JP3187962B2 - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
トロイダル型無段変速機の変速制御装置Info
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- JP3187962B2 JP3187962B2 JP21867192A JP21867192A JP3187962B2 JP 3187962 B2 JP3187962 B2 JP 3187962B2 JP 21867192 A JP21867192 A JP 21867192A JP 21867192 A JP21867192 A JP 21867192A JP 3187962 B2 JP3187962 B2 JP 3187962B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H15/00—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
- F16H15/02—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
- F16H15/04—Gearings providing a continuous range of gear ratios
- F16H15/06—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
- F16H15/32—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
- F16H15/36—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
- F16H15/38—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
- F16H2015/383—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces with two or more sets of toroid gearings arranged in parallel
Landscapes
- Friction Gearing (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はトロイダル型無段変速
機の変速制御装置に関する。
機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載される変速機として、エン
ジンの回転を無段階に変速して出力軸に伝達可能なトロ
イダル型無段変速機が知られている。このトロイダル型
無段変速機は、エンジン出力が入力されて回転する入力
ディスクと、該入力ディスクと同軸上に対向配置された
出力ディスクと、該出力ディスクと上記入力ディスクと
の間に両ディスクに接触した状態で傾動可能に配置され
た複数のローラとで構成される変速ユニットを有し、上
記ローラを傾動させることによりその傾転角に応じて入
力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディスクに伝
達するように構成されたものであるが、近年、この種の
無段変速機においては、運転状態に応じた適切な変速制
御を行うことを目的として、変速制御の電子化が行われ
ている。
ジンの回転を無段階に変速して出力軸に伝達可能なトロ
イダル型無段変速機が知られている。このトロイダル型
無段変速機は、エンジン出力が入力されて回転する入力
ディスクと、該入力ディスクと同軸上に対向配置された
出力ディスクと、該出力ディスクと上記入力ディスクと
の間に両ディスクに接触した状態で傾動可能に配置され
た複数のローラとで構成される変速ユニットを有し、上
記ローラを傾動させることによりその傾転角に応じて入
力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディスクに伝
達するように構成されたものであるが、近年、この種の
無段変速機においては、運転状態に応じた適切な変速制
御を行うことを目的として、変速制御の電子化が行われ
ている。
【0003】例えば特開昭62−270857号公報に
は、変速ユニットを構成するローラを傾動させるための
アクチュエータとしてサーボモータを設けると共に、入
力ディスクの回転数と出力ディスクの回転数とから運転
状態に応じた最適な変速比を設定して、この最適変速比
が実現されるように上記サーボモータの回転角を変化さ
せることによりローラの傾転角を変化させるようにした
構成が開示されている。
は、変速ユニットを構成するローラを傾動させるための
アクチュエータとしてサーボモータを設けると共に、入
力ディスクの回転数と出力ディスクの回転数とから運転
状態に応じた最適な変速比を設定して、この最適変速比
が実現されるように上記サーボモータの回転角を変化さ
せることによりローラの傾転角を変化させるようにした
構成が開示されている。
【0004】そして、この種の無段変速機においては、
変速制御を更に緻密に行うために、変速アクチュエータ
としてパルス駆動されるステッピングモータが採用され
ることがある。つまり、ステッピングモータは、その回
転角が入力されるパルス数に対応してリニヤに変化する
出力特性を有することから、ローラの傾転角がステッピ
ングモータに出力される駆動パルスに対応して一義的に
変化することになって、この種の無段変速機における変
速制御を更に精度よく行うことが可能となるのである。
変速制御を更に緻密に行うために、変速アクチュエータ
としてパルス駆動されるステッピングモータが採用され
ることがある。つまり、ステッピングモータは、その回
転角が入力されるパルス数に対応してリニヤに変化する
出力特性を有することから、ローラの傾転角がステッピ
ングモータに出力される駆動パルスに対応して一義的に
変化することになって、この種の無段変速機における変
速制御を更に精度よく行うことが可能となるのである。
【0005】しかしながら、上記のようにローラの傾転
角を電気的に制御される変速アクチュエータを用いて変
化させるようにしたものにおいては、次のような問題を
発生する可能性がある。その問題をステッピングモータ
を例にとって説明する。
角を電気的に制御される変速アクチュエータを用いて変
化させるようにしたものにおいては、次のような問題を
発生する可能性がある。その問題をステッピングモータ
を例にとって説明する。
【0006】上記したようにステッピングモータは、そ
の回転角が駆動パルスに追従して変化するようになって
いるのであるが、所謂脱調と称して、パルス数の変化に
ついていけず停止したり、正確な位置に停止できない場
合がある。つまり、例えば駆動信号として150パルス
を出力したとしても、実際には例えば130パルス分し
か回転角が変化しないことがあるのである。このように
ステッピングモータに脱調を生じた状態で放置しておけ
ば、制御の基準点が狂い正確な変速制御を行えないこと
になる。
の回転角が駆動パルスに追従して変化するようになって
いるのであるが、所謂脱調と称して、パルス数の変化に
ついていけず停止したり、正確な位置に停止できない場
合がある。つまり、例えば駆動信号として150パルス
を出力したとしても、実際には例えば130パルス分し
か回転角が変化しないことがあるのである。このように
ステッピングモータに脱調を生じた状態で放置しておけ
ば、制御の基準点が狂い正確な変速制御を行えないこと
になる。
【0007】このような問題に対しては、例えば特開昭
61−74953号公報には、トロイダル型無段変速機
の最大減速位置を検出して、制御原点を補正する構成が
示されている。また、特開昭64−3361号公報に
は、変速比(減速比)の増大方向に全域パルス数以上の
パルス信号を発生させて、その後における変速比を最大
減速比に近い所定の基準変速比とを比較することによ
り、制御原点を補正する構成が開示されている。
61−74953号公報には、トロイダル型無段変速機
の最大減速位置を検出して、制御原点を補正する構成が
示されている。また、特開昭64−3361号公報に
は、変速比(減速比)の増大方向に全域パルス数以上の
パルス信号を発生させて、その後における変速比を最大
減速比に近い所定の基準変速比とを比較することによ
り、制御原点を補正する構成が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の従来技術のいずれにおいても、最大減速比を基準と
して変速アクチュエータの制御原点を補正するようにし
ているので、当該車両が中、高速状態で走行していると
きには制御原点の補正ができないことになる。そのた
め、長時間にわたって連続して走行する場合には、実際
の変速比が変速アクチュエータの脱調に起因して運転状
態に対応した最適変速比から大きく外れてしまうことが
あり、燃費性能や走行性能を悪化させるおそれがあるの
である。
報の従来技術のいずれにおいても、最大減速比を基準と
して変速アクチュエータの制御原点を補正するようにし
ているので、当該車両が中、高速状態で走行していると
きには制御原点の補正ができないことになる。そのた
め、長時間にわたって連続して走行する場合には、実際
