JP3188628B2 - 油圧エレベータの制御装置 - Google Patents

油圧エレベータの制御装置

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JP3188628B2
JP3188628B2 JP15364896A JP15364896A JP3188628B2 JP 3188628 B2 JP3188628 B2 JP 3188628B2 JP 15364896 A JP15364896 A JP 15364896A JP 15364896 A JP15364896 A JP 15364896A JP 3188628 B2 JP3188628 B2 JP 3188628B2
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雅也 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧エレベータの
制御装置に関し、特に停電時における安全対策を講じた
制御弁を用いた制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、誘導式の電動機の回転速度を
制御し、油圧ポンプの吐出流量を正逆両方向において制
御することによって、乗りかごの上昇時又は下降時の速
度を制御するようにした油圧エレベータが用いられてい
る。
【0003】すなわち、従来の油圧エレベータは、電動
機により回転速度が可変駆動される油圧ポンプ、乗りか
ごを昇降駆動する油圧シリンダ、油圧ポンプと油圧シリ
ンダとの間に接続されて圧油の流量を制御する電磁制御
弁を有する(特開昭63−252885号公報)。
【0004】油圧シリンダを上昇させるときには、電動
機の回転速度を制御して油圧ポンプの吐出量を可変する
ことによって、油圧シリンダに供給される圧油の流量を
調整して油圧シリンダの上昇速度を制御する。
【0005】油圧シリンダを下降させるときには、電磁
制御弁をオンして油圧シリンダ内の圧油が電磁制御弁及
び油圧ポンプを通って油タンクに排出されるようにし、
電動機の回転速度を制御して油圧ポンプの逆方向の吐出
量を可変することによって、油圧シリンダから排出され
る圧油の流量を調整して油圧シリンダの下降速度を制御
する。
【0006】油圧シリンダの下降時におけるスタートの
際のショックを低減させるために、電磁制御弁として2
つの電磁制御弁を用い、これらをオンする動作タイミン
グを互いにずらせるように制御することが上述の公報に
開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】油圧エレベータにおい
ては安全性が重要である。停電時において、特に下降時
に停電が発生した場合において、乗客に不安感を与える
ことなく、速やかに且つ滑らかに乗りかごが停止する必
要がある。
【0008】従来の油圧エレベータでは、停電によって
電磁制御弁がオフし、これによって油圧シリンダからの
圧油の排出流路が急激に閉ざされるので、下降速度が急
激に低下し、乗客にショックを与えるという問題があっ
た。
【0009】例えば、下降時の速度変化を示す図7にお
いて、図7(A)には、下降開始から徐々に下降速度が
増大し、下降時の高速運転領域がしばらく続いた後、減
速運転領域に入り、最後に低速運転となって停止すると
いう、通常の運転状態が示されている。
【0010】高速運転中に停電が発生した場合には、電
磁制御弁の電圧がオフとなって油圧シリンダからの圧油
の排出流路が閉ざされるため、図7(B)に示すよう
に、油圧シリンダの下降速度が急激に低下し、急停止す
る。これにともなって、乗りかごの下降速度も急激に低
下するが、乗りかごには慣性があるので、ロープの伸び
によって停止点を超えて下降し、一旦停止した後に今度
はロープの縮みよって揺れ戻しが発生し、何回かの激し
い上下動が発生する。
