JP3187625B2 - 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 - Google Patents
高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法Info
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Description
該粉末の融点未満の温度の下に連続的に圧縮成形し、次
いで圧延および延伸して高強度・高弾性率ポリエチレン
材料を連続的に製造する方法に関する。
のポリエチレンは、耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また自
己潤滑性も有するなど特徴のあるエンジニアリングプラ
スチックとして各種の分野で使用されている。この超高
分子量のポリエチレンは、汎用のポリエチレンに比較し
て遥かに分子量が高いので、高配向させることができれ
ば高強度、高弾性を有する成形物が得られることが期待
されるので、その高配向化が種々検討されてきた。
は汎用のポリエチレンに比べ、溶融粘度が高く、通常の
方法では成形加工性が著しく悪く、また、延伸して充分
に高配向化することができないのが現状である。
ストラ等は超高分子量ポリオレフィンのデカリン溶液
(ドープ)から得たゲルを高倍率に延伸し、高強度・高
弾性率の繊維を製造する方法を提案している(特開昭56
-15408号)。そのドープ中のポリマー濃度は、重量平均
分子量150万のもので3重量%、400万のものでは
1重量%と極めて低濃度でしか実施されておらず、実用
化においては多量の溶媒を使用し、かつ高粘度の溶液の
調製および取り扱いなど技術面および経済面で著しく不
利な方法であった。
らは、超高分子量のポリエチレン粉末を、溶解または溶
融することなしに該粉末の融点未満の温度下に圧縮成形
し、次いで圧延および延伸して高強度・高弾性率ポリエ
チレン材料を製造する方法を提案した(特開昭63-41512
号および特開昭63-66207号)。
従来型の圧縮成形工程を、ダブルベルト式の連続的加圧
手段を採用することにより、高強度・高弾性率材料を連
続的に圧縮成形する方法を提案した(特開平2-25823
7)。
開示された方法は、加圧手段がバッチ方式のために生産
性が低かったり、連続式の場合においても大規模なダブ
ルベルト式装置を必要とし、かつ使用するスチールベル
トの寿命も比較的短いことから経済的に必らずしも有利
ではなく、またホッパーからポリオレフィン粉末を供給
する際に空気を巻き込み延伸切れの原因となるなど、成
形安定性に欠けるという問題点があった。
者らは、これらの問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、ポリエチレン粉末を複数対の回転ロールを用いた簡
便な加圧手段を用いてポリエチレン粉末の融点未満の温
度の下に圧縮成形し、次いで圧延および延伸することに
より高強度・高弾性率のポリエチレン材料が連続的かつ
安定的に得られることを見出したものである。
少するように予め調整した複数対の回転ロール間に、1
35℃、デカリン中における極限粘度が、5〜50dl
/gである超高分子量ポリエチレン粉末を、50℃以上
でかつ該粉末の融点未満の温度で通過させることにより
シート状に圧縮成形し、次いで圧延および延伸すること
を特徴とする高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続
的製造方法である。
(圧縮成形、固相押出、延伸等)において、ポリエチレ
ン材料を溶融したり溶媒中に溶解するというような繁雑
な操作を必要とせず、極めて簡便な加圧手段を用いるこ
とにより、圧縮成形を経済的に行うことが可能となり、
優れた物性を有する高強度・高弾性率ポリエチレン材料
を連続的かつ安定的に製造することができる優れた特徴
を有するものである。
料の製造に用いる超高分子量ポリエチレンは、135
℃、デカリン中における極限粘度が5〜50dl/g、
好ましくは8〜40dl/g、さらに好ましくは10〜
30dl/gのものであり、粘度平均分子量50万〜12
00万、好ましくは90万〜900万、さらに好ましくは
120万〜600万に相当するものである。
の機械的物性が悪くなり好ましくない。また、50dl
/gを越えると圧縮成形、圧延および延伸を行なう場合
の加工性が悪くやはり好ましくない。
形状は特に限定されないが、通常、顆粒状、粉末状のも
のが好ましく用いられ、例えば粒径が2000μm以下、好
ましくは1〜2000μm、さらに好ましくは10〜1000μ
mの範囲である。また、その粒径分布は狭い方が圧縮成
形時において欠陥部が少なく、均質なシート、フィルム
状物が得られ好ましい。
エチレンは、周期律表IV〜VI族の遷移金属元素を含
む化合物のうち、少なくとも一種の化合物を含有する触
媒成分と必要に応じて有機金属化合物とを組合わせてな
る触媒の存在下に、エチレンの単独重合、またはエレチ
ンとα−オレフィンを共重合することにより得られる。
好ましくは3〜6のものが使用できる。具体的には、プ
ロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1な
どを挙げることができる。これらのうち特に好ましいの
は、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキサン−1である。またコモノマーとして、ジエ
