JP3191681B2 - 土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物、及び該組成物を用いた土壌安定化方法 - Google Patents

土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物、及び該組成物を用いた土壌安定化方法

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JP3191681B2
JP3191681B2 JP15627296A JP15627296A JP3191681B2 JP 3191681 B2 JP3191681 B2 JP 3191681B2 JP 15627296 A JP15627296 A JP 15627296A JP 15627296 A JP15627296 A JP 15627296A JP 3191681 B2 JP3191681 B2 JP 3191681B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌安定化ポリウ
レタン発泡樹脂組成物、及び該組成物を用いた土壌安定
化方法に関する、更に詳しくは、特定のNCO基末端プ
レポリマー成分と珪酸塩水溶液を主成分とする土壌安定
化ポリウレタン発泡樹脂組成物、及び該組成物を用いた
土壌安定化方法で、土木・建築関連の止水材料、アンカ
ーボルト固着材料、地盤強化材料等に極めて重要な材料
である。
【0002】
【従来の技術】従来、ケイ酸アルカリ金属塩の水溶液か
ら、酸又は潜在的酸の作用によって、無機質のシリカゲ
ルプラスチックを製造出来ることが知られている。水ガ
ラスからは軽量フォームプラスチックも製造される。こ
れらの製品は加熱時に高い寸法安定性を有し、完全に不
燃性であるが、砕け易く、強度は小さく、且つ完全に固
化するまでは耐水性に乏しい。一方、有機ポリイソシア
ネートと活性水素基含有化合物からポリウレタン樹脂や
ポリ尿素樹脂が製造できることは公知である。これら
は、発泡性土壌安定化樹脂として広く使用されており、
硬化速度、樹脂密度、物理的特性等を広く変化させるこ
とが可能である。例えば、特開平7−97566号公報
には、止水用薬剤としてジイソシアネートとポリエーテ
ルグリコールとを反応させて得られるNCO基含有プレ
ポリマーを、硬化促進剤を含有する金属塩水溶液と混合
して用る発明が開示されている。しかし、無機プラスチ
ックに比較すると極めてコスト高になり、外気温による
原材料の粘度変化が大きく、作業性が劣っている。そこ
で、これらの無機質のプラスチックと有機質の樹脂の欠
点を互いに改善する技術が種々提案されている。例え
ば、特公昭62−21039号公報には、親水性ポリオ
キシアルキレンポリオールと有機ポリイソシアネートと
を反応させた末端NCO基含有ウレタンプレポリマーを
含有する主剤と、ケイ酸ソーダ又はポルトランドセメン
ト類の希薄水溶液を含有する硬化剤を使用する地盤安定
処理工法が開示されている。また、特開平4−2832
90号公報には、ケイ酸ソーダ水溶液とポリイソシアネ
ート及び反応性希釈剤等とから成る土質等の安定化用注
入薬液組成物、並びにこれを使用した地盤の安定強化止
水工法が記載されている。これに類似した発明として、
特公平7−72271号公報、特開平4−283290
号公報等の発明において、ポリイソシアネート及び反応
性希釈剤のかわりに、有機ポリイソシアネートとポリオ
キシアルキレンモノ又はポリオールを反応させたNCO
基含有親水性ウレタンプレポリマーを使用した技術が開
示されている。更に、特開平5−78667号公報に
は、ケイ酸アルカリ金属塩の水溶液とイイソシアネート
プレポリマーを主成分とする岩盤固結用薬液が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来公知の無機−有機複合系においては、固結の際に大
きな内部発熱が生じ、生成する(発泡)固結体は不均
質、不安定であり、その物性も不十分である。本発明者
等は、このような公知技術の問題点を改善するため、土
壌安定化ポリウレタン系発泡樹脂を得るに際し、NCO
基末端プレポリマーからなる有機系と無機系水性液との
複合において、土壌安定化樹脂として要求される特性に
ついて鋭意研究検討した結果、特定の有機−無機複合系
にカップリング剤とアミン系触媒と粘度調整剤と場合に
より界面活性剤を併用することにより、前記従来技術の
欠点を改善できるだけでなく、反応速度が適当で土壌へ
の浸透性や充填性にも優れ、土壌を安定化しうることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、(A)有
機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物とを反応
させて得られるNCO基末端プレポリマー及び粘度調整
剤からなる有機系混合物と、(B)ケイ酸塩水溶液及び
/又は水系シリカゾル、カップリング剤、アミン系触媒
及び発泡剤からなる無機系混合物とから成る土壌安定化
ポリウレタン発泡樹脂組成物であって、NCO基末端プ
レポリマー成分に使用する有機ポリイソシアネートがジ
フェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート
とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート
環状三量体、又はジフェニルメタンジイソシアネート系
ポリイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート
のウレトジオン二量体とヘキサメチレンジイソシアネー
トのイソシアヌレート環状三量体であることを特徴とす
る土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物である。
【0005】本発明は、(A)有機ポリイソシアネート
と活性水素基含有化合物とを反応させて得られるNCO
基末端プレポリマー、粘度調整剤及び界面活性剤からな
る有機系混合物と、(B)ケイ酸塩水溶液及び/又は水
系シリカゾル、カップリング剤、アミン系触媒及び発泡
剤からなる無機系混合物とから成る土壌安定化ポリウレ
タン発泡樹脂組成物であって、NCO基末端プレポリマ
ー成分に使用する有機ポリイソシアネートがジフェニル
メタンジイソシアネート系ポリイソシアネートとヘキサ
メチレンジイソシアネートのイソシアヌレート環状三量
体、又はジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソ
シアネートとヘキサメチレンジイソシアネートのウレト
ジオン二量体とヘキサメチレンジイソシアネートのイソ
シアヌレート環状三量体であることを特徴とする土壌安
定化ポリウレタン発泡樹脂組成物である。
【0006】本発明は、(A)有機ポリイソシアネート
と活性水素基含有化合物とを反応させて得られるNCO
基末端プレポリマー及び粘度調整剤からなる有機系混合
物と、(B)ケイ酸塩水溶液及び/又は水系シリカゾ
ル、カップリング剤、アミン系触媒、発泡剤及び界面活
性剤からなる無機系混合物とから成る土壌安定化ポリウ
レタン発泡樹脂組成物であって、NCO基末端プレポリ
マー成分に使用する有機ポリイソシアネートがジフェニ
ルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートとヘキ
サメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート環状三
量体、又はジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイ
ソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートのウレ
トジオン二量体とヘキサメチレンジイソシアネートのイ
ソシアヌレート環状三量体であることを特徴とする土壌
安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物である。
【0007】本発明は、(A)有機ポリイソシアネート
と活性水素基含有化合物とを反応させて得られるNCO
基末端プレポリマー、粘度調整剤及び界面活性剤からな
る有機系混合物と、(B)ケイ酸塩水溶液及び/又は水
系シリカゾル、カップリング剤、アン系触媒、発泡剤及
び界面活性剤からなる無機系混合物とから成る土壌安定
化ポリウレタン発泡樹脂組成物であって、NCO基末端
プレポリマー成分に使用する有機ポリイソシアネートが
ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネー
トとヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレー
ト環状三量体、又はジフェニルメタンジイソシアネート
系ポリイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネー
トのウレトジオン二量体とヘキサメチレンジイソシアネ
ートのイソシアヌレート環状三量体であることを特徴と
する土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物である。
【0008】本発明は、活性水素基含有化合物が、エチ
レンオキシドユニットを60〜95重量%含有する官能
基数2〜8で分子量500〜5000のポリエーテルグ
リコール又は、エチレンオキシドユニットを60〜95
重量%含有する官能基数2〜8で分子量500〜500
0のポリエーテルグリコールと炭素数4〜50のモノア
ルコールとを併用することを特徴とする前記に記載の土
壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物である。
【0009】本発明は、前記の土壌安定化ポリウレタン
発泡樹脂組成物を土壌に注入することを特徴とする土壌
安定化方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分であるNCO
基末端プレポリマーに使用する有機ポリイソシアネトと
しては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MD
Iと略す)系ポリイソシアネートとヘキサメチレンジイ
ソシアネート(以下HDIと略す)のイソシアヌレート
環状三量体、又はMDI系ポリイソシアネートとHDI
のウレトジオン二量体とHDIのイソシアヌレート環状
三量体の混合物等がある。
【0011】有機ポリイソシアネートの一成分となるM
DI系ポリイソシアネートには、例えば、MDI、ポリ
フェニルメタンポリイソシアネート(以下ポリメリック
MDIと略す)や水素添加MDI等が挙げられる。この
MDIには、4,4′−MDI、2,4′−MDI、
2,2′−MDI等の異性体の混合物、異性体含有ポリ
メリックMDI等があり、これらは、単独又は2種以上
の混合物として使用することができる。これらポリイソ
シアネートは、NCO基の一部をビウレット、アロファ
ネート、カルボジイミド、オキサゾリドン、アミド、イ
ミド等に変性したものも使用することができる。好まし
いMDI系ポリイソシアネートは、4,4′−MDI、
2,4′−MDI、2,2′−MDI等の任意の割合の
混合物、ポリメリックMDI、ポリメリックMDIに各
種異性体の混合物等である。
【0012】その他、本発明の(A)成分であるNCO
基末端プレポリマー成分を得るためのMDI系ポリイソ
シアネートに併用することができるポリイソシアネート
としては、例えばp−フェニレンジイソシアネート、m
−フェニレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジ
イソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネー
ト、1,4−ナフチレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエー
テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニルー4,
4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパ
ン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチル
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート等を挙げる
ことができる。
【0013】本発明に用いられるHDIのイソシアヌレ
ート環状三量体としては、HDIのNCO基の一部を必
要に応じてポリオール付加体とした後イソシアヌレート
化させて得られる。このHDIのポリオール付加体は、
全NCO基の一部(15重量%以下) をポリオール付加体
とした後、イソシアヌレート化したものである。ポリオ
ール付加体を得るためのポリオールとしては、分子量3
000以下の2〜3官能のポリオールが用いられる。2
官能のポリオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール
(以下、1,3−BDと略す)、1,4−ブタンジオー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール
(以下、1,6−HDと略す)、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオール(以下、2BEPDと略す)等のジオー
ルや2価のポリエステルポリオール、又はポリエーテル
ポリオール等が挙げられる。
【0014】3官能のポリオールとしては、例えば、グ
リセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン等のトリオールや3価のポリエーテルポリオール等
が挙げられる。更に2官能以上のポリエステルポリオー
ルが挙げられる。これらポリオールは1種または2種以
上の混合物として使用することができる。ポリオールの
好ましい分子量は、62〜1000である。
【0015】このウレタン化率は、全イソシアネートに
対して15重量%以下が好ましい。15重量%以上になる
と、その後生成するイソシアヌレート三量体の特長を十
分発揮することができなくなる。更に好ましくは、1〜
11重量%である。
【0016】このようにして得られたHDIのポリオー
ル付加体、又はHDIに一般式Cn2n+1COOHで示
される有機酸のカリウム又はナトリウム塩を触媒とし
て、単独又は併用し、必要に応じて助触媒を使用し、1
00℃以下で反応を行なうことができる。使用できる触
媒としては、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン
酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン
酸、ウンデシル酸及びこれらの脂肪酸のカリウム又はナ
トリウム塩が挙げられる。
【0017】これらの触媒と同時に、助触媒としてフェ
ノール性ヒドロキシ化合物、アルコール性ヒドロキシ化
合物、または第三級アミン類を用いると反応をさらに容
易に進行させることができる。このようなHDIのイソ
シアヌレート化反応は、40〜80℃で3〜5時間で行
うことができる。HDIのイソシアヌレート環状三量体
のNCO含量は、16.5〜23.5重量%である。ま
た反応は、HDIにポリオールと三量化触媒を同時に加
えて、ポリオール付加体と環状三量体を同時に得ること
ができる。
【0018】本発明に用いられるHDIのウレトジオン
二量体とHDIのイソシアヌレート環状三量体の混合物
は、HDIのNCO基の一部を必要に応じてポリオール
付加体とした後ウレトジオン二量化とイソシアヌレート
環状三量化させて得られる。このHDIのポリオール付
加体は、全NCO基の一部(15重量%以下) をポリオ
ール付加体とした後、イソシアヌレート化したものであ
る。このポリオールは、HDIのイソシアヌレート環状
三量体を得るときに使用したポリオールを用いることが
できる。HDIのウレトジオン二量体とHDIのイソシ
アヌレート環状三量体を得るための効果的な触媒として
は、トリエチルホスフィン、ジブチルエチルホスフィ
ン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリオクチルホス
フィン、トリアミルホスフィン等のホスフィン類が挙げ
られる。反応は、三量体を得るときと同様にして行うこ
とができる。このようにして得た反応混合物は、例えば
薄膜蒸留により未反応HDI(モノマー)を除去するこ
とができる。HDIのウレトジオン二量体とイソシアヌ
レート環状三量体は、該二量体20〜60重量%に対し
て環状三量体は11〜40重量%の比率である。このN
CO含量は、17〜25重量%である。
【0019】本発明の有機ポリイソシアネートの構成
は、MDI系のポリイソシアネート100重量部に対し
て、HDIのイソシアヌレート環状三量体、又はHDI
の二量体とHDIのイソシアヌレート環状三量体の混合
物は5〜30重量部である。
【0020】本発明の(A)成分であるNCO基末端プ
レポリマーを得るための活性水素基含有化合物として
は、官能基数が2〜8、分子量500〜5000の活性
水素基含有化合物、必要に応じて炭素数4〜50のモノ
アルコール等が挙げられる。官能基数が2〜8、分子量
500〜5000の活性水素基含有化合物としては、例
えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタン
ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、シュクローズ、グルコー
ス、フラクトースソルビトール等の単独又は2種以上の
混合物、及びエチレンジアミン、プロピレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トルエンジアミン、メタフェニ
レンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレン
ジアミン等のようなアミン類の単独又は2種以上の混合
物あるいは、これらの化合物の2種以上を開始剤とし
て、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド、アミレンオキシド、グリシジルエーテル、メ
チルグリシジルエーテル、tーブチルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル等のモノマーの一種又
はそれ以上を公知の方法により付加重合することによっ
て得られたものが挙げられる。活性水素基含有化合物
は、全アルキレンオキサイド中にエチレンオキサイドを
60〜95重量%含有するポリエーテルポリオールであ
る。好ましくはエチレンオキサイドを80〜95重量%
含有し、好ましい分子量は、1000〜4000であ
る。この場合、使用量は、有機ポリイソシアネート10
0重量部に対して活性水素基含有化合物は、0.1〜1
5重量部である。好ましくは、2〜10重量部である。
また必要に応じで前記の分子量62〜500未満のグリ
コール、ポリオール等を併用することができる。
【0021】本発明のNCO基末端プレポリマー成分を
得るための必要に応じで使用することのできる活性水素
基含有化合物としては、炭素数4〜50のモノアルコー
ルがある。このモノアルコールには、直鎖状モノアルコ
ールと分岐状モノアルコールとがある。炭素数5〜50
の直鎖状モノアルコールとしては、アミルアルコール、
ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルア
ルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウ
リルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシル
アルコール、ペンタデシルアルコール、ヘプタデシルア
ルコール、オクコデシルアルコール(ステアリルアルコ
ール)、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコー
ル、セリルアルコール、メリシルアルコール、等が挙げ
らる。好ましい直鎖状モノアルコールは、炭素数5〜4
0である。
【0022】炭素数4〜50の分岐状モノアルコールと
しては、2−エチルヘキサノール、メチル−1−ノナノ
ール、ジメチル−1−オクタノール、テトラメチル−1
−ヘキサノール、3−エチル4,5,6−トリメチルオ
クタノール、4,5,6,7−テトラメチルノナノー
ル、4,5,8−トリメチルデエノール、4,7,8−
トリメチルトリデカノール、トリデカノール、テトラデ
カノール、2−ヘキシルドデカノール、2−ヘキサデシ
ルオクタノール等が挙げらる。好ましい分岐条モノアル
コールは、炭素数4〜35である。モノアルコールは、
ポリオール100重量部に対して0.5〜10重量部の
割合で用いられる。
【0023】本発明におけるNCO基末端プレポリマー
のNCO含量は、15〜30重量%が好ましく、20〜
30重量%がさらに好ましく、25〜28重量%が最も
好ましい。このような500〜5000の分子量を有す
るポリオールに必要に応じてモノオールを加えて変性す
ることでNCO基末端水分散型プレポリマーとし、且つ
有機層の粘度調整、無機層との混和性の向上、混合後の
液安定性の向上等することができる。また目的により必
要に応じて両末端封鎖型ポリオキシエチレングリコール
類を有機層に添加することができる。
【0024】本発明の粘度調整剤としては、エチレンカ
ーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネ
ート(以下、PCと略す)、ジメチルカーボネート等の
カーボネート類や脂肪族カルボン酸エステル類等が挙げ
られる、特にカーボネート類が好ましい。これらは単独
又は2種以上の混合物として使用することができる。こ
のような粘度調整剤は、NCO基末端プレポリマー10
0重量部に対して1〜15重量部使用するのが好まし
い。
【0025】本発明に使用される(B)成分のケイ酸塩
水溶液は、例えばケイ酸塩水溶液は一般に水ガラスと呼
ばれているもので、二酸化ケイ素を20〜40重量%、
酸化ナトリウムを5〜20重量%含有する水溶液が好ま
しい。本発明に最も適したものは二酸化ケイ素を28〜
32重量%、酸化ナトリウムを11〜13重量%含有す
る水ガラスである。水性シリカゾルとしては、固形分と
してシリカを例えば15〜20重量%含有し水を分散媒
とする透明性の膠質液である。本発明においては、水性
シリカゾル単独あるいはこれとケイ酸塩水溶液の併用よ
り、ケイ酸塩水溶液とくにケイ酸ソーダ水溶液を単独で
使用するほうが生成発泡樹脂の物性上好ましい。
【0026】本発明に使用されるカップリング剤として
は、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリン
グ剤等が挙げられ、これにより(A)有機系混合物と
(B)無機系混合物との相溶性を向上させて、土壌への
浸透性や充填性に優れた均質な発泡性樹脂を形成しう
る。このうちシラン系カップリング剤が特に好ましい。
これらは単独又は2種以上の混合物として使用すること
ができる。カップリング剤の使用量は、NCO基末端プ
レポリマー100重量部に対して0.05〜10重量部
が好ましく、更に好適には0.1〜5.0重量部であ
る。
【0027】チタネート系カップリング剤としては、例
えばテトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキ
シチタン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピル−n−ドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフ
ェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオク
チルホスファイトチタネート、テトラオクチルビス(ジ
トリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2
−ジアルキルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−ト
リデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチル
ピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス
(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、
イソプロピルトリオクチノイルチタネート、イソピロピ
ルジメタアクリロイルイソステアロイルチタネート、イ
ソピロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イ
ソピロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネー
ト、イソピロピルトリクミルフェニルチタネート、イソ
ピロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタ
ネート等が挙げられる。具体的には例えば、味の素製の
プレンアクトKR TTS、KR 46B、KR 5
5、KR 41B、KR 38S、KR 138S、K
R 238S、338X、KR 12、KR 44、K
R 9SA、KR 34S等が挙げられる。
【0028】シラン系カップリング剤としては、例えば
γ−メタクリロキシプリピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシランなどのビニルシラン化合物やβ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンなどのエポキシシラン化合物やγ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジメキシシランなどのアミノシラン化合
物やγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの
メルカプトシラン化合物等が挙げられる。具体的には例
えば、日本ユニカー製のA−174、A−187等が好
ましい。カップリング剤を使用することにより(B)成
分の相溶性が良くなり、(A)成分と(B)成分の混合
が良好となって土壌等へ注入後は、密着性が良く、発泡
倍率の良い安定したポリウレタン発泡体となる。
【0029】本発明に用いられるアミン系触媒として
は、好適には、長鎖のアミン類、イミダゾール類を例示
することができる。長鎖のアミン類としては、例えばn
−ブチルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルア
ミン、n−ヘキサメチルアミン等があり、三級アミンと
して、N,N−ジメチル−n−ドデシルアミン、N,N
−ジメチル−n−テトラデシルアミン、N,N−ジメチ
ル−n−ヘキサデシルアミン、N,N−ジメチル−n−
オクタデシルアミン等が挙げられる。また、イミダゾー
ル類としては例えば、1ーメチルイミダゾール、2−メ
チルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2
−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイ
ミダゾール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上
の混合物として使用することができる。これらのアミン
系触媒の使用量は、ケイ酸塩水溶液及び/又は水性シリ
カゾル100重量部に対して0.1〜10重量部が好ま
しい。
【0030】発泡剤としては、水のほかに、アセトン、
イソヘプタン、ヘキサン、メチレンクロライド、尿素、
ホウ砂、ホウ酸、ニトロエタン等が挙げられる。環境保
護の目的からは、水が最も好ましい。この使用量は、ケ
イ酸塩水溶液及び/又は水性シリカゾル100重量部に
対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0031】本発明に用いられる界面活性剤としては、
(A)有機系混合物と(B)無機系混合物との混合操作
において、分散や発泡のための整泡剤等としての性能も
有している。このような界面活性剤は、例えば、エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等
のアルキレンオキシドの必要な数を含有するポリグリコ
ールエーテルと、少なくとも1個の反応性水素原子を含
有する有機化合物とを縮合することによって得られる。
この少なくとも1個の反応性水素原子を含有する有機化
合物としてはアルコール、フェノール、チオール、第一
又は第二アミン、カルボン酸又はスルホン酸、それらの
アミドや、1個以上のアルキル置換基を有するフェノー
ル系化合物のポリアルキレンオキシド誘導体を挙げるこ
とができる。
【0032】好ましい界面活性剤としては、プルロニッ
ク型界面活性剤を挙げることができ、これは一般には、
ブチレンオキシド、アミレンオキシド、フェニルエチレ
ンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキ
シド、又はそれらの混合物のような、1,2−アルキレ
ンオキシドまたは置換アルキレンオキシドをアルカリ触
媒の存在下で重合させて、水に不溶性のポリアルキレン
グリコールを製造し、次いで同条件下でエチレンオキシ
ド等の必要なモル数と縮合して得られる。更に、トリプ
ロピレン、テトラプロピレン、ペンタプロピレン、ジト
リブチレン、トリイソブチレン、テトラブチレン、プロ
ピレンイソブチレン及びトリブテン等のようなポリオレ
フィンと一酸化炭素及び水素との触媒反応によって生成
するアルデヒドを還元して得られるアルコールに、必要
なモル数のエチレンオキシドを反応させて得られる非イ
オン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0033】また、シリコーン系界面活性剤があり、こ
れには、活性水素基を有するものと含有しないものがあ
る。好ましいのは活性水素基を含有しないものである。
例えば、日本ユニカー製のL−5340、テー・ゴール
ドシュミット製のB−8451、B−8407等を挙げ
ることができる。界面活性剤の使用量は、NCO基末端
プレポリマー100重量部に対して0.05〜5重量部
が好ましい。また界面活性剤は、(A)有機系混合物、
(B)無機系混合物のいずれか一方、又は双方に添加す
ることができる。整泡剤としての効果のあるものとして
は、各種のシロキサンポリアルキレンオキサイドブロッ
ク共重合体が挙げられ、水に分散又は溶解可能なものが
選択され、その選択は配合処方によって決定される。添
加することによって発泡倍率の良い良好な発泡体を得る
ことができる。
【0034】本発明においては、(B)無機系混合物中
にさらに分散剤、増粘剤、老化防止剤、耐熱性付与剤、
坑酸化剤等を添加することができる。一般的に非反応型
の添加剤は樹脂中に取り込まれた後、僅かづつ樹脂外へ
しみ出してくるのが通例で、土壌安定化という目的の本
発明においては好ましくない。しかしながら本発明の添
加剤、又は必要に応じて用いられる両末端封鎖型ポリオ
キシエチレングリコール類は樹脂外へのしみ出しはほと
んど観察されない。本発明で得られる組成物は発泡性で
あり、且つ無機及び有機の双方の良好な特性を発揮す
る。
【0035】例えば、珪酸アルカリ金属塩の水溶液を、
HDIの三量体、又は二量体と三量体の混合物と反応さ
せると、イソシアネート相が水と反応し、生成した二酸
化炭素が、物質中で発泡に寄与し、二酸化炭素の一部
は、周囲の珪酸塩水性相と反応して界面をゲル化する。
この様にして得られた発泡体は、発泡したポリ尿素の非
凝集帯を含有する珪酸発泡体の性質を有しており、砕け
易く、強度は小さい。また、量的に大過剰のジイソシア
ネートを使用した場合は、得られる生成物はポリ尿素発
泡体であり、その中に非凝集性の珪酸塩層が分散するこ
とになる。従ってこの生成物はシリカを充填したポリ尿
素発泡体の性質を示し、砕け易く、無機質としての耐火
性も乏しい。
【0036】本発明の特徴は、2種の相のコロイド状分
布と相互浸透にあり、それがキセロゾルの特性である強
度な特有の表面相互作用又は界面相互作用を可能にす
る。このコロイド状の形態は、ケイ酸塩水溶液及び/又
は水性シリカゾルと混合される物質が、カップリング剤
と末端基がNCO基の水分散型プレポリマーであっては
じめて得ることが出来るのである。このようなNCO基
末端プレポリマーとカップリング剤等との併用によっ
て、水性無機相と有機相が均質に分布し、その結果、化
