JP3188389B2 - 塗料の連続乾燥焼付方法 - Google Patents

塗料の連続乾燥焼付方法

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JP3188389B2
JP3188389B2 JP34379795A JP34379795A JP3188389B2 JP 3188389 B2 JP3188389 B2 JP 3188389B2 JP 34379795 A JP34379795 A JP 34379795A JP 34379795 A JP34379795 A JP 34379795A JP 3188389 B2 JP3188389 B2 JP 3188389B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ストリップ等
の帯状の処理材に塗料を乾燥し焼き付ける熱風循環方式
の連続乾燥焼付方法に係り、特に、エネルギー効率の向
上や生産性の向上に有効な連続乾燥焼付方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱風循環方式の連続乾燥焼付方法
としては、例えば特開昭61−138563号公報に記
載されているものがある。これは、図2に示すように、
帯状の処理材3に対しロールコータ2により順次,塗料
を塗布しつつ、その処理材3を連続的に乾燥焼付炉1内
へ通板させる。乾燥焼付炉1では、熱風によって、上記
送られくる処理材3に対し,塗布されている塗料を連続
的に乾燥し焼き付ける。この乾燥焼付の際に発生した炉
排ガスは、ブロア6により上記乾燥焼付炉1から吸引さ
れ、排ガス配管5を通ってインシネレータ10に導入さ
れる。このインシネレータ10においては、バーナー1
3により上記導入された炉排ガスを加熱し、その炉排ガ
ス中に含まれている溶剤蒸発ガスを焼却する。上記バー
ナー13には、熱交換器11により昇温された燃焼用空
気18及び燃料12が供給される。
【0003】上記インシネレータ10から排出される焼
却排ガスは、その一部がリターンガス配管14を通って
各循環用ブロア15に送られ、また、上記焼却排ガスの
残部は、排出配管路16を通って熱交換器9,11を通
過した後に煙突17から大気中に排出される。上記循環
用ブロア15を含む循環路20には、該循環用ブロア1
5の上流側に冷却用空気を取り入れる冷却空気取入路2
1が接続し、この該冷却空気取入路21から導入される
冷却空気を上記焼却排ガスに混合することで温度調整を
行い、その温度調整した混合ガスを上記乾燥焼付炉1に
乾燥焼付のために熱源として供給している。なお、図
中、25は上記混合ガスの温度を測定する温度センサで
あり、また、26は上記混合ガスの温度を制御する温度
指示制御装置である。
【0004】さらに、上記特開昭61−138563号
公報に記載される連続乾燥焼付方法では、上記乾燥焼付
炉1内を常に、若干の負圧の状態に維持するために、排
ガス配管5によって排出される炉排ガス量と、リターン
ガス配管14を通って循環用ブロア15に送られる焼却
排ガス量と、に基づいて循環路20に供給する冷却空気
の量を制御する。即ち、上記乾燥焼付炉1に供給される
焼却排ガス量と冷却空気量との総和が、上記乾燥焼付炉
1から排出される炉排ガス量の例えば90%等の一定の
比率となるように制御して、乾燥焼付炉1から外部に炉
排ガスが多量に吹き出したり、外部から乾燥焼付炉1に
多量の空気が吸い込まれたりすることを防止している。
【0005】ここで、従来の連続乾燥焼付装置における
上記インシネレータ10の炉温の設定は、溶剤の理論燃
焼温度に設定される。または、図外の制御装置に対し
て、上記炉排ガス中の理論溶剤蒸発量と炉内溶剤濃度設
定値とが入力され、当該制御装置は、入力した理論溶剤
蒸発量と炉内溶剤濃度設定値とを比較して、インシネレ
ータ10への炉排ガス流量をダンパ7により調整する。
なお、この調整は、流量計8からの信号により調整され
る。そして、上記炉排ガス流量の焼却に見合った燃焼用
空気及び燃料12がバーナー13に供給されて、インシ
ネレータ10内の燃料使用量が変化する。即ち、インシ
ネレータ10内の燃料使用量は、炉排ガス量に応じて変
更する。
【0006】ここで、上記炉排ガス中の理論溶剤蒸発量
は、処理材3に塗布された塗料の単位面積当たりの溶剤
