JP3098839B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの連続強化成形方法及び装置 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートの連続強化成形方法及び装置

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JP3098839B2
JP3098839B2 JP4546092A JP4546092A JP3098839B2 JP 3098839 B2 JP3098839 B2 JP 3098839B2 JP 4546092 A JP4546092 A JP 4546092A JP 4546092 A JP4546092 A JP 4546092A JP 3098839 B2 JP3098839 B2 JP 3098839B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂
シート(スタンパブルシート)の連続強化成形方法及び
その装置に関し、具体的には自動車用、配管継手用、産
業資材用等に適した繊維強化熱可塑性樹脂シートの成形
方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のバンパー等に最適な繊維
強化樹脂部材としてスタンパブルシートを加熱成形した
ものが知られている。このスタンパブルシートの製造方
式としては、樹脂シートと長繊維を積層し加熱成形する
ラミネート法、或いは特公昭55−9119号に示され
る、短繊維と熱可塑性樹脂を湿式状態に分散させ、これ
をワイヤー上にて抄いて得た毛布状のウェブを乾燥させ
加熱成形する抄造法(抄紙法とも言う)等が知られてい
る。
【0003】しかし、上記ラミネート法は、成形性、リ
サイクルの面で難点が多く、現状では抄造法の方が有利
とされている。また、上記ラミネート法と抄造法の両者
に適用できる成形装置として、2枚のベルトで素材を挟
持した状態で加熱、加圧、冷却成形する、所謂ダブルベ
ルトプレス方式(以下、DBPと称する)が、例えば特
公昭63−15135号で知られている。
【0004】図3にもとずいてDBP設備を用いたラミ
ネート法による従来のスタンパブルシートの製造法の概
要を説明すると、まずDBP設備は、上部ベルト20、
下部ベルト21を一対に配置し、該ベルト20、21の
特定範囲内に加熱、加圧部22と冷却・加圧部23の二
つの帯域を配置する。この加熱・加圧部22と冷却・加
圧部23の加圧機構はエンドレス状に転動可能な複数ロ
ール群24を上下一対に配置して構成したものであり、
加熱・加圧部22には加熱手段25、冷却・加圧部23
には冷却手段26を設置してある。
【0005】しかして、上記ベルト20、21の上流側
から、常温のポリプロピレンの薄肉シート27とガラス
繊維マット28を交互に重ねた素材をその間に溶融樹脂
29を介在させて、加熱・加圧部22に供給し、素材に
十分な熱を加えて樹脂をガラス繊維マット内に流動含浸
させた後、冷却・加圧部23で所定の厚みになるよう固
化させてシートを得る。
【0006】その際、上記素材の加熱・加圧成形に際し
て、常温のポリプロピレンの薄肉シート27を均等に軟
化溶融させ、伝熱効率の悪いガラス繊維マット28を均
等に昇温させるためには加熱・加圧部22の機長を最大
素材厚みに対応させて長くしておく必要がある。
【0007】また、素材中に存在する空気を排出させる
ためには複数ロール群24のロール間隔を無くすことが
望まれるが、設備構成上複数ロール群24にロール間隔
が存在するので、素材中の空気のガスの排出は不完全と
なりシート中の空気の存在は避けられない。
【0008】上記空気の存在した加熱・加圧成形体を冷
却・加圧部23で冷却するに際しても複数ロール群24
にロール間隔が存在する限り、存在する空気の排出は不
十分であり、皺、凹凸、局部膨れの原因となり良質なシ
ート成形品が得られない。上記問題は前記毛布状のウェ
ブを乾燥させ加熱成形する抄造法においても程度に差が
あるものの同様に発生する。
