JP3189965U - 包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】まな板としても使用でき、食材を載置するのに必要な面積と同程度の底面積を有する包装容器を提供する。
【解決手段】この考案の包装容器1は、発泡樹脂シートを成形してなり、略四角形の底板部2と、底板部2の周縁から立設して開口部を画定する短辺側側壁部3a、長辺側側壁部3bとを備えている。また、長辺側側壁部3bと底板部2との境界に溝4が設けられており、溝4は短辺側側壁部3aにまで延在している。さらに、まな板としても使用できるように、底板部2の開口部側に成型後の発泡樹脂シートよりも硬い硬質層が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】この考案の包装容器1は、発泡樹脂シートを成形してなり、略四角形の底板部2と、底板部2の周縁から立設して開口部を画定する短辺側側壁部3a、長辺側側壁部3bとを備えている。また、長辺側側壁部3bと底板部2との境界に溝4が設けられており、溝4は短辺側側壁部3aにまで延在している。さらに、まな板としても使用できるように、底板部2の開口部側に成型後の発泡樹脂シートよりも硬い硬質層が設けられている。
【選択図】図1
Description
この考案は、まな板としても使用できる包装容器に関する。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、食肉などの食材を包装するために発泡スチロールなどの発泡樹脂シートを一体成型した包装容器が広く使用されている。そして、消費者は、包装容器に包装された状態の食材を購入して、自宅に搬送したのち、包装容器から食材を取り出し、まな板の上で包丁等を使用して切断等の調理をしている。
さて、包装容器に包装される食品の中でも肉類、魚類は、バクテリア等が発生しやすいので、調理に使用したまな板に臭いが残りやすい。そのため、これらの食材を調理したまな板を調理の度に洗浄して消毒するか、肉類用、魚類用、野菜用と食材別に専用のまな板を用意してまな板を交換しながら調理する必要があった。
これらの手間を省くため、まな板を使用することなく、食材を包装容器に入れたまま調理する方法が従来から考えられている。例えば、粒子材料を包装容器の底面にブレード塗工、スプレー塗工等で被覆し、耐切断性を向上させた食品容器が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記食品容器には次に掲げるような問題点があった。具体的には、包丁等で食材を調理する場合に、食品容器の底板部から立設した側壁部に包丁が当接し、食材を切断することが困難である、との問題点があった。
この問題点を回避するため、食品容器の底面積を大きくして、包丁等を操作するスペースを確保することも考えられた。ただ、食品容器の底面積を大きくしても、食品容器の生産に使用する樹脂の量が多くなる、搬送中に食品容器中で食材が偏って痛む、食品容器から食材を取り出したあとの廃棄物の量が増大する、との問題点が生じるため、実用性がなかった。
そこで、この考案は、まな板としても使用でき、食材を載置するのに必要な面積と同程度の底面積を有する包装容器を提供することを課題とする。
この考案の包装容器は、発泡樹脂シートを成形してなり、略四角形の底板部と底板部の周縁から立設して開口部を画定する側壁部とを備えた包装容器であって、対向する側壁部の少なくとも一組と底板部との境界に溝が設けられ、かつ、溝が他の一組の側壁部にまで延在しているとともに、底板部の開口部側に成型後の発泡樹脂シートよりも硬い硬質層が設けられているものである。
なお、この考案の包装容器は、硬質層が側壁部にも設けられていてもよい。また、この考案の包装容器は、底板部の四辺が溝で囲まれていてもよい。
この考案の包装容器は、対向する側壁部の少なくとも一組が底板部から分離又は折り曲げられるので、包装容器から側壁部を分離又は折り曲げれば、食品を切断する際に包丁などが側壁部に当接しない。また、底板部の開口部側に発泡樹脂シートよりも硬い硬質層が設けられているので、底板部の上で食材に切断等の調理をしても包装容器は破損しない。そのため、包装容器の側壁部を分離又は折り曲げれば、食材を包装容器に入れたまま、まな板を使用せずに調理できる。
