JP3191575B2 - ケイ素重合体組成物 - Google Patents

ケイ素重合体組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、賦形性に優れ、光安定
性、機械的特性に優れたフィルム又は塗膜を形成するこ
とができるケイ素重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
σ−共役能を有するポリシランやポリ(ジシラニレンフ
ェニレン)等のケイ素含有高分子化合物は、セラミック
前駆体材料や光機能性材料として注目を浴びている。し
かしながら、こうした高分子化合物は固く脆い性質を持
つため、僅かな歪みによってもクラックが発生したり破
断する欠点があり、取り扱いが大変で、素材としての種
々の用途への応用が困難であった。
【0003】こうした欠点を解決するため、架橋による
強度向上化(R.West J.Organomet.
Chem.,1986,300,327.H.Qiu,
J.Polym.Sci.,Polym.Chem.E
d.1989,27,2849.特開平5−59176
号公報)や含ケイ素系モノマーとオレフィン系モノマー
との共重合化(H.Sakurai,J.Am.Che
m.Soc.,1989,111,7641.)が試み
られているが、これらの方法はいずれも反応を伴うた
め、煩雑で経費もかかり、また成形物の脆性を十分に改
良するまでには至っていない。
【0004】これに対し、本発明者らは、可塑剤を添加
混合することが、ケイ素重合体、特にポリシラン類の強
度を高め、脆性を改善するための有利な解決策となるこ
とを見い出した(林田、特開平6−172656号公
報)。しかし、この方法は、光分解性が促進されるた
め、リソグラフィー等の用途には適していても、光安定
性の必要な帯電防止保護膜、太陽電池用素材、電磁シー
ルド用筐体等に応用可能な有用な素材として用いるに
は、なお改良する余地がある。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、賦形性に優れ、かつ光安定性が良好で、機械的強度
が改善されたケイ素重合体組成物を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ポリシ
ラン、ポリ(ジシラニレンフェニレン)及びポリ(ジシ
ラニレンエチニレン)から選ばれるケイ素含有高分子化
合物に対し、立体障害のあるピペリジン環含有基を有す
るエステル化合物を配合することにより、機械的特性、
特に脆性が改良されて賦形性に優れ、かつ光安定性に優
れる機能性材料等に適したケイ素重合体組成物が得ら
れ、これは、特に光安定性に優れる機能性フィルム或い
は塗膜を容易に得ることができて、帯電防止保護膜、太
陽電池用素材、電磁シールド用筐体等に応用可能な有用
な素材となり得ることを見い出し、本発明をなすに至っ
たものである。
【0007】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のケイ素重合体組成物は、ポリシラン、ポリ(ジ
シラニレンフェニレン)及びポリ(ジシラニレンエチニ
レン)から選ばれるケイ素含有高分子化合物に、一分子
中に立体障害アミノ基とエステル基とを有する化合物と
して、ピペリジン環含有基を有するエステル化合物を配
合してなるものである。
【0008】
【0009】この場合、ポリシラン類としては、下記一
般式(1)で表されるものを用いることができ、ポリ
(ジシラニレンフェニレン)類、ポリ(ジシラニレンエ
チニレン)類としては、下記一般式(2)で表されるも
のを用いることができる。
【0010】 (R1 2Si)n(R3 4Si)m …(1) 〔(R1 2Si) −A−(R3 4Si) n …(2)
【0011】但し、式中R1〜R4は水素原子又は一価炭
化水素基で、互いに同一であっても異なっていてもよ
い。また、nは2以上の整数、mは0又は1以上の整数
である。この場合、一価炭化水素基としては、炭素数1
〜14、特に1〜10のものが好ましく、例示すると、
メチル、エチル、プロピル、ヘキシルなどのアルキル
基、アルキル置換フェニル基のようなアリール基、ベン
ジル、フェネチルなどのアラルキル基、シクロヘキシル
などのシクロアルキル基が用いられる。
【0012】また、Aは、o,m又はp位置換のフェニ
レン基又は−C≡C−で示されるアセチレン基、或いは
これらの基が複数個結合したもの、例えば−C≡C−P
h−C≡C−(但し、Phはo,m又はp位置換のフェ
ニレン基)などである。
