JPH05142122A - 固相細胞の乾燥固定方法 - Google Patents

固相細胞の乾燥固定方法

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JPH05142122A
JPH05142122A JP32674991A JP32674991A JPH05142122A JP H05142122 A JPH05142122 A JP H05142122A JP 32674991 A JP32674991 A JP 32674991A JP 32674991 A JP32674991 A JP 32674991A JP H05142122 A JPH05142122 A JP H05142122A
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dried
tissue
plate
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JP32674991A
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Toyohiro Tamai
豊廣 玉井
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    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/80Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving blood groups or blood types or red blood cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】特異性物質の失活するのを防止しつつ固相細胞
を乾燥固定し得る固相細胞の乾燥固定方法を提供する。 【構成】U底プレートの各ウエルの底面にコムギ胚芽レ
クチン(WGA) をコーティングした後、赤血球をウエル底
面に単層状に固相化して赤血球固相化プレートを得る。
この後、赤血球固相化プレートに、乾燥溶液(サッカロ
ース20重量%、ウシ血清アルブミン0.2 重量%、アジ化
ナトリウム0.05重量%含有)を100 μl/well 分注す
る。次いで、3分間放置した後、乾燥溶液を捨てて水切
りする。次にドライインキュベーターにより30℃で30分
間風乾し、更に減圧乾燥機により減圧下で4時間乾燥を
行って、乾燥赤血球固相化プレートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、免疫反応に利
用する組織又は細胞を固相化した後乾燥固定する固相細
胞の乾燥固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固相化された組織又は細胞を用い
る免疫反応としては、マイクロプレート等の反応容器の
壁面に対して、赤血球を固相化する方法(特開平2−1
24464号)や、血小板を固相する方法(柴田らのIn
ternational Archives of Allergy and Applied Immuno
logy,74,93-96 ,1984)等が知られている。このよう
な免疫反応は、例えば、赤血球の血液型(ABO,R
h)の検査に適用されている。血液型の検査は、輸血時
の安全確保の為に必要である。また、細胞上に存在する
種々の特異性物質(例えば、血液型物質、HLA,血小
板抗原等)と、特異反応物との反応を行うことによっ
て、数々の情報を得られる。
【0003】しかし、上述の固相化した組織又は細胞を
用いた免疫反応では、固相化した組織又は細胞は生きた
ものであり、長期にわたって保存できず、組織又は細胞
の寿命(有効期間)が問題となる。例えば、特開平2−
12464号に記載された、赤血球を、例えば、マイク
ロプレートウェル、試験管、スライドガラスのような支
持体に固相化する方法では、生きた細胞を用いているた
め、固相化した赤血球を長時間にわたって保存できな