の変速比が変速アクチュエータの脱調に起因して運転状
態に対応した最適変速比から大きく外れてしまうことが
あり、燃費性能や走行性能を悪化させるおそれがあるの
である。
【0009】この発明は、ステッピングモータなどの電
気的に制御される変速アクチュエータを用いて、入、出
力ディスク間に配置されたローラの傾転角を変化させて
変速比を変化させるようにしたトロイダル型無段変速機
における上記の問題に対処するもので、上記変速アクチ
ュエータの脱調を適切に検出することができ、ひいては
変速制御を良好に行わせるようにすることを目的とす
る。
気的に制御される変速アクチュエータを用いて、入、出
力ディスク間に配置されたローラの傾転角を変化させて
変速比を変化させるようにしたトロイダル型無段変速機
における上記の問題に対処するもので、上記変速アクチ
ュエータの脱調を適切に検出することができ、ひいては
変速制御を良好に行わせるようにすることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1(以下、第1発明という)に係るトロイダル型無段変
速機の変速制御装置は、エンジン出力が入力される入力
ディスクと、該入力ディスクと同軸上に対向配置された
出力ディスクと、両ディスクに接触した状態で傾動可能
に配置された複数のローラとで構成される変速ユニット
を有し、電気的に制御されて上記ローラの傾転角を変化
させることにより上記変速ユニットを作動させて変速比
を変化させる変速アクチュエータを備えたトロイダル型
無段変速機において、上記ローラの傾転角を検出する傾
転角検出手段と、予め傾転角に対応する変速アクチュエ
ータの制御量の特性を記憶した制御特性記憶手段と、エ
ンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出
手段と、該検出手段で検出されたスロットル開度の前回
値と今回値とから求めたスロットル変化率が所定値より
も大きいか否かを判定する判定手段と、該判定手段でス
ロットル変化率が所定値よりも大きくないと判定された
ときに、目標傾転角の前回値と上記傾転角検出手段で検
出された実傾転角との差分が所定の判定値よりも大きい
か否かを判定する変速アクチュエータの脱調判定手段
と、同じく上記判定手段でスロットル変化率が所定値よ
りも大きくないと判定されたときに、上記変速ユニット
の入力回転数もしくは出力回転数のいずれかを検出し
て、予め入力回転数もしくは出力回転数をパラメータと
して設定された特性に基づいて上記ローラの目標傾転角
を算出する目標傾転角算出手段と、算出された目標傾転
角が得られるように上記制御特性記憶手段に記憶された
制御特性に従った制御信号を変速アクチュエータに出力
して変速動作を行わせる変速制御手段とを設けたことを
特徴とする。
1(以下、第1発明という)に係るトロイダル型無段変
速機の変速制御装置は、エンジン出力が入力される入力
ディスクと、該入力ディスクと同軸上に対向配置された
出力ディスクと、両ディスクに接触した状態で傾動可能
に配置された複数のローラとで構成される変速ユニット
を有し、電気的に制御されて上記ローラの傾転角を変化
させることにより上記変速ユニットを作動させて変速比
を変化させる変速アクチュエータを備えたトロイダル型
無段変速機において、上記ローラの傾転角を検出する傾
転角検出手段と、予め傾転角に対応する変速アクチュエ
ータの制御量の特性を記憶した制御特性記憶手段と、エ
ンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出
手段と、該検出手段で検出されたスロットル開度の前回
値と今回値とから求めたスロットル変化率が所定値より
も大きいか否かを判定する判定手段と、該判定手段でス
ロットル変化率が所定値よりも大きくないと判定された
ときに、目標傾転角の前回値と上記傾転角検出手段で検
出された実傾転角との差分が所定の判定値よりも大きい
か否かを判定する変速アクチュエータの脱調判定手段
と、同じく上記判定手段でスロットル変化率が所定値よ
りも大きくないと判定されたときに、上記変速ユニット
の入力回転数もしくは出力回転数のいずれかを検出し
て、予め入力回転数もしくは出力回転数をパラメータと
して設定された特性に基づいて上記ローラの目標傾転角
を算出する目標傾転角算出手段と、算出された目標傾転
角が得られるように上記制御特性記憶手段に記憶された
制御特性に従った制御信号を変速アクチュエータに出力
して変速動作を行わせる変速制御手段とを設けたことを
特徴とする。
【0011】また、本願の請求項2(以下、第2発明と
いう)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第1発明において、変速ユニットの入力回転数
を検出する入力回転数検出手段と、該変速ユニットの出
力回転数を検出する出力回転数検出手段と、これらの検
出手段で検出される入、出力回転数及び傾転角検出手段
で検出されるローラの傾転角のいずれか2つの実測値か
ら残る1つの推定値を演算する演算手段と、該演算手段
で演算された推定値と対応する実測値とを比較すること
により上記変速ユニットのスリップ状態を判定するスリ
ップ状態判定手段とを設けたことを特徴とする。
いう)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第1発明において、変速ユニットの入力回転数
を検出する入力回転数検出手段と、該変速ユニットの出
力回転数を検出する出力回転数検出手段と、これらの検
出手段で検出される入、出力回転数及び傾転角検出手段
で検出されるローラの傾転角のいずれか2つの実測値か
ら残る1つの推定値を演算する演算手段と、該演算手段
で演算された推定値と対応する実測値とを比較すること
により上記変速ユニットのスリップ状態を判定するスリ
ップ状態判定手段とを設けたことを特徴とする。
【0012】一方、本願の請求項3(以下、第3発明と
いう)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第2発明において、スリップ状態判定手段によ
って変速ユニットのスリップ状態が判定されたときに変
速領域を制限する変速領域制限手段を設けたことを特徴
とする。
いう)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第2発明において、スリップ状態判定手段によ
って変速ユニットのスリップ状態が判定されたときに変
速領域を制限する変速領域制限手段を設けたことを特徴
とする。
【0013】そして、本願の請求項4(以下、第4発明
という)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第1発明又は第2発明において、脱調判定手段
によって変速アクチュエータの脱調が判定されたとき
に、現実の傾転角と出力制御量とに応じて変速アクチュ
エータの制御特性を補正する制御特性補正手段を設けた
ことを特徴とする。
という)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第1発明又は第2発明において、脱調判定手段
によって変速アクチュエータの脱調が判定されたとき
に、現実の傾転角と出力制御量とに応じて変速アクチュ
エータの制御特性を補正する制御特性補正手段を設けた
ことを特徴とする。
【0014】また、本願の請求項5(以下、第5発明と
いう)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第1発明又は第2発明において、変速アクチュ
エータがパルス駆動されるステッピングモータであるこ
とを特徴とする。
いう)に係るトロイダル型無段変速機の変速制御装置
は、上記第1発明又は第2発明において、変速アクチュ
エータがパルス駆動されるステッピングモータであるこ
とを特徴とする。
【0015】
【0016】
【作用】上記の構成によれば、次の作用が得られる。
【0017】すなわち、第1〜第5発明のいずれにおい
ても、変速ユニットを構成するローラの傾転角を検出す
ると共に、目標傾転角の前回値と実際の傾転角とを比較
することにより、変速アクチュエータの脱調を判定する
ようにしているので、運転状態にかかわらず変速アクチ
ュエータの脱調が常時かつ確実に検出されることにな
る。
ても、変速ユニットを構成するローラの傾転角を検出す
ると共に、目標傾転角の前回値と実際の傾転角とを比較
することにより、変速アクチュエータの脱調を判定する
ようにしているので、運転状態にかかわらず変速アクチ
ュエータの脱調が常時かつ確実に検出されることにな
る。
【0018】そして、第2発明によれば、例えば変速ユ
ニットの入、出力回転数を検出してローラの傾転角(な
いしは傾転角と所定関係にある変速比)の推定値を演算
すると共に、この傾転角(ないしは変速比)の推定値と
実測値とを比較することにより変速ユニットのスリップ
状態を判定するようにしているので、変速ユニットのス
リップ状態と変速アクチュエータの脱調状態とが確実に
区別されて検出されることになって、それぞれに適した
対処が可能となる。
ニットの入、出力回転数を検出してローラの傾転角(な
いしは傾転角と所定関係にある変速比)の推定値を演算
すると共に、この傾転角(ないしは変速比)の推定値と
実測値とを比較することにより変速ユニットのスリップ