ン類、たとえばブタジエン、1.4−ヘキサジエン、ビ
ニルノルボルネン、エチリデン−ノルボルネンなどを併
用してもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体中の
α−オレフィン含量は0.001〜10モル%、好ましくは
0.01〜5モル%、より好ましくは0.1〜1モル%であ
る。
族の遷移金属を含む化合物としては、具体的にはチタン
化合物、バナジウム化合物、クロム化合物、ジルコニウ
ム化合物、ハフニウム化合物などが好適である。また、
これらの化合物を複数種組合せて用いてもよい。
化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲ
ン化酸化物等を挙げることができ、4価のチタン化合物
と3価のチタン化合物が好適である。4価のチタン化合
物としては具体的には一般式 Ti(OR)nX4-n (ここでRは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のア
ルキル基、またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原
子を示す。nは0≦n≦4である。)で示されるものを
挙げることができ、特に四塩化チタンが好ましい。
等の三ハロゲン化チタンが挙げられ、また、一般式 Ti(OR)mX4-m (ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。m
は0≦m≦4である。)で示される4価のハロゲン化ア
ルコキシチタンを周期律表I〜III族金属の有機金属化合
物により還元して得られる3価のチタン化合物が挙げら
れる。これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化合
物が特に好ましい。
ハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシ
ド、ハロゲン化酸化物等を挙げることができ、具体的に
は、四塩化バナジウム等の四ハロゲン価バナジウム、テ
トラエトキシバナジウムの如く4価のバナジウム化合
物、オキシ三塩化バナジウム、エトキシジクロルバナジ
ル、トリエトキシバナジル、トリブトキシバナジルの如
き5価のバナジウム化合物、三塩化バナジウム、バナジ
ウムトリエトキシドの如き3価のバナジウム化合物が挙
げられる。
化合物を1種以上の電子供与性化合物で処理してもよ
い。電子供与性化合物としては、エーテル、チオエーテ
ル、チオールホスフィン、スチビン、アルシン、アミ
ン、アミド、ケトン、エステルなどを挙げることができ
る。
物はマグネシウム化合物と併用してもよい。併用される
マグネシウム化合物としては、金属マグネシウム、水酸
化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウ
ム、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグ
ネシウム、ヨウ化マグネシウムなど、またケイ素、アル
ミニウム、カルシウムから選ばれる金属とマグネシウム
原子とを含有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物ある
いは水酸化物など、さらにはこれらの無機質固体化合物
を含酸素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロ
ゲン含有物質で処理または反応させたもの、また、ケイ
素、アルミニウムを含有する酸化物に上記のマグネシウ
ム化合物を含有させたもの等があげられる。
グネシウム化合物とを併用する場合、両者の接触方法と
しては、特に制限はなく、公知の方法を採用することが
できる。
アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボ
ン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミド等の有機含
酸素化合物、金属アルコキシド、金属のオキシ塩化物等
の無機含酸素化合物を例示することができる。含硫黄化
合物としては、チォール、チオエーテルの如き有機含硫
黄化合物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸の如き無機硫
黄化合物を例示することができる。芳香族炭化水素とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、
フェナンスレンの如き各種単環および多環の芳香族炭化
水素化合物を例示することができる。ハロゲン含有物質
としては、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン
化物の如き化合物等を例示することができる。
ヤ化合物などの有機マグネシウム化合物とチタン化合物
との反応生成物を用い、これに有機アルミニウム化合物
を組み合わせた触媒系を例示することができる。
l2O3等の無機酸化物と前記の少なくともマグネシウム
およびチタンを含有する固体触媒成分を接触させて得ら
れる固体物質を用い、これに有機アルミニウム化合物を
組み合わせたものを例示することができる。
有機カルボン酸エステルとの付加物として使用すること
もでき、また前記したマグネシウムを含む無機固体化合
物を有機カルボン酸エステルと接触処理させたのち使用
