JP2709183B2 - 接着性ポリエチレン延伸材料およびその製造方法 - Google Patents

接着性ポリエチレン延伸材料およびその製造方法

Info

Publication number
JP2709183B2
JP2709183B2 JP24253590A JP24253590A JP2709183B2 JP 2709183 B2 JP2709183 B2 JP 2709183B2 JP 24253590 A JP24253590 A JP 24253590A JP 24253590 A JP24253590 A JP 24253590A JP 2709183 B2 JP2709183 B2 JP 2709183B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyvinyl chloride
stretched
compound
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24253590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04122746A (ja
Inventor
睦修 岩波
征三 小林
隆 溝江
修 大津
Original Assignee
日本石油株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本石油株式会社 filed Critical 日本石油株式会社
Priority to JP24253590A priority Critical patent/JP2709183B2/ja
Publication of JPH04122746A publication Critical patent/JPH04122746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2709183B2 publication Critical patent/JP2709183B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、接着性ポリエチレン延伸材料およびその製
造方法に関する。さらに詳しくは、特定の超高分子量ポ
リエチレン粉末とポリ塩化ビニルとを特定条件下におい
て加工された接着性を有する高強度・高弾性率延伸材料
に関し、また本発明は特定の超高分子量ポリエチレン粉
末を圧縮成形および/または該圧縮成形物を圧延する際
に、ポリ塩化ビニルをポリエチレン粉末またはポリエチ
レン層に混在ないしは介在せしめることにより、接着性
を有するポリエチレン延伸材料を製造する方法に関す
る。
(従来技術および発明の解決しようとする課題) 超高分子量ポリエチレン延伸材料は高強度・高弾性率
等の優れた機械的物性を有するものであるが、ポリエチ
レンの分子鎖は極性基を含まず、表面が極めて不活性な
ために、他の材料との接着性に乏しく、複合材料化が困
難である。
接着性を向上させるために行われる表面処理方法とし
て、プラズマ処理、紫外線処理、電子線処理などの種々
の方法が考案されているものの、例えばプラズマ処理法
では、安定した品質のものが得難く、また処理に長時間
を必要とし、しかも設備が高価であるという問題があ
る。また、紫外線処理法では、紫外線照射に長時間を要
し、しかも接着性も不十分であるという問題があり、さ
らに電子線処理法では電子線によりフィブリルの切断が
おこり、ポリエチレン延伸材料の強度低下をもたらすと
いう問題があった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、以上の問題点を解決すべく、鋭意、検
討と実験を継続した結果、驚くべきことに、特定の超高
分子量ポリエチレン粉末とポリ塩化ビニルを特定条件下
に成形加工することにより得られるポリエチレン延伸材
料は、何ら表面処理することなく、他材料、例えばゴ
ム、木材、ガラス、コンクリート、石膏、金属、樹脂、
紙、各種ニューセラミクスなどとの接着性を向上させる
ことが出来ることを見出し、さらに、この接着性を有す
るポリエチレン延伸材料が、ポリ塩化ビニルを用いない
場合と同程度以上の高い強度および弾性率を有すること
をも見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は135℃デカリン中における極限粘
度が5〜50dl/gの超高分子量ポリエチレンからなる主成
分と、ポリ塩化ビニルを含有する成分とを、該ポリエチ
レンの融点未満の温度で少なくとも延伸することにより
得られる接着性ポリエチレン延伸材料に関し、また、本
発明は、135℃デカリン中における極限粘度が5〜50dl/
gの超高分子量ポリエチレンを主成分とした粉末を圧縮
成形し、ついで圧延したのち延伸することによりポリエ
チレン延伸材料を製造する方法において、該圧縮工程お
よび/または圧延工程において、ポリ塩化ビニルをポリ
エチレン材料に混在ないしは介在せしめることを特徴と
する接着性ポリエチレン延伸材料の製造方法に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
1)超高分子量ポリエチレン 本発明に用いられる超高分子量ポリエチレン粉末は、
135℃、デカリン中における極限粘度[η]が5〜50dl/
g、好ましくは8〜40dl/gさらに好ましくは10〜30dl/g
のものであり、粘度平均分子量50万〜1200万、好ましく
は90万〜900万、さらに好ましくは120万〜600万に相当
するものである。[η]が5dl/gより小さいと延伸物の
機械的物性が悪くなり好ましくない。また、50dl/gを越
えると圧縮成形、圧延および延伸を行う場合の加工性が
悪くやはり好ましくない。
また、これらの超高分子量ポリエチレンの形状は特に
限定されないが、通常、顆粒上、粉末状のものが好まし
く用いられ、例えば粒径が2000μm以下、好ましくは1
〜2000μm,さらに好ましくは10〜1000μmの範囲が用い
られる。また、その粒径分布は狭い方が圧縮成形時にお
いて欠陥部が少なく、均質シート、フィルム状物が得ら
れる。
本発明で使用される上記特定性状を有する超高分子量
ポリエチレンは、周期律表IV〜VI族の遷移金属元素を含
む化合物のうち、少なくとも一種の化合物を含有する触
媒成分と必要に応じて有機金属化合物とを組合せてなる
触媒の存在下に、エチレンの単独重合、またはエチレン
とα−オレフィンを共重合することにより得られる。
α−オレフィンとしては炭素数3〜12、好ましくは3
