JP3188974B2 - ミエロペルオキシダーゼの抗原性を安定化する方法 - Google Patents

ミエロペルオキシダーゼの抗原性を安定化する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミエロペルオキシダー
ゼの抗原性を安定化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ミエロペルオキシダーゼは、ヘムa類似
のヘムを持つ酵素であって、主に白血球の好中球に存在
し、ハロゲン化物イオンを介してバクテリア等の解毒作
用を担っている。1982年、蛍光抗体間接法(IIF
法)により、Daviesらが抗好中球細胞質抗体(ANC
A)を報告し、その染色パターンからCytoplasmic-AN
CA(C-ANCA)とperinuclear-ANCA(P-AN
CA)の2つのサブセットに分けられた。このP-AN
CAの対応抗原の一つがミエロペルオキシダーゼであ
り、免疫学的作用における抗原として用いられるように
なった。
【0003】近年、血液検査において、P-ANCAのような
抗ミエロペルオキシダーゼ抗体を測定することが腎疾患
の診断に有用であることに注目され、ミエロペルオキシ
ダーゼを抗原抗体反応における抗原として用いられた酵
素免疫測定(EIA)による試薬が市販されている。こ
れは、合成樹脂製のプレート等の表面にミエロペルオキ
シダーゼを吸着等によって付着させ、乾燥状態にしたも
のに検体を入れ、発色剤等を加えてその吸光度を測定す
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミエロ
ペルオキシダーゼは通常(凍結乾燥状態)では安定だ
が、水溶液中や固定化状態では抗原性(免疫学的作用)
が不安定であり、すぐにその抗原性を失ってしまうた
め、長期間(例えば3カ月以上)保存しておくことは不
可能であった。そのため、免疫学的作用における抗原と
してミエロペルオキシダーゼを用いた酵素免疫測定試薬
などでは経時的に抗原性が変化するゆえ、試薬調製後の
試薬性能を一定に保つことが難しく、保存が困難である
という欠点があった。
【0005】本発明は、ミエロペルオキシダーゼの抗原
性を安定化し、免疫学的作用における抗原としてミエロ
ペルオキシダーゼを用いた免疫測定試薬を長期(例えば
6カ月以上)にわたり、その試薬性能を損なうことなく
保存できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ミエロペルオ
キシダーゼに0.05〜4W/V%のデキストラン溶液
添加することを特徴とするミエロペルオキシダーゼの
抗原性を安定化する方法を要旨とする。
【0007】本発明は、抗原性安定剤としてデキストラ
ンを使用する。デキストランとは、D−グルコースがα
−1,6結合を主体として結合した粘質性の細菌性多糖
類である。
【0008】本発明において用いるデキストランはα−
1,6結合以外の結合、例えばα−1,3結合やα−
1,2結合などが含まれていても良いが、α−1,6結
合が65%以上であるものが望ましい。また、その重合
度は多様であるが低分子量、例えば分子量約30,00
0〜90,000程度のものが望ましい。
【0009】本発明においてはミエロペルオキシダーゼ
に0.05W/V%以上のデキストラン溶液を添加する
場合に有効である。デキストラン溶液を4W/V%より
多い量にしても何等差支えないが、デキストランの高濃
度溶液は粘性が高く、採用しにくい。デキストラン溶液
の溶媒としては、タンパクの性質を損なわない溶液が使
用可能である。すなわちpH5〜8の中性以上の緩衝
液、例えばリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液等を使用す
るのが好ましい。ミエロペルオキシダーゼの形態として
は、凍結乾燥粉末以外のいかなる形態でもよい。例え
ば、ミエロペルオキシダーゼを不溶性担体に吸着させた
ものやミエロペルオキシダーゼを含有する水溶液などが
挙げられる。
【0010】本発明のミエロペルオキシダーゼを抗原と
して用いるには、例えば、ミエロペルオキシダーゼをプ
レート状の不溶性担体付着させ、必要であれば牛血清
アルブミン、ゼラチン、カゼイン等を用いてブロツキン
グを行い乾燥して固相化する。
