JPH07156175A - 高強度・高弾性率ポリオレフィン材料の連続的製造方法 - Google Patents

高強度・高弾性率ポリオレフィン材料の連続的製造方法

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JPH07156175A
JPH07156175A JP30520793A JP30520793A JPH07156175A JP H07156175 A JPH07156175 A JP H07156175A JP 30520793 A JP30520793 A JP 30520793A JP 30520793 A JP30520793 A JP 30520793A JP H07156175 A JPH07156175 A JP H07156175A
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JP
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powder
polyolefin
compression
stretching
gradient
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JP30520793A
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Seizo Kobayashi
征三 小林
Takashi Mizoe
隆 溝江
Yasuo Noguchi
泰雄 野口
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Eneos Corp
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Nippon Oil Corp
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 上下に対向する一対のエンドレスベルトによ
り圧縮成形し次いで圧延、延伸する高強度・高弾性ポリ
オレフィン材料の製造において、入口部の厚みが出口部
分より厚くなるような勾配を有する加圧プレートを用い
て圧縮成形する方法。 【効果】 空気の巻込みがないので延伸切れが減少し、
均質材料が効率良く得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度・高弾性率ポリオ
レフィン材料の連続的製造法に関し、更に詳しくは、ポ
リオレフィン粉末を融点未満の温度下に特定装置により
圧縮形成し、次いで圧延し、さらに加熱体と接触させな
がら延伸することにより高強度・高弾性率ポリオレフィ
ン材料を連続的にかつ効率よく製造する方法の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】分子量が著しく高いいわゆる超高分子量
のポリオレフィンは、耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また
自己潤滑性を有する等特徴のあるエンジニアリングプラ
スチックとして各種の分野で使用されている。この超高
分子量のポリオレフィンは、汎用のポリオレフィンに比
較して遥かに分子量が高いので、高配向させることがで
きれば高強度、高弾性を有する成形物が得られることが
期待されるので、その高配向化が種々検討されてきた。
【0003】しかしながら、超高分子量のポリオレフィ
ンは、汎用ポリオレフィンに比べ、溶融粘度が高く、通
常の方法では成形加工性が著しく悪く、また、延伸して
高配向化することもできないのが現状である。
【0004】ポール・スミス、ビーター・ヤーン・レム
ストラ等は超高分子量ポリオレフィンのデカリン溶液
(ドープ)から得たゲルを高倍率に延伸し、高強度・高
弾性率の繊維を製造する方法を提案している(特開昭5
6−15408号)。そのドープ中のポリマー濃度は、
重量平均分子量150万のもので3重量%、400万の
ものでは1重量%と極めて低濃度でしか実施されておら
ず、実用化においては多量の溶媒を使用し、かつ高粘度
の溶液の調製方法、取り扱い面、更に経済性等の面で著
しく不利である。
