JPH08174657A - 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 - Google Patents

高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法

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JPH08174657A
JPH08174657A JP32430894A JP32430894A JPH08174657A JP H08174657 A JPH08174657 A JP H08174657A JP 32430894 A JP32430894 A JP 32430894A JP 32430894 A JP32430894 A JP 32430894A JP H08174657 A JPH08174657 A JP H08174657A
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film
molecular weight
strength
roll
stretching
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JP32430894A
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English (en)
Inventor
Sumio Yoshida
澄夫 吉田
Takashi Komazawa
隆 駒沢
Kazuhiko Kurihara
和彦 栗原
Hiroshi Yazawa
宏 矢沢
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Polymer Processing Research Institute Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Polymer Processing Research Institute Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 超高分子量ポリエチレンフィルム状物をロー
ル圧延したのち延伸することにより高強度・高弾性率ポ
リエチレン材料を連続的に製造する方法において、ロー
ル圧延工程において、ポリエステル系樹脂またはポリア
ミド系樹脂のフィルムを積層成形し、必要によりスリッ
ト処理またはスプリット処理する方法。 【効果】 得られるポリエチレン材料の着色、耐候性、
帯電防止性、親水性、接着性等を顕著に改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面改質した高強度・高
弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法に関するもの
であり、さらに詳しくは高強度・高弾性率を有する超高
分子量ポリエチレンテープヤーンおよびスプリットヤー
ンの製造に好適なポリエチレン材料の連続的製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】分子量が著しく高いいわゆる超高分子量
のポリオレフィンは、耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また
自己潤滑性も有するなど特徴のあるエンジニアリングプ
ラスチックとして各種の分野で使用されている。この超
高分子量のポリオレフィンは、汎用のポリオレフィンに
比較して遥かに分子量が高いので、高配向物を安定にス
リットヤーン或いはスプリットヤーンの形態としかつそ
れらの成形物を効率的に着色し、耐光性を付与し、或い
は帯電防止加工することができれば、例えば高強度・高
弾性率を有する屋外産業用のロープ、ネット或いはスポ
ーツ・レジャー用品などとして広い範囲の有用性があら
たに期待される。
【0003】しかしながら、超高分子量のポリエチレン
は、汎用ポリエチレンに比べ、溶融粘度が高く、成形加
工性が著しく悪く、添加剤を添加した状態で延伸して高
配向化することもできないのが現状である。
【0004】このような例として、例えば、特開平1−
168980号では、ポリオレフィン繊維は疎水性が高
く染着座席がないため、実用的には顔料による原液着
色、或いは金属塩を混合してこれを座席として特定染料
で染色していたが、これらの方法では高強力ポリオレフ
ィン繊維は得られないことを示し、特定染料で染色する
方法を提供している。
【0005】また、特開平3−227464号では、同
様の目的で、特定の無機性値と有機性値との比を有する
特定染料を用いて染色する方法も提供されている。さら
に、特開平4−289213号では、紡出後の溶媒を含
んだゲル状態の繊維に染料を付与し、次いで延伸する、
着色した高強度・高弾性率超高分子量ポリエチレン繊維
の製造法も提供されている。
【0006】また、特開平4−77232号では、超高
分子量ポリエチレンと染料およびまたは顔料との混合物
を、ポリエチレンの融点未満の温度で圧縮成形し、次い
で延伸する方法も提供されている。
【0007】さらに、特開平4−122746号では、
超高分子量ポリエチレンからなる主成分とポリ塩化ビニ
ルを含有する成分とを、ポリエチレンの融点未満の温度
で少なくとも延伸することにより表面特性を改質した、
すなわち、接着性が改善されたポリエチレン材料の製造
方法が提供され、この方法には、粉末状の超高分子量ポ
リエチレンをエンドレスベルト上で圧縮成形して圧延し
延伸することも示されている。
【0008】一方、高強度・高弾性率ポリエチレン材料
の連続的製造方法としては、特開平3−130116号
により、超高分子量ポリエチレン粉末を圧縮成形し次い
で圧延したのち延伸する方法において、圧縮成形および
