JP3192876B2 - シリカ系被膜形成用コーティング組成物および被膜付基材 - Google Patents

シリカ系被膜形成用コーティング組成物および被膜付基材

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JP3192876B2 JP15095894A JP15095894A JP3192876B2 JP 3192876 B2 JP3192876 B2 JP 3192876B2 JP 15095894 A JP15095894 A JP 15095894A JP 15095894 A JP15095894 A JP 15095894A JP 3192876 B2 JP3192876 B2 JP 3192876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、シリカ系被膜形成用コー
ティング組成物および被膜付基材に関し、さらに詳しく
は、被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性な
どの耐薬品性に優れ、同時に緻密で耐クラック性に優
れ、しかも被塗布面の凹凸を高度に平坦化し得るような
シリカ系被膜形成用コーティング組成物およびこのよう
なシリカ系被膜が形成された被膜付基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、シリカ系被膜は、下記
のような分野において用いられている。 1)半導体装置 半導体装置では、半導体基板とアルミニウム配線層など
の金属配線層との間、あるいは金属配線層間を絶縁する
ために、これらの間に絶縁膜が設けられている。さらに
半導体基板上に設けられているPN接合半導体、および
コンデンサー素子、抵抗素子などの各種素子を保護する
ために、これらの素子が絶縁膜で被覆されている。
【0003】半導体基板上に金属配線層などを設ける
と、金属配線層などによって半導体基板上に凹凸が生じ
る。この凹凸面上にさらに金属配線層などを形成しよう
としても、凹凸段差で断線が生じることがある。このた
め、上記のような半導体基板と金属配線層との間、金属
配線層間に形成する絶縁膜、および各種素子を被覆する
絶縁膜には、上記のような金属配線層および各種素子に
よって生じた凹凸面を高度に平坦化することが必要であ
る。
【0004】このような半導体装置では、絶縁膜として
シリカ系被膜が用いられている。 2)液晶表示装置 液晶表示装置における液晶表示セルでは、ガラス基板上
にITO膜を有する透明電極板が多く用いられている。
このような透明電極板を用いた液晶表示セルでは、使用
中に、ガラス基板に含まれているNaなどのアルカリ成
分が、ITO膜中に移行したり、あるいはさらにITO
膜を通して液晶中に溶出することがある。このようなア
ルカリ成分のITO膜中への移行を防止するために、ガ
ラス基板とITO膜との間にアルカリパッシベーション
膜を設けた透明電極板も用いられている。
【0005】さらに液晶表示セル内部に封入された液晶
材料の配向性を向上させるために、透明電極板の透明電
極、例えばITO膜からなる透明電極上にさらに配向膜
を形成することが行なわれている。このような配向膜を
有する透明電極板では、この配向膜の寿命を高めるなど
のために、透明電極と配向膜との間に絶縁膜を設けるこ
ともある。
【0006】カラー液晶表示装置として、ガラス基板上
にTFT(薄膜トランジスタ)などで構成された画素電
極を有する電極板と、ガラス基板上にカラーフィルター
および透明電極が順次形成されている対向電極板とを有
し、電極板と対向電極板との間に液晶層が充填されてな
る液晶表示セルを備えたマトリックス形カラー液晶表示
装置が知られている。
【0007】上記のような液晶表示セルは、電極板から
画素電極が突出し、対向電極板からカラーフィルターが
突出しており、それぞれの電極表面に段差がある。この
ように電極表面に段差があると、セルギャップが不均一
になり、セルギャップが均一である場合に比較して、液
晶表示セル内部に封入された液晶材料の配向が乱れた
り、表示画像に色むらなどの画素むらが生じやすいとい
った傾向がある。
【0008】このため、特開平2−242226号公報
には、電極板の画素電極上および対向電極板のカラーフ
ィルター上に、それぞれポリイミド樹脂被膜、アクリル
系樹脂被膜またはシリカ系被膜を塗布法で形成し、画素
電極またはカラーフィルターによって生じた凹凸面を平
坦化することが提案されている。
【0009】このような液晶表示装置では、上記のよう
な絶縁膜およびアルカリパッシベーション膜としてシリ
カ系被膜が用いられている。 3)位相シフタ付フォトマスク リソグラフ法で高解像度の凹凸パターンを基板上に形成
するため、フォトマスク上に照射光の位相をずらす位相
シフタを付設し、これにより基板上に形成される凹凸パ
ターンの解像度を向上させる方法がある(日経マイクロ
デバイスNo.71、52〜58、(5)、199
1)。
【0010】また、このような位相シフタとしては、シ
リカ系被膜が用いられている。上記のような分野で用い
