JP3189510B2 - 電子銃カソード構造体の組立方法 - Google Patents
電子銃カソード構造体の組立方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子銃カソード構造体
の組立方法に関する。かかる電子銃カソード構造体は、
テレビジョン受像機や端末ディスプレイ装置等の陰極線
管に装着される。
の組立方法に関する。かかる電子銃カソード構造体は、
テレビジョン受像機や端末ディスプレイ装置等の陰極線
管に装着される。
【0002】
【従来の技術】電子銃カソード構造体の特性の1つであ
るカソードカットオフ電圧EKCOは、陰極線管の各特性
の中でも最も重要な特性である。このカソードカットオ
フ電圧EKCOのばらつきを抑えることは、陰極線管の特
性の良し悪しを決定する上で極めて重要である。カソー
ドカットオフ電圧EKCOは、例えば、カソードと第1グ
リッドとの距離d01あるいは第1グリッドと第2グリッ
ドとの間の距離d12に依存する。即ち、カソードカット
オフ電圧EKCOと距離d01、d12との間には、 EKCO = k /(d01 a×d12 b) という関係がある。ここで、k、a及びbは定数であ
る。
るカソードカットオフ電圧EKCOは、陰極線管の各特性
の中でも最も重要な特性である。このカソードカットオ
フ電圧EKCOのばらつきを抑えることは、陰極線管の特
性の良し悪しを決定する上で極めて重要である。カソー
ドカットオフ電圧EKCOは、例えば、カソードと第1グ
リッドとの距離d01あるいは第1グリッドと第2グリッ
ドとの間の距離d12に依存する。即ち、カソードカット
オフ電圧EKCOと距離d01、d12との間には、 EKCO = k /(d01 a×d12 b) という関係がある。ここで、k、a及びbは定数であ
る。
【0003】カソードと第1グリッドとの距離d01及び
第1グリッドと第2グリッドとの距離d12のばらつきを
抑え、これによってカソードカットオフ電圧EKCOのば
らつきを小さくした電子銃を、本出願人は特願平3−2
13118号にて提案した。この電子銃は、第1グリッ
ドを除く複数のグリッドが一対のガラス支持棒に所定間
隔で順次配列支持されて成る。そして、第1グリッドが
絶縁性を有する支持体上に固定されると共に、この支持
体に固定される第1グリッドと第2グリッド間の距離を
規制するスペーサを介して第2グリッドに直付けされて
いることを特徴とする。第1グリッドは、例えば銀ロウ
付け法にて支持体上に固定されている。
第1グリッドと第2グリッドとの距離d12のばらつきを
抑え、これによってカソードカットオフ電圧EKCOのば
らつきを小さくした電子銃を、本出願人は特願平3−2
13118号にて提案した。この電子銃は、第1グリッ
ドを除く複数のグリッドが一対のガラス支持棒に所定間
隔で順次配列支持されて成る。そして、第1グリッドが
絶縁性を有する支持体上に固定されると共に、この支持
体に固定される第1グリッドと第2グリッド間の距離を
規制するスペーサを介して第2グリッドに直付けされて
いることを特徴とする。第1グリッドは、例えば銀ロウ
付け法にて支持体上に固定されている。
【0004】この特願平3−213118号に開示され
た電子銃における、第1グリッドG1と、絶縁性を有す
る支持体10、スペーサ12、及びカソードの配置関係
を図1の模式的な断面図に示す。カソードは、円筒形の
スリーブ20、スリーブ20の先端に被されたキャップ
22、及びキャップ22の頂面に設けられたエミッショ
ン源としてのオキサイド24から構成されている。基端
側が先端側よりやや大径の円筒形のスリーブ20の内部
にはヒータ26が配設されている。筒状のスリーブ支持
部材28が、スペーサ12が取り付けれた面とは反対側
の支持体10の面に取り付けられている。スリーブ20
はスリーブ支持部材28に対して固定されている。スペ
ーサ12の上面12aには第2グリッド(図1には図示
せず)が取り付けられる。第1グリッドG1のエミッシ
ョン穴Geに対応して支持体10には貫通穴10aが設
けられている。
た電子銃における、第1グリッドG1と、絶縁性を有す
る支持体10、スペーサ12、及びカソードの配置関係
を図1の模式的な断面図に示す。カソードは、円筒形の
スリーブ20、スリーブ20の先端に被されたキャップ
22、及びキャップ22の頂面に設けられたエミッショ
ン源としてのオキサイド24から構成されている。基端
側が先端側よりやや大径の円筒形のスリーブ20の内部
にはヒータ26が配設されている。筒状のスリーブ支持
部材28が、スペーサ12が取り付けれた面とは反対側
の支持体10の面に取り付けられている。スリーブ20
はスリーブ支持部材28に対して固定されている。スペ
ーサ12の上面12aには第2グリッド(図1には図示
せず)が取り付けられる。第1グリッドG1のエミッシ
ョン穴Geに対応して支持体10には貫通穴10aが設
