JP3191304U - 遠心分離機 - Google Patents

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芳樹 延藤
雅之 玉井
雅之 玉井
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Abstract

【課題】処理対象液を2種類以上の物質に分離する遠心分離機において、スクレーパーにスラッジが残存するのを抑制する遠心分離器を提供する。【解決手段】遠心分離機1は、処理対象液を遠心分離するための回転体5と、遠心分離によって回転体5に付着したスラッジS2を掻き取るためのものであり、回転体5から掻き取られたスラッジS2が表面に残存するのを抑制する表層部を有するスクレーパーと、スクレーパーの表面に残存しているスラッジS2に流体を噴出する1つ又は複数のノズル7と、を備える。【選択図】図2

Description

本考案は、処理対象液を2種類以上の物質に分離する遠心分離機に関するものである。
遠心分離機は、例えば使用済みのクーラントを回収液とスラッジに分離する遠心分離工程などにおいて用いられている。遠心分離工程において、スラッジは、遠心分離機の回転体(回転釜)の内壁面に層となって付着する。したがって、付着したスラッジを遠心分離機のスクレーパーによって掻き取り、回転体の底部から回転体の外部に排出するスラッジ排出工程が行われる。スラッジ排出工程は、回転体の底部のシャッターが開けられた状態で行われ、スクレーパーによって掻き落とされたスラッジは、回転体の底部から回転体の外部に排出される(例えば特許文献1)。
特開2013−66994号公報
しかし、スラッジの粘性が高い場合には、スラッジ排出工程においてスクレーパーに付着したスラッジの一部がスクレーパーから剥がれずにスクレーパーの表面に残存することがある。スクレーパーの表面に残存しているスラッジがスラッジ排出工程以外の工程においてスクレーパーから落下すると、落下したスラッジが遠心分離機の回転体の内壁に付着することがあり、その結果、遠心分離機の異常振動を引き起こすことがある。
また、特許文献1のクーラント再生方法のように膜分離工程を併用している場合には、かたまり(ダマ)になったスラッジが、スラッジ排出工程以外の工程においてスクレーパーから落下すると、膜分離ユニットにおいて膜の詰まりを誘発する原因となることがある。
したがって、スラッジ排出工程においてスクレーパーに付着したスラッジは、スラッジ排出工程においてスクレーパーから除去する必要がある。
例えば、スクレーパーを振動させ、この振動を利用して、スクレーパーからスラッジを落下させる対策が考えられる。しかし、このような対策を施したとしても、スラッジの粘性が高い場合には、スクレーパーからスラッジを効果的に落下させることができない場合がある。
本考案の目的は、処理対象液を2種類以上の物質に分離する遠心分離機において、スクレーパーにスラッジが残存するのを抑制することである。
本考案の遠心分離機は、回転体と、スクレーパーと、1つ又は複数のノズルとを備える。前記回転体は、処理対象液を遠心分離するためのものである。前記スクレーパーは、遠心分離によって前記回転体に付着したスラッジを掻き取るためのものである。前記スクレーパーは、前記回転体から掻き取られた前記スラッジが表面に残存するのを抑制する表層部を有する。前記ノズルは、前記スクレーパーの前記表面に残存している前記スラッジに流体を噴出する。
この構成では、スクレーパーの表層部は、例えば上述したスラッジ排出工程において、スクレーパーを回転体の壁面に近接又は当接させた状態で回転体を回転させて回転体の壁面のスラッジをスクレーパーによって掻き取るときに、スラッジがスクレーパーの表面に残存するのを抑制することができる。
また、スラッジの粘度などの特性によっては、表層部によるスラッジ残存抑制効果だけでは十分でないこともあり、スクレーパーの表面にスラッジが残存することも考えられるが、本構成では、例えばスラッジ排出工程において、1つ又は複数のノズルがスクレーパーの表面に残存しているスラッジに流体を噴出することによって、スクレーパーからスラッジを効果的に剥がして落下させることができる。これにより、スクレーパーの表面にスラッジが残存するのをさらに効果的に抑制することができる。
前記遠心分離機において、前記流体は、前記スクレーパーの表面に沿う方向に前記ノズルから噴出されるのが好ましい。この構成では、流体がスクレーパーの表面に沿う方向にノズルから噴出されるので、スクレーパーに付着しているスラッジの側部に対して流体を当てることができる。このとき、ノズルとスラッジとの間にあるスクレーパーの表面は、ノズルから噴出された流体をスラッジに案内する案内面としての機能を果たす。これにより、ノズルから噴出された流体が拡散するのを抑制して流体をスラッジに集中させることができる。このように流体をスラッジの側部に集中させることによって、スクレーパーからスラッジを剥がして落下させる効果を高めることができる。
前記遠心分離機は、前記回転体の回転軸が上下方向を向いた縦型の遠心分離機であり、前記流体は、前記スクレーパーの先端部に向けて前記ノズルから略水平方向に噴出されるのが好ましい。例えば上述したスラッジ排出工程において、スクレーパーの先端部を回転体の壁面に近接又は当接させた状態で回転体を回転させると、回転体の壁面のスラッジがスクレーパーの先端部によって剥がされる。剥がされたスラッジの一部は、スクレーパーから落下し、スラッジの残部は、スクレーパーの先端部に付着する。そして、この構成では、流体は、スクレーパーの表面に沿う方向であって、スクレーパーの先端部に向けて略水平方向にノズルから噴出される。すなわち、この構成では、スクレーパーの先端部に付着するスラッジに対して、このスラッジよりもスクレーパーの後端部側に位置するノズルから先端部側に向かって流体を噴出させることにより、スクレーパーの表面に沿って案内される流体をスラッジの側部に当てて、スラッジの付着がスクレーパーの後端部側に進行するのを抑制することができる。