られているシリカ系被膜は、一般にCVD法、スパッタ
リング法などの気相成長法またはシリカ系被膜形成用コ
ーティング組成物を用いてシリカ系被膜を形成する塗布
法によって基板上に形成されている。
【0011】しかしながら、気相成長法によってシリカ
系被膜を形成する方法は、手間がかかるとともに大きな
設備が必要であり、また、凹凸面上にシリカ系被膜を形
成した場合には、シリカ系被膜によって該凹凸面を平坦
化することができない。
【0012】これに対し、塗布法によってシリカ系被膜
を形成すると上記のような問題点が解決できるため、近
年、塗布法によってシリカ系被膜を形成することが広く
行なわれている。
【0013】従来、このような塗布法でシリカ系被膜を
形成する際には、被膜形成成分がアルコキシシラン部分
加水分解物の縮重合物であるようなシリカ系被膜形成用
コーティング組成物が用いられてきた。なお、アルコキ
シシラン部分加水分解物の縮重合物は、アルコキシシラ
ンをアルコール、ケトン、エステルなどの有機溶媒に溶
解させ、次いでこのアルコキシシラン溶液に水および触
媒として酸あるいは塩基を加えてアルコキシシランを部
分加水分解、次いで縮重合させることによって得ること
ができる。
【0014】しかしながら、被膜形成成分がアルコキシ
シラン部分加水分解物の縮重合物であるようなシリカ系
被膜形成用コーティング組成物を基板上に塗布・乾燥さ
せると、得られた被膜中にはアルコキシシランが残存し
ている。従って、この被膜を焼成すると、焼成時に被膜
中で、アルコキシシラン分子に含まれているアルキル
基、アルコキシ基などのような有機基が分解し、この有
機基の分解によって被膜にピンホールやボイドが発生
し、緻密なシリカ系被膜を得ることは難しい。さらにア
ルコキシシラン部分加水分解物が縮合する過程で、縮合
体の末端以外でシラノール基同士が脱水反応を行なって
縮合体の架橋が進行する。このためシリカ系被膜が形成
される過程で、縮合体の架橋度に応じて被膜の収縮スト
レスが大きくなって被膜にクラックが生じる。すなわ
ち、被膜形成成分がアルコキシシラン部分加水分解物の
縮重合物であるようなシリカ系被膜形成用コーティング
組成物を用いると、耐クラック性に優れたシリカ系被膜
を得ることは難しい。
【0015】これに対し、近年、シクロシラザン重合物
またはポリシラザンを含有してなるシリカ系被膜形成用
コーティング組成物が提案され(特開昭62−8832
7号公報、特開平1−203476号公報等参照)、こ
れらのコーティング組成物を用いてシリカ系被膜を形成
すると、シリカ系被膜の緻密性および耐クラック性をあ
る程度改良することができる。
【0016】しかしながら、上記のようなシクロシラザ
ン重合物またはポリシラザンを含有してなるコーティン
グ組成物から形成されたシリカ系被膜には、次のような
問題点がある。
【0017】シクロシラザン重合物またはポリシラザン
は、下記[I]式で表わされるシラザン骨格
【0018】
【化2】
【0019】を有しており、これらのコーティング組成
物を基板上に塗布し、得られた塗膜を加熱焼成してシリ
カ系被膜を得る際に、このシラザン骨格が酸化されてシ
ロキサン骨格
【0020】
【化3】
【0021】に変化する。しかしながら、上記酸化反応
が充分に行なわれずに得られたシリカ系被膜にシラザン
骨格が残存していると、このシラザン骨格の残存量に応
じてシリカ系被膜の緻密性が低下したり、シリカ系被膜
が吸湿したりすることがある。また、シラザン骨格が残
存するシリカ系被膜を焼成するとシラザン骨格が分解
し、アンモニアガスが放出されることがある。
【0022】このようにシクロシラザン重合物またはポ
リシラザンを含有するコーティング組成物から形成され
たシリカ系被膜は、緻密性が不充分であったり、また、
シリカ系被膜から放出されたアンモニアガスによって、
上記のような半導体装置では金属配線層が腐食されるこ
とがあり、さらに、液晶表示装置では液晶表示セル中の
液晶材料が変質することがある。さらにまた、シリカ系
被膜にシラザン骨格が残存していると、露光光によって
位相シフタが徐々に変質することがある。
【0023】このため、シクロシラザン重合物またはポ
リシラザンを含有するコーティング組成物からシリカ系
被膜を形成する際には、得られるシリカ系被膜中にシラ
ザン骨格が残存しないように、塗膜の加熱を酸素プラズ
マ照射下あるいは水蒸気雰囲気中で行なったり、次いで
塗膜の焼成を空気中で500℃以上の温度で行なってい
た。また、シクロシラザンを含有する塗布液からシリカ
系被膜を形成する場合には、塗膜の焼成を900℃以上
の温度で行なわければシラザン骨格をほとんど含まない
シリカ系被膜を得ることができなかった。
【0024】このような苛酷な酸化条件下でシリカ系被
膜を形成しようとすると、半導体装置、透明電極なども
高温に晒されることになり、好ましくない。これに対
し、本出願人は、上記[I]式でR1 〜R3 がそれぞれ
独立して水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基