い。ここで、赤血球を保存するために、人体より採血し
た後、例えば、アルセバー液やMAP液に、赤血球を浮
遊させておいても、採血直後から除々に溶血してしま
う。この結果、数週間〜1ケ月で、固相化した赤血球を
試薬として使用できなくなってしまう。また、Orth
o社等より市販されているスクリーニング用O型血球
も、同様の理由で有効期限が設定され、長期保存に適し
ていない。
【0004】このような組織又は細胞の保存期間を延長
する手段として、組織又は細胞を固定することが考えら
れる。組織又は細胞の固定方法は、例えば細胞診等にお
いて種々の方法が行なわれている。例えば、「細胞診教
本−その基礎と実際−」に開示されるような、アルコー
ル等の溶媒、重クロム酸等の重金属、ホルマリン、グル
タルアルデヒド等の固定剤を用いて、組織又は細胞内の
タンパク質を不溶性にする方法が一般的である。また、
特公昭61−6941号にも赤血球の固定方法が開示さ
れている。他にも、組織又は細胞を、煮沸、乾燥凍結す
ることも固定方法の1つであると考えられる。
【0005】上述の固定剤を用いる固定方法等では、先
に述べたように組織又は細胞のタンパク質を変性させる
ため、組織又は細胞の形態の保存や染色には問題ない。
しかし、上述のような免疫反応に使用する組織又は細胞
を固定するには、その組織又は細胞上の特異性物質が変
性してしまい適用できない。このような欠点は、特開平
2−151765号の383頁左下欄第4行目〜384
頁、左下欄第4行目に記載されている。
【0006】これに対して、組織又は細胞上の特異性物
質を変性させないで組織又は細胞を固定する方法とし
て、乾燥による組織又は細胞の固定方法が考えられる。
例えば、各種抗原(ウィルス・細菌など)や抗体を結合
させた人工・天然粒子を凍結乾燥する方法が知られてい
る。また、担体上に固相化した組織又は細胞を乾燥固定
する方法としては、イムコア社の固相動物細胞の乾燥固
定化方法(特開平2−151765号)が知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平2−151765号(以下、文献1と記す)に記
載された乾燥固定方法は、次のような欠点を有する。ま
ず、文献1の385頁右下欄第9行目〜第12行目、3
86頁左下欄第16行目〜第18行目にも記載されてい
るが、文献1の乾燥固定方法を実施するには、赤血球、
血小板等の細胞を固相する場合に、正味正電荷を帯びた
有機染料で染色した固相支持体上に細胞の単層を形成し
ている。この正味正電荷を帯びた有機染料を使用した細
胞の固相化は、タンパク質により阻害される。このた
め、固相化する細胞の表面等にタンパク質が付着してい
てはならない。また、その後使用する乾燥溶液もタンパ
ク質を含んではならない。従って、文献1の乾燥固定方
法では、細胞からタンパク質を除くために遠心洗浄等を
行う必要がある。しかし、タンパク質を含まない溶液中
に細胞を浮遊させた場合にも、除々にタンパク質が細胞
から遊離してくる。例えば血小板等は、輸血学会誌vol.
36,No.2 には、生理食塩水等に浮遊しておくだけで抗原
が抽出されることが記載されている。このような場合に
は、再度細胞を洗浄する必要が生じる。上述のように、
文献1の乾燥固定方法では、タンパク質を除去すること
が不可欠であり、操作が極めて繁雑になる欠点があっ
た。
【0008】一方、乾燥溶液を用いて細胞を乾燥固定し
た後にさらに乾燥するのに、文献1の乾燥固定方法で
は、文献1の387頁左上欄第11行目〜右上欄第2行
目には、一般的に行われている真空乾燥やけい藻土やシ
リカ粒子を使用した乾燥では、満足度が低下するため、
分子ふるい乾燥剤を用いて、長時間かけて、ゆっくり乾
燥することが好ましいことが記載されている。しかし、
この分子ふるい乾燥剤を用いた乾燥方法は、分子ふるい
乾燥剤が比較的高価であり、かつ、乾燥に長時間を要す
るため、工業的に大量に固相細胞を乾燥固定する場合に
は製造時間も制約されるので不適当である。このため、
工業的に安定かつ安価に乾燥固定した固相細胞を製造す