【0005】上述の問題点を解決するために、本発明者
らは、超高分子量のポリエチレン粉末を、溶解または溶
融することなしに該粉末の融点未満の温度下に圧縮成形
し、次いで圧延および延伸して高強度・高弾性率ポリエ
チレン材料を製造する方法を提案した(特開昭63−4
1512号及び特開昭63−66207号)。
【0006】さらに、本発明者らは、生産性が劣るバッ
チ方式の圧縮成形工程を、ダブルベルト式の連続的加圧
手段を用いる方法に改め、高強度・高弾性率材料を連続
的に製造する方法を提案した(特開平2−258237
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
に開示された方法は加圧手段がバッチ方式のため生産性
が低かったり、連続式の場合においてもポリオレフィン
粉末が加圧部分に入る際に空気を巻き込んだり、またか
さ密度が不均一になる傾向がみられ、これらは延伸切れ
の原因となり、成形安定性に欠けるという問題点があっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン
粉末をダブルベルト式の加圧手段により該粉末の融点未
満の温度の下で圧縮成形し次いで圧延および延伸するこ
とにより高強度・高弾性率のポリオレフィン材料を製造
する方法において、圧縮成形の際に入口部が出口部より
厚くなるような勾配のついた加圧プレートを用いて行う
ことにより、ポリオレフィン粉末が加圧部分に供給され
る際に空気の巻き込みによるボイドの発生が抑制され、
延伸切れがきめて少く、安定した延伸ができることを見
出したものである。
【0009】すなわち、本発明は、上下に対向させた一
対のエンドレスベルトの間にポリオレフィン粉末を供給
し、該ポリオレフィン粉末をエンドレスベルトで挟みつ
つ移動させるとともに、該エンドレスベルトの内側に設
けられた加圧プレートおよび該加圧プレートとエンドレ
スベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラー
群からなる加圧手段により、ポリオレフィン粉末を該粉
末の融点未満の温度の下に圧縮成形し、次いで圧延およ
び延伸する方法において、加圧部分の入口部の厚みが出
口部分より厚くなるような勾配を有する加圧プレートを
用いて圧縮成形することを特徴とする高強度・高弾性率
ポリオレフィン材料の連続的製造方法に関する。
【0010】
【発明を実施するための好適な態様】本発明の方法は、
重合および成形加工工程、具体的には圧縮成形、圧延お
よび延伸工程において、ポリオレフィンを溶融あるいは
溶媒中に溶解するような繁雑な操作を経ることなく、特
定する加圧手段を用いることにより、優れた物性を有す
る高強度・高弾性率ポリオレフィン材料を連続的にかつ
容易に製造することができる優れた特徴を有するもので
ある。
【0011】本発明の高強度・高弾性率ポリオレフィン
材料の連続的製造方法に用いられるポリオレフィンとし
ては、炭素数2〜8、好ましくは2〜6のα−オレフィ
ンの単独重合体、例えば、低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等、あ
るいは、炭素数の異なるα−オレフィンとの共重合体、
例えば、エチレンと炭素数3〜12、好ましくは3〜8
のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4
〜12、好ましくは4〜8のα−オレフィンとの共重合
体等が挙げられる。
【0012】なお、本発明で用いられるこれらのポリオ
レフィンは、一般に分子量が高い方がより高強度・高弾
性率を有する材料を得ることができるので望ましい。例
えば、ポリエチレンの場合、粘度平均分子量が50万〜
1200万、好ましくは90万〜900万、更に好まし
くは120万〜600万、135℃、デカリン中におけ
る極限粘度で表記すれば、5〜50dl/g、好ましく
は8〜40dl/g、より好ましくは10〜30dl/
gである、いわゆる超高分子量ポリエチレンであること
が望ましく、また、ポリプロピレンの場合においても、
分子量が100万以上であることが好ましい。
【0013】また、これらのポリオレフィンの形状は特
に限定されないが、通常、顆粒状ないしは粉末状のもの