状態を判定するようにしているので、変速ユニットのス
リップ状態と変速アクチュエータの脱調状態とが確実に
区別されて検出されることになって、それぞれに適した
対処が可能となる。
【0019】また、第3発明によれば、変速ユニットの
スリップ状態が検出されたときには、変速領域が制限さ
れることになるので、変速ユニットの耐久性が向上する
ことになる。
スリップ状態が検出されたときには、変速領域が制限さ
れることになるので、変速ユニットの耐久性が向上する
ことになる。
【0020】そして、第4発明によれば、変速アクチュ
エータの脱調状態が検出されたときには、現実の傾転角
と出力制御量とに応じて変速アクチュエータの制御特性
が補正されることになるので、変速制御が精度よく行わ
れることになる。
エータの脱調状態が検出されたときには、現実の傾転角
と出力制御量とに応じて変速アクチュエータの制御特性
が補正されることになるので、変速制御が精度よく行わ
れることになる。
【0021】さらに、第5発明によれば、変速アクチュ
エータとしてステッピングモータが使用されている場合
においても上記の作用が得られるので、ステッピングモ
ータの長所を有効に利用しつつトロイダル型無段変速機
の変速制御を良好に行うことが可能となる。
エータとしてステッピングモータが使用されている場合
においても上記の作用が得られるので、ステッピングモ
ータの長所を有効に利用しつつトロイダル型無段変速機
の変速制御を良好に行うことが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0023】図1は、本発明に係るトロイダル型無段変
速機を含む車両の動力伝達系を示す全体概略構成図であ
って、この車両1は、エンジン2の出力軸2aに連結さ
れてトルク増大作用を行うトルクコンバータ3と、この
トルクコンバータ3の出力が伝達される減速装置として
の遊星歯車機構10と、上記エンジン2の回転が入力さ
れてその回転を無段階に変速可能なトロイダル型無段変
速機30とを有し、上記遊星歯車機構10もしくはトロ
イダル型無段変速機30の出力、あるいはその両者の出
力が出力軸4に伝達され、これにより、左右の後輪(図
示せず)が回転駆動されるようになっている。
速機を含む車両の動力伝達系を示す全体概略構成図であ
って、この車両1は、エンジン2の出力軸2aに連結さ
れてトルク増大作用を行うトルクコンバータ3と、この
トルクコンバータ3の出力が伝達される減速装置として
の遊星歯車機構10と、上記エンジン2の回転が入力さ
れてその回転を無段階に変速可能なトロイダル型無段変
速機30とを有し、上記遊星歯車機構10もしくはトロ
イダル型無段変速機30の出力、あるいはその両者の出
力が出力軸4に伝達され、これにより、左右の後輪(図
示せず)が回転駆動されるようになっている。
【0024】上記トルクコンバータ3は、エンジン2の
出力軸2aに連結されたケーシング3aと一体のポンプ
3bと、このポンプ3bに対向配置されて該ポンプ3b
により作動油を介して駆動されるタービン3cと、該タ
ービン3cと上記ポンプ3bとの間に介設されてトルク
増大作用を行うステータ3dとを有し、上記タービン3
cと一体回転するタービンシャフト3eと、該タービン
シャフト3eに外嵌され、かつ一端にワンウェイクラッ
チ3fを介して上記ステータ3dが連結されて変速機ケ
ーシング5に一体とされた第1中空シャフト3gとが上
記遊星歯車機構10に連結されている。更に、上記第1
中空シャフト3gに外嵌され、かつ一端がケーシング3
aに連結された第2中空シャフト3hの軸端部には、オ
イルポンプ6が設けられており、このオイルポンプ6が
ケーシング3aを介して上記エンジン2により駆動され
るようになっている。
出力軸2aに連結されたケーシング3aと一体のポンプ
3bと、このポンプ3bに対向配置されて該ポンプ3b
により作動油を介して駆動されるタービン3cと、該タ
ービン3cと上記ポンプ3bとの間に介設されてトルク
増大作用を行うステータ3dとを有し、上記タービン3
cと一体回転するタービンシャフト3eと、該タービン
シャフト3eに外嵌され、かつ一端にワンウェイクラッ
チ3fを介して上記ステータ3dが連結されて変速機ケ
ーシング5に一体とされた第1中空シャフト3gとが上
記遊星歯車機構10に連結されている。更に、上記第1
中空シャフト3gに外嵌され、かつ一端がケーシング3
aに連結された第2中空シャフト3hの軸端部には、オ
イルポンプ6が設けられており、このオイルポンプ6が
ケーシング3aを介して上記エンジン2により駆動され
るようになっている。
【0025】そして、上記遊星歯車機構10は、上記タ
ービンシャフト3eと同軸上に直列配置された第1遊星
歯車機構11および第2遊星歯車機構12を有し、エン
ジン2側に配置された第1遊星歯車機構11が後退用と
され、また、第2遊星歯車機構12が前進用とされてお
り、上記第1遊星歯車機構11は、シングルピニオン式
とされて、上記タービンシャフト3eに結合されたサン
ギヤ13を有し、該サンギヤ13に噛合するピニオン1
4を回転自在に支持するキャリア15が上記第1中空シ
ャフト3gに結合され(変速機ケーシング5に固定)、
更に、上記ピニオン14に噛合するリングギヤ16がリ
バースクラッチ17を介してタービンシャフト3eと同
一軸線上に配置された上記出力軸4に連結されている。
ービンシャフト3eと同軸上に直列配置された第1遊星
歯車機構11および第2遊星歯車機構12を有し、エン
ジン2側に配置された第1遊星歯車機構11が後退用と
され、また、第2遊星歯車機構12が前進用とされてお
り、上記第1遊星歯車機構11は、シングルピニオン式
とされて、上記タービンシャフト3eに結合されたサン
ギヤ13を有し、該サンギヤ13に噛合するピニオン1
4を回転自在に支持するキャリア15が上記第1中空シ
ャフト3gに結合され(変速機ケーシング5に固定)、
更に、上記ピニオン14に噛合するリングギヤ16がリ
バースクラッチ17を介してタービンシャフト3eと同
一軸線上に配置された上記出力軸4に連結されている。
【0026】一方、上記第2遊星歯車機構12は、ダブ
ルピニオン式とされ、インナピニオン18が上記第1遊
星歯車機構のピニオン14と一体化されていると共に、
該第1遊星歯車機構11のサンギヤ13が第2遊星歯車
機構12のサンギヤに共用されている。また、上記イン
ナピニオン18とアウタピニオン19とを固定支持する
キャリア20は、上記第1遊星歯車機構11のキャリア
15と一体化されて第1中空シャフト3gを介して変速
機ケーシング5に固定されている。更に、この第2遊星
歯車機構12を構成するリングギヤ21は、フォワード
クラッチ22およびワンウェイクラッチ23を介して上
記出力軸4に連結されており、上記リバースクラッチ1
7が締結されたときには、タービンシャフト3eの出力
が第1遊星歯車機構11を介して上記出力軸4に伝達さ
れ、これにより、左右の後輪が後退方向に回転駆動され
るようになっている。一方、フォワードクラッチ22が
締結されたときには、上記タービンシャフト3eの出力
が第2遊星歯車機構12を介して上記出力軸4に伝達さ
れ、これにより、左右の後輪が前進方向に回転駆動され
る。
ルピニオン式とされ、インナピニオン18が上記第1遊
星歯車機構のピニオン14と一体化されていると共に、
該第1遊星歯車機構11のサンギヤ13が第2遊星歯車
機構12のサンギヤに共用されている。また、上記イン
ナピニオン18とアウタピニオン19とを固定支持する
キャリア20は、上記第1遊星歯車機構11のキャリア
15と一体化されて第1中空シャフト3gを介して変速
機ケーシング5に固定されている。更に、この第2遊星
歯車機構12を構成するリングギヤ21は、フォワード
クラッチ22およびワンウェイクラッチ23を介して上
記出力軸4に連結されており、上記リバースクラッチ1
7が締結されたときには、タービンシャフト3eの出力
が第1遊星歯車機構11を介して上記出力軸4に伝達さ
れ、これにより、左右の後輪が後退方向に回転駆動され
るようになっている。一方、フォワードクラッチ22が
締結されたときには、上記タービンシャフト3eの出力
が第2遊星歯車機構12を介して上記出力軸4に伝達さ
れ、これにより、左右の後輪が前進方向に回転駆動され
る。
【0027】次に、上記トロイダル型無段変速機30の
構成について、更に詳しく説明すると、このトロイダル
型無段変速機30は、図1、図2に示すように、上記出
力軸4上にそれぞれ配置された第1変速ユニット31と
第2変速ユニット32とを有し、これらの各変速ユニッ
ト31,32は同様の構成とされており、上記出力軸4
上に該軸に対して回転自在に設けられた入力ディスク3
3,33と、これらの入力ディスク33,33に対向配
置されて出力軸4と一体回転する出力ディスク34,3
4と、各入出力ディスク33,34間にそれぞれ配置さ
れて両ディスクに接して回転し、かつ傾動可能とされた
各一対のローラ35,35とを有する。
構成について、更に詳しく説明すると、このトロイダル
型無段変速機30は、図1、図2に示すように、上記出
力軸4上にそれぞれ配置された第1変速ユニット31と
第2変速ユニット32とを有し、これらの各変速ユニッ
ト31,32は同様の構成とされており、上記出力軸4
上に該軸に対して回転自在に設けられた入力ディスク3
