以下の製造スキーム11によって製造することができ
る。
(工程1および2) 製造スキーム1の工程1〜3、又は製造スキーム4、
スキーム7の工程1〜3によって得られる式(XXXVII
I)の出発物質を、製造スキーム1の工程4、および5
と同様にして、式(XXXIX)で示される芳香族カルボン
酸誘導体(n=0、スルフィド化合物)を経て、式(XX
XX)で示される芳香族カルボン酸誘導体(n=1、スル
ホン化合物/n=2、スルホキシド化合物)とする工程で
ある。反応の詳細については製造スキーム1における説
明を参照されたい。
(工程3) 式(XXXX)の化合物を還元して、式(XXXXI)で表さ
れる芳香族カルボン酸誘導体(n=1または2)とする
工程である。還元方法としては特に制限はないが、例え
ばパラジウム、酸化白金等の触媒の存在下で、常圧ある
いは加圧した水素を用いて還元する方法や、触媒を用い
ず、直接、亜鉛末を用いて還元する方法がある。反応で
生成する塩化水素を捕捉するために、トリエチルアミ
ン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
塩基を式(XXXX)の化合物に対して当量以上共存させ
る。溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコ
ール系溶媒が好ましいが、出発物質を充分に溶解させる
為に、60%程度の含水エタノールを用いるのが最も好ま
しい。反応温度は通常20〜120℃、反応時間は通常1〜1
2時間程度である。
pが1であり、X2とX5が一緒になって結合を形成する
芳香族カルボン酸誘導体すなわち式(II za)で表され
る化合物は以下のスキーム12あるいは13によって製造さ
れる。
(工程1) 式(XXXXII)で表される、安息香酸エステル類と式
(XXXXIII)で表されるメルカプトプロピオン酸誘導体
を縮合反応させて、式(XXXXIV)で表されるフェニルチ
オプロピオン酸誘導体とする工程である。この工程はN
−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドの様
な非プロトン性の極性溶媒中で、塩基の存在下で行うこ
とが好ましい。用いる塩基としては、炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム等が挙げられる。塩基は安息香酸エステル
に対し1.0〜3.0モル当量用いる。反応温度は室温から溶
媒の沸点まで可能であるが、好ましくは80℃から130℃
である。反応時間は通常1〜8時間である。
(工程2) 工程1で得られたフェニルチオプロピオン酸誘導体
(XXXXIV)を、縮合環化させ、式(XXXXV)のチオクロ
マン−4−オン誘導体とする工程である。
縮合方法としては、例えば(i)フェニルチオプロピ
オン酸誘導体(XXXXIV)をフッ化水素、硫酸、五塩化リ
ン、リン酸、ポリリン酸、塩化スズ、塩化亜鉛、塩化ア
ルミニウム、アンバーリスト(イオン交換樹脂の商品
名)等の酸触媒の存在下、脱水環化する方法、(ii)フ
ェニルチオプロピオン酸誘導体(XXXXIV)を、例えば塩
化チオニル群の塩素化剤と反応させて、酸塩化物とし、
上記(i)の方法と同様の酸触媒の存在下環化させる方
法等が挙げられる。反応に用いる溶媒としては、反応条
件下、不活性なものであれば特に制限はないが、ペンタ
ン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,
2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒が好ましい。ま
た、ポリリン酸を溶媒兼酸触媒として用いる方法も好適
である。上記(i)の縮合環化方法において、酸触媒
は、フェニルチオプロピオン酸誘導体(XXXXIV)に対し
て0.01〜20モル当量、好ましくは1.0〜10モル当量使用
する。反応温度は通常室温〜120℃の範囲であるが、好
ましくは50〜100℃である。反応時間は通常30分〜8時
間であるが、好ましくは30分〜2時間である。上記(i
i)の縮合環化方法において、塩素化剤はフェニルチオ
プロピオン酸誘導体(XXXXIV)に対して、1.0〜3.0モル
当量、好ましくは1.1〜1.5モル当量使用する。酸塩化物
とする反応の反応温度は通常0〜120℃の範囲であり、
好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。反応時間は通
常30分〜8時間であるが、好ましくは30分〜2時間であ
る。(ii)の環化方法で用いる酸触媒は、酸塩化物に対
して0.01〜1.0モル当量、好ましくは0.1〜1.0モル当量
使用する。酸触媒による反応の反応温度は通常室温〜12
0℃であるが、好ましくは室温〜80℃である。反応時間
は通常30分〜8時間であるが、好ましくは2〜4時間で
ある。
(工程3) 工程2で得られたチオクロマン−4−オン誘導体(XX
XXV)を還元して、式(XXXXVI)で表わされるヒドロキ
シチオクロマン誘導体を得る工程である。
還元方法には特に制限はないが、(i)例えばアルコ
ール、ジクロロメタン等の反応に不活性な溶媒中、例え
ば水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いる方法や、
(ii)パラジウム、ニッケル等の還元触媒存在下、常圧
または加圧下に水素添加する方法が挙げられる。上記還
元方法(i)において、還元剤はチオクロマン−4−オ
ン誘導体(XXXXV)に対して1.0〜5.0モル当量、好まし
くは1.1〜2.0モル当量用いる。反応温度は通常−20〜50
℃であるが、好ましくは0〜20℃である。反応時間は通
常30分〜8時間であるが、好ましくは30分〜2時間であ
る。上記還元方法(ii)において、還元剤はチオクロマ
ン−4−オン誘導体(XXXXV)に対して1〜50重量%、
好ましくは10〜20重量%使用する。水素圧は通常、常圧
〜100kg/cm2であるが、好ましくは10〜50kg/cm2であ
る。反応温度は室温〜100℃であり、反応時間は1〜8
時間である。
工程3の好ましい反応態様としては、エタノール、ジ
クロロエタンを溶媒として用い、水素化ホウ素ナトリウ
ムを用いて還元する方法が挙げられる。この場合の反応
温度は0℃〜室温、反応時間は30分〜2時間が好まし
い。
水素化ホウ素ナトリウムで還元反応を行った場合、反
応終了後、反応液を氷水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽
出する。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去することによ
り、粗生成物が得られる。その粗生成物は、精製するこ
となく、そのまま次の反応に供することができる。
(工程4) 工程4は、工程3で得られたヒドロキシチオクロマン
誘導体(XXXXVI)を酸化してヒドロキシチオクロマンオ
キシド(XXXXVII)を得る工程であるが、基本的に前記
製造スキーム1の工程5と同じ酸化反応であり、これに
準じて行えば良く、詳細は省略する。
(工程5) 工程5は、工程4で得られたヒドロキシチオクロマン
オキシド(XXXXVII)を脱水して3,4−デヒドロチオクロ
マン類(XXXXVIII)を得る工程であるが、基本的に前記
製造スキーム4の工程2と同じ脱水反応であり、これに
準じて行えば良く、詳細は省略する。
(工程6) 工程6は、工程5で得られた3,4−デヒドロチオクロ
マン類(XXXXVIII)を加水分解して、目的の芳香族カル
ボン酸(II za、X3=水素)を得る工程である。これは
よく知られたエステルの加水分解反応であり、詳細は省
略する。なおこの工程は工程4あるいは工程5に先立っ
て行うことも可能である。
工程1a、2aを経由した場合にR3がC1〜C4アルキル基で
ある式(II za)の芳香族カルボン酸誘導体が得られ、
工程1b、2bを経由した場合にR3が水素である式(II z
a)の芳香族カルボン酸が得られる。
工程1a、2aはそれぞれ、スキーム4の工程1あるいは
2と本質的に同じであり、詳細は省略する。
(工程1b) 臭素化チオクロマン−4−オン化合物(XX)を還元し
て臭素化チオクロマン−4−オール化合物(XXI b)と
する工程である。
ここで用いる還元剤としては、水素化アルミニウムリ
チウム、水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。還元剤
は、臭素化チオクロマン−4−オール化合物(XXI b)
に対して一般に0.3〜1.2等量、好ましくは0.5〜1.0等量
用いる。
反応温度は、一般に0〜60℃であるが、好ましくは0
〜10℃である。反応時間は、一般に10分〜8時間である
が、通常10分〜2時間で完結する。
反応終了後、常法に従い、反応液に希塩酸等の酸を加
え、酢酸エチル等の有機溶媒を加えて分液する。得られ
た有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去することにより目
的の臭素化チオクロマン−4−オール化合物(XXI b)
を単離することができる。
工程2bは本質的にスキーム4の工程2と同じであり、
詳細は省略する。
工程3および4はそれぞれ、スキーム1の工程4ある
いは5と本質的に同じ反応であり、詳細は省略する。
pが0であり、X2とX5が一緒になって結合を形成する
芳香族カルボン酸誘導体(II)すなわち式(II zb)で
表される化合物は以下のスキーム14によって製造され
る。
出発物質としてスキーム9の式(VI)で表される置換
チオフェノールの代わりに、式(VI−Br)で表される臭
素置換チオフェノール誘導体を用いる。この臭素置換チ
オフェノール誘導体も、式(VI)の置換チオフェノール
と同様の公知の方法によって得られる。
以下工程1および2はそれぞれスキーム9の工程1お
よび2と本質的に同じ反応であり、工程3および4はそ
れぞれスキーム7の工程4あるいは5と同じであり、詳
細は省略する。
本発明の新規ピラゾール誘導体のうち、pが1であ
り、X2およびX5がともに水素である、一般式(I f)あ
るいは(I g)で表されるピラゾール誘導体は、以下の
方法によっても得られる。
(工程1) 式(I e)のピラゾール誘導体を還元して本発明のピ
ラゾール誘導体(I f)とする工程である。還元方法と
しては、パラジウム、酸化白金等の触媒下、常圧、ある
いは加圧した水素を用いて還元することが好ましい。用
