JP4661152B2 - 成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents

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本発明は、成形材料を連続的に加熱プレスして紙または不織布いずれかの構造からなる繊維材料を含む成形品を製造する成形品の製造方法およびその製造装置の改良に関する。
詳しくは、加熱プレス工程に特徴を有し、表面平滑性、厚さ均一性、表面均一性に優れる長尺の成形品を連続的に製造し得る製造方法およびその製造装置に関する。
従来より、連続した長尺の成形品は、適当な加熱手段で加熱された上下一対のプレス面の開閉を間欠的に行い、それに合わせて成形材料を間欠的に供給し、熱プレスが完了した成形品をまた間欠的に引き取る方式の連続成形法(間欠プレス)によって成形することが知られていた。この間欠プレス法は、プレス面に一定の面圧を長時間かけることが可能なため、厚さ均一性が高く、また、熱硬化性樹脂を含む成形品の成形に適するという特長を有しており、強化繊維で補強されたプラスチック系複合材料の成形方法として提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この間欠プレス法は、成形材料供給側の加圧部分と非加圧部分の境界付近において樹脂流れによる段差や表面の光沢差が発生し、その後の間欠的に繰り返される加圧によっても解消しないという重大な問題がある。これを解決するため上下金型間の間隔を成形材料の供給側から引取側に向かって狭まって至る構造とすることが提案されている(例
えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法によっても成形材料供給側の加圧部分に極めて近い非加圧部は加圧されない状態で樹脂の硬化が進むため、成形材料供給側の加圧部分と非加圧部分の境界付近における表面の光沢差を完全に解決することは難しい。
一方、上記のような金属製熱プレス面ではなく、ダブルベルトプレスによる方法も熱硬化性樹脂を含む成形材料の連続成形法として提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、成形時間を短くするためにはプレス板面温度を高くする必要があり、材料供給側の加圧面温度を高くすると急激な硬化により、厚みばらつきが大きくなるという問題があった。
特開平1−4315 号公報 特開昭61−242816 号公報 特開平9−157065 号公報
本発明の目的は、このような従来の間欠プレス法による連続成形法の欠点を改良し、樹脂流れによる段差や表面の光沢差を減少させることのできる連続成形法による成形品の製造方法およびその製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、硬化時の反応で水分の発生する熱硬化性樹脂を含む成形材料を上下一対のプレス面を有する加熱プレス機に連続的に送り、該プレス面内で加圧・加熱処理を行った後に成形品を引き取る紙または不織布いずれかの構造からなる繊維材料を含む成形品の製造方法であって、プレス機の加圧面内の温度分布として、成形材料供給側の加圧面温度Tin(℃)が100℃以上であり、該Tin(℃)を、中央部の加圧面温度および/または成形材料排出側の加圧面温度よりも低くした状態で加熱プレスすることを特徴とする成形品の製造方法である。
ここで、加熱プレス機の加圧面の温度としては、使用する樹脂に合わせ設定するが、最高温度Tmaxは100〜400℃が好ましく、150〜250℃がより好ましい。100℃未満では硬化反応が遅く、成形時間が長くなる傾向がある。400℃を超える温度では樹脂の劣化が進む傾向がある。成形圧力は0.1〜10MPaが好ましく0.3〜3MPaがより好ましい。0.1MPa未満では樹脂を流動させ成形材料内部を接着させる効果が十分得られない。10MPaを超えると成形材料の加圧面外への流出が起こったり、補強繊維の破壊が起こったりする。
