JP3194235B2 - 高品位ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

高品位ビスフェノールaの製造方法

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JP3194235B2 JP30652291A JP30652291A JP3194235B2 JP 3194235 B2 JP3194235 B2 JP 3194235B2 JP 30652291 A JP30652291 A JP 30652291A JP 30652291 A JP30652291 A JP 30652291A JP 3194235 B2 JP3194235 B2 JP 3194235B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスフェノールA・フ
ェノール結晶アダクトからフェノールを蒸発除去するこ
とにより、高位品ビスフェノールAを製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ビスフェノールA〔2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕を製造す
るために、酸触媒の存在下、過剰のフェノールにアセト
ンを反応させることは知られている。また、この反応生
成物から高純度ビスフェノールAを分離回収するため
に、反応生成物を冷却してビスフェノールAとフェノー
ルとの結晶アダクト(以下、単に結晶アダクトとも言
う)を晶析させ、得られた結晶アダクトからフェノール
を除去することも知られている。一方、結晶アダクトか
らフェノールを分離するために、結晶アダクトを90〜
150℃で溶融し、溶融液を180℃より上の温度及び
減圧下で蒸発処理し、得られた蒸気を分別凝縮してビス
フェノールAとフェノールとの分離する方法(特公昭5
2−42790号)や、結晶アダクトを180〜200
℃で蒸発処理した後、得られたビスフェノールAをスチ
ームストリッピング処理する方法も知られている(特開
昭63−132850号)。このような結晶アダクトか
らフェノールを分離除去する方法において、得られるビ
スフェノールAの純度は、結晶アダクト自体の純度及び
フェノール除去率に依存することはもちろんであるが、
これらの点を改良したとしても、得られる製品ビスフェ
ノールAに対する少量の着色原因物質の混入を防止でき
ないため、製品ビスフェノールAの色相が悪化するとい
う問題が残る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、結晶アダク
トからフェノールを蒸発除去してビスフェノールAを得
る場合に、そのビスフェノールAの着色を抑え、色相に
すぐれた高純度ビスフェノールAを効率よく製造する方
法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、ビスフェノールA・フ
ェノール結晶アダクトからフェノールを蒸発除去してビ
スフェノールAを得るに際し、該結晶アダクトから形成
されたビスフェノールAを含むフェノール溶液を、薄膜
蒸発器を用い、160〜185℃の温度及び15〜60
トールの圧力下で蒸発処理して、フェノール含有率が1
〜5重量%のビスフェノールAを得るフェノール蒸発工
程と、該フェノール蒸発工程で得られたビスフェノール
Aを、薄膜蒸発器を用い、170〜185℃の温度及び
15トール以下の圧力下でストリッピング用ガスと向流
接触させてストリッピング処理する第1ストリッピング
工程と、該第1ストリッピング工程で得られたビスフェ
ノールAを、薄膜蒸発器を用い、170〜185℃の温
度及び15トール以下の圧力下でストリッピング用ガス
と向接触させてストリッピング処理する第2ストリッピ
ング工程とからなり、該第2ストリッピング工程におけ
るストリッピング用ガスとしてスチームを用い、該第1
ストリッピング工程におけるストリッピング用ガスとし
て、第2ストリッピング工程で得られたフェノール及び
ビスフェノールAを含むスチームからなるストリッピン
グガスを用いることを特徴とする高品位ビスフェノール
Aの製造方法が提供される。