3,33と、これらの入力ディスク33,33に対向配
置されて出力軸4と一体回転する出力ディスク34,3
4と、各入出力ディスク33,34間にそれぞれ配置さ
れて両ディスクに接して回転し、かつ傾動可能とされた
各一対のローラ35,35とを有する。
【0028】そして、図2に示すように、上記第1、第
2変速ユニット31,32における各出力ディスク3
4,34が、出力軸4に対してそれぞれスプライン嵌合
され、かつ第1変速ユニット31における出力ディスク
34が、出力軸4に嵌合されたリング状の位置決め部材
36により位置決めされた状態でベアリング37aを介
して変速機ケーシング5に対して回転自在に支持されて
いる。また、第2変速ユニット32における出力ディス
ク34が、上記出力軸4に一体的に形成された拡径部4
aと変速機ケーシング5との間に設けられて該出力軸4
を回転自在に支持するベアリング37bにより位置決め
されていると共に、上記各出力ディスク34,34間に
おいて第1、第2変速ユニット31,32における各入
力ディスク33,33が隣接配置されており、これらの
入力ディスク33,33間には、各入力ディスク33,
33に対して相対回転可能とされた中間ディスク38が
配置され、この中間ディスク38と各入力ディスク3
3,33との間に複数のローディングカム39…39が
それぞれ介装されており、これらの各カム39は、中間
ディスク38と各入力ディスク33,33とが相対回転
したときに、各入力ディスク33,33を各出力ディス
ク34,34側に押し付ける押圧力を発生させる機能を
有し、上記エンジン2より各入力ディスク33a,33
bに入力される入力トルクが大きくなる程、各カム39
による各入力ディスク33,33に対する押付力が増大
するようになっている。
2変速ユニット31,32における各出力ディスク3
4,34が、出力軸4に対してそれぞれスプライン嵌合
され、かつ第1変速ユニット31における出力ディスク
34が、出力軸4に嵌合されたリング状の位置決め部材
36により位置決めされた状態でベアリング37aを介
して変速機ケーシング5に対して回転自在に支持されて
いる。また、第2変速ユニット32における出力ディス
ク34が、上記出力軸4に一体的に形成された拡径部4
aと変速機ケーシング5との間に設けられて該出力軸4
を回転自在に支持するベアリング37bにより位置決め
されていると共に、上記各出力ディスク34,34間に
おいて第1、第2変速ユニット31,32における各入
力ディスク33,33が隣接配置されており、これらの
入力ディスク33,33間には、各入力ディスク33,
33に対して相対回転可能とされた中間ディスク38が
配置され、この中間ディスク38と各入力ディスク3
3,33との間に複数のローディングカム39…39が
それぞれ介装されており、これらの各カム39は、中間
ディスク38と各入力ディスク33,33とが相対回転
したときに、各入力ディスク33,33を各出力ディス
ク34,34側に押し付ける押圧力を発生させる機能を
有し、上記エンジン2より各入力ディスク33a,33
bに入力される入力トルクが大きくなる程、各カム39
による各入力ディスク33,33に対する押付力が増大
するようになっている。
【0029】また、隣接配置された各入力ディスク3
3,33間には、出力軸4に遊嵌合され、かつ両端部が
各入力ディスク33,33の背面に当接した状態でこれ
らの入力ディスク33,33とスプライン嵌合された連
結部材40が配置されていると共に、この連結部材40
と上記第2変速ユニット32における入力ディスク33
との間に予圧手段としての皿バネ41が介装されてお
り、この皿バネ41が、一方の入力ディスク33の背面
に当接して該入力ディスク33を出力ディスク34側に
押圧すると共に、該皿バネ41の付勢反力が上記連結部
材40に作用し、該連結部材40により他方の入力ディ
スク33が出力ディスク34側に押圧されることによ
り、各変速ユニット31,32における一対の入出力デ
ィスク33,34に所定の予圧が付与されるようになっ
ている。
3,33間には、出力軸4に遊嵌合され、かつ両端部が
各入力ディスク33,33の背面に当接した状態でこれ
らの入力ディスク33,33とスプライン嵌合された連
結部材40が配置されていると共に、この連結部材40
と上記第2変速ユニット32における入力ディスク33
との間に予圧手段としての皿バネ41が介装されてお
り、この皿バネ41が、一方の入力ディスク33の背面
に当接して該入力ディスク33を出力ディスク34側に
押圧すると共に、該皿バネ41の付勢反力が上記連結部
材40に作用し、該連結部材40により他方の入力ディ
スク33が出力ディスク34側に押圧されることによ
り、各変速ユニット31,32における一対の入出力デ
ィスク33,34に所定の予圧が付与されるようになっ
ている。
【0030】一方、図1、図2に示すように、上記中間
ディスク38を介して各入力ディスク33にエンジン2
の出力を入力するための入力軸42が出力軸4に平行に
配置されており、この入力軸42のトルクコンバータ3
側に位置する端部には第1ギヤ43が一体的に取り付け
られており、該第1ギヤ43がアイドルギヤ44に噛合
されていると共に、このアイドルギヤ44が、動力伝達
経路切換クラッチ45を介して上記第2中空シャフト3
hに接続される出力ギヤ46に噛合されている。また、
上記入力軸42の他方の端部には、上記中間ディスク3
8と一体的に設けられた入力ギヤ47に噛合する第2ギ
ヤ48が一体的に設けられている。これにより、上記動
力伝達経路切換クラッチ45が締結された場合には、エ
ンジン2の出力が入力軸42を介してトロイダル型無段
変速機30における第1、第2変速ユニット31,32
を構成する各入力ディスク33,33に入力され、図1
に示すように、各ローラ35,35の傾動角度に応じた
所定に変速比(減速比)で各入力ディスク33,33の
回転が変速されて各出力ディスク34,34に伝達され
るようになっている。
ディスク38を介して各入力ディスク33にエンジン2
の出力を入力するための入力軸42が出力軸4に平行に
配置されており、この入力軸42のトルクコンバータ3
側に位置する端部には第1ギヤ43が一体的に取り付け
られており、該第1ギヤ43がアイドルギヤ44に噛合
されていると共に、このアイドルギヤ44が、動力伝達
経路切換クラッチ45を介して上記第2中空シャフト3
hに接続される出力ギヤ46に噛合されている。また、
上記入力軸42の他方の端部には、上記中間ディスク3
8と一体的に設けられた入力ギヤ47に噛合する第2ギ
ヤ48が一体的に設けられている。これにより、上記動
力伝達経路切換クラッチ45が締結された場合には、エ
ンジン2の出力が入力軸42を介してトロイダル型無段
変速機30における第1、第2変速ユニット31,32
を構成する各入力ディスク33,33に入力され、図1
に示すように、各ローラ35,35の傾動角度に応じた
所定に変速比(減速比)で各入力ディスク33,33の
回転が変速されて各出力ディスク34,34に伝達され
るようになっている。
【0031】なお、本実施例においては、図2に示すよ
うに、第1変速ユニット31における出力ディスク34
に、上記遊星歯車機構10の一部を構成するワンウェイ
クラッチ23の一端がスプライン嵌合されており、従っ
て、上記遊星歯車機構10におけるフォワードクラッチ
22を締結し、かつリバースクラッチ17を解放すると
共に、上記動力伝達経路切換クラッチ45を締結した場
合には、エンジン2の出力が遊星歯車機構10およびト
ロイダル型無段変速機30を介して出力軸4に出力され
ることになる。この場合、ワンウェイクラッチ23は、
エンジン2の回転が後輪側より大きいときにロック状態
とされ、これにより、発進時等のように大きなトルクが
要求される場合には、エンジン2の出力がトルクコンバ
ータ3により増大されて出力軸4に出力されることにな
る。
うに、第1変速ユニット31における出力ディスク34
に、上記遊星歯車機構10の一部を構成するワンウェイ
クラッチ23の一端がスプライン嵌合されており、従っ
て、上記遊星歯車機構10におけるフォワードクラッチ
22を締結し、かつリバースクラッチ17を解放すると
共に、上記動力伝達経路切換クラッチ45を締結した場
合には、エンジン2の出力が遊星歯車機構10およびト
ロイダル型無段変速機30を介して出力軸4に出力され
ることになる。この場合、ワンウェイクラッチ23は、
エンジン2の回転が後輪側より大きいときにロック状態
とされ、これにより、発進時等のように大きなトルクが
要求される場合には、エンジン2の出力がトルクコンバ
ータ3により増大されて出力軸4に出力されることにな
る。
【0032】また、定常走行時には、上記ワンウェイク
ラッチ23がフリー状態とされて、エンジン2の出力が
上記トロイダル型無段変速機30により走行状態に応じ
て変速されて出力軸4に出力されることになる。
ラッチ23がフリー状態とされて、エンジン2の出力が
上記トロイダル型無段変速機30により走行状態に応じ
て変速されて出力軸4に出力されることになる。
【0033】更に、後退時には、上記リバースクラッチ
17が締結され、かつフォワードクラッチ22が解放さ
れると共に、動力伝達経路切換クラッチ45が解放され
ることになって、エンジン2の出力が遊星歯車機構10
により減速されて出力軸4に出力されるようになってい