【0011】また、低速に到るまでの減速運転中に停電
が発生した場合には、図7(C)に示すように、振幅は
小さくなるが上述と同様な揺れ戻しと上下動が発生す
る。このような揺れ戻しと上下動を防止するために、電
磁制御弁がオフとなったときの流量変化が緩やかになる
ようにすることが考えられる。しかしそのようにした場
合には、図7(D)に示すように、停電の瞬間に下降速
度が一旦上昇してしまい、乗客に極めて大きな不安感を
与えることとなる。この原因は次の通りである。
【0012】すなわち、下降時の通常運転時において
は、油圧シリンダの流量に比べて電磁制御弁の開口面積
は充分に大きく、油圧シリンダの流量は油圧ポンプの逆
方向の吐出量によって制御されている状態である。停電
になると、電動機の制動制御が効かなくなり、油圧ポン
プの回転が自由状態となってしまうので、電磁制御弁の
開口面積が小さくなって電磁制御弁による制御が効くよ
うになるまでの間に、乗りかごの自重によって下降速度
が速くなるのである。
【0013】そうすると、電磁制御弁の流量変化特性
を、最初は急激に低下しその後緩やかに低下するように
設定しておくことが考えられる。しかし、そのようにし
たときに、高速運転中に停電が発生した場合には速度上
昇することなく少ない揺れ戻しで旨く停止したとして
も、低速に到るまでの減速運転中に停電が発生した場合
には、一時的にではあるが下降速度が上昇してしまい、
やはり乗りかごに揺れ戻しと上下動が発生する。
【0014】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、乗りかごの下降時において、高速運転中及び減速
運転中のいずれにおいて停電が発生した場合であって
も、下降速度の上昇又は揺れ戻しがなく停止することの
できる安全な油圧エレベータの制御装置を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る装
置は、電動機により回転速度が可変駆動される油圧ポン
プと、乗りかごを昇降移動させるための油圧シリンダ
と、前記油圧ポンプと前記油圧シリンダとの間に接続さ
れ、電圧がオンとなったときに連通して圧油を制御する
第1の電磁制御弁と、が備えられ、前記油圧シリンダの
下降時において、前記油圧シリンダ内の圧油が前記第1
の電磁制御弁及び前記油圧ポンプを通って排出され、前
記油圧ポンプの回転速度によって前記油圧シリンダの下
降速度が制御されるように構成されてなる油圧エレベー
タの制御装置であって、電圧がオンとなったときに連通
して圧油を制御する第2の電磁制御弁を、前記第1の電
磁制御弁を流れる圧油をバイパスするように前記第1の
制御弁と並列的に接続し、前記第2の電磁制御弁の電圧
がオンからオフに変わったときの流量変化特性を、前記
油圧シリンダの下降時の減速運転領域における流量変化
に近似させ、且つ前記第1の電磁制御弁の電圧がオンか
らオフに変わったときの流量変化特性を、前記第2の電
磁制御弁よりも早く流量が零となるようにしておき、前
記油圧シリンダの下降時において、前記油圧シリンダの
高速運転領域では前記第1の電磁制御弁及び前記第2の
電磁制御弁の電圧をオンし、前記油圧シリンダが減速運
転領域に入ったときに前記第2の電磁制御弁の電圧をオ
フするように制御されてなる。
【0016】
【0017】
【0018】下降運転中に停電などによりソレノイドに
印加される電圧が零になった場合に、第1の電磁制御弁
の弁体は速やかに閉塞するが、第2の電磁制御弁の弁体
は、油圧シリンダ又は乗りかごの停止の際に振動をとも
なわない程度の低速度で閉塞する。したがって、停電に
よって電動機の制動が効かなくなることによって乗りか
ごは疑似的にフリーラン状態となるが、フリーランが起
こる前に第1の電磁制御弁の弁体が閉塞するとともに、
第2の電磁制御弁の弁体の流量調整作用によって揺れ戻
しや衝撃が発生しない程度の加速度で減速され、ショッ
クなく停止する。