【0005】次に、本発明を図面を参照して説明する。
図1において、1,2及び3は薄膜蒸発器を示す。この
ものは、その内周壁に形成した薄膜を外部からの加熱に
より蒸発させる構造のものである。本発明においては、
内部に回転翼を有し、その回転翼の回転によって内周壁
面に液膜を形成するようにした遠心薄膜蒸発器の使用が
好ましい。また、図1において、4は、各薄膜蒸発器に
付設された外部ヒータである。このものは、通常、加熱
媒体が流通するジャケットとして構成される。
【0006】本発明においては、原料として用いるビス
フェノールA・フェノール結晶アダクトは、これを加熱
によって溶融するか又は精製フェノールで希釈溶解させ
て、ビスフェノールAを含むフェノール溶液とする。本
発明で好ましく用いるフェノール溶液は、APHA15
以下の色相を有し、ビスフェノールA濃度が50〜80
重量%、好ましくは60〜75重量%のものである。こ
の原料フェノール溶液は、ライン10から第1薄膜蒸発
器(以下、単に蒸発器とも言う)1に導入され、フェノ
ール溶液は、この蒸発器の内周壁を液膜として流下する
とともに、その間に外部ヒータ4により加熱され、フェ
ノール及びビスフェノールAを含む蒸気がライン11を
通って排出される。この蒸気は、これを凝縮処理して、
フェノール及びビスフェノールAを回収する。ライン1
0を通るフェノール溶液の温度は好ましくは120〜1
50℃である。第1蒸発器1の温度は、160〜185
℃、好ましくは165〜175℃であり、その圧力は1
5〜60トール、好ましくは15〜30トールである。
第1蒸発器1において、原料フェノール溶液を蒸発処理
して得られた残液(ビスフェノールA)は、ライン12
を通って抜出され、第2蒸発器2に導入される。ライン
12を通るフェノール溶液の蒸発残液の温度は、好まし
くは170〜185℃である。また、この残液を構成す
るビスフェノールA中のフェノール濃度は、1〜5重量
%である。第2蒸発器2においては、ビスフェノールA
は、第3蒸発器3から抜出されるスチーム、フェノール
及びビスフェノールAからなるストリッピングガスと向
流接触しながら、外部ヒータ4により加熱され、フェノ
ール、ビスフェノールA及びスチームを含むストリッピ
ングガスがライン13を通って排出される。第2蒸発器
2における温度は好ましくは170〜185℃であり、
圧力は15トール以下、通常、10〜15トールであ
る。第2蒸発器2で得られる蒸発残液は、ライン14を
通って第3蒸発器3に導入される。この残液の温度は好
ましくは170〜185℃であり、残液を構成するビス
フェノールA中のフェノール濃度は0.05〜0.10
重量%、好ましくは0.05〜0.07重量%である。
第3蒸発器3においては、第2蒸発器2からのビスフェ
ノールAは、ライン15を通って導入されるスチームと
向流接触しながら、外部ヒータ4によって加熱され、ス
トリッピングガスがライン17を通って抜出され、この
ストリッピングガスは、第2蒸発器2にそのストリッピ
ング用ガスとして導入される。第3蒸発噐における温度
は170〜185℃であり、圧力は15トール以下通常
10〜15トールである。ライン15から第3蒸発器3
に導入されるスチーム量は、ライン14を通って第3蒸
発器3に導入されるビスフェノールAに対して、重量比
で、3重量%以上、好ましくは4〜6重量%である。ラ
イン17を通るストリッピングガスの組成は、フェノー
ル:0.8〜1.2重量%、好ましくは1重量%以下、
ビスフェノールA:5〜7重量%、残部:スチームであ
る。第3蒸発器3において得られた高純度ビスフェノー
ルAは、ライン16を通って抜出される。このビスフェ
ノールAは、フェノール含有率が0.005重量%のも
ので、その色相APHAが20以下の高品位のものであ
る。第2蒸発器2からライン13を通って抜出されるス
トリッピングガスは、凝縮処理に付され、そのガスに含
まれるフェノール及びビスフェノールAが分離回収され
る。このストリッピングガスの好ましい凝縮処理法につ
いて以下に示す。前記のようにしてライン13を通って
得られたストリッピングガスは、その減圧状態のまま第
1冷却工程へ供給し、ここでフェノール又はビスフェノ
ールAを含むフェノールからなる第1冷却媒体と向流接
触させて冷却する。この第1冷却工程は、ストリッピン