前記遠心分離機において、前記ノズルは、前記スクレーパーに固定されているのが好ましい。この構成では、例えばスラッジ排出工程において、回転体に付着したスラッジをスクレーパーによって掻き取るときの位置(すなわち、スクレーパーが回転体に近接又は当接する掻取位置)にスクレーパーが配置された状態と、スクレーパーが回転体から離れた退避位置にスクレーパーが配置された状態の何れの状態においても、スクレーパーに対するノズルの相対位置を一定に保つことができる。これにより、掻取位置と退避位置の何れの位置においても、同じ条件(例えばスクレーパーの先端部とノズルとの距離、スクレーパーの表面に対する流体の噴出方向などの条件)で、スクレーパーに付着しているスラッジに対してノズルから流体を噴出させることができる。
前記遠心分離機において、前記複数のノズルは、前記スクレーパーの前記表面に沿って配列されているのが好ましい。この構成では、複数のノズルがスクレーパーに沿って配列されているので、スクレーパーの表面における広い範囲に流体を当てることができる。これにより、スクレーパーの表面にスラッジが残存するのを抑制する効果を高めることができる。また、この構成では、例えば複数のノズルを順番に噴出させる制御、複数のノズルを同時に噴出させる制御などの種々の制御を行うことが可能になり、スクレーパーにおけるスラッジの付着状態に応じたきめ細かい流体噴出条件を設定することができる。
前記遠心分離機において、前記回転体に付着した前記スラッジを前記スクレーパーによって掻き取るための前記回転体の回転動作中に前記ノズルから前記流体が噴出されるのが好ましい。この構成では、回転体を回転させて回転体に付着しているスラッジをスクレーパーによって剥がすと同時に、その剥がされたスラッジがスクレーパーに付着するのをノズルから噴出される流体によって抑制できる。これにより、スクレーパーへのスラッジの付着の進行を効果的に抑制することができる。
前記遠心分離機において、前記回転体に付着した前記スラッジを前記スクレーパーによって掻き取るための前記回転体の回転動作が終了した後に前記ノズルから前記流体が噴出されてもよい。特に、ノズルからの流体の噴出は、回転体の回転動作中と、この回転動作が終了した後の両方において行われるのがより好ましい。これにより、スクレーパーへのスラッジの付着の進行をさらに効果的に抑制することができる。
前記遠心分離機において、前記流体が空気であるのが好ましい。この構成では、流体として液体を用いる場合に比べてコストを低減できる。また、遠心分離の用途が例えば処理対象液を回収液とスラッジに分離する用途である場合には、流体が液体である処理対象液であると、スラッジとともに排出される処理対象液の量が増加するため、液分の回収率(回収液の回収率)が低減する。また、流体が処理対象液以外の液体であると、その液体が回収液に不純物として混入することが考えられる。これに対し、本構成では、流体としての空気が回収液に混入するだけであるので、回収液に与える影響を小さくすることができる。
前記遠心分離機において、前記表層部は、フッ素樹脂を含むコーティング層及びフッ素樹脂を含むシートの少なくとも一方を有しているのが好ましい。この構成では、フッ素樹脂の特性を利用することにより、スラッジがスクレーパーの表面に残存するのを抑制することができる。
以上説明したように、本考案によれば、処理対象液を2種類以上の物質に分離する遠心分離機において、スクレーパーにスラッジが残存するのを抑制することができる。
本考案の一実施形態に係る遠心分離機を備える処理システムの概略構成を示す図である。 前記遠心分離機を示す断面図である。 前記遠心分離機の回転体、スクレーパー及びノズルの位置関係を示す斜視図である。 前記遠心分離機の回転体、スクレーパー及びノズルの位置関係を示す平面図である。 前記遠心分離機のスクレーパー及びノズルを示す正面図である。 前記遠心分離機におけるスクレーパーの表面に設けられた表層部の一例を示す断面図である。 前記遠心分離機におけるスクレーパーの表面に設けられた表層部の他の例を示す断面図である。 前記遠心分離機の制御例を示すフローチャートである。 前記遠心分離機の変形例1を示す斜視図である。 前記遠心分離機の変形例2を示す斜視図である。
以下、本考案の実施形態に係る遠心分離機1及びこの遠心分離機1を備える処理システム100について図面を参照しながら詳細に説明する。
[処理システムの全体構造]
図1は、本実施形態に係る遠心分離機1を備える処理システム100の概略構成を示す図である。例えば、処理システム100は、製品の製造工程において使用された液(使用済み液)を処理対象液とし、この使用済み液を再利用できるように再生処理するための装置である。
処理対象液としては、使用済みクーラント、使用済み研磨スラリーなどを例示できるが、これらに限られない。使用済みクーラントとしては、シリコン材料を切断する際に発生するシリコン切削屑を含む使用済みシリコンクーラントを例示できるが、これに限られない。使用済み研磨スラリーとしては、サファイア基板などの基板を研磨するのに用いられた使用済みの研磨スラリーを例示できるが、これに限られない。以下の説明では、処理対象液が使用済みシリコンクーラントである場合を例に挙げて説明するが、本考案の遠心分離機1は、使用済みシリコンクーラント以外の他の用途にも適用可能である。