る。
17が締結され、かつフォワードクラッチ22が解放さ
れると共に、動力伝達経路切換クラッチ45が解放され
ることになって、エンジン2の出力が遊星歯車機構10
により減速されて出力軸4に出力されるようになってい
る。
【0034】ここで、上記トロイダル型無段変速機30
を構成する第1、第2変速ユニット31,32における
各一対のローラ35,35をそれぞれ傾動させるための
油圧機構について説明する。なお、第1変速ユニット3
1側と第2変速ユニット32側とは同様の構成とされて
おり、従って、第1変速ユニット31側の油圧機構につ
いて説明し、第2変速ユニット側については説明を省略
する。
を構成する第1、第2変速ユニット31,32における
各一対のローラ35,35をそれぞれ傾動させるための
油圧機構について説明する。なお、第1変速ユニット3
1側と第2変速ユニット32側とは同様の構成とされて
おり、従って、第1変速ユニット31側の油圧機構につ
いて説明し、第2変速ユニット側については説明を省略
する。
【0035】すなわち、図2、図3に示すように、上記
第1変速ユニット31には、各ローラ35をそれぞれ回
転自在に支持する一対の第1、第2トラニオン49a,
49bが設けられており、これらのトラニオン49a,
49bに偏心軸50a,50bを介して各ローラ35が
それぞれ回転自在に支持されていると共に、各トラニオ
ン49a,49bには、上記後輪駆動軸4と直交する方
向に延長された軸部材51a,51bがそれぞれ一体的
に取り付けられている。
第1変速ユニット31には、各ローラ35をそれぞれ回
転自在に支持する一対の第1、第2トラニオン49a,
49bが設けられており、これらのトラニオン49a,
49bに偏心軸50a,50bを介して各ローラ35が
それぞれ回転自在に支持されていると共に、各トラニオ
ン49a,49bには、上記後輪駆動軸4と直交する方
向に延長された軸部材51a,51bがそれぞれ一体的
に取り付けられている。
【0036】更に、変速機ケーシング5および該ケーシ
ング5と一体の仕切壁部5aには、一対の支持部材5
2,53がそれぞれ取り付けられており、これらの支持
部材52,53に上記第1、第2トラニオン49a,4
9bの上下両端部がそれぞれ球面軸受54…54により
回動自在に支持されていると共に、上記各軸部材51
a,51bの下端が、仕切壁部5a下面に固設されたア
ッパハウジング55の開口部55aを貫通して該アッパ
ハウジング55の下面に固設されたロアハウジング56
の凹部56aにベアリング57により回転自在に支持さ
れている。
ング5と一体の仕切壁部5aには、一対の支持部材5
2,53がそれぞれ取り付けられており、これらの支持
部材52,53に上記第1、第2トラニオン49a,4
9bの上下両端部がそれぞれ球面軸受54…54により
回動自在に支持されていると共に、上記各軸部材51
a,51bの下端が、仕切壁部5a下面に固設されたア
ッパハウジング55の開口部55aを貫通して該アッパ
ハウジング55の下面に固設されたロアハウジング56
の凹部56aにベアリング57により回転自在に支持さ
れている。
【0037】そして、上記仕切壁部5aには、各トラニ
オン49a,49b毎の油圧シリンダ58,58がそれ
ぞれ設けられており、各油圧シリンダ58は、仕切壁部
5aと一体の隔壁部5bにより一対の油圧室58a、5
8bにそれぞれ分割されていると共に、上記隔壁部5b
の内周部には、第1、第2トラニオン49a,49bと
一体の各軸部材51a,51bと所定の間隙を隔てて該
軸部材51a,51bの軸方向に延長された延長部5c
が形成されている。また、上記各油圧室58a,58b
内には、ピストン59a,59bがそれぞれ内装されて
おり、一方のピストン59aにより各トラニオン49
a,49bの軸端部に一体的に形成されたフランジ6
0,60が押圧されると共に、他方のピストン59bに
より各軸部材51a,51bの軸端部に一体的に取り付
けられたフランジ部材61,61が押圧されるようにな
っている。したがって、上記油圧室58a,58bのい
ずれか一方に油圧が導入された場合には、ピストン59
aもしくはピストン59bにより各トラニオン49a,
49bもしくは各軸部材51a,51bが軸方向、すな
わち、図3の上下方向に移動され、これにより、各トラ
ニオン49a,49bに回転自在に支持された各ローラ
35の各入出力ディスク33,34に対する接触点が変
化して各ローラ35が傾動され、これに伴って、各トラ
ニオン49a,49bが軸廻りに回動するようになって
いる。
オン49a,49b毎の油圧シリンダ58,58がそれ
ぞれ設けられており、各油圧シリンダ58は、仕切壁部
5aと一体の隔壁部5bにより一対の油圧室58a、5
8bにそれぞれ分割されていると共に、上記隔壁部5b
の内周部には、第1、第2トラニオン49a,49bと
一体の各軸部材51a,51bと所定の間隙を隔てて該
軸部材51a,51bの軸方向に延長された延長部5c
が形成されている。また、上記各油圧室58a,58b
内には、ピストン59a,59bがそれぞれ内装されて
おり、一方のピストン59aにより各トラニオン49
a,49bの軸端部に一体的に形成されたフランジ6
0,60が押圧されると共に、他方のピストン59bに
より各軸部材51a,51bの軸端部に一体的に取り付
けられたフランジ部材61,61が押圧されるようにな
っている。したがって、上記油圧室58a,58bのい
ずれか一方に油圧が導入された場合には、ピストン59
aもしくはピストン59bにより各トラニオン49a,
49bもしくは各軸部材51a,51bが軸方向、すな
わち、図3の上下方向に移動され、これにより、各トラ
ニオン49a,49bに回転自在に支持された各ローラ
35の各入出力ディスク33,34に対する接触点が変
化して各ローラ35が傾動され、これに伴って、各トラ
ニオン49a,49bが軸廻りに回動するようになって
いる。
【0038】次に、上記各油圧シリンダ58の油圧室5
8a,58bに対する作動油の給排を制御する変速制御
部の構成について説明すると、図3、図4に示すよう
に、上記アッパハウジング55には、油圧源(図示せ
ず)からの所定の圧力とされた作動油が供給されるメイ
ン通路62aと、第1、第2変速ユニット31,32ご
とに設けられた各油圧シリンダ58…58の油圧室58
a,58bに対して上記メイン通路62aからの作動油
を給排する第1通路62bと第2通路62cとがそれぞ
れ形成されている。そして、上記ロアハウジング56に
変速制御部70が設けられており、該ロアハウジング5
6の一部が変速制御部70を構成する油圧コントロール
バルブ71のバルブボディ72とされていると共に、こ
のバルブボディ72内に軸方向に移動可能にスリーブ7
3が挿通され、かつ該スリーブ73内にスプール74が
挿通されている。
8a,58bに対する作動油の給排を制御する変速制御
部の構成について説明すると、図3、図4に示すよう
に、上記アッパハウジング55には、油圧源(図示せ
ず)からの所定の圧力とされた作動油が供給されるメイ
ン通路62aと、第1、第2変速ユニット31,32ご
とに設けられた各油圧シリンダ58…58の油圧室58
a,58bに対して上記メイン通路62aからの作動油
を給排する第1通路62bと第2通路62cとがそれぞ
れ形成されている。そして、上記ロアハウジング56に
変速制御部70が設けられており、該ロアハウジング5
6の一部が変速制御部70を構成する油圧コントロール
バルブ71のバルブボディ72とされていると共に、こ
のバルブボディ72内に軸方向に移動可能にスリーブ7
3が挿通され、かつ該スリーブ73内にスプール74が
挿通されている。
【0039】上記スリーブ73には、上記メイン通路6
2aに連通されたメインポート73aと第1、第2通路
62b,62cに連通された第1、第2ポート73b,
73cとがそれぞれ形成されていると共に、上記スプー
ル74には、メインポート73aに連通する環状のグル
ーブ74aと、該グルーブ74aの左右に設けられて上
記第1、第2ポート73b,73cをそれぞれ遮断する
ランド部74b,74cとが形成されている。
2aに連通されたメインポート73aと第1、第2通路
62b,62cに連通された第1、第2ポート73b,
73cとがそれぞれ形成されていると共に、上記スプー
ル74には、メインポート73aに連通する環状のグル
ーブ74aと、該グルーブ74aの左右に設けられて上
記第1、第2ポート73b,73cをそれぞれ遮断する
ランド部74b,74cとが形成されている。
【0040】更に、上記オイルパン5dの側壁部5d′
には変速アクチュエータとしてのステッピングモータ7
5が取り付けられていると共に、このステッピングモー
タ75の回転軸75aには回転部材76が固設されてお
り、この回転部材76の先端に一体的に形成されたネジ
部76aには駆動部材77が螺合されている。そして、
この駆動部材77には、ピン部材78が一体的に固着さ
れており、このピン部材78の両端部が上記バルブボデ
ィ72に形成された上下一対の溝部72a,72aに係
止されており、上記ステッピングモータ75の回転によ
り回転部材76が回転すると共に、この回転に伴ってピ
ン部材78により回転を規制された状態で駆動部材77
が軸方向に移動され、これにより、スリーブ73が移動
して、上記メインポート62aより第1もしくは第2供