学的相互作用が増加し、新しい複合材料が得られる。こ
れらの併用によって、コロイド繊維構造を生成し、その
結果、2種の相は凝集相として存在することができ、均
質な複合物質が得られることになり、有機質及び無機質
各々の利点が充分に発揮されることになる。
【0037】粘度調整剤は、強制混合される2液の混和
性を向上させることを目的として、2液の粘度を出来う
る限り接近させる様選択使用される。水性無機相には必
要に応じてカルボキシルメチルセルロースのような水溶
性の増粘剤類が添加され、有機相には粘度調整剤が粘度
を低下させ浸透性を改善するために添加される。
【0038】本発明の(A)有機系混合物と(B)無機
系水性混合物からなる土壌安定化ポリウレタン系発泡樹
脂用組成物は、空隙やクラックの多い軟質ないし不安定
な地盤、岩盤、破砕帯層等の土壌に注入し固結させる
が、注入固結する方法については特に限定はなく、公知
の方法はいずれも採用しうる。例えば、(A)有機系混
合物及び(B)無機系混合物の注入量、圧力、配合比等
をコントロールしうる比例配合ポンプを用い、(A)有
機系混合物と(B)無機系混合物とを別々のタンクに入
れ、岩盤等の所定箇所(例えば、所定間隔で穿設された
複数の孔)に、予め固定されたスタチックミキサーや逆
止弁等を内装した有孔のロックボルトや注入ロッドを通
して、この中に前期タンク内の各成分を加圧注入し、ス
タチックミキサーを通して、所定量の各成分を均一に混
合し、不安定な岩盤や地盤等の所定の土壌に注入浸透、
硬化させて固結安定化する方法を挙げることができる。
また例えば、トンネルの天盤部に注入する場合には、注
入に先立ち、例えば所定の間隔でレッグオーガー等を用
いて削孔し、所定の深さ、削孔角度の注入孔を設け、こ
の注入孔にスタチックミキサー及びロックボルトを挿入
し、このロックボルトの口元を、注入薬液の逆流を防ぐ
ために、急結セメントや発泡硬質ポリウレタン樹脂を予
め含浸させたウエス等を用いてシールし、前記組成物を
前記と同様の方法で注入する。一般に、注入孔1個あた
り前記組成物は30〜200kg注入される。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、従来
公知の無機−有機複合系の土壌安定化のための薬液にお
いて生じ易い欠点、すなわち発泡体としての不均質化、
不安定化、砕け易さや、不必要な内部発熱等を容易に解
決することが可能になり、更に、粘度や反応速度が適当
で土壌への浸透性や充填性に優れかつ難燃性(の無機、
有機双方の特性)を有する発泡性樹脂を得ることができ
る。また、本発明の土壌安定化工法により、山岳トンネ
ル、大断面トンネル堀削工事、大深度地下土木工事等に
おいて、土壌を広範囲に確実にしかも高強度に安定化し
止水することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。特にことわりのない限り、実施例中の「部」及び
「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物 (A)成分の調整:NCO基末端プレポリマー用成分と
して、HDIの三量体、又はHDIのウレトジオン二量
体(以下、HDIの二量体と略す)とHDIの環状三量
体(以下、HDIの三量体と略す)の混合物、活性水素
基含有化合物を用い、粘度調整剤を加えて調整した。 (B)成分の調整:珪酸ナトリウムの水溶液、添加剤、
水等から調整した。 〔土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂の製造〕(A)成分
と(B)成分を注入機のマシンタンクにそれぞれ所定量
仕込み、送液ポンプ及びスタティックミキサーを通して
一定量の容器に吐出し、発泡体を試験した。
【0041】〔土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物
及び製造方法〕 (HDIの三量体、又はHDIの二量体とHDIの三量
体の製造)HDIの三量体(A−1)の製造 温度計、攪拌機、窒素シール管を備えた 500mlセパラブ
ルフラスコにHDI 300部を入れ、次に触媒としてカプ
リン酸カリウム0.06部、助触媒としてフェノール 0.3部
を加え、60℃で 4.5時間イソシアヌレート化反応を行な
った。この反応液に停止剤としてリン酸を 0.042部加
え、反応温度で1時間攪拌後、分子蒸留装置により遊離
HDIを除去した。得られた液は、淡黄色透明液体でN
CO含量22.0%、粘度 2100mPa・ s/25℃、遊離HDI含
量 0.4%であった。このHDIの三量体をA−1とす
る。
【0042】HDIの三量体(A−2)の製造 温度計、攪拌機、窒素シール管を備えた 500mlセパラブ
ルフラスコにHDI 300部、ポリオールとして1,3−
BD 2.4部を入れ、フラスコ中の空気を窒素で置換し、
攪拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で2時間反
応しNCO含量を測定したところ48.8%であった。次に
触媒としてカプリン酸カリウム0.06部、助触媒としてフ
ェノール 0.3部を加え、60℃で 4.5時間イソシアヌレー
ト化反応を行なった。この反応液に停止剤としてリン酸
を 0.042部加え、反応温度で1時間攪拌後、分子蒸留装
置により遊離HDIを除去した。得られた液は、淡黄色
透明液体でNCO含量21.0%、粘度 2200mPa・ s/25℃、
遊離HDI含量 0.4%であった。このHDIの三量体を
A−2とする。
【0043】HDIの三量体(A−3)の製造 A−1と同様の装置を用いてHDI 300部、1,3−B
D10.2部、触媒としてプロピオン酸カリウム0.06部、フ
ェノール 0.3部、リン酸 0.072部用いてA−2と同様に
反応を行った。HDIにポリオールを反応後はNCO含
量は45.3%であった。蒸留後は、NCO含量19.2%、粘
度 2800mPa・ s/25℃、遊離HDI含量0.3 %であった。
この変性体をA−3とする。
【0044】HDIの三量体(A−4)の製造 A−2と同様の装置を用いてHDI 300部、1,6−H
D 3.3部、ウンデシル酸ナトリウム0.03部、リン酸 0.1
98部を用いてA−2と同様に反応を行った。HDIにポ
リオールを反応後はNCO含量48.6%であった。蒸留後
は、NCO含量20.5%、粘度 3000mPa・ s/25℃、遊離H
DI含量0.4 %であった。このHDIの三量体をA−4
とする。
【0045】HDIの二量体とHDIの三量体(A−
5)の製造 A−2と同様の装置を用いてHDI 300部、NPG 6.
