JP2695512B2 - 高強度、高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 - Google Patents
高強度、高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法Info
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Description
料を連続的に製造する方法に関する。さらに詳しくは、
特定の超高分子量ポリエチレン粉末と特定の液状有機化
合物とを混合し、該混合物の融点未満の温度の下に該混
合物を連続的に圧縮成形し、ついで圧延および延伸する
ことにより、高強度・高弾性率を有するポリエチレン材
料を効率よく製造する方法に関する。
ィンは、耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また自己潤滑性も
有するなど特徴のあるエンジニアリングプラスチックと
して各種の分野で使用されている。この超高分子量のポ
リオレフィンは、汎用のポリオレフィンに比較して遥か
に分子量が高いので、高配向させることができれば高強
度、高弾性を有する成形物が得られることが期待される
ので、その高配向化が種々検討されてきた。
リオレフィンに比べ、溶融粘度が高く、通常の方法では
成形加工性が著しく悪く、また、延伸して高配向化する
こともできないのが現状である。
超高分子量ポリオレフィンのデカリン溶液(ドープ)か
ら得たゲルを高倍率に延伸し、高強度・高弾性率の繊維
を製造する方法を提案している(特開昭56−15408
号)。そのドープ中のポリマー濃度は、重量平均分子量
150万のもので3重量%、400万のものでは1重量%と極
めて低濃度でしか実施されておらず、実用化においては
多量の溶媒を使用し、かつ高粘度の溶液の調製方法、取
り扱いなど経済性の面で著しく不利である。
度に延伸・高配向化させる方法についても種々の提案が
ある[特開昭59−187614号、特開昭60−15120号、特開
昭60−97836号、高分子学会予稿集、34巻4号873頁(19
85年)等]。
レフィンをキシレン、デカリン、灯油等の溶媒の希薄溶
液とし、しかる後冷却や等温結晶化を行って得られる単
結晶マットを用いて固相押出、延伸などを行うものであ
る。したがってこの方法でも単結晶マット作製時に多量
の溶媒を用いなければならないという問題は依然として
解決されていない。
分子量のポリオレフィン粉末を、溶解または溶融するこ
となしに該粉末の融点未満の温度の下に圧縮成形し、次
いで圧延および延伸して高強度・高弾性率ポリオレフィ
ン材料を製造する方法を提案した(特開昭63−41512号
および特開昭63−66207号)。
量のポリオレフィン粉末を特定装置により連続的に圧縮
成形(該ポリオレフィン粉末の融点未満の温度条件下)
し、次いで圧延および延伸することにより、強度・弾性
率の高いポリオレフィン材料が生産効率良く製造される
ことを見出し、既に特許出願を行った(特願昭63−3204
01号)。
ィン粉末を比較的低圧下で連続的に圧縮成形しシート化
する手段を提案し、その方法により、後工程の圧延が非
常に有効に働き、圧延されたシートは、圧延倍率を含む
トータル延伸倍率を高めることが出来て、品質と生産性
の面より量産化に大きく寄与した。しかし、圧縮成形時
において、微細な圧力の不均一さが生じる場合があり、
その部分が欠陥になり、またシートの両耳端部は圧力が
逃げるなど、歩留りが悪くなったり生産速度が低下しが
ちであった。このような圧縮成形シート内部の欠陥部
や、両耳端部など均一性が良くない部分は圧延が均一に
行かず、欠陥部分があると圧延でバンクを生じ、生産性
や歩留りを著しく低下させることになる。また、欠陥部
分を内在するシートはその後の延伸でも、連続的に製造
しようとすると、延伸倍率をあまり極端には上げること
が出来ず、しかも歩留りが悪い等、種々の問題点があっ
た。
ート内部に欠陥部がほとんどなく、そのために後工程の
圧延も延伸も均一に高延伸倍率に出来、さらに高品質
で、しかも生産速度も上がり、歩留りの良い製造方法が
望まれていた。
果、特定の超高分子量ポリエチレン粉末に特定の液状有
機化合物を混合したのち該混合物を特定な圧縮装置およ
び方法により圧縮成形し、しかるのち、圧延、延伸する
ことにより、驚くべきことに、さらに低圧下においても
圧縮成形が可能となり、しかも、欠陥部の極めて少ない
圧縮成形物が得られ、その後の工程の圧延・延伸工程に