【0011】不溶性担体には、ガラス、アガロース、セ
ルロース、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ホモポ
リペプチド、ラテックス、ポリカボーネート、ポリプロ
ピレン、アミノアルキルシリカガラス、シリコンゴム等
の担体が使用され、その表面に共有結合法、イオン結合
法、物理的吸着等によりミエロペルオキシダーゼを付着
させた後乾燥させて固相化されている。
【0012】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、これらに限定されるものではない。なお、実施
例の数値は特に記載しない限り、重量パーセントで示
す。 〔実施例1〕 リン酸緩衝液(pH6.0)を使用してタンパク濃度5
μg/mlのミエロペルオキシダーゼ(カミヤバイオメ
デイカル社製)溶液調製し、マイクロタイタープレー
ト(ヌンク社製、96−wells)に200μl/wellずつ
分注し、4℃で18時間放置後、0.05%Tween
−20を含むリン酸緩衝液(pH7.2)で洗浄した。
その後、デキストラン(分子量約30,000〜90,
000、ナカライテスク社製)をリン酸緩衝液(pH
7.0)で表1に示す濃度に調製した溶液を、上記プレ
ートに200μl/wellずつ添加した。25℃で60分間
反応後、溶液を除去し、デシケーター中で風乾させ
た。
【0013】これらのプレートを40℃で保存し、乾燥
直後(0日)、7日後14日後に各々のプレートに検
体として顕微の結節性多発動脈炎の患者血清(抗ミエロ
ペルオキシダーゼ抗体含有)をリン酸緩衝液(pH7.
3)で50倍に稀釈した試料を200μl/wellずつ分注
した。
【0014】25℃で60分間反応後、0.05%Tw
een−20を含むリン酸緩衝液(pH7.2)で上記
プレートの洗浄を行い、リン酸緩衝液(pH7.3)
使用して調製したアルカリホスファターゼ標識抗ヒトI
gG抗体(シグマ社製)を200μl/wellずつ分注し
た。
【0015】25℃で60分間反応後、0.05%Tw
een−20を含むリン酸緩衝液(pH7.2)で上記
プレートの洗浄を行い、ジエタノールアミン−HCL緩
衝液(pH9.8)で調製したp−ニトロフェニルリン
酸2ナトリウム(シグマ社製)を発色剤として200μ
l/wellずつ加え、発色剤添加後、0分と60分との吸光
度差を測定した。吸光度の測定は405nmで行い、マ
イクロプレートリーダーType−MTP−120(コ
ロナ社製)を用いた。
【0016】乾燥直後の吸光度値を100%として7日
後および14日後の吸光度差の相対値(残存活性)を%
で求め、40℃保持での経時変化によるミエロペルオキ
シダーゼの安定性を調べた。その結果を表1に示す。
【0017】〔比較例1〕 実施例1と同様にミエロペルオキシダーゼを固定化した
プレートを作成し、デキストランを添加せず、同様に
体の測定を行なってミエロペルオキシダーゼの安定性を
調べた。その結果も表1に示す。
【0018】表1の結果より、乾燥直後7日目および1
4日目ともデキストラン無添加のプレートに比べると、
デキストランの添加により残存抗原性が高くなってい
る。このことから、ミエロペルオキシダーゼの安定性に
は、デキストランを添加することが有効である。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ミエロペルオキシダー
ゼの抗原性は著しく安定され、また熱に対しても安定化
される。従って、免疫学的作用における抗原としてミエ
ロペルオキシダーゼを用いた免疫測定試薬でも、長期に
わたり試薬性能を損なうことなく保存できるゆえ、試薬
を浪費せず、有効に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/96 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミエロペルオキシダーゼに0.05〜4
    W/V%のデキストラン溶液を添加することを特徴とす
    るミエロペルオキシダーゼの抗原性を安定化する方法。
  2. 【請求項2】 ミエロペルオキシダーゼが固相化ミエロ
    ペルオキシダーゼである請求項1記載の方法。
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