である特定のポリシラザンを被膜形成成分として用いた
シリカ系被膜形成用コーティング組成物を被塗布面上に
塗布し、得られた塗膜を空気中で150℃程度の低温で
乾燥し、次いで800℃以下の温度で焼成することによ
り、低窒素含有率のシリカ系被膜が得られることを見出
した。特に前記R1 〜R3 の全てが水素原子である場
合、塗膜の焼成を450℃程度の温度で焼成することに
より低窒素含有率のシリカ系被膜を得ている。
【0025】本発明者らは、上記のような知見に基づい
てさらに研究を重ねた結果、 a)このような特定のポリシラザンを、直接、またはア
ルコール化合物と反応させる工程を経てフェノール化合
物で改質した改質ポリシラザンを含有するコーティング
組成物を被塗布面上に塗布し、得られた塗膜を乾燥し、
次いで焼成してシリカ系被膜を形成すると、被膜形成成
分としてポリシラザンのみを含むコーティング組成物か
らシリカ系被膜を同様にして形成した場合と比較して窒
素含量の少ないシリカ系被膜が得られること、 b)この窒素原子をほとんど含まないシリカ系被膜は、
被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの
耐薬品性、耐湿性および耐クラック性に優れ、同時に緻
密な絶縁膜であってボイド、ピンホールなどがほとんど
ないこと、 c)凹凸面上に上記のような改質ポリシラザンを含有す
るコーティング組成物を塗布して被膜を形成すると、被
膜形成成分がポリシラザンのみである場合と同様、該凹
凸面が高度に平坦化されること、 d)したがって、上記のような改質ポリシラザンを含有
するコーティング組成物を用いて、上記のような被膜付
基材を製造すると、従来に比べてより一層性能に優れた
製品が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0026】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術におけ
る問題点を解決しようとするものであって、被塗布面と
の密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に
優れ、同時に緻密で耐クラック性に優れた被膜を形成で
き、しかも被塗布面の凹凸を高度に平坦化し得るような
シリカ系被膜形成用コーティング組成物、およびこのよ
うに優れた性質を有する被膜付基材を提供することを目
的としている。
【0027】
【発明の概要】本発明に係るシリカ系被膜形成用コーテ
ィング組成物は、下記一般式[I]
【0028】
【化4】
【0029】(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ
独立して水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基
である。)で表わされる繰り返し単位を少なくとも有す
る1種または2種以上のポリシラザンと、フェノール化
合物とを反応させて得られる改質ポリシラザンを、 (ii)炭化水素類またはエーテル類からなる有機溶媒に、
溶解してなる ことを特徴としている。
【0030】この改質ポリシラザンは、上記ポリシラザ
ンの1種または2種以上を、アルコール化合物と反応さ
せ、次いでフェノール化合物と反応させることによって
も得られる。
【0031】また、本発明に係る被膜付基材は、上記い
ずれか1種のコーティング組成物を用いて形成されたシ
リカ系被膜を有することを特徴としている。
【0032】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るシリカ系被膜
形成用コーティング組成物について具体的に説明する。
【0033】シリカ系被膜形成用コーティング組成物 本発明に係るシリカ系被膜形成用コーティング組成物
は、いずれも上記のような一般式[I]で表わされる繰
り返し単位を少なくとも有する1種または2種以上のポ
リシラザンから得られた改質ポリシラザンを含有してい
る。
【0034】このうち、本発明で用いられるポリシラザ
ンは、上記式[I]でR1 、R2 およびR3 が、それぞ
れ水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基であ
り、アルキル基の中でもメチル基、エチル基またはプロ
ピル基が好ましい。
【0035】本発明で用いられるポリシラザンとして
は、上記式[I]でR1 、R2 およびR3 がすべて水素
原子であり、1分子中にケイ素原子が55〜65重量
%、窒素原子が20〜30重量%、水素原子が10〜1
5重量%であるような量で存在している無機ポリシラザ
ンが特に好ましい。このような無機ポリシラザンは、た
とえば特公昭63−16325号公報および米国特許第
4397828号明細書に開示された方法に従って製造
することができる。
【0036】上記式[I]で表される繰り返し単位を有
するポリシラザンは、直鎖状であっても、環状であって
もよく、直鎖状のポリシラザンと環状のポリシラザンと
が混合して含まれていてもよい。
【0037】本発明で用いられるポリシラザンの重量平