4 部、トリブチルホスフィン0.4 部、リン酸 0.6部を用
いてA−2と同様に反応を行った。反応後はNCO含量
37.1%であった。蒸留後は、NCO含量21.2%、粘度 2
15mPa ・ s/25℃、遊離HDI含量0.2 %であった。この
HDIの二量体は、32%、HDIの三量体は、28%
であった。このHDIの二量体とHDIの三量体をA−
5とする。
【0046】HDIの二量体とHDIの三量体(A−
6)の製造 A−5と同様の装置を用いてHDI 300部、2−BEP
D 6.0 部、トリブチルホスフィン0.3 部、パラトルエ
ンスルホン酸メチル 0.33 部を用いてA−5と同様に反
応を行った。反応後はNCO含量39.0%であった。蒸留
後は、NCO含量21.9%、粘度 170mPa ・ s/25℃、遊離
HDI含量0.2 %であった。HDIの二量体43%、H
DIの三量体31%であった。このHDIの二量体とH
DIの三量体をA−6とする。
【0047】実施例1〜7 〔土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物〕 (A)成分の調整:NCO基末端プレポリマー用成分と
して、HDIの三量体、又はHDIの二量体と三量体の
混合物、活性水素基含有化合物を用い、粘度調整剤を表
1に示す。 (B)成分の調整:珪酸ナトリウムの水溶液、添加剤、
水等を表1に示す。土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂の製造 (A)成分のNCO基末端プレポリマーは、イソシアネ
ートと活性水素基含有化合物を80℃まで昇温したの
ち、3時間反応させて得た。次に粘度調整剤を加え
(A)成分Aを得た。(B)成分は、表1の原料を15
分間高速混合して(B)成分を得た。5℃及び25℃雰
囲気下に24時間放置したが液分離はみられなかった。
次に(A)成分と(B)成分を注入機のマシンタンクに
それぞれ所定量仕込み、送液ポンプ及びスタティックミ
キサーを通して一定量500mlのビーカーに吐出し
た。反応性及び発泡体物性を表1に示す。
【0048】実施例8〜14 〔土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物〕 (A)成分の調整:NCO基末端プレポリマー用成分と
して、HDIの三量体、又はHDIの二量体と三量体の
混合物、活性水素基含有化合物を用い、粘度調整剤を表
2に示す。 (B)成分の調整:珪酸ナトリウムの水溶液、添加剤、
水等を表2に示す。土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂の製造 (A)成分のNCO基末端プレポリマーは、イソシアネ
ートと活性水素基含有化合物を80℃まで昇温したの
ち、3時間反応させて得た。次に粘度調整剤を加え
(A)成分Aを得た。表2に示す。(B)成分は、表2
の原料を15分間高速混合して(B)成分を得た。5℃
及び25℃雰囲気下に24時間放置したが液分離はみら
れなかった。次に(A)成分と(B)成分を注入機のマ
シンタンクにそれぞれ所定量仕込み、送液ポンプ及びス
タティックミキサーを通して一定量500mlのビーカ
ーに吐出した。反応性及び発泡体物性を表2に示す。
【0049】比較例1〜3 表3に示す(A)成分と(B)を用い、実施例1と同様
にして発泡体を得て試験した。結果を表3に示す。
【0050】 (使用した原料の説明) MDI(1):ポリメリックMDI、日本ポリウレタン製、ミリオネート MR−200(以下、MR−200と略す)とA−1とを 70部/15部の混合物 MDI(2):MR−200とA−2とを75部/15部の混合物 MDI(3):MR−200とA−3とを70部/15部の混合物 MDI(4):MDI系ネリイソシアネート、日本ポリウレタン製、コロ ネート1104とA−4とを70部/15部の混合物 MDI(5):MDI系ポリイソシアネート、日本ポリウレタン製、 4,4′−MDIを72部、2,4′−MDIを25部、 2,2′−MDIを3部との比率の混合物75部とA−5 25部との混合物 MDI(6):MR−200とA−6とを70部/30部の混合物 MDI(7):MR−200とHDIと1,3−BDとを反応させたNC O含量45.3%品とを70部/30部の混合物 PPG(1):官能基数2、分子量3500、EO含量80% PPG(2):官能基数2、分子量3000、EO含量85% PPG(3):官能基数2、分子量2000、EO含量95% PPG(4):官能基数2、分子量400、EO含量80% モノアルコール(1) :オクチルアルコール モノアルコール(2) :2−エチル−1,3−ヘキサノール 珪酸水溶液:東曹産業製、2号(N5)100部に水5部の溶液 3級アミン触媒(1):N,N−ジメチル−n−ドデシルアミン 3級アミン触媒(2):N,N−ジメチル−n−テトラデシルアミン イミダゾール系触媒 :2−メチルイミダゾール カップリング剤(1):日本ユニカー製、A−174 カップリング剤(2):日本ユニカー製、A−187 界面活性剤 :テー・ゴールドシュミット製、B8541
【0051】(発泡体の物性試験方法)JIS A 9
514に準じて行った。また、一軸圧縮強度は、3倍発
泡体を測定した。評価基準 ○:良好 ×:柔らかく不良
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】実施例15 破砕帯を有するトンネル天盤部に、42mmφビットの
レッグオーガーにより2m間隔で削孔角度25〜35°
(トンネル堀削方向に対しての角度)で5個削孔し、こ
の孔に炭素鋼製の注入ボルト(外径27.2mm、内径
15mm、長さ3m、静止ミキサー及び逆止弁内蔵)を
挿入し、口元部分30cmに2液硬質発泡ポリウレタン
樹脂を含浸させたメリヤス製ウエスを鉄棒で押し込みシ
ールした。次いで、この固定した各注入口に、実施例1
で調整した(A)無機系混合物の水溶液と(B)有機系
混合物を表1に示す比率で、注入圧20〜50kg/c
2 で1孔あたり80〜120kg注入した。注入して
から50分後に、堀進によりトンネル地盤の状態を調査
したところ、半径5mの半球状で、固結安定化してお
り、この範囲からは漏水は全く認められなかった。注入
固結部分をサンプラーで5cmφ×10cmの円柱形状
にサンプリングし、一軸圧縮強度を測定したところ、1
80kg/cm2 であつた。なお、未改良部は破砕帯の
ためサンプリングが不可能であった。
【0056】比較例4 破砕帯を有するトンネル天盤部に42mmφビットのレ
ッグオーガーにより2m間隔で削孔角度25〜35°
(トンネル堀削方向に対しての角度)で5個削孔し、こ
