JP3191403B2 - 光スキャナ - Google Patents

光スキャナ

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JP3191403B2
JP3191403B2 JP12821892A JP12821892A JP3191403B2 JP 3191403 B2 JP3191403 B2 JP 3191403B2 JP 12821892 A JP12821892 A JP 12821892A JP 12821892 A JP12821892 A JP 12821892A JP 3191403 B2 JP3191403 B2 JP 3191403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光スキャナに関する。具
体的にいうと、本発明は、例えばレーザビームプリンタ
やバーコードリーダ等において、光ビームを一次元また
は二次元状に走査させる光スキャナに関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】光学部品の小型軽量化の要求に
応じるため、出願人は、単結晶シリコン基板をエッチン
グして作製した小型軽量の振動子(縦横各15mm、厚
さ0.15mm、重量0.08g)を圧電素子で共振させ
るようにした超小型の2次元方向に走査可能な光スキャ
ナを提案した。
【0003】この従来例の光スキャナを図8に示す。こ
の光スキャナ51に使用される振動子52は、曲げ方向
(θ方向)及びねじれ方向(θ方向)に弾性変形モ
ードを有する弾性変形部53の一端に振動入力部54を
設け、他端に光ビーム反射用のスキャン部55を設け、
スキャン部55の片袖部にスキャン部55の慣性モーメ
ントを増大させるための慣性モーメント発生翼56を形
成したものである。この振動子52の振動入力部54に
は圧電素子57が取り付けられており、弾性変形部53
の曲げ変形モードの共振周波数fと等しい周波数の振
動を圧電素子57から振動入力部54に印加すると、ス
キャン部55がθ方向に回動し、弾性変形部53のね
じれ変形モードの共振周波数fと等しい周波数の振動
を圧電振動子57から振動入力部54に印加すると、ス
キャン部55がθ方向に回動する。しかして、スキャ
ン部55に光ビームを照射していると、反射光がθ
向もしくはθ方向に走査される。
【0004】しかしながら、図8のような光スキャナ5
1にあっては、圧電素子57の振幅が一定値以上になる
と、光スキャナ51の走査角が飽和し、圧電素子57の
振幅を大きくしても一定値以上に走査角を増大させるこ
とができなかった(本発明の実施例と比較して後述す
る;図2)。これは振動子52の可動部分に空気抵抗が
働いているためであり、空気抵抗の低減が光スキャナ5
1の走査角の拡大に有効である、との知見に本発明の発
明者らは達した。
【0005】すなわち、断面積Aの物体が空気密度ρの
空気中を速度Vで横切るとき、当該物体が受ける空気抵
抗Dは、抗力係数(空力定数)をCとして、 D=(1/2)CρV・A で表わされるから、図9に示すように、スキャン部55
及び慣性モーメント発生翼56の面素をdAとし、スキ
ャン部55の角速度をωとし、スキャン部55の回転軸
(例えばP軸)から面素dAまでの距離をrとすると、
スキャン部55には、次の数式1で表わされる空気抵抗
Dが働く。
【0006】
【数1】
【0007】この空気抵抗によってスキャン部55の回
転が抑制される結果、空気中に置かれた光スキャナ51
では大きな走査角を得ることができなかった。
【0008】したがって、光スキャナの走査角を拡大す
るためには、空気抵抗Dを小さくすることが必要であ
り、そのためには、空気密度ρを小さくする、可動
部分の面積を小さくする、スキャン部の角速度ωを小
さくする、といった3通りの方法が考えられる。
【0009】しかしながら、の角速度ωを小さくする
方法では、光スキャナの高速動作が抑制される結果とな
るため、実用的でないという欠点がある。
【0010】そこで、本発明の発明者らは、内部を真空
ないし低圧にしたケース内に光スキャナを真空封入する
の方法を考えた。そして、曲げ変形モード及びねじれ
変形モードの可能なシリコン基板製の振動子(厚さt=
100μm、弾性変形部の長さL=3mm)を有する光
スキャナに10Vの駆動電圧を印加し、光スキャナの周
囲の気圧を常圧(760Torr)から0.1Torrまで減圧
し、各気圧で光スキャナの走査角を測定した。図10
こうして得た光スキャナの周囲の気圧と光スキャナの走