【0019】第2の電磁制御弁の開口面積は、油圧シリ
ンダの下降時の減速運転領域における流量変化に応じて
変化するようになっているため、下降速度がどのような
状態のときに停電が発生しても乗りかごをショックなく
停止させる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る油圧エレベー
タ1の油圧回路図、図2は第1の電磁制御弁14及び第
2の電磁制御弁15の構成を示す断面図、図3は第1の
電磁制御弁14及び第2の電磁制御弁15のさらに具体
的な構造を示す断面図、図4乃至図6は油圧エレベータ
1の下降時における動作状態を示すタイミングチャート
である。
【0021】図1において、油圧エレベータ1は、油圧
シリンダ11、油圧ポンプ12、電動機13、第1の電
磁制御弁14、第2の電磁制御弁15、絞り弁16、電
磁制御弁17、油タンク18などから構成されている。
【0022】油圧シリンダ11は、単動型の1段又は複
数段のものであり、ポートPT11に圧油を供給するこ
とによってロッド11aが伸長駆動する。ロッドの先端
には、図示しない滑車を介してロープが掛けられてお
り、ロッド11aが伸長することによってロープに吊り
下げられた図示しない乗りかごが上昇移動する。ポート
PT11から圧油が排出されると、ロッド11a及び乗
りかごが自重で下降する。乗りかごの上昇速度及び下降
速度は、ポートPT11を通過する圧油の流量に比例す
る。
【0023】油圧ポンプ12は、正逆いずれかの方向の
回転によってそれに対応する方向に圧油を吐出するもの
であり、正転時にはポートPT12aから吐出し、逆転
時にはポートPT12bから吐出する。油圧ポンプ12
の吐出量はその回転速度に比例する。
【0024】電動機13は、誘導型のものであり、周波
数可変のインバータによって正逆方向に速度制御が行わ
れる。油圧シリンダ11の下降時において、油圧シリン
ダ11から排出される圧油によって油圧ポンプ12が回
転させられる場合には、電動機13が発電機として動作
し、油圧ポンプ12の回転に制動を与える。その際に、
油圧シリンダ11の位置エネルギーは、電動機13の制
御回路に設けられた抵抗器に流れる電流によって熱に変
換される。
【0025】第1の電磁制御弁14は、油圧ポンプ12
と油圧シリンダ11との間に接続され、電圧が印加され
たとき、つまり電圧がオンとなったときに連通して圧油
を制御する。第1の電磁制御弁14のソレノイドSOL
14がオフの状態のときには、油圧ポンプ12から油圧
シリンダ11へ向かう方向の圧油のみを流通させる。そ
の際には、流通する圧油に対して殆ど抵抗とならない程
度の大きさの開口面積を有する。
【0026】ソレノイドSOL14がオンの状態のとき
には、第1の電磁制御弁14は両方向に連通するが、実
際には油圧シリンダ11が下降するときにソレノイドS
OL14がオンするので、圧油は油圧シリンダ11から
油圧ポンプ12へ向かう方向に流通する。ソレノイドS
OL14がオフからオンになったときには、オンになっ
た時点から徐々に開口面積が大となり、流通する圧油に
対して少しは抵抗となるが過度の抵抗とはならない大き
さの開口面積となる。ソレノイドSOL14がオンから
オフになったときには、オフになった時点から急速に開
口面積が減少し、短時間で閉塞して逆止弁の状態とな
る。
【0027】第2の電磁制御弁15は、電圧が印加され
たときに連通して圧油を制御するもので、第1の電磁制
御弁14を流れる圧油をバイパスするように並列的に接
続されている。第2の電磁制御弁15のソレノイドSO
L15がオフの状態のときには、流路は閉塞されてい
る。ソレノイドSOL15がオンの状態のときには、開
口面積は第1の電磁制御弁14よりも小さいが流路は開
いている。
【0028】ソレノイドSOL15がオフからオンにな
ったときには、オンになった時点から徐々に開口面積が
大となる。ソレノイドSOL15がオンからオフになっ