均分子量は、500〜10,000、好ましくは1,0
00〜4,000の範囲にあることが望ましい。重量平
均分子量が500未満である場合には、塗布液からシリ
カ系被膜を形成する際の乾燥工程で低分子量の化合物が
揮発し、その後の焼成工程で被膜が大きく収縮するよう
になる。これに対し、分子量が10,000を越える場
合には、コーティング組成物の流動性が低下する。従っ
て上記いずれの場合においても凹凸面を被膜で被覆した
際に、該凹凸面が被膜で充分に平坦化することは難し
い。また、このポリシラザンのSi/N比(原子比)
は、1.0〜1.3の範囲にあることが望ましい。
【0038】さらに、本発明に係るコーティング組成物
には、いずれもポリシラザン全体の10〜40重量%、
好ましくは15〜40重量%が分子量1,000以下の
低分子量ポリシラザンであるようなポリシラザンを用い
ることが望ましい。低分子量ポリシラザンが10重量%
未満であると、コーティング組成物の流動性が低下し、
コーティング組成物から得られたシリカ系絶縁膜の表面
平滑性が低下することがある。一方、低分子量ポリシラ
ザンが40重量%を越えると、コーティング組成物から
シリカ系被膜を形成する際の乾燥工程で揮発する低分子
量化合物が多くなり、その後の焼成工程で被膜が大きく
収縮するようになり、コーティング組成物から得られた
シリカ系被膜の表面平滑性が低下することがある。
【0039】本発明で用いられるフェノール化合物は、
ベンゼン環の1個の水素原子が水酸基で置換されている
化合物であれば特に制限はない。このような芳香族環の
少なくとも1個の水素原子が水酸基で置換されている化
合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレ
ノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチ
ルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、
アリルフェノール、ジメチルフェノール、ジプロピルフ
ェノール、フェニルフェノールなどが挙げられる。
【0040】これらのフェノール化合物は、単独で、あ
るいは2種以上を混合して用いられる。本発明で用いら
れるアルコール化合物は、脂肪族炭化水素の1個または
2個以上のH原子がOH基で置換された有機化合物であ
れば特に制限はない。
【0041】このようなアルコール化合物としては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ア
ミルアルコール、オクタノール、アリルアルコールなど
の飽和または不飽和の脂肪族一価アルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど
の2価以上の多価アルコール類、ベンジルアルコールな
どの芳香族アルコール類、シクロペンタノール、シクロ
ヘキサノール、フルフリルアルコールなどの脂環式また
は複素環式アルコール類が挙げられる。
【0042】本発明では、必要に応じてこれらアルコー
ル化合物の1種または2種以上が、前記ポリシラザンと
フェノール化合物とを反応させる前に用いられる。本発
明に係るシリカ系被膜形成用コーティング組成物は、前
記ポリシラザンとフェノール化合物とを反応させて改質
ポリシラザンを製造する工程、あるいは前記ポリシラザ
ンとアルコール化合物とを反応させて改質ポリシラザン
の前駆体を製造し、次いでこの改質ポリシラザンの前駆
体をフェノール化合物とを反応させて改質ポリシラザン
を製造する工程を経て調製される。
【0043】まず、前記ポリシラザンとフェノール化合
物とを反応させて改質ポリシラザンを製造する工程を経
て本発明に係るシリカ系被膜形成用コーティング組成物
を調製する場合について説明する。
【0044】この場合には、次のようにしてシリカ系被
膜形成用コーティング組成物が調製される。 i)上記のようなポリシラザンとフェノール化合物とを
有機溶媒中で混合する。
【0045】このような有機溶媒としては、ポリシラザ
ンとフェノール化合物との混合物を溶解するものであれ
ば特に制限はなく、具体的には、メチルエチルケトン等
のケトン類、メチルセロソルブ等のグリコールエーテル
類、ヘキサン、オクタン等の炭化水素類、シクロヘキサ
ン、トルエン、キシレン等の環状炭化水素類、エチルエ
ーテル、エチルブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類が挙げられる。これらの有機
溶媒は単独でもしくは2種以上を混合して用いられる。
【0046】上記のようにポリシラザンとフェノール化
合物とを有機溶媒中で混合すると、ポリシラザンのSi
−N結合部が水酸基と反応し、ポリシラザンのSi−N
結合部が開裂したポリシラザン改質物が生成する。
【0047】このポリシラザンと水酸基との反応は、溶
媒の沸点以下の任意の温度で行われる。また、この反応
で用いられるポリシラザンとフェノール化合物との配合
比は、モル比で99.9/0.1〜1/2の範囲に調整
することが望ましい。この配合モル比が99.9/0.