または圧延工程において超高分子量ポリエチレン粉末よ
り低分子量のポリエチレン粉末、ロッド、繊維状、シー
ト、フィルムまたは不織布状のオレフィン系重合体を混
在もしくは介在せしめることにより、積層板ないしは他
材料との積層化或いは複合化を容易にする方法が開示さ
れている。
【0009】また、超高分子量ポリエチレンを延伸し、
しかるのちスプリット化することにより得られるスプリ
ット化ポリエチレン延伸材料も、スポーツ・レジャー用
ロープなどとして有用であることが特開平5−2146
57号により知られている。
【0010】しかしながら、前記した特開平1−168
980号、特開平3−22746号による方法では特殊
な染色材料を必要とし幅広い要求を満足することができ
ず、特開平4−77232号の方法では安定した高強度
・高弾性率ポリエチレン材料の製造が困難であり、また
特開平4−122746号の方法では混合物からの成形
となるために高張度・高弾性率ポリエチレン材料として
の特性を著しく低減するものであり、さらに特開平3−
130116号の方法ではある程度課題が解決されるも
のの、超高分子量ポリオレフィン材料自身の特性をさら
に十分発揮させる必要があり、またさらに多機能なスリ
ットヤーンもしくはスプリットヤーンに適した材料の要
求があった。、さらに特開平5−214657号により
超高分子量ポリエチレン延伸材料をスプリット化する方
法が知られていても直ちに本発明の構成とその構成の採
用によって奏せられる後述する本発明の効果を予測し得
るものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
前記した従来法における超高分子量ポリエチレン材料本
来の高強度・高弾性率の特性を損なうことなく、各種の
要求への対応が容易であり、かつ成形品の着色性、耐候
性、帯電防止性、親水性、接着性、染色性などの改善が
容易であり、優れた高強度・高弾性率を有するポリエチ
レン材料、特に安定した特性を有するテープヤーン或い
はスプリットヤーンの改良された製造方法を提供するも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、1
35℃デカリン溶液中における極限粘度が5〜50dl
/gの超高分子量ポリエチレン粉末を圧縮成形し、次い
で圧延したのち延伸することにより、高強度・高弾性率
ポリエチレン材料を製造する方法において、ロール圧延
工程においてポリエステル系樹脂またはポリアミド系樹
脂フィルムを積層成形することを特徴とする高強度・高
弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法を提供するも
のである。
【0013】上記した本発明においては、延伸工程後さ
らにスリット加工してテープヤーン或いはスプリットヤ
ーンとすることにより、さらに優れた高強度・高弾性率
ポリエチレン材料とすることが可能であり、さらにこれ
らの材料は耐候剤や着色剤の入った、例えばロープ、ゴ
ルフネット、延縄、安全ネット、2〜4軸リフ、高強力
結束バンドなどの産業用或いはスポーツ・レジャー用材
料等として有用である。
【0014】以下、本発明を詳述する。
【0015】本発明に用いられる超高分子量ポリエチレ
ン粉末は、135℃、デカリン中における極限粘度
[η]が5〜50dl/g、好ましくは8〜40dl/
g、さらに好ましくは10〜30dl/gのものであ
り、粘度平均分子量が50万〜1200万、好ましくは
90万〜900万、さらに好ましくは120万〜600
万に相当するものである。[η]が5dl/gより小さ
いと延伸したシート、フィルムなどの機械的特性が悪く
なり好ましくない。また、50dl/gを越えると引張
延伸などの加工性が悪くなり好ましくない。
【0016】また、超高分子量ポリエチレン粉末の密度
は、通常0.920〜0.970g/cm3 、好ましく
は0.935〜0.960g/cm3 であるものが好適
に用いられる。
【0017】本発明で使用される上記特定性状を有する
超高分子量ポリエチレンは、周期律表IV〜VI族の遷移金
属元素を含む化合物のうち、少なくとも1種の化合物を
含有する触媒成分と必要に応じて有機金属化合物とを組
み合わせてなる触媒の存在下に、エチレンの単独重合、
またはエチレンとα−オレフィンを共重合することによ
り得られる。
【0018】α−オレフィンとしては、炭素数3〜1
2、好ましくは3〜6のものが使用できる。具体的に
は、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1などを挙げることができる。これらのうち特に好
ましいのは、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペン
テン−1、ヘキセン−1である。またコモノマーとし
て、ジエン類、例えばブタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、ビニルノルボルネン、エチリデン−ノルボルネンな
どを併用してもよい。エチレン・α−オレフィン共重合
体中のα−オレフィン含量は通常0.001〜10モル
%、好ましくは0.01〜5モル%、より好ましくは
0.1〜1モル%である。
【0019】本発明の超高分子量ポリエチレンは、前記
のようにチタン化合物、パナジウム化合物、クロム化合
物、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物などの周期
律表IV〜VI族の遷移金属と必要に応じて有機金属化合物
とを組み合わせて使用されるが、これらの触媒成分の調
整方法は、前記した特開平3−130116号などに詳
述されているのでここでは記載を省略する。この際用い
られる有機金属化合物の使用量には特に制限はないが、
通常遷移金属化合物に対して0.1〜1,000mol
倍の範囲で使用することができる。