熱硬化性樹脂を含む成形材料としては、炭素繊維、ガラス繊維や有機繊維などの繊維材料や黒鉛粉末、カーボンブラックなどの粒状物質を含んでもよい。熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂(フェノールの代わりにクレゾール、キシレノール、アルキルフェノール等のフェノール類を用いた樹脂を含む)、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド等いずれでもよいが、本発明の方法は、特にフェノール樹脂の成形時に有効である。成形材料は、プレス機に接着することを防止するため、離型用の紙やフィルム等に挟んでプレス機に送ることが好ましい。離型用の紙やフィルムは成形後、成形品から剥がす。成形後の成形品厚さは0.05〜5mmとすることが好ましく、0.1〜0.5mmとすることがより好ましい。厚さが0.05mmに満たない成形品は強度が低く取り扱いが難しい。5mmを超える成形品は長尺の成形品として巻き取ることが難しい。なお、厚さは、圧力を147kPa付与下での厚さとする。一度に2枚以上の成形品を成形することも成形の効率化のため好ましい。一度に2枚以上の成形品を成形する方法としては、例えば離型紙、成形材料、離型紙、成形材料、離型紙の順に積み重ねてプレス機に送る方法や、例えばプレス機の上下加圧面の間に金属板を設けて上側加圧面と金属板の間、金属板と下側加圧面の間に成形材料を送り2枚同時に成形する方法などを適用することができる。
ところで、成形材料を連続的に加熱プレス処理する連続成形法としては、プレスの開閉を間欠的に行い、それに合わせて成形材料をプレス機に送り、成形品を引き取る方式の間欠プレス法や、成形材料を2つの駆動ベルト間に挟んで加熱加圧しながら連続的に搬送するダブルベルトプレス法があげられる。これらの連続成形法において、プレス機加圧面内に温度分布を有し、成形材料供給側のプレス機加圧面温度が、中央部のプレス機加圧面温度および/または成形材料排出側のプレス機加圧面温度よりも低く設定することで熱硬化性樹脂の急激な加熱による厚さや表面の不均一性等の問題を改善することが出来る。この時、成形材料供給側のプレス機加圧面温度Tin(℃)と、プレス機加圧面内の最高温度Tmax(℃)がTmax−Tin≧20の関係を満たすことが好ましく、Tmax−Tin≧30がより好ましく、Tmax−Tin≧40がさらに好ましい。Tmax−Tin<20の場合、成形材料供給側の加圧面温度が高く、段差や光沢差を防止する効果が低い。温度差の上限はTmax−Tin<150が好ましい。必要以上の温度差をつけることは低温部で効果のない加圧をして加圧加熱時間や無駄にすることや、高温部での材料劣化やエネルギーロスにつながる。
成形材料供給側のプレス機加圧面温度Tin(℃)は100℃以上であることが必要である。より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。Tinが100℃未満であると成形時に100℃以上の領域で成形材料や離型紙から発生した水蒸気が成形材料供給側の100℃以下の部分で結露し、その水分によって離型紙にシワが発生し、成形品の表面が凹凸になったり、水分が離型紙と成形品の間に入ったり、成形材料が吸水したりして、成形品の均一性を低下させたりする。特に硬化時の反応によって水分が発生する樹脂、例えばフェノール樹脂等を成形材料に用いる場合、Tinが100℃以上であることによる水分の結露防止効果が大きいからである。Tinは180℃以下が好ましい。180℃を超える温度では成形材料の硬化が進行するなどして成形品の段差や光沢差が発生しやすく、さらに、水分の結露を防止するために必要以上の加熱は不要でエネルギーロスにつながる。
さらに成形品排出側のプレス機加圧面温度をプレス機中央部のプレス機加圧面温度より高くすることは、成形材料の硬化時間を短縮させることが可能になるため好ましい。
間欠プレスの方法は例えば図1に示されるプレス機を用い、以下の(1)〜(3)の基本手順を繰り返して成形する。なお、加圧面が上下一対の熱板の場合は、上側熱板の下側面、下側熱板の上側面が加圧面である。