量や、塗料の塗布されている処理材3の板幅、及び当該
処理材3の通板速度など、つまり、処理材3への塗料の
塗布量や炉内での当該塗料の乾燥焼付の処理速度等によ
って変化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の連続乾燥焼付方法においては、次のような
問題がある。処理材3に塗布した塗料の量が多いためや
処理材3の板幅が広い等によって上記炉排ガス量が多い
場合には、上記インシネレータ10の燃焼ガス量が多く
なるため、当該インシネレータ10から排出される燃焼
排ガスの熱量は多くなる。
【0008】しかしこのとき、処理材3の板厚が薄い
等、処理材3自体の加熱負荷量が低い場合には処理材3
への吸熱が低いので、乾燥焼付炉1内の温度を低めに抑
えるために焼却排ガスに混合する冷却空気の割合が多く
なり、上記乾燥焼付炉1の熱源として使用される混合ガ
ス中の焼却排ガスの割合が小さくなる。これは、焼却排
ガスを必要以上に加熱していることであるので、インシ
ネレータ10でエネルギー損失が生じている。同時に、
焼却排ガスを熱源として利用する割合が低くなり、無駄
に煙突17から排出される焼却排ガスの割合が増加して
いることを表している。なお、上記混合ガスの温度を低
めに抑えるのは、上記乾燥焼付炉1内で溶剤蒸発ガスが
必要以上に加熱されて爆発することを抑えるためであ
る。
【0009】逆に、処理材3に塗布した塗料の量が少な
いため等によって上記炉排ガス中の理論溶剤蒸発量が少
ない場合には、上記インシネレータ10の燃焼ガス量は
少なくなり、当該インシネレータ10から排出される熱
量は少なくなる。しかしこのとき、処理材3の板厚が厚
い等、処理材3自体の加熱負荷量が大きい場合には処理
材3への吸熱が高くなるので、上記加熱負荷量に応じた
高い温度の混合ガスを乾燥焼付炉に供給する必要が生じ
る。しかし、従来では、上記のように燃焼排ガスの温度
は低めになっているので、処理材3の通板速度を落す、
つまり塗料の乾燥焼付の処理速度を落とす必要がある。
さらに、処理材3の板幅や板厚の寸法が大きくなって処
理材3の加熱負荷量が大きくなると所望の連続乾燥焼付
が実施できない等の制限があり、生産性向上の阻害要因
となっているという問題がある。
【0010】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、インシネレータでのエネルギー損失を
抑えると共に塗料の連続乾燥焼付の生産性を向上させる
ことを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の塗料の連続乾燥焼付方法は、塗料を付着し
た処理材を乾燥焼付炉内へ連続的に通過させて上記塗料
を乾燥焼き付けし、その焼き付けの際に発生した炉排ガ
スをインシネレータに導き当該炉排ガス中の溶剤蒸発ガ
スを焼却処理すると共に、上記インシネレータから排出
される焼却排ガスを、乾燥焼付のための熱源として上記
乾燥焼付炉内に導入する塗料の連続乾燥焼付方法におい
て、上記インシネレータの炉温を、当該インシネレータ
の炉温と乾燥炉に供給される燃焼排ガスの量との積が下
記(1)式で示される加熱負荷量Xと等しくなるよう
に、上記炉排ガス中の理論溶剤蒸発量及び上記乾燥焼付
炉内を通過する処理材の加熱負荷量に応じて設定変更す
ることを特徴とする塗料の連続乾燥焼付方法。 X=t×W×L S ×ρ×C×(T O −T I ) ・・・(1) である。
【0012】ここで、上記理論溶剤蒸発量は、処理材の
通過速度、処理材の幅や当該処理材に塗布された塗料の
単位面積当たりの溶剤量などから求められるものであ
り、処理材における対象部位が乾燥焼付炉に入る前に求
められる量である。また、上記処理材の加熱負荷量は、
対象とする処理材の板厚、密度、ヒートパターン、及び
その処理材の通過速度などによって求められるものであ
り、この加熱負荷量も、処理材における対象部位が乾燥
焼付炉に入る前に求められる量である。
【0013】本発明は、上記炉排ガス中の理論溶剤蒸発
量ばかりでなく上記処理材の現実の加熱負荷量に応じ
て、インシネレータの炉温を設定変更する。即ち、上記
理論溶剤蒸発量に基づいてインシネレータで上記炉排ガ
ス中の溶剤蒸発ガスを焼却するのに必要なインシネレー
タの炉温が決定されるが、このとき実際の処理材の加熱
負荷量を考慮することで、実際に溶剤蒸発ガスを焼却す