具体的に、シリコンクーラントは、例えば、ワイヤーソー切断装置を利用してブロック状のシリコンインゴット(シリコン材料)を予め規定されたサイズに切断するスライシング工程において用いられる。スライシング工程で使用されるクーラントは、例えばジエチレングリコール、水、その他添加剤などを含む液体が用いられるが、これに限られない。スライシング工程で使用された後の使用済みクーラントSには、シリコン切削屑が含まれる。使用済みクーラントSは、処理システム100によって再利用可能な状態に再生された再生クーラントS1と、シリコン切削屑を含むスラッジS2とに分離される。
図1に示すように、処理システム100は、原液タンク11と、処理タンク12と、遠心分離機1と、膜分離ユニット13と、濾過液タンク14と、再生液タンク15と、制御部4とを備えている。また、処理システム100は、複数の配管90〜99と、複数のポンプP1〜P4とを備えている。
処理システム100は、図1に示す具体例に限定されるものではなく、必要に応じて、一部のタンク、一部の配管、一部のポンプなどを省略することもできる。また、処理システム100は、遠心分離機1と、膜分離ユニット13とを併用したものであるが、これに限られない。処理システム100の用途に応じて、例えば膜分離ユニット13を省略することもできる。
本実施形態に係る遠心分離機1は、回転体5の回転軸の方向(後述する駆動部3のシャフト32の軸方向)が上下方向に向いた縦型タイプの装置(縦型遠心分離機)である。遠心分離機1の詳細については後述する。
原液タンク11は、処理対象液S(すなわち、回収された使用済みクーラントS)を貯留するための容器である。原液タンク11には、原液タンク11に接続された配管90を通じて使用済みクーラントSが流入する。また、原液タンク11内に貯留されている使用済みクーラントSは、ポンプP1が設けられた配管91を通じて処理タンク12に送られる。
処理タンク12は、原液タンク11から送液された使用済みクーラントSを貯留するための容器である。また、処理タンク12には、遠心分離機1において分離された遠心分離液が戻されるとともに、膜分離ユニット13において分離された濃縮液が戻される。遠心分離液は、遠心分離機1における遠心分離処理によって固形分濃度が減少した液である。濃縮液は、膜分離ユニット13における膜分離処理によって膜濾過液と分離された固形分濃度が高められた液であり、シリコン切削屑を含む。処理タンク12に戻された遠心分離液と濃縮液とは処理タンク12において使用済みクーラントSと混合される。
処理タンク12内の混合液(使用済みクーラントS、遠心分離液及び濃縮液を含む液)は、ポンプP2が設けられた配管92を通じて遠心分離機1に送られる。遠心分離機1において遠心分離処理された遠心分離液は、配管93を通じて処理タンク12に戻される。なお、配管94は、回転体5の内部を作業者が水などによって洗浄する場合に、その洗浄された廃液(ドレン水)を処理タンク12に戻すための配管である。
また、処理タンク12内の混合液は、ポンプP3が設けられた配管95を通じて膜分離ユニット13に送られる。膜分離ユニット13において膜分離処理された濃縮液は、配管96を通じて処理タンク12に戻される。また、膜分離ユニット13において膜分離処理された膜濾過液は、配管97を通じて濾過液タンク14に送られる。
本実施形態では、膜分離ユニット13は、例えば細長い形状の筐体内に中空糸膜が設けられた構造であるが、これに限られない。膜分離ユニット13は、使用済みクーラントSから切削屑などを除去することができるものであればよく、中空糸膜以外の他の分離膜が筐体内に設けられた構造であってもよい。
中空糸膜の内部は、筐体の長手方向の端部にそれぞれ設けられた原液側開口13a,13bを通して筐体の外部と連通している。筐体の側面には、筐体の内部空間(中空糸膜の外側空間)と筐体外部とを連通させる濾液側開口13cが形成されている。中空糸膜を通して濾過された膜濾過液は、この濾液側開口13cを通して筐体の外部に導出される。膜分離ユニット13を使用することによって、中空糸膜を通過した膜濾過液S1と、中空糸膜を通過することのできなかったシリコン切削屑を含む濃縮液とに分離することができる。なお、この濾液側開口13cを利用して、逆洗用流体を膜分離ユニット13内に導入することができるように構成されていてもよい。
濾過液タンク14は、膜分離ユニット13において膜分離処理された膜濾過液S1(回収液S1)を貯留する容器である。膜分離ユニット13の濾液側開口13cから流出した膜濾過液S1は、配管97を通じて濾過液タンク14に送られる。
再生液タンク15は、濾過液タンク14から送液された膜濾過液S1(回収液S1)を貯留する容器である。濾過液タンク14内の膜濾過液S1は、ポンプP4が設けられた配管98を通じて再生液タンク15に送られる。再生液タンク15に貯留された膜濾過液S1(回収液S1)は、配管99を通じて次工程(例えばシリコンインゴットのスライシング工程など)に送られ、再利用される。
制御部4は、図略の中央演算処理装置(CPU)、メモリなどを備える。制御部4は、処理システム100の動作を制御する。具体的に、制御部4は、遠心分離機1の回転体5の回転動作を制御する回転体制御部を機能として有する。
[遠心分離機の全体構造]
次に、本実施形態に係る遠心分離機1について説明する。図2は、本実施形態に係る遠心分離機1を示す断面図である。図2に示すように、遠心分離機1は、装置本体2と、駆動部3とを備える。装置本体2は、ケーシング20と、回転体5と、スクレーパー6と、ノズル7とを備える。駆動部3は、モータ30と、伝達部31と、シャフト32とを備える。
