JP3189944B2 - 共焦点用光スキャナ - Google Patents

共焦点用光スキャナ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロレンズを付加
したニポウ方式の共焦点用光スキャナに関し、特に広視
野で高NA(NAは開口数)の共焦点系を実現するため
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロレンズを付加したニポウ方式の
共焦点用光スキャナとしては、例えば本願出願人による
特許出願である特願平4−15411号(特開平5−6
0980号)「共焦点用光スキャナ」に記載の共焦点用
光スキャナがある。図5はその共焦点用光スキャナを用
いた共焦点顕微鏡の構成例である。図において、10は
共焦点用光スキャナ、41は対物レンズ、42は試料、
43は集光レンズ、44はカメラである。
【0003】共焦点用光スキャナ10は、ディスクユニ
ット11と、ビームスプリッタ12aと、ディスクユニ
ット11を一定速度で回転するモータ13より構成され
ている。ディスクユニット11は、集光ディスク14
と、ピンホールディスク15と、連結手段であるドラム
16から構成されている。
【0004】集光ディスク14は、図6(イ)に示すよ
うに、ガラス基板141の片面に複数の集光手段(ここ
ではフレネルレンズ)142が形成され、その焦点位置
が一画面分ずつ半径方向にPr だけ順次ずれるように形
成されている。ビンホールディスク15は図6の(ロ)
に示すように基板151に複数の微小開口(ここではピ
ンホール)PHが形成されたもので、複数のピンホール
PHは半径方向にPr (周方向にPθ)だけ順次ずらせ
て形成されている。
【0005】ドラム16は、前記集光ディスク14とピ
ンホールディスク15をフレネルレンズの焦点位置にそ
れぞれピンホールPHが配置されるように連結する。ビ
ームスプリッタ12aは、図示しない保持手段により集
光ディスク14とピンホールディスク15の間に保持さ
れている。
【0006】共焦点用光スキャナ10から出射されたレ
ーザ光は対物レンズ41で集束され試料42に照射され
る。試料42から戻った光は再び対物レンズ41を通
り、共焦点用光スキャナ10のピンホールPH上に集束
し、ここに試料表面の実像が得られる。ピンホールPH
を通過した光はビームスプリッタ12aで反射し集光レ
ンズ43を通ってカメラ44の受像面に照射される。モ
ータ13を駆動してディスクユニット11を回転させる
ことにより、試料42の表面が光走査され、試料表面の
画像をカメラで観測することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
共焦点顕微鏡においては視野を広くするために焦点距離
が長く、NA(開口数)の小さなマイクロレンズを使用
せざるを得なかったが、次のような問題があった。
【0008】(1) 焦点距離が短く高NAの一般的なマイ
クロレンズを利用できず、高価であった。 (2) 広視野で高NAの測定系とすることが困難である。
例えばIC表面などの広い範囲を低倍率で見る場合、通
常の低倍率対物レンズでは低NAであり、十分なスライ
ス像が得られない。広視野で高NAとするには、小さい
ピンホールと大きなNAのマイクロレンズが必要となる
が、実現困難である。 (3) 市販の落射蛍光顕微鏡で使用されている反射励起型
のダイクロイックミラーは長波長を透過し、短波長を反
射するが、上記共焦点顕微鏡では短波長を透過し、長波
長を反射する構造となっているため、市販品を流用でき
ない。
【0009】本発明の目的は、このような点を解消する
もので、マイクロレンズとピンホールの間にリレー系を
構成し、ビームスプリッタとして従来の短波長透過励起
型ではなく市販の落射蛍光顕微鏡で使用されている短波
長反射励起型のダイクロイックミラーを使用することの
できる共焦点顕微鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明では、複数の微小開口を有するピンホー
ルディスクと、複数の集光手段が形成された集光ディス
クと、前記複数の集光手段の焦点位置に前記微小開口が
それぞれ配置されるように前記ピンホールディスクと集
光ディスクを連結する連結手段から成るディスクユニッ
トと、このディスクユニットを回転させる回転手段を備
え、前記微小開口を通過した照射光を対物レンズを介し
て試料に照射し、試料面を光走査する共焦点用光スキャ
ナであって、前記集光ディスクとピンホールディスクの
光路間に、前記集光ディスクとピンホールディスクの回
転軸に対して集光手段と微小開口の光軸よりも外周側に
配置され入射光と戻り光の光路を分岐する短波長反射励
起型のダイクロイックミラーと、少なくとも1つのリレ
ー光学系と、少なくとも2枚の反射ミラーを備え、前記
集光手段として、焦点距離が短く高NAのマイクロレン
ズを使用したことを特徴とする。
【0011】
【作用】ミラーで光軸を外周側へ導き、他のミラーで再
びピンホールへ戻す。このとき、リレーレンズにより光
路長を伸ばしている。これにより、マイクロレンズは焦
点距離の短いものでも使用でき、また、ビームスプリッ
タとしては市販のダイクロイックミラーが使用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を詳しく
説明する。図1は本発明に係る共焦点顕微鏡における光
スキャナ部分の一実施例を示す構成図である。なお、図
5と同等部分には同一符号を付し、その部分の説明は省
略する。図1において、M1 ,M2 ,M3 はそれぞれ第
1、第2、第3の反射ミラー、L1 ,L2 は第1および
第2のリレーレンズである。
【0013】集光ディスク14のマイクロレンズMLを
通った光は第1のミラーM1 で反射し、第1のレンズL
1 により絞られてビームスプリッタ(ここではダイクロ
イックミラー)12に入射する。この入射光は短波長で
ありダイクロイックミラー12で反射し、その後ミラー
