JP7243776B2 - メッシュ体洗浄装置、及びメッシュ体の洗浄方法 - Google Patents

メッシュ体洗浄装置、及びメッシュ体の洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、コークス炉から発生したタールと安水を含む液状物質をコールタールと安水を比重分離して、安水を回収するタールデカンター装置に関する技術、及びメッシュ体洗浄装置に関する。
コークス炉で発生したコークス炉ガス(以下、COGとも記載する)を精製するに際し、コークス炉から発生したガスは冷却及び洗浄される。この冷却及び洗浄の処理は、例えば、ドライメンでガスに安水を散布して冷却した後、液化したタールと安水を含む液状物質とCOGが分離され、COGは、精製工程に送られる。また、COGと分離した液状物質は、タールデカンター装置の分離槽に排出される。
タールデカンター装置に供給された液状物質は、特許文献1に記載のように、分離槽内で、上側の安水層と下側のタール層とに比重分離する。タール層における分離槽の底側に沈殿した固形状態や泥状のスラッジ(タール滓)はスクレーパーによって搬送されて、分離槽の外に排出される。タール層中のタール(油分)は、分離槽の下流側に設けられたタール排出口から排出される。なお、分離槽中のタールはスラッジを含むため、例えば、遠心分離機でスラッジが分離される。
一方、安水層を構成する安水(水分)は、分離槽の下流側に設けられた安水排出口から排出され、安水タンクに収納される。安水タンクに収納された安水は、上記のCOGの冷却処理に再利用される。
特開2013-231123号公報
タールデカンター装置で回収された安水は、再利用されてコークス炉ガスの冷却のために散布される。回収された安水にタールやスラッジ(以下、滓分とも記載する)が混じっていると、安水を噴出するスプレーノズルの閉塞の原因となるおそれがある。従って、タールデカンター装置で回収する安水中に混在している滓分は少ない方が好ましい。
ここで、安水とタールの比重差は小さいため、安水層中の滓分を所定以下に減らそうとすると、比重分離(静置分離)に十分な滞留時間を確保するために、例えば分離槽の長さを長くしたり、複数の分離槽を使用したりするなどの対策が必要となる。
本発明は、上記のような点に着目したもので、必ずしも分離槽を大型化することなく、安水排出口から排出される安水中に含有する滓分を抑えることを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様は、コークス炉から発生したタールと安水を含む液状物質が分離槽の上流側に供給され、供給された液状物質はタール層と安水層に比重分離され、上記安水層中の安水を、下流側に設けた安水排出口から排出するタールデカンター装置であって、上記安水排出口の手前に配置されて、上記安水層に含まれる滓分の上記安水排出口への移動を抑制するメッシュ体を備えることを要旨とする。
また、本発明の他の態様である安水分離方法は、コークス炉ガスの冷却及び洗浄によって生じたタールと安水を含む液状物質廃が分離槽の上流に供給され、供給された液状物質が上記分離槽内でタール層と安水層に比重分離し、比重分離後の安水層を構成する安水が、メッシュ体を介して、下流側に設けた安水排出口から排出されることを要旨とする。
また、本発明の他の態様であるメッシュ体洗浄装置は、滓分を含んだ液層に配置されて上記液層を構成する液体が通過するメッシュ体を洗浄するメッシュ体洗浄装置であって、液体の移動方向下流側から、上記メッシュ体の面に上記液層よりも高温の流体を上記メッシュ体に向けて噴射可能な複数のノズルを備えることを要旨とする。
本発明の態様によれば、安水層中の安水が、メッシュ体を通過してから安水排出口されることで、メッシュ体に安水中に含有していた滓分が捕捉される。この結果、安水排出口から回収される安水中の滓分が低減する。