が好ましく用いられる。例えばポリエチレンの場合、粒
径2000μm以下、好ましくは1000μm以下が望
ましい、また、その粒径分布は狭い方が良好なシートが
得られる。
【0014】本発明の高強度・高弾性率ポリオレフィン
材料の連続的製法においては、まずポリオレフィン粉末
を連続的に圧縮成形し、圧縮成形シートを形成する。
【0015】この圧縮成形シートを形成するために用い
られる装置について具体例である図1に基づき簡略に説
明する。
【0016】この装置は、基本的にはロール1〜4によ
り張力がかけられた上下に対向させた一対のエンドレス
ベルト5,6と、このエンドレスベルトを介して、粉末
試料を加圧するための加圧プレート7と、加圧プレート
とエンドレスベルトとの間に回転自在で互いに連結され
たローラー群8とからなる加圧手段を有している。これ
らのローラーは、両端の中心軸がそれぞれチェーン9で
固定され、加圧プレートの前後に配設したスプロケット
10にこのチェーンを噛み合わされている。
【0017】エンドレスベルトとしては、通常、肉厚が
0.1〜1.5mm程度のもので、被圧縮物に接触する
エンドレスベルト表面が鏡面状に研磨されたものが好適
に使用できる。エンドレスベルトの肉厚が薄過ぎると変
形や傷を受けやすくなり、また厚いとエンドレスベルト
に張力を加えるロールの径が大きくなり、装置全体が大
型化するため好ましくない。エンドレスベルトの材質と
しては、ステンレスが代表的なものとして挙げられる
が、適当な他の金属製ベルトの単一体や、これらのベル
トにフッ素樹脂等の樹脂類をコーティングしたもの等も
使用できる。
【0018】本発明における加圧手段はエンドレスベル
トの内側に設けられた加圧プレートおよび加圧プレート
とエンドレスベルトとの間に回転自在な互いに連結され
たローラー群からなる。
【0019】ポリオレフィン粉末が上下の加圧プレート
間に挟れて圧縮されるが、該粉末が本格的に加圧される
前に予備圧縮を行うことによって該粉末のかさ密度を均
一化するために、上下加圧プレート間の間隙を入口側が
出口側より大きくなるような水平方向に対して勾配面を
有する加圧プレートが用いられる。
【0020】この勾配は使用するポリオレフィン粉末の
形状や成形速度により異り、一概に限定はできないが、
通常、1/1000〜1/10、好ましくは1/500
0〜1/50の範囲である。
【0021】また、勾配は加圧プレート全長にわたって
均一につけてもよいが、好ましくは入口部のみ、例えば
全長の1/2〜1/20、好ましくは1/3〜1/10
の部分に勾配を設け、その他の部分は平行にするのが望
ましい。さらに勾配は上下の加圧プレートの両方につけ
ても片側のみにつけてもよいが、通常は上の加圧プレー
トに勾配がつけられる。また、勾配は単純な直線的なも
のは勿論、入口側から出口側に向かって次第に勾配が大
きくまたは小さくなる曲線状のものでも良い。
【0022】加圧プレートのエンドレスベルト走行方向
の長さは、通常10〜500cm、好ましくは20〜2
00cm程度が適当である。
【0023】加圧プレートがエンドレスベルトに加える
平均圧力は、通常100kg/cm 2 未満、好ましくは
0.1〜80kg/cm2 、更に好ましくは0.5〜5
0kg/cm2 、特に好ましくは1.0〜20kg/c
2 、更に特に好ましくは5.0〜10kg/cm2
ある。
【0024】加圧プレートは、エンドレスベルトを介し
てポリオレフィン粉末を加圧することが第一義的な役割
であるが、同時に被圧縮物の加熱手段としても使用する
ことが可能である。本発明の方法においては、被圧縮物
であるポリオレフィン粉末の融点未満の温度で圧縮工程
が実施され、この工程は引き続いて実施される圧延、延
伸工程を経ることによって高強度・高弾性率ポリオレフ
ィン材料を得る上で極めて重要である。しかしながら、
良好な圧縮成形シートを得るには、融点未満の温度では
あっても許容できる範囲内であることが望ましい。すな
わち、例えばポリエチレンについては通常50℃以上、
好ましくは90〜140℃、ポリプロピレンについては
通常90℃、好ましくは130℃以上で、かつそれぞれ
の融点未満の温度が望ましい。
【0025】加圧プレートとエンドレスベルトとの間に
介在させる回転自在な互いに連結されたローラー群とし