いる触媒の量は式(I e)のピラゾール誘導体に対して
5〜20重量%、溶媒としてメタノール、エタノール等の
アルコール系溶媒を用いることが好ましい。反応温度は
室温から80℃程度であるが、通常室温で円滑に反応が進
行する。反応時間は2時間から24時間程度である。
(工程2) 工程2は、ピラゾール誘導体(I f)にQ1−Halを反応
させることによりピラゾール誘導体(I g)を得る工程
であるが、ピラゾール誘導体の製造方法(1)の工程2
と基本的に同じであり、この部分の説明を参照された
い。
本発明のピラゾール誘導体(I)を製造するための出
発原料である一般式(III)で表される5−ヒドロキシ
ピラゾール類は、その置換基に応じて以下のいずれかの
方法によって製造することができる。下記反応式中、R1
およびR2は一般式(I)において定義したとおりであ
る。
上記(1)〜(3)は、 R2=水素原子 である一般式(III)の5−ヒドロキシピラゾール類の
製造方法であり、 上記(4)および(5)は、 R2=C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基または
C2〜C4アルコキシアルキル基 である一般式(III)の5−ヒドロキシピラゾール類の
製造方法である。
以下表1に、本発明の式(I)に包含されるピラゾー
ル誘導体のうち、p=0、X5=X6=水素原子である場合
の化合物の例を示すが、本発明の化合物はこれらに限定
されるものではない。
実施例 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
工程(1) 100mlナスフラスコに、2,5−ジメチルチオフェノール
6.9g(50ミリモル)、ハロゲン化オレフィンであるメタ
リルクロリド5.5g(60ミリモル)、1.2当量)、炭酸カ
リウム6.9g(50ミリモル、1当量)およびアセトン30ml
を入れ、1時間加熱還流した。反応液を放冷後、不溶物
を濾去し、アセトンを留去した。得られた残渣をn−ヘ
キサンに再分散し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去して2−メ
チル−3−(2,5−ジメチルフェニルチオ)−1−プロ
ペン8.6g(収率89%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.87(3H,s)、2.28(3H,s)、2.3
3(3H,s)、3.49(2H,s)、4.87(2H,m)、6.8−7.3(3
H,m) I.R.(KBr錠剤、cm-1):3090、2980、1610 工程(2) 100mlナスフラスコに、上記工程(1)で得た2−メ
チル−3−(2,5−ジメチルフェニルチオ)−1−プロ
ペン8.6g(45ミリモル)、脱水縮合剤のポリリン酸50g
(五酸化二リン(P2O5)300ミリモル(6.7当量)含有)
を入れ、150℃で2時間反応させた。反応終了後、反応
液を氷水に注ぎ、n−ヘキサンで抽出を行った。得られ
た有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を除去して得られた粗生成物をカラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)にて精製し
て3,3,4−テトラメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオ
フェン1.6g(収率19%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.45(6H,s)、2.21(3H,s)、2.3
6(3H,s)、3.08(2H,s)、6.80(2H,dd) I.R.(KBr錠剤、cm-1):2970、1465、800 工程(3) 100mlナスフラスコに上記工程(2)で得た3,3,4,7−
テトラメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン1.6g
(8ミリモル)およびクコロホルム30mlを入れ、ここに
臭素0.55ml(10.7ミリモル、1.34当量)を滴下した。室
温で1時間反応させた後、反応液を亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去して、5−ブロモ−3,3,4,7
−テトラメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン1.
9g(収率85%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.48(6H,s)、2.18(3H,s)、2.4
1(3H,s)、3.08(2H,s)、7.20(1H,s) I.R.(KBr錠剤、cm-1):2950、1440、1100 工程(4) 100ml三口フラスコに、THF30ml、マグネシウム0.7g
(24ミリモル、3.4当量)を入れ、臭化エチル1.52g(14
ミリモル、2当量)を滴下して活性化させた後、THF5ml
に溶解させた上記工程(3)で得た5−ブロモ−3,3,4,
7−テトラメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン
1.9g(7.0ミリモル)を滴下し、4時間加熱還流した。
室温まで放冷後、二酸化炭素ガスを2時間バブリングさ
せた。反応液に5%塩酸を滴下して反応を停止させ、酢
酸エチルで抽出を行った。得られた有機層を炭酸カリウ
ム水溶液で抽出し、得られた水層を酢酸エチルで洗浄
後、5%塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。得られ
た有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、溶媒を留去して3,3,4,7−テトラメチル−
2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−5−カルボン酸1.
2g(収率70%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.51(6H,s)、2.22(3H,s)、2.5
8(3H,s)、3.12(2H,s)、7.62(1H,s) I.R.(KBr錠剤、cm-1):3500、3000、1690 工程(5) 100mlナスフラスコ中に、上記工程(4)で得た芳香
族カルボン酸の3,3,4,7−テトラメチル−2−ヒドロベ
ンゾ[b]チオフェン−5−カルボン酸1.2g(4.9ミリ
モル)、30%H2O21.7ml(15.0ミリモル、3.1当量)、酢
酸10mlを入れ、100℃で2時間反応させた。反応液を亜
硫酸水素ナトリウム水溶液に投入し、酢酸エチルで抽出
した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して3,3,4,7−テ
トラメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−5−
カルボン酸−1,1−ジオキシド1.0g(収率79%)を得
た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.69(6H,s)、2.63(6H,s)、3.3
8(2H,s)、7.30(1H,s)、7.72(1H,s) I.R.(KBr錠剤、cm-1):3450、1740 工程(1) 300ml三口フラスコに臭化メチルマグネシウム(MeMgB
r)の1M溶液55ml(55ミリモル、3当量)、テトラヒド
ロフラン(THF)100mlを入れ、窒素気流下氷冷した。こ
こに6−ブロモ−5,8−ジメチルチオクロマン−4−オ
ン5.0g(18.4ミリモル)をTHF15mlに溶解した溶液を滴
下し、室温で3時間撹拌後、2時間還流した。反応液に
5%HClを加え、酢酸エチルで抽出を行った。得られた
有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を留去して6−ブロモ−4,5,8−トリメチル
チオクロマン−4−オール5.2g(収率99%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.60(3H,s)、2.20(3H,s)、2.2
6〜2.36(2H,m)、2.70(3H,s)、2.80〜3.10(2H,
m)、7.40(H,s) 工程(2) 上記工程(1)で得た6−ブロモ−4,5,8−トリメチ
ルチオクロマン−4−オール5.4g(18.8ミリモル)、ベ
ンゼン100ml、p−トルエンスルホン酸10mg(0.06ミリ
モル、0.0032当量)を、ディーンスターク管を付けた20
0mlのフラスコに仕込み、1時間加熱還流した。冷却
後、反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留
去して得られた残渣(粗生成物)を、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン、酢酸エチ
ル)により精製し、6−ブロモ−4,5,8−トリメチル−
3,4−デヒドロチオクロマン1.4g(収率27%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):2.08(3H,s)、2.29(3H,s)、2.4
2(3H,s)、2.99(2H,dd)、6.02(1H,t)、7.22(1H,
s) 工程(3) 100mlポータブルリアクタ中に、6−ブロモ−4,5,8−
トリメチル−3,4−デヒドロチオクロマン1.32g、5%Pd
/C 0.55g、クロロホルム20mlを仕込み、水素圧5kg/cm2
ゲージ下室温で6時間反応させた。反応終了後触媒を濾
別し、溶媒を留去することにより、6−ブロモ−4,5,8
−トリメチルチオクロマン1.21g(収率91%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.15(3H,d)、2.20(3H,s)、2.3
8(3H,s)、1.8〜2.3(H,m)、2.9〜3.1(2H,m)、3.2
〜3.4(2H,m)7.20(H,s) 工程(4) 50ml三口フラスコ中にTHF15ml、マグネシウム0.43g
(18ミリモル)を入れ、臭化エチル0.97g(9ミリモ
ル)を滴下して活性化させた後、THF3mlに溶解させた6
−ブロモ−4,5,8−トリメチルチオクロマンを1.21g(4.
