JP3189673B2 - メタルハライドランプ - Google Patents

メタルハライドランプ

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JP3189673B2 JP09948496A JP9948496A JP3189673B2 JP 3189673 B2 JP3189673 B2 JP 3189673B2 JP 09948496 A JP09948496 A JP 09948496A JP 9948496 A JP9948496 A JP 9948496A JP 3189673 B2 JP3189673 B2 JP 3189673B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、始動用外部補助電
極を備えたショートアーク型のメタルハライドランプに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ショートアーク型のメタルハライドラン
プは、電極間距離が例えば10mm以下の一対の電極を
備えた発光管内に、水銀、始動用希ガスとともに、発光
金属としてハロゲン化金属が封入されているが、ハロゲ
ン化金属として、スカンジウム、ナトリウム、ジスプロ
シウム、ネオジウム、スズ、ツリウム、セリウムなどの
金属とヨウ素あるいは臭素などのハロゲンの化合物が使
用される。そして、管壁負荷が50〜100W/cm2
程度の大きな負荷条件で点灯される。
【0003】これらのハロゲン化金属は、点灯中は溶融
して発光管内面の管壁に液体として存在する一方、一部
は気体となって蒸発し、アーク中心の高温部で金属原子
とハロゲン原子に分離し、金属元素がアークで励起され
てその金属固有のスペクトルを放射する。このように、
メタルハライドランプは、ハロゲン化金属を蒸発させる
ので、金属単体の場合に比べて低い温度で十分な蒸気圧
が得られ、高圧水銀ランプに比べて発光効率が優れ、ま
た封入金属を適宜選択することにより優れた演色性を得
ることができ、カラー液晶プロジェクターなどの光源に
しばしば使用される。
【0004】かかるショートアーク型のメタルハライド
ランプにおいて、始動性を高めるために始動用外部補助
電極としてトリガー電極が用いられることが多い。この
トリガー電極は、耐熱性の優れた鉄クロム合金のワイヤ
で構成されることが多いが、トリガーワイヤの一端が、
一方の封止部から延び出た外部導入棒に電気的に接続さ
れ、それに続く部分が発光管の外面に接触した状態で沿
って延長され、他端が他方の封止部に巻き付けられてい
る。つまり、この巻き付け部はトリガーワイヤと極性の
異なる電極の近傍に配置されている。そして、ランプの
始動時に、トリガーワイヤの巻き付け部と極性が異なる
電極のとの間で始動放電を発光管の石英ガラス層を通し
て誘起し、この始動放電を一対の電極間の主放電に移行
させることで始動性を容易ならしめている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで直流電力で点
灯されるメタルハライドランプの場合は、トリガーワイ
ヤの極性が一定である。つまり、トリガーワイヤの一端
を、陰極側の外部導入棒に電気的に接続すると、点灯中
もトリガーワイヤには常に負の電位がかかっている。こ
のため、トリガーワイヤを発光管の外面に接触した状態
で配置すると、点灯中に、発光管内のプラスイオンが負
の電位がかかったトリガーワイヤ側に強く引き寄せら、
発光管の石英ガラスを通り抜ける。従って、発光管の石
英ガラスがダメージを受け、遂には孔があいてしまうこ
とがある。場合によっては、300時間程度の点灯で発
光管に孔があき、点灯不能になることがある。
【0006】そこで本発明は、トリガー電極を取り付け
て始動を容易にしても発光管に孔のあくことのないメタ
ルハライドランプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、一対の電極を備えた発光管内
に、水銀、始動用希ガスおよび発光金属のハロゲン化物
が封入され、水平姿勢で直流電力で点灯されるメタルハ
ライドランプにおいて、トリガーワイヤの一端を陰極側
の封止部から延び出た外部導入棒に電気的に接続すると
ともに、他端を陽極側の封止部であって、発光管から離
れた位置に巻き付け、トリガーワイヤの中間部が発光管
の外壁から垂れ下がって離れた位置に設置する。