(1)プレス機加圧面を開く。
(2)成形材料をプレス機に送り、成形品を引き取る。
(3)プレス機加圧面を閉じ、加熱加圧を行う。
間欠プレスにおいては、上記(3)の工程において、プレス面で加圧された途端(この位置はプレス面から見て材料供給側の端部)、加圧面に挟まれた成形材料は加熱と加圧とを同時に受けるのに対し、まだ加圧面に侵入していない部分(この位置はプレス面に入る直前の成形材料部分)では成形材料が周囲からの輻射熱により加熱のみされて、プレス面による加圧はされない。従って加圧面に挟まれた樹脂がまだ加圧されていない成形材料供給側に逆流する。よって、その後(1)〜(3)の工程を繰り返してもその境界部分は均一にならず、結果的に段差が発生したり、加圧面近傍の樹脂が硬化して、樹脂の流動性が低下し、(1)〜(3)の工程を繰り返しても表面が平滑にならず、表面光沢差が発生したりする。
しかし、このような不都合は、成形材料供給側のプレス機加圧面温度をプレス機中央部のプレス機加圧面温度および/または成形材料排出側のプレス機加圧面温度よりも低くすることでこの段差や表面光沢差を防止することができることを本発明者らは見出した。向かい合った加圧面が全く同じ温度である必要はないが、向かい合う両面とも材料供給側の温度を低くすることが好ましい。
また、間欠プレスにおいては、上下加圧面の間隔を成形材料供給側から成形品引取側に向かって狭まる間隔とした区間を設け、その区間を超えた後は一定間隔となる隙間構造の上下加圧面とすることも成形品の段差や表面光沢差を改善するうえで効果があり、本発明の成形材料供給側の加圧面温度を低くする方法と併用することが好ましい。上下加圧面の間隔を成形材料供給側から成形品引取側に向かって狭める構造とする区間の長さは、全加圧面長さの1/3以下が好ましい。1/3を超えると、上下加圧面の間隔が成形材料供給側から成形品引取側に向かって狭める構造とする区間で熱硬化樹脂の硬化が進んだり、上下加圧面の間隔が一定である部分の長さが短いため、該一定間隔部分での加圧時間が短くなったりするため均一な厚さの材料を得ることが難しくなる。
次に、成形材料に含まれる繊維材料としては、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維、アクリル耐炎糸、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等、特に限定はされないが、繊維による成形品の補強効果を発揮するためにはプレス機加圧面内の最高温度Tmax(℃)より高い融点の繊維または炭素繊維など融点のない繊維が好ましい。繊維材料の構造は織物、不織布、紙、繊維を一方向に引き揃えた配置、短繊維をランダムに混合したものなどいずれでも使用できるが、成形品の強度を高くするためには少なくとも、不織布または紙のいずれかからなるものである。
成形品の密度としては0.1〜0.8g/cmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.6g/cmである。成形品密度0.1g/cm以上が引張や曲げに耐え成形品の形状を保つために好ましい。成形品密度が0.8g/cm以下の場合、気孔率の高い多孔質材料であり、加圧時の樹脂の流動が少なく表面光沢差が発現しやすいため本発明の成形法を用いることが好ましい。
次に、上記目的を達成するため本発明は、成形材料を間欠的に開閉可能な加圧面によって加圧成形するプレス機構と、該プレス機構に成形材料を間欠的に供給する間欠供給機構および間欠的に引き取る間欠引き取り機構のうちの少なくとも一つの機構とを有する成形品の製造装置であって、該装置に、前記加圧面における成形材料供給側温度Tin(℃)が、加圧面全体内の最高温度Tmax(℃)に対して、Tmax−Tin≧20の関係となる加熱制御装置を有する成形品の製造装置を提供する。