〜6のものが使用できる。具体的には、プロピレン、ブ
テン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1、デセン−1、ドデセン−1などを挙げるこ
とができる。これらのうち特に好ましいのは、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1である。またコモノマーとして、ジエン類、たとえば
ブタジエン、1.4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネ
ン、エチリデン−ノルボルネンなどを併用してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン
含量は通常0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル
%、より好ましくは0.1〜1モル%である。
触媒成分を構成するところの周期律表第IV〜VI族の遷
移金属を含む化合物としては、具体的にはチタン化合
物、バナジウム化合物、クロム化合物、ジルコニウム化
合物、ハフニウム化合物などが好適である。また、これ
らの化合物を複数種組合せて用いてもよい。
チタン化合物としては、チタンのハロゲン化物、アル
コキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン化酸化物
等を挙げることができ、特に4価のチタン化合物と3価
のチタン化合物が好適である。4価のチタン化合物とし
ては具体的には一般式 Ti(OR)nX4-n (ここでRは炭素数1〜20好ましくは1〜12のアルキル
基、またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示
す。nは0≦n4≦である)で示されるものを挙げること
ができ、特にテトラメトキシチタン、テトラエトキシチ
タン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン
等のテトラアルコキシチタンや、四塩化チタン等のテト
ラハロゲン化チタンが好ましい。
3価のチタン化合物としては三塩化チタン等の三ハロ
ゲン化チタンが挙げられ、また、一般式 Ti(OR)mX4-m (ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。m
は0≦m≦4である)で示される4価のハロゲン化アル
コキシチタンを周期律表I〜III族金属の有機金属化合
物により還元して得られる3価のチタン化合物が挙げら
れる。
これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化合物が
特に好ましい。
バナジウム化合物としては、バナジウムのハロゲン化
物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン
化酸化物等を挙げることができ、具体的には、四塩化バ
ナジウム等の四ハロゲン化バナジウム、テトラエトキシ
バナジウムの如く4価のバナジウム化合物、オキシ三塩
化バナジウム、エトキシジクロルバナジル、トリエトキ
シバナジル、トリブトキシバナジルの如き5価のバナジ
ウム化合物、三塩化バナジウム、バナジウムトリエトキ
シドの如き3価のバナジウム化合物が挙げられる。
さらに上記チタン化合物またはバナジウム化合物を1
種以上の電子供与性化合物で処理してもよい。該電子供
与性化合物としては、エーテル、チオエーテル、チオー
ルホスフィン、スチビン、アルシン、アミン、アミド、
ケトン、エステルなどを挙げることができる。
また、チタン化合物またはバナジウム化合物はマグネ
シウム化合物と併用して用いてもよい。併用されるマグ
ネシウム化合物としては、金属マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フ
ッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウムなど、またケイ素、アルミニウ
ム、カルシウムから選ばれる金属とマグネシウム原子と
を含有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物あるいは水
酸化物など、さらにはこれらの無機質固体化合物を含酸
素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロゲン含
有物質で処理または反応させたもの、また、ケイ素、ア
ルミニウムを含有する酸化物に、上記のマグネシウム化
合物を含有させたもの等があげられる。
チタン化合物またはバナジウム化合物とマグネシウム
化合物を併用する場合、両者の接触方法としては、特に
制限はなく、公知の方法を採用することができる。
上記の含酸素化合物としては、例えば水、アルコー
ル、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エ
ステル、ポリシロキサン、酸アミド等の有機含酸素化合
物、金属アルコキシド、金属のオキシ塩化物等の無機含
酸素化合物を例示することができる。含硫黄化合物とし
ては、チォール、チオエーテルの如き有機含硫黄化合
物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸の如き無機硫黄化合
物を例示することができる。芳香族炭化水素としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、フェナ
ンスレンの如き各種単環および多環の芳香族炭化水素化
合物を例示することができる。ハロゲン含有物質として
は、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物の
如き化合物等を例示することができる。
他の触媒系の例としては、いわゆるグリニヤ化合物な
どの有機マグネシウム化合物とチタン化合物との反応生
成物を用い、これに有機アルミニウム化合物を組合せた
触媒系を例示することができる。
また他の触媒系の例としてはSiO2,Al2O3等の無機酸化
物と前記少なくともマグネシウムおよびチタンを含有す
る固体触媒成分を接触させて得られる固体物質を用い、
これに有機アルミニウム化合物を組合せたものを例示す
ることができる。
これらの触媒系において、チタン化合物を有機カルボ
ン酸エステルとの付加物として使用することもでき、ま
た前記したマグネシウムを含む無機固体化合物を有機カ
ルボン酸エステルと接触処理させたのち使用することも
できる。また、有機アルミニウム化合物を有機カルボン