また、この考案の包装容器は、側壁部を分離又は折り曲げれば包丁等を操作するスペースが確保できるので、底板部の面積は食材を載置ために必要な面積と同程度であればよい。そのため、この考案の包装容器は、少ない樹脂量で製造でき、環境にもやさしい。
以下、この考案について実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、この考案の実用新案登録請求の範囲は、以下の実施例によって如何なる意味においても制限されない。
(1) 包装容器
図1は、実施例1に係る包装容器1の斜視図である。また、図2は、同包装容器1の平面図である。図1及び図2に示すように、この実施例に係る包装容器1は、発泡樹脂シート5を真空成型や圧空成型等の公知の成型方法によって成型したものであり、食材を載置するための底板部2と、底板部2の外周から立設する短辺側側壁部3a及び長辺側側壁部3bとを備えている。
底板部2は略長方形であり、短辺側側壁部3a及び長辺側側壁部3bは、上方に向かって拡大するように傾斜がつけられ、包装容器1の開口部を画定している。また、底板部2の対向する長辺とこれに平行する長辺側側壁部3bとの境界には溝4が設けられており、溝4は短辺側側壁部3aの上部まで延在している。
図3(a)は、図2のA−A線断面図であり、図3(b)は、図2のB−B線断面図である。図3(a)、図3(b)に示すように、包装容器1は、発泡樹脂シート5と、その両面に設けられた保護シート6a、6bとを備えている。また、底板部2の開口部側、発泡樹脂シート5と保護シート6aの間には硬質層7が設けられている。
発泡樹脂シート5としては、食品の包装容器に使用する公知の発泡樹脂シートであって、人手で容易に割れるものであれば特に限定することなく使用できる。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂などの発泡樹脂シートが例示できる。
保護シート6a、6bとしては、食品の包装容器に使用する公知の樹脂シートであって、人手で容易に割れるものであれば特に限定することなく使用できる。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリ塩化ビニル等のシートが例示できる。
なお、発泡樹脂シート5と保護シート6a、6bは、同一の材料から製造するほうが好ましい。これは、同一の材料で構成することにより、発泡樹脂シート5と保護シート6a、6bとの密着性が向上し、包装容器1をリサイクルし易くなるからである。
硬質層7としては、成型後の発泡樹脂シート5よりも硬く、まな板として使用可能な程度の硬さがあるもの、例えば、銀、亜鉛、銅、アルミニウム等からなる金属薄板、公知の樹脂板を特に限定することなく使用できる。また、特許文献1に記載の発明のような発泡樹脂シートの表面に硬質層を設ける公知の方法を使用して、硬質層7を発泡樹脂シート5又は保護シート6aの何れかに設けてもよい。
前記の樹脂板として、具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−プロビレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂の板が例示できる。
なお、これらの樹脂板は、抗菌性能を付与するため、製造する際に樹脂に無機系抗菌剤等を添加してもよい。このような無機系抗菌剤として、具体的には、銀、亜鉛、銅、アルミニウム等の抗菌性金属、又はシリカ、ゼオライト等のセラミックが例示できる。
このようにして構成された包装容器1は、溝4に沿って長辺側側壁部3bを裏面側に折り返して切断することにより、長辺側側壁部3bを分離できる。図4は、長辺側側壁部3bを分離した包装容器1の斜視図であり、この図に示すように、切断後の包装容器1は、底板部2と短辺側側壁部3aから構成された皿形状となる。
皿形状となった包装容器1の底板部2に載置された食材を調理する際には、食材にナイフや包丁を押接し、長辺と垂直な方向に動かしながら切断などの調理をする。この際、包装容器1の長辺側側壁部3bが分離されているので、ナイフや包丁と当接することがなく、作業性が向上する。また、長辺側側壁部3bが分離されているので、ナイフや包丁を左右方向に移動できる距離が大きくなり、短辺側側壁部3aを切断した場合よりも作業性が向上する。