おいて、高延伸倍率とすることが可能となり、従来に比
べさらに高強度・高弾性率のポリエチレン材料の得られ
ることを見出した。また、欠陥部の極めて少ないこと、
および、圧縮成形物の両耳端部においても均一に圧縮成
形されることから、従来に比べ歩留りおよび生産速度が
さらに向上できることをも見出し、ついに本発明に到達
した。
ある超高分子量ポリエチレン粉末100重量部に対し、該
ポリエチレンの融点以上の沸点を有する液状有機化合物
2〜50重量部を該ポリエチレン粉末の融点未満の温度で
予め混合し、上下に対向させた一対のエンドレスベルト
の間に、該混合物を供給し、該混合物をエンドレスベル
トで挟みつつ移動させるとともに、該エンドレスベルト
の内側に設けられた加圧手段により、該混合物の融点未
満の温度で連続的に圧縮成形し、ついで圧延したのち延
伸することを特徴とする高強度・高弾性率ポリエチレン
の連続的製造方法に関し、 また、前記エンドレスベルトの内側に設けられた加圧
手段が、加圧プレートおよび該加圧プレートとエンドレ
スベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラ群
からなることを特徴とする高強度・高弾性率ポリエチレ
ン材料の製造方法に関する。
用いる超高分子量ポリエチレンは、135℃、デカリン中
における極限粘度が5〜50dl/g,好ましくは8〜40dl/g,
さらに好ましくは、10〜30dl/gのものであり、粘度平均
分子量50万〜1200万、好ましくは90万〜900万,さらに
好ましくは120万〜600万に相当するものである。
悪くなり好ましくない。また、50dl/gを越えると圧縮成
形、圧延および延伸を行う場合の加工性が悪くやはり好
ましくない。
限定されないが、通常、顆粒上、粉末状のものが好まし
く用いられ、例えば粒径が2000μm以下、好ましくは1
〜2000μm,さらに好ましくは10〜1000μmが望ましい。
また、その粒径分布は狭い方が圧縮成形時において欠陥
部が少なく、均質なシート、フィルム状物が得られ好ま
しい。
ポリエチレンは、周期律表IV〜VI族の遷移金属元素を含
む化合物のうち、少なくとも一種の化合物を含有する触
媒成分と必要に応じて有機金属化合物とを組合せてなる
触媒の存在下に、エチレンの単独重合、またはエレチン
とα−オレフィンを共重合することにより得られる。
〜6のものが使用できる。具体的には、プロピレン、ブ
テン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1、デセン−1、ドデセン−1などを挙げるこ
とができる。これらのうち特に好ましいのは、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキサン−
1である。またコモノマーとして、ジエン類、たとえば
ブタジエン、1.4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネ
ン、エチリデン−ノルボルネンなどを併用してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン
含量は0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル%、
より好ましくは0.1〜1モル%である。
移金属を含む化合物としては、具体的にはチタン化合
物、バナジウム化合物、クロム化合物、ジルコニウム化
合物、ハフニウム化合物などが好適である。また、これ
らの化合物を複数種組合せて用いてもよい。
コキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン化酸化物
等を挙げることができ、4価のチタン化合物と3価のチ
タン化合物が好適である。4価のチタン化合物としては
具体的には一般式 Ti(OR)nX4-n (ここでRは炭素数1〜20好ましくは1〜12のアルキル
基、またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示
す。nは0≦n≦4である。)で示されるものを挙げる
ことができ、特に四塩化チタンが好ましい。
ゲン化チタンが挙げられ、また、一般式 Ti(OR)mX4-m (ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基ま
たはアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。mは
0≦m≦4である。)で示される4価のハロゲン化アル