るのに必要な最低のインシネレータの炉温に設定した
り、実際の処理材の加熱負荷量に応じて乾燥焼付炉で要
求される熱風の温度に応じた温度に焼却排ガスの温度が
設定されるように、上記インシネレータの炉温が設定可
能になる。
【0014】例えば、上記炉排ガス中の理論溶剤蒸発量
が多く且つ上記加熱負荷が低くなった場合には、乾燥焼
付炉内での処理材への吸熱が低くなるので、当該炉排ガ
ス中の溶剤蒸発ガスを焼却するのに必要な最低温度に設
定することで、インシネレータから排出される焼却排ガ
スの温度を低下する。これによって、上記インシネレー
タでのエネルギー損失が従来よりも小さくなる。また、
乾燥焼付炉に導入される焼却排ガス量の割合が従来より
も増加する。
【0015】また、上記理論溶剤蒸発量が少なく且つ上
記加熱負荷が高くなった場合には、上記加熱負荷に応じ
たインシネレータの炉温となるように炉温を高めに設定
変更することで、乾燥焼付炉に導入する焼却排ガスの温
度が従来よりも高めに設定可能となり、処理材の通板速
度を低下することなく処理材の塗料の乾燥・焼付が行わ
れる。
【0016】このように、本発明では、インシネレータ
でのエネルギー損失ばかりでなく、乾燥焼付炉での生産
性向上が可能なようにインシネレータの炉温が設定変更
される。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず連続乾燥焼付装置の構成につ
いて説明すると、図1に示すように、乾燥焼付炉1の上
流にロールコータ2が配設され、当該ロールコータ2に
よって塗料が塗布された処理材3が連続的に上記乾燥焼
付炉1内を通板するようになっている。なお、上記乾燥
焼付炉1内は、複数の区画1A〜1Nに区分されてい
る。
【0018】上記乾燥焼付炉1には、ブロア6を介して
排ガス配管5が接続されている。その排ガス配管5は、
第1熱交換器9を経由してインシネレータ10の入口に
接続される。その排ガス配管5における上記ブロア6と
第1熱交換器9との間には、ダンパ7及びガス流量計8
が介挿されていて、排ガス配管5を流れる排ガス流量が
測定されると共に、その炉排ガスの流量の調整が流量指
示制御装置27によって行われる。
【0019】上記インシネレータ10においては、その
バーナー13に燃料用空気18及び燃料12が供給され
て、その燃料用空気18と燃料12の割合に応じた炉温
によって導入される炉排ガス中の溶剤蒸発ガスを焼却可
能となっている。上記燃料用空気18は、第2熱交換器
11を経由する燃料空気用配管40によって供給され上
記第2熱交換器11で加熱されている。また、燃料12
は、燃料用配管41を通じて供給される。
【0020】また、上記インシネレータ10には炉温温
度計42が配設され、該炉温温度計42は、測定した炉
温に応じた温度信号Yを後述の空気比制御装置43に供
給可能となっている。上記インシネレータ10の出口に
は、排出配管16が接続され、当該排出配管16は、上
記第1及び第2熱交換器9,11を介して煙突17に接
続されている。そして、上記第1及び第2熱交換器9,
11において、高温の燃焼排ガスと炉排ガス及び燃料用
空気18とが熱交換されて、当該炉排ガス及び燃料用空
気18が昇温されるようになっている。
【0021】また、上記排出配管16の途中からリター
ンガス配管14が分岐している。そのリターンガス配管
14の各枝管14bの端部は、各区画1A〜1Nに対応
する各循環用ブロア15に接続されている。また、リタ
ーンガス配管14の本管14aには、当該リターンガス
配管14を流れる焼却排ガスの流量を計測するガス流量
計30が介挿されている共に、その各枝管14bには、
それぞれ流量を調整するダンパ24が介挿されている。
上記ガス流量計30によって計測された流量信号は流量
指示制御装置34に供給可能となっている。また、上記
各ダンパ24は、後述のように、温度指示制御装置26
によって開閉調整される。
【0022】上記流量指示制御装置34は、リターンガ
ス配管14のガス流量計30及び排ガス配管5のガス流
量計8からの各流量信号に基づいて後述の共通冷却用空
気取入管31に設けたダンパ33を開閉制御すること
で、乾燥焼付炉1に供給される燃焼排ガス量と冷却空気
との合計値が、上記炉排ガス量に対し所定の割合、例え
ば90%になるように制御している。
【0023】また、上記循環用ブロア15を含む循環路
