JPH0754285A - ロープ - Google Patents

ロープ

Info

Publication number
JPH0754285A
JPH0754285A JP5202363A JP20236393A JPH0754285A JP H0754285 A JPH0754285 A JP H0754285A JP 5202363 A JP5202363 A JP 5202363A JP 20236393 A JP20236393 A JP 20236393A JP H0754285 A JPH0754285 A JP H0754285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rope
stretching
strength
molecular weight
usually
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5202363A
Other languages
English (en)
Inventor
Seizo Kobayashi
征三 小林
Takashi Mizoe
隆 溝江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP5202363A priority Critical patent/JPH0754285A/ja
Publication of JPH0754285A publication Critical patent/JPH0754285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/02Ropes built-up from fibrous or filamentary material, e.g. of vegetable origin, of animal origin, regenerated cellulose, plastics
    • D07B1/025Ropes built-up from fibrous or filamentary material, e.g. of vegetable origin, of animal origin, regenerated cellulose, plastics comprising high modulus, or high tenacity, polymer filaments or fibres, e.g. liquid-crystal polymers
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2001Wires or filaments
    • D07B2201/2002Wires or filaments characterised by their cross-sectional shape
    • D07B2201/2003Wires or filaments characterised by their cross-sectional shape flat
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2205/00Rope or cable materials
    • D07B2205/20Organic high polymers
    • D07B2205/201Polyolefins
    • D07B2205/2014High performance polyolefins, e.g. Dyneema or Spectra

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で、引張強度が高く、しかも安価な高強
度ロープを提供する。 【構成】 135℃のデカリン中における極限粘度が5
〜50dl/gである超高分子量ポリエチレンを延伸し
て得られるテープ状延伸物及び/又はかかる延伸物のス
プリット化物を撚り合わせてなることを特徴とするロー
プ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陸上、海洋及び船舶用
途等に使用されるロープに関する。更に、詳しくは、軽
量、高強度、耐水性、耐候性に優れた超高分子量ポリエ
チレンの特定形状延伸物を撚り合わせることにより得ら
れる軽量、高強度、耐水性、耐候性に優れたロープに関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】陸上、
海洋及び船舶用途等のロープにはポリエチレンやポリプ
ロピレン、あるいはナイロンやポリエステル等の合成繊
維製のロープが広く使用されている。しかしながら、ポ
リエチレンやポリプロピレン製ロープは引張強度が低い
という問題があった。またナイロンやポリエステル製ロ
ープも必ずしも十分な引張強度を有しているとはいえ
ず、しかも比重がそれぞれ約1.14、約1.38であ