5ミリモル)を滴下し、6時間加熱還流した。室温まで
放冷後、CO2ガスを2時間バブリングさせた。5%塩酸
で反応を止め、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸カ
リウム水溶液で抽出し、水層を酢酸エチルで洗浄後、5
%塩酸で中和した。生成したカルボン酸を酢酸エチルで
抽出し、飽和食塩水で洗浄した後硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を留去して4,5,8−トリメチルチオクロマン
−6−カルボン酸0.75g(収率71%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.14(3H,d)、2.23(3H,s)、1.7
5〜2.35(H,m)、2,55(3H,s)、2.9〜3.1(2H,m)、3.
2〜3.5(2H,m)、7.60(H,s) 工程(5) 30mlナスフラスコ中に、4,5,8−トリメチルチオクロ
マン−6−カルボン酸0.75g(3.2ミリモル)、30%過酸
化水素1.1g(9.5ミリモル、3当量)、酢酸1mlを入れ、
100℃で2時間反応させた。反応液を亜硫酸水素ナトリ
ウム水溶液に投入し、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩
水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去し
て4,5,8−トリメチルチオクロマン−6−カルボン酸−
1,1−ジオキシド0.76g(収率98%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.35(3H,d)、2.0〜2.4(H,m)、
2.57(3H,s)2.77(3H,s)、3.3〜3.8(4H,m)、7.67
(H,s) 工程(1) 2,5−ジメチルチオフェノール10.0g(72.5ミリモ
ル)、エチルビニルケトン7.32g(87.0ミリモル)およ
びジクロロエタン30mlの混合物に、トリエチルアミン0.
5mlを加え、1時間撹拌した。混合物をジクロメタンで
希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下溶媒を留去す
ることにより、(2,5−ジメチルフェニル)−3−オキ
ソペンチルスルフィド16.1g(収率100%)を無色透明の
オイルとして得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.05(3H,t,J=7Hz)、2.31(6H,
s)、2.43(2H,q,J=7Hz)、2.6〜2.9(2H,m)、3.0〜
3.3(2H,m)、6.9〜7.2(3H,m) 工程(2) (2,5−ジメチルフェニル)−3−オキソペンチルス
ルフィド16.1g(72.6ミリモル)とエタノール64mlに水
酸化ホウ素ナトリウム1.65g(43.6ミリモル)を0℃で
徐々に加え、室温で1時間撹拌した。混合物を氷と5%
塩酸水溶液に注ぎ、ジクロロエタンで抽出した。抽出液
を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下溶媒を
留去することにより、(2,5−ジメチルフェニル)−3
−ヒドロキシペンチルスルフィド16.3gを無色透明のオ
イルとして得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):0.95(3H,t)、1.3〜1.9(4H,
m)、2.31(6H,s)、2.9〜3.1(2H,m)、3.6〜3.9(H,
m)、6.8〜7.2(3H,m) 工程(3) (2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシペンチ
ルスルフィド10.0g(45.2ミリモル)とジクロロエタン3
0mlの混合溶液に塩化チオニル4.94ml(67.8ミリモル)
を徐々に滴下し、60℃で2時間撹拌した。反応混合物を
室温に冷却し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に
ジクロロメタンを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過し、減圧下
溶媒を留去することにより、粗製の(2,5−ジメチルフ
ェニル)−3−クロロペンチルスルフィド10.9g(収率9
9%)を得た。この化合物はこれ以上精製せずに次の反
応に用いた。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.03(3H,t)、1.5〜2.4(4H,
m)、2.32(6H,s)、2.8〜3.2(2H,m)、3.9〜4.2(H,
m)、6.8〜7.2(3H,m) 工程(4) (2,5−ジメチルフェニル)−3−クロロペンチルス
ルフィド9.40g(38.7ミリモル)のジクロロメタンの混
合溶液を、塩化アルミニウム5.18g(38.7ミリモル)と
塩化メチレン20mlの懸濁液に0℃にて徐々に滴下し、0
℃で2時間撹拌し、さらに室温で2時間撹拌した。反応
混合物を氷水に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。抽出液
を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下溶媒を
留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル;ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル=20:1)により精
製し、4−エチル−5,8−ジメチルチオクロマン3.64g
(収率47%)を褐色のオイルとして得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):0.9〜1.1(3H,m)、1.4〜2.5(10
H,m)、2.8〜4.1(3H,m)、6.8〜7.2(2H,m) 工程(5) 塩化アルミニウム1.49g(11.1ミリモル)、塩化アセ
チル0.82ml(11.6ミリモル)およびジクロロメタン6ml
の混合溶液に、4−エチル−5,8−ジメチルチオクロマ
ン1.91g(9.26ミリモル)とジクロロメタンの混合溶液
を0℃で滴下し、さらに1.5時間撹拌した。反応混合物
を氷と5%塩酸水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し
た。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下溶媒を留
去することにより、6−アセチル−4−エチル−5,8−
ジメチルチオクロマン1.66g(収率72%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):0.99(3H,t)、1.3〜1.8(2H,
m)、2.2〜2.6(2H,m)、2.25(3H,m)、2.38(3H,
s)、2.53(3H,s)、2.8〜3.8(3H,m)、7.21(H,s) 工程(6) 6−アセチル−4−エチル−5,8−ジメチルチオクロ
マン1.66g(6.68ミリモル)、30%過酸化水素水溶液2.2
8g(20.1ミリモル)および酢酸2.0mlの混合溶液を80℃
にて2時間反応させた。この混合物を室温まで冷やし、
2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで
抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食
塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
濾過後、減圧下溶媒を留去した。残渣をカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル;ヘキサン/酢酸エチル=2:
1)により精製し、6−アセチル−4−エチル−5,8−ジ
メチルチオクロマン−1,1−ジオキシド1.03g(収率55
%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.53(3H,t,J=7Hz)、1.42(2H,
m)、2.2〜2.6(2H,m)、2.31(3H,s)、2.53(3H,
s)、2.75(3H,s)、2.9〜3.8(3H,s)、7.20(H,s) 工程(7) 6−アセチル−4−エチル−5,8−ジメチルチオクロ
マン−1,1−ジオキシド1.03g(3.67ミリモル)とジオキ
サン4mlの混合溶液に、0℃で次亜塩素酸ナトリウム水
溶液13mlを滴下し、0℃で1時間撹拌し、さらに室温で
一晩撹拌した。この混合物に20%亜硫酸ナトリウム水溶
液5mlを加え、ジクロロメタンで洗浄した。水層を濃塩
酸で酸性化し(pH1)、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾過後、減圧下溶媒を留去するこ
とにより、4−エチル−5,8−ジメチルチオクロマン−
1,1−ジオキシド−6−カルボン酸0.90g(収率87%)を
得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):1.07(3H,t)、1.5〜1.8(2H,m)、2.3
〜2.7(2H,m)、2.49(3H,s)、2.69(3H,s)、3.0〜3.