【0009】通常、スタンパブルシートは例えば20mm
の厚みのウェブ等を加熱・加圧して厚み3.8mmに冷却
した中間成形品であるが、特に、空気、その他のガス等
の存在しないスタンパブルシートを得るためには、十分
な加熱能力と冷却能力を兼ね備える必要がある。従っ
て、設備は過大で複雑な構造となり生産性も低く経済的
でないのが実情である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の対象とする、
抄造法にもとづく、解繊された繊維と熱可塑性樹脂粒子
からなるスタンパブルシート用ウェブは、加熱成形する
前に多量の空気が存在(少なくとも50%以上)してい
るため、上記した既存のDBP設備でシート化する場
合、次のような問題点があった。
【0011】即ち、多量の空気層の存在により熱伝導が
悪く、加熱に時間がかかること。また、ウェブの厚み方
向に対して温度分布がつきやすく内部が溶融温度に達し
ないと高圧力を加えても所定のシート厚とならないこ
と。さらに、未溶融の流動性の悪い樹脂部分があるとシ
ート内に空気が残存し、これが皺や凹凸発生の原因とな
り良質なシート成形品が得られない。従って、従来のD
BP装置での成形における問題点を解消しうる抄造法に
もとづくウェブに適した新しい設備が望まれていた。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みなされた
もので良質な表面性状と高い強度を持つスタンパブルシ
ートを高効率で得ることができる最適な成形法とこれを
効果的に実施することが可能な成形装置を提供すること
を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対のトップ
ロール、一対のエンドロール、及び両ロール間に張設し
た二枚のエンドレスベルトからなるダブルベルトプレス
によって繊維強化熱可塑性樹脂抄造ウェブをシートに成
形する方法において、該ダブルベルトプレスの前段に設
けた予備加熱装置により前記ウェブを該ウェブ内の樹脂
の融点±20℃に加熱した後、その後段のダブルベルト
プレスのトップロールで前記ウェブを前記予備加熱温度
+20℃〜60℃に急速加熱しながら加圧成形し、次に
ダブルベルトプレス内に配置した冷却手段で挟持冷却す
ることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの連続
強化成形方法であり、また、本発明は上記予備加熱装置
の加熱手段が通風加熱であることを特徴とする繊維強化
熱可塑性樹脂シートの連続強化成形方法であり、また、
本発明は上記ダブルベルトプレスのトップロールが次式
で定義されるロール半径Rを有するものであることを特
徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの連続強化成形方
法であり、 0.00035M<R<0.0110M R:ロール半径(m) M:処理するウェブ重量(kg/Hr・m ) また、本発明は繊維強化熱可塑性樹脂シートの連続強化
成形装置において、前段に通風加熱手段で構成する予備
加熱装置を設け、その後段のダブルベルトプレスのトッ
プロールに加熱手段と加圧手段を装備し、ダブルベルト
プレスのトップロールとエンドロール間に該ダブルベル
トプレスのベルトを圧接する冷却装置を配置したことを
特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの連続強化成形
装置である。
【0014】
【作用】本発明は、ダブルベルトプレス方式によって繊
維強化熱可塑性樹脂抄造ウェブをシートに成形する方法
において、ダブルベルトプレスの前段に設けた予備加熱
装置により上記ウェブをウェブ内の樹脂の融点±20℃
に加熱した後、その後段のダブルベルトプレスのトップ
ロールで上記ウェブを前記予備加熱温度+20℃〜60
℃に急速加熱しながら加圧成形し、次にダブルベルトプ
レス内に配置した冷却手段で挟持冷却するという、二段
加熱・冷却法を採用するので、まず、加熱・加圧成形さ
れるウェブは、その加圧成形の前段で樹脂の融点付近ま