けられている。
【0005】スペーサ12の上面12aと第1グリッド
G1の上面との間の距離が、距離d1 2に相当する。ま
た、第1グリッドG1の下面とカソード(具体的にはオ
キサイド24)との間の距離が距離d01に相当する。
G1の上面との間の距離が、距離d1 2に相当する。ま
た、第1グリッドG1の下面とカソード(具体的にはオ
キサイド24)との間の距離が距離d01に相当する。
【0006】このような電子銃カソード構造体におい
て、カソードと第1グリッドG1との間の距離d01は、
従来、非接触式距離計としてエアーマイクロ装置を用い
て、以下のような方法で調整されていた。即ち、図5の
(A)に示すように、エアーマイクロ装置50の基準面
52を第1グリッドG1の上面に接触させ、第1グリッ
ドG1のエミッション穴Geにノズル部54を通す。そし
て、エアーマイクロ装置のノズル部54から窒素ガス又
は空気等の加圧気体をカソードのオキサイド24に吹き
付ける。ノズル部54とオキサイド24との間の距離と
加圧気体の背圧には一定の関係がある。従って、ゲージ
56で背圧を測定することによって、基準面52とカソ
ードとの間の距離を測定することができる。
て、カソードと第1グリッドG1との間の距離d01は、
従来、非接触式距離計としてエアーマイクロ装置を用い
て、以下のような方法で調整されていた。即ち、図5の
(A)に示すように、エアーマイクロ装置50の基準面
52を第1グリッドG1の上面に接触させ、第1グリッ
ドG1のエミッション穴Geにノズル部54を通す。そし
て、エアーマイクロ装置のノズル部54から窒素ガス又
は空気等の加圧気体をカソードのオキサイド24に吹き
付ける。ノズル部54とオキサイド24との間の距離と
加圧気体の背圧には一定の関係がある。従って、ゲージ
56で背圧を測定することによって、基準面52とカソ
ードとの間の距離を測定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】エミッション穴の径を
φ、グリッドの厚さをtGとした場合、カソードカット
オフ電圧EKCOは、 EKCO = k’(φm/tG n) という関係にある。ここで、k’、m、nは定数であ
る。陰極線管の特性向上のために、各グリッドに設けら
れたエミッション穴の径は小さくなる傾向にある。従っ
て、カソードカットオフ電圧EKCOを一定に保つため、
グリッドの厚さを薄くする必要がある。
φ、グリッドの厚さをtGとした場合、カソードカット
オフ電圧EKCOは、 EKCO = k’(φm/tG n) という関係にある。ここで、k’、m、nは定数であ
る。陰極線管の特性向上のために、各グリッドに設けら
れたエミッション穴の径は小さくなる傾向にある。従っ
て、カソードカットオフ電圧EKCOを一定に保つため、
グリッドの厚さを薄くする必要がある。
【0008】ところが、例えば第1グリッドG1の厚さ
を薄くすると、エアーマイクロ装置50の基準面52を
第1グリッドG1の上面に接触させたとき、図5の
(B)に示すように、第1グリッドG1が変形し、第1
グリッドG1とカソードとの間の距離d01を精確に測定
できなくなるという問題が生じる。その結果、電子銃カ
ソード構造体の組み立て後、第1グリッドG1とカソー
ドとの間の距離d01にばらつきが生じ、EKCOにばらつ
きが発生する。
を薄くすると、エアーマイクロ装置50の基準面52を
第1グリッドG1の上面に接触させたとき、図5の
(B)に示すように、第1グリッドG1が変形し、第1
グリッドG1とカソードとの間の距離d01を精確に測定
できなくなるという問題が生じる。その結果、電子銃カ
ソード構造体の組み立て後、第1グリッドG1とカソー
ドとの間の距離d01にばらつきが生じ、EKCOにばらつ
きが発生する。
【0009】従って、本発明の目的は、第1グリッドと
カソードとの間の距離を精確に所望の値とすることがで
き、カソードカットオフ電圧のばらつきを抑制し得る、
非接触式距離計を用いた電子銃カソード構造体の組立方
法を提供することにある。
カソードとの間の距離を精確に所望の値とすることがで
き、カソードカットオフ電圧のばらつきを抑制し得る、
非接触式距離計を用いた電子銃カソード構造体の組立方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、(イ)絶
縁物から成る支持体の一方の側の面上に第1グリッド及
びスペーサを取り付けた後、支持体の他方の側にカソー
ドを配置する工程と、(ロ)スペーサの上面と第1グリ
ッドの上面との間の距離d12を測定する工程と、(ハ)
非接触式距離計の基準面をスペーサの上面に接触させた
状態で、スペーサの上面とカソードとの間の距離dを非
接触式距離計を用いて測定し、距離差(d−d12)の値
が所望の値となるように、第1グリッドに対するカソー
ドの位置を調整することを特徴とする本発明の電子銃カ