することもできる。また、有機アルミニウム化合物を有
機カルボン酸エステルとの付加物として使用しても何ら
支障がない。さらには、あらゆる場合において、有機カ
ルボン酸エステルの存在下に調整された触媒系を使用す
ることも何ら支障なく実施できる。
クロムまたは焼成によって少なくとも部分的に酸化クロ
ムを形成する化合物を無機酸化物担体に担持させたフィ
リップス触媒と称される触媒をあげることができる。無
機酸化物担体としては、シリカ、アルミナ、シリカーア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、トリアあるいは混合物
があげられるが、シリカ、シリカーアルミナが好まし
い。
酸化物、または焼成によって少なくとも部分的に酸化ク
ロムを形成する化合物、たとえばクロムのハロゲン化
物、オキシハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、硝酸塩、ア
ルコラート等があげられ、具体的には三酸化クロム、塩
化クロミル、重クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウ
ム、硝酸クロム、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネ
ート、ジターシャリブチルクロメート等があげられる。
浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行なうこと
ができ、使用するクロム化合物の種類によって適当な方
法を用いればよい。担持するクロムの量は、担体に対す
るクロム原子の重量%で0.1〜10重量%、好ましくは
0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であ
る。
担体を焼成して活性化を行うが、焼成活性化は一般に水
分を実質的に含まない非還元性雰囲気、たとえば酸素存
在下に行なわれ、また不活性ガスの存在下あるいは減圧
下で行ってもよい。好ましくは乾燥空気が用いられる。
焼成は、温度450℃以上、好ましくは500〜900
℃で数分〜数時間、好ましくは0.5〜10時間行う。
焼成時は充分に乾燥空気を用い、流動状態下で活性化を
行うのが好ましい。
やフッ素含有塩類等を添加して、活性等を調節する公知
の方法を併用してもよい。
一酸化炭素、エチレン、有機アルミニウムなどで還元し
て用いてもよい。
物としては、例えば共役π電子を有する基を配位子とし
たジルコニウム化合物またはハフニウム化合物等があげ
られ、一般式、 R1 a R2 b M R3 c R4 d (ここで、Mはジルコニウムまたはハフニウム原子を示
し、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜20の炭化水素残
基、ハロゲン原子また水素原子を示す。なお、R1,R2,
R3,R4のうち少なくとも一つは炭化水素残基である。
a,b,cおよびdはa+b+c+d=4なる条件式を満
たすものである)で表される化合物が具体的にあげられ
る。式中の炭化水素残基としてはアルキル基、アリール
基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、
シクロアルカジエニル基、含硫黄炭化水素残基、含窒素
炭化水素残基または含リン炭化水素残基等が好ましい。
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オ
レイル基などが例示され、アリール基としては、フェニ
ル基、トリル基などが例示され、シクロアルキル基とし
ては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオ
クチル基、ノルボルニル基、ビシクロノニル基などが例
示され、アラルキル基としてはベンジル基、ネオファイ
ル基等が例示される。
ば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエ
ニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシク
ロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロイン
デニル基等を例示することができ、アルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等が例示される。含硫黄炭化水素残基としては、チオ
エチル基、チオフェニル基等が例示され、また、含窒素
炭化水素残基としては、ジメチルアミド基、ジエチルア
ミド基、ジプロピルアミド基等が例示される。
基、イソプロペニル基、1−ブテニル基など不飽和脂肪
残基やレタロヘキセニル基など不飽和脂環式基について
も例示することができる。ハロゲン原子としてはフッ
素、塩素、臭素などを例示することができる。
ウム化合物も前述の無機酸化物担体に担持させて用いる
ことももちろん可能である。
造方法に用いる有機金属化合物としては、チグラー型触
媒の一成分として知られている周期律表1〜IV族の有機
金属化合物を使用できるが、一般式 Rn AlX3-n
(ただしRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはアルコキシル基、Xはハロゲン原子、nは0<n
≦3、なお、N≧2の場合、各Rは同一でも異なっても
よい)で示される有機アルミニウム化合物、および、一