の孔に炭素鋼製の注入ボルト(外径27.2mm、内径
15mm、長さ3m、静止ミキサー及び逆止弁内蔵)を
挿入し、口元部分30cmに2液硬質発泡ポリウレタン
樹脂を含浸させたメリヤス製ウエスを鉄棒で押し込みシ
ールした。次いで、この固定した各注入口に、比較例1
で調整した(A)無機系混合物の水溶液と(B)有機系
混合物を表3に示す比率で、注入圧20〜50kg/c
2 で1孔あたり80〜120kg注入した。注入して
から50分後に、堀進によりトンネル地盤の状態を調査
したところ、半径1.5mの半球状で、固結安定化して
いたが、僅かに漏水が認められた。注入固結部分をサン
プラーで5cmφ×10cmの円柱形状にサンプリング
し、一軸圧縮強度を測定したところ、100kg/cm
2 であつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 103:00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)有機ポリイソシアネートと活性水
    素基含有化合物とを反応させて得られるNCO基末端プ
    レポリマー及び粘度調整剤からなる有機系混合物と、
    (B)ケイ酸塩水溶液及び/又は水系シリカゾル、カッ
    プリング剤、アミン系触媒及び発泡剤からなる無機系混
    合物とから成る土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物
    であって、 NCO基末端プレポリマー成分に使用する有機ポリイソ
    シアネートがジフェニルメタンジイソシアネート系ポリ
    イソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートのイ
    ソシアヌレート環状三量体、又はジフェニルメタンジイ
    ソシアネート系ポリイソシアネートとヘキサメチレンジ
    イソシアネートのウレトジオン二量体とヘキサメチレン
    ジイソシアネートのイソシアヌレート環状三量体である
    ことを特徴とする土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)有機ポリイソシアネートと活性水
    素基含有化合物とを反応させて得られるNCO基末端プ
    レポリマー、粘度調整剤及び界面活性剤からなる有機系
    混合物と、(B)ケイ酸塩水溶液及び/又は水系シリカ
    ゾル、カップリング剤、アミン系触媒及び発泡剤からな
    る無機系混合物とから成る土壌安定化ポリウレタン発泡
    樹脂組成物であって、 NCO基末端プレポリマー成分に使用する有機ポリイソ
    シアネートがジフェニルメタンジイソシアネート系ポリ
    イソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートのイ
    ソシアヌレート環状三量体、又はジフェニルメタンジイ
    ソシアネート系ポリイソシアネートとヘキサメチレンジ
    イソシアネートのウレトジオン二量体とヘキサメチレン
    ジイソシアネートのイソシアヌレート環状三量体である
    ことを特徴とする土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)有機ポリイソシアネートと活性水
    素基含有化合物とを反応させて得られるNCO基末端プ
    レポリマー及び粘度調整剤からなる有機系混合物と、
    (B)ケイ酸塩水溶液及び/又は水系シリカゾル、カッ
    プリング剤、アミン系触媒、発泡剤及び界面活性剤から
    なる無機系混合物とから成る土壌安定化ポリウレタン発
    泡樹脂組成物であって、 NCO基末端プレポリマー成分に使用する有機ポリイソ
    シアネートがジフェニルメタンジイソシアネート系ポリ
    イソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートのイ
    ソシアヌレート環状三量体、又はジフェニルメタンジイ
    ソシアネート系ポリイソシアネートとヘキサメチレンジ
    イソシアネートのウレトジオン二量体とヘキサメチレン
    ジイソシアネートのイソシアヌレート環状三量体である
    ことを特徴とする土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 (A)有機ポリイソシアネートと活性水
    素基含有化合物とを反応させて得られるNCO基末端プ
    レポリマー、粘度調整剤及び界面活性剤からなる有機系
    混合物と、(B)ケイ酸塩水溶液及び/又は水系シリカ
    ゾル、カップリング剤、アミン系触媒、発泡剤及び界面
    活性剤からなる無機系混合物とから成る土壌安定化ポリ
    ウレタン発泡樹脂組成物であって、 NCO基末端プレポリマー成分に使用する有機ポリイソ
    シアネートがジフェニルメタンジイソシアネート系ポリ
    イソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートのイ
    ソシアヌレート環状三量体、又はジフェニルメタンジイ
    ソシアネート系ポリイソシアネートとヘキサメチレンジ
    イソシアネートのウレトジオン二量体とヘキサメチレン
    ジイソシアネートのイソシアヌレート環状三量体である
    ことを特徴とする土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 活性水素基含有化合物が、エチレンオキ
    シドユニットを60〜95重量%含有する官能基数2〜
    8で分子量500〜5000のポリエーテルグリコール
    又は、エチレンオキシドユニットを60〜95重量%含
    有する官能基数2〜8で分子量500〜5000のポリ
    エーテルグリコールと炭素数4〜50のモノアルコール
    とを併用することを特徴とする請求項1〜4に記載の土
    壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の土
    壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物を土壌に注入する
    ことを特徴とする土壌安定化方法。
JP15627296A 1995-09-07 1996-05-28 土壌安定化ポリウレタン発泡樹脂組成物、及び該組成物を用いた土壌安定化方法 Expired - Fee Related JP3191681B2 (ja)

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