ここで、成形材料をプレス機に送る機構としては、ロール等に成形材料を挟んで送る機構、ベルト等に成形材料を載せて送る機構等が適用できるが、これらに限定されるものではない。成形品を引き取る機構はロール等に成形材料を挟んで引き取る機構、ベルト等に成形材料を載せて引き取る機構、成形品の巻き取り軸のトルクによって引き取る機構等が適用できるが、これらに限定されるものではない。成形品を引取る力で成形材料を送ることで、成形材料をプレス機に送る機構は有しないといった一方の機構により、成形材料をプレス機に送る機能および成形品を引き取る機能を果たすならば、どちらか一方の機構を有しなくてもよい。
図1は、本発明の製造装置の概略断面図である。
この図に示す装置は、一連の製造工程装置のうち、本発明の特徴である加圧・加熱工程を示したもので、開閉可能な加圧面を有する上下一対の熱板を有するプレス機である。図において、1は、プレス機熱板、2はヒーター、3は成形材料をプレス機に送る機構、4は成形品を引き取る機構、5は成形材料、6は成形品7は離型紙である。
図1のプレス機は上下熱板とも上下方向に動くことにより加圧面を開閉するが、その他上または下側など、一方の熱板が動くことで加圧面を開閉してもよい。このように加圧面開閉を間欠的に行い、加圧面解放時に成形材料および成形品を送ることで、連続した長尺の成形品を製造が可能になる。
本発明の製造装置においては、上記プレス機に、成形材料供給側のプレス機加圧面温度Tin(℃)と、プレス機加圧面内の最高温度Tmax(℃)は、Tmax−Tin≧20となるよう設定可能な加熱制御装置を設けている。そのような加熱制御装置の例としては、プレス機の加熱源の出力調整装置や、プレス機の加熱源の不均一な配置による制御装置が挙げられる。上記温度差は、Tmax−Tin≧30がより好ましく、Tmax−Tin≧40がさらに好ましい。Tmax−Tin<20の場合、成形材料供給側の加圧面温度を低下させたことによる効果が十分発揮されない。温度差の上限はTmax−Tin<150が好ましい。必要以上の温度差をつけるためには設備が、大きくなったり、消費するエネルギーが増大する。さらに成形品排出側のプレス機加圧面温度をプレス機中央部のプレス機加圧面温度より高く設定可能とすることにより、成形材料の硬化時間を短縮させることが可能になるため好ましい。
プレス機の加圧面の背後には、例えば加熱ヒーターや熱媒流路等の加熱源が設けられ、プレス表面温度を所定の温度に加熱できるようになっている。また、成形材料供給側の加熱源と成形品引取側の加熱源とは、異なる構造とすることが好ましい。その理由は、上述したように本発明のプレス板の入口側の表面温度は、低い温度に設定するが、成形材料供給側はヒーター本数、ヒーター容量、熱媒流路密度等を低下させることで余分な加熱能力を省くことが上記段差や表面光沢差解消等の品質向上確保の他、プレス機簡素化、消費エネルギーの低減のためにも好ましい。そのような構成の一例として、図2に示すように、それぞれのプレス機熱板1表面に金型8を設け、この金型8をプレス機熱板より成形材料供給側に突出させることでこの部分で放熱することで、表面光沢差等の解消のための適度な温度低下を達成できるため好ましい。かかる金型を突出させる方法によれば、成形材料供給側のプレス機熱板温度を強制的に低下させるよりも、より広い面積での加熱加圧が複雑な制御機構や装置を要さずに達成可能になる。
本発明によれば、樹脂流れによる段差や表面の光沢差の少ない、成形材料の連続成形が可能になる。
以下、本発明の最良の実施形態の例を上記金型を併設した間欠プレス装置を例にとって、図面を参照しながら説明する。
図2は、金型を設けた間欠プレス装置の概略断面図である。
先ず、成形準備として、上下の熱板1に金型7を設けた。上側金型の下面および下側金型の上面が加圧面である。金型7は熱板1から成形材料供給側に突出することにより、成形材料供給側のプレス機加圧面温度が低くなっている。成形材料進行方向の熱板長さは1200mm、金型長さは1500mmであり、金型は成形材料供給側に300mm突出している。下側金型は図3の縦断面図に示す通り、熱板から飛び出した部分が成形材料供給側に向かって薄くなっている。上側金型は均一な厚さであるので、プレス機の上下加圧面の間隔は成形材料供給側から成形品引取側に向かって狭まる構造を成している。