【0020】重合反応は、実質的に酸素、水などを絶っ
た状態で気相状態または前記触媒に対して不活性溶媒、
例えばブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オク
タン、デカン、ドデカンなどの脂肪族系炭化水素、シク
ロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族系炭化水素、
ベンゼン、トルエンなどの芳香族系炭化水素、石油留分
などの存在下、またはモノマー自体を溶媒として行われ
る。重合温度は、通常15℃〜350℃、好ましくは2
0℃〜200℃であるが、後述の超高分子量ポリエチレ
ンフィルム状成形物を固相法により製造する場合、重合
温度を生成する超高分子量ポリエチレンの融点未満にす
ることが望ましく、通常−20〜+110℃、好ましく
は、0〜90℃である。重合温度が得られる超高分子量
ポリエチレンの融点以上の場合は、固相法によりフィル
ム状成形物を得る際、後工程である延伸段階において、
トータル延伸倍率20倍以上に延伸できなくなる場合が
ある。
【0021】分子量の調節は重合温度、重合圧力、触媒
の種類、触媒成分のモル比、重合系中への水素添加など
の重合条件を変化させることにより可能であり、その方
法について特に制限はない。もちろん、水素濃度、重合
温度などの重合条件の異なった2段階ないしそれ以上の
多段階の重合反応も何ら支障なく実施できる。
【0022】かくして得られる超高分子量ポリエチレン
の形状は特に限定されないが、通常、顆粒状、粉末状の
ものが好ましく用いられる。粒径2000μm以下、好
ましくは1000μm以下が望ましい。また粒径分布は
狭い方が良好なシートが得られる。
【0023】本発明の高強度・高弾性率ポリエチレン材
料の連続的製造方法のロール圧延工程において積層させ
て使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエス
テル系樹脂およびまたはポリアミド系樹脂層であり、か
かる樹脂層としては、粉末層、フィルムのいずれでもよ
いが、当該樹脂を成膜して得られるフィルムが好まし
い。なお、フィルム状の形状は特に限定されないが、通
常10〜200μm、好ましくは20〜100μmの肉
厚のものが望ましい。
【0024】好ましいポリアミド系樹脂としては、6ナ
イロン、11ナイロン、12ナイロン系、或いは6−6
ナイロン、6−10ナイロン、6−66ナイロン、さら
には低融点化した共重合ナイロンおよびブレンドナイロ
ンを利用することが可能であり、通常知られた方法によ
りフィルムないしはシート状に製膜したのち利用するこ
とができる。上記したナイロン系重合体の好ましい分子
量範囲は通常1000〜30000程度である。
【0025】また、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)に代表される熱可塑性ポリエステル系樹脂も利用す
ることができる。本発明の目的には、PETのガラス転
移温度を考慮した加工温度を採用することにより、超高
分子量ポリエチレン粉末の圧縮成形工程、圧延工程およ
び延伸工程の何れの工程においても超高分子量ポリエチ
レン層に介在させることが可能であるが、テレフタル酸
の一部をイソフタル酸に代えることにより、より容易に
積層させることもできる。具体的にはポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレートが特に
好ましいものとして挙げられ、分子量的には各種フィル
ムグレード、繊維グレードであれば特に制限されない。
【0026】ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹
脂の積層系における厚さは特に限定されないが、被圧延
物または被延伸物の芯材料の厚みを超えない範囲であれ
ば特に限定されることはなく、芯材/フィルムの厚みの
比は、60/40〜98/2、好ましくは70/30〜
95/5であることが望ましく、厚みの具体的数値を挙
げれば、通常0.005〜1mm程度が望ましい。ま
た、幅は、芯材料と同じことが望ましいが、若干広くて
も狭くても支障無く実施できる。
【0027】上記したロール圧延工程において積層させ
る樹脂フィルムは、例えばポリエステル系樹脂フィルム
またはポリアミド系樹脂フィルムを単独で積層させるこ
とも可能であり、また超高分子量ポリエチレン層を挟ん
で多層に積層させることも可能であり、さらにポリエス
テル樹脂フィルム層とポリアミド系樹脂フィルム層とを
積層した状態で利用することも可能である。
【0028】すなわち、目的および製品形態に合わせ
て、例えば製品の着色、耐候性付与、帯電性付与、或い
は高強度・高弾性率ポリエチレン材料の積層利用、すな
わち、積層時における接着性等を考慮して適宜変更する
ことができる。
【0029】次に高強度・高弾性率ポリエチレン材料の
製造方法について詳述する。本発明においては、前述し
たとおり前記超高分子量ポリエチレン粉末を該ポリエチ
レンの融点未満の温度で特定の手段によりフィルム成形
し、次いでロール圧延したのち延伸し、かつ、ロール圧
延工程または更に延伸工程において、前記樹脂フィルム
を積層せしめることにより高強度・高弾性率ポリエチレ
ン材料を製造するものである。なお、本発明でいう「積
層」とは、超高分子量ポリエチレン層内部および/また
は表面に熱可塑性樹脂粉末またはフィルムを分散させる
ことを示す。この場合、芯材としては超高分子量ポリエ
チレン層を必ず含むものである。
【0030】これらの代表的な例として次の方法を挙げ
ることができる。
【0031】1.ロール圧延工程において、前記樹脂フ
ィルムを超高分子量ポリエチレンの圧縮成形物の表面層
の片側もしくは両側に積層せしめる方法。
【0032】2.延伸工程において、前記樹脂フィルム
を更に超高分子量ポリエチレンの圧延成形物の表面層