酸エステルとの付加物として使用しても何ら支障がな
い。さらには、あらゆる場合において、有機カルボン酸
エステルの存在下に調整された触媒系を使用することも
何ら支障なく実施できる。
クロム化合物としては、具体的には三酸化クロムまた
は焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形成す
る化合物を無機酸化物単体に担持させたフィリップス触
媒と称される触媒をあげることができる。無機酸化物単
体としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チ
タニア、ジルコニア、トリアあるいはこれらの混合物が
あげられるが、シリカ、シリカ−アルミナが好ましい。
担持するクロム化合物としてはクロムの酸化物、また
は焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形成す
る化合物、たとえばクロムのハロゲン化物、オキシハロ
ゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、硝酸塩、アルコラート等が
あげられ、具体的には三酸化クロム、塩化クロミル、重
クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、硝酸クロ
ム、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネート、ジター
シャリブチルクロメート等があげられる。
担体にクロム化合物を担持させるには、含浸、溶媒留
去、昇華等の公知に方法によって行うことができ、使用
するクロム化合物の種類によって適当な方法を用いれば
よい。担持するクロムの量は、担体に対するクロム原子
の重量%で0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、
さらに好ましくは0.5〜3重量%である。
以上のようにしてクロム化合物を担持した担体を焼成
して活性化を行う。焼成活性化は一般に水分を実質的に
含まない非還元性雰囲気、たとえば酸素存在下に行われ
るが、不活性ガスの存在下あるいは減圧下で行ってもよ
い。好ましくは乾燥空気が用いられる。焼成は、温度45
0℃以上、好ましくは500〜900℃で数分〜数時間、好ま
しくは0.5〜10時間行う。焼成時は充分に乾燥空気を用
い、流動状態下で活性化を行うのが好ましい。
なお、担持もしくは焼成時にチタネート類やフッ素含
有塩類等を添加して、活性等を調節する公知の方法を併
用してもよい。
また、このクロム化合物を担持した触媒を一酸化炭
素、エチレン、有機アルミニウムなどで還元して用いて
もよい。
ジルコニウム化合物またはハフニウム化合物として
は、例えば共役π電子を有する基を配位子としたジルコ
ニウム化合物またはハフニウム化合物等があげられ、一
般式、 R1 aR2 bM R3 cR4 d (ここで、Mはジルコニウムまたはハフニウム原子を示
し、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜20の炭化水素残基、
ハロゲン原子または水素原子を示す。なお、R1,R2,R3,R
4のうち少なくとも一つは炭化水素残基である。a,b,c,
およびdはa+b+c+d=4なる条件式を満たすもの
である)で表わされる化合物が具体的にあげられる。式
中の炭化水素残基としてはアルキル基、アリール基、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロ
アルカジエニル基、含硫黄炭化水素残基、含窒素炭化水
素残基または含リン炭化水素残基等が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オレイル基など
が例示され、アリール基としては、フェニル基、トリル
基などが例示され、シクロアルキル基としては、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノ
ルボルニル基、ビシクロノニル基などが例示され、アラ
ルキル基としてはベンジル基、ネオファイル基等が例示
される。
シクロアルカジエニル基としては、例えば、ジクロペ
ンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、テトラヒンドロインデニル基等
を例示することができ、アルコキシ基としては、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が例示
される。含硫黄炭化水素残基としては、チオエチル基、
チオフェニル基等が例示され、また、含窒素炭化水素残
基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジ
プロピルアミド基等が例示される。
その他ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロ
ペニル基、1−ブテニル基など不飽和脂肪残基やシクロ
ヘキセニル基など不飽和脂環式基についても例示するこ
とができる。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素
などを例示することができる。
これらのジルコニウム化合物またはハフニウム化合物
も前述の無機酸化物担体に担持させて用いることももち
ろん可能である。
本発明の超高分子量ポリエチレン粉末の製造方法に用
いる有機金属化合物としては、チグラー型触媒の一成分
として知られている周期律表I〜IV族の有機金属化合物
を使用できるが、一般式RnAlX3-n(ただしRは炭素数1
〜20のアルキル基、アリール基またはアルコキシル基、
Xはハロゲン原子、nは0≦n3≦、なお、N≧2の場
合、各Rは同一でも異なってもよい)で示される有機ア
ルミニウム化合物、および、一般式R2Zn(ただしRは炭
素数1〜20のアルキル基であり、二者同一でもまた異な
っていてもよい)で示される有機亜鉛化合物が好まし
く、またこれらの混合物でもよい。
有機アルミニウム化合物としては、たとえばトリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn
−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、モノエトキシジアルキルアルミニウム、ジエトキシ
モノアルキルアルミニウムなどがあげられ、また、トル
アルキルアルミニウムと水との反応で得られる一般式 で表わされる化合物(ここでRは炭素数1〜18の炭化水