ては、そのローラー群におけるローラーの回転軸がエン
ドレスベルトの進行方向にほぼ垂直に配置され、かつ相
互に接触しない程度に密接させて多数配列されたものが
適当である。
【0026】このローラーの外径としては、小径のも
の、具体的には5〜30mm程度が好ましい。ローラー
の外径が小さ過ぎる場合には、エンドレスベルトに印加
される局部的な線圧が大きくなり過ぎ、エンドレスベル
トに小径ローラーの跡がつきやすく、かつエンドレスベ
ルトが変形しやすい。また、ローラーの外径が大き過ぎ
る場合には、加圧部(加圧プレート7)を長くすること
が必要である。加圧部が短い場合には、加圧部でのロー
ラーの本数が不足し、良好な圧縮成形シートが得られな
い。このローラー群はエンドレスベルトと加圧プレート
との間に固定して介在させてもよい。
【0027】この例示された装置を用いて本発明の高強
度・高弾性率ポリオレフィン材料の連続的製造方法を実
施するには、まず、ホッパー14内に投入されたポリオ
レフィン粉末を所定の断面形状を有するホッパー出口か
ら走行する下方のエンドレスベルト上に落下させる。エ
ンドレスベルトの走行速度は、加圧プレートの長さ、圧
縮条件にも依存するが、通常は50〜200cm/分程
度が適当である。エンドレスベルト上のポリオレフィン
粉末は、必要により予備加熱器12により所定の温度ま
で予備加熱されたのち、上下のエンドレスベルトによる
挟圧部まで移動され、次いでローラー群と加圧プレート
7とが配設された圧縮部へ移行される。ここで、油圧シ
リンダー(図示せず)からの圧力が、図2により示され
る油圧ピストン15から加圧プレートへ伝達され、更に
ローラー群、エンドレスベルトを経て被圧縮物に圧縮力
が加えられる。
【0028】加圧プレート7への加熱手段11の配設態
様としては、断熱部13を設けた上で加圧プレート内に
電熱ヒーターを埋め込んでもよいし、加圧プレート内に
熱媒体の循環流路を配設して熱媒体を用いて加熱しても
よい。
【0029】このようにして圧縮成形された圧縮成形シ
ートは、ロール部を通過したのち、エンドレスベルトか
ら離れる。このようにして圧縮成形シートが連続的に成
形される。なお、これらの圧縮成形されたシートは通常
0.2〜2mm、好ましくは0.5〜1.5mmの肉厚
とするのが望ましい。
【0030】本発明においては、高強度・高弾性率ポリ
オレフィン材料を、かくして得られる圧縮成形シートを
更に圧延し、次いで延伸することにより得るものであ
る。
【0031】圧延方法としては公知の方法を用いること
ができるが、ポリオレフィンを溶融させることなく固相
状態に保持したまま回転方向の異なる圧延ロールにより
挟圧して圧延シートまたはフィルムを得る。この時、圧
延操作による材料の変形比は広く選択することができ、
通常、圧延後の長さ/圧延前の長さで示される圧延倍率
として1.2〜20、好ましくは1.5〜10とするの
が望ましい。この時の温度としては20℃以上融点未
満、好ましくは90℃以上融点未満である。例えば、ポ
リエチレンを用いる場合においては、通常、50℃以上
融点未満、好ましくは90〜145℃、更に好ましくは
100〜140℃で圧延操作を実施することが望まし
い。もちろん、上記圧延操作を一回以上の多段圧延する
ことができる。
【0032】圧延に次いで行われる延伸工程は、圧延物
を加熱体と接触させながら延伸することが好ましく、接
触式の引張延伸装置が用いられる。例えば、延伸張力を
かける手段としては、ニップロール間で張力をかけた
り、クローバーロール間、多段ロール間で張力をかけた
り、ネルソンロール方式で延伸張力を保持する方法等が
挙げられる。
【0033】加熱体としては、固定式または回転ロール
等のように被延伸物とともに移動するもののいずれでも
よく、具体的には、熱ロール、熱板等が例示できる。も
ちろん、これらの加熱体を延伸張力をかける各種ロール
と兼用してもよく、また複数用いてもよいが、熱ロール
を複数本用いる場合は、ロール間距離をできるだけ接近
させて配置することが望ましい。
【0034】前記ニップロールは通常ゴムロールと金属
ロールの一対で用いられるが、一本の金属ロールに対し
て複数本のゴムロールでニップしたり、一本のゴムロー
ルが複数本の金属ロールに対してニップしたり、あるい