るには、真空乾燥や自然乾燥でも十分満足し得るような
固相細胞の乾燥固定方法が要求されている。
【0009】さらに、文献1の固相細胞の乾燥固定方法
では、上述のようにタンパク質が全く存在しないことが
要求されているが、タンパク質が存在しない条件下で固
相細胞の乾燥固定を行った場合、次のような問題があ
る。
【0010】一つは、通常、抗原や抗体を保存する際
に、その反応性や特異性の失活を防止するために行なわ
れるタンパク質の添加を行えないことである。例えば、
抗原や抗体を感作した粒子を凍結乾燥する際に、乾燥溶
液に糖以外にウシ血清アルブミン(以下、BSAと記
す)、動物血清のようなタンパク質を添加することが多
い。
【0011】例えば、特公平2−30668号の180
頁の表1には、乾燥溶液の組成と感度(反応性)の一覧
が示されているが、このうち、優れた感度を示すのは、
タンパク質(例えば、BSA)が添加されているものが
多い。また、特開昭62−209362号には、糖に血
清アルブミンを添加した乾燥溶液を用いた、凍結乾燥し
た感作血球の作成方法が開示されている。また、市販さ
れている抗体や抗原感作粒子の凍結乾燥メディウムの一
覧表のほとんどに、BSAや動物血清のようなタンパク
質が添加されていることが示されている。
【0012】従って、文献1の固相細胞の乾燥固定方法
では、乾燥溶液にタンパク質が存在する条件下で固相細
胞の乾燥固定を行えないので、特異性物質の失活は防止
するために、タンパク質を添加できない。
【0013】もう一つは、完成した固相細胞を使用し
て、酵素免疫測定法のような免疫学的反応を行った場合
に、通常実施されるブロッキング処理が行えないことで
ある。ブロッキング処理とは、タンパク質により本来の
特異的反応ではない反応(非特異的反応)を防止するこ
とである。この結果、文献1の固相細胞の乾燥固定方法
に従って作成した赤血球を使用した免疫反応では、ブロ
ッキング処理を行えないので、組織又は細胞上の特異反
応物質が非特異反応を起す可能性が高い。
【0014】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、特異性物質の失活するのを防止しつつ固相細胞
を乾燥固定し得る固相細胞の乾燥固定方法を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、組織又は細胞
を担体に固相化した後、前記組織又は前記細胞に乾燥溶
液を接触させて前記組織又は前記細胞を乾燥固定するこ
とを特徴とする固相細胞の乾燥固定方法を提供する。
【0016】以下、本発明の固相細胞の乾燥固定方法
を、さらに詳細に説明する。
【0017】本発明の固相細胞の乾燥固定方法に用いる
乾燥溶液は、糖類及びペプチドを含有するものが好まし
い。ここで糖類としては、グルコース、ラクトース等の
単糖類、サッカロース、マルトース等の二糖類、三糖
類、または、デキストラン等の多糖類を挙げることがで
きる。これらのうち、特にサッカロースが有効である。
糖類の濃度は、0.1重量%以上50重量%以下が望ま
しい。
【0018】また、ペプチドは、特異性物質の失活を防
止するために添加される。ペプチドとしては、例えば、
BSA、ゼラチン、ゼラチン加水分解物のようなキャリ
アタンパクやペプチドが好ましい。
【0019】特に好ましい乾燥溶液は、20重量%サッ
カロース、0.2重量%BSAを含有するものである。
【0020】さらに、乾燥溶液には、浸透圧を制御する
ために適宜塩類を添加してもよい。ここで用られる塩類
としては、塩化ナトリウム、リン酸塩、塩化カリウムが
好ましいが、他の塩類も使用可能である。
【0021】また、本発明の固相細胞の乾燥固定方法で
は、組織又は細胞を担体に固相化する際に、レクチン又
は抗体を使用することが好ましい。レクチンとしては、
コムギ胚芽レクチン(以下、WGAと記す)、リシン
(Ricin)(ヒママメレクチン)又はレンズマメ
(lentil)レクチンを用いることができる。この
ような結合剤を使用して、細胞を例えば単層状に固相化
する。
【0022】組織又は細胞を固相化する担体は、マイク