コキシチタンを周期律表I〜III族金属の有機金属化合
物により還元して得られる3価のチタン化合物が挙げら
れる。
特に好ましい。
物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン
化酸化物等を挙げることができ、具体的には、四塩化バ
ナジウム等の四ハロゲン価バナジウム、テトラエトキシ
バナジウムの如く4価のバナジウム化合物、オキシ三塩
化バナジウム、エトキシジクロルバナジル、トリエトキ
シバナジル、トリプトキシバナジルの如き5価のバナジ
ウム化合物、三塩化バナジウム、バナジウムトリエトキ
シドの如き3価のバナジウム化合物が挙げられる。
種以上の電子供与性化合物で処理してもよい。該電子供
与性化合物としては、エーテル、チオエーテル、チオー
ルホスフィン、スチビン、アルシン、アミン、アミド、
ケトン、エステルなどを挙げることができる。
シウム化合物と併用し用いてもよい。併用されるマグネ
シウム化合物としては、金属マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フッ
化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウムなど、またケイ素、アルミニウ
ム、カルシウムから選ばれる金属とマグネシウム原子と
を含有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物あるいは水
酸化物など、さらにはこれらの無機質固体化合物を含酸
素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロゲン含
有物質で処理又は反応させたもの、また、ケイ素、アル
ミニウムを含有する酸化物に、上記のマグネシウム化合
物を含有させたもの等があげられる。
化合物を併用する場合、両者の接触方法としては、特に
制限はなく、公知の方法を採用することができる。
ル、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エ
ステル、ポリシロキサン、酸アミド等の有機含酸素化合
物、金属アルコキシド、金属のオキシ塩化物等の無機含
酸素化合物を例示することができる。含硫黄化合物とし
ては、チォール、チオエーテルの如き有機含硫黄化合
物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸の如き無機硫黄化合
物を例示することができる。芳香族炭化水素としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、フェナ
ンスレンの如き各種単環および多環の芳香族炭化水素化
合物を例示することができる。ハロゲン含有物質として
は、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物の
如き化合物等を例示することができる。
どの有機マグネシウム化合物とチタン化合物との反応生
成物を用い、これに有機アルミニウム化合物を組み合わ
せた触媒系を例示することができる。
物と前記少なくともマグネシウムおよびチタンを含有す
る固体触媒成分を接触させて得られる固体物質を用い、
これに有機アルミニウム化合物を組み合わせたものを例
示することができる。
ン酸エステルとの付加物として使用することもでき、ま
た前記したマグネシウムを含む無機固体化合物を有機カ
ルボン酸エステルと接触処理させたのち使用することも
できる。また、有機アルミニウム化合物を有機カルボン
酸エステルとの付加物として使用しても何ら支障がな
い。さらには、あらゆる場合において、有機カルボン酸
エステルの存在下に調整された触媒系を使用することも
何ら支障なく実施できる。
は焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形成す
る化合物を無機酸化物担体に担持させたフィリップス触
媒と称される触媒をあげることができる。無機酸化物担
体としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チ
タニア、ジルコニア、トリアあるいはこれらの混合物が
あげられるが、シリカ、シリカ−アルミナが好ましい。
は焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形成す
る化合物、たとえばクロムのハロゲン化物、オキシハロ
ゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、アルコラート等が