り、比較的重いという問題点もあった。
【0003】一方、最近、強度という観点からみれば、
アラミド繊維あるいは超高分子量ポリエチレンの希薄溶
液より紡糸して得られるフィラメントを延伸することに
より得られる繊維(超高分子量ポリエチレン繊維)等の
高強度繊維を用いたロープが提案されている。しかし、
これらのロープについても、例えばアラミド繊維につい
ては、ロープ比重が約1.5と重く、また耐水性にも問
題があり、またいずれの高強度繊維も高価であるという
実用上の問題点がある。
【0004】更に、一般にロープは、素材である原糸を
まず下撚りし、次いで上撚りした後ストランドとし、更
にこれを撚り合わせるというように、数段階の撚り工程
を経て製造される。かかる工程において、原糸は、原糸
同士あるいは装置と部品との接触により傷つけられ、強
度は一般に低下する傾向にあるが、前記アラミド繊維あ
るいは超高分子量ポリエチレン繊維製ロープの場合は、
特にこの強度低下が著しく、従ってロープ強度が原糸強
度から期待される値よりもはるかに低いレベルを達成し
ているに過ぎない。このような従来技術の抱える問題点
の解決された、即ち、軽量で、引張強度が高く、しかも
安価な高強度ロープが望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、ある範
囲の極限粘度を持つ超高分子量ポリエチレンのテープ状
延伸物をロープの原糸として使用することにより、これ
らの問題が一気に解決され得ることを見いだした。
【0006】即ち、本発明は、135℃のデカリン中に
おける極限粘度が5〜50dl/gである超高分子量ポ
リエチレンを延伸して得られるテープ状延伸物及び/又
はかかる延伸物のスプリット化物を撚り合わせてなるこ
とを特徴とするロープである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明で用いる超高分子量ポリエチレン
は、135℃のデカリン中における極限粘度が5〜50
dl/gであるが、好ましくは8〜40dl/g、更に
好ましくは10〜30dl/gであるものが望ましく、
これは粘度平均分子量が5×105〜12×106 、9
×105〜9×106、12×105〜6×106 に相当
するものである。極限粘度が5dl/gより小さいと延
伸物の機械的強度が弱くなり、50dl/gを超えると
ポリエチレンの延伸等の加工性が低下する傾向にある。
【0009】加工前のポリエチレンの形状は特に限定さ
れるものではないが、顆粒状、粉末状のものが取扱上好
ましく、特に粒径が2000μm以下、好ましくは1〜
2000μm、更に好ましくは10〜1000μmのも
のが好適である。
【0010】超高分子量ポリエチレンとしては、超高分
子量のポリエチレン単独重合体に加え、エチレン成分を
主成分としたエチレンとα−オレフィンとの超高分子量
共重合体を包含するものである。かかるα−オレフィン
としては、炭素数が3〜20、好ましくは3〜10のも
のが望ましく、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、
オクテン−1等が挙げられ、これらを複数種用いてもよ
く、これらの含有量は特に限定されないが、30モル%
以下が望ましい。
【0011】なお、これらの製造方法は特に限定されな
いが、通常、マグネシウム及びチタン等の遷移金属元素
を含有するいわゆるチーグラー触媒により製造すること
ができる。
【0012】高分子量ポリエチレンを延伸する方法とし
ては、種々の方法を用いることができるが、例えば、溶
融工程を経た後延伸する方法、多量の溶媒に溶解した
後、シート状のゲル状物とした後延伸する方法、溶媒に
溶解させることなくまた一度も溶融工程を経ることなく
固相状態において延伸する方法等を挙げることができ
る。上記方法の中でも特に、固相状態において延伸する
方法が好ましい。
【0013】固相状態において延伸する方法を例にとり
説明する。この方法は超高分子量ポリエチレンをポリエ
チレン(被延伸物)の融点未満の温度において延伸する
ものである。
【0014】延伸方式としては種々の方法があり、その
方法としては本発明の目的を損なわない限り特に限定さ
れないが、例えば、まず、加熱手段としては熱風延伸、
シリンダー延伸、ロール延伸、熱板延伸等がある。ま
た、延伸張力をかける手段としてニップロール間で延伸
したり、クローバーロール、多段ロール間で張力をかけ
たり、ネルソンロール方式で延伸張力を保持しながら延
伸することも可能である。
【0015】延伸温度は、被延伸物の融点未満の範囲
内、通常、20〜160℃、好ましくは60〜150
℃、更に好ましくは90〜145℃、特に好ましくは9
0〜140℃である。また、延伸工程も一段だけでなく
多段で行うことができる。この場合、一段目より二段目
の方を高い温度で行うのが好ましい。
【0016】延伸及び/又はそれに先立つ圧延等の工程
を経ることにより、被延伸物の融点が出発原料の融点よ
りも高くなる場合があるが、被延伸物の融点未満である