(片側もしくは両側)に積層せしめる方法。
【0033】上記した成形方法は、前記した如く、目的
とする成形物の特性および熱可塑性樹脂フィルムの多様
性との関連で適宜積層方法を変更することが可能であ
り、例えばロール圧延工程と延伸工程とにおいて異なる
樹脂フィルムをそれぞれ積層させることも可能であり、
その様式は限定されるものではない。
【0034】なお、本発明の高強度・高弾性率ポリエチ
レン材料の製造方法における前記樹脂フィルムの積層量
は、通常、超高分子量ポリエチレン材料100重量部に
対して1〜40重量部、好ましくは5〜25重量部であ
ることが望ましい。
【0035】次に、超高分子量ポリエチレンフィルム状
成形物について説明する。かかるフィルム状物として
は、前述の超高分子量ポリエチレンを溶融工程を経て押
出などの方法によりフィルム状に成形する方法により得
られるもの、超高分子量ポリエチレンを多量の溶媒に溶
解したのちフィルム状のゲル状物を得る方法もしくはか
かるフィルム状ゲル状物からフィルムを得る方法により
得られるもの、および溶媒に溶解させることなくまた一
度も溶融工程を経ることなく固相状態においてフィルム
状に成形する方法により得られるものなどが挙げられ、
特に固相状態においてフィルム状に成形する方法により
得られるものが望ましい。
【0036】固相状態においてフィルム状に成形する方
法として望ましい方法としては、超高分子量ポリエチレ
ン粉末を圧縮成形して超高分子量ポリエチレンフィルム
状成形物を製造する方法が挙げられる。かかる圧縮成形
方法においては、被圧縮物であるポリエチレン粉末の融
点未満の温度で圧縮成形工程が実施されることが、引き
続いて実施される圧延、延伸工程を経ることによって高
強度・高弾性率ポリエチレン材料を得る上で極めて重要
である。しかしながら、良好な圧縮成形シートを得るた
めには、融点未満の温度ではあっても許容できる範囲内
であること、すなわち、通常20℃以上、融点未満、好
ましくは50℃以上融点未満、さらに好ましくは90〜
140℃、特に好ましくは110〜135℃の範囲内で
あることが望ましい。また、圧縮成形時の圧力は特に限
定されないが、通常1000kg/cm2未満、好まし
くは0.1〜1000kg/cm2の範囲内が望まし
い。
【0037】また、圧縮成形装置としては、対向させた
回転媒体で連続的に圧縮成形できる装置であれば特に限
定されなく、回転媒体としては、一対または2対以上対
向するロールや一対以上のエンドレスベルトやエンドレ
スベルトとロールとの組み合せなどが例示できる。以
下、その好適な成形装置の1具体例を示す図1に基づい
て簡略に説明する。
【0038】この装置は、基本的にはロール1〜4によ
り張力がかけられた上下に対向させた一対のエンドレス
ベルト5,6と、このエンドレスベルトを介し、粉末試
料を加圧するための加圧プレート7と、加圧プレートと
エンドレスベルトとの間に回転自在で互いに連結された
チェーンローラー群8とからなる加圧手段を有してい
る。
【0039】この加圧手段は、エンドレスベルトの内側
に設けられた加圧プレートおよび加圧プレートとエンド
レスベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラ
ー群からなる。加圧プレートとエンドレスベルトとの間
に介在させる回転自在な互いに連結されたチェーンロー
ラー群としては、そのローラー群におけるローラーの回
転軸がエンドレスベルトの進行方向にほぼ垂直に配置さ
れ、かつ相互に接触しない程度に密接させて多数配列さ
せたものが適当である。
【0040】これらのローラーは、両端の中心軸がそれ
ぞれチェーンで固定され、加圧プレートの前後に配設し
たスプロケット9、10にこのチェーンを噛み合わせる
ことにより、ローラー群をエンドレスベルトの走行速度
の1/2程度の速度で走行させるのがよい。
【0041】このローラー群はエンドレスベルトと加圧
プレートとの間に固定して介在させてもよいが、この場
合には、ローラー群とエンドレスベルトおよび加圧プレ
ートとの間にそれぞれスリップによる摩擦力が生じるの
で、装置の耐久性に問題が生じる。
【0042】加圧プレートとしては、ローラー群に接す
る面が平滑であり、かつ圧力を均一に伝達できるもので
ある限り特に制限されない。
【0043】加圧プレートのエンドレスベルト走行方向
の長さは、特に制限されないが、通常30〜400c
m、好ましくは50〜200cm程度である。加圧プレ
ートがエンドレスベルトに加える平均圧力は、適宜選択
されるが、通常200kg/cm2 未満、望ましくは1
00kg/cm2未満、好ましくは0.1〜50kg/
cm2 、さらに好ましくは0.1〜20kg/cm2
特に好ましくは0.5〜10kg/cm2 、さらに特に
好ましくは1.0〜8.0kg/cm2 の圧力である。
加圧プレートは、エンドレスベルトを介してポリエチレ
ン粉末を加圧することが第一義的な役割であるが、同時
に被圧縮物の加熱手段としても使用することも可能であ
る。
【0044】本発明においては、前述のとおり被圧縮物
であるポリエチレン粉末の融点未満の温度で圧縮成形工
程が実施されることが、極めて重要であるが、好ましく
は通常20℃以上、融点未満、さらに好ましくは50℃
以上融点未満、特に好ましくは90〜140℃、さらに
特に好ましくは110〜135℃の範囲内であることが
望ましい。
【0045】そのための被圧縮物の加熱手段としては、
加圧部におけるエンドレスベルトを直接加熱するのが最
適であるが、加圧プレート内に加熱手段を配設し、加圧
プレートからローラー群、エンドレスベルトを経て被圧
縮物を加熱したり、図1に示すようにエンドレスベルト
に近接させて予備加熱器11を配設して加熱するのが実
際的に便宜である。
【0046】加圧プレートへの加熱手段の配設態様とし
ては、断熱部を設けた上で加圧プレート内に電熱ヒータ
−を埋め込んでもよいし、加圧プレート内に熱媒体の循