あげられ、具体的には三酸化クロム、塩化クロミル、重
クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、硝酸クロ
ム、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネート、ジター
シャリブチルクロメート等があげられる。
去、昇華等の公知の方法によって行うことができ、使用
するクロム化合物の種類によって適当な方法を用いれば
よい。担持するクロムの量は、担体に対するクロム原子
の重量%で0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、
さらに好ましくは0.5〜3重量%である。
して活性化を行う。焼成活性化は一般に水分を実質的に
含まない非還元性雰囲気、たとえば酸素存在下に行なわ
れるが、不活性ガスの存在下あるいは減圧下で行っても
よい。好ましくは乾燥空気が用いられる。焼成は、温度
450℃以上、好ましくは500〜900℃で数分〜数時間、好
ましくは0.5〜10時間行う。焼成時は充分に乾燥空気を
用い、流動状態下で活性化を行うのが好ましい。
有塩類等を添加して、活性等を調節する公知の方法を併
用してもよい。
素、エチレン、有機アルミニウムなどで還元して用いて
もよい。
は、例えば共役π電子を有する基を配位子としたジルコ
ニウム化合物またはハフニウム化合物等があげられ、一
般式、 R1 aR2 bM R3 cR4 d (ここで、Mはジルコニウムまたはハフニウム原子を示
し、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜20の炭化水素残基、
ハロゲン原子また水素原子を示す。なお、R1,R2,R3,R4
のうち少なくとも一つは炭化水素残基である。a,b,cお
よびdはa+b+c+d=4なる条件式を満たすもので
ある)で表される化合物が具体的にあげられる。式中の
炭化水素残基としてはアルキル基、アリール基、シクロ
アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアル
カジエニル基、含硫黄炭化水素残基、含窒素炭化水素残
基または含リン炭化水素残基等が好ましい。
基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オレイル基など
が例示され、アリール基としては、フェニル基、トリル
基などが例示され、シクロアルキル基としては、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノ
ルボルニル基、ビシクロノニル基などが例示され、アラ
ルキル基としてはベンジル基、ネオファイル基等が例示
される。
ンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基等を
例示することができ、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が例示さ
れる。含硫黄炭化水素残基としては、チオエチル基、チ
オフェニル基等が例示され、また、含窒素炭化水素残基
としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプ
ロピルアミド基等が例示される。
ペニル基、1−ブテニル基など不飽和脂肪残基やレタロ
ヘキセニル基など不飽和脂環式基についても例示するこ
とができる。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素
などを例示することができる。
も前述の無機酸化物担体に担持させて用いることももち
ろん可能である。
いる有機金属化合物としては、チグラー型触媒の一成分
として知られている周期律表I〜IV族の有機金属化合物
を使用できるが、一般式RnAlX3-n(ただしRは炭素数1
〜20のアルキル基、アリール基またはアルコキシル基、
Xはハロゲン原子、nは0<n≦3、なお、N≧2の場
合、各Rは同一でも異なってもよい)で示される有機ア
ルミニウム化合物、および、一般式R2Zn(ただしRは炭
素数1〜20のアルキル基であり、二者同一でもまた異な
っていてもよい)で示される有機亜鉛化合物が好まし
く、またこれらの混合物でもよい。
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn
−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、モノエトキシジアルキルアルミニウム、ジエトキシ
モノアルキルアルミニウムなどがあげられ、また、トリ
アルキルアルミニウムと水との反応で得られる一般式 で表わされる化合物(ここではRは炭素数1〜18の炭化
水素基を、nは2≦n≦100、好ましくは2≦n≦50を
示す)などを用いることもできる。
移金属化合物に対して0.1〜1,000mol倍使用することが
できる。
状態または前記触媒に対して不活性溶媒、例えばブタ
ン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ベンゼン、トル
エン等の芳香族系炭化水素、石油留分等の存在下、また
はモノマー自体を溶媒として行われる。重合温度は生成
する超高分子量ポリエチレンの融点未満、通常−20〜11
0℃、好ましくは0〜90℃である。
上の場合は、後工程である延伸段階において、20倍以上
延伸できなくなり好ましくはない。
cm2G、とするのが望ましい。
媒成分のモル比、重合系中への水素添加など重合条件を
変化させることにより可能であり、特に制限はない。
った2段階ないしそれ以上の多段階の重合反応も何ら支
障なく実施できる。
る。
エチレン粉末の融点以上の沸点を有し、かつ該ポリエチ
レン粉末の融点未満の融点を有す有機化合物である。な
お、液状とは、該ポリエチレン粉末と混合する際、かか
る有機化合物が液状に存在するという意味を示すもので
ある。
限り特に限定されるものではなく、用いるポリエチレン
粉末に対し膨潤、溶解作用の有・無にかかわらず用いる
ことができる。
する液状有機化合物としては、例えば、ノナン、デカ
ン、オクタデカン等の炭素数9以上の飽和脂肪族炭化水
素化合物、またはn−パラフィン、iso−パラフィン等
と称される飽和炭化水素化合物の混合物、デカリン、テ
トラリン、等の脂環式炭化水素、キシレン、メシチレ
ン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、ジクロルベン
ゼン等の芳香族化合物、ステアリン酸等に例示される炭
素数3以上の飽和脂肪族モノカルボン酸、不飽和脂肪族
カルボン酸等の有機酸などが挙げられる、また、ケロシ
ン等の沸点が100〜250℃の石油留分、あるいは、各種鉱
油、グリース類なども用いることができる。
用を有しない液状有機化合物としては例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリ
ン等の多価アルコール等があげられる。
して用いられているものも、液状有機化合物として用い
ることができ、例えば、フタル酸エステル、二塩基酸エ
ステル、無機酸エステル、グリコールエステル、オレイ
ン酸エステル、リシノール酸エステル、エポキシ脂肪酸
エステル、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリ
ン誘導体などが挙げられ、具体的には、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン
酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジ
ブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブトキシエチ
ル、リン酸2−エチルヘキシル−ジフェニル、などが代
表例として挙げられる。
た、これらを混合して用いてもよい。
シレン、デカリンが特に好ましい。
リエチレン粉末100重量部に対して、液状有機化合物2
〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましく
は10〜30重量部である。
は、ほとんど効果が認められず、50重量部を越えると、
圧縮成形時において、液状有機化合物がポリエチレン粉
末との混合物から絞り出されてしまい無駄である。
は、特に制限されるものではなく、V型,ドラム型,あ
るいはリボンミキサーなど、公知の混合機を適宜用い行
うことができるが、ヘンジェルミキサーなどのように高
速で回転する方法のものは剪断熱によりポリエチレン粉
末が溶解してしまうので好ましくない。混合時における
温度は、該ポリエチレン粉末の融点未満の温度である限
り特に限定されなく、通常常温〜該融点未満,好ましく
は常温〜70℃望ましい。また、混合時間は、混合時にお
ける温度,用いる液状有機化合物の種類により異なる
が、通常5分以上,好ましくは10〜60分であり、混合時
においては、連続的または断続的に撹拌することが望ま