般式R2Zn(ただしRは炭素数1〜20のアルキル基であ
り、二者同一でもまた異なっていてもよい)で示される
有機亜鉛化合物が好ましく、またこれらの混合物でもよ
い。
ばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリn−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、モノエトキシジアルキルアルミニウム、
ジエトキシモノアルキルアルミニウムなどがあげられ、
また、トルアルキルアルミニウムと水との反応で得られ
る一般式
化水素基を、nは2≦n≦100、好ましくは2≦n≦
50を示す)などを用いることもできる。
いが通常遷移金属化合物に対して0.1〜1,000mo
1倍使用することができる。
状態で気相状態または前記触媒に対して不活性溶媒、例
えばブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタ
ン、デカン、ドデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族系炭化水素、石油留分等の存在
下、またはモノマー自体を溶媒として行われる。重合温
度は生成する超高分子量ポリエチレンの融点未満、通常
−20〜110℃、好ましくは0〜90℃である。
ンの融点以上の場合は、後工程である延伸段階におい
て、20倍以上延伸できなくなり好ましくない。重合圧
力は通常0〜70kg/cm2G、好ましくは0〜60kg/cm2
G、とするのが望ましい。
の種類、触媒成分のモル比、重合系への水素添加など重
合条件を変化させることにより可能であり、特に制限は
ない。もちろん、水素濃度、重合温度などの重合条件の
異なった2段階ないしそれ以上の多段階の重合反応も何
ら支障なく実施できる。
ンが得られる。
ンは、一般に分子量が高い方がより高強度・高弾性率を
有する材料を得ることができ望ましい。例えば、粘度平
均分子量が50万〜1200万、好ましくは90万〜9
00万、さらに好ましくは120万〜600万、135
℃、デカリン中における極限粘度で表記すれば、5〜5
0dl/g、好ましくは8〜40dl/g、好ましくは10〜3
0dl/gであることが好ましい。
限定されないが、通常、果粒状、粉末状のものが好まし
く用いられる。例えば、粒径が2000μm以下が好ま
しく、1000μ以下が更に望ましい。また、その粒径
分布は狭い方が良好なシートが得られる。
料の連続的製法においては、先ずポリエチレン粉末を連
続的に圧縮成形し、次いでこの圧縮成形シートを圧延す
る方法が採用される。
る装置および圧延装置についてはその具体例の1つであ
る図1にもとづき簡略に説明する。
ン粉末は、予熱され、融点以下の後述する適正温度に加
熱された複数対の圧縮成形ロール(1−1',2−2',
3−3')間を順次通過させることにより、連続的に圧
縮成形シートが成形される。
ポリエチレン粉末の融点未満の温度で圧縮成形されるこ
とが、引き続いて実施される圧延、延伸工程を経て高強
度・高弾性率ポリエチレン材料を得る上で極めて重要で
ある。しかしながら、良好な圧縮成形シートを得るに
は、融点未満の温度ではあっても許容できる範囲内であ
ることが望ましい。例えば通常50℃以上、好ましくは
90℃以上でかつ融点未満の温度であることが望まし
い。
形ロールに供給するために、ホッパーに適度の振動を与
えることが好ましい。また、ホッパー内にスクリューを
設け、ポリエチレン粉末を自然落下させるのではなくス
クリューによる供給方式を採用してもよい。圧縮成形ロ
ールは通常2〜20対、好ましくは3〜10対で使用さ
れる。次いで得られた圧縮シートは、1対または複数対
の圧延ロール(4,4’)を通過させることにより狭圧
され、得られる圧延シートまたは圧延フィルムがガイド
ロール6に誘導される。
延操作を行うためには、圧延される前のシートに適度の
逆張力をかけることが好ましい。そのためには張力をか
けたときにシートが破損しない程度の強度を有するもの
でなければならない。
て、かつロール間隙を順次減少させながら段階的に加圧
することにより得られる。順次減少させるロール間隙
は、ポリエチレン粉末の粒度および予熱温度にも関連
し、その1例は後述する実施例に示す如くであり、この
様な例示を一般例として適宜変更することができる。こ
のときの予熱温度は、一般的には60〜100℃の範囲
であり、ロール間隙は5〜0.5mmの範囲、間隙減少
率は30%程度迄とすることが好ましい。このようにす
ることによって、ポリエチレン粉末がロール間を通過す
るときに、延伸切れの原因となる空気の巻き込みを防止
することができ、効果的である。
ロール間を通過するポリエチレン粉末の供給量をより均
一化するために、複数対の圧縮ロールのうち特に最初の
1対の圧縮ロールに振動を与えることが好ましい。な
お、複数対の圧縮成形ロールおよび圧延ロールの配置は
設置場所のスペースに応じて、水平に配置した1対のロ
ールを垂直に置いても、あるいは垂直に置いた1対のロ
ールを水平に配置しても、さらに両者を併用して配置し
てもよい。圧縮成形ロールの1段目と2段目は圧縮初期
段階のシートがもろく、かつこわれやすいので垂直に配
置するのが好ましい。なお、水平に配置する場合には、
1段目および2段目のロールの間にシートを保持するた
めの支持台を設けることが望ましい。
エチレン材料をこのようにして圧縮成形したシートを圧
延しついで延伸することにより得られるものである。
