JP3186340B2 - クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機及びその容量制御方法 - Google Patents
クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機及びその容量制御方法Info
- Publication number
- JP3186340B2 JP3186340B2 JP14099693A JP14099693A JP3186340B2 JP 3186340 B2 JP3186340 B2 JP 3186340B2 JP 14099693 A JP14099693 A JP 14099693A JP 14099693 A JP14099693 A JP 14099693A JP 3186340 B2 JP3186340 B2 JP 3186340B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- crank chamber
- chamber
- swash plate
- discharge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B27/00—Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
- F04B27/08—Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
- F04B27/14—Control
- F04B27/16—Control of pumps with stationary cylinders
- F04B27/18—Control of pumps with stationary cylinders by varying the relative positions of a swash plate and a cylinder block
- F04B27/1804—Controlled by crankcase pressure
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B2201/00—Pump parameters
- F04B2201/08—Cylinder or housing parameters
- F04B2201/0801—Temperature
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク室、吸入室、
吐出室及びこれら各室に接続するシリンダボアを区画形
成し、シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可
能に収容するハウジング内に回転軸を回転可能に支持
し、回転軸に回転支持体を設けると共に、回転支持体に
斜板を傾動可能に連係し、クランク室内の圧力と吸入圧
との片頭ピストンを介した差により斜板の傾角を制御す
るクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機に関する
ものである。
吐出室及びこれら各室に接続するシリンダボアを区画形
成し、シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可
能に収容するハウジング内に回転軸を回転可能に支持
し、回転軸に回転支持体を設けると共に、回転支持体に
斜板を傾動可能に連係し、クランク室内の圧力と吸入圧
との片頭ピストンを介した差により斜板の傾角を制御す
るクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭59−150988号公報及び特
開昭61−55380号公報に開示される可変容量型揺
動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧縮機の回転軸との
間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電磁クラッチを使
用していない。電磁クラッチを無くせば、特に車両搭載
形態ではそのON−OFFのショックによる体感フィー
リングの悪さの欠点を解消できると共に、圧縮機全体の
重量減、コスト減が可能となる。
開昭61−55380号公報に開示される可変容量型揺
動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧縮機の回転軸との
間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電磁クラッチを使
用していない。電磁クラッチを無くせば、特に車両搭載
形態ではそのON−OFFのショックによる体感フィー
リングの悪さの欠点を解消できると共に、圧縮機全体の
重量減、コスト減が可能となる。