環流路を配設して熱媒体を用いて加熱してもよい。
【0047】この例示された装置を用いて、高強度・高
弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法を実施するに
は、まず、ホッパー12内に投入された超高分子量ポリ
エチレン粉末を下方のエンドレスベルト6上に落下させ
る。
【0048】エンドレスベルトの走行速度は、加圧プレ
ートの長さ、圧縮条件にも依存するが、通常は10〜5
00cm/min、好ましくは50〜200cm/mi
n程度である。エンドレスベルト上に乗ったポリエチレ
ン粉末は、ドクターナイフ16により所定の断面形状と
なし、必要により加熱器により予備加熱された後、上下
のエンドレスベルトによる挟圧部まで移動され、次いで
ローラー群と加圧プレートとが配設された圧縮部へ移行
される。ここで、油圧シリンダー15からの圧力が加圧
プレートへ伝達され、さらにローラー群、エンドレスベ
ルトを経て被圧縮物に圧縮力が加えられる。このとき、
加熱体からの熱も同様にローラー群、エンドレスベルト
を経て被圧縮物に伝達され、被圧縮物の温度が所定の温
度に保持される。
【0049】このようにして、超高分子量ポリエチレン
粉末が圧縮成形されたフィルム状物がシート巻取機17
に巻取られる。
【0050】超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物
を得る他の方法である超高分子量ポリエチレンを溶融工
程を経て押出などの方法によりフィルム状に成形する方
法については、特に限定されないが、好適な方法として
は、溶融条件下スクリュー押出機(好ましくはL/Dの
大きいもの)等によりチューブ状ダイやTダイから超高
分子量ポリエチレンを押し出し、必要に応じ数倍〜十倍
程度に延伸する方法などが代表的なものとして挙げられ
る。
【0051】また、超高分子量ポリエチレンフィルム状
成形物を得る他の方法である超高分子量ポリエチレンを
多量の溶媒に溶解したのちフィルム状のゲル状物を得る
方法もしくはかかるフィルム状ゲル状物からフィルムを
得る方法についても特に限定されないが、好適な方法と
しては、超高分子量ポリエチレンが溶解された溶液(通
常、30重量%以下の超高分子量ポリエチレン濃度)か
ら紡出口金を通じテープ状またはフィルム状に引きだ
し、冷却もしくはそのまま溶媒の一部もしくは溶媒全部
を除去し、必要に応じて延伸する方法が挙げられる。
【0052】次に、ロール圧延工程において前記樹脂フ
ィルムを積層させる方法について説明する。
【0053】フィルム状物の圧延方法としてはロール圧
延などの公知の方法を用いることができるが、前記圧縮
成形フィルムを溶融させることなく固相状態に保持した
まま、同一方向または回転方向の異なる圧延ロールによ
り挟圧し、圧延フィルムを得ることができる。このと
き、圧延操作により材料の変形比は広く選択することが
でき、通常、圧延効率(圧延後の長さ/圧延前の長さ)
で1.2〜20、好ましくは1.5〜10とするのが望
ましい。このときの温度としては、通常20℃以上本発
明で用いる超高分子量ポリエチレン粉末の融点未満の温
度、好ましくは50℃以上融点未満、さらに好ましくは
90〜140℃、特に好ましくは110〜135℃の温
度範囲で実施される。もちろん、上記圧延操作を1回以
上の多段で圧延することもできる。
【0054】この圧延工程において前記樹脂フィルム状
物を積層させる場合は、代表的圧延成形装置である図2
の繰出しロール20から繰出された超高分子量ポリエチ
レン粉末圧縮成形等のフィルム状物を、該フィルムの
上、下または上下に設置された繰出ロール21,21’
から繰出される樹脂フィルム状物と接触させ、予熱ロー
ル群22のロール表面上で予熱したのち、必要によりさ
らに赤外線予熱ヒーター23により再予熱したのち圧延
ロール24を圧延し、得られる圧延フィルムを巻取機2
5に巻取る方法が一般的に採用される。
【0055】圧延に次いで行われる延伸工程においても
種々の方法が採用可能である。延伸手段としては熱風延
伸、シリンダー延伸、ロール延伸、熱盤延伸などがあ
る。しかしながら、一対のニップロール、或いはクロー
バーロール間で速度差をつけて延伸を行うのが一般的で
ある。
【0056】代表的延伸装置として、熱盤方式を採用す
る延伸装置により超高分子量ポリエチレン圧延フィルム
に前記樹脂フィルムを所望により更に積層させる例を図
3(a)に示し、熱ロール方式を用いる場合の例を図3
(b)に示した。詳細は省略するが、図3(a)におい
ては図2の場合とほぼ同様に、繰出しロールから繰出さ
れた超高分子量ポリエチレン圧延シートと、その上、下
または上下に設置された繰出しロールから繰出された前
記樹脂フィルムとを繰出しピンチロールで接触させ、延
伸用熱盤上で引取りピンチロールで引取られながら延伸
し、巻取ロールに巻取るものであり、巻取ロールへの巻
取りに先立ち、所望により延伸物をスプリット加工して
テープヤーンとしてもよく、あるいは、スリット加工し
たのちスプリット加工しスプリットヤーンにしてもよ
い。図3(b)は、図3(a)の延伸用熱盤に変えて3
本の延伸用熱ロールにより、必要によりロール回転速度
を変えて、延伸する方法を図示したものである。
【0057】上記した延伸操作における延伸温度は、被
延伸物の融点未満の範囲内、通常20〜160℃、好ま
しくは60〜150℃、さらに好ましくは90〜145
℃、特に好ましくは90〜140℃である。また、延伸
工程も1段だけでなく多段で行うこともできる。この場
合、1段目より2段目の方を高い温度で行うのが好まし
い。
【0058】延伸速度は、引張延伸の方法、ポリマー分
子量、組成比により異るものであり、適宜選択可能であ
るが、通常1mm/min〜500m/min、特に、
回分式延伸の場合は、通常、1〜500mm/min、
好ましくは1〜100mm/min、さらに好ましくは