しい。
以上、好ましくは1日以上該液状有機化合物が揮散しな
いように、シールされた状態で放置することが望まし
い。
て記述する。
せた一対のエンドレスベルの間にポリエチレン粉末と液
状有機化合物との混合物を供給し、該混合物をエンドレ
スベルトで挟みつつ移動させるとともに、該エンゾレス
ベルトの内側に設けられた加圧手段により、該混合物融
点未満の温度の下に連続的に圧縮成形するものであり、
好ましくは、エンドレスベルトの内側に設けられた加圧
手段が、加圧プレートおよび該加圧プレートとエンドレ
スベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラ群
からなるものであることが望ましい。
き簡略に説明する。
けられた上下に対向させた一対のエンドレスベルト5,6
と、このエンドレスベルトを介し、粉末試料を加圧する
ための加圧プレート7と、加圧プレートとエンドレスベ
ルトとの間に回転自在で互いに連結されたローラ群8と
からなる加圧手段を有している。
設けられた加圧プレートおよび加圧プレートとエンドレ
スベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラー
群からなる。加圧プレートとエンドレスベルトとの間に
介在させる回転自在な互いに連結されたローラー群とし
ては、そのローラー群におけるローラーの回転軸がエン
ドレスベルトの進行方向にほぼ垂直に配置され、かつ相
互に接触しない程度に密接させて多数配列させたものが
適当である。
9で固定され、加圧プレートの前後に配設したスプロケ
ット10にこのチェーンを噛み合わせることにより、ロー
ラー群をエンドレスベルトの走行速度の1/2程度の速度
で走行させるのがよい。
の間に固定して介在させてもよいが、この場合には、ロ
ーラー群とエンドレスベルトおよび加圧プレートとの間
にそれぞれスリップによる摩擦力が生じるので、装置の
耐久性に問題が生じる。
であり、かつ圧力を均一に伝達できるものである限り特
に制限されない。
通常30〜400cm、好ましくは50〜200cm程度が適当であ
る。加圧プレートがエンドレスベルトに加える平均圧力
は、通常100kg/cm2未満、好ましくは、0.1〜50kg/cm2さ
らに好ましくは0.1〜20kg/cm2程度好ましくは0.5〜10kg
/cm2さらに好ましくは1.0〜8.0kg/cm2の圧力で充分であ
る。加圧プレートは、エンドレスベルトを介してポリエ
チレン粉末と液状有機化合物の混合物を加圧することが
第一義的な役割であるが、同時に被圧縮物の加熱手段と
しても使用することも可能である。本発明の方法におい
ては、被圧縮物である混合物の融点未満の温度で圧縮工
程が実施されることが、引き続いて実施される圧延、延
伸工程を経ることによって高強度、高弾性率ポリエチレ
ン材料を得る上で極めて重要である。しかしながら、良
好な圧縮成形シートを得るには、混合物の融点未満の温
度であっても許容できる範囲内であることが望ましい。
通常50℃以上且つ融点未満、好ましくは90〜140℃が望
ましい。そのための被圧縮物の加熱手段としては、加圧
部におけるエンドレスベルトを直接加熱するのが最適で
あるが、第2図に示されるように、加圧プレート内に加
熱手段11を配設し、加圧プレートからローラー群、エン
ドレスベルトを経て被圧縮物を加熱したり、第1図に示
すようにエンドレスベルトに近接させて予備加熱器12を
配設して加熱するのが実際的には便宜である。
熱部13を設けた上で加圧プレート内に電熱ヒーターを埋
め込んでもよいし、加圧プレート内に熱媒体の循環流路
を配設して熱媒体を用いて加熱してもよい。
率ポリエチレン材料の連続的製造方法を実施するには、
まず、ホッパー14内に投入されたポリエチレン粉末及び
液状有機化合物の混合物を下方のエンドレスベルト上に
落下させる。
さ、圧縮条件にも依存するが、通常10cm/min以上、好ま
しくは50〜200cm/min程度が適当である。エンドレスベ
ルト上に乗った該混合物は、ドクターブレードにより所
定の断面形状となし、また必要により加熱器により予備
加熱された後、上下のエンドレスベルトによる挟圧部ま
で移動され、次いでローラー群と加圧プレートとが配設
された圧縮部へ移行される。ここで、油圧シリンダー
(図示せず)からの圧力が油圧ピストン15から加圧プレ
ートへ伝達され、更にローラー群、エンドレスベルトを
経て被圧縮物に圧縮力が加えられる。この時、加熱体か
らの熱も同様にローラー群、エンドレスベルトを経て被
圧縮物に伝達され、被圧縮物の温度が所定の温度に保持