たときには、オフになった時点から徐々に開口面積が減
少する。開口面積が減少するときの流量変化特性は、油
圧シリンダ11の下降時の減速運転時における流量変化
と相似するように設定されている。
【0029】したがって、第1の電磁制御弁14及び第
2の電磁制御弁15がオンであるときに、例えば停電の
発生によっていずれもオフになると、第1の電磁制御弁
14は第2の電磁制御弁15よりも速く流量が低下して
閉塞状態となり、第2の電磁制御弁15は油圧シリンダ
11の下降時の減速運転時における流量変化に相応した
状態で開口面積が減少して閉塞状態に到る。
【0030】絞り弁16は、油圧ポンプ12から吐出す
る圧油をブリードオフして油タンク18に戻し、又は油
圧シリンダ11から流出する圧油をブリードオフして油
タンク18に戻すためのものである。絞り弁16の流量
は、油圧シリンダ11の作動に振動が発生しないように
調整される。
【0031】電磁制御弁17は、絞り弁16と同じく圧
油をブリードオフするものであるが、油圧シリンダ11
の下降時においてソレノイドSOL17がオンし、油圧
シリンダ11の下降時のブリード量を増大するためのも
のである。
【0032】油タンク18は、圧油を蓄えるものであ
り、例えば、縦120cm、横40cm、高さ64cm
程度の鋼板からなる直方体状のものである。この油タン
ク18は、同じ平面形状の基台の四隅に立てられた長さ
60cm程度の支柱の上に取り付けられている。基台と
油タンク18との間には、油圧ポンプ12及び電動機1
3が取り付けられており、油タンク18の上面には、第
1の電磁制御弁14、第2の電磁制御弁15、絞り弁1
6、及び電磁制御弁17などが取り付けられている。
【0033】図示しない乗りかごの位置を検出するため
に、各階にリミットスイッチLSが取り付けられてお
り、例えば、乗りかごの下降時において、LS信号S1
1が出力されると減速運転に入り、LS信号S12が出
力されると停止するようになっている。
【0034】また、油圧エレベータ1の全体を制御する
ために、上述のインバータ、制動抵抗器ユニット、コン
トロールユニットなどの制御装置が設けられている。図
2において、第1の電磁制御弁14は、油圧パイロット
作動方式のバルブ本体V1、及びパイロット操作用の2
つの電磁制御弁V11,12から構成されている。第2
の電磁制御弁15は、油圧パイロット作動方式のバルブ
本体V2、及びパイロット操作用の電磁制御弁V21か
ら構成されている。バルブ本体V1は、共通のハウジン
グ21に組み込まれている。ハウジング21には、弁穴
31,51、弁室32,52、摺動穴33,53、及び
ポートPT1,PT2が設けられている。
【0035】第1の電磁制御弁14について説明する。
弁穴31は、軸方向に移動可能な弁体35によって塞が
れ、これによって、ポートPT1からポートPT2に向
かって自由流となる逆止弁VC1が構成されている。摺
動穴33には、その内周面を摺動するピストン37が設
けられている。ピストン37には、筒状の係止部38が
設けられており、弁体35の基部側に設けられた係合部
36が係止部38内において摺動可能であるとともに、
互いに軸方向の引っ張る方向に係合している。ピストン
37は、圧縮バネ39によって付勢されており、摺動穴
33の段部33aとストッパ40とによって規制される
ストロークの間において移動可能である。
【0036】電磁制御弁V11は、ソレノイドSOLA
がオンすると閉じる2位置2方弁である。電磁制御弁V
12は、ソレノイドSOLBがオンすると開く2位置2
方弁である。ソレノイドSOLA及びBがソレノイドS
OL14に相当する。
【0037】したがって、ソレノイドSOLA及びBが
オフの状態では、管路PP2に発生した油圧が電磁制御
弁V11を介してポートPT3に供給され、圧力室41
に流入する。圧力室41の有効面積の方が弁室32内の
有効面積よりも若干大きく、またピストン37が圧縮バ