ソード構造体の組立方法によって達成することができ
る。この場合、非接触式距離計としてエアーマイクロ装
置を用いることが望ましい。
縁物から成る支持体の一方の側の面上に第1グリッド及
びスペーサを取り付けた後、支持体の他方の側にカソー
ドを配置する工程と、(ロ)スペーサの上面と第1グリ
ッドの上面との間の距離d12を測定する工程と、(ハ)
非接触式距離計の基準面をスペーサの上面に接触させた
状態で、スペーサの上面とカソードとの間の距離dを非
接触式距離計を用いて測定し、距離差(d−d12)の値
が所望の値となるように、第1グリッドに対するカソー
ドの位置を調整することを特徴とする本発明の電子銃カ
ソード構造体の組立方法によって達成することができ
る。この場合、非接触式距離計としてエアーマイクロ装
置を用いることが望ましい。
【0011】
【作用】本発明においては、非接触式距離計の基準面を
スペーサの上面に接触させた状態で、スペーサの上面と
カソードとの間の距離dを非接触式距離計を用いて測定
する。即ち、非接触式距離計の基準面は第1グリッドと
接触することがない。従って、非接触式距離計による第
1グリッドの変形発生を防止することができ、精確に第
1グリッドに対するカソードの位置、即ち第1グリッド
とカソードとの間の距離d01を調整することができる。
スペーサの上面に接触させた状態で、スペーサの上面と
カソードとの間の距離dを非接触式距離計を用いて測定
する。即ち、非接触式距離計の基準面は第1グリッドと
接触することがない。従って、非接触式距離計による第
1グリッドの変形発生を防止することができ、精確に第
1グリッドに対するカソードの位置、即ち第1グリッド
とカソードとの間の距離d01を調整することができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。
【0013】図1に模式的な断面図を示すような電子銃
カソード構造体を作製した。この電子銃カソード構造体
は、第1グリッドG1、第1グリッドが固定された絶縁
物から成る支持体10、及び支持体の第1グリッドが固
定された側とは反対側に配置されたカソードを備えてい
る。第1グリッドG1及び支持体10は、それぞれ、例
えばコバール材及びアルミナ系セラミックから作製す
る。
カソード構造体を作製した。この電子銃カソード構造体
は、第1グリッドG1、第1グリッドが固定された絶縁
物から成る支持体10、及び支持体の第1グリッドが固
定された側とは反対側に配置されたカソードを備えてい
る。第1グリッドG1及び支持体10は、それぞれ、例
えばコバール材及びアルミナ系セラミックから作製す
る。
【0014】第1グリッドG1が固定された支持体10
の一方の側の面上にはスペーサ12が取り付けられてい
る。スペーサ12の上面12aには第2グリッドが取り
付けられる。スペーサ12によって、第1グリッドG1
と第2グリッドG2との距離d12が規定される。カソー
ドは、円筒形のスリーブ20、スリーブ20の先端に被
されたキャップ22、及びキャップ22の頂面に設けら
れたエミッション源としてのオキサイド24から構成さ
れている。
の一方の側の面上にはスペーサ12が取り付けられてい
る。スペーサ12の上面12aには第2グリッドが取り
付けられる。スペーサ12によって、第1グリッドG1
と第2グリッドG2との距離d12が規定される。カソー
ドは、円筒形のスリーブ20、スリーブ20の先端に被
されたキャップ22、及びキャップ22の頂面に設けら
れたエミッション源としてのオキサイド24から構成さ
れている。
【0015】この電子銃カソード構造体は、以下に説明
する本発明の方法で組み立て、作製することができる。
する本発明の方法で組み立て、作製することができる。
【0016】予め、図2に示すように、第1の面40b
及び第2の面40cを有する部材40を準備する。この
部材40は具体的にはロウ付治具である。部材40の第
1の面40bには軸40aが配設されている。第2の面
40cは第1の面40bの外側に設けられ、第1の面4
0bよりも高さが低い。この第1の面40bと第2の面
40cとの段差は、第1グリッドG1と第2グリッドG2
(図4参照)との距離d12に等しい。
及び第2の面40cを有する部材40を準備する。この
部材40は具体的にはロウ付治具である。部材40の第
1の面40bには軸40aが配設されている。第2の面
40cは第1の面40bの外側に設けられ、第1の面4
0bよりも高さが低い。この第1の面40bと第2の面
40cとの段差は、第1グリッドG1と第2グリッドG2
(図4参照)との距離d12に等しい。
【0017】先ず、絶縁物から成る支持体10の一方の
側の面上に第1グリッドG1及びスペーサ12を取り付
けた後、支持体10の他方の側にカソードを配置する。
側の面上に第1グリッドG1及びスペーサ12を取り付
けた後、支持体10の他方の側にカソードを配置する。