査角との関係を示しており、また、左側のスケールは常
圧の走査角を1とする走査角拡大率を表わしている。
10によれば、光スキャナの走査角は、真空度1Torr前
後でその振る舞いが異なっている。これは、気圧が1To
rrよりも低下すると、雰囲気の状態が粘性流領域から分
子流領域に変化したためと考えられる。
【0011】この測定結果より光スキャナの走査角を増
大させるためには、光スキャナを真空封入する方法が効
果的であると考えられた。しかしながら、図10の曲線
によれば、封入真空度が1Torr以下(気圧≧1Torr)で
はあまり効果がなく、真空度が1Torr以上(気圧≦1To
rr)では真空度の微妙な変化に対して走査角が大きく変
化してしまい、走査角が不安定になり易いという欠点が
ある。また、光スキャナを真空封入する方法では、経年
的な真空漏れを防止するのが難しく、製造工程の増加に
伴って大幅にコストが上昇する。このため、最終的に
は、真空封入は実用的でないとの結論に達した。
【0012】また、の方法として、図11に示すよう
に慣性モーメント発生翼56に空気抵抗除荷用の穴59
を開口した光スキャナ58を試みた。光スキャナにおい
ては可動部分が弾性変形部を中心として回転運動をする
ので、可動部分に働く空気抵抗は回転中心からの距離r
とその面素dAの総和∫rdAで効いてくる。すなわ
ち、空気抵抗を低減させるためには、∫rdAを最小
にする必要がある。しかしながら、図11の光スキャナ
58のように慣性モーメント発生翼56に穴59を開口
した構造では、回転中心からの距離rの大きな部分に慣
性モーメント発生翼(外側縁部分)が残っているため、
従来構造の約2倍の走査角しか得られなかった(本発明
の実施例と比較して後述する;図3)。
【0013】したがって、空気抵抗を最小にしようとす
れば、慣性モーメント発生翼を除去してスキャン部を回
転軸近傍のミラー部分だけで構成すればよい。しかし、
この場合には、慣性モーメント発生翼がなくなるため、
弾性変形部の振動に必要な慣性力の発生が抑制され、期
待されたほど走査角を拡大することができなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の従来例
の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、スキャン部が回動時に受ける空気抵抗を小さく
すると共に慣性モーメントの減少防止もしくは増加を図
ることにより、大きな走査角を得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の光スキ
ャナは、少なくとも1つの弾性変形モードを有する弾性
変形部と、前記弾性変形部の一端に設けられ、印加され
た振動を前記弾性変形部に伝える振動入力部と、前記弾
性変形部の他端に設けられ、前記弾性変形部の弾性変形
モードに応じて回動するスキャン部と、前記振動入力部
に振動を印加する加振源を備えた光スキャナにおいて、
前記スキャン部を前記弾性変形部の軸心に対して左右対
称の形状で、かつ、回転による粘性流体抵抗を受けにく
い形状とし、スキャン部の粘性流体抵抗を増加させるこ
となく、かつ、スキャン部の慣性モーメントを増大させ
るための重りをスキャン部に設けたことを特徴としてい
る。
【0016】請求項2に記載の光スキャナは、請求項1
に記載の光スキャナにおける前記重りを、発光素子、受
光素子、レンズ等の光学部品によって形成したことを特
徴としている。
【0017】
【作用】請求項1に記載の光スキャナにあっては、前記
スキャン部の形状を回転による粘性流体抵抗を受けにく
い形状としているから、走査角の拡大を図ることができ
る。さらに、スキャン部の粘性流体抵抗を増加させるこ
となく、かつ、スキャン部の慣性モーメントを増大させ
るための重りを、スキャン部に設けているから、スキャ
ン部の粘性流体抵抗を増加させることなく、スキャン部
の慣性モーメントの減少を補償することができる。ある
いは、慣性モーメントを従来よりも増加させることもで
きる。したがって、粘性流体抵抗が小さく、かつ、慣性
モーメントの大きな光スキャナを製作することができ
る。
【0018】請求項2に記載の光スキャナにあっては、
請求項1に記載した前記重りとして発光素子や受光素
子、レンズ等の光学部品を用いているから、部品の共通
化を図ることができる。
【0019】
【実施例】図1に本発明の一実施例による光スキャナ1
を示す。この光スキャナ1に用いられている振動子2
は、曲げ変形モードとねじれ変形モードを有するトーシ
ョンバー状の弾性変形部3の一端に振動入力部4を設
け、他端にスキャン部5を設けたものであって、シリコ