(2)包装容器の製造方法
図5は、実施例1に係る包装容器1の製造方法の一部を例示する概略図である。なお、包装容器1は、(a)発泡樹脂シート等の原反を準備する準備工程と、(b)原反を積層する積層工程と、(c)積層シートを成型する成型工程と、(d)積層シートから包装容器を切断して切り離す切断工程等によって製造する。そこで、各工程について、以下に説明する。
(a)準備工程
準備工程は、発泡樹脂シート5、保護シート6a、6bを、引っ張りながらロール状に巻いた発泡樹脂シートの原反15、保護シート6aの原反16a及び保護シート6bの原反16bを準備する工程である。
なお、発泡樹脂シート5は、例えば、発泡剤を有する樹脂組成物を加熱溶融した状態で円環形状の孔から発泡押出して、円環状の樹脂発泡体を成型し、成型した円環状の樹脂発泡体をシート状に切り開いたものである。
また、保護シート6a、6bは樹脂組成物をシート状に延伸したものであり、保護シート6aの一面には硬質層7が設けられている。なお、硬質層7はその材質に応じて様々な方法で設けることができる。
例えば、硬質層7がポリオレフィン系樹脂シートである場合は、ポリオレフィン系樹脂からなるホットメルト系接着剤で硬質層7を保護シート6aに固着してもよく、硬質層7と保護シート6aを熱圧着してもよい。
(b)積層工程
積層工程は、準備工程で準備した原反を積層する工程である。具体的には、図5に示すような手順で、発泡樹脂シート5等を積層する。まず、原反15から発泡樹脂シート5を引出すとともに、発泡樹脂シート5の上面に硬質層7が接するように原反16aから保護シート6aを引出し、発泡樹脂シート5の下面に接するように原反16bから保護シート6bを引出す。
つぎに、引出した発泡樹脂シート5、保護シート6a及び6aを重ね合わせたのち、熱ロール圧着機20a、20bの間を通過させる。最後に、重ね合わせたシートを熱ロール圧着機20a、20bによって上下より熱圧着して、保護シート6a、硬質層7、発泡樹脂シート5及び保護シート6bが積層された積層シートを得る。
(c)成型工程
成型工程は、積層シートを包装容器1の形状に成型する工程である。具体的には、図5に示すように、包装容器1の溝4に対応する位置に凸部を有する上型21aと下型21bを積層シートの上下より押圧し、真空成型又は圧空成型により包装容器1を成型する。
なお、図6は、図5の包装容器1を成型した後の積層シートの平面図である。図6に示すように、上型21aによって包装容器1の内部には、溝4が積層シートの長手方向に対して直交する方向に成型されている。
また、発泡樹脂シート5は、その内部の気泡が発泡樹脂シート5の長手方向に延伸されるため、長手方向よりも長手方向と直交する方向に折れやすいという特質(異方性)を有する。そこで、包装容器1の長手方向を発泡樹脂シート5の長手方向と直交する方向に一致させれば、包装容器1の長辺側側壁部3bを分離又は折り曲げる際に、溝4を起点として長辺側側壁部3bを容易に分離又は折り曲げられる。
(d)切断工程
切断工程は、成型された包装容器1を積層シートの他の部分から切断して切り離す工程である。具体的には、刃を有する上下の型の間に成型済の積層シートを通過させて、積層シートの上下より押圧して切断し、切断された包装容器1を空気で吹飛ばして切り離す。
図7は、実施例2に係る包装容器1の平面図である。また、図8(a)は図7のC−C線断面図であり、図8(b)はD−D線断面図である。図8(b)に示すように、硬質層7は、発泡樹脂シート5の上面に、底板部2から短辺側側壁部3aまで連続して設けられている。このように溝4に沿って硬い硬質層7が設けられているので、実施例2に記載の包装容器1は、長辺側側壁部3bをより容易に分離できる。なお、実施例2に記載の包装容器1は、硬質層7の形状を変えることによって、実施例1と同様の方法により製造できる。
図9は、実施例3に係る包装容器1の斜視図である。また、図10は同包装容器1の平面図である。図9及び図10に示すように、包装容器1の底板部2の対向する短辺とそれと平行する短辺側側壁部3aの境界には、溝24が設けられている。すなわち、底板部2は溝4及び溝24によって周囲が囲まれている。
実施例3に係る包装容器1は、長辺側側壁部3bに加えて短辺側側壁部3aも底板部2から分離できるので、底板部2に載置された食材をナイフや包丁等で切断する際に、実施例1の包装容器に比べて任意の方向にナイフや包丁等を動かすことができ、作業性がより向上する。なお、実施例3に記載の包装容器1は、成型工程における上型21aの形状を変えることにより、実施例1と同様の方法により製造できる。
実施例1から実施例3の収納容器1では、力を加えることによって、溝4で底板部2と側壁部3とを分離した。これとは異なり、使用者の力の加え方よって、溝4で底板部2と側壁部3とを折り曲げて使用してもよい。この場合、図1に示す実施例1では硬質層7は底板部2にのみ設けられていたが、長辺側側壁部3bにも硬質層7が設けられる構成としてもよい。
図11は、このような構成を有する実施例4の収容容器1の底板部2と長辺側側壁部3bとの間に加える力を加減して、長辺側側壁部3bを折り曲げた結果の一例を示す平面図である。この図に示すように、短辺側側壁部3aは、短辺側側壁部3aに形成された溝部4で破断されるが、長辺側側壁部3bは、溝部4で折り曲げられるだけで、底板部2から分離しない。
そのため、収納容器1に鶏肉ブロックのように折り曲げて収納されている食材が収納されている場合、食材を長辺側側壁3bの上まで広げられるので、底板部2に加えて長辺側側壁部3bもまな板として使用でき、作業性がより向上する。なお、実施例4に記載の包装容器1は、硬質層7の形状を変えることによって、実施例1と同様の方法により製造できる。
前記の実施例に加えて、この考案の包装容器は、実用新案登録請求の範囲に記載した範囲内において、必要に応じて様々な変更を加えてもよい。例えば、実施例1〜4に記載の包装容器1の底板部2の形状は略長方形であるが、底板部2の形状はこれに限定されず、略正方形や略扇型等の略四角形であってもよい。
また、包装容器1が保護シート6a、6bを備えておらず、発泡樹脂シート5と硬質層7のみから構成されていてもよい。さらに、溝4を底板部2の開口部側ではなく、その反対側(包装容器1の底面側)に設けてもよく、溝4の形状が連続線ではなく、点線であってもよい。
この考案の包装容器は、その側壁部を容易に分離又は折り曲げることができるので、その底板部に載置した食材を、ナイフや包丁等を側壁に当接せずに切断できる。そのため、この包装容器は、まな板の替わりに使用することができ、食材が変わる度にまな板を洗浄・消毒する手間や食材に応じてまな板を交換する手間を省くことができる。
1 包装容器
2 底板部
3 側壁部
3a 短辺側側壁部
3b 長辺側側壁部
4 溝
5 発泡樹脂シート
6a 保護シート
6b 保護シート
7 硬質層
15 発泡樹脂シート原反
16a 保護シート6aの原反
16b 保護シート6bの原反
20a 熱ロール圧着機
20b 熱ロール圧着機
21a 上型
21b 下型
24 溝
2 底板部
3 側壁部
3a 短辺側側壁部
3b 長辺側側壁部
4 溝
5 発泡樹脂シート
6a 保護シート
6b 保護シート
7 硬質層
15 発泡樹脂シート原反
16a 保護シート6aの原反
16b 保護シート6bの原反
20a 熱ロール圧着機
20b 熱ロール圧着機
21a 上型
21b 下型
24 溝
Claims (3)
- 発泡樹脂シートを成形してなり、略四角形の底板部と底板部の周縁から立設して開口部を画定する側壁部とを備えた包装容器であって、
対向する側壁部の少なくとも一組と底板部との境界に溝が設けられ、かつ、溝が他の一組の側壁部にまで延在しているとともに、底板部の開口部側に成型後の発泡樹脂シートよりも硬い硬質層が設けられている包装容器。 - 硬質層が、側壁部にも設けられている請求項1に記載の包装容器。
- 底板部の四辺が溝で囲まれている請求項1に記載の包装容器。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3189965U true JP3189965U (ja) | 2014-04-10 |
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