また、メッシュ体の目に滓分が捕捉されることで、経時的な使用でメッシュ体での流動抵抗が高くなる。これに対し、下流側からメッシュ体の面に安水層(液層)よりも高温の流体(例えば水蒸気)を噴射することで、メッシュ体の目が洗浄されて、メッシュ体の流動抵抗を小さくすることが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係るタールデカンター装置を説明する側面図である。 メッシュ体洗浄装置を説明する、メッシュ体側からみた正面図である。 メッシュ体洗浄装置を説明する側面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
タールデカンター装置は、上述の通り、コークス炉から発生したガスの冷却及び洗浄によって生じた液状物質から、安水とタールを分離するための装置である。
本実施形態のタールデカンター装置1は、図1に示すように、分離槽2、スクレーパー3、及び液状物質供給管6を備える。
分離槽2は、タールデカンター装置1の本体を構成する。本実施形態の分離槽2は、船底型の分離槽となっているが、本発明は、他の構造の分離槽であっても適用することが可能である。
分離槽2の下流側の壁部2C(図1中、右側の壁部)には、安水排出口4及びタール排出口5が設けられている。安水排出口4は、分離槽2内で比重分離された安水層ARA2のある高さの範囲内に形成されている。タール排出口5は、分離槽2内で比重分離されたタール層ARA1の高さの範囲内に形成されている。
なお、分離槽2の上部には天井部2Aが設けられている。
スクレーパー3は、分離槽2の底面2Bに沿って配置されて、上行き側の面に堆積したスラッジを、分離槽2の上流側に搬送し、分離槽2の上流端側に形成されたスラッジ排出口2Eから排出する。
液状物質供給管6は、コールタール及び安水を含んだ液状物質を、分離槽2の上流に導入する管路を構成する。
この液状物質供給管6を通じて、液状物質が分離槽2内に導入される。分離槽2内に導入された液状物質は、分離槽2内で、下側のタール層ARA1と上側の安水層ARA2とに比重分離(静置分離)する。比重分離された、安水層ARA2を構成する安水と、タール層ARA1を構成するタールとは、それぞれ安水排出口4及びタール排出口5から個別に排出される。この排出によって、安水層ARA2を構成する安水とタール層ARA1を構成するタールは、順次、比重分離が生じながら、分離槽2内を上流側から下流側(図1では、左側から右側)に移動する。
ここで、タール層ARA1の界面の高さは、レベル計(不図示)で測定される。そのレベル計の測定値に基づき、タール層ARA1の界面高さが所定高さとなるように、タール排出口5からのタールの排出量が調整される。これによって、安水排出口4及びタール排出口5が、それぞれ安水層ARA2及びタール層ARA1と対向可能な高さ位置となる。
本実施形態のタールデカンター装置1は、メッシュ体10及びメッシュ体洗浄装置20を備える。
メッシュ体10は、例えば金網からなる。メッシュ体10は、金網に限定されずメッシュ状の形状であって安水層ARA2中の滓分7を捕捉可能な物であれば、限定されない。
メッシュ体10の目の大きさは、所定以上のタールやスラッジ等の滓分7が通過しないだけの寸法に設定されている。本実施形態のメッシュ体10は1枚で構成されるが、2枚以上から構成しても良い。
メッシュ体10の目の大きさは、例えば、安水が通過する開口部が0.1mm以上10mm以下とする。安水中の滓分は、タール中の重質分と混ざって粘稠な物質になっているため、開口部よりも小さな滓分であってもある程度捕捉できる。
メッシュ体10は、安水排出口4の手前(分離槽2の下流側位置)に配置される。メッシュ体10は、安水層ARA2に含まれる滓分7の安水排出口4側への移動を抑制する働きを有する。安水層ARA2は、メッシュ体10を境にして、上流側の安水層と下流側の安水層に区画される。