ン基板を加工したものである。スキャン部5は、弾性変
形部3の軸心Pに対してほぼ左右対称な形状となってお
り、その表面には鏡面加工されたミラー面6が形成さ
れ、裏面の側端部には重り7が取り付けられている。し
たがって、スキャン部5は、従来の光スキャナ51の慣
性モーメント発生翼56を除去した形状となっている。
スキャン部5の大きさは、回動しながら光ビームを反射
させられるだけの面積のミラー面6を形成することがで
きればよく、できるだけ小さくして(例えば、縦横各5
mm以下)空気抵抗が十分無視できるようにすることが
好ましい。また、振動入力部4は圧電素子等の加振源8
に固定されている。
【0020】しかして、加振源8により弾性変形部3の
曲げ変形モードの共振周波数f又は/及びねじれ変形
モードの共振周波数fと等しい周波数の振動を振動入
力部4へ印加すると、弾性変形部3が当該弾性変形モー
ドで振動し、スキャン部5を曲げ方向(θ方向)又は
/及びねじれ方向(θ方向)に回動させる。このと
き、スキャン部5のミラー面6に光ビームが照射されて
いると、反射された光ビームはスキャン部5の回動角の
2倍の走査角で走査される。
【0021】上記のような光スキャナ1においては、ス
キャン部5の外形寸法をできるだけ小さくすることによ
りスキャン部5の受ける空気抵抗を小さくしているが、
スキャン部5自体は弾性変形部3に対してほぼ左右対称
な形状をしているので、θ方向にスキャン部5を回動
させる慣性モーメントがほとんど発生しない。また、θ
方向の慣性モーメントも、図8のような構造の光スキ
ャナ51より小さくなり、十分な走査角を期待できな
い。しかし、スキャン部5の縁に重り7を取り付けるこ
とにより、スキャン部5の外形寸法を大きくすることな
く(したがって、空気抵抗を増大させることなく)、ス
キャン部5自体の慣性モーメントの減少を補償してスキ
ャン部5の受ける慣性モーメントを増加させることがで
き、スキャン部5の回動角を増大させることができる。
また、この重り7の重量や取り付け位置を調整すること
により、スキャン部5の慣性モーメントを調整すること
ができる。
【0022】図2に示すものは、本発明の実施例による
光スキャナ1と従来例の光スキャナ51(図8)におけ
る加振源8の振幅xと各光スキャナ1の走査角との関係
を示す図である。ここで用いた光スキャナ1は、(11
0)面シリコン基板から得た振動子2に幅150μm、
長さ3mm、厚み150μmの弾性変形部3を形成し、
スキャン部5に30gの重り7を2個取り付けたもので
ある。この光スキャナ1に曲げ変形モードの共振周波数
=155Hzと等しい周波数の振動を印加してスキ
ャン部5を回動させた場合、走査角と加振源8の振幅と
の関係は曲線イのようになった。また、光スキャナ1に
ねじれ変形モードの共振周波数f=526Hzと等し
い周波数の振動を印加してスキャン部5を回動させた場
合、走査角と加振源8の振幅との関係は曲線ロのように
なった。
【0023】一方、従来例の光スキャナ51は、(11
0)面シリコン基板から得た振動子52に幅150μ
m、長さ3mm、厚み150μmの弾性変形部53を形
成し、スキャン部55に適当な慣性モーメント発生翼5
6を設けたものである。この光スキャナ51に曲げ変形
モードの共振周波数f=250Hzと等しい周波数の
振動を印加してスキャン部55を回動させた場合、走査
角と加振源57の振幅との関係は曲線ハのようになっ
た。また、光スキャナ51にねじれ変形モードの共振周
波数f=102Hzと等しい周波数の振動を印加して
スキャン部55を回動させた場合、走査角と加振源57
の振幅との関係は曲線ニのようになった。
【0024】図2によると、従来の光スキャナ51を表
わす曲線ハ及びニでは、加振源57の振幅を大きくして
も走査角は飽和し、大きな走査角を得ることができな
い。これに対し、実施例の光スキャナ1を表わす曲線イ
及びロでは、走査角が飽和せず、加振源57の小さな振
幅で大きな走査角を得ることができた。
【0025】このように十分な走査角を得るのに、加振
源8の振幅を小さくすることができたので、加振源8を
駆動するための駆動電圧が従来の約1/10で済み、低
電圧駆動を実現できた。
【0026】また、図3は従来の光スキャナ51を基準
とし、慣性モーメント発生翼56に穴を開口した図11
のような光スキャナ58及び本実施例の光スキャナ1の
曲げ変形モード駆動時及びねじれ変形モード駆動時にお
ける空気抵抗と走査角拡大率を示している。すなわち、
横軸は、従来の光スキャナ51における空気抵抗を1と
した時の空気抵抗を表わしており、縦軸は従来の光スキ