給ポート62a,62bを介して上記各油圧シリンダ5
8に作動油が供給されることになる。
には変速アクチュエータとしてのステッピングモータ7
5が取り付けられていると共に、このステッピングモー
タ75の回転軸75aには回転部材76が固設されてお
り、この回転部材76の先端に一体的に形成されたネジ
部76aには駆動部材77が螺合されている。そして、
この駆動部材77には、ピン部材78が一体的に固着さ
れており、このピン部材78の両端部が上記バルブボデ
ィ72に形成された上下一対の溝部72a,72aに係
止されており、上記ステッピングモータ75の回転によ
り回転部材76が回転すると共に、この回転に伴ってピ
ン部材78により回転を規制された状態で駆動部材77
が軸方向に移動され、これにより、スリーブ73が移動
して、上記メインポート62aより第1もしくは第2供
給ポート62a,62bを介して上記各油圧シリンダ5
8に作動油が供給されることになる。
【0041】また、上記スプール74の端部と第1変速
ユニット31を構成するトラニオン49bと一体の軸部
材51bの下端部との間には、フィードバック機構79
が設けられており、このフィードバック機構79は、上
記軸部材51bの下端部に固設されて該軸部材51bと
一体回転する傾斜面80aが形成されたプリセスカム8
0と、上記アッパハウジング55の所定位置に回転自在
に設けられた回転軸81に固定されて該軸81を中心に
揺動可能とされ、かつ上記プリセスカム80に先端が当
接する第1アーム82aと、同じく上記回転軸81に固
定されて該軸81を中心に揺動可能とされ、かつ上記ス
プール74に形成されたスリット74bに先端が係合さ
れた第2アーム82bとを有する。
ユニット31を構成するトラニオン49bと一体の軸部
材51bの下端部との間には、フィードバック機構79
が設けられており、このフィードバック機構79は、上
記軸部材51bの下端部に固設されて該軸部材51bと
一体回転する傾斜面80aが形成されたプリセスカム8
0と、上記アッパハウジング55の所定位置に回転自在
に設けられた回転軸81に固定されて該軸81を中心に
揺動可能とされ、かつ上記プリセスカム80に先端が当
接する第1アーム82aと、同じく上記回転軸81に固
定されて該軸81を中心に揺動可能とされ、かつ上記ス
プール74に形成されたスリット74bに先端が係合さ
れた第2アーム82bとを有する。
【0042】なお、上記フィードバック機構79におけ
る第1アーム82aをプリセスカム80側に付勢する付
勢手段としての圧縮コイルスプリング83が、上記駆動
部材77とスプール74の一端との間に装着されてい
る。
る第1アーム82aをプリセスカム80側に付勢する付
勢手段としての圧縮コイルスプリング83が、上記駆動
部材77とスプール74の一端との間に装着されてい
る。
【0043】さらに、図5に示すように、コントローラ
100が備えられている。このコントローラ100は、
車速の代表特性として出力ディスク34の回転数を検出
する出力回転数センサ101からの信号、エンジン負荷
を代表するエンジンのスロットル開度を検出するスロッ
トルセンサ102からの信号、入力回転数としてのター
ビン回転数を検出するタービン回転センサ103からの
信号及びトラニオンの回転角を代表特性としてローラ3
5の傾転角を検出する傾転角センサ104からの信号を
入力する。そして、これらの信号に基づいてステッピン
グモータ75を作動させることにより、運転状態に応じ
た変速制御を行うようになっている。なお、コントロー
ラ100は上記第1、第2変速ユニット31,32に供
給される潤滑油量を調節する潤滑油制御弁90の作動を
制御するようになっている。
100が備えられている。このコントローラ100は、
車速の代表特性として出力ディスク34の回転数を検出
する出力回転数センサ101からの信号、エンジン負荷
を代表するエンジンのスロットル開度を検出するスロッ
トルセンサ102からの信号、入力回転数としてのター
ビン回転数を検出するタービン回転センサ103からの
信号及びトラニオンの回転角を代表特性としてローラ3
5の傾転角を検出する傾転角センサ104からの信号を
入力する。そして、これらの信号に基づいてステッピン
グモータ75を作動させることにより、運転状態に応じ
た変速制御を行うようになっている。なお、コントロー
ラ100は上記第1、第2変速ユニット31,32に供
給される潤滑油量を調節する潤滑油制御弁90の作動を
制御するようになっている。
【0044】次に、本案の特徴部分である変速制御を説
明すると、この変速制御は例えば図6のフローチャート
に従って次のように行われる。
明すると、この変速制御は例えば図6のフローチャート
に従って次のように行われる。
【0045】すなわち、コントローラ100はステップ
S1で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2でスロ
ットル開度αの前回値と今回値から求めたスロットル変
化率△αが所定値α 0よりも大きいか否かを判定する。
つまり、急激なアクセル操作が行われたか否かを判定す
るのである。
S1で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2でスロ
ットル開度αの前回値と今回値から求めたスロットル変
化率△αが所定値α 0よりも大きいか否かを判定する。
つまり、急激なアクセル操作が行われたか否かを判定す
るのである。
【0046】コントローラ100はスロットル変化率△
αが所定値α0よりも大きくないと判定したときには、
ステップS3に進んで目標傾転角θの前回値と上記傾転
角センサ104からの信号が示す実傾転角θ*との差分
△θ*が所定の脱調判定値θ0よりも大きいか否かを判定
する。つまり、ステッピングモータ75の脱調により実
傾転角θ*が目標傾転角θに対して許容誤差範囲を超え
て逸脱しているか否かを判定するのである。コントロー
ラ100は、実傾転角θ*と目標傾転角θとの差分△θ*
が許容誤差範囲に含まれると判定したときには、ステッ
プS4でタービン回転センサ103及び出力回転数セン
サ101からの信号がそれぞれ示す実入力回転数N* 1か
ら実出力回転数N* 2を徐算して実変速比r*を算出する
一方において、ステップS5で傾転角θと変速比rとの
間に成立する次の関係式、 r=f(θ) …… に従って実傾転角θ*から理論変速比rを算出する。そ
して、ステップS6で実変速比r*から理論変速比rを
差し引いた値が所定のスリップ判定値r0よりも大きい
か否かを判定して、上記値がスリップ判定値r0よりも
大きくないと判定したときにはステップS7に進んで目
標傾転角θを設定する。
αが所定値α0よりも大きくないと判定したときには、
ステップS3に進んで目標傾転角θの前回値と上記傾転
角センサ104からの信号が示す実傾転角θ*との差分
△θ*が所定の脱調判定値θ0よりも大きいか否かを判定
する。つまり、ステッピングモータ75の脱調により実
傾転角θ*が目標傾転角θに対して許容誤差範囲を超え
て逸脱しているか否かを判定するのである。コントロー
ラ100は、実傾転角θ*と目標傾転角θとの差分△θ*
が許容誤差範囲に含まれると判定したときには、ステッ
プS4でタービン回転センサ103及び出力回転数セン
サ101からの信号がそれぞれ示す実入力回転数N* 1か
ら実出力回転数N* 2を徐算して実変速比r*を算出する
一方において、ステップS5で傾転角θと変速比rとの
間に成立する次の関係式、 r=f(θ) …… に従って実傾転角θ*から理論変速比rを算出する。そ
して、ステップS6で実変速比r*から理論変速比rを
差し引いた値が所定のスリップ判定値r0よりも大きい
か否かを判定して、上記値がスリップ判定値r0よりも
大きくないと判定したときにはステップS7に進んで目
標傾転角θを設定する。
【0047】つまり、コントローラ100は、図7に示
すように出力回転数とスロットル開度とをパラメータと
して設定した変速マップに、実出力回転数N* 2を照らし
合わせて現実のスロットル開度θに対応する目標入力回
転数N1を設定する。そして、図8に示すように、予め
入力回転数をパラメータとして設定した目標傾転角のマ
ップに、上記の目標入力回転数N1を照らし合わせて、
該目標入力回転数N1に対応する目標傾転角θを読み出
すのである。
すように出力回転数とスロットル開度とをパラメータと
して設定した変速マップに、実出力回転数N* 2を照らし
合わせて現実のスロットル開度θに対応する目標入力回
転数N1を設定する。そして、図8に示すように、予め
入力回転数をパラメータとして設定した目標傾転角のマ
ップに、上記の目標入力回転数N1を照らし合わせて、
該目標入力回転数N1に対応する目標傾転角θを読み出
すのである。
【0048】次いで、コントローラ100はステップS
8を実行して、目標傾転角θから実傾転角θ*を減算し
て目標傾転角差△θを算出すると共に、図9に示すよう
に、傾転角をパラメータとして設定されたパルス数Pを
示すステッピングモータ75の特性関数F(θ)に、上
記のようにして求めた目標傾転角差△θを当てはめて修
正パルス数△Pを演算する。そして、ステップS10で
上記の修正パルス数△Pをステッピングモータ75に出
力すると共に、ステップS11で修正パルス数△Pを積
算パルス数Pに加算する。