素基を、nは2≦n≦100、好ましくは2≦n≦50を示
す)などを用いることもできる。
有機金属化合物の使用量はとくに制限はないが通常遷
移金属化合物に対して0.1〜1,000mol倍使用することが
できる。
重合反応は実質的に酸素、水などを絶った状態で気相
状態または前記触媒に対して不活性溶媒、例えばブタ
ン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トル
エン等の芳香族系炭化水素、石油留分等の存在下、また
はモノマー自体を溶媒として行われる。重合温度は生成
する超高分子量ポリエチレンの融点未満、通常−20〜11
0℃、好ましくは0〜90℃である。
重合温度が得られる超高分子量ポリエチレンの融点以
上の場合は、後工程である延伸段階において、20倍以上
には延伸できないので好ましくない。
重合圧力は通常0〜70kg/cm2G、好ましくは0〜60kg/
cm2Gとするのが望ましい。
分子量の調節は重合温度、重合圧力、触媒の種類、触
媒成分のモル比、重合系中への水素添加など重合条件を
変化させることにより可能であり、特に制限はない。
もちろん、水素濃度、重合温度などの重合条件の異な
った2段階ないしそれ以上の多段階の重合反応も何ら支
障なく実施できる。
かくして、粉末状の超高分子量ポリエチレンが得られ
る。
2)ポリ塩化ビニル 本発明でいうポリ塩化ビニルとは、塩化ビニルのホモ
ポリマーおよび塩化ビニルモノマーと種々のコモノマー
とのコポリマーもしくはターポリマーをすべて包括する
ものである。かかるコモノマーとしては、特に限定され
ないが、例えば酢酸ビニルなどのビニルアルキルエステ
ル、アクリル酸またはメタクリル酸およびそのエステ
ル、マレイン酸とそのエステル、アクリロニトリル、エ
チレンあるいはプロピレン等のα−オレフィン、ビニル
エーテルおよび塩化ビニリデンなどがあげられる。ま
た、コモノマーの含量は得に限定されないが、通常50モ
ル%以下、好ましくは20モル%以下、さらに好ましく
は、0.1〜15モル%であることが望ましい。
本発明に使用するこれらのポリ塩化ビニルは、平均重
合度が通常50から10000、好ましくは100〜5000、さらに
好ましくは500〜5000のものが望ましい。またこれらの
ポリ塩化ビニルの形状は、本発明の目的を損なわない限
り特に限定されるものではなく、シート、フィルム、繊
維、ロッド、不織布および粉末のいずれでもよく、具体
的には、これらのポリ塩化ビニルを公知の方法で厚さが
通常10〜200μm、好ましくは20〜100μmのフィルムに
成形したものでもよく、これをさらに延伸して、繊維ま
たは不織布の形で用いることもできる。また、粉末状と
して用いる場合には、その粒径は主成分として用いる超
高分子量ポリエチレン粉末の粒径の1/10万倍〜100倍、
好ましくは1/1万倍〜10倍、さらに好ましくは1/1000倍
〜1倍が望ましい。また、その粒径分布は特に制限され
ないが、粒径分布が狭い方が望ましい。
もちろん本発明で用いるこれらのポリ塩化ビニルの製
造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、塊重
合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、沈澱重合等の公知
のあらゆる方法により得られたものが本発明に供するこ
とができる。
なお、これらのポリ塩化ビニルは、一種類のものを単
独に用いてもよく、また、コモノマー、平均重合度、形
状、粒径、粒径分布などの相違する2種以上を用いても
よく、また、これらのポリ塩化ビニルを使用する場合
は、前述したシート、フィルム、繊維、ロッド、不織布
および粉末の形態のほか、ポリ塩化ビニルを例えばヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族炭化
水素化合物、またはn−パラフィン、iso−パラフィン
等と称される飽和炭化水素化合物の混合物、デカリン、
テトラリン等の脂環式炭化水素、キシレン、メシチレ
ン、クメン等の芳香族炭化水素等の有機溶媒に溶解した
形態、もしくは、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等の一価アルコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等の
液状分散剤に分散させた状態で行ってもよい。
3)接着性ポリエチレン延伸材料の製造方法 次に接着性ポリエチレン延伸材料の製造方法について
詳述する。本発明の製造方法においては、135℃デカリ
ン中における極限粘度が5〜50dl/gの超高分子量ポリエ
チレンからなる主成分と、ポリ塩化ビニルを含有する成
分とを、該ポリオレフィンの融点未満の温度で少なくと
も延伸することにより、さらに詳しくは、135℃デカリ
ン中における極限粘度が5〜50dl/gの超高分子量ポリエ
チレンを主成分とした粉末を圧縮成形し、ついで圧延し
たのち延伸することによりポリエチレン延伸材料を製造
する方法にいおて、該圧縮工程および/または圧延工程
において、ポリ塩化ビニルをポリエチレン材料に混在な
いしは介在せしめることにより、接着性ポリエチレン延
伸材料を製造するものである。なお、本発明でいう「ポ
リエチレン材料に混在ないし介在」とは超高分子量ポリ
エチレン粉末にポリ塩化ビニルを積層せしめることを意
味するものである。
これらの代表的な例として次の方法を挙げることがで
きる。
1) 圧縮成形工程において、粉末、ロッドまたは繊維
状等のポリ塩化ビニルを超高分子量ポリエチレン粉末に
混在せしめる方法。
2) 圧縮成形工程において、粉末、ロッドまたは繊維
状等のポリ塩化ビニルを超高分子量ポリエチレン粉末の
表面層に介在せしめる方法。
3) 圧縮成形工程において、シート、フィルムまたは
不織布状等のポリ塩化ビニルを超高分子量ポリエチレン
粉末の表面層に介在(積層)せしめる方法。
4) 圧延工程において、粉末、ロッドまたは繊維状等
のポリ塩化ビニルを超高分子量ポリエチレンの圧縮成形
物の表面に介在せしめる方法。
5) 圧延工程において、シート、フィルムまたは不織
布状等のポリ塩化ビニルを超高分子量ポリエチレンの圧
縮成形物の表面層に積層して、ポリ塩化ビニルを介在せ
しめる方法。
もちろん、これらに代表される個々の方法を適宜組合
せることも何等差し支えない。
本発明においては上記1)〜5)の方法のいずれの採
用も公的であるが、特に1)の方法が好ましい。1)の
方法においても、特に粉末状のポリ塩化ビニルを用い、
圧縮成形前に予め混合する方法が望ましい。超高分子量