限り、出発原料の融点を超える温度でも延伸操作を行う
ことができる。
【0017】延伸速度は、延伸の方法、ポリマーの分子
量、組成比により異なり、適宜に選択可能であるが、通
常1mm/min〜500m/minの範囲である。よ
り具体的には、回分式延伸の場合は、通常、1〜500
mm/min、好ましくは1〜100mm/min、更
に好ましくは5〜50mm/minの範囲である。一
方、連続延伸の場合には、通常、0.1〜500m/m
in、好ましくは1〜200m/min、更に好ましく
は10〜200m/minの範囲内である。なお、経済
性を考慮すれば、高速度の設定がより好ましい。
【0018】延伸倍率は、高倍率にするほど高強度の延
伸材料が得られるため、できるだけ延伸倍率を高めるこ
とが望ましく、通常、1.5〜50倍、好ましくは2〜
40倍、更に好ましくは、3〜30倍である。本発明に
おいては、圧延及び延伸の合計延伸倍率であるトータル
延伸倍率が、通常20倍以上、好ましくは30倍以上、
より好ましくは60倍以上、更に好ましくは80〜20
0倍とすることが望ましい。
【0019】以上、固相状態の延伸を例にとり説明した
が、この他にも、上記したゲル状延伸、即ち、超高分子
量ポリエチレン粉末を溶剤に溶解し、シート状のゲル状
物としたものをロール圧延した後引張延伸するか、又は
このゲル状物を引張延伸することによってもポリエチレ
ン延伸材料を製造することができる。この場合、超高分
子量ポリエチレンとともに固相延伸の場合と同様に官能
基を有する樹脂を混入した溶液を用いることもできる。
なお、ロール圧延及び引張延伸の条件は固相延伸の場合
と同一のものとすることができる。
【0020】本発明においては、延伸に先立ち、該ポリ
エチレンの融点未満での圧延工程を経る方法が望まし
く、かかる圧延工程に先立ち圧縮工程を採用することが
より好ましい。更に好ましくは、圧縮成形後、圧延し、
しかる後延伸する方法を採用することが望ましい。
【0021】圧縮成形工程及び/又は圧延工程は、超高
分子量ポリエチレンの融点(Tm0(℃))未満の温度
で行われることが望ましく、Tm0を超過する場合に
は、後の延伸工程に悪影響を与えることがある。このよ
うな固相状態における圧縮工程及び/又は圧延工程にお
いては、圧縮成形工程後又は圧延工程後における圧縮成
形物又は圧延物の融点(Tm1(℃))は次の関係式を
満足することが好ましい。
【0022】
【数1】Tm1≧Tm0−5 圧縮成形の方法は、特に限定されるものではなく、バッ
チ式、連続式のいずれでもよく、バッチ式圧縮型成形方
法としては、スライド式、回転式等の各種装置を用いた
方法が挙げられ、また、連続式圧縮成形方法としては種
々の方法があり、例えば、上下に対向した一対のエンド
レスベルトの間に前記ポリエチレンを挟み、エンドレス
ベルトを移動しつつ圧縮成形する方法等を挙げることが
できる。圧縮成形時に圧力は、広い範囲において選択さ
れるが、通常0.01MPa〜2GPa、好ましくは1
〜500MPaの範囲内において選択されることが望ま
しい。特に連続式の場合、方法を適宜選択することによ
り、通常0.01〜10MPa、好ましくは0.1〜5
MPa程度の低圧力でも十分圧縮成形が可能である。ま
た圧縮成形時の温度は超高分子量ポリエチレンの融点未
満の温度であることが好ましく、通常20℃〜融点未
満、好ましくは90〜140℃、更に好ましくは110
〜135℃の範囲である。
【0023】圧縮成形工程においては、本発明の目的を
損なわない範囲でデカリン、キシレン、n−パラフィン
等の液状有機化合物を混在させてもよい。
【0024】圧延方法としてはロール圧延等の公知の方
法を用いることができ、超高分子量ポリエチレンあるい
は前記超高分子量ポリエチレン圧縮成形シートを溶融さ
せることなく固相状態に保持したまま回転方向の異なる
圧延ロールにより挟圧して圧延シート又はフィルムが得
られる。このときの圧延操作による材料の変形比は、広
く選択することができ、通常、圧延倍率(圧延後の長さ
/圧延前の長さ)1.2〜20、好ましくは1.5〜1
0の範囲で選択される。このときの温度としては、通常
20℃以上用いる超高分子量ポリエチレン粉末の融点未
満、好ましくは50℃以上融点未満、更に好ましくは9
0〜140℃、特に好ましくは110〜135℃の範囲
の温度である。もちろん、上記の圧延操作を1回以上繰
り返し、多段で圧延することもできる。
【0025】上記圧縮成形工程及び/又は圧延工程にお
いては、官能基を有する各種樹脂又はそれらのシラン変
性物を被加工物中に介在又は混在させてもよい。前記官
能基を有する樹脂としては、例えば、エチレン重合体又
はエチレン・α−オレフィン共重合体等を不飽和カルボ
ン酸及び/又はその誘導体及び有機過酸化物の存在下で
グラフト反応して得られる変性エチレン重合体又は変性
エチレン共重合体、あるいはコモノマー濃度が30重量
%以下のエチレンビニルエステル共重合体又はそのケン
化物、あるいはエチレン・アクリル酸エステル又はその