【0018】そのために、第1グリッドG1を部材40
に配設された軸40aに挿通した状態で、部材40の第
1の面40b上に第1グリッドG1を載置する。また、
例えば鉄ニッケル合金や鉄コバルトニッケル合金から成
る金属製のスペーサ12を、部材40の第2の面40c
上に載置する。そして、第1グリッドG1及びスペーサ
12に支持体10の平面10bが接するように、第1グ
リッドG1及びスペーサ12上に支持体10を載置す
る。尚、平面10bには予めメタライズ処理を施してお
く。第1グリッドG1の中央にはエミッション穴Ge(図
2には図示せず)が形成されている。また、このエミッ
ション穴Geに対応して、支持体10にも貫通穴10a
(図2には図示せず)が設けられている。
に配設された軸40aに挿通した状態で、部材40の第
1の面40b上に第1グリッドG1を載置する。また、
例えば鉄ニッケル合金や鉄コバルトニッケル合金から成
る金属製のスペーサ12を、部材40の第2の面40c
上に載置する。そして、第1グリッドG1及びスペーサ
12に支持体10の平面10bが接するように、第1グ
リッドG1及びスペーサ12上に支持体10を載置す
る。尚、平面10bには予めメタライズ処理を施してお
く。第1グリッドG1の中央にはエミッション穴Ge(図
2には図示せず)が形成されている。また、このエミッ
ション穴Geに対応して、支持体10にも貫通穴10a
(図2には図示せず)が設けられている。
【0019】次いで、支持体10を部材40側に押圧部
材40dを用いて押圧しつつ、第1グリッドG1及びス
ペーサ12を支持体10の平面10bにロウ付け法にて
固着させる。これによって、第1グリッドG1と支持体
10の対向面、並びにスペーサ12と支持体10の対向
面がロウ付けされる。
材40dを用いて押圧しつつ、第1グリッドG1及びス
ペーサ12を支持体10の平面10bにロウ付け法にて
固着させる。これによって、第1グリッドG1と支持体
10の対向面、並びにスペーサ12と支持体10の対向
面がロウ付けされる。
【0020】その後、第1グリッドG1が固着された面
とは反対側の支持体10の面に筒状のスリーブ支持部材
28をロウ付けし、スリーブ20をスリーブ支持部材2
8内に挿入する。円筒形のスリーブ20は、基端側が先
端側よりやや大径である。スリーブ20の外周面とスリ
ーブ支持部材28の内周面の摩擦接触によって、スリー
ブ20はスリーブ支持部材28に対して固定される。
とは反対側の支持体10の面に筒状のスリーブ支持部材
28をロウ付けし、スリーブ20をスリーブ支持部材2
8内に挿入する。円筒形のスリーブ20は、基端側が先
端側よりやや大径である。スリーブ20の外周面とスリ
ーブ支持部材28の内周面の摩擦接触によって、スリー
ブ20はスリーブ支持部材28に対して固定される。
【0021】次に、スペーサ12の上面12aと第1グ
リッドG1の上面との間の距離d12を、例えば光学式測
長機等の適切な測定装置を用いて測定する。
リッドG1の上面との間の距離d12を、例えば光学式測
長機等の適切な測定装置を用いて測定する。
【0022】その後、非接触式距離計50として例えば
エアーマイクロ装置を用いて、スペーサ12の上面12
aとカソードとの間の距離dを測定する。そのために、
図3に模式的に示すように、非接触式距離計50の基準
面52をスペーサ12の上面12aに接触させ、第1グ
リッドG1のエミッション穴Geにエアーマイクロ装置の
ノズル部54を通す。
エアーマイクロ装置を用いて、スペーサ12の上面12
aとカソードとの間の距離dを測定する。そのために、
図3に模式的に示すように、非接触式距離計50の基準
面52をスペーサ12の上面12aに接触させ、第1グ
リッドG1のエミッション穴Geにエアーマイクロ装置の
ノズル部54を通す。
【0023】そして、エアーマイクロ装置のノズル部5
4から窒素ガス又は空気等の加圧気体をカソードのオキ
サイド24に吹き付ける。ノズル部54とオキサイド2
4との間の距離と加圧気体の背圧には一定の関係がある
ので、背圧をゲージ56にて測定することによって、ノ
ズル部54とカソード(より具体的にはオキサイド2
4)との間の距離、即ち基準面52とカソードとの間の
距離、言い換えればスペーサ12の上面12aとカソー
ドとの間の距離dを精確に測定することができる。
4から窒素ガス又は空気等の加圧気体をカソードのオキ
サイド24に吹き付ける。ノズル部54とオキサイド2
4との間の距離と加圧気体の背圧には一定の関係がある
ので、背圧をゲージ56にて測定することによって、ノ
ズル部54とカソード(より具体的にはオキサイド2
4)との間の距離、即ち基準面52とカソードとの間の
距離、言い換えればスペーサ12の上面12aとカソー
ドとの間の距離dを精確に測定することができる。
【0024】測定した距離dの値と、先に測定した距離
d12の値から、距離差(d−d12)を求める。そして、