かかる成形装置を用い、成形条件を以下の通りとした。
成形材料5を駆動機構3によって供給する。成形材料は炭素短繊維を抄紙しポリビニルアルコール(以下PVAと略す)で結着した炭素繊維紙(30g/m、PVA付着率20wt%)にフェノール樹脂を含浸した材料(フェノール樹脂付着率50wt%)を2枚使用し、離型紙で挟んで供給した。そして、成形品6は引き取り機構4によって引き取られる。上記金型8の表面温度とプレス圧条件は、加圧面のTmax=170℃、Tin=70℃、成形圧0.75MPaとした。この製造装置を用いて以下の(1)〜(3)の工程を繰り返して行い、間欠成形を行う。
(1)プレス機の加圧面を開く。
(2)成形材料をプレス機に送り、成形品を引き取る(間欠送り長さ100mm、所要時間約5秒)。
(3)プレス機加圧面を閉じ、加熱加圧を行う(所要時間約25秒)。
(参考例1)
以上の間欠プレス装置とその成形条件で、多孔質の炭素繊維強化複合材料を成形した。成形品の幅は600mmである。加圧面の温度分布を次の表1に示す。成形品の厚さは0.27mm、密度は0.48g/cmであった。
Figure 0004661152
その結果、得られた成形品の表面は均一な光沢を示しており、間欠プレス加圧面入口境界部に起因する段差や光沢差は認められなかった。また、示差走査熱量分析による成形品の残存発熱量は23J/gであった。
(参考例2)
今度は成形材料のフェノール樹脂付着率を40%とした以外は参考例1と同様にして多孔質の炭素繊維複合材料を成形した。加圧面の温度分布を上記表1に示す。成形品の厚さは0.30mm、密度は0.33g/cmであった。成形品の表面は均一な光沢を示しており、間欠プレス加圧面入口境界部に起因する段差や光沢差は認められなかった。
(参考例3)
プレス機の温度設定器によって、成形品排出側の加圧面温度をプレス機中央部の加圧面温度より高く設定した以外は参考例1と同様にして多孔質の炭素繊維複合材料を成形した。加圧面の温度分布を上記表1に示す。成形品の厚さは0.26mm、密度は0.50g/cmであった。成形品の表面は均一な光沢を示しており、間欠プレス加圧面入口境界部に起因する段差や光沢差は認められなかった。示差走査熱量分析による成形品の残存発熱量は10J/gで参考例1に比べフェノール樹脂の硬化が進んでおり、成形時間短縮の可能性が示された。
熱板表面に金型を設けなかったこと、金型プレス機の温度設定器によって、成形品供給側のプレス機加圧面温度を低く設定した以外は参考例1と同様にして多孔質の炭素繊維複合材料を成形した。加圧面の温度分布を表1に示す。成形品の厚さは0.27mm、密度は0.48g/cmであった。成形品の表面は均一な光沢を示しており、間欠プレス加圧面入口境界部に起因する段差や光沢差は認められなかった。
(比較例1)
熱板表面に金型を設けなかったこと、プレス機加圧面温度を全面にわたって170℃に設定した以外は実施例と同様にして多孔質の炭素繊維複合材料を成形した。成形品の厚さは0.27mm、密度は0.48g/cmであった。成形品の表面は200mm間隔で光沢の濃淡が繰り返されている。成形材料供給側の加圧面端部より直ぐ外側にあった部分は加圧されない状態で硬化が進行したため黒っぽく光沢の少ない表面であった。
一方、成形材料供給側の加圧面端部より直ぐ内側にあった部分の表面は光沢を有していた。この光沢有無の境界部分が筋模様となって200mm間隔で繰り返されていた。またこの光沢の境界部分には手で触れて分かる段差があった。
(参考例4)
参考例1の条件で100mの成形を実施した。このとき、40m以降において、離型紙および成形品表面にシワ状の凹凸の発生が認められた。加圧面の温度分布を表2に示す。
参考例1の金型長さを1250mmとし、金型の成形材料供給側への突出し長さを50mmとした。さらに金型の厚さは一定とした。加圧面の温度分布を表2に示す。それ以外の条件は参考例1と同様にして100mの成形を実施した。離型紙および成形品表面に段差やシワ状の凹凸の発生は認められなかった。