【0013】上記ケイ素含有高分子化合物の分子量は、
スチレン換算の重量平均分子量で1,000以上、特に
10,000以上であることが好ましく、重量平均分子
量が1,000より低い場合は、グリース状となって成
形することができない場合がある。その上限は特に制限
されないが、通常30,000,000である。
【0014】なお、上記ケイ素含有高分子化合物は、相
当するジクロロシラン等のアルカリ金属によるウルツ型
の縮合反応により容易に製造することができる。
【0015】一方、一分子中に立体障害アミノ基とエス
テル基との両方を持つ化合物としては、下記一般式
(3)又は(4)で表されるものを使用することができ
る。
【0016】 R6 −OOC−R5 …(3) R6 −OOC−R7−COOR6 …(4)
【0017】但し、式中R5,R6はそれぞれ一価の炭化
水素基又はヘテロ基により置換された炭化水素基で、互
いに同一でも異なっていてもよいが、R5とR6の少なく
とも一つは立体障害アミノ基を含む。
【0018】この場合、一価炭化水素基としては、炭素
数1〜20、特に1〜16のものが挙げられ、R1〜R4
と同様のものを例示することができる。また、ヘテロ基
としては、ピペリジン基、ピロリジン基、ピロリジジン
基などが挙げられる。
【0019】また、R7は二価炭化水素基で、炭素数1
〜12、特に1〜8のものが好ましく、例えばテトラメ
チレン、ヘキサメチレン、オクタメチレンのようなアル
キレン基、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンの
ようなアリーレン基、1,4−シクロヘキシレンのよう
な環状アルキレン基等を挙げることができる。
【0020】上記式(3)又は(4)のエステルの中で
も、特にピペリジン環含有基を持つエステルは、下記一
般式(5)又は(6)で表され、これはケイ素含有高分
子化合物との相溶性もよく、優れた光安定性をもたらす
立体障害のあるピペリジル部位と、エステル基の存在に
より薄膜の機械的特性が向上し、クラックや破断を防止
できるため、ケイ素含有高分子に安定な機能性を付与で
きる最も好適な化合物である。
【0021】
【化1】
【0022】但し、R8は水素原子又は一価炭化水素基
であり、この一価炭化水素基としては炭素数1〜12、
特に1〜8のもの、具体的にはR1〜R4と同様のものを
例示することができる。また、R6,R7は上記と同様の
意味を示す。
【0023】特に具体的な化合物としては、下記に示す
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート(三共製、商品名サノールLS−76
5)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート(三共製、商品名サノールLS−7
70)、1−(2−(3−(3,5−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−
4−(3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ)−2,2,6,6−テトラ
メチル−ピペリジン(三共製、商品名サノールLS−2
626)等が挙げられる。
【0024】
【化2】
【0025】一分子中に立体障害アミノ基とエステル基
の両方を持つ化合物の配合量は、その種類とケイ素含有
高分子化合物の種類によって異なるが、ケイ素含有高分
子化合物100重量部に対して1〜200重量部が好ま
しく、1重量部より少量の添加では、機械的特性、特に
脆性改良効果が十分でなく、また200重量部より多量
の添加でも機械的特性の向上効果よりも加工性や成膜性
の悪化という負の効果が現れる。より望ましくは5〜1
00重量部がよい。
【0026】ケイ素含有高分子化合物と一分子中に立体
障害アミノ基とエステル基の両方を持つ化合物の混合方
法は、それぞれを配合して機械的に混練したり、より均
一な混合を望む場合は、必要に応じて両者可溶の溶媒に
溶解させて混合後、溶媒を蒸発させながら成形したりす
ることができる。特に薄膜の導電材料を得るためには、
この溶媒を高速で回転させながら成形するスピンコート
法が有効である。用いることのできる溶剤の例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化
水素、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエ
ーテル系溶剤が好適である。
【0027】また、ケイ素含有高分子化合物と立体障害