ロプレートのウェル、ガラス試験管、スライドガラス等
の支持体が好ましい。
【0023】本発明の固相細胞の乾燥固定方法では、組
織又は細胞を固相化すると同時に、または終了後に、上
述のような乾燥溶液を組織又は細胞に接触させて、乾燥
固定を行う。この後、組織又は細胞を軽く遠心等して水
切りを行い、約37℃のインキュベーター等の中で風に
あてて乾燥させたり、完全に乾燥するために真空乾燥や
凍結乾燥を行ってもよい。
【0024】また、組織又は細胞の固相化は、組織又は
細胞を乾燥溶液に直接浮遊させて行うことも可能であ
る。この方法によれは、満足度はやや低下するものの細
胞の固相と乾燥溶液による乾燥固定処理が一度に行える
利点がある。
【0025】また、特異性物質の活性を保つように、組
織又は細胞を低張液に接触させて内容物を溶出(例えば
溶血)させた後、乾燥溶液に接触させて乾燥固定するこ
ともできる。
【0026】本発明の固相細胞の乾燥固定方法は、例え
ば、赤血球、白血球、血小板等の表面等に抗原のような
特異的反応物質を担体上に固相化し、乾燥固定するのに
適用できる。
【0027】また、本発明の固相細胞の乾燥固定方法に
従って製造された固相細胞は、特開平2−124464
号に示されているような、磁性体封入の抗体感作粒子、
酵素を用いた酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定
法(RIA)、蛍光抗体法のような免疫反応に利用でき
る。特に、磁性体粒子を用いたアッセイ系に最適であ
る。
【0028】
【作用】本発明の固相細胞の乾燥固定方法では、組織又
は細胞をレクチン又は抗体を使用して担体に固相化して
いるので、担体と組織又は細胞の結合がタンパク質によ
り阻害され難い。これにより、固相化する組織又は細胞
の表面等からタンパク質を除去する必要がない。また、
乾燥溶液中にタンパク質を添加しても、組織又は細胞の
固相化状態に何ら影響を与えずに、乾燥固定を行うこと
ができる。この結果、組織又は細胞上の特異反応物質の
失活を防止するために乾燥溶液にタンパク質を添加でき
る。さらに、乾燥固定した組織又は細胞を使用して、免
疫反応を行う際にブロッキング処理を施して、非特異的
反応を防止できる。
【0029】
【実施例】
実施例1 1−1.赤血球固相化用マイクロプレートの作成 Nvnc社のU底プレート(Maxisorp Typ
e)に、WGAを10μg/mlの濃度に0.01Mリン
酸緩衝液(以下、PBSと記す)pH=7.0に溶解し
たものを、50μl/well分注した。この後、このU底
プレートを室温で30分間インキュベートした後、同P
BSで5回洗浄して、WGAでコーティングしたウエル
を有する赤血球固相化用マイクロプレートを得た。
【0030】1−2.赤血球の固相化 抗原性が既知のスクリーニング用O型赤血球サージスク
リーン1(Ortho社製)を、PBSで約1.0重量
%になるように希釈懸濁した後、1−2で得た赤血球固
相化用マイクロプレートに25μl/well分注し、10
分間室温で静置した。この後、生理食塩水を用いて各ウ
ェル3回を洗浄して、赤血球をウエル底面に単層状に固
相化した赤血球固相化プレートを得た。
【0031】1−3.赤血球の乾燥 1−2で得た赤血球固相化プレートに、乾燥溶液(サッ
カロース20重量%、BSA0.2重量%、アジ化ナト
リウム0.05重量%含有)を100μl/well分注し
た。次いで、赤血球固相化プレートを3分間放置した
後、乾燥溶液を捨てて水切りした。次に、ドライインキ
ュベーターにより、赤血球固相化プレートを、30℃で
30分間風乾し、更に、減圧乾燥機により減圧下で4時
間乾燥を行って、乾燥赤血球固相化プレートを得た。得
られた乾燥赤血球固相化プレートでは、赤血球は、乾燥
した状態でウエルの底面に固相化されており、ウェルは
淡茶色に見えた。このウエル底面に乾燥固定された赤血
球像を図1の顕微鏡写真に示す。図1から明らかな如
く、赤血球は、ウエル底面に形態を維持しまま、単層状
に乾燥固定されている。
【0032】1−4.抗体の検出 1−3で得た乾燥赤血球固相化プレートに、LISS