メッシュ体10は、表面を、安水層ARA2の移動方向に交差する方向(例えば直交する方向)に向けて配置され、安水層ARA2の幅方向断面全面を覆うように配置されている。これによって、安水層ARA2を構成する安水は、必ずメッシュ体10を介して安水排出口4側に移動するように構成される。
なお、メッシュ体10の下端部が、タール層ARA1の基準とする界面高さよりも若干下側位置に設定されて、タール層ARA1の界面高さに変動が生じても、安水層ARA2を構成する安水が必ずメッシュ体10を通過してから安水排出口4側に移動するようになっている。
本実施形態では、メッシュ体10の上端部は天井部2Aに支持されている。
また、メッシュ体洗浄装置20は、図2及び図3に示すように、主柱管21とノズル体22と昇降機構とを備える。
主柱管21は、上下に延びる中空の管体から構成される。
ノズル体22は、左右方向に延びる複数のノズルヘッダ23と、その複数のノズルヘッダ23の中央部を連結する支柱管24とを備える。複数のノズルヘッダ23は上下に配列しており、その複数のノズルヘッダ23の中空部が、上下に延びる支柱管24によって連通されている。各ノズルヘッダ23は、左右両端部が分離槽2の左右の側壁2D近傍に位置するだけの長さを有する。下側のノズルヘッダ23は、左右両端部が斜め上方且つ外方に向くように成形されている。
各ノズルヘッダ23には、ノズルヘッダ23の延び方向に沿って複数のノズル25が形成され、各ノズル25から前方(メッシュ体10側)に向けて流体を噴射可能となっている。なお、左右で隣り合うノズル25からの噴射範囲同士に重なりがあるように、ノズル25の左右ピッチを設定する。
支柱管24の中央部には、図3のように、後方に延びる接続部24Aを有する。
また、流体用管路26が、主柱管21の上部開口から当該主柱管21内を下方に向けて同軸に延び、その流体用管路26は、主柱管21の下端部で、主柱管21を前方に向けて貫通している。その前方に延びた流体用管路26の下端部26Aに、ノズル体22の接続部24Aが連結している。以上の管構成によって、流体用管路26の上端部から流体を圧送すると、流体用管路26を介してノズル体22に流体が圧送され、ノズルヘッダ23の各ノズル25から前方に向けて流体が噴射される。
流体用管路26の上端部には、流体圧送用のポンプ27が接続し、その流体ポンプ27を駆動することで、ノズル体22に向けて流体が圧送され、各ノズル25からメッシュ体10に向けて流体が噴射可能となる。
ここで、ノズル体22とメッシュ体10との間の間隔は、各ノズル25からの噴射される流体による圧がメッシュ体10の面に作用出来る距離に設定する。
ノズル体22とメッシュ体10の間の間隔が狭すぎる場合には、ノズル体22にメッシュ体10が接触する可能性があるが、例えばノズル25を、ノズルヘッダ23の前面に形成した穴で形成した場合であれば、ノズル体22を昇降させた際に、ノズル体22がメッシュ体10に引っかかることが抑制される。もっとも、ノズル体22がメッシュ体10に所定以上の圧で接触した状態は、洗浄していない状態のときのメッシュ体10の流通を悪くする原因となるので、ノズル体22とメッシュ体10との接触は少ない方が好ましい。
ノズル体22とメッシュ体10の間の間隔は、例えば5mm以上100mm以下である。
また、ノズル25から噴射させる流体は、安水層ARA2よりも高温の流体(液体若しくは気体)とする。安水層ARA2は、通常70℃程度であるので、噴射させる流体の温度は、80℃以上が好ましい。流体としては、高温の水などの液体でもよいが、気体の方が軽量であり、また安水への影響が少ないなどの点で好ましい。本実施形態では、80℃以上の気体として、水蒸気を使用した。
安水層ARA2よりも高温の流体を使用することで、メッシュ体10に付着したタール(油分)が溶融したりしてメッシュ体10から滓分7を剥がれやすくなる。
ノズル25からの流体の噴射圧は、メッシュ体10の面位置で0.11MPa以上1.00MPa以下が好ましい。