ネ39によって付勢されているので、ピストン37は段
部33aに押し付けられた状態となり、弁体35は自由
な逆止弁VC1として作用する。このときの状態は、図
1における第1の電磁制御弁14のソレノイドSOL1
4がオフの状態と同じである。
【0038】ソレノイドSOLA及びBがオンの状態に
なると、ポートPT3には圧油が供給されなくなり、そ
の逆に圧力室41内の圧油がポートPT3から電磁制御
弁V12を通って油タンク18に排出される。摺動穴3
3の内径D2は弁穴31の内径D1よりも大きいので、
ピストン37の有効受圧面積の方が弁体35の有効受圧
面積よりも大きい。したがって、弁室32内の油圧によ
って、ピストン37は圧縮バネ39に抗して移動し、ス
トッパ40に押し付けられる。このときのピストン37
の移動速度は、絞り弁72によって調整される。この状
態では、弁体35は係止部38により引っ張られて弁穴
31から離れ、ポートPT1とポートPT2との間が自
由流となる。
【0039】第2の電磁制御弁15について説明する。
弁穴51は、軸方向に移動可能な弁体55によって塞が
れる。弁体55は、摺動穴53内を摺動するピストン5
7と一体となっており、したがってピストン57のスト
ローク位置に応じて弁穴51の開口面積が可変される。
ピストン57は、圧縮バネ59によって付勢されてお
り、ストッパ60によって規制されるストロークの間に
おいて移動可能である。
【0040】電磁制御弁V13は、ソレノイドSOLD
がオンすると開く2位置2方弁である。ソレノイドSO
LDがソレノイドSOL15に相当する。したがって、
ソレノイドSOLDがオフの状態では、管路PP2に発
生した油圧がパイロット流路及び絞り弁73を介してポ
ートPT4に供給され、圧力室61に流入する。このと
きの状態は、図1における第2の電磁制御弁15のソレ
ノイドSOL15がオフの状態と同じである。ソレノイ
ドSOLDがオンからオフになったときのピストン57
の移動速度は、絞り弁73の絞り量及び圧縮バネ59の
強さによって調整される。
【0041】ソレノイドSOLDがオンの状態になる
と、圧力室61内の圧油がポートPT4から電磁制御弁
V13及び絞り弁74を通って油タンク18に排出され
る。摺動穴53の内径D4は弁穴51の内径D3よりも
大きいので、ピストン57の有効受圧面積は弁体55の
有効受圧面積よりも大きい。したがって、弁室52内の
油圧によって、ピストン57は圧縮バネ59に抗して移
動し、ストッパ60に押し付けられる。このときのピス
トン57の移動速度は、絞り弁74によって調整され
る。
【0042】さて、上述のように構成された油圧エレベ
ータ1の動作について説明する。まず、油圧シリンダ1
1を上昇させる場合、つまり乗りかごを上昇駆動する場
合について説明する。
【0043】ソレノイドSOLA,B,Dをオフとし、
電動機13を制御して油圧ポンプ12を正方向に回転さ
せる。油圧ポンプ12から吐出する圧油は、一部は絞り
弁16を経て油タンク18に戻るが、他の殆どはバルブ
本体V1のポートPT1から流入し、弁体35を押し上
げ、弁室32を経てポートPT2から流出し、油圧シリ
ンダ11のポートPT11に流入する。これによって油
圧シリンダ11が上昇駆動する。
【0044】次に、通常運転時において、油圧シリンダ
11のロッド11aを収縮させて下降させる場合、つま
り乗りかごを下降駆動する場合について説明する。図4
において、図示しない押しボタンなどによって下降開始
指令が出されると、ソレノイドSOLA,B,Dがオン
する。これによってバルブ本体V1,2の弁体35,5
5が移動し、その開口面積が大きくなる。油圧シリンダ
11内の圧油は、ポートPT11から流出し、ポートP
T2、弁室32,52、及びポートPT1、油圧ポンプ
12を経て油タンク18に排出される。油圧シリンダ1
1は、油圧ポンプ12の回転速度に応じて制御されなが