加圧面の温度分布を表2に示す分布とし、間欠送り長さを300mmとした以外は実施例と同様にして、100mの成形を実施した。離型紙および成形品表面に段差やシワ状の凹凸は見られなかった。
参考例4、実施例2、3から成形材料供給側加圧面入口温度Tinを100℃以上とすることで水の結露による離型紙や成形品表面のシワ状凹凸を防止できたことが分かる。
Figure 0004661152
本発明によれば、熱硬化性樹脂を含む成形材料の連続成形法であれば間欠プレス装置に限らず、ダブルベルトプレス装置等を用いた連続成形法にも応用することができるが、その応用範囲は、これらに限られるものではない。
本発明の成形品の製造装置の概略断面図である。 図1とは異なる態様の本発明の製造装置の概略断面図である。 図2で使用した下側金型の縦断面図である。
1 プレス機熱板
2 ヒーター
3 成形材料をプレス機に送る機構
4 成形品を引き取る機構
5 成形材料
6 成形品
7 離型紙
8 金型

Claims (10)

  1. 硬化時の反応で水分の発生する熱硬化性樹脂を含む成形材料を上下一対のプレス面を有する加熱プレス機に連続的に送り、該プレス面内で加圧・加熱処理を行った後に成形品を引き取る、紙または不織布いずれかの構造からなる繊維材料を含む成形品の製造方法であって、プレス機の加圧面内の温度分布として、成形材料供給側の加圧面温度Tin(℃)が100℃以上であり、該Tin(℃)を、中央部の加圧面温度および/または成形材料排出側の加圧面温度よりも低くした状態で加熱プレスすることを特徴とする成形品の製造方法。
  2. Tin(℃)と、加圧面内の最高温度Tmax(℃)との関係が、Tmax−Tin≧20の式を満たす請求項1に記載の成形品の製造方法。
  3. 成形材料排出側の加圧面温度を、加圧面中央部の加圧面温度よりも高くして加熱プレスする請求項1または2のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  4. プレス面の開閉を間欠的に行い、加圧面解放時に成形材料および成形品を送る請求項1〜のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  5. 加熱プレス機として、上下一対の加熱・加圧面を有するものを用い、この上下加圧面の間隔を、成形材料の供給側を広くし、次いで引取側に向かって順次狭まる間隔とした区間を設け、その区間を超えた後は出口部まで一定の間隔に設定して、加熱プレスする請求項に記載の成形品の製造方法。
  6. 加熱プレス機に繊維材料を含む成形材料を供給する請求項1〜のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  7. 成形品の密度として、0.1〜0.8g/cmの範囲内のものを用いる請求項1〜のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  8. 成形材料を間欠的に開閉可能な上下一対の加圧面によって加圧成形するプレス機構と、該プレス機構に成形材料を間欠的に供給する間欠供給機構および間欠的に引き取る間欠引取機構のうちの少なくとも一つの機構とを有する紙または不織布いずれかの構造からなる繊維材料を含む成形品の製造装置であって、該装置に、前記加圧面における成形材料の供給側温度Tin(℃)を100℃以上とする加熱源を設け、加圧面全体内の最高温度Tmax(℃)に対して、Tmax−Tin≧20の関係とする加熱制御装置を設けた成形品の製造装置。
  9. 加熱制御装置は、プレス機の加熱源の出力調整装置またはプレス機の加熱源の不均一な配置による制御装置である請求項に記載の成形品の製造装置。
  10. プレス機の加熱源が、加熱プレス機の加圧面の背後に設置されており、かつ、成形材料供給側と成形品引取側の加熱源とが加熱源の配置位置において異なる請求項に記載の成形品の製造装置。
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