なお、メッシュ体10の洗浄作業は、安水排出口4からの安水の排出を停止した状態で実施し、洗浄後所定時間経過後に安水の排出を再開することが好ましい。もっとも、安水層ARA2の安水は、必ずメッシュ体10を通過するように構成されており、ノズル体22の昇降は、後述の昇降機構を採用することでゆっくりとしたものとなることで、下側のタール層ARA1への攪乱を小さく抑えることができる。このため、メッシュ体10の洗浄をしながら安水の排出を実施しても良い。
昇降機構は、複数のノズル25を構成するノズル体22を上下に昇降させる機構である。
本実施形態の昇降機構は、ノズル体22に対するカウンターウエイト33と、ノズル体22に連結する空気箱31と、空気箱31に空気を圧送可能な空気圧縮装置などの空気圧送装置35と、を備える。
主柱管21の上部は、天井部2Aに設けられた案内部30によって、上下方向にスライド可能に支持されている。案内部30は、主柱管21の上部を上下方向にのみ案内する構成が好ましい。例えば、主柱管21上部外面に上下に延びるキー部を設け、そのキー部で主柱管21の回転を拘束させる。
そして、カウンターウエイト33と、ノズル体22の接続部とがチェーン32によって連結している。チェーン32は、一端32aを接続部に固定されて上方に延び、天井部2Aに回転可能に設けられている滑車34を介して下方に延びて、他端部32bをカウンターウエイト33に固定されている。カウンターウエイト33の質量と、ノズル体22及び支柱管24を主としたメッシュ体洗浄装置20の本体の質量とが釣り合うことで、ノズル体22及び支柱管24が上下に昇降しやすくなっている。
カウンターウエイト33の質量を、メッシュ体洗浄装置20の本体の質量よりも若干、軽く設定しておくとよい。これにより、不使用時に、ノズル体22及び支柱管24が下側の待機位置に位置するようにしている。図2は、その待機位置の状態を示す。
ここで、ノズル体22が自重で下降した際に、図2のように、下側のノズルヘッダ23の両側が分離槽2の側壁2Dに当接してメッシュ体洗浄装置20の本体の下端位置(装置下端の下限位置)が規制される。その装置下端の下限位置は、安水層ARA2とタール層ARA1の下限値近傍、好ましくは安水層ARA2内に位置するように調整することが好ましい。主柱管21の上端部にストッパを設けて、装置下端の下限位置を規制するようにしても良いが、下側のノズルヘッダ23の両側を分離槽2の側壁2Dに当接させて下方への移動を規制する方が簡易な構成となる。
空気箱31は、主柱管21の下端部に固定される。空気箱31の上部は、主柱管21内と連通している。本実施形態の空気箱31は、底部が開放された形状となっている。
主柱管21内(主柱管21の内壁と流体用管路26の外壁との間の空間)は、空気箱31に空気を圧送可能な通路を形成し、主柱管21の上部側壁部には、空気圧送装置35に接続する継手部が形成されている。そして、空気圧送装置35を間欠的に、例えば周期的に駆動することで、支柱管24及び支柱管24に連結するノズル体22が昇降を繰り返すことが可能となっている。すなわち、空気圧送装置35を駆動して空気を圧送すると、空気箱31に空気が導入され、その浮力によって、支柱管24及びノズル体22が上昇し、空気圧送装置35の駆動を停止すると、空気箱31内の空気が漏れて且つ空気箱31の下側から流体が入りこむことで、空気箱31による浮力が小さくなって、支柱管24及びノズル体22が下降する。このように、空気圧送装置35を間欠的に駆動制御することで、支柱管24及びノズル体22が上下動する。空気箱31の空気を排気するための空気抜きバルブなどを、空気圧送装置35から空気を圧送するラインに設けてもよい。
ここで、昇降機構は、上記のカウンターウエイト33と浮力を利用した機構である必要はない。昇降機構は、油圧シリンダ装置などの公知の機構で支柱管24を昇降させるようにしても良い。