2 で反射して第2のレンズL2 により絞られ、第3の
ミラーM3 で反射してピンホールディスク15のピンホ
ールPH上に集束する。
【0014】ピンホールPHに集束した光は従来と同様
に対物レンズ41を通り試料42に照射される。試料か
らの戻り光は対物レンズ41を通りピンホールPH上に
結像する。この実像は第3のミラーM3 で反射し、第2
のレンズL2 で絞られ第2のミラーM2 で反射しビーム
スプリッタ12を透過した後集光レンズ43で絞られカ
メラ44の受像面に集束する。
【0015】なお、ミラーM1 ,M2 ,M3 、レンズL
1 ,L2 、ビームスプリッタ12、集光レンズ43、お
よびカメラ44は固定配置されている。この場合、各マ
イクロレンズMLから対応するピンホールPHまでの各
光路長はすべて同じである。
【0016】このように、反射ミラーM1 で光軸をディ
スク14,15の外周側へ導き、第2および第3のミラ
ーM2 ,M3 でピンホールPHへ戻すようにリレーレン
ズL1 ,L2 で距離を伸ばしているため、マイクロレン
ズMLは焦点距離の短いものでも使用できる。
【0017】なお、本実施例のビームスプリッタ12は
入射光を反射し戻り光を透過させているので、ビームス
プリッタ12に代えて入射光を反射し戻り光を透過させ
るタイプのダイクロイックミラーを使用することができ
る。また、マイクロレンズMLとしては、光ファイバ用
等で市販されている短焦点のマイクロレンズを使用する
こともできる。
【0018】このような構造によれば、焦点距離が短
く、高NAのマイクロレンズが使用でき、マイクロレン
ズのNAとピンホールへ入射するNAを個別に設計する
ことができる。
【0019】図2は本発明の他の実施例構成図である。
図1と異なるところは、第2のレンズL2 を第3のミラ
ーM3 とピンホールディスク15の間に配置し、高NA
の対物レンズに対応するように構成した点である。例え
ば、一般的な共焦点顕微鏡では10倍の倍率で対物レン
ズの開口数は通常0.2であり、したがってピンホール
部のNAは0.2/10=0.02である。この場合ピ
ンホール径は30μmである。これに対し、高NAすな
わち倍率が10倍で、対物レンズのNAが0.9の場合
には、ピンホール部のNAが0.09で、ピンホール径
は7μmとなる。このように図2の構成により、小さい
ピンホールと大きなNAのマイクロレンズを使用して高
NAの対物レンズに対応させることができる。
【0020】図3は本発明の更に他の実施例を示す構成
図である。図1の構成と異なるところは、第2のミラー
2 を除去し、ミラーを2枚(M1 とM3 )とした例で
ある。また、図4に示す実施例は、図1において第2の
レンズL2 を除去した構成に相当するものである。
【0021】なお、本発明の以上の説明は、説明および
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明はその本質から逸脱せずに多くの
変更、変形をなし得ることは明らかである。例えば、ビ
ームスプリッタ12としては、前述のように蛍光用の共
焦点顕微鏡用ではダイクロイックミラーが使用できる
が、反射測定用の共焦点顕微鏡ではハーフミラーや偏光
ビームスプリッタを使用することもできる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、マ
イクロレンズとピンホールの間にミラーおよびレンズを
挿入することにより光源側のマイクロレンズのNAとピ
ンホール側のNAを個別に設計できるため、小さいピン
ホールと、焦点距離が短く高NAのマイクロレンズを使
用でき、広視野で高NAの測定系を容易に実現すること
ができる。また、マイクロレンズからピンホールまでの
光路長をリレーレンズにより伸ばしており、ビームスプ
リッタに代えて反射励起型のダイクロイックミラーを使
用することができ、波長特性が十分で、低価格な共焦点
顕微鏡を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共焦点用光スキャナの一実施例を
示す構成図
【図2】本発明の他の実施例を示す構成図
【図3】本発明の更に他の実施例を示す構成図
【図4】本発明の更に他の実施例を示す構成図
【図5】従来の共焦点用光スキャナの一例を示す構成図
【図6】図5に示す集光ディスクとピンホールディスク
の詳細を説明する図である。
【符号の説明】
12 ビームスプリッタ 14 集光ディスク 15 ピンホールディスク 41 対物レンズ 42 試料 43 集光レンズ 44 カメラ ML マイクロレンズ PH ピンホール M1 第1のミラー M2 第2のミラー M3 第3のミラー L1 第1のレンズ L2 第2のレンズ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の微小開口を有するピンホールディス
    クと、複数の集光手段が形成された集光ディスクと、前
    記複数の集光手段の焦点位置に前記微小開口がそれぞれ
    配置されるように前記ピンホールディスクと集光ディス
    クを連結する連結手段から成るディスクユニットと、こ
    のディスクユニットを回転させる回転手段を備え、前記
    微小開口を通過した照射光を対物レンズを介して試料に
    照射し、試料面を光走査する共焦点用光スキャナであっ
    て、 前記集光ディスクとピンホールディスクの光路間に、
    記集光ディスクとピンホールディスクの回転軸に対して
    集光手段と微小開口の光軸よりも外周側に配置され入射
    光と戻り光の光路を分岐する短波長反射励起型のダイク
    ロイックミラーと、少なくとも1つのリレー光学系と、
    少なくとも2枚の反射ミラーを備え、 前記集光手段として、焦点距離が短く高NAのマイクロ
    レンズを使用したことを特徴とする共焦点用光スキャ
    ナ。
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