20における当該循環用ブロア15よりも上流側位置に
は、冷却空気取入路21の一端部が接続されている。そ
の冷却空気取入路21の上流側には、共通冷却用空気取
入管31に連結され、その共通冷却用空気取入管31に
は、上述の、冷却空気取入量を検出するためのガス流量
計32と、冷却空気取入量を調整するダンパ33とが設
けられている。
【0024】また、上記循環路20の循環用ブロア15
の出口側は上記乾燥焼付炉1に連通すると共に、その連
通部の途中に温度センサ25が介挿されている。温度セ
ンサ25は、測定した温度信号を温度指示制御装置26
に供給可能となっていて、該温度指示制御装置26は、
供給された上記温度信号に基づいて上記リターンガス配
管14の各ダンパ24のそれぞれの開閉制御を行うよう
になっている。
【0025】さらに、本実施の形態では、上記燃料空気
用配管40の途中に、燃焼空気流量計44及び燃焼空気
調節弁45が介挿されている。上記燃焼空気流量計44
は、燃料空気用配管40を流れる空気の流量を計測して
その流量に応じた流量信号を燃焼空気調整計46に供給
可能となっている。また、上記燃焼空気調節弁45は、
その燃焼空気調整計46によって開閉制御されるように
なっている。
【0026】また、上記燃焼空気調整計46には、排ガ
ス配管5のガス流量計8からの流量信号Xも入力し、そ
の入力信号Xによって上記燃焼空気調節弁45の開度が
微調整される。これは、炉排ガスの酸素濃度が低いため
に行うインシネレータ10内の酸素濃度を微調整するも
のである。また、上記燃料用配管41の途中に、燃料ガ
ス流量計47及び燃料ガス調節弁48が介挿されてい
る。上記燃料ガス流量計47は、燃料用配管41を流れ
る燃料12の流量を計測し、その流量に応じた流量信号
を燃料ガス調整計49に供給可能となっている。また、
上記燃料ガス調節弁48は、その燃料ガス調整計49に
よって開閉制御されるようになっている。
【0027】上記燃焼空気調整計46及び燃料ガス調整
計49は、ともに空気比制御装置43からの信号によっ
て上記各調節弁45,48の調整を行い、バーナー13
に供給する空気18の量及び燃料12の量を調整する。
これによって、インシネレータ10の炉温が所定の温度
に設定される。この炉温設定については後述する。上記
空気比制御装置43には、インシネレータ10に設けた
炉温温度計42からの温度信号Yが入力されると共に、
乾燥焼付炉1を通過する処理材3の理論溶剤蒸発量c及
び処理材3の加熱負荷量dが時々刻々入力される。
【0028】ここで、上記理論溶剤蒸発量cは、処理材
3の通板速度、処理材3の幅やロールコータ2から当該
処理材3に塗布された塗料の単位面積当たりの溶剤量な
どから求められるものであり、処理材3における対象部
位が乾燥焼付炉1に入る前に求められる量である。ま
た、上記処理材3の加熱負荷量dは、対象とする処理材
3の板厚、密度、ヒートパターン、及びその処理材3の
通板速度などによって求められるものであり、この加熱
負荷量dも、処理材3における対象部位が乾燥焼付炉1
に入る前に求められる量である。
【0029】そして、上記空気比制御装置43では、上
記入力した理論溶剤蒸発量c及び加熱負荷量dに基づ
き、後述する関数F(c,d)により設定すべき炉温
(設定炉温)を算出し、その設定炉温と上記炉温温度計
42が計測した温度(実際の炉温)との偏差を求める。
そして、その偏差が小さくなるように、つまりインシネ
レータ10の炉温が設定温度となるように、上記燃焼空
気調整計46及び燃料ガス調整計49に、それぞれバー
ナー13に供給する空気の量及び燃料12の量の設定値
を供給する。
【0030】上記空気比制御装置43における、理論溶
剤蒸発量c及び加熱負荷量dに基づく設定炉温の算出の
ために使用される関数F(c,d)の演算は、例えば、
次のようにして行われるものである。まず、理論溶剤蒸
発量と炉内溶剤濃度設置値より、炉内の溶剤が発火しな
い濃度となるように炉排ガス量V2 を決める。
【0031】また、燃焼排ガス量V1 を、炉入出口の吹
出しが少なくなるように上記炉排ガス量V2 にある比率
kを掛けた値とする。そして、乾燥炉内での加熱負荷量
Xを下式で求める。 X=t×W×LS ×ρ×C×(TO −TI ) ここで、 t:板厚 W:板幅 LS :ライン速度 ρ:板の密度 C:板の比熱 TO :加熱後板温 TI :加熱前板温 である。