8を実行して、目標傾転角θから実傾転角θ*を減算し
て目標傾転角差△θを算出すると共に、図9に示すよう
に、傾転角をパラメータとして設定されたパルス数Pを
示すステッピングモータ75の特性関数F(θ)に、上
記のようにして求めた目標傾転角差△θを当てはめて修
正パルス数△Pを演算する。そして、ステップS10で
上記の修正パルス数△Pをステッピングモータ75に出
力すると共に、ステップS11で修正パルス数△Pを積
算パルス数Pに加算する。
【0049】一方、コントローラ100は上記のステッ
プS3において、目標傾転角θの前回値と実傾転角θ*
との差分△θ*が脱調判定値θ0よりも大きいと判定した
ときには、ステップS12に移って上記の特性関数F
(θ)に実傾転角θ*を代入して、得られた値を積算パ
ルス数Pに置き換える。つまり、積算パルス数をローラ
35,35の実際の傾転角に対応するように補正するの
である。
プS3において、目標傾転角θの前回値と実傾転角θ*
との差分△θ*が脱調判定値θ0よりも大きいと判定した
ときには、ステップS12に移って上記の特性関数F
(θ)に実傾転角θ*を代入して、得られた値を積算パ
ルス数Pに置き換える。つまり、積算パルス数をローラ
35,35の実際の傾転角に対応するように補正するの
である。
【0050】また、コントローラ100は上記ステップ
S6において、実変速比r*から理論変速比rを差し引
いた値がスリップ判定値r0よりも大きいと判定したと
きには、ステップS13で変速レンジを縮小すると共
に、ステップS14で潤滑油量が増大するように潤滑油
制御弁90を作動させる。
S6において、実変速比r*から理論変速比rを差し引
いた値がスリップ判定値r0よりも大きいと判定したと
きには、ステップS13で変速レンジを縮小すると共
に、ステップS14で潤滑油量が増大するように潤滑油
制御弁90を作動させる。
【0051】なお、コントローラ100は上記ステップ
S2においてスロットル変化率△αが所定値よりも大き
いと判定したときには、ステップS15へ分岐して修正
パルス数△Pとして所定の修正パルス数△P1をセット
して、該修正パルス数△Pをステッピングモータ75に
出力するフィードフォワード制御を実行する。
S2においてスロットル変化率△αが所定値よりも大き
いと判定したときには、ステップS15へ分岐して修正
パルス数△Pとして所定の修正パルス数△P1をセット
して、該修正パルス数△Pをステッピングモータ75に
出力するフィードフォワード制御を実行する。
【0052】上記の構成によれば次のような作用が得ら
れる。
れる。
【0053】すなわち、実出力回転数N* 2に基づいて設
定される目標傾転角θと、ステッピングモータ75によ
って駆動されるローラ35の傾転量を示す実傾転角θ*
とが殆ど相違しなければ、両者の差に対応する修正パル
ス数△Pの駆動信号がステッピングモータ75に出力さ
れ、それに伴って上記変速制御部70の作動によりロー
ラ35の傾転角が変化することになる。
定される目標傾転角θと、ステッピングモータ75によ
って駆動されるローラ35の傾転量を示す実傾転角θ*
とが殆ど相違しなければ、両者の差に対応する修正パル
ス数△Pの駆動信号がステッピングモータ75に出力さ
れ、それに伴って上記変速制御部70の作動によりロー
ラ35の傾転角が変化することになる。
【0054】一方、上記実傾転角θ*が目標傾転角θに
対して脱調判定値θ0を超えるような変化を示すときに
は、積算パルス数Pが傾転角に対応して設定されたステ
ッピングモータ75の特性関数F(θ)に実傾転角θ*
を代入した値に補正される。これにより、ステッピング
モータ75が脱調を生じたとしても、目標傾転角θを実
現するような適切な駆動パルスがステッピングモータ7
5に出力されることになる。その場合に、ステッピング
モータ75によって駆動されるローラ35の傾転角に基
づいてステッピングモータ75の脱調を判定するように
なっているので、運転状態にかかわらず脱調判定動作を
常時行うことが可能となると共に、第1、第2変速ユニ
ット31,32のスリップ状態に影響されることなく確
実に脱調を判定することができる。
対して脱調判定値θ0を超えるような変化を示すときに
は、積算パルス数Pが傾転角に対応して設定されたステ
ッピングモータ75の特性関数F(θ)に実傾転角θ*
を代入した値に補正される。これにより、ステッピング
モータ75が脱調を生じたとしても、目標傾転角θを実
現するような適切な駆動パルスがステッピングモータ7
5に出力されることになる。その場合に、ステッピング
モータ75によって駆動されるローラ35の傾転角に基
づいてステッピングモータ75の脱調を判定するように
なっているので、運転状態にかかわらず脱調判定動作を
常時行うことが可能となると共に、第1、第2変速ユニ
ット31,32のスリップ状態に影響されることなく確
実に脱調を判定することができる。
【0055】また、実入力回転数N* 1と実出力回転数N
* 2とから計算される実変速比r*と、実傾転角θ*から上
記関係式に従って理論的に計算される理論変速比rと
を比較することによって第1、第2変速ユニット31,
32のスリップ状態を検出するようになっているので、
これら変速ユニット31,32のスリップ状態が確実に
検出されることになる。
* 2とから計算される実変速比r*と、実傾転角θ*から上
記関係式に従って理論的に計算される理論変速比rと
を比較することによって第1、第2変速ユニット31,
32のスリップ状態を検出するようになっているので、
これら変速ユニット31,32のスリップ状態が確実に
検出されることになる。
【0056】そして、第1、第2変速ユニット31,3
2のスリップ状態が検出されたときには、図10の斜線
領域で示すように変速レンジが、正常時よりも縮小され
ることになるので第1、第2変速ユニット31,32に
過剰な負担がかかることがなく、これにより第1、第2
変速ユニット31,32の耐久性が向上することにな
る。
2のスリップ状態が検出されたときには、図10の斜線
領域で示すように変速レンジが、正常時よりも縮小され
ることになるので第1、第2変速ユニット31,32に
過剰な負担がかかることがなく、これにより第1、第2
変速ユニット31,32の耐久性が向上することにな
る。
【0057】その際に、第1、第2変速ユニット31,
32に対する潤滑油量が増量されることになるので、第
1、第2変速ユニット31,32を構成する入、出力デ
ィスク33,34とローラ35との間の油膜切れが防止
されると共に、接触部分の異常加熱が防止されることに
なる。
32に対する潤滑油量が増量されることになるので、第
1、第2変速ユニット31,32を構成する入、出力デ
ィスク33,34とローラ35との間の油膜切れが防止
されると共に、接触部分の異常加熱が防止されることに
なる。
【0058】この実施例においては、ローラ35を直接
的に傾動させるトラニオン49aの回転角を代表特性と
してローラ35の傾転角を検出するようにしているが、
フィードバック機構79を構成する回転軸81の回転角
や、スリーブ73の移動量、あるいはステッピングモー
タ75の回転角をダイレクトに検出するようにしてもよ
い。
的に傾動させるトラニオン49aの回転角を代表特性と
してローラ35の傾転角を検出するようにしているが、
フィードバック機構79を構成する回転軸81の回転角
や、スリーブ73の移動量、あるいはステッピングモー
タ75の回転角をダイレクトに検出するようにしてもよ
い。
【0059】また、実入力回転数N* 1と実傾転角θ*と
により変速制御を行うと共に、これらの値から算出した
理論出力回転数N2と実出力回転数N* 2とを比較してス
リップ状態を判定するようにしてもよく、あるいは実出
力回転数N* 2と実傾転角θ*とにより変速制御を行うと
共に、これらの値から算出した理論入力回転数N1と実
入力回転数N* 1とを比較してスリップ状態を判定するよ
うにしてもよい。
により変速制御を行うと共に、これらの値から算出した
理論出力回転数N2と実出力回転数N* 2とを比較してス
リップ状態を判定するようにしてもよく、あるいは実出
力回転数N* 2と実傾転角θ*とにより変速制御を行うと
共に、これらの値から算出した理論入力回転数N1と実
入力回転数N* 1とを比較してスリップ状態を判定するよ
うにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、変速ユニ
ットを構成するローラの傾転角を検出すると共に、目標
傾転角の前回値と実際の傾転角とを比較することによ
り、変速アクチュエータの脱調を判定するようにしてい
るので、運転状態にかかわらず変速アクチュエータの脱
調が常時かつ確実に検出されることになる。
ットを構成するローラの傾転角を検出すると共に、目標
傾転角の前回値と実際の傾転角とを比較することによ
り、変速アクチュエータの脱調を判定するようにしてい
るので、運転状態にかかわらず変速アクチュエータの脱
調が常時かつ確実に検出されることになる。
【0061】そして、第2発明によれば、例えば変速ユ
ニットの入、出力回転数を検出してローラの傾転角(な
いしは傾転角と所定関係にある変速比)の推定値を演算
すると共に、この傾転角(ないしは変速比)の推定値と
実測値とを比較することにより変速ユニットのスリップ
状態を判定するようにしているので、変速ユニットのス