(低イオン等張溶液)を25μl/well分注した。この
とき、乾燥固定された赤血球は、LISSで湿潤されて
復元されて溶血し、赤血球像は見えなくなった。この
後、抗D血清及び抗体を持たない健常者の血清を所定の
ウエルに分注した。次に、37℃で10分間インキュベ
ートし、各ウエルを生理食塩水で6回洗浄した。この
後、磁性体封入抗ヒトIgG感作粒子(オリンパス光学
工業(株)製)の懸濁液を、25μl/well分注した。
次に、乾燥赤血球固相化プレートを磁石上に3分間載置
して、パターン形成した。対照として、同じ赤血球を固
相化したが乾燥固定していない、非乾燥赤血球固相化プ
レートを使用して同様の操作を行った。
【0033】このようにして、乾燥赤血球固相化プレー
ト及び非乾燥赤血球固相化プレートにおいて抗D血清を
用いてアッセイを行い、抗D血清の反応性を評価した。
この結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1から明らかなように、乾燥赤血球固相化プレートで
は、抗D血清が非乾燥赤血球固相化プレートと略同等の
反応性で免疫反応を起した。この結果、乾燥固定による
抗原性の低下はないことが確認された。
【0035】実施例2 実施例1と同様の乾燥赤血球固相化プレートに、表2に
示すOrtho社及びBCA社(コスモバイオ(株))
製の抗血清8種(ただしLea は患者血清)を用いて、
実施例1と同様にアッセイを行い、赤血球抗原の有無及
び各種抗血清の反応性を評価した。この結果を表2に示
す。
【0036】
【表2】 表2から明らかなように、各種の赤血球の抗原が抗原性
を保持しており、特に吸着抗原というLea 抗原も保持
していた。
【0037】実施例3 WGA以外の結合剤、すなわち、リシン、レンズマメレ
クチン、ポリエチレンイミン(PEI)を使用して、乾
燥赤血球固相化プレートを作成した。リシン、レンズマ
メレクチンは、10μg/mlの濃度にPBSに溶解し
て、Nvnc社のU底プレートに分注した。この後、U
底プレートを、室温で30分インキュベートした。
【0038】一方、PEI(ナカライテスク社製)を
0.01重量%の濃度にPBSで希釈したものを、同じ
くNvnc社のU底プレートに、50μl/well分注し
た。このU底プレートを、室温で30分インキュベート
した。
【0039】このようにして作成した、リシン,レンズ
マメレクチン、PEIでウエル底面をコーティングした
赤血球固相化用マイクロプレートに、実施例1と同様の
手順で抗原性が既知のスクリーニング用O型赤血球を固
相化した後、固定乾燥して乾燥赤血球固相化プレートを
作成した。作成した各種乾燥赤血球固相化プレートにお
いて、抗D血清及び陰性血清を用いてアッセイを行い、
血清の反応性を評価した。この結果を表3に示す。
【0040】
【表3】 表3から明らかなように、陰性のパターンにやや差があ
るものの、WGA以外の結合剤も十分に使用可能である
ことが確認された。
【0041】実施例4 固相化した赤血球を乾燥溶液で乾燥固定した後に凍結乾
燥した場合について説明する。
【0042】実施例1の1−2で得た赤血球固相化用マ
イクロプレートに、赤血球サージスクリーン(Orth
o社製)を固相化した後、乾燥溶液(サッカロース20
重量%、BSA0.2重量%、アジ化ナトリウム0.0
5重量%含有)を100μl/well分注した。次に、こ
の赤血球固相化プレートを3分間放置した後、乾燥溶液
を捨てて水切りした。この後、予め−40℃に冷却して
おいた凍結乾燥機[ラブコンコ(Labconco)社製;Stopp
ering Tray Dryer]に移して、−40℃まで凍結処理し
た後、−20℃で一昼夜(約20時間)減圧して、凍結
乾燥を行った。
【0043】このようにして作成した乾燥赤血球固相化
プレートにおいて、抗D血清又は陰性血清を用いてアッ
セイを行ったところ、実施例1と同様に、陽性、陰性の
区別ができた。
【0044】実施例5 赤血球の形態を残さずに、その内容物を溶出させた赤血
球(赤血球ゴースト)を乾燥固定した場合について説明