【0032】次に、インシネレータの炉温Tと乾燥炉に
供給される燃焼排ガス量V1 の積、つまり乾燥のために
供給される熱量がXと等しければ最も効率的(省エネ、
生産能力)であるので、インシネレータの炉温を、上記
XとV1 とから求める。ここで求めたインシネレータ炉
温が溶剤を焼却するに必要な温度Tmin 未満の場合は、
インシネレータ炉温をTmin とする。
【0033】また、インシネレータの炉温がインシネレ
ータの耐熱温度Tmax を超える場合は、インシネレータ
の炉温をTmax とする。この場合は、乾燥炉に供給され
る熱量が減るため、Tmax から加熱負荷Xに必要なV1
を計算した後に、V1 から逆にV2 を決定することによ
り、加熱負荷量に見合う燃焼排ガス量が得られるように
制御する。
【0034】次に、上記構成の装置の動作や作用等を説
明する。処理材3に順次ロールコータ2によって塗料が
塗布され、その塗料が塗布された処理材3の部分が順
次、乾燥焼付炉1内を通過し、その通過中に上記塗料の
乾燥焼付が行われる。ここで、上記乾燥焼付のための熱
源は、循環用ブロア15及び循環路20を介して供給さ
れる燃焼排ガスに冷却空気を混合することで所定温度に
設定された混合ガスによる熱風である。
【0035】上記乾燥焼付炉1での乾燥焼付の際に生じ
た炉排ガスは、ブロア6で吸引され、第1熱交換器9で
昇温されてからインシネレータ10に導入される。イン
シネレータ10では、上述のように、空気比制御装置4
3で決定された理論溶剤蒸発量c及び加熱負荷量dに応
じた設定炉温に時々刻々,設定変更され、その設定され
た炉温により導入された炉排ガス中の溶剤蒸発ガスを焼
却する。
【0036】そのインシネレータ10で焼却処理された
後の焼却排ガスは、排出配管16を介して排出される。
その焼却排ガスの一部は、リターンガス配管14を介し
て上記循環路20及び循環用ブロア15に供給されるこ
とで上記乾燥焼付炉1の熱源として使用され、また、上
記焼却排ガスの残部は、熱交換器9,11で炉排ガスの
昇温や燃料用空気18の昇温に利用された後に煙突17
を介して大気に排出される。
【0037】このように、インシネレータ10から排出
される焼却排ガスの一部を上記乾燥焼付炉1の熱源とし
て利用している。ここで、処理材3の板厚が薄い等によ
って当該処理材3の加熱負荷が低い場合には、処理材3
への吸熱が低いため、上記乾燥焼付炉1に供給する混合
ガスのガス温が所定以上に高いと必要以上に乾燥焼付炉
1の温度を加熱することとなり、当該乾燥焼付炉1内
で、炉排ガス中の溶剤蒸発ガスが爆発するおそれがあ
る。このため、上記温度指示制御装置26による制御に
よって、循環路20で、導入された焼却ガスに対して冷
却空気を混合して所定の温度まで低下した後に上記乾燥
焼付炉1に熱源として供給している。
【0038】このとき、乾燥焼付炉1から排出される排
ガス量が多い場合には、従来、上記インシネレータ10
の炉温が高く設定されがちであったが、本実施の形態で
は、上記関数F(c,d)から導かれるように、空気比
制御装置43によって理論溶剤蒸発量cばかりでなく加
熱負荷量dに基づいて炉温設定がなされ、理論溶剤蒸発
量cが多い状態であっても加熱負荷量dが低い場合に
は、インシネレータ10の炉温が従来よりも低く抑えら
れる。これによって、当該インシネレータ10でのエネ
ルギー損失が低減できる。
【0039】また、上記のようにインシネレータ10の
炉温が従来よりも低く設定されると、当該インシネレー
タ10から排出される焼却排ガスの温度も従来より低下
する。この結果、乾燥焼付炉1に供給される混合ガス中
の焼却排ガスの割合が従来よりも増加して当該焼却排ガ
スが乾燥焼付炉1の熱源として従来よりも有効に使用さ
れる。
【0040】逆に、処理材3の板厚が厚い等によって当
該処理材3の加熱負荷量dが高い場合には、処理材3へ
の吸熱が大きいため、処理材3の通板速度を落とすこと
なく乾燥焼付の処理を行うためには、上記乾燥焼付炉1
に供給する混合ガスのガス温を高め設定して上記乾燥焼
付炉1に供給する必要がある。このとき、炉排ガス中の
理論溶剤蒸発量cが少ない場合には、従来では炉温温度
が低めに設定されるが、本実施の形態では、上述の関数
F(c,d)から導かれるように、上記処理材3の加熱
負荷量dを考慮することで上記炉温温度が上記加熱負荷
量dに応じて高めに設定される。