ケーシング20は、内部に回転体5、スクレーパー6、ノズル7などを収容する箱体である。回転体5は、円筒状、ボウル状などの形状を有する。本実施形態では、回転体5は、上部に設けられた開口部5aと下部に設けられた開口部5bとを有する。
スクレーパー6は、遠心分離によって回転体5の内側面に付着して堆積したスラッジS2を掻き取るためのものである。ノズル7は、スクレーパー6の表面に残存しているスラッジS2に流体を噴出するためのものである。スクレーパー6及びノズル7の詳細については後述する。
遠心分離機1は、クーラント吐出部21と、スラッジ排出部22と、ドレン水回収部23と、遠心分離液回収部24とをさらに備える。
クーラント吐出部21は、例えば開口部5bから回転体5内に挿入された吐出パイプ21aを有する。吐出パイプ21aは、配管92によって処理タンク12と接続されている。吐出パイプ21aには、処理タンク12から送液される使用済みクーラントSを含む混合液が供給される。供給された混合液は、吐出パイプ21aに設けられた吐出孔21bから回転体5内の空間に吐出される。
スラッジ排出部22は、回転体5の下部の開口部5bの直下に設けられたスラッジ排出口22aと、スラッジ排出口22aを通じて落下してくるスラッジS2を遠心分離機1の外に排出するスラッジ排出口22bと、スラッジ排出口22aを開閉可能なシャッター22cとを有する。シャッター22cの開閉動作は、制御部4によって制御される。
ドレン水回収部23は、回転体5の下方に設けられている。ドレン水回収部23は、回転体5の内部を洗浄したときの廃液(ドレン水)を受ける液受け面23aと、液受け面23aに受けられたドレン水をケーシング20の外部に流出させる流出口23bとを有する。液受け面23aは、流出口23b側が低くなるように傾斜しているのが好ましい。これにより、液受け面23aに受けられたドレン水が液受け面23aに沿って流出口23bに案内される。流出口23bは、配管94によって処理タンク12に接続されている。
遠心分離液回収部24は、例えば回転体5の側方に設けられているが、これに限られない。遠心分離液回収部24は、回転体5から流出する遠心分離液を受ける液受け面24aと、液受け面24aに受けられた遠心分離液をケーシング20の外部に流出させる流出口24bとを有する。流出口24bは、配管93によって処理タンク12に接続されている。
モータ30は、制御部4の回転体制御部によって回転速度が電気的に制御される。モータ30の回転は、伝達部31を介してシャフト32に伝達される。回転体5の上部は、駆動部3のシャフト32に接続されている。これにより、回転体5は、シャフト32の回転に伴って回転する。
[処理システムの動作]
次に、処理システム100の動作について説明する。図1に示すように、配管90を通じて原液タンク11に送られた使用済みクーラントSは、ポンプP1によって処理タンク12に送られる。処理タンク12から遠心分離機1に供給する液(使用済みクーラントSを含む混合液又は使用済みクーラントS)の供給量と、処理タンク12から膜分離ユニット13に供給する液の供給量とは、それぞれ個別に設定することができる。
処理タンク12から遠心分離機1に供給された液は、図2に示す吐出パイプ21aの吐出孔21bから回転体5内の空間に吐出される。このとき、回転体5は、高速で回転しているので、その遠心力によって比重差に基づく分離が行われる。比較的比重の大きいシリコン切削屑を含むスラッジS2は、回転体5の内側面に向かって押付けられるように堆積する。
一方、固形分が除去された液体成分を主体とする遠心分離液は、回転体5内の空間に滞留し、回転体5の上側の開口部5aから少しずつオーバーフローする。オーバーフローによって回転体5の外部に導出された遠心分離液は、回転体5の外周面とケーシング20の内面との間の隙間を重力に従って流下し、遠心分離液回収部24の液受け面24aに落下する。落下した遠心分離液は、液受け面24aを伝って案内され、流出口24bからケーシング20の外部に流出する。流出した遠心分離液は、図1に示すように、配管93を通じて処理タンク12に送られ、処理タンク12内の液と混合される。その結果、使用済みクーラントを含む液中の固形分濃度が低下する。このような遠心分離処理が繰り返されることによって、処理タンク12内の混合液中の固形分濃度が徐々に低下する。
一方、処理タンク12から膜分離ユニット13に供給された液は、例えば中空糸膜によって構成された濾過膜によって膜分離処理される。これにより、濾過膜を通過してシリコン切削屑をほとんど含まない膜濾過液と、濾過膜を通過することのできないシリコン切削屑を含み、固形分の濃度が濃縮された濃縮液とに分離することができる。
濃縮液は、使用済みクーラントの貯留された処理タンク12に導出され、処理タンク12内の液と混合される。濃縮液22を処理タンク12に戻すことによって、遠心分離処理または膜分離処理を繰り返し行うことができ、使用済みクーラントから再生されるクーラントの回収率を高めることができる。また、濃縮液を処理タンク12内の液と混合することによって、濃縮液を希釈することができるので、再び膜分離ユニットに供給した際に目詰まり等が生じるのを抑制できる。
[スクレーパー]
次に、本実施形態に係る遠心分離機1のスクレーパー6について詳しく説明する。図3は、遠心分離機1の回転体5、スクレーパー6及びノズル7の位置関係を示す斜視図である。図4は、遠心分離機1の回転体5、スクレーパー6及びノズル7の位置関係を示す平面図である。図5は、遠心分離機1のスクレーパー6及びノズル7を示す正面図である。