5〜50mm/minの範囲であり、連続延伸の場合に
は、通常、0.1〜500m/min、好ましくは1〜
200m/min、さらに好ましくは10〜200m/
minの範囲内であり、経済性を考慮すれば、高速度の
設定がより好ましい。
【0059】延伸倍率は高倍率にするほど高強度で高弾
性率が達成できるため、できるだけ延伸倍率を高めるこ
とが望ましく、本発明においては圧延および引張延伸の
合計の延伸倍率であるトータル延伸倍率が通常20倍以
上、好ましくは60倍以上、さらに好ましくは80〜2
00倍とすることが可能であり、極めて高い延伸倍率の
延伸が可能である。
【0060】上記した方法により超高分子量ポリエチレ
ン粉末のみを圧縮成形工程、圧延工程および延伸工程に
付して得られる延伸物の引張弾性率は、通常60GPa
以上、より一般的には80GPa〜180GPa、さら
に一般的には120〜150GPaの範囲である。また
引張強度は、通常0.7GPa以上、より一般的には
1.0GPa〜5.0GPa、さらに一般的には1.5
GPaから3.0GPaの極めて高い物性値を有するも
のである。
【0061】本発明においては、前記のように、所望の
特性に対応して積層させる前記樹脂粉末またはフィルム
が適宜選択され、それによって延伸物の物理的特性も若
干相違するが、一般的に引張弾性率は40GPa〜18
0GPaの範囲、より一般的には100GPa〜150
GPaの範囲であり、また引張強度は0.7GPa〜
5.0GPaの範囲、より一般的には1.0GPa〜
3.0GPaの範囲である。 本発明は熱可塑性樹脂粉
末またはフィルムを介在させたとしても、実質的に同等
かもしくは大きく低下しない物理的特性を有する延伸物
を得るという大きな特徴を有する。
【0062】本発明の高強度・高弾性率ポリエチレン材
料は、どのような用途にも利用可能であるが、ヤーンと
して利用することにより、さらに優れた特性を有する高
強度・高弾性率ポリエチレン材料とすることができる。
以下、これについてさらに説明する。
【0063】ヤーンとしては、マルチフィラメントヤー
ン、モノフィラメントヤーン、テープ状フィラメントヤ
ーンなどのテープヤーンとスプリットヤーンが含まれ
る。これらのうち、高強度・高弾性率ポリエチレン材料
として特に特徴的であるスプリットヤーンとして後加工
する場合について最初に詳述する。
【0064】本発明における高強度・高弾性率ポリエチ
レン材料の特性を象徴する一つの目的製品であるスプリ
ットヤーンは、前記超高分子量ポリエチレン延伸物をス
プリット化することにより製造される。スプリット化の
方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方
法を用いることができる。例えば、フィルム状またはシ
ート状などの形状の延伸物を、叩打する方法、捻転する
方法、摩擦する方法、ブラッシュする方法などの機械的
方法や、エアージェットによる方法、超音波により割れ
目を入れる方法、爆発風により処理する爆発法などが挙
げられる。
【0065】本発明においては、機械的方法の採用が好
ましく、特に回転式機械的方法の採用が好ましい。かか
る機械的な方法としては、タップネジ状スプリッター、
ヤスリ状粗面体スプリッター、針ロール状スプリッター
などの各種形状のスプリッターを用いる方法を例示する
ことができる。なお、タップネジ状スプリッターとして
は、通常、5角や6角の角形であり、1インチ当たり、
10〜40、好ましくは15〜35のネジ山を有するも
のが望ましい。また、ヤスリ状スプリッターとしては、
本発明者らの考案(実公昭51−38980号)になる
図4に示すものが好適である。図4において円形断面軸
26の表面27は鉄工用丸ヤスリ目またはこれに類似の
粗面体であり、その面に2条のらせん溝28をおよび2
8’を等ピッチに削ったものである。
【0066】用いるスプリット化装置としては、特に限
定されないが、図5に記載したように、基本的にはニッ
プロール29,29’とニップロール30,30’の間
に、回転式のスプリッター31を配置し、延伸物の張力
をかけつつ移動し、回転式のスプリッターに接触させる
方法が代表例として挙げられる。このときの延伸物の移
動速度は、特に限定されないが、通常1〜1000m/
min、好ましくは20〜300m/minである。ま
た、スプリッターの回転速度(周速度)は、延伸物の物
性、移動速度、目的とするスプリットヤーンの性状によ
り、適宜選択されるが、通常、10〜3000m/mi
n、好ましくは50〜1000m/minである。ま
た、延伸物とスプリッターの接触角は、通常30〜18
0度、好ましくは60〜90度であることが望ましい。
なお、延伸テープは、滑り易いため、スプリッターの前
後に設置されているニップロールにおいて、テープを所
定の速度に保持することが難しい場合があるので、ニッ
プロールとクローバーロールを併用したり、或いはネル
ソンロールを用いたり、さらに、これらを組み合わせる
など滑り防止策を講じることが望ましい。
【0067】ブラッシュする方法や回転式スプリッター
を用いる方法においては、その操作は延伸物に張力をか
けて行うことが好ましく、前述した延伸物の高い引張弾
性率との関連において、通常延伸物が0.1〜3%、好
ましくは0.5〜2%変形する程度の張力下とし、この
場合、スプリット装置にテープの張力を一定に保つため
に、ダンサーロールなどの張力コントローラを設置する
のも有効な手段である。
【0068】また、スプリット化の際の温度は、通常−
20〜+100℃、好ましくは−5〜+50℃、さらに
好ましくは0〜20℃の範囲が採用される。スプリット
化は1段階で行うだけではなく、多段階で行ってもよい
し、また厚みが大きな材料に対しては表と裏の両面から
スプリット化を行うこともできる。なお、これらの方法
としては、具体的には米国特許第2185789号、同