で予熱されて樹脂の流動性は充分に高まっているので、
加圧成形のための供給熱量はスタンパブルシート厚みに
設定するトップロールのみによる連続的な面熱伝導によ
って達成でき、加熱負荷が軽減されると共に加圧成形時
の空気排出が確実に達成される。また、加圧成形直後の
成形シートの冷却は成形シート内の繊維に起因する膨れ
に対抗できる圧力でダブルベルトを挟持しながらの冷却
でよい。
【0015】また本発明は、上記予備加熱手段として通
風加熱を採用するので、通常50%以上の空隙率を持つ
ウェブの通気性を利用して、ウェブをその厚み方向に均
等に、かつ効率的に予備加熱することができる。また、
風圧でウェブが圧縮されて空隙率が低下するので、予圧
した状態でウェブをダブルベルトプレスに供給できる。
【0016】また本発明は、上記トップロールから繊維
強化熱可塑性樹脂ウェブに所定の熱量を伝えるために、
処理するウェブ重量Mに応じて、0.00035M<R
<0.0110Mの式で定義されるロール半径Rのトッ
プロールを装備したので、予備加熱されたウェブの成形
温度までの加熱および加熱圧力がストランド方向に連続
した面圧下で実施できる。
【0017】また本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂シー
トの連続強化成形装置において、前段に通風加熱手段で
構成する予備加熱装置を設け、その後段のダブルベルト
プレスのトップロールに加熱手段と加圧手段を装備し、
ダブルベルトプレスのトップロールとエンドロール間に
該ダブルベルトプレスのベルトを圧接する冷却装置を配
置して構成したので、加圧成形に要求されるウェブ温度
の大部分の熱量供給を予備加熱装置によって効率的に付
加でき、残余の熱量供給をダブルベルトプレス内で付加
すればよいので、加熱手段を装備したトップロールのみ
によって成形温度が確保できる。また、冷却装置はスタ
ンパブルシート内の繊維に起因する膨れに対抗する軽圧
下でよいので構造的に簡略化されたベルトを圧接する冷
却装置を採用することができ、結果として連続強化成形
装置の機長を短縮することができる。
【0018】以下、本発明を図面にもとづいて具体的に
説明する。図1は、本発明に係わる成形方法を実施する
ための本発明装置の一例を示すものであり、図示するよ
うに成形装置は、前工程で抄造されて送られてくる所要
の組成及び厚み寸法、例えば20〜40mmのウェブ1a
の搬送ラインに沿って設けられている。
【0019】本発明の連続強化成形装置は、まず前段
に、ウェブ1aを予熱する予備加熱装置2を配置し、該
予備加熱装置2の後段に、ウェブ1aを厚み方向に狭持
する上下にエンドレススチールベルト12を有した加熱
・加圧と冷却・加圧することができるDBP装置3を配
置した基本的構成から成る。
【0020】上記予備加熱装置2はウェブ1aを載置し
て移動する通気性の無端ベルト4、該ベルト4の経路中
に設けたウェブ1a及びベルト4を囲むチャンバー5、
該チャンバー5内にて一定温度、例えばウェブ1a中の
樹脂の融点±20℃に加熱し又所定の圧力の温風を強制
的にウェブ1aの厚み方向に通過させるためのブロワー
6、温風を発生させる例えば電気ヒーター等の熱供給装
置7から構成することができる。
【0021】上記DBP装置3の搬送経路の入側先端に
は、ウェブ1aを目的とする厚み、例えば2〜4mmの溶
融シート1bとすると共にウェブ1a中に存在する空気
を排出するために、例えば油圧により駆動される加圧手
段8と前記予備加熱装置2で予備加熱されたウェブ1a
を予備加熱温度+20℃〜60℃に急速加熱する、例え
ば誘導加熱コイルからなる加熱手段9を内蔵した一対の
トップロール10が設けられており、後端には一対のエ
ンドロール11を設ける。このロール10,11間には
エンドレススチールベルト12を張設してある。
【0022】上記トップロール10の下流側には、加熱
・加圧形成された溶融シート1bを成形シート1cに冷
却する冷却装置13を配置する。この冷却装置13は溶
融樹脂を含むシート中の強化繊維に起因する膨れに対抗
する加圧力で上下ベルト12を圧接する複数対の冷却ロ