上述したように、スクレーパー6は、遠心分離によって回転体5の内側面に付着して堆積したスラッジS2を掻き取るためのものである。図3〜図5に示すように、スクレーパー6は、本体部61と、表層部62と、支持部63と、図略の変位機構とを備える。スクレーパー6は、その先端側に回転体5の内側面に近接又は当接する先端部6aを有する。また、スクレーパー6は、回転体5の内側面側に向いた外面6bと、外面6bの反対側の内面6c(表層部62の表面6c)とを有する。
本体部61は、回転体5の内側面に近接又は当接してスラッジS2を掻き取る機能を有する。本体部61は、例えば扁平な板状の部材によって形成されている。
表層部62は、回転体から掻き取られたスラッジS2がスクレーパー6の表面に残存するのを抑制する機能を有する。図6は、遠心分離機1におけるスクレーパー6の表面に設けられた表層部62の一例を示す断面図である。図6に示す実施形態では、表層部62は、フッ素樹脂を含むコーティング層である。
本体部61にフッ素樹脂をコーティングするためのコーティング剤は、例えばフッ素樹脂と溶媒とを含む。フッ素樹脂コーティング剤には、必要に応じて添加剤などが添加される。フッ素樹脂コーティング剤を基材にコーティングする方法としては、例えばスピンコート、スプレーコート、バーコート、ロールコート、浸漬、刷毛塗りなどを挙げることができるが、これらに限られない。基材とフッ素樹脂コーティング層との間には下地層(プライマー層)が設けられていてもよい。フッ素樹脂コーティング剤を基材に被覆した後は、例えば加熱処理などが行われる。
また、図7に示す他の例のように、表層部62は、フッ素樹脂を含むシートであってもよい。このようなシート形態の表層部62は、例えば、フィルム62aと、このフィルム62aの一方の面に形成されたフッ素樹脂層62bと、フィルム62aの他方の面に形成された粘着層62cとを含む。粘着層62cによって表層部62が本体部61の表面に貼り付けられる。図7に示すシート形態の場合、例えばフィルム62aの一方の面にフッ素樹脂を含むフッ素樹脂層62bがコーティングされ、他方の面に粘着層62cが形成される。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(PETFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロテトラフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などを挙げることができるが、これらに限られない。
本体部61は、支持部63に固定されている。支持部63は、本体部61を支持する機能を有する。また、図4に示すように、支持部63は、前記変位機構によって回動したり、水平方向に移動したりすることによって、回転体5に対する本体部61の位置、回転体5に対する本体部61の角度を調節する機能を有する。
前記変位機構は、例えば図略のモータを備える。このモータは、支持部63を回動させたり、支持部63を水平方向に移動させたりすることができる。前記変位機構の動作が制御部4によって制御されることにより、スクレーパー6は、回転体5の内部空間において、図4において実線で示す掻取位置L1と、図4において破線で示す退避位置L2との間を移動する。
図4に示すように、掻取位置L1は、例えば後述するスラッジ排出工程において、回転体5に付着したスラッジS2をスクレーパー6によって掻き取るときの位置であり、スクレーパー6が回転体5の内側面に近接又は当接する位置である。退避位置L2は、スラッジS2の掻き取りを行わないときの位置であり、掻取位置L1に比べてスクレーパー6(具体的にはスクレーパー6の先端部6a)が回転体5の内側面から離れた位置である。
[ノズル]
次に、本実施形態に係る遠心分離機1のノズル7について詳しく説明する。上述したように、ノズル7は、スクレーパー6の表面に残存しているスラッジS2に流体を噴出するためのものである。図2に示すように、ノズル7は、流体配管71によって流体供給機構72に接続されている。流体が例えば空気である場合には、流体供給機構72としてはコンプレッサーなどを用いることができる。流体が例えば水などの液体である場合には、流体供給機構72としてはポンプなどを用いることができる。
ノズル7は、流体を噴出できるものであれば特に限定されるものではなく、種々の形態のノズルを用いることができる。本実施形態では、図3に示すように、ノズル7は、流体配管71を通じて供給される流体が噴出する1つ又は複数の噴出孔7aを有する。
また、図2、図3及び図5に示す実施形態では、遠心分離機1は、複数のノズル7を備えている。各ノズル7は、流体がスクレーパー6の表面6cに沿う方向(例えばスクレーパー6の表面6cに平行な方向)に噴出される姿勢で配置されている。したがって、スクレーパー6に付着しているスラッジS2の側部に対して流体を当てることができる。このとき、ノズル7とスラッジS2との間にあるスクレーパー6の表面6cは、ノズル7から噴出された流体をスラッジS2に案内する機能を果たす。これにより、ノズル7から噴出された流体が拡散するのを抑制して流体をスラッジS2に集中させることができる。
また、図3に示す実施形態では、各ノズル7は、流体がスクレーパー6の先端部6aに向けて水平方向に噴出される姿勢で配置されているが、これに限られない。後述する変形例のように、ノズル7から流体の噴出方向は、例えば上下方向などのように水平方向以外の方向であってもよい。