【0003】前記各公報に開示される可変容量型揺動斜
板式圧縮機ではいずれも、斜板を収容するクランク室内
の圧力を高めて斜板傾角を0°近くにもってゆき、吐出
容量を零近くに落とすようになっている。
板式圧縮機ではいずれも、斜板を収容するクランク室内
の圧力を高めて斜板傾角を0°近くにもってゆき、吐出
容量を零近くに落とすようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなクラッチレ
ス圧縮機では外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロスト
発生が問題になる。外気温が氷点付近では蒸発器におい
てフロスト発生のおそれがあり、このような環境条件で
は必要に応じて斜板傾角を0°近くに持ってゆき、吐出
無効化を行なわねばならない。しかし、吐出無効化状態
では冷媒の循環が実質的に無くなるため、冷媒と共に移
動する潤滑油の還流がなくなり、圧縮機内の潤滑不良が
問題になってくる。
ス圧縮機では外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロスト
発生が問題になる。外気温が氷点付近では蒸発器におい
てフロスト発生のおそれがあり、このような環境条件で
は必要に応じて斜板傾角を0°近くに持ってゆき、吐出
無効化を行なわねばならない。しかし、吐出無効化状態
では冷媒の循環が実質的に無くなるため、冷媒と共に移
動する潤滑油の還流がなくなり、圧縮機内の潤滑不良が
問題になってくる。
【0005】本発明は、フロスト及び圧縮機内の潤滑の
問題を共に解消することを目的とする。
問題を共に解消することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1に記
載の発明では、零ではない吐出容量をもたらすように斜
板の最小傾角を規定しておくと共に、吐出圧領域と吸入
圧領域とをバイパス通路で接続しておき、圧縮機内の摺
接部位における潤滑状態を反映する圧縮機の発熱状態を
検出し、この発熱状態が特定状態に達したときには、前
記圧力供給通路の閉鎖、前記放圧通路の通過断面積拡
大、及び前記バイパス通路の閉鎖の少なくとも1つの動
作を遂行するようにした。
載の発明では、零ではない吐出容量をもたらすように斜
板の最小傾角を規定しておくと共に、吐出圧領域と吸入
圧領域とをバイパス通路で接続しておき、圧縮機内の摺
接部位における潤滑状態を反映する圧縮機の発熱状態を
検出し、この発熱状態が特定状態に達したときには、前
記圧力供給通路の閉鎖、前記放圧通路の通過断面積拡
大、及び前記バイパス通路の閉鎖の少なくとも1つの動
作を遂行するようにした。
【0007】請求項2に記載の発明では、前記最小傾角
規定手段と、前記バイパス通路と、前記斜板傾角が最小
傾角のときには前記バイパス通路を開放可能なバイパス
開閉弁と、前記温度検出手段と、前記温度検出手段が特
定状態を検出したときには前記バイパス開閉弁を閉状態
に強制変更するバイパス通路強制閉鎖手段とを備えたク
ラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機を構成した。
規定手段と、前記バイパス通路と、前記斜板傾角が最小
傾角のときには前記バイパス通路を開放可能なバイパス
開閉弁と、前記温度検出手段と、前記温度検出手段が特
定状態を検出したときには前記バイパス開閉弁を閉状態
に強制変更するバイパス通路強制閉鎖手段とを備えたク
ラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機を構成した。
【0008】請求項3に記載の発明では、前記最小傾角
規定手段と、前記バイパス通路と、前記バイパス開閉弁
と、前記温度検出手段と、前記温度検出手段が特定状態
を検出したときには前記圧力供給通路を閉状態に強制変
更する圧力供給通路強制閉鎖手段とを備えたクラッチレ
ス片側ピストン式可変容量圧縮機を構成した。
規定手段と、前記バイパス通路と、前記バイパス開閉弁
と、前記温度検出手段と、前記温度検出手段が特定状態
を検出したときには前記圧力供給通路を閉状態に強制変
更する圧力供給通路強制閉鎖手段とを備えたクラッチレ
ス片側ピストン式可変容量圧縮機を構成した。
【0009】請求項4に記載の発明では、前記最小傾角
規定手段と、前記バイパス通路と、前記バイパス開閉弁
と、前記温度検出手段と、前記温度検出手段が特定状態
を検出したときには前記放圧通路の通過断面積を増大方
向に強制変更する開度増大強制手段とを備えたクラッチ
レス片側ピストン式可変容量圧縮機を構成した。
規定手段と、前記バイパス通路と、前記バイパス開閉弁
と、前記温度検出手段と、前記温度検出手段が特定状態
を検出したときには前記放圧通路の通過断面積を増大方
向に強制変更する開度増大強制手段とを備えたクラッチ
レス片側ピストン式可変容量圧縮機を構成した。
【0010】