金属塩等を挙げることができる。
【0026】かくしてポリエチレン延伸物が得られる。
延伸物は、引張弾性率が通常60GPa以上、より一般
的には80GPa以上、更に一般的には120〜150
GPaである。また引張強度は、通常、0.7GPa以
上、より一般的には1.5GPa以上、更に一般的には
2GPa以上の物性値を有するものである。
【0027】また、延伸物の形状は、テープ状であり、
通常その幅は1mm以上、一般的には1mm〜1m、好
ましくは2mm〜10cmであり、その厚さは一般的に
は10μm〜500μm、好ましくは15μm〜200
μm程度が望ましく、幅/厚さの比は、特に限定される
ものではないが、通常3〜1000、好ましくは10〜
200程度が好ましい。また、その繊度は通常100〜
10000デニール、好ましくは400〜5000デニ
ールとすることが望ましい。
【0028】本発明におけるロープは上記テープ状延伸
物又はそのスプリット化物を撚り合わせて得られるもの
である。ここで、スプリット化物について説明する。
【0029】スプリット化の方法としては、特に限定さ
れるものではなく従来公知の方法を用いることができ
る。例えばテープ状の延伸物を、叩打する方法、捻転す
る方法、摩擦する方法、ブラッシュする方法等の機械的
方法やエアージェットによる方法、超音波により割れ目
を入れる方法、爆発風により処理する爆発法等が挙げら
れる。
【0030】本発明においては、機械的方法が好まし
く、特に回転式機械的方法の採用が好ましい。かかる機
械的な方法としては、タップネジ状スプリッター、ヤス
リ状粗面体スプリッター、針ロール状スプリッター等の
各種形状のスプリッターを用いる方法を例示することが
できる。なお、タップネジ状スプリッターとしては、通
常、5角や6角の角形であり、1インチ当り10〜40
個、好ましくは15〜35個のネジ山を有するものが望
ましい。また、ヤスリ状スプリッターとしては、本発明
者らの考案(実公昭51−38980号公報)になるも
のが好適である。円形断面軸の表面は鉄工用丸ヤスリ目
又はこれに類似の粗面体であり、その面に2条のらせん
溝を等ピッチに削ったものである。
【0031】使用するスプリット化装置としては特に限
定されないが、基本的にはニップロールとニップロール
との間に、回転式のスプリッターを配置し、延伸物を張
力をかけつつ移動させ、回転式のスプリッターに接触さ
せる方法が代表例として挙げられる。このときの延伸物
の移動速度は、特に限定されないが、通常1〜1000
m/分、好ましくは20〜300m/分である。また、
スプリッターの回転速度(周速度)は、延伸物の物性、
移動速度、目的とするスプリット化ポリエチレンの性状
により適宜選択され得るものであるが、通常、10〜3
000m/分、好ましくは50〜1000m/分であ
る。また、延伸物とスプリッターの接触角は、通常30
〜180度、好ましくは60〜90度であることが望ま
しい。
【0032】ブラッシュする方法や回転式スプリッター
を用いる方法においては、その操作は延伸物に張力をか
けながら行うことが好ましく、前述した延伸物の高い引
張弾性率との関連において、通常延伸物が0.1〜3
%、好ましくは0.5〜2%変形(伸び)する程度の張
力をかけながら行うことが望ましい。この場合、スプリ
ット化装置にテープの張力を一定に保つ張力コントロー
ラを設置するのも有効な手段である。
【0033】また、スプリット化の際の温度は、通常−
20〜+100℃、好ましくは−5〜+50℃、更に好
ましくは0〜20℃の範囲が採用される。なお、これら
の方法としては具体的には米国特許公報第218578
9号、同3214899号、同2954587号、同3
662935号、同3693851号、特公昭36−1
3116号、特公昭43−16909号等に例示されて
いる。
【0034】スプリット化に供されるテープ状延伸物の
厚さは、通常10〜200μm、好ましくは30〜10
0μmとすることが好ましい。厚さが10μmより薄い
とテープ状延伸物が縦方向に裂けることがあり、また得
られるスプリット化物が毛羽だったり、スプリッターに
巻き付いたりして、品質や工程が安定しないことがあ
る。200μmを越えるとスプリット性が悪くなり易
い。
【0035】スプリット化物の幅は、通常10〜500
μm、好ましくは50〜200μmとすることが好適で
ある。スプリット化物の繊度は、通常、スプリット化前
のテープ状物とほぼ同様のデニール数とすることが好ま
しい。
【0036】超高分子量ポリエチレン延伸物のスプリッ
ト化物は、柔軟性を有すると共に高い強度を有し、スプ
リット処理後の強度としては、通常0.4GPa以上で
あり、撚りをかけることにより更に強度を高めることが
でき、スプリットする前のテープ状延伸物とほぼ同様の
強度とすることができる。50〜500回/mの範囲内
に撚りをかけたときの引張強度の最高値は少なくとも
0.7GPa以上であり、一般的には1GPa以上、更
に一般的には1.5GPa以上であり、このような値は