ール14、冷却ガイドシュー15あるいは両者を組み合
わせた態様で構成される。
【0023】上記通風加熱手段の予備加熱装置2を通過
する際に、ウェブ1aはウェブ自体の通気性を利用して
短時間に所定温度、即ちウェブ1a内の樹脂の融点温度
±20℃まで加熱されて部分的に溶融または軟化し、ウ
ェブ1aは風圧で圧縮されて空隙率が下がる。
【0024】上記樹脂の融点温度+20℃を越える温度
にまで予備加熱すると樹脂が流動、滴下し予備加熱装置
2内を汚染するのみならず、溶融シート1bとしての樹
脂量が不足し不良品発生の原因となる。一方、融点温度
−20℃未満の加熱であると後段のトップロール10に
おける加圧成形に必要な熱量の追加供給量が増大するの
で好ましくない。
【0025】以上のようにウェブ中の樹脂の融点付近ま
で予備加熱されたウェブ1aはDBP装置3の入側に設
けられた加熱成形用の加熱手段9を備え、シート1b
(1c)の厚みにセットされたトップロール10によっ
て成形温度、具体的には予備加熱温度+20℃〜60℃
まで一気に急速加熱される。
【0026】上記トップロール10によるウェブ1aの
加熱はロール10による面加熱となり、熱伝導を大幅に
促進することができる。またロール10によるウェブ1
aの加圧は連続した面加圧となるのでウェブ1a内の含
有空気の排出が確実に達成できる。
【0027】これに対して加熱と加圧の操作が不十分で
所定の温度に均一加熱されていない場合には、後段の冷
却成形過程で高圧力でロール加圧すると、流動性の不足
や表層と内部の流動性の差によって、皺や凹凸が発生し
良好なシートが得られない。従って、トップロール10
で加圧と加熱を適正に行うことが重要となる。
【0028】ポリプロピレン・ガラス繊維系のスタンパ
ブルシートを例にとり、150℃まで予熱されたウェブ
1aを200℃まで一対の加熱成形用トップロール10
で急速に均一加熱するための必要な昇温条件について具
体的に説明する。
【0029】この昇温条件は、トップロール10の表面
温度、スチールベルト12を介したトップロール10と
ウェブ1aとの接触状態、即ち、総括熱伝達率と接触弧
長が決定されれば求められる。ここでのロールの表面温
度は、高温になり過ぎると樹脂の劣化が著しくなるので
上限があり本例では250℃である。また、後者の総括
熱伝達率と接触弧長は、化学工学実験によって総括熱伝
達率U及びロール接触弧長角度θは求められ、具体的に
は、U=2000kcal/m2 Hr℃、θ=0.0873rad
と定まる。こうして得た前提に基いて以下、ロール半
径、昇温速度が求められる。
【0030】このロール半径Rは、単位ロール幅と単位
時間当りに処理するウェブ重量Mに比例する必要熱量に
よって決まり、検討の結果次の関係式(1)、(2)を
満たす必要があることが分かった。 R=(0.0956×M)/(U×θ) (1) R;ロール半径 (m) M;処理するウェブ重量 (kg/Hr・m) U;総括熱伝達率 (kcal/m2 Hr℃) θ;ロール接触弧長角度 (rad) 0.00035M<R<0.0110M (2)
【0031】上記(1)式におけるU及びθは、上記し
たように別途決まるのでロール半径は処理するウェブ重
量Mのみで示すことができ、U=2000kcal/m2 Hr
℃、θ=0.0873rad を代入するとR=0.000
55Mとなる。従って、例えば、ウェブ重量の目付けグ
ラメージ4500 g/m2 (厚み3.8mm相当)をライン
速度2 m/minで所定の温度まで加熱するためのロール半
径は、上記(1)式より300mmとなりこの値以上であ
れば満足する。
【0032】このような実験検討を重ねた結果、ウェブ
の予熱温度、接触状態、設備的に見たロール半径の上限
等を考慮すると好ましいロール半径は(2)式で示され
る範囲となる。即ち、下限は所定温度に均一に到達せ
ず、皺等の欠陥を生じたり、予熱温度を上げ過ぎれロー
ルへの噛み込みが不良となる領域である。また、上限
は、ロール径が過大となり設備的に経済性が損なわれる
領域である。
【0033】また、このトップロール10の加圧力は、