距離差(d−d12)の値が所望の値となるように、スリ
ーブ20をスリーブ支持部材28に対して動かすことに
よって、第1グリッドG1に対するカソードの位置を調
整する。このような、本発明の電子銃カソード構造体の
組立方法によって、カソードと第1グリッドG1との間
の距離d01を精確に調整することができる。
d12の値から、距離差(d−d12)を求める。そして、
距離差(d−d12)の値が所望の値となるように、スリ
ーブ20をスリーブ支持部材28に対して動かすことに
よって、第1グリッドG1に対するカソードの位置を調
整する。このような、本発明の電子銃カソード構造体の
組立方法によって、カソードと第1グリッドG1との間
の距離d01を精確に調整することができる。
【0025】次いで、スペーサ12等と第2グリッドG
2とをレーザ溶接あるいは抵抗溶接で互いに固定すると
いう第2グリッド付け工程を実施する。更に、このよう
にして得られた構造体と第3グリッド等(図示せず)と
をビーディングする。そして、レーザ溶接あるいは抵抗
溶接にてヒータ26をスリーブ20の内部に取り付け、
継線を行って、電子銃を完成させる。尚、以上の電子銃
カソード構造体の製造工程全体の工程系統図を図4に示
す。
2とをレーザ溶接あるいは抵抗溶接で互いに固定すると
いう第2グリッド付け工程を実施する。更に、このよう
にして得られた構造体と第3グリッド等(図示せず)と
をビーディングする。そして、レーザ溶接あるいは抵抗
溶接にてヒータ26をスリーブ20の内部に取り付け、
継線を行って、電子銃を完成させる。尚、以上の電子銃
カソード構造体の製造工程全体の工程系統図を図4に示
す。
【0026】以上、本発明を好ましい一実施例に基づき
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。(イ)の工程は、実施例にて説明した方法に限定
されない。支持体10へのスペーサ12及び第1グリッ
ドG1の取り付け方法は、如何なる方法をも採用するこ
とができる。非接触式距離計も、エアーマイクロ装置に
限定されず、オキサイド24に損傷を与えず、スペーサ
12の上面12aを基準としてスペーサ12の上面12
aとカソードとの間の距離を測定し得る装置ならば、如
何なる測定装置でもよい。また、スペーサ12の上面1
2aと第1グリッドの上面との間の距離d12の測定装置
も、如何なる測定装置であってもよい。
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。(イ)の工程は、実施例にて説明した方法に限定
されない。支持体10へのスペーサ12及び第1グリッ
ドG1の取り付け方法は、如何なる方法をも採用するこ
とができる。非接触式距離計も、エアーマイクロ装置に
限定されず、オキサイド24に損傷を与えず、スペーサ
12の上面12aを基準としてスペーサ12の上面12
aとカソードとの間の距離を測定し得る装置ならば、如
何なる測定装置でもよい。また、スペーサ12の上面1
2aと第1グリッドの上面との間の距離d12の測定装置
も、如何なる測定装置であってもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明においては、非接触式距離計の基
準面をスペーサの上面に接触させた状態で、スペーサの
上面とカソードとの間の距離dを非接触式距離計を用い
て測定する。非接触式距離計による第1グリッドの変形
発生を防止することができ、しかも、スペーサは非接触
式距離計との接触によって変形することはない。それ
故、精確に第1グリッドに対するカソードの位置を調整
することができる。また、電子銃の組み立て前に、第1
グリッドG1と第2グリッドG2との間の距離d12が適切
な値か否かを調べることができる。以上により、カソー
ドカットオフ電圧EKCOの電子銃カソード構造体組立時
のばらつき発生を抑制することができる。
準面をスペーサの上面に接触させた状態で、スペーサの
上面とカソードとの間の距離dを非接触式距離計を用い
て測定する。非接触式距離計による第1グリッドの変形
発生を防止することができ、しかも、スペーサは非接触
式距離計との接触によって変形することはない。それ
故、精確に第1グリッドに対するカソードの位置を調整
することができる。また、電子銃の組み立て前に、第1
グリッドG1と第2グリッドG2との間の距離d12が適切
な値か否かを調べることができる。以上により、カソー
ドカットオフ電圧EKCOの電子銃カソード構造体組立時
のばらつき発生を抑制することができる。
【図1】本発明に係る電子銃カソード構造体の模式的な
断面図である。
断面図である。
【図2】電子銃カソード構造体の作製方法を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図3】本発明の電子銃カソード構造体の組立方法にお