約8g/d以上、一般的には約11.5g/d以上、更
に一般的には約17g/d以上の高強度に相当するもの
である。
【0037】本発明においては、ロープの柔軟性という
観点から、テープ状延伸物のスプリット化物を原糸とし
て使用することが特に好適である。
【0038】上記のごとく製造した原糸からロープを撚
り合わせる方法について説明する。但し以下の説明は本
発明を限定するものではない。
【0039】本発明のロープは、テープ状延伸物及び/
又はそのスプリット化物を原糸として、かかる原糸を公
知の手段により所望の本数編組して所望の繊度及び撚り
を有するロープとするものである。
【0040】原糸は編組される前に予め撚り合わされて
いてもよく、その度合は特に限定されないが、通常20
〜500回/m、好ましくは50〜200回/m程度と
することが好適である。
【0041】ロープの形態として好適なものは、例え
ば、三打ち、六打ち等の撚り構造、八打ち、十二打ち、
二重組打索等の編み構造、芯部材の外周を例えばヤーン
又はストランドを交差させながら螺旋状に巻き回すこと
等により鞘部材で被覆した二重構造(ダブルブレード構
造)、ユニラインパラレルヤーンコア構造等を挙げるこ
とができる。
【0042】撚り合わせ方法としては、特に限定されな
いが、JIS−L2701(1992)、JIS−L2
703(1992)、JIS−L2704(199
2)、JIS−L2705(1992)、JIS−L2
706(1992)等に例示されているような方法を適
宜選択して用いることができる。
【0043】撚り回数は特に限定されないが、通常、例
えば、下撚り数は30〜500回/m、好ましくは50
〜300回/m、上撚り数は20〜200回/m、好ま
しくは20〜100回/m程度が望ましい。
【0044】また、常法によりロープの全体もしくはロ
ープの外周部分付近に樹脂を含浸、塗布してもよく、か
かる樹脂としては、超高分子量ポリエチレン延伸物の融
点よりも低い温度で反応又は脱溶媒すること等により実
質的に固化するものが好ましく、例えば、ポリエーテル
系ウレタン、ポリエステル系ウレタン、脂肪族炭化水素
系(共)重合体等の熱可塑性樹脂、ウレタンアクリレー
ト樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等
が挙げられ、樹脂の含浸量、塗布量は用途等により本願
発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択されるところ
である。更に、本発明のテープ状延伸物及び/又はかか
る延伸物のスプリット化物をそれ以外の繊維、例えば、
超高分子量ポリエチレン繊維、ケブラー繊維、ナイロン
繊維等の繊維と組み合わせてロープとすることもでき
る。
【0045】
【発明の効果】本発明のロープは、ロープを構成する超
高分子量ポリエチレン延伸原糸の1本の単位長さあたり
の重量、即ち繊度が、従来のアラミド繊維又は従来の超
高分子量ポリエチレン繊維の少なくとも10倍、通常5
0〜100倍である。従って、従来ロープと同じ太さの
ものを製造する場合、撚り工程数を減少させることがで
きるので、撚り工程における糸の傷つきを減少させるこ
とができる。さらに、撚り工程により糸が傷ついても繊
度が大きいのでロープ材料全体からみれば損傷レベルが
軽微であり、ロープにしたときの原糸の強度低下が従来
品に比べ小さく、それ故、高引張強度のロープが得られ
るものである。
【0046】更に、本発明のロープは、超高分子量ポリ
エチレンを出発原料としているので、当然、ロープとし
て軽量であり、且つ機械的強度、耐摩耗性、耐候性、耐
水性、耐衝撃性、耐クリープ性等に優れている。
【0047】本発明のロープはあらゆる用途に利用可能
であり、例えば、船舶用ロープ、海洋用ロープ、河川用
ロープ、漁業用ロープ、陸上用作業ロープ、航空用ロー
プ等あらゆる用途に利用可能である。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0049】実施例1 1.原糸製造 チーグラー系触媒により製造された超高分子量ポリエチ
レン粉末(135℃デカリン中における極限粘度が2
0.7dl/g)を下記連続圧縮成形装置を用いて13
0℃の温度下、材料への平均圧力約6kg/cm2で加
圧し、肉厚約1mm、幅100mmのシートを連続的に
製造した。
【0050】〈連続圧縮成形装置〉 (1)1対2組のロール:径500mm、面長300m
m (2)1対のスチール製エンドレスベルト(各々1対の
(1)記載のロールにより支持):肉厚0.6mm、幅
20mm (3)小径ローラ((2)記載のベルトの圧縮面を支
持):径12mm、面長250mm (4)加圧プレート((3)記載の小径ローラを介して
(2)記載のベルトを内側より加圧):幅200mm 次に、この圧縮成形シートを表面温度が140℃に調節
された1m/minの上下同一速度で互いに反対方向に
回転する一対のロール間(ロール間距離30μm)に供