1を越えるとポリシラザンの改質効果がほとんどなくな
り、逆に1/2未満では、ポリシラザンの好ましい性質
が損なわれる傾向がある。 ii)上記のようなポリシラザンの改質反応が終了した
後、得られた改質ポリシラザンの重量平均分子量が50
0未満の場合には、反応液中の有機溶媒を塩基性溶媒で
置換した後、改質ポリシラザンの重合反応を行ない、改
質ポリシラザンの分子量を好ましい範囲に調製する。こ
の際に用いられる塩基性溶媒としては、塩基性溶媒であ
れば特に制限はないが、ピリジン、ピコリン、トリメチ
ルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、フラン、ジ
オキサンが好ましく、ピリジンが特に好ましい。前記改
質ポリシラザンの重合反応は、塩基性溶媒の沸点以下の
任意の温度で、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気
下において、塩基性溶媒に窒素ガスを吹き込みながら行
なわれる。
【0048】以上のようにして得られたポリシラザン改
質物を含む液から減圧蒸留等の方法で溶媒を除去するこ
とによって樹脂状物質を得る。 iii )得られた樹脂状物質を固形分濃度が3〜40重量
%になるように、有機溶媒に溶解することによって本発
明に係る第1のシリカ系被膜形成用コーティング組成物
が基本的に得られる。
【0049】この際に用いられる有機溶媒としては、上
記の樹脂状物質を分散または溶解し、塗布液に流動性を
付与するものであれば特に制限はないが、具体的には、
ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシ
レン等の炭化水素類、エチルエーテル、エチルブチルエ
ーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類が挙げられる。これらの有機溶媒
は単独でもしくは2種以上を混合して用いられる。
【0050】次いで、前記ポリシラザンとアルコール化
合物とを反応させて改質ポリシラザンの前駆体を製造
し、次いでこの改質ポリシラザンの前駆体をフェノール
化合物とを反応させて改質ポリシラザンを製造する工程
を経て本発明に係るシリカ系被膜形成用コーティング組
成物を調製する場合について説明する。
【0051】この場合には、次のようにしてシリカ系被
膜形成用コーティング組成物が調製される。 i')上記のようなポリシラザンとアルコール化合物とを
有機溶媒中で混合する。
【0052】このような有機溶媒としては、ポリシラザ
ンとアルコール化合物との混合物を溶解するものであれ
ば特に制限はなく、具体的には、上述したような有機溶
媒が単独で、あるいは2種以上を混合して用いられる。
【0053】本発明では、ポリシラザンとアルコール化
合物とを有機溶媒中で混合してポリシラザンとアルコー
ル化合物とを反応させ、前記ポリシラザン改質物の前駆
体を生成する。
【0054】このポリシラザンとアルコール化合物との
反応は、溶媒の沸点以下の任意の温度で行われる。ま
た、この反応で用いられるポリシラザンとアルコール化
合物との配合比は、モル比で99.9/0.1〜1/2
の範囲に調整することが望ましい。 ii')上記のようにして改質ポリシラザンの前駆体を生成
した後、前記工程ii)と同様にして樹脂状の改質ポリシ
ラザンの前駆体を得る。 iii')ポリシラザンの代わりに前記工程ii')で得られた
改質ポリシラザン前駆体を用い、前記工程i)〜iii )
を繰り返すと本発明に係る第2のシリカ系被膜形成用コ
ーティング組成物が基本的に得られる。
【0055】本発明に係るコーティング組成物に用いら
れる上記有機溶媒としては、水の溶解度が0.5重量%
以下であるような有機溶媒が好ましい。このような有機
溶媒を塗布液に用いると、塗布液が吸湿して塗布液中の
ポリシラザンなどが加水分解を起こすのが防止され、こ
れによりポットライフの長い塗布液が得られる。
【0056】上記のような方法で得られた樹脂状改質ポ
リシラザンの重量平均分子量は、500〜10,00
0、好ましくは1,000〜4,000の範囲にあるこ
とが望ましい。重量平均分子量が500未満である場合
には、コーティング組成物からシリカ系被膜を形成する
際の乾燥工程で低分子量の化合物が揮発し、その後の焼
成工程で被膜が大きく収縮するようになる。また、分子
量が10,000を越える場合には、コーティング組成
物の流動性が低下する。従って、いずれの場合において
も凹凸面を被膜で被覆した際に、該凹凸面を被膜で充分
に平坦化することは難しい。また、この樹脂状物質のS
i/N比(原子比)は、ポリシラザンと同様、1.0〜
1.3の範囲にあることが望ましい。
【0057】上記のような本発明に係るシリカ系被膜形
成用コーティング組成物を用いてシリカ系被膜を形成す
ると、被膜形成成分としてポリシラザンのみを含む従来
のコーティング組成物を用いてシリカ系被膜を形成した
場合に比べて、コーティング組成物から得られた塗膜を
乾燥し、次いで従来のポリシラザン系コーティング組成