ら下降速度を徐々に上昇させ、やがて高速運転に入る。
【0045】次の停止階にさしかかり、LS信号S11
が出力されると、ソレノイドSOLDがオフとなる。こ
れによって、バルブ本体V2の弁体55が閉塞方向に移
動を開始する。これとともに電動機13の回転速度が低
下するように制御され、油圧シリンダ11は減速運転を
開始する。油圧シリンダ11の下降速度が充分に減速さ
れて低速運転領域となった頃にLS信号S12が出力さ
れ、これによって、ソレノイドSOLA及びBがオフと
なり、バルブ本体V1の弁体35が急速に閉じ、油圧シ
リンダ11は停止する。
【0046】これらの間において、油圧シリンダ11の
下降速度は電動機13の回転速度によって制御される。
下降の開始時及び停止時において電動機13が正方向に
回転しているのは、絞り弁16及び電磁制御弁17によ
りブリードされる流量を補うためである。したがって、
油圧シリンダ11が減速して低速運転領域になったとき
でも、電動機13をそれに応じて低速回転させる必要が
なく、逆方向にそれよりも大きい回転速度で回転させれ
ばよい。このことは、制御の困難な低速回転を行う必要
がなく、それだけ電動機13の制御が容易となってコス
トの上昇が抑えられ、低速回転時に発生し易い振動が抑
えられることを意味する。
【0047】また、バルブ本体V2は、LS信号S11
が出力された時点で弁体55が閉塞方向に移動を開始
し、開口面積を徐々に小さくして行き、LS信号S12
が出力される時点の近辺において閉塞状態となる。この
動作は通常運転時においては余り意味を持たない。しか
し、通常運転時であってもこのように制御しておくこと
により、停電時において、油圧シリンダ11が滑らかに
停止し、乗りかごの揺れ戻しの発生を防止することにな
る。詳細は以下に述べる。
【0048】次に、油圧シリンダ11つまり乗りかごが
高速運転で下降中に停電した場合について説明する。図
5において、時刻t1で停電が発生すると、それと同時
にソレノイドSOLA,B,Dがオフとなる。これによ
って、バルブ本体V1の弁体35は速やかに閉塞する。
バルブ本体V2の弁体55は緩やかに移動し、開口面積
を緩やかに小さくして行き、やがて閉塞する。電動機1
3もオフとなり、制動のない自由状態となる。したがっ
て、油圧シリンダ11から流出する圧油は、バルブ本体
V1よりも開口面積の小さいバルブ本体V2によって絞
られ、バルブ本体V2の開口面積が小さくなるのに呼応
して油圧シリンダ11の下降速度が低下し、滑らかに停
止する。この場合において、乗りかごの乗客に加わる加
速度は0.3G以内に抑えられる。
【0049】なお、この場合のバルブ本体V2の弁体5
5の移動速度は、通常運転時にオフした場合よりも速
い。その理由は、ポートPT2とポートPT1との間の
圧力差が大きくなっており、それだけ圧力室61に単位
時間に流れ込む圧油の量が多くなるからである。
【0050】次に、油圧シリンダ11つまり乗りかごが
下降の減速運転中に停電した場合について説明する。図
6において、時刻t2で停電が発生すると、それと同時
にソレノイドSOLA,Bがオフとなる。ソレノイドS
OLDは既にオフしている。これによって、バルブ本体
V1の弁体35は速やかに閉塞する。バルブ本体V2の
弁体55は既に途中まで閉塞しているが、閉塞の速度が
少し速ってその後も続けて開口面積を緩やかに小さくし
て行き、やがて閉塞する。電動機13もオフとなり、制
動のない自由状態となる。したがって、油圧シリンダ1
1から流出する圧油は、バルブ本体V2によって絞ら
れ、バルブ本体V2の開口面積が小さくなるのに呼応し
て油圧シリンダ11の下降速度がさらに低下し、滑らか
に停止する。この場合においても、乗りかごの乗客に加
わる加速度は0.3G以内に抑えられる。
【0051】上述のように、第1の電磁制御弁14及び
第2の電磁制御弁15を用い、且つ通常運転時において
図4に示すように制御しておくことによって、停電時に