する。
【0045】まず、実施例1の1−2で得た赤血球固相
化用マイクロプレートの各ウエルの底面に、実施例1と
同様にして赤血球を固相化した。次に、各ウエルに、蒸
留水を100μl/well分注した後、1分間放置して赤
血球を溶血させた。この後、蒸留水を捨てて、表4に示
す乾燥溶液a〜fを異なるウエルに注ぎ入れ、3分間放
置した後、乾燥溶液を捨てて水切りした。次いで、実施
例1と同様に、赤血球を乾燥固定して、ウエルの底面に
赤血球ゴーストが固相化された乾燥赤血球固相化プレー
トを得た。
【0046】得られた乾燥赤血球固相化プレートを用い
て、実施例1と同様に、抗D血清又は陰性血清でアッセ
イを行い、その反応性を評価した。この結果を表4に示
す。
【0047】
【表4】 表4から明らかなように、溶血した赤血球を乾燥固定す
るには、等張以下の乾燥溶液(c〜f)が有効であるこ
とがわかった。
【0048】また、溶血させた赤血球をウエルの底面に
乾燥固定したときの赤血球像を図2の顕微鏡写真に示
す。図2から明らかなように、溶血した赤血球は、図1
に示す赤血球像とは異なり、その形態が崩れて、いわゆ
るゴースト状態で固相化され、そのまま乾燥固定された
ことがわかる。
【0049】実施例6 サッカロースの濃度を、表5に示すように変更した乾燥
溶液I 〜VIIと、BSAを添加しなかった乾燥溶液VII
I,IXと、サッカロースに代えて、ラクトース、グルコ
ースを用いた乾燥溶液X,XIを用いた以外は、実施例1
と同様の手順に従って、乾燥赤血球固相化プレートを作
成し、各乾燥赤血球固相化プレートにおいて、抗D血清
又は陰性血清を用いてアッセイを行い、その反応性を評
価した。その結果を表5に示す。
【0050】
【表5】 表5から明らかなように、赤血球を溶血せずに固相化し
た後、乾燥固定する場合には、溶血を防ぐために等張以
上になるような濃度でサッカロース、ラクトース又はグ
ルコースを含有し、かつ、BSAを添加した乾燥溶液
(I 〜IV, X,XI)が好ましいことが確認された。
【0051】実施例7 赤血球を乾燥溶液中に懸濁して固相化を行った場合につ
いて説明する。まず、乾燥溶液[0.05M PB、塩
化ナトリウム0.45重量%、サッカロース2.5重量
%、BSA0.2重量%含有]に、Ortho社の赤血
球、サージスクリーンCell(Rh+ )を濃度が約
0.7重量%になるように希釈懸濁した。この赤血球の
懸濁液を、実施例1の1−2に従って作成した赤血球固
相化用プレートに、25μl/well分注し、室温で10
分間静置した。この後、結合しなかった赤血球を含む乾
燥溶液を捨てて水切りした。次に、実施例1と同様の手
順に従って、固相化した赤血球を乾燥固定して、乾燥赤
血球固相化用プレートを得た。得られた乾燥赤血球固相
化用プレートにおいて、抗D血清及び陰性血清を用いて
アッセイを行った結合、実施例1と同様に、陽性、陰性
を区別できた。
【0052】実施例8 血小板の乾燥固定方法 血小板PLA1 が陽性の被験者より採血しACDを添加
した血漿を、10分間遠心して血小板豊富血漿(Platele
t Rich Plasma :PRP) を得た。得られたPRPの1
0重量%にあたる量のACD液を加えて1100Gで1
5分間遠心して、血小板濃縮物(Platelet Concentrat
e: PC)を得た。得られたPCを生理食塩水で2回洗
浄した。洗浄後、約10万個/μlの血小板濃度になる
ように調整した血小板溶液を、実施例1の1−2で作成
した赤血球固相化用マイクロプレートと同様のWGAを
ウエル底部にコーティングしてなるマイクロプレート
に、25μl/well分注した。このマイクロプレート
を、プレート遠心機により、650Gで5分間遠心し
て、ウエル底部に血小板を固相化した。
【0053】この後、クロロキン溶液を50μl/well
分注し、室温で30分間静置した。次に、クロロキン溶
液を除き、水切りした後、生理食塩水で3回洗浄した。
【0054】次いで、各ウエルに、乾燥溶液(サッカロ
ース20重量%、BSA0.2重量%を含有する水溶
液)を、100μl/well分注し、3分間静置した。こ