物の場合よりも低温で焼成しても緻密性に優れ、かつ収
縮ストレス、ボイド等の少ない平坦性に優れた被膜が得
られる。
【0058】特に本発明に係るシリカ系被膜形成用コー
ティング組成物が、上記式[I]で表わされ、式[I]
中のR1 、R2 およびR3 の全てが水素原子である無機
ポリシラザンを上記のようにして改質した改質無機ポリ
シラザンを含むコーティング組成物である場合、さらに
緻密で、しかも耐クラック性に優れた被膜を得ることが
できる。
【0059】すなわち、被膜形成成分の大部分が上記の
ような改質無機ポリシラザンからなるコーティング組成
物からシリカ系被膜を形成した場合には、シリカ系被膜
を形成する際の乾燥・焼成工程で生じる被膜の収縮は、
改質ポリシラザン中のSi−H結合がSi−O結合に変
化するときの体積膨張により抑制される。このため、被
膜形成成分の大部分が上記のような改質無機ポリシラザ
ンからなるコーティング組成物から被膜を形成すると、
被膜形成時の収縮ストレスが少なくなり、クラックの発
生が抑制される。従って、被膜形成成分の大部分が上記
のような改質無機ポリシラザンからなるコーティング組
成物は、特に厚膜のシリカ系絶縁膜を形成する際に用い
るとその効果がより一層発揮される。
【0060】被膜付基材 本発明に係る被膜付基材としては、具体的には、前記の
ような半導体装置、液晶表示装置、位相シフタ付フォト
マスク、さらには多層配線構造を有するLSI素子およ
びプリント回路基板、ハイブリッドIC、アルミナ基板
などの電子部品、三層レジストなどが挙げられる。
【0061】すなわち、半導体装置では、半導体基板と
金属配線層との間、金属配線層間にシリカ系被膜が形成
され、半導体基板上に設けられたPN接合半導体、およ
びコンデンサー素子、抵抗素子などの各種素子がシリカ
系被膜で被覆され、これらの素子によって形成された凹
凸面が平坦化されている。
【0062】また、液晶表示装置における液晶表示セル
では、透明電極板の透明基板と透明電極との間に、さら
に透明電極上に配向膜を有する透明電極板の透明電極と
配向膜の間に、シリカ系被膜が形成され、カラー液晶表
示装置における液晶表示セルでは、電極板の画素電極上
および対向電極板のカラーフィルター上にシリカ系被膜
が形成され、画素電極およびカラーフィルターによって
形成された凹凸面が該シリカ系被膜によって平坦化され
ている。
【0063】さらに位相シフタ付フォトマスクの位相シ
フタおよび三層レジストの中間層がシリカ系被膜で構成
され、上記電子部品においても半導体装置と同様にシリ
カ系被膜が設けられ、シリカ系絶縁膜の被塗布面が該シ
リカ系被膜によって平坦化されている。
【0064】本発明に係る被膜付基材は、上記のように
して得られた改質ポリシラザンを含むコーティング組成
物を用いて形成されたシリカ系被膜を有している。この
シリカ系被膜の膜厚は、通常、0.05〜2μ、好まし
くは0.1〜1μ程度である。
【0065】このようなシリカ系被膜は、例えば上記の
ような本発明に係るシリカ系被膜形成用コーティング組
成物を、基材の被塗布面、例えば液晶表示装置を製造す
る場合には透明電極板の透明電極面にスプレー法、スピ
ンコート法、ディッピング法、ロールコート法、スクリ
ーン印刷法、転写印刷法などの各種方法で塗布し、次い
で得られた塗膜を乾燥・焼成することにより得ることが
できる。
【0066】なお、塗膜の加熱硬化処理に際して、紫外
線照射または電子線照射による塗膜の硬化処理を併用し
てもよい。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る被膜形成用コーティング組
成物によれば、ボイド、ピンホールなどがほとんどな
く、緻密であって、被塗布面との密着性、機械的強度、
耐アルカリ性などの耐薬品性、耐湿性、絶縁性などに優
れたシリカ系被膜が形成でき、しかも被塗布面の凹凸を
高度に平坦化することができる。
【0068】すなわち、被膜形成成分としてポリシラザ
ンのみを含む従来のコーティング組成物からシリカ系被
膜を形成すると、得られたシリカ系被膜中に窒素原子が
一部残存しているが、本発明に係る被膜形成用コーティ
ング組成物からシリカ系被膜を形成すると、得られたシ
リカ系被膜中には窒素原子がほとんど残存していない。
また、このようにして本発明に係る被膜形成用コーティ
ング組成物から得られたシリカ系被膜は、従来のポリシ
ラザン系コーティング組成物から得られたシリカ系被膜
と比較して緻密性および耐アルカリ性などの耐薬品性に
優れている。
【0069】このように本発明に係る被膜形成用コーテ
ィング組成物を塗布面に塗布し、得られた塗膜を乾燥・
焼成すると窒素原子がほとんど残存していないシリカ系
被膜が得られる理由は、次のように推定される。
【0070】すなわち、上記のようにしてポリシラザン
を改質すると、ポリシラザン分子中のケイ素原子と強固
に結合している窒素原子部分が最終的にフェノール性水
酸基で置換され、前記窒素原子と2つの隣接ケイ素原子
との間に形成されていた結合が開裂する。これにより結