ウェブ1aが溶融温度付近まで事前予熱されているこ
と、トップロール10の入側で十分に加熱昇温されてい
ることから樹脂の流動性が高いため低い圧力(1〜2kg
/m2 ) の範囲でよい。従って、樹脂とグラスファイバー
が十分含浸した所定のシート厚に成形することができ
る。
【0034】次に、冷却成形ロール14と冷却ガイドシ
ュー15の組み合わせによって、溶融シート1bを上・
下のベルト12で保持しつつ加圧冷却を行ない、所定の
板厚の成形シート1cに成形する。具体的には、対とな
った冷却成形ロール14を複数個、ライン方向に配置し
幅方向の剛性を保持する。さらに、ライン方向にガイド
シュー15を配置して、剛性を持った平面体として配置
する。以上の基本構成で、芯出しを行なうことにより冷
却成形ロール群14とベルト12との摩擦力を低減でき
且つ、トップロール10と同様に溶融加圧成形されたシ
ート1bをロール14により冷却成形することができ
る。
【0035】尚、溶融シート1bを成形温度から取り出
し温度まで対となった冷却成形ロール14と冷却ガイド
シュー15で急速冷却するための必要な冷却条件につい
ては、トップロール10の加熱条件で説明したのと同様
であり、冷却成形ロール14、ガイドシュー15の表面
温度と溶融シート1bとの接触状態、即ち、総括熱伝達
率と接触弧長及び接触長が決定されれば求められる。
【0036】例えば、シート重量の目付けグラメージ4
500 g/m2 をライン速度2 m/minで所定の温度まで冷
却するためのロール半径は、詳細な式の構成・説明は省
くがベルト厚を0.3mmとした時に、θ=0.0698
rad、U=3500Kcal/m2)と定まり最適なロール半
径は150mmとなる。
【0037】ここで、設備の実用性の点からもベルト1
2を厚くするとテンションが板厚に対して5kg/mm2
度必要になることとロール径が大きくなると冷却ロール
14と冷却ガイドシュー15との構成に関してスペース
上の制約を受ける。その結果、設備が大きくなるので実
用的な耐久性等を考慮してもベルト厚は0.3〜0.6
mmが好ましい。
【0038】次に、冷却ガイドシュー15は、冷却成形
ロール群14の間の設けてベルト12に密着させシート
の若干の膨脹を抑えつつ、シートを強力に冷却する。そ
の加圧力は、該冷却ガイドシュー15に設けた油圧シリ
ンダー16により付与するが、摩擦力低減のため1kg/
cm2 以下の低圧が好ましい。
【0039】上記冷却ガイドシュー15の構造として
は、水冷方式の金属ブロックに熱伝導の高い胴板を脱着
式に固定するとよい。温度調整は接触面積を変化させて
行なうことができる。尚、ベルト12に接触する材料と
して実用的には、ベルトより軟らかな材質と熱伝導の高
いものであれば他の材料でもよい。次に、図1に示した
成形装置を用いた操業例を説明する。
【0040】
【実施例】 ポリプロピレン・ガラス繊維系シートの製造 抄造ウェブ 材料:ポリプロピレン(融点165℃)粉末70重量% グラスファイバー(長さ13mm)30重量% 組成:空隙率50%以上、目付け4500 g/m2 成形前ウェブ厚み20〜40mm、成形シート3.8mm 予備加熱装置 熱風温度:220℃ 温風圧力:200mmAq 通過時間:20〜30sec ベルトプレス装置 トップロール 成形圧力:2kg/cm2 、ロール表面温度:250℃ ロール半径:300mm 冷却成形ロール 成形圧力:2kg/cm2 、ロール半径:150mm 設置数:3対、ロール表面温度(水冷ジャケット):常温 ガイドシュー 接触面圧:0.5kg/cm2 、幅:100mm 材質:銅、設置数:2対 ベルト 材質:ステンレススチール、厚み:0.6mm、 幅:1000mm、ベルト速度:2 m/min
【0041】以上の仕様からなる図1の装置を用い、抄
造ウェブを供給速度2.0 m/minにて送りながらシート
状に成形した。この時のウェブ厚みと温度及び付与圧力
の推移動向を図2に示す。成形されたシートは、物性的
にも寸法安定性的にも優れていることが確認できた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる成