グガス中のビスフェノールAの実質的全量を冷却媒体中
に溶解するように実施する。ストリッピングガス中のス
チームは、この第1冷却工程ではほとんど凝縮されず、
次の第2冷却工程へ送られる。ストリッピングガス中の
フェノールは、その一部がこの第1冷却工程で凝縮さ
れ、残りの未凝縮のものはスチームとともに次の第2冷
却工程へ送られる。第1冷却工程でストリッピングガス
から分離回収されたビスフェノールAとフェノールの混
合液は、その一部を冷却媒体として用いることができ
る。第1冷却媒体の温度は、フェノールの凝固点より1
〜50℃程度高い温度である。この第1冷却工程におけ
るフェノールの回収率は、この第1冷却工程に対する全
供給フェノールに対し、70重量%以上、好ましくは8
5重量%以上である。
【0013】第1冷却工程で用いる冷却媒体は、ストリ
ッピングガスを所望温度に冷却し得るに充分な量であれ
ばよく、通常、ストリッピングガスに対する重量比で、
5〜10、好ましくは5〜6である。また、第1冷却工
程で得られるストリッピングガス中のビスフェノールA
とフェノールを溶解した冷却媒体中に含まれるビスフェ
ノールAのフェノールに対する重量比は、0.05〜
0.20、好ましくは0.08〜0.14である。第1
冷却工程においては、ビスフェノールAに対し過剰のフ
ェノールが存在することから、ビスフェノールAの凝固
点以下の冷却温度であっても、ビスフェノールAとフェ
ノールとの結晶アダクトが晶析するようなことはない。
【0014】第1冷却工程の圧力は、30トール以下、
好ましくは5〜20トールであり、第2薄膜蒸発器2に
おける圧力に対応する。また、第1冷却工程における温
度は、前記圧力条件下においてスチームが気体を保持
し、フェノールの一部が液体を保持する温度である。好
ましい冷却温度(ビスフェノールAを凝縮させる温度)
は、フェノールの凝固点よりも1〜50℃程度高い温度
であり、その冷却温度は42〜90℃、好ましくは45
〜55℃である。
【0015】第2冷却工程へ送られたスチームとフェノ
ールの混合ガスは、ここでフェノールの水溶液からなる
第2冷却媒体と向流接触させて冷却する。この第2冷却
工程は、この工程へ送られたスチームとフェノールの実
質的全量が凝縮液化するように実施し、この工程からは
フェノールの水溶液が回収される。この第2冷却工程で
得られるフェノールの水溶液は、その一部を第2冷却媒
体として用いることができる。水溶液中のフェノールの
濃度は、ストリッピングガスの組成及び第1冷却工程の
条件で決まるが、通常、55〜75重量%である。ま
た、この第2冷却媒体の温度は、スチームの凝縮温度よ
り1〜10℃程度低い温度である。
【0016】第2冷却工程で用いる第2冷却媒体は、混
合ガスの全量を凝縮させるに充分な量であればよく、通
常、第1冷却工程から送られたスチームとフェノールと
の混合ガスに対する重量比で、100〜300、好まし
くは190〜250である。この第2冷却工程の圧力
は、30トール以下、好ましくは5〜20トールであ
り、第1冷却工程の圧力に対応する。第2冷却工程にお
ける冷却温度(スチーム凝縮温度)は、前記圧力条件下
においてスチームとフェノールの混合ガスの全量が凝縮
液化する温度であればよい。
【0017】第1冷却工程及び第2冷却工程において用
いる冷却器は、気液接触型の装置であればよく、任意の
ものが用いられる。このような冷却器としては、例え
ば、充填塔や、スプレー塔等を用いることができる。充
填塔を用いる場合、その充填物としては、圧力損失を抑
えるように、ラッシッヒリングや、ポールリング、多孔
金属板等を用いるのがよい。また、第1冷却工程と第2
冷却工程で用いる冷却器は、それぞれ別個に設置するこ
ともできるが、2つの冷却器を含む一塔型の装置であっ
てもよい。
【0018】次に、前記のストリッピングガスの凝縮処
理方法の1つの実施態様について、図面を参照して説明
する。図において、21は第1冷却器、22は第2冷
却器を示す。ライン23は、前記図1に示すライン13
に接続するストリッピングガスラインを示す。ライン2
4は排気ポンプ(図示されず)及び冷却器に接続する真
空ラインであり、冷却器を含む全装置系は減圧条件に保
持される。ストリッピングガスは、ライン23を通って