3214899号、同2954587号、同36629
35号、同3693851号、特公昭36−13116
号、特公昭43−16909号などに例示されている。
【0069】これらの方法により得られるスプリットヤ
ーンにおいては、スプリットヤーンの厚みが、通常、1
0〜200μm、好ましくは30〜100μmである。
厚みが10μmより小さいとフィルム状物の延伸物が縦
方向に裂けることがあり、またスプリット化されたフィ
ブリルが毛羽だったり、スプリッターに巻付いたりし
て、品質や工程が安定しないことがある。一方、200
μmを越えるとスプリット性が悪くなり易い。また、ス
プリット幅は、通常10〜500μm、好ましくは50
〜200μmの範囲である。
【0070】本発明により得られるスプリット化ヤーン
は、顔料、耐候剤、帯電防止剤あるいは親水性付与、接
着性付与、染色性付与等の効果と共に優れた柔軟性を有
しかつ高い強度を有する点で特徴的である。スプリット
処理後の強度としては、通常0.4GPa以上であり、
撚りをかけることによりさらに強度を高めることがで
き、スプリットする前の強度とほぼ同等にすることがで
きる。50〜500回/mの範囲内に撚りをかけたとき
の引張強度の最高値は少なくとも0.7GPa以上であ
り、一般的には1GPa以上、さらに一般的には1.5
GPa以上であり、このような値は、約8g/d以上、
一般的には約11.5g/d以上、さらに一般的には約
17g/d以上の高強度に相当するものである。
【0071】本発明に用いられるポリエチレン延伸材料
は、極性基がなく、表面が活性でないために、表面への
印刷、或いは接着が一般的には困難であるが、本発明の
高強度・高弾性率ポリエチレンの連続的製造方法による
場合は、得られるポリエチレン材料の前記した顕著な改
質効果を有するものである。しかし乍ら、必要に応じて
更にスプリット処理する前、或いは好ましくはスプリッ
ト処理後に、延伸物をコロナ放電処理、プラズマ処理、
薬品酸化処理、或いは火焔処理などの表面処理を行うこ
とも差支えない。
【0072】本発明のスプリット化ポリエチレン延伸材
料は、そのまま用いてもまた撚りをかけた状態で用いて
もよい。撚りをかける際の回数は特に限定されないが、
通常50〜500回/m程度であり、好ましくは100
〜300回/m程度が高い強度を示すことから好まし
い。また、その場合の条件は特に限定されないが、通
常、0〜100℃、好ましくは10〜60℃の範囲であ
る。
【0073】
【実施例】
実施例1 (1)熱可塑性樹脂フィルムの製造 ナイロン樹脂粉末とエチレン・酢酸ビニル樹脂(東洋曹
達(株)製、商品名ウルトラセン UE710)のブレ
ンド物(80/20)を250℃で混練したのち、厚さ
0.02mmになるよう連続的に押出し製膜した。 (2)高強度材料の製造 (圧縮成形) 装置仕様: 1.ロール 径 500mm 面長 300mm 2.スチールベルト 肉厚 0.6mm 幅 200mm 3.小口径ローラー 径 12mm 面長 250mm 4.加圧プレート 長さ 1000mm 幅 200mm 5.油圧シリンダー 径 125mm 上記仕様の圧縮成形装置を用いて、一対のスチールベル
トの間に超高分子量ポリエチレン粉末(135℃デカリ
ン中における極限粘度[η]=14dl/g、粘度平均
分子量200万)を挟持し、130℃に加熱し、材料へ
の平均圧力約6kg/cm2 で加圧(油圧シリンダ、加
圧プレート、小口径ローラー、スチールベルトの順序で
圧力を伝達)し、1m/分の速度で連続的に圧縮成形し
た。
【0074】その結果、肉厚1.2mm、幅100mm
のシートを得た。
【0075】(圧延)上下に配置され、同一速度で反対
方向に回転し、表面温度が140℃に調整された一対の
ロール(径250mm、面長300mm、ロール間隙
0.07mm)の間に一対の前記樹脂フィルム(幅約1
00mm)を挿入し、該一対のフィルムの間に前記圧縮
成形シートを供給し、入口速度1m/分、出口速度7m
/分にて行い、圧延倍率7倍の肉厚0.157mm、幅
98mmの圧延シートを得た。
【0076】(延伸) 装置仕様 1.予熱用ロール 3本 径 250mm 面長 200mm 2.延伸用ロール 径 125mm 面長 200mm ロール内部には熱媒体用オイルを循環 ロール間距離はいずれも30mm 3.冷却用ロール 3本 径 250mm 面長 200mm ロール内部には冷却水を循環 4.ニップロール 入口側: φ200mmシリコンゴムロールが予熱用ロール2本に対 してニップ 出口側: φ200mmシリコンゴムロールが冷却用ロール2本に対 してニップ 上記仕様の延伸装置を用い、圧延シートを幅6mmにス
リットしたものを挟み込み引張延伸を行った。引張延伸
は次表の条件により3回繰り返し行った。
【0077】延伸の結果、ポリエチレン延伸材料が得ら
れた。
【0078】この材料について物性を測定したところ、
引張強度が24g/d、伸度は1.8%であった。
【0079】
【表1】 (スプリット工程) 装置仕様 1.入口ピンチロール: φ160mm、面長200m
mの金属ロールとウレタンゴムロール 2.出口ピンチロール: φ160mm、面長200m
mの金属ロールとウレタンゴムロール 3.スプリッター: 断面形状が正六角形で一辺の
長さが20mmのねじ切りタップ状の刃で、刃のピッチ
が0.6mmになっている割繊具 スプリット条件 1.ニップロール速度: 入口側30m/分→出口側3
0.3/m分 2.スプリッターの接触角度と周速度比: 90度、
2.3倍 前記延伸テープ(幅約2mm)を、上記装置と運転条件
でスプリットを行い、単糸幅が0.6mm、一辺の長さ
が12mmの菱形状の網状スプリットヤーンが得られ
た。このスプリットヤーンの物性(1m当たり100回
よりをかけて測定、100t/m、以後同様)は、引張
強度が20g/d、伸度は1.6%であった。
【0080】また、このスプリットヤーンの染色性につ