される。
ール部を通過した後、エンドレスベルトから離れる。こ
のようにして圧縮成形シートが連続的に成形される。な
お、これらの圧縮成形されたシートは通常2〜0.2mm、
好ましくは1.5〜0.5mmの肉厚とするのが望ましい。
料を、かくして得られた圧縮成形シートを圧延しついで
延伸することにより得るものである。
が、ポリエチレンを溶融させることなく固相状態に保持
したまま回転方向の異なる圧延ロールにより挟圧して圧
延シート又はフィルムを得る。このとき、圧延操作によ
る材料の変形比は広く選択することができ、通常、圧延
効率(圧延後の長さ/圧延前の長さ)で1.2〜20、好ま
しくは1.5〜10とするのが望ましい。この時の温度とし
ては20℃以上融点未満、好ましくは90℃以上融点未満で
圧延操作を実施することが望ましい。勿論、上記圧延操
作を一回以上多段圧延することができる。
その方法としては、本発明の目的を損なわない限り特に
限定されないが、例えばまず加熱手段としては熱風延
伸、シリダー延伸、熱板延伸などがある。また延伸張力
をかける手段としてニップロール間で延伸したり、クロ
ーバーロール、多段ロール間で張力をかけたり、ネルソ
ンロール方式で延伸張力を保持しながら延伸することも
可能である。これらの方法のいずれも使用することがで
きるが、もっとも好ましくはニップロール間で張力を与
え熱シリンダー上で延伸する方法である。
20〜160℃、好ましくは20〜150℃、さらに好ましくは90
〜145℃、特に好ましくは、90〜140℃で行われる。高倍
率に延伸する手段として多段延伸がある。まず100〜140
℃で1段延伸を行い、次いで1段目より高い温度で更に
延伸を行う。
なり、適宜選択できるが、通常0.1〜500m/分、好ましく
は、1〜200m/分の範囲である。
できるため、できる限り高めることが望ましく、本発明
の方法においては、少なくとも20倍以上、通常60倍以
上、好ましくは80〜200倍のトータル延伸倍率(圧延お
よび引張延伸の合計の延伸倍率)が可能である。
造される。本発明の方法によれば、例えば、ポリオレフ
ィンとしてポリエチレンを用いた場合、引張弾性率120G
Pa以上、引張強度2GPa以上のポリエチレン材料が得られ
ることに代表されるように、極めて高強度・高弾性率の
ポリオレフィン材料が得られるものである。
の液状有機化合物が混合されていることにより、圧縮成
形工程で低い圧力と低い温度で成形可能になる。低い圧
力で成形可能であることは、成形装置が簡便なものにな
り、装置コストが安くなる。また、低い温度で成形可能
であることは、熱エネルギーコストが安くなるばかりで
なく、安定温度領域も広く、操業安定性が良い。また、
圧縮、圧延、延伸などの工程において、液体がない場合
に比較して、圧力も温度も均一に伝わり、また液体の種
類により液体が可塑剤的に作用するので加工性が優れ、
シート全体の欠陥部も少なくなる。そのために、ライン
スピードをアップ出来て生産性が上がり、高倍率まで延
伸出来るので高強度、高弾性率の製品になり、しかも工
程全体の歩留りも向上する。また、使用する液状有機化
合物が少なく、また揮発性の液状有機化合物を使用する
場合は、圧縮工程の段階で大部分が揮散し、また多少そ
の段階で残ったとしても、つぎの圧延工程あるいは続く
引張延伸工程で残らず揮散してしまうので、脱剤の工程
を設ける必要がなく、極めて経済的である。
明は何らこれらに限定されるものではない。
で行った。
で昇温し現われたピークの最大ピークの頂点の位置の温
度を融点とした。
にて測定した。クランプ間にはさむ試料長は150mmで引
張速度100mm/minとした。弾性率は0.1%歪における応力
を用いて計算した。計算に必要なサンプルの断面積はポ
リエチレン密度を1g/cm3としてサンプルの重量と長さを
測定して求めた。
分子量ポリエチレン100重量%に30重量部のデカリンを
加えV型ブレンダーを用いて20分間混合した。この混合
物をふた付容器中に入れ、1週間放置した後、該混合物
を130℃に加熱し、上記仕様の圧縮成形装置を用いて材
料への平均圧力はおよそ6kg/cm2で加圧し、肉厚1.1mm、
巾100mmのシートを1m/minの速度で連続的に予備圧縮成
形した。
の上下同一周速度で反対方向に回転する直径150mm、面
長300mm、ロール間距離30μmの一対のロール間に供給
し、圧延を行い延伸倍率5倍のフィルムを得た。得られ
た圧延フィルムを巾1mmにスリットしロール径が250mmの
熱ロール型延伸装置を用いて温度135℃、ロール周速度