第1冷却器21の下部に供給され、ここで、ライン25
を通って第1冷却器の上部から導入される第1冷却媒体
(フェノール又はビスフェノールAを含むフェノール)
と向流接触する。この第1冷却器で凝縮したビスフェノ
ールAとフェノールを溶解した冷却媒体は、抜出しポン
プ27を含むライン26を通って第1冷却器の底部から
抜出される。このライン26を通って抜出される冷却媒
体は、必要に応じ、その一部を所要温度に冷却した後、
冷却媒体としてライン25にリサイクルすることもでき
る。
【0019】第1冷却器21の頂部からライン28を通
って抜出されるスチームとフェノールの混合ガスは、第
2冷却器22の下部に導入され、ここで、ライン29を
通って第2冷却器の上部から導入される第2冷却媒体
(フェノールの水溶液)と向流接触する。この第2冷却
器でスチームとフェノールの混合ガスは凝縮液化し、こ
の凝縮液は冷却媒体とともに第2冷却器22の底部から
抜出しポンプ31を含むライン30を通って抜出され、
その一部はライン33を通り、冷却媒体用の冷却器34
を通って冷却された後、ライン29を通り、第2冷却器
にリサイクルされる。ライン30を通って抜出された凝
縮スチームとフェノールを含む冷却媒体の残部はライン
32を通って系外へ抜出される。
【0020】次に、前記ストリッピングガスの凝縮処理
法において、第1冷却器と第2冷却器を含む一塔型の冷
却装置を用いた場合のフローシートを図3に示す。図3
において、40はその内部に第1冷却器21と第2冷却
器22を備えた一塔型の冷却装置である。この冷却装置
は、第1冷却器21と第2冷却器22との中間に中央部
に開口を有する仕切板45を配設し、その開口に筒体4
3を立設した構造を有する。この装置において、筒体4
3の外周面と冷却装置40の内壁との間に形成される環
状中空室は、液体を貯留するためのものである。42
は、第2冷却器22を流下する液体を前記環状中空室に
案内するための案内板である。筒状空間44はガス通路
を示す。なお、図3における符号において、図2に示し
たものと同じ符号は同じ意味を示す。また、図3におい
ては、図2に示した流量コントロール系は図示されてい
ない。
【0021】前記ストリッピングガスの凝縮処理法によ
れば、ストリッピングガスを、昇圧することなく、30
トール以下の減圧状態のままで冷却凝縮させることがで
きる。しかも、この場合、30トール以下という低い圧
力条件と、それに応じた低いスチーム凝縮温度条件を採
用したにもかかわらず、ビスフェノールAやフェノール
の結晶は何ら析出しない。従って、このストリッピング
ガスの凝縮処理法においては、固体析出による冷却器の
効率低下や、冷却器の閉塞トラブルは何ら生じない。
【0022】また、前記ストリッピングガスの凝縮処理
によればストリッピングガスを構成するスチーム、フェ
ノール及びビスフェノールAの全てが凝縮され、真空排
気系にはそれらのガスは実質的に流入されない。従っ
て、真空排気ポンプは、装置系を所定の減圧条件に保持
するだけであるので、排気容量の小さなもので済み、設
備コスト及びエネルギーコスト的に非常に有利である。
【0023】
【発明の効果】本発明においては、ビスフェノールA・
フェノール結晶アダクトから誘導されたビスフェノール
Aを含むフェノール溶液を、先ず第1薄膜蒸発器を用い
て蒸発処理し、フェノール含有率が1〜5重量%のビス
フェノールAを得るが、本発明の場合、その第1薄膜蒸
発器の温度を160〜185℃、圧力を15〜60トー
ルの条件に保持したことから、フェノールの急速な蒸発
による冷却が生じても、ビスフェノールAが析出するよ
うなことなく、円滑にその蒸発処理を実施することがで
きる。また、本発明においては、前記のようにして得ら
れたビスフェノールAを、それに含まれるフェノールを
蒸発除去するために、薄膜蒸発器を用いてスチームスト
リッピング処理するが、本発明の場合、そのビスフェノ
ールA中のフェノール含有量が1〜5重量%と低く、か
つ2つの薄膜蒸発器を直列に結合して用いたことから、
それらの蒸発器の温度を170〜180℃に保持し、か
つ15トール以下の高真空に保持して、そのビスフェノ
ールA中のフェノールを蒸発除去することが可能にな
り、色相にすぐれるとともに、フェノール含有率が0.