【作用】蒸発器でのフロストが発生しそうな状況では斜
板傾角は最小傾角となり、バイパス通路が開く。バイパ
ス通路の開放により吐出圧領域の冷媒ガスが吸入圧領域
へ流れ、外部冷媒回路への吐出冷媒ガスの流出がなくな
る。従って、外部冷媒回路上の蒸発器のフロストが回避
される。圧縮機内の摺接部位の潤滑が不足してくると、
この摺接部位の温度が上昇する。このような特定の温度
状態が生じると、前記圧力供給通路の閉鎖、前記放圧通
路の通過断面積拡大、及び前記バイパス通路の閉鎖の少
なくとも1つの動作が遂行される。バイパス通路が閉じ
られると、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路を還流する。
板傾角は最小傾角となり、バイパス通路が開く。バイパ
ス通路の開放により吐出圧領域の冷媒ガスが吸入圧領域
へ流れ、外部冷媒回路への吐出冷媒ガスの流出がなくな
る。従って、外部冷媒回路上の蒸発器のフロストが回避
される。圧縮機内の摺接部位の潤滑が不足してくると、
この摺接部位の温度が上昇する。このような特定の温度
状態が生じると、前記圧力供給通路の閉鎖、前記放圧通
路の通過断面積拡大、及び前記バイパス通路の閉鎖の少
なくとも1つの動作が遂行される。バイパス通路が閉じ
られると、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路を還流する。
【0011】圧力供給通路の閉鎖又は放圧通路の通過断
面積拡大が行われるとクランク室内の圧力が低下する。
この圧力低下により斜板傾角が最小傾角から増大方向へ
移行し、吐出容量が増大する。圧力供給通路が開いてい
る場合、吐出室の冷媒ガスの一部は圧力供給通路、クラ
ンク室、放圧通路、吸入室、シリンダボアの順に吐出室
へ還流する。この還流冷媒ガスは吐出容量の増大により
増大し、クランク室内の潤滑必要部位の潤滑が確保され
る。
面積拡大が行われるとクランク室内の圧力が低下する。
この圧力低下により斜板傾角が最小傾角から増大方向へ
移行し、吐出容量が増大する。圧力供給通路が開いてい
る場合、吐出室の冷媒ガスの一部は圧力供給通路、クラ
ンク室、放圧通路、吸入室、シリンダボアの順に吐出室
へ還流する。この還流冷媒ガスは吐出容量の増大により
増大し、クランク室内の潤滑必要部位の潤滑が確保され
る。
【0012】圧力供給通路が閉じている場合、クランク
室内の圧力低下によりシリンダボアからクランク室への
ブローバイガス量が増え、クランク室内の潤滑必要部位
の潤滑が確保される。
室内の圧力低下によりシリンダボアからクランク室への
ブローバイガス量が増え、クランク室内の潤滑必要部位
の潤滑が確保される。
【0013】請求項2に記載の発明では、温度検出手段
が特定状態を検出したときにはバイパス通路強制閉鎖手
段がバイパス開閉弁を閉状態に強制変更し、バイパス通
路が閉じられる。
が特定状態を検出したときにはバイパス通路強制閉鎖手
段がバイパス開閉弁を閉状態に強制変更し、バイパス通
路が閉じられる。
【0014】請求項3に記載の発明では、温度検出手段
が特定温度を検出したときには圧力供給通路強制閉鎖手
段が圧力供給通路を閉状態に強制変更する。圧力供給通
路が閉じられることによりクランク室の圧力が低下し、
斜板傾角が増大する。
が特定温度を検出したときには圧力供給通路強制閉鎖手
段が圧力供給通路を閉状態に強制変更する。圧力供給通
路が閉じられることによりクランク室の圧力が低下し、
斜板傾角が増大する。
【0015】請求項4に記載の発明では、温度検出手段
が特定状態を検出したときには開度増大強制手段が前記
放圧通路の通過断面積を増大する。この通過断面積増大
によりクランク室の圧力が低下し、斜板傾角が増大す
る。
が特定状態を検出したときには開度増大強制手段が前記
放圧通路の通過断面積を増大する。この通過断面積増大
によりクランク室の圧力が低下し、斜板傾角が増大す
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を具体化した第1実施例を図1
〜図8に基づいて説明する。図1に示すように圧縮機全
体のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端
にはフロントハウジング2が接合されている。シリンダ
ブロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレー
ト4、弁形成プレート5A,5B及びリテーナ形成プレ
ート6を介して接合固定されている。フロントハウジン
グ2内には深溝玉軸受け部材7が取り付けられている。
深溝玉軸受け部材7には回転支持体8が支持されてお
り、回転支持体8には回転軸9が止着されている。深溝
玉軸受け部材7は回転軸9に作用するスラスト方向の荷
重及びラジアル方向の荷重の両方を回転支持体8を介し
て受け止める。
〜図8に基づいて説明する。図1に示すように圧縮機全
体のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端
にはフロントハウジング2が接合されている。シリンダ
ブロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレー
ト4、弁形成プレート5A,5B及びリテーナ形成プレ
ート6を介して接合固定されている。フロントハウジン
グ2内には深溝玉軸受け部材7が取り付けられている。
深溝玉軸受け部材7には回転支持体8が支持されてお
り、回転支持体8には回転軸9が止着されている。深溝
玉軸受け部材7は回転軸9に作用するスラスト方向の荷
重及びラジアル方向の荷重の両方を回転支持体8を介し
て受け止める。
【0017】回転軸9の前端はクランク室2aからフロ
ントハウジング2を介して外部へ突出しており、この突
出端部にはプーリ10が螺着されている。プーリ10は
ベルト11を介して車両エンジンに作動連結されてい
る。回転軸9の前端部とフロントハウジング2との間に
はリップシール12が介在されている。リップシール1
2はクランク室2a内の圧力洩れを防止する。回転軸9
の後端部はラジアルベアリング13を介してシリンダブ
ロック1に回転可能に支持されている。
ントハウジング2を介して外部へ突出しており、この突
出端部にはプーリ10が螺着されている。プーリ10は
ベルト11を介して車両エンジンに作動連結されてい
る。回転軸9の前端部とフロントハウジング2との間に
はリップシール12が介在されている。リップシール1
2はクランク室2a内の圧力洩れを防止する。回転軸9
の後端部はラジアルベアリング13を介してシリンダブ
ロック1に回転可能に支持されている。
【0018】回転軸9には球面状の斜板支持体14がス
ライド可能に支持されており、斜板支持体14には斜板
15が回転軸9の軸線方向へ傾動可能に支持されてい
る。斜板15には連結片16,17が止着されている。
図2に示すように連結片16,17には一対のガイドピ
ン18,19が止着されている。回転支持体8には支持
アーム8aが突設されている。支持アーム8aには支持
ピン20が回動可能かつ回転軸9に対して直角を成す方
向へ貫通支持されている。一対のガイドピン18,19
は支持ピン20の両端部にスライド可能に嵌入されてい
る。支持アーム8a上の支持ピン20と一対のガイドピ
ン18,19との連係により斜板15が斜板支持体14
を中心に回転軸9の軸線方向へ傾動可能かつ回転軸9と
一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、支持ピン
20とガイドピン18,19とのスライドガイド関係、
斜板支持体14のスライド作用及び斜板支持体14の支
持作用により案内される。
ライド可能に支持されており、斜板支持体14には斜板
15が回転軸9の軸線方向へ傾動可能に支持されてい
る。斜板15には連結片16,17が止着されている。
図2に示すように連結片16,17には一対のガイドピ
ン18,19が止着されている。回転支持体8には支持
アーム8aが突設されている。支持アーム8aには支持
ピン20が回動可能かつ回転軸9に対して直角を成す方
向へ貫通支持されている。一対のガイドピン18,19
は支持ピン20の両端部にスライド可能に嵌入されてい
る。支持アーム8a上の支持ピン20と一対のガイドピ
ン18,19との連係により斜板15が斜板支持体14
を中心に回転軸9の軸線方向へ傾動可能かつ回転軸9と
一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、支持ピン
20とガイドピン18,19とのスライドガイド関係、
斜板支持体14のスライド作用及び斜板支持体14の支
持作用により案内される。
【0019】斜板15の最大傾角は回転支持体8の傾角
規制突部8bと斜板15との当接によって規制される。
回転軸9上には最小傾角規定手段である最小傾角規定リ
ング21が止着されており、斜板15の最小傾角が最小
傾角規定リング21と斜板支持体14との当接によって
規制される。斜板支持体14が最小傾角規定リング21
に当接しているときの斜板15の最小傾角は0°よりも
僅かに大きい。
規制突部8bと斜板15との当接によって規制される。
回転軸9上には最小傾角規定手段である最小傾角規定リ
ング21が止着されており、斜板15の最小傾角が最小
傾角規定リング21と斜板支持体14との当接によって
規制される。斜板支持体14が最小傾角規定リング21
に当接しているときの斜板15の最小傾角は0°よりも
僅かに大きい。
【0020】クランク室2aに接続するようにシリンダ
ブロック1に貫設されたシリンダボア1a内には片頭ピ
ストン22が収容されている。片頭ピストン22の首部
22aには一対のシュー23が嵌入されている。斜板1
5の周縁部は両シュー23間に入り込み、斜板15の両
面には両シュー23の端面が接する。従って、斜板15