いて以下の方法により評価した。スプリットヤーンを酸
性染料染液(染料:C.I.Acid Yellow
25、1g/L水溶液、酢酸によりpH3、ノニオン界
面活性剤)の沸騰液に浸漬した。その結果、良好な状態
で染色できた。また良好な接着性を有していた。
【0081】実施例2 高密度ポリエチレン(商品名スタフレンE−710(日
本石油化学(株)製、MI=1.0))をベースポリマ
ーとし、不飽和ポリエステル樹脂(商品名ニュートラッ
ク510(花王(株)製))30重量%を混合し、23
0℃で混練したのち、厚さ0.02mmになるように連
続的に押出し成膜した。
【0082】その結果、延伸ポリエチレンが得られ、そ
の物性は引張強度が24.0g/d、伸度は1.8%で
あった。また、この延伸ポリエチレンをスプリット処理
したところ菱形状の網状スプリットヤーンが得られた。
このスプリットヤーンの物性は、引張強度が20.0g
/d、伸度は1.6%であった。
【0083】また、このスプリットヤーンの接着性につ
いて以下の方法によりテストした。スプリットヤーンを
基に織布(組織:15本×15本)を製作し、この織物
をベースに不飽和ポリエステルをマトリックスとしてコ
ンポジットを製作した。このコンポジッドは強い接着強
度(80kgf/cm2 )を示し、結果として耐衝撃性
が良好であった。
【0084】
【発明の効果】本発明により得られる高強度・高弾性ポ
リエチレン材料は超高分子量ポリエチレン層にポリエス
テル系樹脂またはポリアミド系樹脂が、少なくとも1
層、必要により多層に積層されているので、極性基を持
たないポリエチレン材料に比較して着色、耐候、帯電防
止、親水性、接着性、染色性等の改質が顕著であり、そ
の利用範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において場合により圧縮成形工程を実施
する際に好適な装置の1例を示す。
【図2】圧延工程の実施に好適な装置の1例を示す。
【図3】延伸工程の実施に好適な装置の2つの例を示
す。
【図4】実施において好適なヤスリ状スプリッターの1
例を示す。
【図5】スプリット化工程の実施に好適な装置の1例を
示す。
【符号の説明】
1〜4 ロール 5〜6 エンドレスベルト 7 加圧プレート 8 チェーンローラー群 9〜10 スプロケット 11 加熱器 12 ホッパー 13〜14 供給ロール 15 油圧シリンダー 16 ドクターナイフ 17 シート巻取機 20〜21 繰出しロール 22 予熱ロール 23 赤外線予熱ヒーター 24 圧延ロール 25 巻取機 26 円形断面軸 27 表面 28,28’ らせん溝 29,29’,30,30’ ニップロール 31 スプリッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 C 27/34 27/36 D02G 3/06 // B29C 69/02 2126−4F B29K 23:00 B29L 9:00 (72)発明者 栗原 和彦 東京都板橋区高島平3−11−5−1102 (72)発明者 矢沢 宏 東京都国立市東2−25−15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 135℃デカリン溶液中における極限粘
    度が5〜50dl/gの超高分子量ポリエチレンフィル
    ム状物をロール圧延したのち延伸することにより、高強
    度・高弾性率ポリエチレン材料を製造する方法におい
    て、ロール圧延工程においてポリエステル系樹脂または
    ポリアミド系樹脂フィルムを積層成形することを特徴と
    する高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方
    法。
  2. 【請求項2】 溶融成形法またはゲル法により得られる
    超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物のロール圧延
    工程において熱可塑性樹脂フィルムを積層させることを
    特徴とする請求項1に記載の高強度・高弾性率ポリエチ
    レン材料の連続的製造方法。
  3. 【請求項3】 延伸工程後さらにスリット加工してテー
    プヤーンとすることを特徴とする請求項1に記載の高強
    度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法。
  4. 【請求項4】 延伸工程後さらにスプリット加工してス
    プリットヤーンとすることを特徴とする請求項1に記載
    の高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方
    法。
JP32430894A 1994-12-27 1994-12-27 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 Pending JPH08174657A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100411835B1 (ko) * 2001-01-19 2003-12-18 유피씨(주) 통기성 합지 제조시스템, 제조 방법 및 그 통기성 합지
KR20140033093A (ko) * 2011-05-11 2014-03-17 데이진 아라미드 비.브이. 테입의 조합된 롤링 및 신장을 위한 공정

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JP2014517780A (ja) * 2011-05-11 2014-07-24 テイジン・アラミド・ビー.ブイ. テープの圧延と延伸の複合方法

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