【0041】これによって、炉排ガス中の理論溶剤蒸発
量cが少ない場合でも上述のように上記加熱負荷に応じ
て炉温が上昇することで、当該インシネレータ10から
排出される焼却排ガスの温度が上昇する。この結果、焼
却排ガスの温度が乾燥焼付炉1で要求される熱源として
の温度以上に常に設定されて、従来では処理材3の通板
速度を落とさざるを得ないような場合でも、本実施の形
態では、処理材3の通板速度を落とすことなく乾燥焼付
の処理ができる。逆に、場合によっては、他の設備の稼
働状態に応じて通板速度を上げることも可能となる。
【0042】即ち、本実施の形態の連続乾燥焼付では、
処理材3の加熱負荷による生産性の制限が低減される。
【0043】
【実施例】上記実施の形態に基づく方式と従来の方式と
を比較した場合には、図3に示すような関係となる。図
3中、実線が本実施の形態に基づくものであり、破線は
従来方式によるものである。
【0044】なお、図3において、従来方式ではX1
上の加熱負荷量では対応できないのでX1 以上は図示し
ていない。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の塗料
の連続乾燥焼付方法では、処理材の加熱負荷量も考慮し
てインシネレータの炉温を設定変更するようにしたの
で、炉排ガス中の理論溶剤蒸発量が多い場合でも、処理
材の加熱負荷量が小さければインシネレータの炉温を従
来よりも低く抑えられることで、インシネレータでのエ
ネルギー損失が従来よりも減少すると共に、当該インシ
ネレータから排出される焼却排ガスが従来よりも多く乾
燥焼付炉で使用されて、当該焼却排ガスが従来よりも有
効に利用されるという効果がある。
【0046】また、炉排ガス中の理論溶剤蒸発量が少な
い場合でも、処理材の加熱負荷量が大きければ、インシ
ネレータの炉温を上記加熱負荷量に応じて従来よりも高
めに設定されることで、従来、処理材の通過速度を落と
さざるを得ないような場合であっても、当該処理材の通
過速度を落とすことなく乾燥焼付処理が行われ、連続乾
燥焼付の生産性が従来よりも向上するという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る連続焼付装置の概略
構成図である。
【図2】従来の連続焼付装置の概略構成図である。
【図3】従来方式との比較概念図である。
【符号の説明】
1 乾燥焼付炉 2 ローラコータ 3 処理材 5 排ガス配管 10 インシネレータ 12 燃料 13 バーナー 14 リターンガス配管 18 燃焼用空気 40 燃料空気用配管 41 燃料用配管 43 空気比制御装置 44 燃焼空気流量計 45 燃焼空気調節弁 46 燃焼空気調整計 47 燃料ガス流量計 48 燃料ガス調節弁 49 燃料ガス調整計 c 理論溶剤蒸発量 d 加熱負荷量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F26B 21/04 B01D 53/34 117E F27D 19/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 B01D 53/44 B01D 53/74 F26B 21/04 F27D 19/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料を付着した処理材を乾燥焼付炉内へ
    連続的に通過させて上記塗料を乾燥焼き付けし、その焼
    き付けの際に発生した炉排ガスをインシネレータに導き
    当該炉排ガス中の溶剤蒸発ガスを焼却処理すると共に、
    上記インシネレータから排出される焼却排ガスを、乾燥
    焼付のための熱源として上記乾燥焼付炉内に導入する塗
    料の連続乾燥焼付方法において、 上記インシネレータの炉温を、当該インシネレータの炉
    温と乾燥炉に供給される燃焼排ガスの量との積が下記
    (1)式で示される加熱負荷量Xと等しくなるように、
    上記炉排ガス中の理論溶剤蒸発量及び上記乾燥焼付炉内
    を通過する処理材の加熱負荷量に応じて設定変更するこ
    とを特徴とする塗料の連続乾燥焼付方法。 X=t×W×L S ×ρ×C×(T O −T I ) ・・・(1) である。
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