9(3H,m)、7.55(H,s) 工程(1) 100mlナスフラスコ中に置換チオフェノールの2,5−ジ
メチルチオフェノール4.0g(29ミリモル)、α−ハロ−
カルボニル化合物のクロロアセトン3.2g(35ミリモル、
1.2当量)、無水炭酸カリウム4.0g(29ミリモル、1当
量)およびアセトン30mlを入れ、2時間加熱還流した。
反応液を放冷後、不溶物を濾去し、アセトンを留去し
た。得られた残渣をn−ヘキサンに再分散し、飽和食塩
水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒を留去した。得られた残渣に脱水縮合剤のポリ
リン酸100gを加え、室温で1時間撹拌した。反応液を氷
水に注ぎ、析出した白色結晶をn−ヘキサンに再分散
し、飽和食塩水で洗浄した。溶媒を留去して3,4,7−ト
リメチルベンゾ[b]チオフェン4.5g(収率88%)を得
た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):2.48(3H,s)、2.62(3H,s)、2.7
2(3H,s)、2.98(3H,s) 工程(2) 50mlナスフラスコ中に上記工程(1)で得た3,4,7−
トリメチルベンゾ[b]チオフェン1.0g、エタノール30
mlおよび酸化白金50mgを入れ、常圧で水素添加した。反
応終了後、酸化白金を濾去し、エタノールを留去して3,
4,7−トリメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン
0.94g(収率93%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.24(3H,d)、2.21(3H,s)、2.2
6(3H,s)、2.7〜3.1(H,m)、3.4−3.8(2H,m)、6.98
(3H,s) 工程(3) 100mlナスフラスコに塩化アルミニウム2.33g(16.0ミ
リモル、1.2当量)、ジクロロメタン10mlを入れ、氷冷
した。これに塩化アセチル1.15ml(1.26g,17.5ミリモ
ル、1.1当量)を滴下し、15分間氷冷下同温度で撹拌し
た後、3,4,7−トリメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チ
オフェン2.60g(14.6ミリモル)のジクロロメタン10ml
溶液を滴下した。
氷冷下30分撹拌後、室温にて3時間撹拌し、氷水に投
入して反応を停止させた。水層をジクロロメタンで抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥させた。溶媒を留去して5−アセチル−3,4,7−
トリメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン2.48g
(収率77%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.24(3H,d)、2.25(3H,s)、2.4
3(3H,s)、2.54(3H,s)、2.95(H,d),3.5〜3.8(2H,
m)、7.30(H,s) 工程(4) 30mlナスフラスコ中に5−アセチル−3,4,7−トリメ
チル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン2.48g(11.3
ミリモル)、30%過酸化水素水3.8ml、酢酸3mlを仕込
み、100℃で2時間反応させた。反応液を亜硫酸ナトリ
ウム水溶液に投入し、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩
水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去し
て5−アセチル−3,4,7−トリメチル−2−ヒドロベン
ゾ[b]チオフェン−1,1−ジオキシド2.67g(収率94
%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.50(3H,d)、2.39(3H,s)、2.5
7(3H,s)、2.63(3H,s)、3.25(H,d)、3.5〜3.75(2
H,m)、7.37(H,s) 工程(5) 50mlナスフラスコ中に6.3%次亜塩素酸11.6mlを仕込
み、氷冷した。5−アセチル−3,4,7−トリメチル−2
−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジオキシド2.6
7g(10.6ミリモル)の1,4−ジオキサン10ml溶液を滴下
した。滴下後室温まで昇温し、3時間撹拌した。その
後、亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、反応溶液を塩化メ
チレンで2回洗浄した後、濃塩酸10mlを冷水下で加え
た。酢酸エチルで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去し、3,4,7−トリメチル−
2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−5−カルボン酸−
1,1−ジオキシドを2.38g(収率88%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.50(3H,d)、2.58(3H,s)、2.6
5(3H,s)、3.28(H,d)、3.5〜3.75(2H,m)、7.85
(H,s) 工程(1) 100mlナスフラスコにおいて、ハロゲン化チオクロマ
ン−4−オン化合物の6−ブロモ−5,8−ジメチルチオ
クロマン−4−オン5.0g(18.4ミリモル)をメタノール
30mlに溶解し、ここに還元剤の水素化ホウ素ナトリウム
0.35g(9.2ミリモル、0.5当量)を室温で加えた。反応
液を2時間撹拌後、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出を
行った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、溶媒を留去して6−ブロモ−5,8−ジメ
チルチオクロマン−4−オール0.49g(収率95%)を得
た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.8〜3.3(4H,m)、2.21(3H,
s)、2.42(3H,s)、5.06(H,t)、7.30(1H,s) 工程(2) 上記工程(1)で得た6−ブロモ−5,8−ジメチルチ
オクロマン−4−オール4.0g(16.6ミリモル)、ベンゼ
ン100ml、p−トルエンスルホン酸10mg(0.06ミリモ
ル、0.0036当量)を、ディーンスターク管を付けた200m
lフラスコに仕込み、1時間加熱還流した。反応液を冷
却後、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して
6−ブロモ−5,8−ジメチル−3,4−デヒドロチオクロマ
ン2.6g(収率69%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):2.30(6H,s)、3.32(2H,dd)、5.
9〜6.2(H,m)、6.6〜7.0(2H,m) 工程(3) 200ml三口フラスコに、THF50ml,マグネシウム0.56g
(23ミリモル、1.2当量)を入れ、ここにヨウ素1片、
臭化エチル5滴を滴下して活性化させた後、THF5mlに溶
解させた上記工程(2)で得た6−ブロモ−5,8−ジメ
チル−3,4−デヒドロチオクロマン4.88g(19ミリモル)
を滴下し、4時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷
後、二酸化炭素ガスを2時間バブリングさせた。反応液
に5%塩酸を滴下して反応を停止させ、酢酸エチルで抽
出を行った。得られた有機層を炭酸カリウム水溶液で抽
出し、水層を酢酸エチルで洗浄後、5%塩酸を加えて中
和し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留
去して5,8−ジメチル−3,4−デヒドロチオクロマン−6
−カルボン酸1.9g(収率46%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):2.32(3H,s)、2.60(3H,s)、3.3
3(2H,dd)、5.9〜6.1(H,m)、6.81(H,d)、7.67(H,
s) I.R.(KBr錠剤、cm-1):3300〜2600、1680 工程(1) 酸触媒である塩化アルミニウム100g(750ミリモル、
1.21当量)の1,2−ジクロロエタン250ml溶液に、ハロゲ
ン置換ベンゼン誘導体である3,4−ジクロロトルエン80m
l(100g、621ミリモル)を加え、次にアセチル化剤であ
る塩化アセチル55ml(774ミリモル、1.25当量)を室温
で滴下した。滴下終了後、反応液を室温で10分間撹拌し
た後、70〜75℃で5時間撹拌した。反応溶液を冷却後、
氷水300mlに徐々に注加した。二層分離を行い、得られ
た有機層を濃縮した。得られた水層を酢酸エチルで抽出
し、得られた有機層を前記の濃縮された有機層に合わせ
た。全体の有機層を5%塩酸で1回、炭酸ナトリウム水
溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、3,4−ジクロ
ロ−6−メチルアセトフェノンの粗生成物125.1g(収率
86%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):2.47(3H,s)、2.58(3H,s)、7.50
(H,s)、7.97(H,s) 工程(2) 酸化剤である12.9%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1350
ml(1.96モル、3当量)を水400mlで希釈し、これを氷
冷下で8℃まで冷却した。ここに、上記工程(1)で得
た3,4−ジクロロ−6−メチルアセトフェノン132.3(65
2ミリモル)のジオキサン溶液130mlを10℃以下で滴下
し、さらにジオキサン130mlを加えた。その後、氷水浴
を取り除き、室温で撹拌した。反応系内の温度が15℃に
達したとき、再び氷冷下で1時間撹拌し、さらに氷水浴
を取り除いて室温で3.0時間撹拌した。その後、反応溶
液に亜硫酸ナトリウム10.0g(79ミリモル)の水溶液50m
lを加えた。反応溶液を塩化メチレンで2回洗浄した
後、濃塩酸170mlを氷冷下で加えた。酢酸エチルで3回
抽出を行った後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去し、3,4−ジクロロ−6−
メチル安息香酸の粗生成物119.3g(収率83%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:アセトン−d6、内部標準:テト
ラメチルシラン):2.59(3H,s)、7.52(H,s)、8.04
(H,s) 工程(3) 上記工程(2)で得た3,4−ジクロロ−6−メチル安
息香酸92.1g(421ミリモル)をエステル化剤兼溶媒であ
るエタノール550mlに溶解し、酸触媒である濃硫酸20ml
を加え、7時間加熱還流した。エタノールを減圧留去し
た後、ここに氷水を加え、酢酸エチルで2回抽出を行っ
た。得られた有機層を炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去し、3,4−ジクロロ−6−メチル安息香酸エ
チルの粗生成物103.4g(収率97%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):1.39(3H,t)、2.57(3H,s)、4.35(2
H,s)、7.52(H,s)、7.98(H,s) 工程(4) 工程(3)で得た3,4−ジクロロ−6−メチル安息香
酸エチル53.7g(231ミリモル)、塩基である炭酸カリウ
ム37.0g(268ミリモル、1.1当量)のN,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)溶液215mlに、室温で3−メルカプトプ
ロピオン酸23.4ml(268ミリモル、1.1当量)を加えた
後、120〜125℃で2時間20分加熱撹拌した。反応溶液を
約50℃に冷却し、酢酸エチルおよび水を加えた後、DMF
および中性成分を除くため、酢酸エチルで4回、ヘキサ
ンで1回洗浄した。得られた水層に濃塩酸を加え、結晶
を析出させ、しばらく放置した後、結晶を濾取し、これ
を3回水洗した。得られた結晶を酢酸エチルに溶解し、
得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した、溶媒を減圧留去し、3−(2−ク
ロロ−4−エトキシカルボニル−5−メチルフェニルチ
オ)プロピオン酸の粗生成物50.4g(収率60%)を得
た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):1.38(3H,t)、2.58(3H,s)、2.79(2
H,t)、3.25(2H,t)、7.33(H,s)、7.87(H,s) 工程(5) 酸触媒である、ポリリン酸167gを80〜85℃に加温し、
これに上記工程(4)で得た3−(2−クロロ−4−エ
トキシカルボニル−5−メチルフェニルチオ)プロピオ
ン酸47.7g(157ミリモル)を5分間かけて加えた後、1
時間20分加熱撹拌した。反応溶液を室温まで放冷後、炭
酸ナトリウム191g(1.80モル)と氷の混合物に徐々に加
え、室温で炭酸ナトリウムがほぼ溶解するまで撹拌し
た。酢酸エチルで2回抽出を行い、得られた有機層を炭
酸ナトリウム水溶液で2回、水で2回、飽和食塩水で1
回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去し、8−クロロ−6−エトキシカルボニル−5−メ
チルチオクロマン−4−オンの粗生成物41.3g(収率85
%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):1.38(3H,t)、2.58(3H,s)、2.9〜3.