形方法によれば抄造法で製造されたウェブを連続的にシ
ート化することが可能となり、従来、伝熱特性が悪く成
形が困難であった抄造ウェブから、均一な所望の厚みを
持ち表面性状に優れ且つ高強度のシート状成形品を得る
ことができ、その工業的な価値は極めて大きい。
【0043】また、本発明に係わる成形装置によれば、
上記の方法を効果的又、一貫したラインにて実施するこ
とができる。また、従来装置に比べ加熱冷却能力を大幅
に向上させたことにより機長を大幅に短くすることがで
き、さらに、設備もシンプルとなり経済性の高いものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる連続的な成形装置の概要を示す
全体概略図。
【図2】本発明の実施例の各工程におけるウェブ温度及
び圧力の推移を示す説明図。
【図3】従来のラミネート法によるスタンパブルシート
の製造法を示す概略図。
【符号の説明】
1a ウェブ 1b 溶融シート 1c 成形シート 2 予備加熱装置 3 ダブルベルトプレス 4 通気性の無端ベルト 5 チャンバー 6 ブロワー 7 電気ヒーター 8 加圧手段 9 加熱手段 10 トップロール 11 エンドロール 12 エンドレススチールベルト 13 冷却装置 14 冷却ロール 15 冷却ガイドシュー 16 加圧手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 賢裕 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−62713(JP,A) 特開 昭55−77525(JP,A) 特開 昭56−142036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/22 - 43/30 B29C 43/44 - 43/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のトップロール、一対のエンドロー
    ル、及び両ロール間に張設した二枚のエンドレスベルト
    からなるダブルベルトプレスによって繊維強化熱可塑性
    樹脂抄造ウェブをシートに成形する方法において、該ダ
    ブルベルトプレスの前段に設けた予備加熱装置により前
    記ウェブを該ウェブ内の樹脂の融点±20℃に加熱した
    後、その後段のダブルベルトプレスのトップロールで前
    記ウェブを前記予備加熱温度+20℃〜60℃に急速加
    熱しながら加圧成形し、次にダブルベルトプレス内に配
    置した冷却手段で挟持冷却することを特徴とする繊維強
    化熱可塑性樹脂シートの連続強化成形方法。
  2. 【請求項2】 予備加熱装置の加熱手段が通風加熱であ
    ることを特徴とする請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹
    脂シートの連続強化成形方法。
  3. 【請求項3】 ダブルベルトプレスのトップロールが次
    式で定義されるロール半径Rを有するものであることを
    特徴とする請求項1または2記載の繊維強化熱可塑性樹
    脂シートの連続強化成形方法。 0.00035M<R<0.0110M R:ロール半径(m) M:処理するウェブ重量(kg/Hr・m )
  4. 【請求項4】 繊維強化熱可塑性樹脂シートの連続強化
    成形装置において、前段に通風加熱手段で構成する予備
    加熱装置を設け、その後段に一対のトップロール、一対
    のエンドロール、及び両ロール間に張設した二枚のエン
    ドレスベルトからなるダブルベルトプレスを配置すると
    共に、ダブルベルトプレスのトップロールに加熱手段と
    加圧手段を装備し、ダブルベルトプレスのトップロール
    とエンドロール間に該ダブルベルトプレスのベルトを圧
    接する冷却装置を配置したことを特徴とする繊維強化熱
    可塑性樹脂シートの連続強化成形装置。
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