(動作その他)
コールタール及び安水を含んだ液状物質が、分離槽2に導入され、上側の安水層ARA2と下側のタール層ARA1とに比重分離(静置分離)する。比重分離した安水層ARA2を構成する安水には、タール(油分)やスラッジ等の滓分7が混入しているおそれがあるが、安水層ARA2を構成する安水がメッシュ体10を通過することで、所定以上の大きさの滓分7がメッシュ体10に捕捉される.この結果、メッシュ体10の設置位置よりも下流に位置する安水層ARA2には、所定以上の大きさの滓分7が除去された状態となっている。そのような状態の安水層ARA2を構成する安水が、安水排出口4から排出され、再利用される。
このようにメッシュ体10を設けることで、再利用される安水に混入するタールやスラッジ等の滓分7が大幅に濾過されると共に、残留している滓分7の粒径も小さい。これによって、コークス炉ガス冷却に回収された安水を使用しても、冷却用のスプレーノズルの閉塞を抑制可能となる。
また、メッシュ体10を長時間使用していると、メッシュ体10へのタール(油分)やスラッジ等の付着が多くなる。そして、経時的な使用でメッシュ体10が目詰まりを起こすと、安水が流れず、タール層ARA1中に安水を巻き込んでしまうおそれがある。
これを防止するために、定期的にメッシュ体洗浄装置20を作動させて、ノズル体22を昇降させながら複数のノズル25から高温の流体をメッシュ体10に吹き付ける。これによって、メッシュ体10に付着した滓分7を、高温の流体で溶融して剥がれ易くすると共に噴射圧で分離槽2の上流側に向けて剥がす。これによって、メッシュ体10の洗浄が行われる。
ここで、上記のメッシュ体洗浄装置20を使用せずに、分離槽2内のメッシュ体10の洗浄を、作業者が手作業で行う場合には、例えば、作業者が天井部2Aに形成した開口部に専用の治具を入れ、蒸気をメッシュ体10に向けて噴射して詰まりを除去する。
しかしながら、メッシュ体10の洗浄中に作業者が天井部2Aの開口部から漏れる臭気を吸い込んでしまうので、安全衛生上好ましくない。ここで、タールは特定化学物質第2類である。また、開口部は、人一人が入れるくらいの大きさとする必要があり、転落した場合には重大災害が発生するリスクがあるため、命綱が必須となる。また開口部から物を落とした場合、分離槽の底部に溜まったタールスラッジを掻き揚げるスクレーパー3に噛みこんでしまい、タールデカンター装置の操業を停止してしまうリスクがある。また、重量がある治具を、作業者が分離槽内で上下左右に動かさなくてはならないため、作業時間が掛かり、難作業の一つとなる。
これに対し、本実施形態では、上記のメッシュ体洗浄装置20を採用することで、より安全に効率よくタールデカンター装置内のメッシュ体10の詰まりを除去することが可能となる。
ここで、メッシュ体10の洗浄は、タールデカンター装置の使用中は、毎日行う必要があった。上記のように手作業で行った場合、メッシュ体10の洗浄に20~30分程度は要したが、上記のメッシュ体洗浄装置20を使用した場合、約5分程度で洗浄が出来ることを確認した。
(その他)
上記説明では、分離槽2内の安水層ARA2から滓分7を分離除去する構成を例に挙げて説明している。滓分7を含んだ液層に配置されて、液層を構成する液体をメッシュ体10に通過させて濾過する槽構成に対して、上記のメッシュ体洗浄装置20を採用しても良い。
また、本実施形態は、分離槽2にメッシュ体洗浄装置20を設けない構成としても良い。
(効果など)
(1)本実施形態は、タールデカンター装置1において、安水排出口4の手前に配置されて、安水層ARA2に含まれる滓分7の安水排出口4への移動を抑制するメッシュ体10を備える。
この構成によれば、安水層ARA2中の安水が、メッシュ体10を通過することで滓分7が濾過されてから安水排出口4から排出される。すなわち、メッシュ体10によって安水中に含有していた滓分7がメッシュ体10の目に捕捉される。この結果、安水排出口4から回収される安水中の滓分7が低減する。また、回収された安水中の滓分7の大きさがメッシュ体10の目の大きさ未満に抑えることができる。