1(2H,m)、3.3〜3.5(2H,m)、4.34(2H,q)、7.81
(H,s) 工程(6) 上記工程(5)で得た8−クロロ−6−エトキシカル
ボニル−5−メチルチオクロマン−4−オン88.4g(311
ミリモル)をエタノール200mlに溶解させ、さらにジク
ロロメタン200mlに溶解させた。この溶液を5〜10℃に
冷却し、ここに水素化ホウ素ナトリウム5.9g(155ミリ
モル)を加えた。反応溶液を同温度で30分撹拌した後、
さらに室温で3時間撹拌した。その後、反応溶液を5%
塩酸水400ml中に投入し、ジクロロメタン900mlで抽出を
行った後、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、8−クロロ
−6−エトキシカルボニル−5−メチルチオクロマン−
4−オール86.8g(収率97%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):1.35(3H,s)、1.6〜3.7(5H,m)、2.6
2(3H,s)、4.1〜4.8(2H,bs)、4.32(2H,q)、5.13
(H,m)、7.71(H,s) 工程(7) 前記工程(6)で得た8−クロロ−6−エトキシカル
ボニル−5−メチルチオクロマン−4−オール25.8g(9
0.0ミリモル)を酢酸70mlに溶かし、30%過酸化水素水
溶液46.0ml(0.45モル、5.0当量)を加え、80℃で4時
間加熱撹拌した。反応混合物を放冷して生じた固体を濾
別し、水200mlで洗浄、減圧乾燥して、8−クロロ−6
−エトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−5−メチルチ
オクロマン−1,1−ジオキシド21.9g(収率95%)を得
た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重クロロホルム、内部標準:テ
トラメチルシラン):1.40(3H,t)、2.59(3H,s)、2.5
〜4.2(4H,m)、4.40(2H,q)、5.09(H,bs)、7.67
(H,s) 工程(8) 前記工程(7)で得た8−クロロ−6−エトキシカル
ボニル−4−ヒドロキシ−5−メチルチオクロマン−1,
1−ジオキシド10.0g(31.3ミリモル)をエタノール30ml
に溶かし、16%水酸化カリウム水溶液50mlと亜鉛末6.1g
(93.3ミリモル、3.0当量)を加え、50℃で3時間加熱
撹拌した。反応終了後、亜鉛を濾過した。反応溶液を冷
却しながら2N塩酸水溶液をpH1になるまで加えた。その
後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去する
ことにより、4−ヒドロキシ−5−メチルチオクロマン
−6−カルボン酸−1,1−ジオキシド11.5g(収率100
%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):2.5〜2.8(2H,m)、2.69(3H,s)、3.1
〜4.1(4H,m)、5.22(H,t)、7.75(H,d)、7.94(H,
d) mp.172〜173℃ 工程(9) 前記工程(8)で得た4−ヒドロキシ−5−メチルチ
オクロマン−6−カルボン酸−1,1−ジオキシド3.0g(1
1.8ミリモル)をトルエン10mlに溶解し、濃硫酸0.1mlを
加えて70℃で5時間加熱撹拌した。反応終了後、冷却し
ながら飽和炭酸水素ナトリウム水溶液をpH10になるまで
加えた。そして、不純物を酢酸エチルで抽出した後、水
層を氷浴中5%塩酸を加えpHを1にし、酢酸エチルで2
回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより、5−メ
チル−3,4−デヒドロチオクロマン−6−カルボン酸−
1,1−ジオキシド2.5g(収率89%)を得た。
N.M.R.(ppm、溶媒:重アセトン、内部標準:テトラ
メチルシラン):2.62(3H,s)、4.10(2H,m)、6.45
(H,ddd)、7.20(H,d)、7.83(H,d)、7.95(H,d) mp.183−186℃ 次に本発明の第1の目的を達成する新規ピラゾール誘
導体の製造例を示す。
製造実施例1 100mlナスフラスコに中間体製造実施例1で得た3,3,
4,7−テトラメチル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェ
ン−5−カルボン酸−1,1−ジオキシド1.0g(3.9ミリモ
ル)、1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール0.48g
(4.3ミリモル、1.1当量)、t−アミルアルコール100m
lを入れ、脱水剤のN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(DCC)1.04g(5.0ミリモル、1.3当量)を加えて室
温で4時間反応させた。反応液に、塩基の炭酸カリウム
0.53g(3.9ミリモル、1当量)を加え、100℃でさらに
2時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エ
チル50mlおよび水50mlを加え、分液した。得られた水層
を5%塩酸で中和した後、酢酸エチルで抽出を行い、有
機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、溶媒を留去して、3,3,4,7−テトラメチル−5
−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イ
ル)カルボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−
1,1−ジオキシド(化合物No94)0.8g(収率57%)を得
た。
製造実施例2 50mlナスフラスコ中に4,5,8−トリメチルチオクロマ
ン−6−カルボン酸−1,1−ジオキシド0.76g(2.8ミリ
モル)、1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール0.35g
(3.1ミリモル、1.1当量)、t−アミルアルコール5ml
を入れ、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)0.70g(3.4ミリモル、1.2当量)のt−アミルアルコ
ール5ml溶液を室温で加えた。室温で2時間反応させた
後、炭酸カリウム0.58g(2.8ミリモル、1.5当量)を加
え、100℃で6時間反応させた。溶媒を留去後、残渣を
水30ml及び酢酸エチル30mlに分配し、不溶物であるDCC
ウレア体を濾別した。有機層を5%炭酸カリウム水溶液
10mlで2回抽出した後、水層をあわせて濃塩酸で酸性と
し、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄した後、
硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して粗生成物を0.
77g得た。これをエタノールより再結晶して4,5,8−トリ
メチル−6−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール
−4−イル)カルボニルチオクロマン−1,1−ジオキシ
ド(化合物No302)を0.52g(収率51%)得た。
製造実施例3 tert−アミルアルコール5ml中に中間体製造実施例3
で得た4−エチル−5,8−ジメチルチオクロマン−6−
カルボン酸−1,1−ジオキシド0.90g(3.2ミリモル)、
1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール0.43g(3.8ミリ
モル)及びDCC 0.79(3.8ミリモル)を加え、室温で2.