本実施形態では、複数のノズル7は、スクレーパー6に固定されている。具体的に、例えば図3に示すように、複数のノズル7は、ノズル支持部材73によってスクレーパー6の本体部61、支持部63などに固定されている。したがって、複数のノズル7は、掻取位置L1及び退避位置L2の何れの位置においても、スクレーパー6の本体部61に対する相対位置が変わらない。これにより、掻取位置L1と退避位置L2の何れの位置においても、同じ条件(例えばスクレーパー6の先端部とノズル7との距離、スクレーパー6の表面6cに対する流体の噴出方向などの条件)でノズル7からスクレーパー6に流体を噴出させることができる。
また、本実施形態では、複数のノズル7は、スクレーパー6の表面6cに沿って一方向(図3では上下方向)に配列されている。したがって、後述する変形例ようにノズル7が一つだけ設けられている場合に比べて、スクレーパー6の表面6cにおける広い範囲に流体を当てることができる。これにより、スクレーパー6の表面6cにスラッジS2が残存するのを抑制する効果を高めることができる。
[制御例]
図8は、遠心分離機1の制御例を示すフローチャートである。図8に示す制御例では、まず、遠心分離機1に処理対象液S(使用済みクーラントS)を含む液が供給される(ステップS1)。そして、制御部4は、遠心分離機1の回転体5が高速回転するように駆動部3を制御する(ステップS2;遠心分離工程)。遠心分離工程では、スクレーパー6は、退避位置L2に配置されている。また、遠心分離工程では、スラッジ排出口22aはシャッター22cによって閉じられている。
遠心分離工程が終了すると、スラッジ排出工程が行われる。スラッジ排出工程は、掻き取り工程(ステップS3)と、スクレーパー払い落とし工程(ステップS4)と、回転体洗浄工程(ステップS5)と、シャッター払い落とし工程(ステップS6)とを含む。
ステップS3の掻き取り工程では、制御部4は、回転体5が低速回転するように駆動部3を制御するとともに、前記変位機構を制御してスクレーパー6を掻取位置L1に移動させる。これにより、遠心分離工程において回転体5の内側面に付着したスラッジS2がスクレーパー6によって掻き取られる。この掻き取り工程では、制御部4は、スラッジ排出口22aが開放するようにシャッター22cを移動させる。これにより、掻き取られたスラッジS2の一部は、スラッジ排出口22aを通じてケーシング20の下部に落下し、さらにその下のスラッジ排出口22bを通じて遠心分離機1の外に排出される。スラッジ排出口22bから排出されたスラッジS2は、例えば、図略の容器などに回収される。
この掻き取り工程において、制御部4は、ノズル7から流体が噴出されるように流体供給機構72を制御するのが好ましい。すなわち、回転体5に付着したスラッジS2をスクレーパー6によって剥がすと同時に、その剥がされたスラッジS2がスクレーパー6に付着するのを抑制できる。これにより、スクレーパー6へのスラッジS2の付着の進行を効果的に抑制することができる。
掻き取り工程が終了すると、制御部4は、回転体5の回転が停止するように駆動部3を制御し、スクレーパー6にノズル7から流体が噴出されるように流体供給機構72を制御する(ステップS4)。このスクレーパー払い落とし工程では、スクレーパー6は、掻取位置L1から退避位置L2に移動してもよく、掻取位置L1のままであってもよい。このスクレーパー払い落とし工程では、複数のノズル7を例えば上から順番に噴出させたり、複数のノズル7を例えば下から順番に噴出させたり、複数のノズル7を同時に噴出させたりしてもよい。
スクレーパー払い落とし工程が終了すると、回転体洗浄工程(ステップS5)が行われる。回転体洗浄工程では、例えばスクレーパー6を掻取位置L1に出したまま低速で回転体5を回転させ、クーラント吐出孔21bから液を吐出することによって回転体5の内部を洗浄する。このとき、スクレーパー6を掻取位置L1と退避位置L2の間で往復させ、その衝撃でスクレーパー6に付着したスラッジS2を落とす工夫をしてもよい。回転体洗浄工程が終了すると、制御部4は、スラッジ排出口22aが閉じられるようにシャッター22cを移動させる。
次に、必要に応じて、シャッター払い落とし工程(ステップS6)が行われる。シャッター払い落とし工程では、例えば、シャッター22cを移動させたときにシャッター22cの表面をこそげる位置に配置された図略の掻き落としバーによってシャッター22c上に堆積したスラッジS2を掻き落とす。なお、本実施形態では、スクレーパー払い落とし工程においてスクレーパーに付着していたスラッジS2が除去されるので、その後にシャッター22cの上面にスラッジS2が落下することを抑制できる。したがって、本実施形態では、このシャッター払い落とし工程を省略することが可能になる。以上で、本実施形態における遠心分離の一連の工程が終了し、この一連の工程が繰り返される。
[実施形態のまとめ]
本実施形態では、スクレーパー6は、スラッジS2が表面に残存するのを抑制する表層部62を有している。表層部62は、例えば上述したスラッジ排出工程において、スクレーパー6を回転体5の壁面に近接又は当接させた状態で回転体5を回転させて回転体5の壁面のスラッジS2をスクレーパー6によって掻き取るときに、スラッジS2がスクレーパー6の表面に残存するのを抑制することができる。
また、スラッジS2の粘度などの特性によっては、表層部62によるスラッジ残存抑制効果だけでは十分でないこともあり、スクレーパー6の表面にスラッジS2が残存することも考えられるが、本構成では、例えばスラッジ排出工程において、1つ又は複数のノズル7がスクレーパー6の表面に残存しているスラッジS2に流体を噴出することによって、スクレーパー6からスラッジS2を効果的に剥がして落下させることができる。これにより、スクレーパー6の表面にスラッジS2が残存するのをさらに効果的に抑制することができる。