の後、乾燥溶液を除き、水切りして、実施例1と同様の
手順に従って、固相化した血小板を乾燥して、乾燥固定
血小板プレートを得た。
【0055】得られた乾燥固定血小板プレートにおい
て、anti−PLT−オリビオ−MPHA[商品名:
オリンパス光学工業(株)製]のPLA1 陽性コントロ
ールと、PLA1 陰性コントロールを用いてアッセイを
行った。この結果、陽性、陰性を明瞭に区別することが
できた。
【0056】
【発明の効果】本発明の固相細胞の乾燥固定方法によれ
ば、レクチン又は抗体を用いて組織又は細胞を固相化す
る。これにより、組織又は細胞から溶出したタンパク質
等の存在に影響されずに組織又は細胞を固相化できる。
また、固相化した組織又は細胞を、タンパク質を含む乾
燥溶液に接触させて乾燥固定する。これにより、乾燥固
定処理において、組織又は細胞上の特異反応物質が失活
するのを略完全に防止できる。また、この固相細胞を免
疫反応に利用する際にブロッキング処理を施して非特異
反応を低減することができる。さらに、組織又は細胞を
乾燥固定したので、固相化した組織又は細胞の保存性を
著しく向上できる。この結果、免疫反応を利用した検査
時間を大幅に短縮できると共に、固相化した組織又は細
胞の試薬としての有効期間を著しく延長できる等顕著な
効果を奏する。特に、本発明の効果は、従来十数種類の
生の赤血球を使用し、多くの工程及び時間、試薬を必要
としていた抗体同定において顕著である。さらに、各々
のウェルに夫々抗原性の異なるパネル血球を乾燥固定し
ておくことで、より迅速でかつ低コストな抗体同定が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固相細胞の乾燥固定方法に従って乾燥
固定された赤血球像である生物の形態を示す写真。
【図2】本発明の固相細胞の乾燥固定方法に従って溶血
した後乾燥固定された赤血球像である生物の形態を示す
写真。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織又は細胞を担体に固相化した後、前
    記組織又は前記細胞に乾燥溶液を接触させて前記組織又
    は前記細胞を乾燥固定することを特徴とする固相細胞の
    乾燥固定方法。
  2. 【請求項2】 担体に固相化した組織又は細胞に低張液
    を接触させて、前記組織又は前記細胞の内容物を溶出さ
    せた後、前記組織又は前記細胞を乾燥固定すること特徴
    とする請求項1記載の固相細胞の乾燥固定方法。
  3. 【請求項3】 乾燥溶液が、糖類及びペプチドを含むこ
    と特徴とする請求項1記載の固相細胞の乾燥固定方法。
  4. 【請求項4】 乾燥溶液が、サッカロース20重量%及
    びウシ血清アルブミン0.2重量%を含有することを特
    徴とする請求項3記載の固相細胞の乾燥固定方法。
  5. 【請求項5】 乾燥溶液が塩を含むことを特徴とする請
    求項1記載の固相細胞の乾燥固定方法。
  6. 【請求項6】 塩が、塩化ナトリウム、リン酸塩又は塩
    化カリウムである請求項5記載の固相細胞の乾燥固定方
    法。
  7. 【請求項7】 乾燥溶液を接触させて組織又は細胞を乾
    燥固定した後、真空乾燥、自然乾燥又は凍結乾燥を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の固相細胞の乾燥固定方
    法。
  8. 【請求項8】 担体が支持体であることを特徴とする請
    求項1記載の固相細胞の乾燥固定方法。
  9. 【請求項9】 組織又は細胞を担体に固相化する際に使
    用する結合剤が、レクチン又は抗体であることを特徴と
    する請求項1記載の固相細胞の乾燥固定方法。
  10. 【請求項10】 レクチンがコムギ胚芽レクチン、リシ
    ン又はレンズマメレクチンであることを特徴とする請求
    項9記載の固相細胞の乾燥固定方法。
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