JP3191414B2 - バルブの開閉機構用シール材 - Google Patents

バルブの開閉機構用シール材

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JP3191414B2
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fluororubber
antioxidant
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valve opening
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規雄 田中
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加硫成形時のカルボ
ニル基の発生を抑制する低粘着性フッ素ゴムの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、バルブ機構の構成部品として、
シール性を向上させるためにゴム材料によるパッキング
等のシール部材が使用されている。しかし、通常ゴム材
料は接触している部品と粘着する性質を有するものであ
り、パッキング部品が接触している金属部材に粘着する
ことによって、種々の不具合が生ずる。
【0003】例えば、燃料油を流通させる燃料系統に配
設されたバルブ機構のシール材やバルブシートには、耐
薬品性や耐燃料油性等の良好なフッ素ゴムが通常使用さ
れている。しかし、フッ素ゴムの成形品は、例えばシー
ル面等の金属部品に接触した際に、高い粘着性を有す
る。
【0004】このため、バルブ機構のバルブシートや開
閉機構をシールするシール材として使用する場合には、
金属に対する粘着性を低くするために、成形後の工程に
おいて、その表面をプラズマ処理等を行って非粘着層を
形成し、あるいは金属表面にテフロンコート等を行って
非粘着処理を施す。
【0005】しかし、フッ素ゴムの成形後の工程でその
表面をプラズマ処理する工程を設定すること、あるいは
接触される金属の表面にテフロンコートする工程を設定
することは、必然的に作業工程を増大させ、製造コスト
に大きく影響する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな点に鑑みてなされたもので、フッ素ゴムの成形後に
おいて特別の非粘着処理を施す必要がなく、低粘着性の
フッ素ゴムにより構成されるバルブの開閉機構用シール
材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるバルブ
開閉機構用シール材は、フッ素ゴムの配合物に対して、
粘着性抑圧のために酸化防止効果を有する老化防止剤を
5〜15重量部添加し、加流成形されることを特徴とす
る。
【0008】
【作用】フッ素ゴムの粘着性の原因となる、フッ素ゴム
の表面のカルボニル基は、加硫成形時の熱によって生ず
る酸化反応により生成される。したがって、この加硫成
形処理時における酸化反応を抑制すれば、フッ素ゴム成
形品の使用時において金属等の相手材との粘着力が低減
される。したがって、フッ素ゴムの配合物に対して酸化
防止効果を有する老化防止剤を所定量添加し、これを加
硫成形するような処理を行えば、加硫成形時におけるカ
ルボニル基の生成が抑制され、低粘着性のフッ素ゴム製
品が製造されるようになる。
【0009】
【実施例】フッ素ゴムは、下記構造式で示すように非粘
着性でよく知られているテフロンの構造をその分子内に
含んでいるもので、本来は粘着性の少ないゴム製品と考
えられている。
【0010】
【化1】 しかし、この様な本来非粘着性であるべきフッ素ゴムの
成形品であるシール材等の実際製品において粘着性が存
在し、種々の不具合を生じている。この様な相手部品と
の粘着性が生ずるフッ素ゴム製品の表面の分子構造を分
析してみると、加硫処理しない未加硫のフッ素ゴムには
本来存在しない(C=C)の2重結合、およびカルボニ
ル基(−C=O)が検出された。
【0011】
【化2】 これは、フッ素ゴムの加硫時において、その熱および成
形金型の触媒活性によってフッ素ゴムの分子中の1部分
が脱フッ酸を起こし、この脱フッ酸において生じた2重
結合部分が酸化されることにより、カルボニル基が生成
されることが確認された。そして、この様にして生じた
カルボニル基は、金属部品表面に存在する(−OH)基
と水素結合を生じ、強い粘着力を示すようになる。
【0012】この発明は、通常ジエン系ゴムに配合され
るゴム用老化防止剤を、多量に非ジエン系ゴムであるフ
ッ素ゴムに配合するもので、老化防止剤の種類として
は、酸化防止効果の高い物質を使用する。この老化防止
剤の配合量は、5重量部以下であると効果に乏しく、ま
た15重量部以上であると加硫時における老化防止剤の
ガス化によるゴム製品の肌あれ、すの発生等の成形不良
が生ずる虞がある。したがって、この老化防止剤の添加
量は、5〜15重量部であることが望ましい。
【0013】実施例 配 合 部 数 ポリマー 100 (ダイキン工業製ダイエルG621 ) 水酸化カルシウム 6 酸化マグネシウム 3 老化防止剤 10 (大内新興化学製ノクラックNS-7) この様な配合物を180℃で16分間加硫成形し、評価
用のサンプル(厚み=2mm)を作成した。
【0014】この様な実施例サンプルに対応して、比較
のため次のような老化防止剤を添加しない配合でゴム生
地を作成し、これを180℃で加硫成形して比較用サン
プル(厚み2mm)を作成した。
【0015】 配 合 部 数 ポリマー 100 (ダイキン工業製ダイエルG621 ) 水酸化カルシウム 6 酸化マグネシウム 3 粘着性の評価は、まずこの様にして製造された実施例の
評価用サンプルおよび比較例のサンプルでなる試験片を
それぞれ治具の形状に打ち抜き、これらの試験片をそれ
ぞれ2つの接着力測定用平行剥離治具(JIS−K630
1)の間に挟み、荷重3,6Kgfをかけた状態で、80
℃で90時間放置した後、治具を剥離速度20mm/分で
剥離させ、そのときの粘着力を測定することで行った。
【0016】この様な粘着力の評価測定を、実施例製品
について3個実施し、そのそれぞれの結果について表1
の試料番号1〜3として示した。また、比較のために作
成したサンプルについても同様に3個の粘着力の評価測
定を行ったもので、その結果は表1の試料番号4〜6で
示される。
【0017】
【表1】 この様な測定結果からも明らかとされるように、所定の
フッ素ゴムの配合物に対して老化防止剤を添加し、これ
を加硫成形することによってフッ素ゴム製品を製造する
と、その粘着性は確実に低減されることが確認された。
【0018】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係る低粘着性フ
ッ素ゴムの製造方法によれば、フッ素ゴムの配合物に対
して老化防止剤を添加し、これを加硫成形することによ
って、例えばバルブ機構のシール材が構成されるように
なるもので、老化防止剤を添加することによって、加硫
成形時においてゴム成形品の表面にカルボニル基が生成
される酸化が効果的に抑制されるもので、低粘着性を実
現したフッ素ゴムが製造されるようになり、各種機器に
応用できる製品とすることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ゴムの配合物に対して、粘着性抑
    圧のために酸化防止効果を有する老化防止剤を5〜15
    重量部添加し、加流成形された低粘着性フッ素ゴムによ
    って構成されるバルブの開閉機構用シール材
  2. 【請求項2】 前記老化防止剤として特に酸化防止効果
    の高い2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノンを
    5〜15重量部添加したことを特徴とする請求項1記載
    バルブの開閉機構用シール材
JP17335492A 1992-06-30 1992-06-30 バルブの開閉機構用シール材 Expired - Fee Related JP3191414B2 (ja)

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