おいても油圧シリンダ11が滑らかに且つ速やかに停止
する。しかも、停電が油圧シリンダ11の高速運転中又
は減速中のいずれで発生しても、油圧シリンダ11は滑
らかに且つ速やかに停止する。したがって、下降速度の
上昇、揺れ戻し、又は振動などが乗りかごに発生するこ
とがないので、乗客に不安感を与えることなく安全であ
る。
【0052】つまり、下降運転中に停電などによりソレ
ノイドSOL14,15に印加される電圧が切れた場合
に、第1の電磁制御弁14の弁体35は速やかに閉塞す
るが、第2の電磁制御弁15の弁体55は、絞り弁73
によって停止の際に振動をともなわない程度の低速度で
閉塞する。したがって、停電によって電動機13の制動
が効かなくなることによって乗りかごは疑似的にフリー
ラン状態となるが、フリーランが起こる前に弁体35が
閉塞するとともに、弁体55の流量調整作用によって揺
れ戻しや衝撃が発生しない程度の加速度で減速され、シ
ョックなく停止する。
【0053】第2の電磁制御弁15の開口面積は、油圧
シリンダ11の下降時の減速運転領域における流量変化
に応じて変化するようになっているため、下降速度がど
のような状態のときに停電が発生しても乗りかごをショ
ックなく停止させることができる。
【0054】また、2つのソレノイドSOLA及びBを
用いて回路を構成しているので、両方のソレノイドSO
LA及びBが同時に不良にならない限り、安全性は保た
れる。
【0055】次に、第1の電磁制御弁14及び第2の電
磁制御弁15の具体的な構造について、図3に基づいて
説明する。なお、図3において、図2と同じ機能を有す
る部分には同じ符号を付し、説明を簡略化し又は省略す
る。
【0056】弁体35は、弁穴31の内周面を摺動する
円筒状のものであり、その周面に下方に開口する4つの
切り欠き部351が設けられている。したがって、弁体
35が弁穴31内を摺動すると、そのストローク位置に
応じて切り欠き部351の上部が弁室32の中に入いる
ので、切り欠き部351を介してポートPT1とポート
PT2とが連通する。連通の際の開口面積は、弁体35
のストローク位置による。
【0057】係止部38には、係合部36を係止するた
めに、下端部に止めリング381が取り付けられてい
る。また、弁穴31を閉じる方向に弁体35を付勢する
ための圧縮バネ382が装着されている。係止部38に
は、その内外を連通するための連通孔383が設けられ
ている。ストッパ40は、ハウジング21にネジ込まれ
たカバー部材211にネジ込まれている。
【0058】弁体55は、弁穴51の内周面を摺動する
円筒状のものであり、その周面に、2つの逆三角形状の
切り欠き孔551が設けられている。したがって、弁体
55が弁穴51内を摺動すると、そのストローク位置に
応じて切り欠き孔551が弁室52の中に入いるので、
切り欠き孔551を介してポートPT1と弁室52とが
連通する。連通の際の開口面積は、弁体55のストロー
ク位置による。
【0059】ストッパ60は、ハウジング21にネジ込
まれたカバー部材212にネジ込まれている。弁穴31
の内径よりも摺動穴33の内径の方が大きく、弁穴51
の内径よりも摺動穴53の内径の方が大きい。したがっ
て、それらの穴をハウジング21の図の上方のみから加
工することができ、且つバルブ本体V1,2を上方のみ
から組み立て又は分解することができる。したがって、
バルブ本体V1,2のメンテナンスを一方からのみ行う
ことができて容易であるとともに、バルブ本体V1,2
の取り付け場所の自由度が高くなり省スペース化が図ら
れる。
【0060】弁体35とピストン37、及び弁体55と
ピストン57のそれぞれの全長を短くすることができ、
小型化が図られる。なお、本発明における、第2の弁
穴、第2の弁室、第2の摺動穴、第2の弁体、第2のピ
ストン、第2の圧縮バネ、第4のポートは、それぞれ、
本実施形態の弁穴51、弁室52、摺動穴53、弁体5