はこれらのユニットを複数配置する等種々の方式を用い
ることができる。これらニップロールの一部もしくはす
べてのロール、例えば、金属ロールを、加熱体の一部に
兼用することも可能である。更に、2本の金属ロールを
やや傾斜させて配置してこの2本のロール面上を被延伸
物を数回巻回させる、いわゆるコデットロール方式等も
ニップロールの範囲に含まれる。
【0035】なお、上記の加熱体と接触する操作には、
例えばシリコンオイル等に代表される様な液状熱媒体を
加熱体として用い、この中に被延伸物を浸漬し、液状熱
媒体により接触加熱する手段をも包括するものである。
【0036】これらの延伸工程について、一例である図
3に基づき簡略に説明する。
【0037】前記圧延操作で得られた圧延シート20は
スリッター21により所定の幅にカットされ入口側ニッ
プロール22,22′,22″を通過後、加熱体23,
23′,23″に接触しながら、所定の延伸温度に昇温
される。被延伸物は各入口側および出口側22と2
2′、22′と22″、22″と26それぞれの位置の
通過速度が規制され、両者の速度差により張力が生じ、
延伸される。かくして得られた延伸テープは冷却ロール
25により冷却されボビン27に巻き取られる。図3に
おいてはクローバー型に配置された3本の金属ロールを
加熱体および冷却体として使用する一方で、ニップロー
ル22,22′,22″,26が2本の金属ロールに対
してニップする方式の一例である。
【0038】延伸速度(図3においては、出口側ニップ
ロール26の回転速度に相当)は、通常、0.1〜10
00m/分であるが、経済性を考慮すると高速度の方が
好ましく、通常2m/分を越え、更に好ましくは3〜5
00m/分、特に好ましくは、5〜200m/分の範囲
で行うことが好ましい。
【0039】引張延伸における温度は、ポリマーの融点
未満で行われるが、例えば、超高分子量ポリエチレンを
用いた場合、通常20〜160℃、好ましくは20〜1
50℃、更に好ましくは90〜145℃、特に好ましく
は90〜140℃の範囲である。
【0040】必要に応じて、前記接触式加熱体の他に、
該加熱体に接近して赤外線ヒータ等の補助加熱手段を併
用することもできる。また、延伸工程全体を所定の延伸
温度になるように制御された空気層の中に入れて行うこ
ともできる。ただし、この場合、被延伸物を加熱体に接
触させずに加熱空気中を通過させるだけでは2m/分を
越える経済的な速度で延伸することは困難となりやす
い。
【0041】延伸倍率は高倍率にするほど高強度で高弾
性率が達成できるため、できる限り高めることが望まし
く、本発明の方法においては、例えば、超高分子量ポリ
エチレンを用いた場合には、少なくとも20倍以上、通
常60倍以上、好ましくは80〜200倍のトータル延
伸倍率(圧延および引張延伸の合計延伸倍率)が可能で
ある。
【0042】かくして、高強度・高弾性率ポリオレフィ
ン材料が高効率に製造される。本発明の方法によれば、
例えば、ポリオレフィンとしてポリエチレンを用いた場
合、引張弾性率120GPa以上、引張強度2GPa以
上のポリエチレン材料が得られ、極めて高強度・高弾性
率のポリオレフィン材料が安定的に得られる。
【0043】
【実施例】
実施例1 (1)圧縮成形装置仕様: 1.ロール 径 500mmφ 面長 300mm 2.スチールベルト 肉厚 0.6mm 巾 200mm 3.小口径ローラー 径 12mm 面長 250mm 4.加圧プレート 長さ 1000mm 巾 200mm 上方の加圧プレートは長さ1000mmのうち入口側の
400mmは2/400の勾配とし、残りの600mm
はストレート、下方の加圧プレートはすべてストレート
とした。
【0044】 5.油圧シリンダー 径 125mm 上記の仕様の圧縮成形装置を用いて粘度平均分子量約3
00万の超高分子量ポリエチレン粉末を130℃に加熱
し、材料への平均圧力はおよそ40kg/cm 2 で加圧
し、肉厚1.1mm、巾100mmのシートを1m/分
の速度で、連続的にシートに圧縮成形した。 (2)ロール圧延 次に上記のシートを表面温度が140℃に調整された1
m/分の上下同一周速度で反対方向に回転する直径15
0mm、面長300mm、ロール間距離30μmの一対
のロール間に供給し、圧延を行いロール圧延倍率7倍の