の回転運動がシュー23を介して片頭ピストン22の前
後往復揺動に変換され、片頭ピストン22がシリンダボ
ア1a内を前後動する。
ブロック1に貫設されたシリンダボア1a内には片頭ピ
ストン22が収容されている。片頭ピストン22の首部
22aには一対のシュー23が嵌入されている。斜板1
5の周縁部は両シュー23間に入り込み、斜板15の両
面には両シュー23の端面が接する。従って、斜板15
の回転運動がシュー23を介して片頭ピストン22の前
後往復揺動に変換され、片頭ピストン22がシリンダボ
ア1a内を前後動する。
【0021】図1及び図3に示すようにリヤハウジング
3内には吸入室3a及び吐出室3bが区画形成されてい
る。バルブプレート4上には吸入ポート4a及び吐出ポ
ート4bが形成されている。弁形成プレート5A上には
吸入弁5aが形成されており、弁形成プレート5B上に
は吐出弁5bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガ
スは片頭ピストン22の復動動作により吸入ポート4a
から吸入弁5aを押し退けてシリンダボア1a内へ流入
する。シリンダボア1a内へ流入した冷媒ガスは片頭ピ
ストン22の往動動作により吐出ポート4bから吐出弁
5bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。吐出弁5b
はリテーナ形成プレート6上のリテーナ6aに当接して
開度規制される。
3内には吸入室3a及び吐出室3bが区画形成されてい
る。バルブプレート4上には吸入ポート4a及び吐出ポ
ート4bが形成されている。弁形成プレート5A上には
吸入弁5aが形成されており、弁形成プレート5B上に
は吐出弁5bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガ
スは片頭ピストン22の復動動作により吸入ポート4a
から吸入弁5aを押し退けてシリンダボア1a内へ流入
する。シリンダボア1a内へ流入した冷媒ガスは片頭ピ
ストン22の往動動作により吐出ポート4bから吐出弁
5bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。吐出弁5b
はリテーナ形成プレート6上のリテーナ6aに当接して
開度規制される。
【0022】斜板支持体14が最小傾角規定リング21
に当接しているときの斜板15の最小傾角状態では片頭
ピストン22のストロークが僅かにある。このストロー
ク量は、シリンダボア1a内に圧縮比を発生して最小傾
角位置からの斜板傾角増大、即ち容量復帰を行ない得る
程度に可及的に小さくしてある。
に当接しているときの斜板15の最小傾角状態では片頭
ピストン22のストロークが僅かにある。このストロー
ク量は、シリンダボア1a内に圧縮比を発生して最小傾
角位置からの斜板傾角増大、即ち容量復帰を行ない得る
程度に可及的に小さくしてある。
【0023】片頭ピストン22のストロークはクランク
室2a内の圧力とシリンダボア1a内の吸入圧との片頭
ピストン22を介した差圧に応じて変わる。即ち、圧縮
容量を左右する斜板15の傾角が変化する。クランク室
2a内の圧力はリヤハウジング3に取り付けられた制御
弁24により制御される。クランク室2aと吸入室3a
とは絞り作用を有する放圧通路1bを介して連通してい
る。
室2a内の圧力とシリンダボア1a内の吸入圧との片頭
ピストン22を介した差圧に応じて変わる。即ち、圧縮
容量を左右する斜板15の傾角が変化する。クランク室
2a内の圧力はリヤハウジング3に取り付けられた制御
弁24により制御される。クランク室2aと吸入室3a
とは絞り作用を有する放圧通路1bを介して連通してい
る。
【0024】図5〜図7に基づいて制御弁24の内部構
成を説明する。ソレノイド25を支持するボビン26の
中空部にはガイド筒27が固定されており、ガイド筒2
7内には固定鉄芯28が収容固定されている。ガイド筒
27内には可動鉄芯29が固定鉄芯28に対して接離可
能に収容されている。固定鉄芯28と可動鉄芯29との
間には弁開放ばね30が介在されている。可動鉄芯29
は弁開放ばね30のばね作用によって固定鉄芯28から
離間する方向へ付勢されている。
成を説明する。ソレノイド25を支持するボビン26の
中空部にはガイド筒27が固定されており、ガイド筒2
7内には固定鉄芯28が収容固定されている。ガイド筒
27内には可動鉄芯29が固定鉄芯28に対して接離可
能に収容されている。固定鉄芯28と可動鉄芯29との
間には弁開放ばね30が介在されている。可動鉄芯29
は弁開放ばね30のばね作用によって固定鉄芯28から
離間する方向へ付勢されている。
【0025】ボビン26にはバルブハウジング31Aが
連結部材32を介して結合固定されており、バルブハウ
ジング31A内には球状の弁体33が収容されている。
バルブハウジング31Aには吐出圧導入ポート31a、
吸入圧導入ポート31b、バイパスポート31c及び制