5、ピストン57、圧縮バネ59、ポートPT4に相当
する。
【0061】上述の実施形態において、第1の電磁制御
弁14又は第2の電磁制御弁15の構成、構造、絞り弁
16及び電磁制御弁17によるブリードオフ回路の構
成、その他油圧エレベータ1の全体又は各部の構成など
は、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。
【0062】
【発明の効果】本発明によると、乗りかごの下降時にお
いて、高速運転中及び減速中のいずれで停電が発生した
場合であっても、下降速度の上昇又は揺れ戻しがなく停
止することのできる安全な油圧エレベータの制御装置を
提供することができる。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧エレベータの油圧回路図であ
る。
【図2】第1の電磁制御弁及び第2の電磁制御弁の構成
を示す断面図である。
【図3】第1の電磁制御弁及び第2の電磁制御弁のさら
に具体的な構造を示す断面図である。
【図4】油圧エレベータの下降時における動作状態を示
すタイミングチャートである。
【図5】油圧エレベータの下降時における動作状態を示
すタイミングチャートである。
【図6】油圧エレベータの下降時における動作状態を示
すタイミングチャートである。
【図7】従来における乗りかごの下降時の速度変化を示
す図である。
【符号の説明】
1 油圧エレベータ 11 油圧シリンダ 12 油圧ポンプ 13 電動機 14 第1の電磁制御弁 15 第2の電磁制御弁 31 弁穴 32 弁室 33 摺動穴 35 弁体 36 係合部 37 ピストン 38 係止部 39 圧縮バネ 41 圧力室 51 弁穴(第2の弁穴) 52 弁室(第2の弁室) 53 摺動穴(第2の摺動穴) 55 弁体(第2の弁体) 56 係合部(第2の係合部) 57 ピストン(第2のピストン) 58 係止部(第2の係止部) 59 圧縮バネ(第2の圧縮バネ) 61 圧力室(第2の圧力室) PT1 ポート(第1のポート) PT2 ポート(第2のポート) PT3 ポート(第3のポート) PT4 ポート(第4のポート)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機により回転速度が可変駆動される油
    圧ポンプと、 乗りかごを昇降移動させるための油圧シリンダと、 前記油圧ポンプと前記油圧シリンダとの間に接続され、
    電圧がオンとなったときに連通して圧油を制御する第1
    の電磁制御弁と、 が備えられ、 前記油圧シリンダの下降時において、前記油圧シリンダ
    内の圧油が前記第1の電磁制御弁及び前記油圧ポンプを
    通って排出され、前記油圧ポンプの回転速度によって前
    記油圧シリンダの下降速度が制御されるように構成され
    てなる油圧エレベータの制御装置であって、 電圧がオンとなったときに連通して圧油を制御する第2
    の電磁制御弁を、前記第1の電磁制御弁を流れる圧油を
    バイパスするように前記第1の制御弁と並列的に接続
    し、 前記第2の電磁制御弁の電圧がオンからオフに変わった
    ときの流量変化特性を、前記油圧シリンダの下降時の減
    速運転領域における流量変化に近似させ、且つ前記第1
    の電磁制御弁の電圧がオンからオフに変わったときの流
    量変化特性を、前記第2の電磁制御弁よりも早く流量が
    零となるようにしておき、 前記油圧シリンダの下降時において、前記油圧シリンダ
    の高速運転領域では前記第1の電磁制御弁及び前記第2
    の電磁制御弁の電圧をオンし、前記油圧シリンダが減速
    運転領域に入ったときに前記第2の電磁制御弁の電圧を
    オフするように制御されてなる、 ことを特徴とする油圧エレベータの制御装置。
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