ポリエチレン粉末とポリ塩化ビニルを混合する方法は特
に制限されるものではなく、乾式の粉体混合、湿式のス
ラリー状下での混合、溶媒の存在下における混合等いず
れでもよいが、混合時において用いるスラリー懸濁液や
溶媒は、超高分子量ポリエチレン粉末に対して貧溶媒で
あることが望ましい。本発明においては、操作性から乾
式の粉体混合が好ましい。混合時に用いる装置として
は、タンブラー、V型、ドラム型あるいはリボン型ミキ
サーなど公知の混合機を適宜用いることができる。混合
時に於ける温度は用いる超高分子量ポリエチレン粉末の
融点未満の温度である限り特に制限はないが、通常0℃
〜超高分子量ポリエチレン粉末の融点未満の温度、好ま
しくは、10℃〜135℃の範囲である。また混合時間は混
合機の種類、混合量、用いるポリ塩化ビニルの種類によ
り、適宜選択されるが、通常、5分以上、好ましくは10
分〜12時間であり、混合時においては、連続的または断
続的に撹拌することが望ましい。
本発明におけるポリ塩化ビニルの使用量は、通常、超
高分子量ポリエチレン100重量部に対して、ポリ塩化ビ
ニル100重量部を上限とし、好ましくは、ポリ塩化ビニ
ル0.001〜100重量部さらに好ましくは0.01〜50重量部、
特に好ましくは0.05〜10重量部である。なお、ポリ塩化
ビニルの他に、帯電防止剤、可塑剤、酸化防止剤、光安
定剤などの各種の添加剤を適宜加えることもできる。
本発明における圧縮成形の方法は、特に限定されるも
のではなく、バッチ式、連続式のいずれでもよいが、バ
ッチ式圧縮成形方法としては、スライド式、回転式等の
各種機械を用いる方法が挙げられ、また連続式圧縮成形
方法としても種々の方法があり、例えば、上下に対向し
た一対のエンドレスベルトの間に前述の混合物を挟み、
該エンドレスベルトを移動させつつ圧縮成形する方法な
どが挙げられる。本発明においては、作業性、長尺材料
の生産性から連続式がより好ましい。かかる連続式の圧
縮成形工程についてさらに詳細に説明する。
まず、用いる装置のひとつの具体例である第1図に基
づき説明する。
この装置は、基本的にはロール1〜4により張力がか
けられた上下に対向させた一対のエンドレスベルト5,6
と、このエンドレスベルトを介し、粉末試料を加圧する
ための加圧プレート7と、加圧プレートとエンドレスベ
ルトとの間に回転自在で互いに連結されたローラー群8
とからなる加圧手段を有している。
本発明における加圧手段は、エンドレスベルトの内側
に設けられた加圧プレートおよび加圧プレートとエンド
レスベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラ
ー群からなる。加圧プレートとエンドレスベルトとの間
に介在させる回動自在な互いに連結されたローラー群と
しては、そのローラー群におけるローラーの回転軸がエ
ンドレスベルトの進行方向にほぼ垂直に配置され、かつ
相互に接触しない程度に密接させて多数配列させたもの
が適当である。
これらのローラーは、両端の中心軸がそれぞれチェー
ン9で固定され、加圧プレートの前後に配設したスプロ
ケット10にこのチェーンを噛み合わせることにより、ロ
ーラー群をエンドレスベルトの走行速度の1/2程度の速
度で走行させるのがよい。
このローラー群エンドレスベルトと加圧プレートとの
間にフレーム等に固定して介在させてもよい。
加圧プレートとしては、ローラー群に接する面が平滑
であり、かつ圧力を均一に伝達できるものである限り等
に制限されない。
加圧プレートのエンドレスベルト走行方向の長さは、
特に制限されないが通常30〜400cm、好ましくは50〜200
cm程度が適当である。
加圧プレートは、エンドレスベルトを介してポリエチ
レン粉末を加圧することが、第1義的な役割であるが、
同時に被圧縮物の加熱手段として使用することも可能で
ある。また、第2図に示すように、加圧プレート内に加
熱手段11を配設し、加圧プレートからローラー群、エン
ドレスベルトを経て被圧縮物を加熱したり、第1図に示
すようにエンドレスベルトに近接させて予備加熱器12を
配設して加熱するのが実際的に便宜である。
加圧プレートへの加熱手段11の配設態様としては、断
熱部13を設けた上で加圧プレート内に電熱ヒーターを埋
め込んでもよいし、加圧プレート内に熱媒体の循環流路
を配設して熱媒体を用いて加熱してもよい。
この例示された装置を用いて本発明のポリエチレン材
料の連続的製造方法を実施するには、まず、ホッパー14
内に投入された超高分子量ポリエチレン粉末を下方のエ
ンドレスベルト6上に落下させる。
また、ポリ塩化ビニルをこの圧縮成形工程において混
在させる場合、ポリ塩化ビニル粉末そのもの、ポリ塩化
ビニルを有機溶媒に溶解したものまたは液状分散剤を用
いた液体に分散させたものからなる少なくとも一種のポ
リ塩化ビニルを散布機16および/または16′により散布
する方法、シート、フィルム、不織布繊維等に予備成形
したポリ塩化ビニルを予め下方のエンドレスベルト6上
に供給したのち、その上にホッパーより超高分子量ポリ
エチレン粉末を落下させる方法、下方のエンドレスベル
ト6上に超高分子量ポリエチレン粉末をホッパーより供
給し、その上に前記予備成形したポリ塩化ビニルを供給
する方法、または超高分子量ポリエチレン粉末とポリ塩
化ビニルとの混合物をホッパーより供給する方法および
これらを併用した方法などが例示される。
エンドレスベルトの走行速度は、加圧プレートの長
さ、圧縮条件にも依存するが、通常は10〜500cm/min、
好ましくは50〜200cm/min程度が適当である。エンドレ
スベルト上に乗ったポリエチレン粉末またはオレフィン
系重合体との混合物は、ドクターブレードにより所定の
断面形状となし、必要により加熱器により予備加熱され
た後、上下のエンドレスベルトによる挟圧部まで移動さ
れ、次いでローラー群と加圧プレートとが配設された圧
縮部へ移行される。ここで、油圧シリンダー(図示せ
ず)からの圧力が油圧ピストン15から加圧プレートへ伝
達され、更にローラー群、エンドレスベルトを経て被圧
縮物に圧縮力が加えられる。この時、加熱体からの熱も
同様にローラー群、エンドレスベルトを経て被圧縮物に
伝達され、被圧縮物の温度が所定の温度に保持される。
このようにして圧縮成形されたシートは、ロール部を
通過した後、エンドレスベルトから離れる。このように
して圧縮成形シートが連続的に成形される。
本発明における圧縮成形時の圧力は広い範囲内におい
て選定されるが、通常、0.01MPa〜2GPa、好ましくは1
〜5MPaの範囲内において選定されることが望ましい。特
に連続式の場合には、方法を適宜選択することにより通