合エネルギーが比較的大きいSi−N−Si結合部がほ
とんど消失することによるものであろう。
【0071】また、本発明によれば、半導体基板と金属
配線層との間、金属配線層間にシリカ系被膜が形成さ
れ、半導体基板上に設けられたPN接合半導体、および
コンデンサー素子、抵抗素子などの各種素子がシリカ系
被膜で被覆され、これらの素子によって形成された凹凸
面が平坦化されている半導体装置、ガラス基板と透明電
極との間に、ガラス基板中に含まれているNaなどのア
ルカリ成分が透明電極中に移行したり、この透明電極を
通して透明電極間に封入された液晶中へ溶出したりする
ことが防止できるような、いわゆるアルカリパッシベー
ション膜としてのシリカ系被膜が形成された液晶表示装
置、およびさらに透明電極上に配向膜を有する透明電極
板の透明電極と配向膜の間にシリカ系被膜が形成された
透明電極板を有する液晶表示セルを備えた液晶表示装
置、画素電極上にシリカ系被膜が形成された電極板およ
びカラーフィルター上にシリカ系被膜が形成された対向
電極板を有し、画素電極およびカラーフィルターによっ
て形成された凹凸面が該シリカ系被膜によって平坦化さ
れている液晶表示セルを備えたカラー液晶表示装置、位
相シフタがシリカ系被膜であるような位相シフタ付フォ
トマスク、中間層がシリカ系被膜であるような三層レジ
スト、および半導体装置と同様にシリカ系被膜が設けら
れ、シリカ系被膜の被塗布面が該シリカ系被膜によって
平坦化されている電子部品、たとえば多層配線構造を有
するLSI素子およびプリント回路基板、ハイブリッド
IC、アルミナ基板などのような被膜付基材が歩留り良
く提供できる。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0073】
【製造実施例】
1)ポリシラザンAの合成 特公昭63−16325号公報記載の製造法に準じて次
のような製造法でポリシラザンAを合成した。
【0074】温度が0℃の恒温槽内に設置した反応器内
にピリジン600mlを入れ、攪拌しながらジクロロシラ
ン28.3gを加えて錯体(ピリジンアダクツ)を形成
させた。次いでこのピリジンアダクツを含む液中にアン
モニアを2時間吹き込んで反応生成物を含む液を得た。
この液中に含まれている沈澱を濾過して除去した後、濾
液を80℃で10時間加熱し、次いで減圧して濾液から
ピリジンを除去することにより、反応器内に樹脂状のポ
リシラザンAを得た。 2)ポリシラザンBの合成 1リットルの四つ口フラスコに塩化メチレン300mlを
入れ、−5℃に冷却した。次いでこのフラスコ内にメチ
ルジクロロシラン34.2gを加え、攪拌しながらさら
にアンモニアを2時間吹き込んで反応生成物を含む液を
得た。この液中に含まれている沈澱を濾過して除去した
後、濾液を減圧して濾液から塩化メチレンを除去するこ
とにより、樹脂状のポリシラザンBを得た。
【0075】上記のポリシラザンA、Bの元素分析結
果、Si/N比および重量平均分子量を表1に示す。な
おこれらの重量平均分子量は、ゲルクロマトグラフ法で
測定したポリスチレン換算値である。
【0076】
【実施例1】ポリシラザンAの10重量%キシレン溶液
とo−アリルフェノールとを、ポリシラザンA/o−ア
リルフェノールがモル比で1/1となるように混合し
た。次いで、溶媒をピリジンで置換し、窒素雰囲気下で
乾燥窒素を吹き込みながら90℃の温度で20時間反応
させた。次いで溶媒を減圧によって除去することにより
樹脂状の改質ポリシラザンを得た。得られた改質ポリシ
ラザンの元素分析結果、Si/N比および重量平均分子
量を表1に示す。なお得られた改質ポリシラザンの重量
平均分子量は、上記ポリシラザンA、Bの重量平均分子
量と同様にして測定した。
【0077】上記のようにして得られた改質ポリシラザ
ンをキシレンに溶解し、固形分濃度が20重量%である
シリカ系被膜形成用コーティング組成物を得た。この塗
布液を4インチシリコンウェハー上にスピンコート法で
塗布し、得られた塗膜を150℃で2分間加熱して乾燥
させた後、乾燥酸素雰囲気中で450℃で1時間焼成し
てシリカ系被膜を形成した。形成されたシリカ系被膜の
ESCA分析結果および、耐クラック性、緻密性、耐ア
ルカリ性の測定結果を表2に示す。なお、耐クラック
性、緻密性および耐アルカリ性の測定は次のようにして
行なった。 a)耐クラック性 2μmのシリカ系被膜を形成し、このシリカ系被膜のク
ラックの有無を顕微鏡で観察した。 b)緻密性 HFとHNO3 との混合溶液(HF/HNO3 =1/1
00重量比)からなるエッチング液に上記のようにして
形成されたシリカ系被膜を2分間浸漬した前後の膜厚変
化量から算出した。なお、単位時間当りの膜厚変化量が
小さい程、緻密性に優れていると評価される。 c)耐アルカリ性 40℃の5重量%NaOH水溶液に上記のようにして形
成されたシリカ系被膜を20分間浸漬した前後の膜厚変
化量から算出した。なお、この膜厚変化量が小さい程、
耐アルカリ性に優れていると評価される。
【0078】
【実施例2】ポリシラザンAの10重量%キシレン溶液