ャナ51における走査角を1とした時の走査角を示して
いる。したがって、従来の光スキャナ51は横軸の空気
抵抗D=1の上に位置している。この図3によれば、
11の光スキャナ58では、走査角は従来の光スキャナ
51の2倍程度にしかならないが、本実施例の光スキャ
ナ1では空気抵抗が最小限に抑えられ、また、十分な慣
性力も得られるので、従来構造の光スキャナ51の7倍
以上の走査角を得ることができた。
【0027】また、本発明の光スキャナ1にあっては、
振動子2の面積を小さくしているので、光スキャナ1自
体の大きさも小さくなり、より超小型の光スキャナ1を
実現できる。さらに、1枚のシリコンウエハから取り出
せる振動子2の枚数が増加し、生産効率が向上する。
【0028】図4に示すものは、本発明の別な実施例に
よる光スキャナ11であって、圧電素子8aの一端もし
くは両端に変位拡大機構12を設けて加振源8を構成し
たものである。この変位拡大機構12は、ブリッジ状も
しくはドーム状に形成されていて圧電素子8aとの間に
空間sを形成されており、圧電素子8aの横方向歪を縦
方向歪に変換すると共に歪を増幅する働きをする。した
がって、この変位拡大機構12を設けられた加振源8
は、圧電素子8aの縦方向変位と圧電素子8aの横方向
歪から変換された縦方向変位とを重畳して出力すること
ができ、小さな駆動電圧によって大きな振動を出力する
ことができる。よって、このような加振源8を用いるこ
とにより、小さな駆動電圧により大きな走査角を得るこ
とができる。
【0029】この光スキャナ11によれば、十分な走査
角を得るのに必要な加振源8の振幅をより小さくできる
ので、加振源8を駆動するための駆動電圧が従来の約1
/20で済むようになった。
【0030】図5に本発明のさらに別な実施例による光
スキャナ13を示す。この光スキャナ13は、ミラー面
6によって光ビームを反射するものでなく、自ら光を出
射する機能を備えている。すなわち、略左右対称な形状
をした小さなスキャン部5の側端部に半導体発光素子1
4及び受光素子15を搭載し、スキャン部5の側端縁に
略L形をした透明な補助片16を取り付け、補助片16
の先端部に設けられたマイクロフレネルレンズのような
微小な2個のレンズ17,17を発光素子14及び受光
素子15と対向させている。
【0031】しかして、この光スキャナ13は、小型の
光走査型センサ等として用いられるものであって、発光
素子14から光ビームを出射すると、光ビームはレンズ
17によってコリメートもしくは集光され、スキャン部
5のθ方向もしくはθ方向の回動に伴って走査され
る。この光スキャナ13から出射されている走査光は対
象物(例えば、バーコードラベル等)によって反射さ
れ、再びレンズ17を通して受光素子15で受光され
る。
【0032】この光スキャナ13にあっては、発光素子
14、受光素子15及びレンズ17,17は光ビームを
出射及び受光する光学的な(あるいは、センサヘッド
の)機能を果たしているだけでなく、弾性変形部3の回
転中心から少しはずれた位置に配置されていてそれらの
重量によってスキャン部5の慣性モーメントを増大させ
るための重り7としての機能も有しており、別途重り7
を設ける必要がない。
【0033】図6は本発明のさらに別な実施例による光
スキャナ18を示す一部分解した斜視図である。この光
スキャナ18にあっては、スキャン部5の側縁部に重り
7の位置決め用ガイド溝19を形成し、重り7にガイド
溝19と噛み合う嵌合部20を突設してあり、重り7の
嵌合部20をスキャン部5のガイド溝19に嵌合させて
位置決めした状態でスキャン部5に重り7を取り付けて
いる。
【0034】重り7を後からスキャン部5に接着する場
合には、重り7の接着位置がずれ易く、重り7の接着位
置がずれると、重り7の位置の微妙な違いによってスキ
ャン部5の慣性モーメントが変化し、光スキャナの共振
周波数が変化する。従って、重り7の位置決め精度が重
要となり、本実施例では、重り7の嵌合部20とスキャ
ン部5のガイド溝19によって重り7の位置決めを行な
っているので、重り位置の再現性が向上し、慣性モーメ
ントの精度を向上させることができる。この結果、光ス
キャナ18の歩留りを向上させることができる。
【0035】 図7 に示すものは本発明のさらに別な実施
例による光スキャナ22を示す斜視図である。この光ス
キャナ22はねじれ変形モードのみが可能な自由度1の
光スキャナであって、2本の弾性変形部3がスキャン部
5を挟んで直線状に配置されており、両弾性変形部3の
端部がスキャン部5と一体となっており、両弾性変形部