ける距離dの測定方法を説明するための図である。
ける距離dの測定方法を説明するための図である。
【図4】本発明の電子銃カソード構造体の製造工程全体
を示す工程系統図である。
を示す工程系統図である。
【図5】従来の電子銃カソード構造体の組立方法におけ
る距離dの測定方法及び問題点を説明するための図であ
る。
る距離dの測定方法及び問題点を説明するための図であ
る。
10 支持体 12 スペーサ 12a スペーサの上面 20 スリーブ 22 キャップ 24 オキサイド 26 ヒータ 28 スリーブ支持部材 40 部材 G1 第1グリッド G2 第2グリッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−36360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/18
Claims (2)
- 【請求項1】(イ)絶縁物から成る支持体の一方の側の
面上に第1グリッド及びスペーサを取り付けた後、該支
持体の他方の側にカソードを配置する工程と、 (ロ)スペーサの上面と第1グリッドの上面との間の距
離d12を測定する工程と、 (ハ)非接触式距離計の基準面をスペーサの上面に接触
させた状態で、スペーサの上面とカソードとの間の距離
dを非接触式距離計を用いて測定し、距離差(d−
d12)の値が所望の値となるように、第1グリッドに対
するカソードの位置を調整することを特徴とする電子銃
カソード構造体の組立方法。 - 【請求項2】非接触式距離計はエアーマイクロ装置であ
ることを特徴とする請求項1に記載の電子銃カソード構
造体の組立方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17753093A JP3189510B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 電子銃カソード構造体の組立方法 |
KR1019940013663A KR100297903B1 (ko) | 1993-06-21 | 1994-06-17 | 음극선관의전자총및그제조방법 |
US08/262,698 US5514930A (en) | 1993-06-21 | 1994-06-20 | Electron gun of CRT and manufacturing method therefor |
US08/517,440 US5697823A (en) | 1993-06-21 | 1995-08-21 | Electron gun of CRT and manufacturing method therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17753093A JP3189510B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 電子銃カソード構造体の組立方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714508A JPH0714508A (ja) | 1995-01-17 |
JP3189510B2 true JP3189510B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=16032544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17753093A Expired - Fee Related JP3189510B2 (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-25 | 電子銃カソード構造体の組立方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3189510B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19534123A1 (de) * | 1995-09-14 | 1997-03-20 | Licentia Gmbh | Kathodenstrahlröhre |
JPH09199019A (ja) * | 1996-01-19 | 1997-07-31 | Sony Corp | 陰極線管用電子銃の組立方法及びカソード構造体 |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP17753093A patent/JP3189510B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0714508A (ja) | 1995-01-17 |
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