常0.01〜10MPa、好ましくは0.1〜5MPa程度の低圧力でも
充分な圧縮成形が可能となる場合がある。また、圧縮成
形時の温度は超高分子量ポリエチレンの融点未満の温度
であることが必須であり、通常20℃〜融点未満、好まし
くは90〜140℃、さらに好ましくは110〜135℃の範囲で
あることが望ましい。
本発明においては、かくして得られた圧縮成形シート
を圧延しついで延伸されるが、以下これらの工程につい
て順次説明する。
圧延方法としては、ロール圧延等公知の方法を用いる
ことができ、前記圧縮成形シートを溶融させることなく
固相状態に保持したまま回転方向の異なる圧延ロールに
より挟圧して圧延シートまたはフィルムを得る。このと
き、圧延操作により材料の変形比は広く選択することが
でき、通常、圧延効率(圧延後の長さ/圧延前の長さ)
で1.2〜20、好ましくは1.5〜10の範囲とするのが望まし
い。この時の温度としては、通常20℃以上超高分子量ポ
リエチレン粉末の融点未満、好ましくは50℃以上融点未
満、さらに好ましくは90〜140℃、特に好ましくは110〜
135℃の範囲の温度で圧延操作を実施することが望まし
い。
勿論、上記圧延操作を一回以上多段圧延することもで
きる。
また、この圧延工程において、ポリ塩化ビニルを介在
ないしは混在させる場合は、前記圧縮成形工程において
介在ないしは混在させる場合と同様、ポリ塩化ビニル粉
末、ポリ塩化ビニルを有機溶媒に溶解したもの、ポリ塩
化ビニルを液状分散剤に分散したもの、シート、フィル
ム、繊維、不織布等に予備成形したポリ塩化ビニルおよ
びこれらの混合物等の種々の形態のポリ塩化ビニルを圧
縮成形シートの表面に散布および/または表面に重ねた
状態で行うことが望ましい。
なお、圧延する際にポリ塩化ビニルを用いる場合は、
なるべく少量のポリエチレン粉末の表面全体に均一に分
散せしめることが望ましく、均一な分散および作業の簡
便化をはかる点から、フィルム、シート状等のポリ塩化
ビニルを圧縮成形シートに重ねたのち、延伸する方法が
好ましい。
このように、超高分子量ポリエチレンにポリ塩化ビニ
ルを介在ないしは混在させる工程は、前述の圧縮工程ま
たは、ロール圧延工程のいずれでもよく、好ましくは、
工程が簡素化され易いという点からロール圧延工程で行
う方法が好ましい。
圧延に次いで行われる引張延伸には種々の方法があ
る。加熱手段としては熱風延伸、シリンダー延伸、ロー
ル延伸、熱板延伸などがある。何れも一対のニップロー
ル、あるいはクローバーロール間で速度差をつけて延伸
を行う。
温度は、被延伸物の融点未満の範囲内、通常、20〜16
0℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは90〜145
℃、特に好ましくは90〜140℃で行われる。また延伸工
程も一段だけでなく多段で行うこともできる。この場合
一段目より二段目のほうを高い温度で行うのが好まし
い。
延伸速度は、引張延伸の方法、ポリマー分子量、組成
比により異なり、適宜に選択可能であるが、通常1mm/mi
n〜500m/min、特に、回分式延伸の場合は、通常、1〜5
00mm/min好ましくは1〜100mm/min、さらに好ましくは
5〜50mm/minの範囲であり、連続延伸の場合には、通
常、0.1〜500m/min、好ましくは1〜200m/min、さらに
好ましくは10〜200m/minの範囲内であり、経済性を考慮
すれば、高速度の設定がより好ましい。
延伸倍率は高倍率にするほど高強度で高弾性率が達成
できるため、できるだけ延伸倍率を高めることが望まし
い。本発明においては圧延および引張延伸の合計の延伸
倍率であるトータル延伸倍率が、通常、20倍以上、好ま
しくは60倍以上、さらに好ましくは80〜200倍とするこ
とが可能であり、極めて高い延伸倍率の延伸が可能であ
る。
本発明の方法によれば、引張弾性率50GPa以上、好ま
しくは、120GPa以上、引張強度1GPa以上好ましくは1.5G
Pa以上の極めて高強度・高弾性率でかつ接着性を有する
ポリエチレン材料が得られる。
なお、前述の通り、この発明における圧縮工程から圧
延工程に至る間は、使用される超高分子量ポリエチレン
粉末の融点、即ち、Tmo(℃)未満の温度下に、操作さ
れることが必須であるが、Tmo(℃)を超過する場合は
延伸倍率を20倍以上とすることが困難となる。
この発明においては、延伸前の段階のポリエチレの融
点、即ち、圧縮成形後か、または圧延後の融点、即ちT
ml(℃)、が次の関係式を満足することが重要である。
Tml≧Tmo−5 延伸段階に至る前に溶融があった場合は、上式を満足
することなく、延伸切れが生じるが、たとえ延伸し得て
も物性値の向上は期待できず好ましくない。
かくして得られる本発明の接着性ポリエチレン材料
は、ゴム、木材、ガラス、コンクリート、石膏、金属、
樹脂、紙、各種ニューセラミクス等の広範囲にわたる各
種の有機材料および無機材料に対して接着性を有するも
のである。かかる有機材料および無機材料としては、例
えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラン樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢
酸脂、ユリア樹脂、メラン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体の鹸化物、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッソ系樹脂、
ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルフ
ィド樹脂、ポリエーテル・エーテルケトン樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂等の
樹脂類、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴ
ム、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム、ブタジエン−
アクリロニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリ
ルゴム、シリコンゴム等の合成ゴムや天然ゴム等のゴム
類、ベニヤ、合板、合成木材等の木材類、ガラス、セラ
ミックス等のガラス、陶器類、鉄、亜鉛、銅、アルミニ
ウム、チタニウム、マグネシウム、ニッケル、錫等の金
属類、コンクリート、石膏、アスベスト、FRP、天然繊
維、合成繊維、あるいは炭素繊維、アラミド繊維、金属
繊維等の鉱物繊維、紙類等が挙げられる。これらの被接
着体の形態は特に制限されることはなく、フィルム状、
シート状、板状、粉末状、顆粒状、繊維状、織布状、液
体状等のいずれでもよい。
上記被接着物と本発明の接着性ポリエチレン延伸材料
との接着の方法としては、特に限定されるものではな
く、例えば、被接着体がフィルム状、シート状、板状、
繊維状、織布状の場合にはプレス成形、圧空(真空)成
形、圧延による方法およびその他の方法、粉末状、顆粒
状の場合には被接着体にポリオレフィンを埋め込み圧縮
成形または硬化させる方法およびその他の方法、液体状
の場合には被接着体にポリオレフィンを埋め込み硬化さ
せる方法などが、代表例としてあげられる。
ただし、上記のいずれの接着方法においても、接着時
の温度が接着性ポリエチレン延伸材料の融点未満の温度
において、接着が行われることが望ましい。
(発明の効果) 本発明の接着性ポリエチレン材料は、何ら表面処理す
ることなく、他材料、例えばゴム、木材、ガラス、コン
クリート、石膏、金属、樹脂、紙、各種ニューセラミク
スなどとの接着性を有するものであり、しかも、高い強
度および弾性率を有し、他材料との複合化が容易であ
る。また、本発明の製造方法においては、超高分子量ポ
リエチレンを何等溶媒に溶解または溶融する必要がな
く、プロセスが簡略であり、また、手間のかかる表面処
理を行うことなく簡便に接着性ポリエチレン延伸材料が
得られるものである。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳述するが、この発明は
これらの例示により何ら限定されるものではない。
実施例1 135℃デカリン中における極限粘度が16.7dl/gであ
り、融点143℃の超高分子量ポリエチレン粉末(平均粒
径200μm)100重量部に対して2重量部の平均重合度20
00のポリ塩化ビニル粉末(平均粒径100μm)タンブラ
ーを用いて20分混合し混合物を得た。この混合物が、プ
レス機により、圧力約100kgf/cm2、温度130℃において
圧縮成形されて、厚さ1.0mm,長さ100mm角のシートが得
られた。
次に、このシートは、ロール間の間隙50μm,ロール表
面温度135℃の一対のロールの間に供給され圧延され、
7倍の長さに伸長させられた。
この圧延されたシートから幅50mm、長さ100mmの試料
片が切り出されて、恒温槽付引張試験機により135℃、
引張速度50mm/minの条件下に、更に原寸の6倍長となる
まで引張延伸を受け、圧延と引張延伸の合計倍率は42倍
となって、幅約20mm、厚さ70μmの接着性ポリエチレン
延伸材料が得られた。この延伸材料の引張強度と弾性率
の測定結果を表1に示した。
次に、前記の2枚の延伸材料が、それぞれの延伸方向
が平行になるように重ねられ、両延伸材料間に被接着物
であるエポキシ樹脂シートが挟まれて、プレス機によっ
て、130℃、100kgf/cm2の条件下に、30分間、圧縮され
ることにより試験片が得られた。この試験片の接着強度
を表1に示す。
実施例2 実施例1と同様の過程において、延伸材料間に挟まれ
る被接着物がエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物のシ
ートとされた。この接着強度を表1に併記した。
実施例3 135℃デカリン中における極限粘度が18.5dl/gであ
り、融点141.8℃の超高分子量ポリエチレン粉末(平均
粒径300μm)100重量部に対して、3重量部の平均重合
度3000のポリ塩化ビニル粉末(平均粒径220μm)を加
え、タンブラーを用い、20分混合し、混合物を得た。
この混合物を下記の仕様(第1図)ダブルベルト式連
続圧縮成形機を用いて温度135℃、圧力約45kgf/cm2の条
件で、厚さ1.1mm,幅50mmのシートを連続成形した。
圧縮成形機仕様: 1.ロール 径 500mm、面長300mm 2.スチールベルト 厚み0.8mm、幅 200mm 3.小口径ローラー 径 12mm、 面長250mm 4.加圧プレート 長さ600mm、幅200mm 次に、このシートをロール間の間隙65μm、ロール表
面温度135℃の1対のロールの間に供給し、圧延を行い
6.5倍の長さに伸長した。
さらに得られた圧延シートを幅30mmにスリットしてテ
ープ状とし、下記の仕様の延伸装置を使用して引張延伸
を行った。引張延伸は表2の条件で3回繰り返し、圧延
と引張延伸の合計倍率は50.7倍となって、巾約13mm、厚
み75μmの接着性ポリエチレン延伸材料が得られた。
この延伸材料を実施例1と同様に、エポキシ樹脂シー
トを挟んで積層試験片とした。
延伸材料の強度、弾性率および接着強度を表1に併記
した。
延伸装置仕様: 1.加熱体 予熱用金属ロール 3本、径250mmφ、 面長200mm 延伸用金属ロール 1本、径125mmφ、 面長200mm ロール内部に熱媒体用オイルを循環 ロール間距離はいずれも30mm 2.冷却用金属ロール 3本、径250mmφ、 面長200mm ロール内部に水を循環 3.ニップロール 入口側:200φシリコンゴムロールが予熱用金属ロール
2本に対してニップ 出口側:200φシリコンゴムロールが冷却用金属ロール
2本に対してニップ 実施例4 実施例3と同様な過程において、延伸材料間に挟まれ
る被接着物がエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物とさ
れた。この接着強度を表1に併記した。
比較例1 実施例1の延伸材料の製造過程において、ポリ塩化ビ
ニル粉末を混合することなく延伸材料を製造した。その
結果、圧延倍率が7倍、引張延伸倍率が6.2倍で、合計
倍率が43.4倍であった。引張強度、弾性率を表1に併記
した。更に、この延伸材料に、実施例1と同様に被接着
物が接着され、この接着強度を表1に併記した。
比較例2 実施例3の延伸材料の製造過程において、ポリ塩化ビ
ニル粉末を混合することなく延伸材料を製造した。その
結果、圧延倍率が7倍、引張延伸倍率が7.8倍で、合計
倍率が54.6倍であった。引張強度、弾性率を表1に併記
した。更に、この延伸材料に、実施例2と同様に被接着
物が接着され、この接着強度を表1に併記した。
融点の測定方法: 試料5mgがDSC装置にセットされて、昇温速度10℃/min
の条件下に測定され、その吸熱ピーク温度が融点とされ
た。
引張強度、弾性率および接着強度: 強度と弾性率は、ストログラフRが使用されて23℃、
引張速度100mm/minとして測定された。
弾性率は、0.1%歪における応力が利用されて算出さ
れた。計算に必要な試験片断面積はポリエチレンの密度
を1g/cm3として、試験片の重量と長さの測定により求め
られた。
また、同試験機により、引張速度150mm/minにて、180
゜剥離の際の層内剥離強度が求められ接着強度とされ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の製造方法に用いる圧縮成形装置の概
要を示す模式図の1例であり、第2図は、第1図の装置
の加圧部近傍の拡大図である。 1〜4……ロール 5,6……エンドレスベルト 7……加圧プレート、8……ローラー群 9……チェーン、10……スプロケット 11……加熱手段、12……予備加熱器 13……断熱部、14……ホッパー 15……油圧ピストン、16,16′……散布機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 B29L 7:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】135℃デカリン中における極限粘度が5〜5
    0dl/gの超高分子量ポリエチレンからなる主成分と、ポ
    リ塩化ビニルを含有する成分とを、該ポリエチレンの融
    点未満の温度で少なくとも延伸することにより得られる
    接着性ポリエチレン延伸材料。
  2. 【請求項2】135℃デカリン中における極限粘度が5〜5
    0dl/gの超高分子量ポリエチレンを主成分とした粉末を
    圧縮成形し、ついで圧延したのち延伸することによりポ
    リエチレン延伸材料を製造する方法において、該圧縮工
    程および/または圧延工程において、ポリ塩化ビニルを
    ポリエチレン材料に混在ないしは介在せしめることを特
    徴とする接着性ポリエチレン延伸材料の製造方法。
JP24253590A 1990-09-14 1990-09-14 接着性ポリエチレン延伸材料およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2709183B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24253590A JP2709183B2 (ja) 1990-09-14 1990-09-14 接着性ポリエチレン延伸材料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24253590A JP2709183B2 (ja) 1990-09-14 1990-09-14 接着性ポリエチレン延伸材料およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04122746A JPH04122746A (ja) 1992-04-23
JP2709183B2 true JP2709183B2 (ja) 1998-02-04

Family

ID=17090559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24253590A Expired - Lifetime JP2709183B2 (ja) 1990-09-14 1990-09-14 接着性ポリエチレン延伸材料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2709183B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3764182B2 (ja) * 1994-12-27 2006-04-05 新日本石油株式会社 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04122746A (ja) 1992-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2695516B2 (ja) 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法
US5106558A (en) Method for continuous preparation of polyethylene material having high strength and high modulus of elasticity
JP2938613B2 (ja) スプリット化ポリエチレン延伸材料およびその製造方法
EP0608137B1 (en) Process for producing polyethylene material of high strength and high elastic modulus
EP0374785B1 (en) Continuous production process of high-strength and high-modulus polyolefin material
US5445883A (en) Laminate
US5578373A (en) Split polyethylene stretched material and process for producing the same
US5002714A (en) Process for producing highly oriented polyethylene material
EP0467323B1 (en) Colored stretched polyethylene material and process for producing the same
JP2672188B2 (ja) フィブリル化ポリオレフィン材料の製造方法
JP3187625B2 (ja) 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法
JP2709183B2 (ja) 接着性ポリエチレン延伸材料およびその製造方法
US4824619A (en) Process of producing polyethylene drawn filaments and drawn films
JP2781446B2 (ja) 積層体
JP3187626B2 (ja) 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法
JPH09239825A (ja) ポリエチレン延伸成形体の製造方法
JPH08174681A (ja) 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法