5時間反応させた。続いて炭酸カリウム0.31g(2.2ミリ
モル)を加えて80℃で4時間反応させた。反応混合物を
室温まで冷却し、減圧下で溶媒を留去した。残渣に2%
炭酸ナトリウム水溶液を加えて溶かし、不溶物は濾過し
て除去した。水溶液を酢酸エチルで洗浄後、12N塩酸を
加えてpHを1とし、生じた油状物を酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、減圧
下で溶媒を留去して、4−エチル−5,8−ジメチル−6
−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イ
ル)カルボニルチオクロマン−1,1−ジオキシド(化合
物No301)が1.2g(収率100%)得られた。
製造実施例4 50mlナスフラスコ中に3,4,7−トリメチル−2−ヒド
ロベンゾ[b]チオフェン−5−カルボン酸−1,1−ジ
オキシド2.38g(9.4ミリモル)、1−エチル−5−ヒド
ロキシピラゾール1.15g(10.3ミリモル、1.1当量)、t
−アミルアルコール10mlを入れ、DCC 2.31g(12.2ミリ
モル、1.3当量)のt−アミルアルコール5ml溶液を室温
で加えた。室温で2時間反応させた後、炭酸カリウム1.
68g(12.2ミリモル、3当量)を加え、100℃で6時間反
応させた。溶媒を留去後、残渣を水50ml、及び酢酸エチ
ル50mlに分配し、不溶物であるDCCウレア体を濾別し
た。有機層を5%炭酸カリウム水溶液15mlで2回抽出し
た後、水層をあわせて濃塩酸で酸性とし、酢酸エチルで
抽出した。飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで
乾燥、溶媒を留去して目的物粗生成物を2.34g得た。こ
れをエタノールより再結晶して3,4,7−トリメチル−5
−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イ
ル)カルボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−
1,1−ジオキシド(化合物No82)1.39g(収率42%)を得
た。
製造実施例5 工程(1) 100mlナスフラスコに、上記中間製造実施例5で得た
5,8−ジメチル−3,4−デヒドロチオクロマン−6−カル
ボン酸0.96g(4.4ミリモル)、1−エチル−5−ヒドロ
キシピラゾール0.54g(4.8ミリモル、1.1当量)、ジク
ロロメタン10mlを入れ、脱水剤のDCC 1.08g(5.2ミリ
モル、1.2当量)を加えて室温で2時間反応させた。DCC
ウレア体を濾去し、濾液を濃縮した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル、n−ヘ
キサン、1:1混合溶媒)で精製を行った。精製して得ら
れたエステル中間体0.81g(2.6ミリモル)に塩基の炭酸
カリウム0.53g(3.9ミリモル、1.5当量)および1,4−ジ
オキサン2.0mlを加え、120℃でさらに2時間反応させ
た。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル50ml
および水50mlを加えて分液した。得られた水層を5%酸
塩で中和した後、酢酸エチルで抽出を行った。得られた
有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を留去して5,8−ジメチル−6−(1−エチ
ル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カルボニル
−3,4−デヒドロチオクロマン(化合物No289)0.63g
(収率57%)を得た。
工程(2) 30mlナスフラスコに上記工程(1)で得た5,8−ジメ
チル−6−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−
4−イル)カルボニル−3,4−デヒドロチオクロマン75m
g(0.24ミリモル)、酸化白金7mg、エタノール3mlを入
れ、室温で常圧水素添加を行った。8時間反応後、酸化
白金を濾去し、エタノールを留去して5,8−ジメチル−
6−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イ
ル)カルボニルチオクロマン(化合物No290)67mg(収
率88%)を得た。工程(1)、(2)を通しての収率は
50%であった。
製造実施例6 製造実施例5における5,8−ジメチル−3,4−デヒドロ
チオクロマン−6−カルボン酸の代わりに、中間体製造
実施例10で得られた5−メチル−3,4−デヒドロチオク
ロマン−6−カルボン酸−1,1−ジオキシドを用いた以
外は製造実施例5と本質的に同じ操作を行って、5−メ
チル−6−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−
4−イル)カルボニルチオクロマン−1,1−ジオキシド
(化合物No303)が得られた。
製造実施例7 100mlナスフラスコに上記製造実施例1で得た3,3,4,7
−テトラメチル−5−(1−エチル−5−ヒドロキシピ
ラゾール−4−イル)カルボニル−2−ヒドロベンゾ
[b]チオフェン−1,1−ジオキシド(化合物No94)0.4
g(1.1ミリモル)、ジクロロメタン10ml、水10ml、炭酸
カリウム0.2g(1.4ミリモル、1.3当量)を入れ、n−プ
ロパンスルホニルクロリド0.19g(1.3ミリモル、1.2当
量)を室温で滴下した。ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロリド(BTEAC)50mgを加えた同温度で2時間反応
させた後、分液した。得られた水層をジクロロメタンで
抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、3,3,4,7
−テトラメチル−5−(1−エチル−5−n−プロパン
スルホニルオキシピラゾール−4−イル)カルボニル−
2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジオキシド
(化合物No95)0.45g(収率87%)を得た。
製造実施例8 100mlナスフラスコに上記製造実施例1で得た3,3,4,7
−テトラメチル−5−(1−エチル−5−ヒドロキシピ
ラゾール−4−イル)カルボニル−2−ヒドロベンゾ
[b]チオフェン−1,1−ジオキシド0.4g(1.1ミリモ
ル)、ジクロロメタン10ml、水10ml、炭酸カリウム0.2g
(1.4ミリモル、1.3当量)を入れ、ここにp−トルエン
スルホニルクロリド0.25g(1.3ミリモル、1.2当量)を
室温で滴下した。ここにベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロリド(BTEAC)50mgを加えて同温で2時間反応さ
せた後、分液した。得られた水層をジクロロメタンで抽
出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、3,3,4,7−
テトラメチル−5−(1−エチル−5−p−トルエンス
ルホニルオキシピラゾール−4−イル)カルボニル−2
−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−5−カルボン酸−1,
1−ジオキシド(化合物No96)0.52g(収率91%)を得
た。
製造実施例9 30mlナスフラスコ中に4,5,8−トリメチル−6−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニルチオクロマン−1,1−ジオキシド0.25g(0.69ミリ
モル)、ジクロロメタン5ml、水5ml、炭酸カリウム0.09
g(0.69ミリモル、1当量)を入れ、室温で撹拌しなが
らn−プロパンスルホニルクロリド0.11g(0.76ミリモ
ル、1.1当量)を滴下した。ベンジルトルエチルアンモ
ニウムクロリド(BTEAC)5mgを加えて同温で2時間反応
させた後、分液し、水層をジクロロメタンで抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を留去して粗生成物0.35gを得、エタノー
ルより再結晶して、4,5,8−トリメチル−6−(1−エ
チル−5−n−プロパンスルホニルオキシピラゾール−
4−イル)カルボニルチオクロマン−1,1−ジオキシド
(化合物No304)を0.31g(収率95%)得た。
製造実施例10 30mlナスフラスコ中に4,5,8−トリメチル−6−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニルチオクロマン−1,1−ジオキシド0.18g(0.50ミリ
モル)、ジクロロメタン5ml、水5ml、炭酸カリウム0.07
g(0.50ミリモル、1当量)を入れ、室温で撹拌しなが
らp−トルエンスルホニルクロリド0.10g(0.55ミリモ
ル、1.1当量)のジクロロメタン1ml溶液を室温で滴下し
た。ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(BTEA
C)5mgを加えて同温度で2時間反応させた後、分液し、
水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
して粗生成物0.30gを得、エタノールより再結晶して、
4,5,8−トリメチル−6−(1−エチル−5−p−トル
エンスルホニルオキシピラゾール−4−イル)カルボニ
ルチオクロマン−1,1−ジオキシド(化合物No305)を0.