【0008】請求項2の発明は、一対の電極を備えた発
光管内に、水銀、始動用希ガスおよび発光金属のハロゲ
ン化物が封入され、水平姿勢で直流電力で点灯されるメ
タルハライドランプにおいて、トリガーワイヤの一端を
陰極側の外部導入棒に電気的に接続してそれに続く部分
を陰極側の封止部に巻き付けるとともに、他端を陽極側
の封止部であって、発光管から離れた位置に巻き付け、
両側の巻き付け部の間のトリガーワイヤが発光管の外壁
から垂れ下がって離れた位置に設置する。
【0009】すなわち、請求項1および請求項2の発明
は、点灯中に負の電位がかかったトリガーワイヤが発光
管の外側に膨らみ、発光管から大きく離間しているの
で、発光管内のプラスイオンがトリガーワイヤに引き付
けられる力が弱く、従って、発光管の石英ガラスを通り
抜けることがなく、発光管に孔があくのを防止すること
ができる。
【0010】また、大気中の不純物に含まれるプラスイ
オンが封止部に付着し、負の電位の陰極に強く引き付け
られて発光管に孔をあけることがあるが、請求項2の発
明は、点灯中に負の電位がかかったトリガーワイヤが陰
極側の封止部にも巻き付けられているので、陰極側の封
止部の表面が陰極と同じ電位になり、従って、陰極側の
封止部の表面に付着した大気中の不純物に含まれるプラ
スイオンが陰極に引き付けられることがなく、陰極近傍
の封止部に孔があくことを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。図1は、請求項1の発
明のショートアーク型のメタルハライドランプの側面図
であり、石英ガラス製の発光管10は、ほぼ球状をして
おり、例えば最大内径が11mmφ、内容積が0.8c
cである。発光管10の両端の陰極側の封止部11と陽
極側の封止部12にはそれぞれモリブデン箔31,32
が埋設されており、基端部がモリブデン箔31,32に
それぞれ接続された陰極21と陽極22が発光管10内
で対向配置されている。そして、一端がモリブデン箔3
1に溶接された陰極側の外部導入棒41が陰極側の封止
部11から延び出している。
【0012】発光管10内には、緩衝用ガスとして30
mgの水銀と始動補助ガスとして200Torr のアルゴ
ンガスが封入されている。そして、発光金属のハロゲン
化物が封入されるが、発光金属として、演色性や色ムラ
を向上させるために、インジウム、ジスプロシウム、ホ
ルミウム、エルビウム、ツリウム、セリウム、プラセオ
ジウム、ネオジウム、ルテチウム、ガドリニウムなどが
使用され、ハロゲンとしてヨウ素や臭素が使用される。
【0013】始動用外部補助電極としてのトリガーワイ
ヤ5は、外径が0.2mmφの鉄クロム合金のワイヤか
らなる。トリガーワイヤ5の一端は、陰極側の外部導入
棒41に数ターン巻回されており、この巻回された部分
が電気接続部51である。一方、トリガーワイヤ5の他
端にはループが形成されて陽極側の封止部12に巻き掛
けられており、このループがトリガーループ52であ
る。トリガーループ52の位置は、発光管10と封止部
12との境界から5mm程度外側である。つまり、トリ
ガーループ52は発光管10から離れた位置に巻きつけ
られている。トリガーループ52の位置を発光管10と
封止部12との境界から5mm程度外側にする理由は、
発光管10の管壁温度が800〜900℃程度の高温で
あるため、石英ガラスの電気伝導率が高く、トリガール
ープ52が発光管10に接していると、陽極22とトリ
ガーループ52の間で石英ガラスを通して電気が流れ、
石英ガラスに孔があくためである。発光管10と封止部
12との境界から5mm程度外側の位置における温度は
200〜300℃程度であり、石英ガラスの電気伝導率
が低くて孔あき現象が生じない。そして、このメタルハ
ライドランプを水平姿勢にしたときに、電気接続部51
とトリガーループ52との中間部53は垂れ下がり、発
光管10から例えば5mm程度離間するようになってい
る。
【0014】かかるメタルハライドランプが水平姿勢で
リフレクタと組み合わされ、直流電力で点灯されるが、
始動時は、先ず、負の電位がかかったトリガーループ5
2と正の電位がかかった陽極22のとの間で始動放電が
発光管10の石英ガラス層を通して誘起する。そして、
この始動放電がトリガーとなって陰極21と陽極22の
間で主放電が誘起するので、容易に始動することができ
る。
【0015】始動後もトリガーワイヤ5には常に負の電
位がかかっており、もし、トリガーワイヤ5の中間部5