シートを得た。 (3)延伸 〔装置仕様〕 予熱用金属ロール:3本/組×3組 ロール径250mmφ、面長200mm(ロール内部に
熱媒体用オイルを循環) 延伸用熱板 :3式 熱板長さ 50cm(1段目) 100cm(2段目) 300cm(3段目) (熱板内部に埋め込みヒーターを使用し、熱板表面温度
を制御) 冷却用金属ロール:3本/組×1組 ロール径250mmφ、面長200mm(ロール内部に
水を循環) ニップロール: 入口側:200mmφシリコンゴムロールが予熱金属用
ロール2本に対してニップ。
【0045】出口側:200mmφシリコンゴムロール
が冷却用金属ロール2本に対してニップ。
【0046】前記で得られた圧延シートをスリッターで
巾5mmにカットしてテープ状とし、これを上記仕様の
延伸装置を使用して引張延伸を行った。
【0047】引張延伸は下記の条件で3段延伸を行っ
た。
【0048】圧延による延伸を含めた合計の延伸倍率は
98倍であり、得られたテープの引張弾性率は120G
Pa、引張強度は2.4GPaであった。
【0049】
【表1】 なお、引張延伸は、3本のテープを同時に20時間行
い、その間の延伸切れ回数は1回であった。 比較例1 実施例1において、圧縮成形装置の1000mm長さの
加圧プレートを勾配のついていないストレートのものを
用いて行った他は実施例1と同様に行い、合計延伸倍率
98倍のテープを得た。
【0050】テープの引張弾性率は118GPa、強度
は2.1GPaであったが、3本同時に20時間行った
引張延伸における延伸切れ回数は12回であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の高強度・高弾性率ポリオレフィ
ン材料の製造においては、加圧部分の入口部の厚みが出
口部分の厚みより厚くなるような勾配を有する加圧プレ
ートを用いて圧縮成形しているので、得られる圧縮成形
シートに空気の巻き込みがなく、次いで行われる圧延お
よび延伸工程における延伸切れがなく、安定した延伸が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる圧縮成形装置の
1例である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の製造方法の延伸工程の1例である。
【符号の説明】
1〜4 ロール 5〜6 エンドレスベルト 7 加圧プレート 8 ローラー群 9 チェーン 10 スプロケット 11 加熱手段 12 予備加熱器 13 断熱部 14 ホッパー 15 油圧ピストン 20 シート 21 スリッター 22,22′,22″ ニップロール 23,23′,23″ 加熱体 24 加熱プレート 25 冷却ロール 26 ニップロール 27 ボビン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に対向させた一対のエンドレスベル
    トの間にポリオレフィン粉末を供給し、該ポリオレフィ
    ン粉末をエンドレスベルトで挟みつつ移動させるととも
    に、該エンドレスベルトの内側に設けられた加圧プレー
    トおよび該加圧プレートとエンドレスベルトとの間に回
    転自在な互いに連結されたローラー群からなる加圧手段
    により、ポリオレフィン粉末を該粉末の融点未満の温度
    の下に圧縮成形し、次いで圧延および延伸する方法にお
    いて、加圧部分の入口部の厚みが出口部分より厚くなる
    ような勾配を有する加圧プレートを用いて圧縮成形する
    ことを特徴とする高強度・高弾性率ポリオレフィン材料
    の連続的製造方法。
JP30520793A 1993-12-06 1993-12-06 高強度・高弾性率ポリオレフィン材料の連続的製造方法 Pending JPH07156175A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011524826A (ja) * 2008-06-19 2011-09-08 テイジン・アラミド・ビー.ブイ. ポリオレフィンフィルムの製造法

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