リップ状態と変速アクチュエータの脱調状態とが確実に
区別されて検出されることになって、それぞれに適した
対処が可能となる。
ニットの入、出力回転数を検出してローラの傾転角(な
いしは傾転角と所定関係にある変速比)の推定値を演算
すると共に、この傾転角(ないしは変速比)の推定値と
実測値とを比較することにより変速ユニットのスリップ
状態を判定するようにしているので、変速ユニットのス
リップ状態と変速アクチュエータの脱調状態とが確実に
区別されて検出されることになって、それぞれに適した
対処が可能となる。
【0062】また、第3発明によれば、変速ユニットの
スリップ状態が検出されたときには、変速領域が制限さ
れることになるので、変速ユニットの耐久性が向上する
ことになる。
スリップ状態が検出されたときには、変速領域が制限さ
れることになるので、変速ユニットの耐久性が向上する
ことになる。
【0063】そして、第4発明によれば、変速アクチュ
エータの脱調状態が検出されたときには、現実の傾転角
と出力制御量とに応じて変速アクチュエータの制御特性
が補正されることになるので、変速制御が精度よく行わ
れることになる。
エータの脱調状態が検出されたときには、現実の傾転角
と出力制御量とに応じて変速アクチュエータの制御特性
が補正されることになるので、変速制御が精度よく行わ
れることになる。
【0064】さらに、第5発明によれば、変速アクチュ
エータとしてステッピングモータが使用されている場合
においても上記の作用が得られるので、ステッピングモ
ータの長所を有効に利用しつつトロイダル型無段変速機
の変速制御を良好に行うことが可能となる。
エータとしてステッピングモータが使用されている場合
においても上記の作用が得られるので、ステッピングモ
ータの長所を有効に利用しつつトロイダル型無段変速機
の変速制御を良好に行うことが可能となる。
【図1】 本発明に係る変速制御装置を備えたトロイダ
ル型無段変速機を含む車両の動力伝達系を示す全体概略
構成図である。
ル型無段変速機を含む車両の動力伝達系を示す全体概略
構成図である。
【図2】 トロイダル型無段変速機の構成を示す拡大断
面図である。
面図である。
【図3】 図2におけるA−A線よりみたトロイダル型
無段変速機を構成する第1変速ユニットの断面図であ
る。
無段変速機を構成する第1変速ユニットの断面図であ
る。
【図4】 変速制御部周辺のの拡大断面図である。
【図5】 無段変速機の制御システム図である。
【図6】 コントローラが行う変速制御を示すフローチ
ャート図である。
ャート図である。
【図7】 変速制御に用いる変速マップを示す運転領域
図である。
図である。
【図8】 入力回転数をパラメータとする目標傾転角の
マップである。
マップである。
【図9】 傾転角をパラメータとするステッピングモー
タの出力特性図である。
タの出力特性図である。
【図10】 スリップ判定時に採用される変速領域を示
す領域図である。
す領域図である。
4 出力軸 30 トロイダル型無段変速機 31 第1変速ユニット 32 第2変速ユニット 33 入力ディスク 34 出力ディスク 35 ローラ 49a,49b トラニオン 58 油圧シリンダ 75 ステッピングモータ 100 コントローラ 101 出力回転数センサ 103 タービン回転センサ 104 傾転角センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 63:06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24
Claims (5)
- 【請求項1】 エンジン出力が入力される入力ディスク
と、該入力ディスクと同軸上に対向配置された出力ディ
スクと、両ディスクに接触した状態で傾動可能に配置さ
れた複数のローラとで構成される変速ユニットを有し、
電気的に制御されて上記ローラの傾転角を変化させるこ
とにより上記変速ユニットを作動させて変速比を変化さ
せる変速アクチュエータを備えたトロイダル型無段変速
機の変速制御装置であって、上記ローラの傾転角を検出
する傾転角検出手段と、予め傾転角に対応する変速アク
チュエータの制御量の特性を記憶した制御特性記憶手段
と、エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開
度検出手段と、該検出手段で検出されたスロットル開度
の前回値と今回値とから求めたスロットル変化率が所定
値よりも大きいか否かを判定する判定手段と、該判定手
段でスロットル変化率が所定値よりも大きくないと判定
されたときに、目標傾転角の前回値と上記傾転角検出手
段で検出された実傾転角との差分が所定の判定値よりも
大きいか否かを判定する変速アクチュエータの脱調判定
手段と、同じく上記判定手段でスロットル変化率が所定
値よりも大きくないと判定されたときに、上記変速ユニ
ットの入力回転数もしくは出力回転数のいずれかを検出
して、予め入力回転数もしくは出力回転数をパラメータ
として設定された特性に基づいて上記ローラの目標傾転
角を算出する目標傾転角算出手段と、算出された目標傾
転角が得られるように上記制御特性記憶手段に記憶され
た制御特性に従った制御信号を変速アクチュエータに出
力して変速動作を行わせる変速制御手段とが設けられて
いることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制
御装置。 - 【請求項2】 変速ユニットの入力回転数を検出する入
力回転数検出手段と、該変速ユニットの出力回転数を検
出する出力回転数検出手段と、これらの検出手段で検出
される入、出力回転数及び傾転角検出手段で検出される
ローラの傾転角のいずれか2つの実測値から残る1つの
推定値を演算する演算手段と、該演算手段で演算された
推定値と対応する実測値とを比較することにより上記変
速ユニットのスリップ状態を判定するスリップ状態判定
手段とが設けられていることを特徴とする請求項1に記
載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 【請求項3】 スリップ状態判定手段によって変速ユニ
ットのスリップ状態 が判定されたときに変速領域を制限
する変速領域制限手段が設けられていることを特徴とす
る請求項2に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御
装置。 - 【請求項4】 脱調判定手段によって変速アクチュエー
タの脱調が判定されたときに、現実の傾転角と出力制御
量とに応じて変速アクチュエータの制御特性を補正する
制御特性補正手段が設けられていることを特徴とする請
求項1又は2に記載のトロイダル型無段変速機の変速制
御装置。 - 【請求項5】 変速アクチュエータがパルス駆動される
ステッピングモータであることを特徴とする請求項1又
は2に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21867192A JP3187962B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | トロイダル型無段変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21867192A JP3187962B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | トロイダル型無段変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0642618A JPH0642618A (ja) | 1994-02-18 |
JP3187962B2 true JP3187962B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=16723603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21867192A Expired - Fee Related JP3187962B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | トロイダル型無段変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3187962B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4378991B2 (ja) * | 2003-04-10 | 2009-12-09 | 日本精工株式会社 | 無段変速装置 |
US10253879B2 (en) | 2015-02-05 | 2019-04-09 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Transmission control system |
-
1992
- 1992-07-23 JP JP21867192A patent/JP3187962B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0642618A (ja) | 1994-02-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |