JP3187626B2 - 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 - Google Patents
高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法Info
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Description
エチレン材料を連続的に製造する方法に関する。さらに
詳しくは特定の超高分子量ポリエチレン粉末を特定の方
法により連続的に押出成形した後、延伸することにより
高強度・高弾性率ポリエチレン材料を効率よく製造する
方法に関する。
のポリエチレンは耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また自己
潤滑性も有するなど特徴のあるエンジニアリングプラス
チックとして各種の分野で使用されている。この超高分
子量のポリエチレンは、汎用のポリエチレンに比較して
遥かに分子量が高いので、高配向させることができれば
高強度、高弾性を有する成形物が得られることが期待さ
れ、その高配向化が種々検討されてきた。
は汎用ポリエチレンに比べ、溶融粘度が高く、通常の方
法では成形加工性が著しく悪く、また、延伸して高配向
化することもできないのが現状である。
ストラ等は超高分子量ポリオレフィンのデカリン溶液
(ドープ)から得たゲルを高倍率に延伸し、高強度・高
弾性率の繊維を製造する方法を提案している(特開昭5
6−15408号)。そのドープ中のポリマー濃度は、
重量平均分子量150万のもので3重量%、400万の
ものでは1重量%と極めて低濃度でしか実施されておら
ず、実用化においては多量の溶媒を使用し、かつ高粘度
の溶液の調整方法、取り扱いなど経済性の面で著しく不
利である。
マットを高度に延伸・高配向化させる方法についても種
々の提案がある[特開昭59−187614号、特開昭
60−15120号、特開昭60−97836号、高分
子学会予稿集、34巻 4号873頁(1985年)
等]。
子量ポリオレフィンをキシレン、デカリン、灯油等の溶
媒の希薄溶液とし、しかる後冷却や等温結晶化を行って
得られる単結晶マットを用いて固相押出、延伸などを行
うものである。したがってこの方法でも単結晶マット作
製時に多量の溶媒を用いなけれがならないという問題は
依然として解決されていない。
らは、超高分子量のポリエチレン粉末を、溶解または溶
融することなしに該粉末の融点未満の温度の下に圧縮成
形し、次いで圧延および延伸して高強度・高弾性率ポリ
エチレン材料を製造する方法を提案した(特開昭63−
41512号および特開昭63−66207)。
果、超高分子量のポリエチレン粉末を特定装置により該
ポリエチレン粉末の融点未満の温度条件下に連続的に圧
縮成形し、次いで圧延および延伸することにより、強度
および弾性率の高いポリオレフィン材料が生産効率良く
製造されることを見出した(特開平2−258237
号)。
に、既に超高分子量ポリエチレン粉末を比較的低圧下で
連続的に圧縮成形しシート化する手段を提案し、その方
法により後工程の圧延が非常に有効に働き、圧延倍率を
含むトータル延伸倍率を高めることが出来て、品質と生
産性の面より量産化に大きく寄与することができた。し
かし乍ら、圧縮成形時において、微細な圧力の不均一さ
を生じる場合があり、その部分が欠陥になり、またシー
トの両耳端部は圧力が逃げるなど、歩留りが悪くなった
り生産速度が低下しがちであった。このような圧縮成形
シート内部の欠陥部や、両耳端部などの不均一部分の圧
延は均一性を欠き、欠陥部分の圧延でバンクを生じ、生
産性や歩留りを著しく低下させることになっていた。ま
た、欠陥部分を内在するシートはその後の延伸工程にお
いて、連続的に製造しようとすると、延伸倍率を大きく
上げることが出来ず、歩留りが悪い等、種々の問題があ
った。
点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の超高分子量ポ
リエチレン粉末を、該ポリエチレン粉末の融点未満の温
度で押出成形したのち、延伸することにより、高強度・
高弾性率ポリエチレン材料を連続的に製造する方法にお
いて、該押出成形が前記ポリエチレン粉末を間欠的に成
形シリンダーの中に入れラムにより押し込む操作を繰り
返して押出製品を連続した状態で取り出すことにより、
簡便な装置により連続的に押出すことができ、かつその
後の延伸工程において高延伸倍率とすることができ、従
来に比べ低コストで高強度・高弾性率ポリエチレン材料
を製造できることを見出して本発明に到達した。
中における極限粘度が、5〜50dl/gである超高分
子量ポリエチレン粉末を、該ポリエチレン粉末の融点未
満の温度で押出成形し、次いで圧延および延伸すること
により高強度・高弾性率ポリエチレン材料を連続的に製
造する方法において、前記押出成形が、前記ポリエチレ
ン粉末を間欠的に成形シリンダーに入れ、ラムにより押
し込む操作を繰り返すことにより圧縮して、連続的に押
出成形物を取り出すことを特徴とする高強度・高弾性率
ポリエチレン材料の連続的製造方法に関する。
いる超高分子量ポリエチレンは、135℃、デカリン中
における極限粘度が5〜50dl/g、好ましくは8〜
40dl/g、さらに好ましくは10〜30dl/gの
ものであり、粘度平均分子量50万〜1200万、好ましく
は90万〜900万、さらに好ましくは120万〜60
0万に相当するものである。
の機械的物性が悪くなり好ましくない。また、50dl
/gを越えると圧縮成形、圧延および延伸を行なう場合
の加工性が悪くやはり好ましくない。
形状は特に限定されないが、通常、顆粒状、粉末状のも
のが好ましく用いられ、例えば粒径が2000μm以下、好
ましくは1〜2000μm、さらに好ましくは10〜1000μ
mの範囲である。また、その粒径分布は狭い方が圧縮成
形時において欠陥部が少なく、均質なシート、フィルム
状物が得られ好ましい。
エチレンは、周期律表IV〜VI族の遷移金属元素を含
む化合物のうち、少なくとも一種の化合物を含有する触
媒成分と必要に応じて有機金属化合物とを組合わせてな
る触媒の存在下に、エチレンの単独重合、またはエレチ
ンとα−オレフィンを共重合することにより得られる。
好ましくは3〜6のものが使用できる。具体的には、プ
ロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1な
どを挙げることができる。これらのうち特に好ましいの
は、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキサン−1である。またコモノマーとして、ジエ
ン類、たとえばブタジエン、1.4−ヘキサジエン、ビ
ニルノルボルネン、エチリデン−ノルボルネンなどを併
用してもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体中の
α−オレフィン含量は0.001〜10モル%、好ましくは
0.01〜5モル%、より好ましくは0.1〜1モル%であ
る。
族の遷移金属を含む化合物としては、具体的にはチタン
化合物、バナジウム化合物、クロム化合物、ジルコニウ
ム化合物、ハフニウム化合物などが好適である。また、
これらの化合物を複数種組合せて用いてもよい。
化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲ
ン化酸化物等を挙げることができ、4価のチタン化合物
と3価のチタン化合物が好適である。4価のチタン化合
物としては具体的には一般式 Ti(OR)nX4-n (ここでRは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のア
ルキル基、またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原
子を示す。nは0≦n≦4である。)で示されるものを
挙げることができ、特に四塩化チタンが好ましい。
等の三ハロゲン化チタンが挙げられ、また、一般式 Ti(OR)mX4-m (ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。m
は0≦m≦4である。)で示される4価のハロゲン化ア
ルコキシチタンを周期律表I〜III族金属の有機金属化合
物により還元して得られる3価のチタン化合物が挙げら
れる。これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化合
物が特に好ましい。
ハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシ
ド、ハロゲン化酸化物等を挙げることができ、具体的に
は、四塩化バナジウム等の四ハロゲン価バナジウム、テ
トラエトキシバナジウムの如く4価のバナジウム化合
物、オキシ三塩化バナジウム、エトキシジクロルバナジ
ル、トリエトキシバナジル、トリブトキシバナジルの如
き5価のバナジウム化合物、三塩化バナジウム、バナジ
ウムトリエトキシドの如き3価のバナジウム化合物が挙
げられる。
化合物を1種以上の電子供与性化合物で処理してもよ
い。電子供与性化合物としては、エーテル、チオエーテ
ル、チオールホスフィン、スチビン、アルシン、アミ
ン、アミド、ケトン、エステルなどを挙げることができ
る。
物はマグネシウム化合物と併用してもよい。併用される
マグネシウム化合物としては、金属マグネシウム、水酸
化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウ
ム、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグ
ネシウム、ヨウ化マグネシウムなど、またケイ素、アル
ミニウム、カルシウムから選ばれる金属とマグネシウム
原子とを含有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物ある
いは水酸化物など、さらにはこれらの無機質固体化合物
を含酸素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロ
ゲン含有物質で処理または反応させたもの、また、ケイ
素、アルミニウムを含有する酸化物に上記のマグネシウ
ム化合物を含有させたもの等があげられる。
グネシウム化合物とを併用する場合、両者の接触方法と
しては、特に制限はなく、公知の方法を採用することが
できる。
アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボ
ン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミド等の有機含
酸素化合物、金属アルコキシド、金属のオキシ塩化物等
の無機含酸素化合物を例示することができる。含硫黄化
合物としては、チォール、チオエーテルの如き有機含硫
黄化合物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸の如き無機硫
黄化合物を例示することができる。芳香族炭化水素とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、
フェナンスレンの如き各種単環および多環の芳香族炭化
水素化合物を例示することができる。ハロゲン含有物質
としては、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン
化物の如き化合物等を例示することができる。
ヤ化合物などの有機マグネシウム化合物とチタン化合物
との反応生成物を用い、これに有機アルミニウム化合物
を組み合わせた触媒系を例示することができる。
l2O3等の無機酸化物と前記の少なくともマグネシウム
およびチタンを含有する固体触媒成分を接触させて得ら
れる固体物質を用い、これに有機アルミニウム化合物を
組み合わせたものを例示することができる。
有機カルボン酸エステルとの付加物として使用すること
もでき、また前記したマグネシウムを含む無機固体化合
物を有機カルボン酸エステルと接触処理させたのち使用
することもできる。また、有機アルミニウム化合物を有
機カルボン酸エステルとの付加物として使用しても何ら
支障がない。さらには、あらゆる場合において、有機カ
ルボン酸エステルの存在下に調整された触媒系を使用す
ることも何ら支障なく実施できる。
クロムまたは焼成によって少なくとも部分的に酸化クロ
ムを形成する化合物を無機酸化物担体に担持させたフィ
リップス触媒と称される触媒をあげることができる。無
機酸化物担体としては、シリカ、アルミナ、シリカーア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、トリアあるいは混合物
があげられるが、シリカ、シリカーアルミナが好まし
い。
酸化物、または焼成によって少なくとも部分的に酸化ク
ロムを形成する化合物、たとえばクロムのハロゲン化
物、オキシハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、硝酸塩、ア
ルコラート等があげられ、具体的には三酸化クロム、塩
化クロミル、重クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウ
ム、硝酸クロム、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネ
ート、ジターシャリブチルクロメート等があげられる。
浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行なうこと
ができ、使用するクロム化合物の種類によって適当な方
法を用いればよい。担持するクロムの量は、担体に対す
るクロム原子の重量%で0.1〜10重量%、好ましくは
0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であ
る。
担体を焼成して活性化を行うが、焼成活性化は一般に水
分を実質的に含まない非還元性雰囲気、たとえば酸素存
在下に行なわれ、また不活性ガスの存在下あるいは減圧
下で行ってもよい。好ましくは乾燥空気が用いられる。
焼成は、温度450℃以上、好ましくは500〜900
℃で数分〜数時間、好ましくは0.5〜10時間行う。
焼成時は充分に乾燥空気を用い、流動状態下で活性化を
行うのが好ましい。
やフッ素含有塩類等を添加して、活性等を調節する公知
の方法を併用してもよい。
一酸化炭素、エチレン、有機アルミニウムなどで還元し
て用いてもよい。
物としては、例えば共役π電子を有する基を配位子とし
たジルコニウム化合物またはハフニウム化合物等があげ
られ、一般式、 R1 a R2 b M R3 c R4 d (ここで、Mはジルコニウムまたはハフニウム原子を示
し、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜20の炭化水素残
基、ハロゲン原子また水素原子を示す。なお、R1,R2,
R3,R4のうち少なくとも一つは炭化水素残基である。
a,b,cおよびdはa+b+c+d=4なる条件式を満
たすものである)で表される化合物が具体的にあげられ
る。式中の炭化水素残基としてはアルキル基、アリール
基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、
シクロアルカジエニル基、含硫黄炭化水素残基、含窒素
炭化水素残基または含リン炭化水素残基等が好ましい。
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オ
レイル基などが例示され、アリール基としては、フェニ
ル基、トリル基などが例示され、シクロアルキル基とし
ては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオ
クチル基、ノルボルニル基、ビシクロノニル基などが例
示され、アラルキル基としてはベンジル基、ネオファイ
ル基等が例示される。
ば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエ
ニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシク
ロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロイン
デニル基等を例示することができ、アルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等が例示される。含硫黄炭化水素残基としては、チオ
エチル基、チオフェニル基等が例示され、また、含窒素
炭化水素残基としては、ジメチルアミド基、ジエチルア
ミド基、ジプロピルアミド基等が例示される。
基、イソプロペニル基、1−ブテニル基など不飽和脂肪
残基やレタロヘキセニル基など不飽和脂環式基について
も例示することができる。ハロゲン原子としてはフッ
素、塩素、臭素などを例示することができる。
ウム化合物も前述の無機酸化物担体に担持させて用いる
ことももちろん可能である。
造方法に用いる有機金属化合物としては、チグラー型触
媒の一成分として知られている周期律表1〜IV族の有機
金属化合物を使用できるが、一般式 Rn AlX3-n
(ただしRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはアルコキシル基、Xはハロゲン原子、nは0<n
≦3、なお、N≧2の場合、各Rは同一でも異なっても
よい)で示される有機アルミニウム化合物、および、一
般式R2Zn(ただしRは炭素数1〜20のアルキル基であ
り、二者同一でもまた異なっていてもよい)で示される
有機亜鉛化合物が好ましく、またこれらの混合物でもよ
い。
ばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリn−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、モノエトキシジアルキルアルミニウム、
ジエトキシモノアルキルアルミニウムなどがあげられ、
また、トルアルキルアルミニウムと水との反応で得られ
る一般式
化水素基を、nは2≦n≦100、好ましくは2≦n≦
50を示す)などを用いることもできる。
いが通常遷移金属化合物に対して0.1〜1,000mo
1倍使用することができる。
状態で気相状態または前記触媒に対して不活性溶媒、例
えばブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタ
ン、デカン、ドデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族系炭化水素、石油留分等の存在
下、またはモノマー自体を溶媒として行われる。重合温
度は生成する超高分子量ポリエチレンの融点未満、通常
−20〜110℃、好ましくは0〜90℃である。
ンの融点以上の場合は、後工程である延伸段階におい
て、20倍以上延伸できなくなり好ましくない。重合圧
力は通常0〜70kg/cm2G、好ましくは0〜60kg/cm2
G、とするのが望ましい。
の種類、触媒成分のモル比、重合系への水素添加など重
合条件を変化させることにより可能であり、特に制限は
ない。もちろん、水素濃度、重合温度などの重合条件の
異なった2段階ないしそれ以上の多段階の重合反応も何
ら支障なく実施できる。
ンが得られる。次にこれらの超高分子量ポリエチレン粉
末を押出成形する工程について説明する。本発明の押出
成形は、前記ポリエチレン粉末を間欠的に成形シリンダ
ーに入れたのち、ラムにより押し出す操作を繰り返すこ
とにより、連続した状態で押出成形物を取り出すことを
特徴とする。
である図1に基づき簡単に説明する。この装置は、基本
的には成形シリンダー1、ラム2、原料供給用のホッパ
ー3、成形シリンダー温度調節帯4およびダイ5を有し
ている。成形シリンダーの断面形状は、均一な押出物が
連続的に得られる限り特に限定されるものではない。ま
た押出物の形状も特に限定されるものではなく、通常シ
ート状、ロッド状等、好ましくはシート状が挙げられ、
それにともないダイの形状も任意に選択されるが、通
常、円形、楕円形、スリット状等が挙げられる。かかる
ダイの形状としては、例えば円形の場合はO.5〜10
mm、好ましくは1〜8mm、さらに好ましくは1〜5
mmが望ましく、またスリット状の場合は長手方向が通
常5〜500mm、好ましくは50〜300mm、短手
方向が通常0.5〜10mm、好ましくは1〜5mm程
度が望ましい。また、シリンダの長さは特に限定されな
いが、通常100〜5000mm、好ましくは500〜
3000mm程度が望ましい。
物の形状が保持できる条件であれば特に限定されない
が、通常5〜10.000kgf/cm2、好ましくは
10〜5.000kgf/cm2、さらに好ましくは5
0〜3.000kgf/cm2程度が好ましい。押出成
形時の温度は、前述の通り原料である超高分子量ポリエ
チレンの融点未満で行うことが必須であり、通常50℃
〜超高分子量ポリエチレンの融点未満、好ましくは90
〜140℃が望ましい。押出温度が超高分子量ポリエチ
レンの融点を超えると、後に行う延伸工程において、延
伸倍率を高めることができなくなり好ましくない。成形
装置に押出成形のための温度を付与するための加熱手段
としては、図1に記載するように成形シリンダー部を直
接加熱する加熱帯4を設けることが望ましい。
度・高弾性率ポリエチレン材料の製造を実施するには、
まず、ホッパー3に投入された原料超高分子量ポリエチ
レン粉末をラムにより間欠的に成形シリンダーの入り口
部分に押し込み、ついでラムは上方に引き上げられ、ラ
ム下部には新たな原料粉末が供給されたのち再びラムに
より成形シリンダーの入り口部分に押し込む。このサイ
クルを繰り返すことにより成形シリンダー内で圧縮成形
が行われ、下方のダイより連続的に押出成形物が得られ
る。すなわち、樹脂は定量づつショット供給され、押出
成形物は連続的に取り出される。押出速度は特に限定さ
れないが、通常5〜200mm/分、好ましくは10〜
150mm/分が望ましい。
ーに振動を与えてもよい。もちろん、図1のような縦型
押出成形装置に加え、上記と同様の操作を行う横型押出
成形装置も何ら支障無く使用できる。
エチレン材料をかくして得られた押出成形物を延伸、好
ましくは圧延したのち延伸することにより製造されるも
のである。
ができるが、ポリエチレンを溶融させることなく固相状
態に保持したまま回転方向の異なる圧延ロールにより挟
圧して圧延シートまたはフィルムを得る。このとき、圧
延操作による材料の変形比は広く選択することができ、
通常、圧延効率(圧延後の長さ/圧延前の長さ)で1.
2〜20、好ましくは1.5〜10とするのが望まし
い。この時の温度としては20℃以上融点未満、好まし
くは90℃以上融点未満である。勿論、上記圧延操作を
一回以上の多段で圧延することができる。
法があり、その方法としては、本発明の目的を損なわな
い限り特に限定されないが、例えばまず加熱手段として
は熱風延伸、シリンダー延伸、熱板延伸などがある。ま
た延伸張力をかける手段としてニップロール間で延伸し
たり、クローバーロール、多段ロール間で張力をかけた
り、ネルソンロール方式で延伸張力を保持しながら延伸
することも可能である。これらの方法のいずれも使用す
ることができるが、もっとも好ましくはニップロール間
で張力を与え熱シリンダー上で延伸する方法である。
末の融点未満、通常20〜160℃好ましくは20〜1
50℃、さらに好ましくは90〜145℃、特に好まし
くは、90〜140℃で行われる。高倍率に延伸する手
段として多段延伸がある。例えば、まず100〜140
℃で1段延伸を行い、次いで1段目より高い温度で更に
延伸を行う方法である。
量、組成化によって異なり、適宜選択できるが、通常
0.1〜500m/分、好ましくは、1〜200m/分
の範囲である。
性率が達成できるため、できる限り高めること望まし
く、本発明の方法においては、延伸倍率を延伸効率(延
伸後の長さ/延伸前の長さ)で2〜20、好ましくは5
〜30とするのが望ましく、圧延と延伸を併用する場合
は少なくとも20倍以上、通常60倍以上、好ましくは
80〜200倍のトータル延伸倍率(圧延および延伸の
合計の延伸倍率)が望ましい。
圧延工程に先立ち超高分子量ポリエチレンの押出成形物
を連続的に圧縮成形させる工程を経ることも好適に行わ
れる。この場合の圧縮成形工程としては、例えば、上下
に対向させた一対のエンドレスベルトの間にポリエチレ
ン押出物を供給し、押出物をエンドレスベルトで挟みつ
つ移動させるとともに、エンドレスベルトの内側に設け
られた加圧手段により、押出物の融点未満の温度の下に
連続的に圧縮成形するものであり、好ましくは、エンド
レスベルトの内側に設けられた加圧手段が、加圧プレー
トおよび該加圧プレートとエンドレスベルトとの間に回
転自在な互いに連結されたローラ群からなるものである
ことが望ましい。
2に基づき簡略に説明する。
り張力がかけられた上下に対向させた一対のエンドレス
ベルト10,11と、このエンドレスベルトを介し、粉
末試料を加圧するための加圧プレート12と、加圧プレ
ートとエンドレスベルトとの間に回転自在で互いに連結
されたローラ群13とからなる加圧手段を有している。
トの内側に設けられた加圧プレートおよび加圧プレート
とエンドレスベルトとの間に回転自在な互いに連結され
たローラー群からなる。加圧プレートとエンドレスベル
トとの間に介在させる回転自在な互いに連結されたロー
ラー群としては、そのローラー群におけるローラーの回
転軸がエンドレスベルトの進行方向にほぼ垂直に配置さ
れ、かつ相互に接触しない程度に密接させて多数配列さ
せたものが適当である。
ぞれチェーン14で固定され、加圧プレートの前後に配
設したスプロケット15にこのチェーンを噛み合わせる
ことにより、ローラー群をエンドレスベルトの走行速度
の1/2程度の速度で走行させるのがよい。
プレートとの間に固定して介在させてもよいが、この場
合には、ローラー群とエンドレスベルトおよび加圧プレ
ートとの間にそれぞれスリップによる摩擦力が生じるの
で、装置の耐久性に問題が生じる。
る面が平滑であり、かつ圧力を均一に伝達できるもので
ある限り特に制限されてない。
の長さは、通常30〜400cm、好ましくは50〜2
00cm程度である。加圧プレートがエンドレスベルト
に加える平均圧力は、通常100kg/cm2未満、好
ましくは、0.1〜50kg/cm2さらに好ましくは
0.1〜20kg/cm2程度、好ましくは0.5〜1
0kg/cm2、さらに好ましくは1.0〜8.0kg
/cm2の圧力である。加圧プレートは、エンドレスベ
ルトを介してポリエチレン押出物を加圧することが第1
義的な役割であるが、同時に被圧縮物の加熱手段として
使用することも可能である。本発明の方法においては、
被圧縮物である混合物の融点未満の温度で圧縮工程が実
施されることが、引き続いて実施される延伸工程を経て
高強度・高弾性率ポリエチレン材料を得る上で極めて重
要である。しかしながら、良好な圧縮成形物を得るに
は、混合物の融点未満の温度であっても許容できる範囲
内であることが望ましい。すなわち、通常50℃以上で
融点未満、好ましくは90〜140℃である。そのため
の被圧縮物の加熱手段としては、加圧部におけるエンド
レスベルトを直接加熱するのが最適であるが、図3に示
されるように、加圧プレート内に加熱手段16を配設
し、加圧プレートからローラー群、エンドレスベルトを
経て被圧縮物を加熱したり、図2に示すようにエンドレ
スベルトに近接させて予備加熱器17を配設して加熱す
るのが実際的には便宜である。
としては、断熱部18を設けた上で加圧プレート内に電
熱ヒーターを埋め込んでもよいし、加圧プレート内に熱
媒体の循環流路を配設して熱媒体を用いて加熱してもよ
い。
ートの長さ、圧縮条件にも依存するが、通常10cm/
分以上、好ましくは50〜200cm/分程度が適当で
ある。エンドレスベルト上に乗ったラム押出装置19か
らの押出成形物は、必要により予備加熱された後、上下
のエンドレスベルトによる狭圧部まで移動され、次いで
ローラー群と加圧プレートとが配設された圧縮部へ移行
される。ここで、油圧シリンダー(図示せず)からの圧
力が油圧ピストン15から加圧プレートへ伝達され、更
にローラー群、エンドレスベルトを経て被圧縮物に圧縮
力が加えられる。この時、加熱体からの熱も同様にロー
ラー群、エンドレスベルトを経て被圧縮物に伝達され、
被圧縮物の温度が所定の温度に保持される。
ートは、ロール部を通過した後、エンドレスベルトから
離れる。このようにして圧縮成形シートが連続的に成形
される。なお、これらの圧縮成形されたシートは、通常
2〜0.2mm、好ましくは1.5〜0.5mmの肉厚
とするのが望ましい。
材料が製造される。得られるポリエチレン材料は、通常
引張弾性率120GPa以上、引張強度2GPa以上で
ある。かくして得られる材料を応用して、例えばスプリ
ット化処理やプリプレグ化等を施すことにより種々の応
用が可能である。
法を見出したことにより、従来の方法に比較して歩留ま
りを大幅に改善でき、低コストで高強度・高弾性率ポリ
エチレン材料が得られる。しかも、成形装置が従来以上
に簡便なものになり、成形コストが安くなる。また、低
い温度で成形可能であることは熱エネルギーコストが安
くなるばかりでなく安定温度領域も広く、操業安定性が
良いなど極めて経済的なプロセスである。
るが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
粉末を、下記仕様の装置および条件で、厚み0.8mm
のシートに成形し、次いでロール圧延を行い、得られた
シートを5mm巾にスリットした後に引張延伸を行い、
合計延伸倍率75倍のテープを得た。このテープの引張
強度は2.7GPa、引張弾性率は125GPaであっ
た。
込み装置の1例である。
の1例である。
Claims (1)
- 【請求項1】 135℃、デカリン中における極限粘度
が、5〜50dl/gである超高分子量ポリエチレン粉
末を、該ポリエチレン粉末の融点未満の温度で押出成形
し、次いで圧延および延伸することにより高強度・高弾
性率ポリエチレン材料を連続的に製造する方法におい
て、前記押出成形が、前記ポリエチレン粉末を間欠的に
成形シリンダーに入れ、ラムにより押し込む操作を繰り
返すことにより圧縮して、連続的に押出成形物を取り出
すことを特徴とする高強度・高弾性率ポリエチレン材料
の連続的製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30266893A JP3187626B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30266893A JP3187626B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07156174A JPH07156174A (ja) | 1995-06-20 |
JP3187626B2 true JP3187626B2 (ja) | 2001-07-11 |
Family
ID=17911755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30266893A Expired - Lifetime JP3187626B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3187626B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3664195B2 (ja) * | 1996-03-22 | 2005-06-22 | 新日本石油株式会社 | ポリオレフィン材料の製造方法 |
-
1993
- 1993-12-02 JP JP30266893A patent/JP3187626B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07156174A (ja) | 1995-06-20 |
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