給し、圧延を行い圧延倍率7倍のフィルムを得た。
【0051】次いで、この圧延フィルムをスリッターで
幅5mmにカットし、テープ状とし、これをロール延伸
装置を使用して3段階(1段目:140℃、4倍、2段
目:145℃、2.5倍、3段目:150℃、1.5
倍)の引張延伸を行った。圧延を含めたトータル延伸倍
率は105倍であり、結果として厚み45μm、幅2m
mの超高分子量ポリエチレン延伸テープ(約800デニ
ール相当)を得た。
【0052】続いて、このテープ状延伸物をスプリッタ
ー(6角断面形状(32山/インチのタップねじ状突
起、径25mm)のものを回転)によりスプリット化
し、延伸物のスプリット化物を得た。
【0053】これを100回/mの撚りをかけ、原糸と
した。この原糸の引張強度は17.0g/デニールであ
った。
【0054】2.ロープの製造 まず、下撚り工程として、スプリット化された前記原糸
60本を撚り合わせた。次いてその撚り合わせたもの2
本を上より工程で逆方向に撚り合わせ、ストランドとし
た。次にこのストランド6本を撚り合わせることによ
り、径約14mmのロープとした。
【0055】得られたロープ(800デニール×60本
×2本×6本)の引張強度は5.1トン、伸度は10.
7%、理論強度(原糸強度×原糸本数)9.8トン、強
度利用率(ロープ強度×100/理論強度)は52%で
あり、強度に優れ、且つ強度利用率にも優れていた。
【0056】比較例1 市販のナイロンマルチフィラメント(6.2デニール、
引張強度8.1g/デニールのフィラメント136本の
束で撚り数が120回/m)を用い、まず、下撚り工程
として、このマルチフィラメント58本を撚り合わせ
た。次いで、その撚り合わせたもの2本を上撚り工程で
逆方向に撚り合わせ、ストランドとした。次に、このス
トランド6本を撚り合わせることにより、径約12mm
のロープとした。
【0057】得られたロープ(6.2デニール×136
本×58本×2本×6本)の引張強度は2.9トンであ
った。理論強度は4.7トン、強度利用率62%、伸度
35.5%であり、強度利用率は高いものの強度そのも
のが小さく、伸度の点からも本発明ロープと比べると劣
るものである。
【0058】比較例2 市販のポリエチレンフィラメント(400デニール、引
張強度5.3g/デニール)を用い、これをまず下撚り
工程として60本を撚り合わせた。次いで、その撚り合
わせたもの4本を上撚り工程で逆方向に撚り合わせ、ス
トランドとした。次に、このストランド6本を撚り合わ
せることにより、径約14mmのロープとした。
【0059】得られたロープ(400デニール×60本
×4本×6本)の引張強度は2.1トンであった。理論
強度は3.1トン、強度利用率68%、伸度19.6%
であり、強度利用率は高いものの強度そのものが小さ
く、伸度の点からも本発明ロープと比べると劣るもので
ある。
【0060】比較例3 市販の超高分子量ポリエチレン繊維マルチフィラメント
(8.3デニール、引張強度29g/デニールのフィラ
メント60本を120回/m撚り合わせたもの)を用
い、これを、下撚り工程として48本を撚り合わせた。
次いで、その撚り合わせたもの4本を上撚り工程で逆方
向により合わせ、ストランドとした。次に、このストラ
ンド6本を撚り合わせることにより、径約12mmのロ
ープとした。
【0061】得られたロープ(8.3デニール×60本
×48本×4本×6本)の引張強度は5.32トンであ
った。理論強度は14.7トン、強度利用率36%、伸
度9.5%であり、引張強度と伸度は本発明ロープとほ
ぼ同等であるが、強度利用率が著しく低いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 135℃のデカリン中における極限粘度
    が5〜50dl/gである超高分子量ポリエチレンを延
    伸して得られるテープ状延伸物及び/又はかかる延伸物
    のスプリット化物を撚り合わせてなることを特徴とする
    ロープ。
JP5202363A 1993-08-16 1993-08-16 ロープ Pending JPH0754285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5202363A JPH0754285A (ja) 1993-08-16 1993-08-16 ロープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5202363A JPH0754285A (ja) 1993-08-16 1993-08-16 ロープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0754285A true JPH0754285A (ja) 1995-02-28

Family