20g(収率77%)得た。
製造実施例11 30mlナスフラスコ中に3,4,7−トリメチル−5−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジ
オキシド0.30g(0.86ミリモル)、ジクロロメタン5ml、
水5ml、炭酸カリウム0.12g(0.69ミリモル、0.8当量)
を入れ、室温で撹拌しながらn−プロパンスルホニルク
ロリド0.16g(0.95ミリモル、1.1当量)を滴下した。ベ
ンジルトリエチルアンモニウムクロリド(BTEAC)5mgを
加えて同温度で2時間反応させた後、分液し、水層をジ
クロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し
た後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して粗生
成物0.40gを得、エタノールより再結晶して、3,4,7−ト
リメチル−5−(1−エチル−5−n−プロパンスルホ
ニルオキシピラゾール−4−イル)−2−ヒドロベンゾ
[b]チオフェンカルボニル−1,1−ジオキシド(化合
物No83)を0.31g(収率79%)得た。
製造実施例12 30mlナスフラスコ中に3,4,7−トリメチル−5−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジ
オキシド0.25g(0.72ミリモル)に、ジクロロメタン5m
l、水5ml、炭酸カリウム0.10g(0.72ミリモル、1当
量)を入れ、室温で撹拌しながらp−トルエンスルホニ
ルクロリド0.15g(0.72ミリモル、1.1当量)のジクロロ
メタン1ml溶液を室温で滴下した。ベンジルトリエチル
アンモニウムクロリド(BTEAC)5mgを加えて同温で2時
間反応させた後、分液し、水層をジクロロメタンで抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去して粗生成物0.34g得、エタ
ノールより再結晶して、3,4,7−トリメチル−5−(1
−エチル−p−トルエンスルホニルオキシピラゾール−
4−イル)カルボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフ
ェン−1,1−ジオキシド(化合物No84)を0.29g(収率80
%)得た。
製造実施例13 30mlナスフラスコ中に3,4,7−トリメチル−5−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジ
オキシド0.30g(0.86ミリモル)、ジクロロメタン5ml、
水5ml、炭酸カリウム0.12g(0.69ミリモル、0.8当量)
を入れ、室温で撹拌しながらエタンスルホニルクロリド
0.12g(0.95ミリモル、1.1当量)を滴下した。ベンジル
トリエチルアンモニウムクロリド(BTEAC)5mgを加えて
同温度で2時間反応させた後、分液し、水層をジクロロ
メタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して粗生成物0.
35gを得、エタノールより再結晶して、3,4,7−トリメチ
ル−5−(1−エチル−エタンスルホニルオキシピラゾ
ール−4−イル)−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン
カルボニル−1,1−ジオキシド(化合物No306)を0.24g
(収率63%)得た。
製造実施例14 30mlナスフラスコ中に3,4,7−トリメチル−5−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジ
オキシド0.30g(0.86ミリモル)、ジクロロメタン5ml、
ピリジン0.09g(1.1ミリモル、1.3当量)を入れ、氷冷
下撹拌しながらイソ酪酸クロリド0.10g(0.95ミリモ
ル、1.1当量)を滴下した。氷冷下で30分撹拌した後、
室温で2時間反応させた。水5mlを加えて反応を停止さ
せた後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を5
%塩酸、5%炭酸カリウム、ついで飽和食塩水で洗浄し
た後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して粗生
成物0.28gを得、エタノールより再結晶して3,4,7−トリ
メチル−5−(1−エチル−5−イソプロピルカルボニ
ルオキシピラゾール−4−イル)−2−ヒドロベンゾ
[b]チオフェンカルボニル−1,1−ジオキシド(化合
物No307)を0.27g(収率75%)得た。
製造実施例15 30mlナスフラスコ中に3,4,7−トリメチル−5−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジ
オキシド0.24g(0.69ミリモル)、ジクロロメタン5ml、
ピリジン0.07g(0.89ミリモル、1.3当量)を入れ、氷冷
下撹拌しながらシクロヘキサンカルボン酸クロリド0.11
g(0.76ミリモル、1.1当量)を滴下した。氷冷下で30分
撹拌した後、室温で2時間反応させた。水5mlを加えて
反応を停止させた後、水層をジクロロメタンで抽出し
た。有機層を5%塩酸、5%炭酸カリウム、ついで飽和
食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を留去して粗生成物0.35gを得、エタノールより再結晶
して3,4,7−トリメチル−5−(1−エチル−5−カル
ボニルオキシピラゾール−4−イル)−2−ヒドロベン
ゾ[b]チオフェンカルボニル−1,1−ジオキシド(化
合物No308)を0.32g(収率100%)得た。
製造実施例16 30mlナスフラスコ中に5−メチル−6−(1−エチル
−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カルボニルチ
オクロマン−1,1−ジオキシド0.30g(0.86ミリモル)、
ジクロロメタン25ml、水5ml、炭酸カリウム0.14g(0.86
ミリモル、1当量)を入れ、室温で撹拌しながらn−プ
ロパンスルホニルクロリド0.14g(0.95ミリモル、1.1当
量)を滴下した。ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
リド(BTEAC)5mgを加えて同温度で2時間反応させた
後、分液し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去して粗生成物0.21gを得、エタノールよ
り再結晶して5−メチル−6−(1−エチル−5−n−
プロパンスルホニルオキシピラゾール−4−イル)カル
ボニルチオクロマン−1,1−ジオキシド(化合物No309)
を0.18g(収率48%)得た。
製造実施例17 30mlナスフラスコ中の5−メチル−6−(1−エチル
−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カルボニルチ
オクロマン−1,1−ジオキシド0.26g(0.75ミリモル)
に、ジクロロメタン5ml、水5ml、炭酸カリウム0.10g
(0.72ミリモル、1当量)を入れ、室温で撹拌しながら
p−トルエンスルホニルクロリド0.16g(0.82ミリモ
ル、1.1当量)のジクロロメタン1ml溶液を室温で滴下し
た。ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(BTEA
C)5mgを加えて同温度で2時間反応させた後、分液し、
水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
して粗生成物を0.24g得、エタノールより再結晶して5
−メチル−6−(1−エチル−p−トルエンスルホニル
オキシピラゾール−4−イル)カルボニルチオクロマン
−1,1−ジオキシド(化合物No310)を0.14g(収率92
%)得た。
製造実施例18 製造実施例15における3,4,7−トリメチル−5−(1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)カル
ボニル−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−1,1−ジ
オキシドの代わりに、製造実施例6で得られた5−メチ
ル−6−(1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール−4
−イル)カルボニルチオクロマン−1,1−ジオキシドを
用いた以外は製造実施例15と本質的に同じ操作を行っ
て、5−メチル−6−(1−エチル−5−シクロヘキシ
ルカルボニルオキシピラゾール−4−イル)カルボニル
チオクロマン−1,1−ジオキシド(化合物No311)を得
た。
製造実施例1〜18で用いた出発物質または反応試薬と
得られた化合物の構造式、収率を表2に、物性を表3に
示す。
次に、本発明の第二の目的を達成する除草剤の実施例
を示す。
除草剤実施例及び除草剤比較例 (1)除草剤の調製 担体としてタルク(商品名:ジークライト、ジークラ
イト工業(株)社製)97重量部、界面活性剤としてアル
キルアリールスルホン酸塩(商品名:ネオペレックス、
花王アトラス(株)社製)1.5重量部およびノニオン型
とアニオン型の界面活性剤(商品名:ソルポール800A、
東邦化学工業(株)社製)1.5重量部を均一に粉砕混合
して水和剤用担体を得た。
この水和剤用担体90重量部と前記製造実施例で得られ
た本発明化合物各10重量部を均一に粉砕混合してそれぞ
れ除草剤を得た。除草剤比較例1および3については下
記化合物(x)、除草剤比較例2、4および6について
は下記化合物(y)の各10重量部を用いて同様に調製し
た。
化合物(x):市販除草剤ピラゾレート 化合物(y):特開昭63−122672号公報記載の化合物 (2)生物試験(茎葉処理試験、除草剤実施例1〜5及
び比較例1、2) 畑地土壌を充填した1/5000アールワグネルポットにメ
ヒシバ、ノビエ、エノコログサ、オナモミ、イチビ、ア
オビユの雑草種子およびトウモロコシ、小麦、大麦の種
子を播種し、覆土後、温室内で育成し、これら植物の1
〜2葉期に上記(1)で得た所定量の除草剤を水に懸濁
し200リットル/10アール相当の液量で茎葉部へ均一にス
プレー散布した。その後温室内で育成し、スプレー散布
処理後20日目に除草効果を判定した。結果を表4に示
す。
なお、除草効果および作物薬害は下記の基準に従って
表示した。
ここで、残草重無処理比=(処理区の残草重/無処理
区の残草重)×100で求めた。以下の生物試験において
同様である。
(基準) 除草効果 残草重無処理比(%) 0 81〜100 1 61〜80 2 41〜60 3 21〜40 4 1〜20 5 0 作物薬害 残草重無処理比(%) − 100 ± 95〜99 + 90〜94 ++ 80〜89 +++ 0〜79 (3)生物試験(畑地土壌処理試験、除草剤実施例6〜