本実施形態では、流体は、スクレーパー6の表面に沿う方向にノズル7から噴出される。この構成では、流体がスクレーパー6の表面に沿う方向にノズル7から噴出されるので、スクレーパー6に付着しているスラッジS2の側部に対して流体を当てることができる。このとき、ノズル7とスラッジS2との間にあるスクレーパー6の表面は、ノズル7から噴出された流体をスラッジS2に案内する機能を果たす。これにより、ノズル7から噴出された流体が拡散するのを抑制して流体をスラッジS2に集中させることができる。このように流体をスラッジS2の側部に集中させることによって、スクレーパー6からスラッジS2を剥がして落下させる効果を高めることができる。
本実施形態では、遠心分離機1は、回転体5の回転軸が上下方向を向いた縦型の遠心分離機であり、流体は、スクレーパー6の先端部に向けてノズル7から略水平方向に噴出される。例えば上述したスラッジ排出工程において、スクレーパー6の先端部を回転体5の壁面に近接又は当接させた状態で回転体5を回転させると、回転体5の壁面のスラッジS2がスクレーパー6の先端部によって剥がされる。剥がされたスラッジS2の一部は、スクレーパー6から落下し、スラッジS2の残部は、スクレーパー6の先端部に付着する。そして、この構成では、流体は、スクレーパー6の表面に沿う方向であって、スクレーパー6の先端部に向けて略水平方向にノズル7から噴出される。すなわち、この構成では、スクレーパー6の先端部に付着するスラッジS2に対して、このスラッジS2よりも後端部側に位置するノズル7から先端部側に向かって流体を噴出させることにより、スクレーパー6の表面に沿って案内される流体をスラッジS2の側部に当てて、スラッジS2の付着がスクレーパー6の後端部側に進行するのを抑制することができる。
本実施形態では、ノズル7は、スクレーパー6に固定されている。この構成では、例えばスラッジ排出工程において、回転体5に付着したスラッジS2をスクレーパー6によって掻き取るときの位置(すなわち、スクレーパー6が回転体5に近接又は当接する掻取位置)にスクレーパー6が配置された状態と、スクレーパー6が回転体5から離れた退避位置にスクレーパー6が配置された状態の何れの状態においても、スクレーパー6に対するノズル7の位置を一定に保つことができる。これにより、掻取位置と退避位置の何れの位置においても、同じ条件(例えばスクレーパー6の先端部とノズル7との距離、スクレーパー6の表面に対する流体の噴出方向などの条件)でノズル7からスクレーパー6に流体を噴出させることができる。
本実施形態では、複数のノズル7は、スクレーパー6の表面に沿って一方向に配列されている。この構成では、複数のノズル7がスクレーパー6の一方向(例えば上下方向、水平方向などの方向)に沿って配列されているので、スクレーパー6の表面における広い範囲に流体を当てることができる。これにより、スクレーパー6の表面にスラッジS2が残存するのを抑制する効果を高めることができる。また、この構成では、例えば複数のノズル7を順番に噴出させる制御、複数のノズル7を同時に噴出させる制御などの種々の制御を行うことが可能になり、スクレーパー6におけるスラッジS2の付着状態に応じたきめ細かい流体噴出条件を設定することができる。
本実施形態では、回転体5に付着したスラッジS2をスクレーパー6によって掻き取るための回転体5の回転動作中にノズル7から流体が噴出される。この構成では、回転体5に付着したスラッジS2をスクレーパー6によって掻き取るための回転体5の回転動作中にノズル7から流体が噴出される。すなわち、回転体5に付着したスラッジS2をスクレーパー6によって剥がすと同時に、その剥がされたスラッジS2がスクレーパー6に付着するのを抑制できる。これにより、スクレーパー6へのスラッジS2の付着の進行を効果的に抑制することができる。
本実施形態では、流体が空気であるので、流体として液体を用いる場合に比べてコストを低減できる。また、遠心分離の用途が例えば処理対象液を回収液とスラッジS2に分離する用途である場合には、流体が液体である処理対象液であると、スラッジS2とともに排出される処理対象液の量が増加するため、液分の回収率(回収液の回収率)が低減する。また、流体が処理対象液以外の液体であると、その液体が回収液に不純物として混入することが考えられる。これに対し、本実施形態では、流体としての空気が回収液に混入するだけであるので、回収液に与える影響を小さくすることができる。
遠心分離機において、表層部62は、フッ素樹脂を含むコーティング層及びフッ素樹脂を含むシートの少なくとも一方を有しているのが好ましい。この構成では、フッ素樹脂の特性を利用することにより、スクレーパー6の表面の摩擦係数を小さくすることができ、その結果、スラッジS2がスクレーパー6の表面に残存するのを抑制することができる。
[変形例]
以上、本考案の実施形態に係る遠心分離機1について説明したが、本考案は、実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、図9は、遠心分離機1の変形例1を示す斜視図である。図10は、遠心分離機1の変形例2を示す斜視図である。図9に示す変形例1では、遠心分離機1は、1つのノズル7のみを備えている。図10に示す変形例2では、遠心分離機1は、複数のノズル7を備えており、複数のノズル7は、水平方向に配列されている。そして、各ノズル7は、例えば下方に向かって流体が噴出される姿勢で配置されている。
1 遠心分離機
5 回転体
6 スクレーパー
6a スクレーパーの先端部
6c スクレーパーの表面
61 本体部
62 表層部