3の他端間に略C形をした振動入力部4が設けられてお
り、振動入力部4の中央部に圧電素子のような加振源8
が取り付けられている。このスキャン部5は、空気抵抗
を小さくするよう小さな面積にしてあり、側縁に取り付
けた重り7によって慣性モーメントを得ている。なお、
この光スキャナ22にあっても、図6の実施例と同様ス
キャン部5に設けたガイド溝19に重り7の嵌合部20
を嵌合させることによって重り7を位置決めさせるよう
にしてもよい。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載の光スキャナにあって
は、スキャン部の形状を弾性変形部の軸 心に対して左右
対称な形状で、かつ回転による粘性流体抵抗を受けにく
い形状とし、スキャン部の粘性流体抵抗を増加させるこ
となく、かつ、スキャン部の慣性モーメントを増大させ
るための重りを、スキャン部に設けているから、スキャ
ン部の形状の工夫により走査角の拡大を図ることがで
き、しかも重りによって、スキャン部の粘性流体抵抗を
増加させることなく、スキャン部の慣性モーメントの減
少を補償し、あるいは慣性モーメントを増加させること
ができる。したがって、粘性流体抵抗が小さく、かつ、
慣性モーメントの大きな光スキャナを製作することがで
き、光スキャナの走査角の上限値を大きくすることがで
きる。さらに、請求項1に記載の光スキャナによれば、
弾性変形部の軸心に対して左右対称な形状のスキャン部
に重りを設けて慣性モーメントを大きくしているから、
スキャン部の外形寸法を小さくすることができる。
【0037】 また、請求項1に記載の光スキャナによれ
ば、加振源からの小さな入力振動によって大きな走査角
を得ることができるので、同じ値の走査角を達成するの
に加振源の駆動電圧が小さくて済み、低電圧駆動を実現
できる。
【0038】 請求項2に記載の光スキャナによれば、請
求項1に記載した前記重りとして発光素子や受光素子、
レンズ等の光学部品を用いているから、光スキャナを多
機能化できるうえ、部品の共通化を図ることができる。
そして、部品の共通化を図ることにより光スキャナを小
型にできると共に製作も容易になり、コストも安価にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による光スキャナを示す斜視
図である。
【図2】同上の実施例による光スキャナと従来の光スキ
ャナにおける、駆動源の振幅と走査角との関係を示す図
である。
【図3】同上の実施例による光スキャナと比較例による
光スキャナと従来例の光スキャナにおける、空気抵抗と
走査角拡大率の関係を示す図である。
【図4】本発明の別な実施例による光スキャナを示す斜
視図である。
【図5】本発明のさらに別な実施例による光スキャナを
示す斜視図である。
【図6】本発明のさらに別な実施例による光スキャナを
示す斜視図である。
【図7】本発明のさらに別な実施例による光スキャナを
示す斜視図である。
【図8】従来の光スキャナを示す斜視図である。
【図9】光スキャナが受ける空気抵抗を説明するための
図である。
【図10】光スキャナの周囲の気圧と走査角(あるい
は、走査角拡大率)との関係を示す図である。
【図11】比較例による光スキャナを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 振動子 3 弾性変形部 4 振動入力部 5 スキャン部 7 重り 8 加振源 14 発光素子 15 受光素子 17 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの弾性変形モードを有す
    る弾性変形部と、 前記弾性変形部の一端に設けられ、印加された振動を前
    記弾性変形部に伝える振動入力部と、 前記弾性変形部の他端に設けられ、前記弾性変形部の弾
    性変形モードに応じて回動するスキャン部と、 前記振動入力部に振動を印加する加振源を備えた光スキ
    ャナにおいて、 前記スキャン部を前記弾性変形部の軸心に対して左右対
    称の形状で、かつ、回転による粘性流体抵抗を受けにく
    い形状とし、 スキャン部の粘性流体抵抗を増加させることなく、か
    つ、スキャン部の慣性モーメントを増大させるための重
    りをスキャン部に設けたことを特徴とする光スキャナ。
  2. 【請求項2】 前記重りが、発光素子、受光素子、レン
    ズ等の光学部品からなることを特徴とする請求項1に記
    載の光スキャナ。
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