005重量%以下の高純度ビスフェノールAを得ること
ができる。色相にすぐれたビフェノールAを得るには、
その製造原料であるビスフェノールAを含むフェノール
溶液及びその溶液を蒸発処理する場合の温度を、185
℃以下に保持し、インプロペニルフェノール等の着色不
純物の生成の抑制することが必要であるが、本発明の場
合は、その蒸発処理温度を、185℃以下に保持してフ
ェノールを実質的に完全に蒸発除去することができるの
で、得られるビスフェノールAは、APHA20以下の
色相のすぐれた高純度のものである。さらに、本発明に
おいては、第3薄膜蒸発器で生成したフェノール、ビス
フェノールAを含むスチームからなるストリッピングガ
スを、第2薄膜蒸発器に対するストリッピング用スチー
ムガスとして用いることから、第2薄膜蒸発器における
フェノールストリッピング効果が高くなるという利点も
ある。本発明の蒸発処理によれな、全体的に極めて短か
い滞留時間(通常、60〜180秒)で蒸発処理を行う
ことができるので、その処理効率は非常に高いものとな
る。特に、本発明の場合、第1薄膜蒸発器と第2薄膜蒸
発器と第3薄膜蒸発器を、上方からその順に結合し、液
体の流れを重力により上方から下方に流下させることが
望ましく、これによって酸素リーフの防止を効果的に行
えるとともに、装置系内における液体の滞留時間を短か
く保持することができる。
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 フェノールとアセトンを酸触媒の存在下で反応させて得
られた反応混合物を多段階晶析処理して得た、その溶融
色がAPHA5であるビスフェノールA・フェノール結
晶アダクトを、精製フェノールで部分希釈し、130℃
に加熱してビスフェノールA30重量%を含むフェノー
ル溶液とした。このフェノール溶液を原料液として用い
図1に示す蒸発装置系を用いて処理した。次に、図1に
示した装置系の主要な運転条件及び主要ラインを通る液
体の成分組成について以下に示す。 (1)第1蒸発器1 (i) 外部ヒータ温度:170℃ (ii) 内部圧力 :20トール (2)第2蒸発器2 (i) 外部ヒータ温度:180℃ (ii) 内部圧力 :10トール (3)第3蒸発器3 (i) 外部ヒータ温度:180℃ (ii) 内部圧力 :10トール (4)ライン12を通るビスフェノールA中の フェノール含有率:2.7重量% (5)ライン16を通るビスフェノールA (i)フェノール含有率:23wtppm (ii) 溶融色:APHA20 (6)ライン15を通るスチーム供給量:ライン14を
通るビスフェノールA1重量部当り0.04重量部 比較例1 第1蒸発器1の運転条件を190℃、10トールとした
ところ、ライン12を通るビスフェノールA中のフェノ
ール含有率は7重量%までしか低下せず、第1蒸発器の
運転は不安定であった。 比較例2 第2蒸発器2及び第3蒸発器3における各外部ヒータ温
度を200℃としたところ、ライン16を通る製品ビス
フェノールAの溶融色はAPHA45となり、フェノー
ル含有率は70ppmであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する場合の装置系統図の一例を示
す。
【図2】ストリッピングガスを凝縮するための装置系統
図の一例を示す。
【図3】ストリッピングガスを凝縮するための装置系統
図他の例を示す。
【符号の説明】
1,2,3 薄膜蒸発器 4 外部ヒータ 21 第1冷却器 22 第2冷却器 34 冷却器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 誠 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12 番1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 米田 則行 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12 番1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 浅岡 佐知夫 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12 番1号 千代田化工建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−132850(JP,A) 特開 平3−95135(JP,A) 特開 平5−117193(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 39/16 C07C 37/74 C07C 37/76 C07C 37/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノールA・フェノール結晶アダ
    クトからフェノールを蒸発除去してビスフェノールAを
    得るに際し、該結晶アダクトから形成されたビスフェノ
    ールAを含むフェノール溶液を、薄膜蒸発器を用い、1
    60〜185℃の温度及び15〜60トールの圧力下で
    蒸発処理して、フェノール含有率が1〜5重量%のビス
    フェノールAを得るフェノール蒸発工程と、該フェノー
    ル蒸発工程で得られたフェノールを含むビスフェノール
    Aを、薄膜蒸発器を用い、170〜185℃の温度及び
    15トール以下の圧力下でストリッピング用ガスと向流
    接触させてストリッピング処理する第1ストリッピング
    工程と、該第1ストリッピング工程で得られたフェノー
    ルを含むビスフェノールAを、薄膜蒸発器を用い、17
    0〜185℃の温度及び15トール以下の圧力下でスト
    リッピング用ガスと向流接触させてストリッピング処理
    する第2ストリッピング工程とからなり、該第2ストリ
    ッピング工程におけるストリッピング用ガスとしてスチ
    ームを用い、該第1ストリッピング工程におけるストリ
    ッピング用ガスとして、第2ストリッピング工程で得ら
    れたフェノール及びビスフェノールAを含むスチームか
    らなるストリッピングガスを用いることを特徴とする高
    品位ビスフェノールAの製造方法。
  2. 【請求項2】 該ビスフェノールA・フェノール結晶ア
    ダクトの溶融色が15APHA以下である請求項1の方
    法。
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