62a フィルム
62b フッ素樹脂層
62c 粘着層
63 支持部
7 ノズル
7a 噴出孔
71 流体配管
72 流体供給機構
73 ノズル支持部材
11 原液タンク
12 処理タンク
13 膜分離ユニット
14 濾過液タンク
15 再生液タンク
100 処理システム
S 処理対象液
S1 再生クーラント(膜濾過液)
S2 スラッジ
本考案の遠心分離機は、回転体と、スクレーパーと、1つ又は複数のノズルとを備える。前記回転体は、処理対象液を遠心分離するためのものである。前記スクレーパーは、遠心分離によって前記回転体に付着したスラッジを前記回転体の内側面に近接又は当接する掻取位置において掻き取るように構成されており前記回転体の内部空間に配置された本体部と、前記本体部の表面に設けられ、前記回転体から掻き取られた前記スラッジが表面に残存するのを抑制する表層部を有する。前記ノズルは、前記回転体の前記内部空間に配置され、前記スクレーパーの前記表面に残存している前記スラッジに、流体供給機構から供給される流体を噴出する。前記表層部は、フッ素樹脂を含むコーティング層及びフッ素樹脂を含むシートの少なくとも一方を有する。
この構成では、スクレーパーの表層部は、例えば上述したスラッジ排出工程において、スクレーパーを回転体の壁面に近接又は当接させた状態で回転体を回転させて回転体の壁面のスラッジをスクレーパーによって掻き取るときに、スラッジがスクレーパーの表面に残存するのを抑制することができる。そして、この構成では、前記表層部は、フッ素樹脂を含むコーティング層及びフッ素樹脂を含むシートの少なくとも一方を有しているので、フッ素樹脂の特性を利用することにより、スラッジがスクレーパーの表面に残存するのを抑制することができる。
前記遠心分離機において、前記流体供給機構を制御する制御部を備えているのが好ましく、前記制御部は、前記回転体に付着した前記スラッジを前記スクレーパーによって掻き取るための前記回転体の回転動作中に前記ノズルから前記流体が噴出されるように前記流体供給機構を制御するのが好ましい。この構成では、回転体を回転させて回転体に付着しているスラッジをスクレーパーによって剥がすと同時に、その剥がされたスラッジがスクレーパーに付着するのをノズルから噴出される流体によって抑制できる。これにより、スクレーパーへのスラッジの付着の進行を効果的に抑制することができる。
前記遠心分離機において、前記流体供給機構を制御する制御部を備えているのが好ましく、前記制御部は、前記回転体に付着した前記スラッジを前記スクレーパーによって掻き取るための前記回転体の回転動作が終了した後に前記ノズルから前記流体が噴出されるように前記流体供給機構を制御してもよい。特に、ノズルからの流体の噴出は、回転体の回転動作中と、この回転動作が終了した後の両方において行われるのがより好ましい。これにより、スクレーパーへのスラッジの付着の進行をさらに効果的に抑制することができる。
前記遠心分離機において、前記流体供給機構から前記ノズルに供給される前記流体が空気であるのが好ましい。この構成では、流体として液体を用いる場合に比べてコストを低減できる。また、遠心分離の用途が例えば処理対象液を回収液とスラッジに分離する用途である場合には、流体が液体である処理対象液であると、スラッジとともに排出される処理対象液の量が増加するため、液分の回収率(回収液の回収率)が低減する。また、流体が処理対象液以外の液体であると、その液体が回収液に不純物として混入することが考えられる。これに対し、本構成では、流体としての空気が回収液に混入するだけであるので、回収液に与える影響を小さくすることができる。

Claims (9)

  1. 処理対象液を遠心分離するための回転体と、
    遠心分離によって前記回転体に付着したスラッジを掻き取るためのものであり、前記回転体から掻き取られた前記スラッジが表面に残存するのを抑制する表層部を有するスクレーパーと、
    前記スクレーパーの前記表面に残存している前記スラッジに流体を噴出する1つ又は複数のノズルと、を備える遠心分離機。
  2. 前記流体は、前記スクレーパーの表面に沿う方向に前記ノズルから噴出される、請求項1に記載の遠心分離機。
  3. 前記回転体の回転軸が上下方向を向いた縦型の遠心分離機であり、
    前記流体は、前記スクレーパーの先端部に向けて前記ノズルから略水平方向に噴出される、請求項2に記載の遠心分離機。
  4. 前記ノズルは、前記スクレーパーに固定されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の遠心分離機。
  5. 前記複数のノズルは、前記スクレーパーの前記表面に沿って配列されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の遠心分離機。
  6. 前記回転体に付着した前記スラッジを前記スクレーパーによって掻き取るための前記回転体の回転動作中に前記ノズルから前記流体が噴出される、請求項1〜5の何れか1項に記載の遠心分離機。
  7. 前記回転体に付着した前記スラッジを前記スクレーパーによって掻き取るための前記回転体の回転動作が終了した後に前記ノズルから前記流体が噴出される、請求項1〜6の何れか1項に記載の遠心分離機。
  8. 前記流体が空気である、請求項1〜7の何れか1項に記載の遠心分離機。
  9. 前記表層部は、フッ素樹脂を含むコーティング層及びフッ素樹脂を含むシートの少なくとも一方を有する、請求項1〜8の何れか1項に記載の遠心分離機。
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