ID=16456271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5202363A Pending JPH0754285A (ja) 1993-08-16 1993-08-16 ロープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0754285A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4962776A (en) * 1987-03-26 1990-10-16 Regents Of The University Of Minnesota Process for surface and fluid cleaning
JP2014114362A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Toyobo Co Ltd ポリエチレンテープ、ポリエチレンスプリットヤーン及びそれらの製造方法
JP2015501394A (ja) * 2011-11-02 2015-01-15 テイジン・アラミド・ビー.ブイ. 使用中の強度損失が小さいポリエチレンロープ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4962776A (en) * 1987-03-26 1990-10-16 Regents Of The University Of Minnesota Process for surface and fluid cleaning
JP2015501394A (ja) * 2011-11-02 2015-01-15 テイジン・アラミド・ビー.ブイ. 使用中の強度損失が小さいポリエチレンロープ
JP2014114362A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Toyobo Co Ltd ポリエチレンテープ、ポリエチレンスプリットヤーン及びそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100943592B1 (ko) 폴리에틸렌 섬유 및 이를 포함하는 시멘트 모르타르 또는 콘크리트 보강용 섬유상물
JP4155231B2 (ja) 高強度ポリエチレン繊維を含むネット
AU593533B2 (en) Shaped polyethylene articles of intermediate molecular weight and high modulus
EP0205960B1 (en) Very low creep, ultra high moduls, low shrink, high tenacity polyolefin fiber having good strength retention at high temperatures and method to produce such fiber
CA2708550C (en) Process for spinning uhmwpe, uhmwpe multifilament yarns produced thereof and their use
FI93865C (fi) Sulakehrätty luja polyeteenikuitu
WO2016069472A1 (en) High strength small diameter fishing line
JPS5841908A (ja) 高強力モノフイラメントの製造方法
Yu et al. The structure and mechanical property of silane-grafted-polyethylene/SiO2 nanocomposite fiber rope
KR900006037B1 (ko) 견인 로프
JPH0754285A (ja) ロープ
JP3734077B2 (ja) 高強度ポリエチレン繊維
US4104445A (en) Method for making steel wire
HU229839B1 (hu) Eljárás szénszál prekurzor akril fonal elõállítására
JP2599751B2 (ja) 窓ブラインド用紐
JPH06158568A (ja) 合成樹脂で被覆した高強度ポリエチレン繊維製のロー プ、紐またはネット
JPH0192408A (ja) 芳香族ポリエステル繊維の製造方法
JP2003064525A (ja) 高強度ポリエチレン繊維
JP3105225B2 (ja) 延伸ロープの製造方法
JPS61613A (ja) 高比重糸の製造方法
JPH0140123B2 (ja)
JPH04272226A (ja) 高強力・高弾性率複合繊維
JP3849861B2 (ja) ロープ
JPH08174657A (ja) 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法
JPH0823084B2 (ja) 高破断エネルギーを有する超高分子量エチレン・α―オレフィン共重合体延伸成形体