10および除草剤比較例3、4) 畑地土壌を充填した1/5000アールワグネルポットにメ
ヒシバ、ノビエ、エノコログサ、オナモミ、イチビ、ア
オビユの雑草種子およびトウモロコシ、小麦、大麦の種
子を播種し、覆土後、上記(1)で得た所定量の除草剤
を水に懸濁して土壌表面に均一に散布した。その後、温
室内で育成し、散布処理後20日目に除草効果を判定し
た。結果を表5に示す。
なお、除草効果および作物薬害は(2)茎葉処理試験
において記述した基準に従って表示した。
(4)生物試験(畑地土壌処理試験、除草剤実施例11〜
21および比較例5) 畑地土壌を充填した1/5000アールワグネルポットにメ
ヒシバ、ノビエ、エノコログサ、オナモミ、イチビ、ア
オビユの雑草種子およびトウモロコシを播種し、覆土
後、上記(1)で得た所定量の除草剤を水に懸濁して、
土壌表面に均一に散布した。その後、温室内で育成し、
散布処理後20日目に除草効果およびトウモロコシの薬害
を判定した。結果を表6に示す。
なお、除草効果および作物薬害は(2)茎葉処理試験
において記述した基準に従って表示した。
以上詳細に述べたように、本発明によれば、トウモロ
コシ、小麦、大麦等の有用作物には薬害を及ぼさず、イ
ネ科雑草および広葉雑草の両者を茎葉処理、土壌処理の
いずれの処理においても低薬量で選択的に防除可能な新
規ピラゾール誘導体、上記の新規ピラゾール誘導体を有
効成分とする除草剤が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 和好 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 409/06 A01N 43/56 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I−A) {式中、 R1は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり; R2はC1〜C4アルキル基であり; Z1およびZ2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X1およびX4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X5およびX6は、それぞれ独立して水素原子またはC1〜C4
    アルキル基であるか、またはZ1とX5が互いに結合して不
    飽和結合を形成することができ; Qは水素原子または式−A−Bで表される基 [式中、 Aは−SO2−基、−CO−基および−CH2CO−基からなる群
    から選ばれる1種であり、 BはC1〜C8アルキル基、C3〜C8シクロアルキル基および
    式(V) (式中、Yはハロゲン原子、ニトロ基、C1〜C4アルキル
    基、C1〜C4アルコキシ基およびC1〜C4ハロアルキル基か
    らなる群から選ばれる1種であり、mは0、1または2
    の整数を表す。)からなる群から選ばれる1種であり]
    であり; nは0、1または2を表す。}で表されるピラゾール誘
    導体またはその塩。
  2. 【請求項2】Z1がC1〜C4アルキル基であり、Z2が水素原
    子またはC1〜C4アルキル基である請求項1に記載の式
    (I−A)のピラゾール誘導体またはその塩。
  3. 【請求項3】X1およびX4が、それぞれ独立してC1〜C4
    ルキル基である、請求項1に記載の式(I−A)のピラ
    ゾール誘導体またはその塩。
  4. 【請求項4】式(I−B) {式中、 R1は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり; R2はC1〜C4アルキル基であり; Z2は水素原子、ハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基か
    らなる群から選ばれる1種であり; X1およびX4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素原子またはC1
    〜C4アルキル基であり; Qは水素原子または式−A−Bで表される基 [式中、 Aは−SO2−基、−CO−基および−CH2CO−基からなる群
    から選ばれる1種であり、 BはC1〜C8アルキル基、C3〜C8シクロアルキル基および
    式(V) (式中、Yはハロゲン原子、ニトロ基、C1〜C4アルキル
    基、C1〜C4アルコキシ基およびC1〜C4ハロアルキル基か
    らなる群から選ばれる1種であり、mは0、1または2
    の整数を表す。)からなる群から選ばれる1種であり]
    であり; nは0、1または2を表す。}で表されるピラゾール誘
    導体またはその塩。
  5. 【請求項5】nが0である、請求項4に記載の式(I−
    B)のピラゾール誘導体またはその塩。
  6. 【請求項6】X1およびX4が、それぞれ独立してC1〜C4
    ルキル基である、請求項4に記載の式(I−B)のピラ
    ゾール誘導体またはその塩。
  7. 【請求項7】式(I−C) {式中、 R1は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり; R2はC1〜C4アルキル基であり; X1およびX4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素原子また
    はC1〜C4アルキル基であるか、またはX5とX7が互いに結
    合して不飽和結合を形成することができ; Qは水素原子または式−A−Bで表される基 [式中、 Aは−SO2−基、−CO−基および−CH2CO−基からなる群
    から選ばれる1種であり、 BはC1〜C8アルキル基、C3〜C8シクロアルキル基および
    式(V) (式中、Yはハロゲン原子、ニトロ基、C1〜C4アルキル
    基、C1〜C4アルコキシ基およびC1〜C4ハロアルキル基か
    らなる群から選ばれる1種であり、mは0、1または2
    の整数を表す。)からなる群から選ばれる1種であり]
    であり; nは0、1または2を表す。}で表されるピラゾール誘
    導体またはその塩。
  8. 【請求項8】X1がC1〜C4アルキル基であり、X4が水素原
    子またはC1〜C4アルキル基である、請求項7に記載の式
    (I−C)のピラゾール誘導体またはその塩。
  9. 【請求項9】nが0または2である、請求項7に記載の
    式(I−C)のピラゾール誘導体またはその塩。
  10. 【請求項10】式(I−D) {式中、 R1は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり; R2はC1〜C4アルキル基であり; Z3はハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり; X1およびX4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素原子また
    はC1〜C4アルキル基であるか、またはX5とX7が互いに結
    合して不飽和結合を形成することができ; Qは水素原子または式−A−Bで表される基 [式中、 Aは−SO2−基、−CO−基および−CH2CO−基からなる群
    から選ばれる1種であり、 BはC1〜C8アルキル基、C3〜C8シクロアルキル基および
    式(V) (式中、Yはハロゲン原子、ニトロ基、C1〜C4アルキル
    基、C1〜C4アルコキシ基およびC1〜C4ハロアルキル基か
    らなる群から選ばれる1種であり、mは0、1または2
    の整数を表す。)からなる群から選ばれる1種であり]
    であり; nは0、1または2を表す。}で表されるピラゾール誘
    導体またはその塩。
  11. 【請求項11】X1およびX4が、それぞれ独立してC1〜C4
    アルキル基である、請求項10に記載の式(I−D)のピ
    ラゾール誘導体またはその塩。
  12. 【請求項12】Z3がC1〜C4アルキル基である、請求項10
    に記載の式(I−D)のピラゾール誘導体またはその
    塩。
  13. 【請求項13】Z3がメチル基またはエチル基である、請
    求項12に記載の式(I−D)のピラゾール誘導体または
    その塩。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれか1項に記載のピ
    ラゾール誘導体および/またはその塩を有効成分として
    含有する除草剤。
  15. 【請求項15】式(II−A) X1およびX4は、それぞれ独立してハロゲン原子またはC1
    〜C4アルキル基であり; Z1およびZ2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X5およびX6は、それぞれ独立して水素原子またはC1〜C4
    アルキル基であるか、またはZ1とX5が互いに結合して不
    飽和結合を形成することができ; nは0、1または2を表す。}で表される芳香族カルボ
    ン酸誘導体またはその塩。
  16. 【請求項16】式(II−B) {式中、 Z2は水素原子、ハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基か
    らなる群から選ばれる1種であり; X1およびX4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素原子またはC1
    〜C4アルキル基であり; nは0、1または2を表す。}で表される芳香族カルボ
    ン酸誘導体またはその塩。
  17. 【請求項17】式(II−C) {式中、 X1およびX4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素原子また
    はC1〜C4アルキル基であるか、またはX5とX7が互いに結
    合して不飽和結合を形成することができ; nは0、1または2を表す。}で表される芳香族カルボ
    ン酸誘導体またはその塩。
  18. 【請求項18】式(II−D) {式中、 Z3はハロゲン原子およびC1〜C4アルキル基であり; X1およびX4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子およびC1〜C4アルキル基からなる群から選ばれる1種
    であり; X5、X6、X7およびX8は、それぞれ独立して水素原子また
    はC1〜C4アルキル基であるか、またはX5とX7が互いに結
    合して不飽和結合を形成することができ; nは0、1または2を表す。}で表される芳香族カルボ
    ン酸誘導体またはその塩。
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