アミン−エステル化合物の混合後、しばらく乾燥雰囲気
下で静置(ねかせ)したり、40〜60℃程度の温度下
に放置(エージング)することも、効果的である。
【0028】本発明のケイ素重合体組成物を機能性材料
として利用する場合は、通常この組成物を薄膜状に成形
して用いる。この成形物は脆性が改善され、クラックや
破断が防止されて取り扱いが容易な上、光安定性が改善
されており、さまざまな用途に応用が可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明のケイ素重合体組成物は、溶剤可
溶で、任意の形状のフィルムや塗膜に賦形でき、かつ機
械的特性、特に脆性が改良された透明な成形物を与え、
かつ光安定性に優れるため光に暴露される機能性材料等
に適した成形物を得ることができる。本発明により得ら
れるケイ素重合体組成物は、光安定性の必要な帯電防止
保護膜、太陽電池用素材、電磁シールド用筐体等に応用
可能な有用な素材として利用でき、電気、電子、通信分
野に広く用いられる。
【0030】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0031】〔合成例〕ポリシラン及びポリ(ジシラニ
レンフェニレン)の製造方法 窒素気流下、金属ナトリウム2.1molをトルエンに
添加し、高速で撹拌しながら110℃に加熱し分散させ
た。これにジクロロジオルガノシラン1.0mol、又
はビス(クロロジアルキルシリル)ベンゼン1.0mo
lを撹拌下にゆっくり滴下した。金属ナトリウム添加量
は、ケイ素化合物1モルに対し2〜3モルが適当であ
る。原料が消失するまで4時間撹拌し、反応を完結させ
た。次いで放冷後、塩を濾過し、濃縮して、ポリシラン
又はポリ(ジシラニレンフェニレン)等を得た。
【0032】〔実施例1〜7、比較例1,2〕表1に示
したケイ素含有高分子化合物に立体障害アミン−エステ
ル化合物を所定量添加混合し、トルエンに溶解させ、1
0%の溶液にした。この溶液をアプリケーターでガラス
板上に成膜後、2mmHg/50℃で乾燥させ、厚さ5
0μの薄膜を得た。この膜は表1に示したように透明で
柔軟な膜であり、このLS−765を全く添加しないポ
リシラン単独の薄膜(比較例1,2)のように割れるこ
とはなかった。従って、立体障害アミン−エステル化合
物を加えた組成物から作製した薄膜は取り扱いの容易な
延性のある材料となっていることがわかる。
【0033】
【表1】
【0034】〔実施例8、比較例3〜4〕上記と同様の
フェニルメチルポリシラン100重量部に対し立体障害
アミン−エステル化合物LS−765を30重量部混合
後、トルエン溶液とし、スピンコートにより石英基板上
に厚さ0.5μのフィルムを作製し、一定時間高圧水銀
灯の光を照射した(照射紫外線312nm,200mJ
/cm2)。経時的に紫外線分光光度計で吸収強度の変
化を追跡し、光分解の挙動を調べた。
【0035】比較のためアミン−エステル化合物無添加
組成物の挙動と、可塑剤としてジオクチルアジペート
(DOA)を30重量部配合したDOA添加組成物の挙
動を図1に示すが、明らかに立体障害アミン−エステル
化合物の添加により光安定性は改良され、DOA添加組
成物は逆に光安定性が無添加のものより悪化しているこ
とがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリシラン薄膜の光照射時間に対する吸光度の
減少割合を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 章 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター内 (56)参考文献 特開 平6−220075(JP,A) 特開 平1−193361(JP,A) 特開 昭52−112648(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 C08L 83/16 C08K 5/10 C08K 5/3435

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリシラン、ポリ(ジシラニレン
    フェニレン)及びポリ(ジシラニレンエチニレン)から
    選ばれるケイ素含有高分子化合物 100重量部、 (B)立体障害のあるピペリジン環含有基を有するエステル化合物 1〜200重量部 を配合してなることを特徴とするケイ素重合体組成物。
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