とメタノールとを、ポリシラザンA/メタノールがモル
比で1/1となるように混合し、次いで、この混合溶液
を実施例1と同様にしてポリシラザンAとエタノールと
を反応させた後、液中の溶媒を減圧によって除去するこ
とにより樹脂状の改質ポリシラザン前駆体を得た。この
前駆体とビニルフェノールとをモル比1/1でとなるよ
うに混合した後、前記と同様の操作を繰り返して改質ポ
リシラザンを得た。得られた改質ポリシラザンの元素分
析結果、Si/N比および重量平均分子量を表1に示
す。なお得られた改質ポリシラザンの重量平均分子量
は、上記ポリシラザンA、Bの重量平均分子量と同様に
して測定した。
【0079】このようにして得られた改質ポリシラザン
を用いて実施例1と同様にしてシリカ系被膜形成用コー
ティング組成物およびシリカ系被膜を得、実施例1と同
様にして得られたシリカ系被膜のESCA分析、およ
び、耐クラック性、緻密性、耐アルカリ性の測定を行な
った。
【0080】以上の分析および測定結果を表2に示す。
【0081】
【実施例3】ポリシラザンBの3重量%ブチルエーテル
溶液とo−フェニルフェノールとを、ポリシラザンB/
o−フェニルフェノールがモル比で96/4となるよう
に混合した後、実施例1と同様の条件で反応させて、樹
脂状の改質ポリシラザンを得た。得られた改質ポリシラ
ザンの元素分析結果、Si/N比および重量平均分子量
を表1に示す。なお得られた改質ポリシラザンの重量平
均分子量は、上記ポリシラザンA、Bの重量平均分子量
と同様にして測定した。
【0082】このようにして得られた改質ポリシラザン
を用いて実施例1と同様にしてシリカ系被膜形成用コー
ティング組成物およびシリカ系被膜を得、実施例1と同
様にして得られたシリカ系被膜のESCA分析、およ
び、耐クラック性、緻密性、耐アルカリ性の測定を行な
った。
【0083】以上の分析および測定結果を表2に示す。
【0084】
【比較例1】ポリシラザンAの20重量%のキシレン溶
液をシリカ系被膜形成用コーティング組成物として、実
施例1と同様にしてシリカ系被膜を得、実施例1と同様
にして得られたシリカ系被膜のESCA分析、および、
耐クラック性、緻密性、耐アルカリ性の測定を行なっ
た。
【0085】以上の分析および測定結果を表2に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼橋 美 紀 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触媒化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 福 山 俊 一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 中 田 義 弘 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−250012(JP,A) 特開 平2−36220(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)下記一般式[I] 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素
    原子または炭素原子数1〜8のアルキル基である。)で
    表わされる繰り返し単位を少なくとも有する1種または
    2種以上のポリシラザンと、フェノール化合物とを反応
    させて得られる改質ポリシラザンを、 (ii)炭化水素類またはエーテル類からなる有機溶媒に、 溶解してなる ことを特徴とするシリカ系被膜形成用コー
    ティング組成物。
  2. 【請求項2】前記改質ポリシラザンが、前記ポリシラザ
    ンを、アルコール化合物と反応させ、次いでフェノール
    化合物と反応させて得られる改質ポリシラザンである請
    求項1に記載のシリカ系被膜形成用被膜形成用コーティ
    ング組成物。
  3. 【請求項3】 前記炭化水素類がヘキサン、オクタン、シ
    クロヘキサン、トルエンまたはキシレンであり、前記エ
    ーテル類がエチルエーテル、エチルブチルエーテル、ジ
    ブチルエーテル、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のシリ
    カ系被膜形成用被膜形成用コーティング組成物。
  4. 【請求項4】 前記改質ポリシラザンを固形分濃度が3〜
    40重量%となるように、前記有機溶媒に溶解すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ系
    被膜形成用被膜形成用コーティング組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のコーティ
    ング組成物を用いて形成されたシリカ系被膜を有するこ
    とを特徴とする被膜付基材。
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