は低速側を0.6m/分、高速側12m/分とし倍率20倍で延伸
を行った。引張延伸時の切れはほとんどなく、延伸性は
良好であった。得られた繊維の弾性率及び強度を測定し
結果を表1に示した。なお超高分子量ポリエチレンの融
点は141.9℃、またデカリンとの混合物の融点は135.2℃
であった。
いてその他のことは実施例1と同様に行った。引張延伸
性および得られた繊維の物性測定結果を表1に示した。
なお混合物の融点は136.1℃であった。
リエチレンを用いることを除いてその他のことは実施例
1と同様に行った。引張延伸時の延伸性および得られた
繊維の物性評価結果を表1に示した。なお超高分子量ポ
リエチレンおよびデカリンとの混合物の融点はそれぞれ
142.6℃,136.5℃であった。
重量部を用いることを除いてその他のことは実施例1と
同様に行った。引張延伸時の延伸性および得られた繊維
の物性評価結果を表1に示した。なお液状パラフィンと
の混合物の融点は138.4℃であった。
ートの肉厚を0.7mmとしたことおよび引張延伸をまず130
℃の温度で11倍(低速側ロール、0.5m/分、高速側ロー
ル5.5m/分)、次いで150℃の温度で2.4倍(低速側ロー
ル、5.5m/分、高速側ロール13.2m/分)、合計延伸倍率2
6倍で行った他は実施例1と同様に行った。引張延伸時
の延伸性および得られた繊維の物性測定結果を表1に示
した。
エチレングリコール10部を用いることを除いて、他は実
施例5と同様に行った。圧延までは実施例5と全く同様
に安定してシート化出来たが、延伸性は若干悪かった。
示した。
3℃であった。
ル30部を用いることを除いて、他は実施例5と同様に行
った。圧延までは実施例5と全く同様に安定してシート
化出来たが、延伸性は若干悪かった。
示した。
℃であった。
て他は実施例1と同様に行ったが、引張延伸時に切れ回
数が多く、延伸性不良であった。得られた繊維の物性測
定結果を表1に示した。
130℃、圧力5kg/cm2、加圧時間10分の条件で成形した肉
厚1.1mmのシートを実施例1と同様の圧延条件で5倍に
伸長し、これを1mm巾にスリットし、恒温槽付き引張試
験機によって135℃、500mm/分のクロスヘッドスピード
で延伸を行ったが10倍の延伸しかできなかった。得られ
た繊維の物性測定結果を表1に示した。
て他は実施例5と同様に行ったが、ボロボロのシートに
しかならず、圧延できなかった。
エチレンを用いて圧延倍率を6倍とする以外は実施例1
と同様に行なった。延伸性および得られた材料の物性測
定結果を表2に示した。
実施例8と同様に行なった。延伸性および得られた材料
の物性測定結果を表2に示した。
エチレンを用いる以外は実施例1と同様に行なった。延
伸性および得られた材料の物性測定結果を表2に示し
た。
度はストログラフR型を用いて温度23℃にて測定した。
クランプ間にはさむ試料長は150mm、引張速度を100mm/
分とした。弾性率は0.1%歪における応力を用いて計算
した。計算に必要な試料の断面積はポリエチレンの密度
を1g/cm3として試料の重量と長さを測定して求めた。
級分けした。
模式図であり、第2図は、第1図の装置の加圧部近傍の
拡大図である。 1〜4:ロール 5,6:エンドレスベルト 7:加圧プレート、8:ローラー群 9:チェーン、10:スプロケット 11:加熱手段、12:予備加熱器 13:断熱部、14:ホッパー 15:油圧ピストン
Claims (2)
- 【請求項1】135℃、デカリン中における極限粘度が5
〜50dl/gである超高分子量ポリエチレン粉末100重量部
に対し、該ポリエチレンの融点以上の沸点を有する液状
有機化合物2〜50重量部を該ポリエチレン粉末の融点未
満の温度で予め混合したのち、上下に対向させた一対の
エンドレスベルトの間に、該混合物を供給し、 エンドレスベルトで挟みつつ移動させるとともに、該エ
ンドレスベルトの内側に設けられた加圧手段により、該
混合物の融点未満の温度で連続的に圧縮成形し、ついで
圧延したのち延伸することを特徴とする高強度・高弾性
率ポリエチレンの連続的製造方法。 - 【請求項2】エンドレスベルトの内側に設けられた加圧
手段が、加圧プレートおよび該加圧プレートとエンドレ
スベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラ群
からなることを特徴とする請求項1記載の高強度・高弾
性率ポリエチレン材料の製造方法。
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