(2)メッシュ体10の安水排出口4側の面に対向配置し、安水層ARA2よりも高温の流体をメッシュ体10に向けて噴射可能な複数のノズル25を備えたメッシュ体洗浄装置20を備える。
メッシュ体10の目に滓分7が捕捉されることで、経時的な使用でメッシュ体10での流動抵抗が高くなる。
これに対し、この構成によれば、下流側からメッシュ体10の面に安水層ARA2(液層)よりも高温の流体(例えば蒸気)を噴射することで、メッシュ体10に付着した油分が溶融しやすくなり、更に、噴射圧で、滓分7が上流側に向けてメッシュ体10から剥がれ、メッシュ体10が洗浄される。この結果、メッシュ体10の流動抵抗を小さくなる。
(3)ノズル25から噴射させる流体は、蒸気であることが好ましい。
この構成によれば、気体である蒸気を使用することで、流体の軽量化を図ることが出来ると共に、簡易に高温の流体を用いることが可能となる。
(4)メッシュ体洗浄装置20は、複数のノズル25を上下に昇降させる昇降機構を備える。
この構成によれば、メッシュ体10全体の洗浄が可能となる。
なお、例えば、メッシュ体10の目毎にノズル25を配置しようとすると、ノズル体22によって安水層ARA2の移動を妨げる可能性があり、好ましくない。これに対し、昇降させることで、上下のノズル25間のピッチを大きく設定でき、ノズル体22の軽量化も図れる。
(5)昇降機構は、複数のノズル25を備えたノズル体22に対するカウンターウエイト33と、複数のノズル25に連結する空気箱31と、空気箱31に空気を圧送可能な空気圧送装置35と、を備える。
この構成よれば、簡易な構成で、複数のノズル25を構成するノズル体22を簡単に昇降させることができる。
1 タールデカンター装置
2 分離槽
2A 天井部
3 スクレーパー
4 安水排出口
5 タール排出口
6 液状物質供給管
10 メッシュ体
20 メッシュ体洗浄装置
21 主柱管
22 ノズル体
23 ノズルヘッダ
24 支柱管
25 ノズル
26 流体用管路
31 空気箱
33 カウンターウエイト
ARA1 タール層
ARA2 安水層

Claims (4)

  1. 滓分を含んだ液層に配置されて上記液層を構成する液体が通過するメッシュ体を洗浄するメッシュ体洗浄装置であって、液体の移動方向下流側から、上記メッシュ体の面に上記液層よりも高温の流体を上記メッシュ体に向けて噴射可能な複数のノズルと、
    上記複数のノズルを上下に昇降させる昇降機構と、を備え、
    上記昇降機構は、上記複数のノズルを備えたノズル体に対するカウンターウエイトと、上記複数のノズルを備えたノズル体に連結する空気箱と、上記空気箱に空気を圧送可能な空気圧送装置と、
    を備えることを特徴とするメッシュ体洗浄装置。
  2. 滓分を含んだ液層に配置されて上記液層を構成する液体が通過するメッシュ体を洗浄するメッシュ体洗浄装置であって、液体の移動方向下流側から、上記メッシュ体の面に上記液層よりも高温の流体を上記メッシュ体に向けて噴射可能な複数のノズルを備え
    上記滓分を含んだ液層は、コークス炉から発生したタールと安水を含む液状物質をタール層と安水層に比重分離してなる上記安水層である、
    ことを特徴とするメッシュ体洗浄装置。
  3. 上記液層よりも高温の流体は、蒸気であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したメッシュ体洗浄装置。
  4. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載のメッシュ体洗浄装置を用いるメッシュ体の洗浄方法。
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