を加熱体と接触させながら延伸することが好ましく、接
触式の引張延伸装置が用いられる。例えば、延伸張力を
かける手段としては、ニップロール間で張力をかけた
り、クローバーロール間、多段ロール間で張力をかけた
り、ネルソンロール方式で延伸張力を保持する方法等が
挙げられる。
等のように被延伸物とともに移動するもののいずれでも
よく、具体的には、熱ロール、熱板等が例示できる。
2により簡略に説明する。
スリッター11により所定の幅にカットされ、入口側ニ
ップロール12,12’,12”を通過後、加熱体1
3,13’,13”に接触しながら、所定の延伸温度に
昇温される。被延伸物は各入口側および出口側12と1
2’,12’と12”,12”と16によりそれぞれの
位置の通過速度が規制され、両者の速度差により張力が
生じ、延伸用熱板14,14’,14”上で順次延伸さ
れる。かくして得られた延伸テープは、冷却ロール15
により冷却され、ボビン17に巻き取られる。図2にお
いてはクローバ型に配置された3本の金属ロールを加熱
体および冷却体として使用する一方で、ニップロール1
2,12’,12”,16が2本の金属ロールに対して
ニップする方式の一例である。
10段の範囲のいわゆる多段延伸により好ましく実施さ
れる。
ロール16の回転速度に相当)は、通常、0.1〜10
00m/minであるが、経済性を考慮すると高速度の
方が望ましく、通常2m/minを越え、更に好ましく
は3〜500m/min、特に好ましくは、5〜200
m/minの範囲である。
融点未満で行われるが、例えば、超高分子量ポリエチレ
ンを用いた場合、通常20〜160℃、好ましくは20
〜150℃、更に好ましくは90〜145℃、特に好ま
しくは90°〜140°である。
性率が達成できるため、できる限り高めることが望まし
く、本発明の方法においては、例えば、超高分子量ポリ
エチレンを用いた場合には、少なくとも20倍以上、通
常60倍以上、好ましくは80〜200倍のトータル延
伸倍率(圧延および引張延伸の合計延伸倍率)が可能で
ある。
材料が高効率に製造される。本発明の方法によれば、引
張弾性率120GPa以上、引張強度2GPa以上の、
極めて高強度・高弾性率のポリエチレン材料が得られ
る。
て、粘度平均分子量約300万の超高分子量ポリエチレ
ン粉末を130℃に加熱し、厚み1.1mm,巾10c
mのシートを、1m/minの速度で連続的に圧縮成形
した。 (2)ロール圧延 〔装置仕様〕 ロール形状:ロール径150mmφ,面長300mm ロール数 :1対 ロール間隙:40μm 得られた圧縮成形シートを、ガイドロールを用いて90
°進行方向を変化させた後、温度140℃、回転周速度
が7m/minに調整されたロール間に水平方向から供
給して圧延を行い、圧延倍率7倍のシートを得た。 (3)延伸 〔装置仕様〕 予熱用金属ロール:3本/組×3組 ロール径250mmφ,面長200mm(ロール内部に
熱媒体用オイルを循環) 延伸用熱板:3式 熱板長さ 50cm(1段目) 100cm(2段目) 300cm(3段目) (熱板内部に埋め込みヒーターを使用し、熱板表面温度
を制御) 冷却用金属ロール:3本/組×1組 ロール径250mmφ,面長200mm(ロール内部に
水を循環) ニップロール: 入口側:200mmφシリコンゴムロールが予熱用金属
ロール2本に対してニップ。 出口側:200mmφシリコンゴムロールが冷却用金属
ロール2本に対してニップ。
mにカットしてテープ状とし、これを上記仕様の延伸装
置を使用して引張延伸を行った。引張延伸は下記の条件
で3段延伸を行った。圧延による延伸を含めた合計の延
伸倍率は92倍であり、得られたテープの引張弾性率は
121GPa,引張強度は2.1GPaであった。
たが延長切れ回数は3回であった。
600μm振動を与える他は実施例1と同様に行い、得
られたテープの引張弾性率は120GPa、引張強度は
2.5GPaであった。また、3本のテープを同時に2
0時間延伸を行ったときの切れ回数は1回であった。
に調整した1対の圧縮成形ロールを用いてシートを成形
する他は実施例1と同様に行った。ロール間隙が1mm
のときは得られたシートは極めてもろく、次の圧延工程
でシートは切断した。ロール間隙が1.5mmの場合
は、圧延することはできたがやはり強度は低く、逆張力
を十分かけられず、シートは蛇行し、連続的に安定した
圧延を行うことは困難であった。
ン粉末から、簡単且つ経済的な方法で高強度・高弾性率
を有するポリエチレンシート、繊維あるいはテープを連
続的に且つ安定的に製造する方法が提供された。
回転ロール部の1例を示す図である。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ロール間距離が順次減少するように予め
調整した複数対の回転ロール間に、135℃、デカリン
中における極限粘度が、5〜50dl/gである超高分
子量ポリエチレン粉末を、50℃以上でかつ該粉末の融
点未満の温度で通過させることによりシート状に圧縮成
形し、次いで圧延および延伸することを特徴とする高強
度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30266793A JP3187625B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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