3を従来のように発光管10に接触させると、発光管1
0内のプラスイオンがトリガーワイヤ5の中間部53に
強く引き付けられ、発光管10の石英ガラスを通り抜け
るが、本発明のメタルハライドランプにおいては、トリ
ガーワイヤ5の中間部53が発光管10から大きく離間
しているので、発光管10内のプラスイオンがトリガー
ワイヤ5の中間部53にほとんど引き付けられない。こ
のため、プラスイオンが発光管10の石英ガラスを通り
抜けることがなく、発光管10に孔があくのを防止する
ことができる。
【0016】次に、図2は請求項2の発明の実施の形態
のメタルハライドランプを示す。この例では、同電位ル
ープ54が陰極側の封止部11に巻き掛けられており、
この同電位ループ54とトリガーループ52の間の中間
部53が、図1の例と同様に、垂れ下がるなどして、発
光管10から離間するようになっている。従って、この
例でも、点灯中に発光管10内のプラスイオンが発光管
10の石英ガラスを通り抜けることがなく、発光管10
に孔があくのを防止することができるが、同電位ループ
54が陰極側の封止部11に巻き掛けられているので、
つまり、負の電位がかかったトリガーワイヤ5が陰極側
の封止部11に接触しているので、陰極側の封止部11
は陰極21と同電位になる。このため、陰極側の封止部
11の表面に付着した大気中の不純物に含まれるプラス
イオンが陰極21に引き付けられることがなく、陰極近
傍の封止部11に孔があくことを防止することができ
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のメタルハ
ライドランプは、トリガーワイヤの一端を陰極側の封止
部から延び出た外部導入棒に電気的に接続するととも
に、他端を陽極側の封止部であって、発光管から離れた
位置に巻き付け、トリガーワイヤの中間部が発光管の外
壁から垂れ下がって離れるようにしたので、トリガー電
極を取り付けて始動を容易にしても発光管に孔のあくこ
とのないメタルハライドランプとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明のメタルハライドランプの側面
図である。
【図2】請求項2の発明のメタルハライドランプの側面
図である。
【符号の説明】
10 発光管 11 陰極側の封止部 12 陽極側の封止部 21 陰極 22 陽極 31,32 モリブデン箔 41 陰極側の外部導入棒 5 トリガーワイヤ 51 トリガーワイヤの電気接続部 52 トリガーループ 53 トリガーワイヤの中間部 53 同電位ループ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−314555(JP,A) 特開 平6−310100(JP,A) 特開 平6−349451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極を備えた発光管内に、水銀、
    始動用希ガスおよび発光金属のハロゲン化物が封入さ
    れ、水平姿勢で直流電力で点灯されるメタルハライドラ
    ンプにおいて、 トリガーワイヤの一端が陰極側の外部導入棒に電気的に
    接続されるとともに、他端が陽極側の封止部であって、
    発光管から離れた位置に巻き付けられ、トリガーワイヤ
    の中間部は発光管の外壁から垂れ下がって離れている
    とを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 【請求項2】 一対の電極を備えた発光管内に、水銀、
    始動用希ガスおよび発光金属のハロゲン化物が封入さ
    れ、水平姿勢で直流電力で点灯されるメタルハライドラ
    ンプにおいて、 トリガーワイヤの一端が陰極側の外部導入棒に電気的に
    接続されてそれに続く部分が陰極側の封止部に巻きつけ
    られるとともに、他端が陽極側の封止部であって、発光
    管から離れた位置に巻き付けられ、両側の巻き付け部の
    間のトリガーワイヤは発光管の外壁から垂れ下がって離
    れていることを特徴とするメタルハライドランプ。
JP09948496A 1996-03-29 1996-03-29 メタルハライドランプ Expired - Lifetime JP3189673B2 (ja)

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