御ポート31dが設けられている。吐出圧導入ポート3
1aは吐出圧導入通路34を介して吐出室3bに連通し
ている。吸入圧導入ポート31bは吸入圧導入通路35
を介して吸入室3aに連通しており、バイパスポート3
1cはバイパス通路36を介して吸入室3aに連通して
いる。制御ポート31dは制御通路37を介してクラン
ク室2aに連通している。吐出圧導入通路34及び制御
通路37は圧力供給通路を構成する。
連結部材32を介して結合固定されており、バルブハウ
ジング31A内には球状の弁体33が収容されている。
バルブハウジング31Aには吐出圧導入ポート31a、
吸入圧導入ポート31b、バイパスポート31c及び制
御ポート31dが設けられている。吐出圧導入ポート3
1aは吐出圧導入通路34を介して吐出室3bに連通し
ている。吸入圧導入ポート31bは吸入圧導入通路35
を介して吸入室3aに連通しており、バイパスポート3
1cはバイパス通路36を介して吸入室3aに連通して
いる。制御ポート31dは制御通路37を介してクラン
ク室2aに連通している。吐出圧導入通路34及び制御
通路37は圧力供給通路を構成する。
【0026】バルブハウジング31A内のばね受け38
と弁体33との間には復帰ばね39及び弁支持座40が
介在されており、弁体33は弁孔31eを閉塞する方向
へ復帰ばね39のばね作用を受ける。
と弁体33との間には復帰ばね39及び弁支持座40が
介在されており、弁体33は弁孔31eを閉塞する方向
へ復帰ばね39のばね作用を受ける。
【0027】吸入圧導入ポート31bに通じる吸入圧検
出室43にはベローズ金具44が可動鉄芯29に固着し
た状態で収容されている。ベローズ金具44とばね受け
45とはベローズ46によって連結しており、ベローズ
金具44とばね受け45との間にはばね47が介在され
ている。ばね受け45には伝達ロッド48が止着されて
おり、その先端が弁体33に当接している。
出室43にはベローズ金具44が可動鉄芯29に固着し
た状態で収容されている。ベローズ金具44とばね受け
45とはベローズ46によって連結しており、ベローズ
金具44とばね受け45との間にはばね47が介在され
ている。ばね受け45には伝達ロッド48が止着されて
おり、その先端が弁体33に当接している。
【0028】ベローズ金具44には弁開度規制体53が
止着されている。弁開度規制体53はベローズ46及び
ばね受け45を包囲しており、ばね受け45はベローズ
金具44先端と弁開度規制体53の端壁53aとの間で
位置変位できる。弁開度規制体53の側面には通口53
bが形成されており、吸入圧導入通路35から吸入圧検
出室43へ導入される圧力が通口53bを介してベロー
ズ46に波及する。ソレノイド25が消磁状態のときに
は弁開度規制体53の端壁53aは弁開放ばね30のば
ね作用によって吸入圧検出室43の端壁43aに当接す
る。
止着されている。弁開度規制体53はベローズ46及び
ばね受け45を包囲しており、ばね受け45はベローズ
金具44先端と弁開度規制体53の端壁53aとの間で
位置変位できる。弁開度規制体53の側面には通口53
bが形成されており、吸入圧導入通路35から吸入圧検
出室43へ導入される圧力が通口53bを介してベロー
ズ46に波及する。ソレノイド25が消磁状態のときに
は弁開度規制体53の端壁53aは弁開放ばね30のば
ね作用によって吸入圧検出室43の端壁43aに当接す
る。
【0029】バルブハウジング31A及びその内部の部
材は容量制御弁24aを構成し、弁体33は吸入圧検出
室43内の吸入圧の変動に応じて弁孔31eを開閉す
る。バルブハウジング31Aにはバルブハウジング31
Bが結合固定されており、バルブハウジング31B内に
はスプール形状の弁体41が収容されている。弁体41
はばね42の作用によって弁孔31fを閉塞する方向へ
付勢されている。弁孔31fが閉塞されると吐出圧導入
ポート31aとバイパスポート31cとの連通が遮断さ
れる。
材は容量制御弁24aを構成し、弁体33は吸入圧検出
室43内の吸入圧の変動に応じて弁孔31eを開閉す
る。バルブハウジング31Aにはバルブハウジング31
Bが結合固定されており、バルブハウジング31B内に
はスプール形状の弁体41が収容されている。弁体41
はばね42の作用によって弁孔31fを閉塞する方向へ
付勢されている。弁孔31fが閉塞されると吐出圧導入
ポート31aとバイパスポート31cとの連通が遮断さ
れる。
【0030】弁体41には絞り孔41aが形成されてお
り、吐出圧導入ポート31aが弁体33の収容室に常に
連通している。弁孔31eが閉塞されると吐出圧導入ポ
ート31aと制御ポート31dとの連通が遮断される。
り、吐出圧導入ポート31aが弁体33の収容室に常に
連通している。弁孔31eが閉塞されると吐出圧導入ポ
ート31aと制御ポート31dとの連通が遮断される。
【0031】バルブハウジング31B、その内部の弁体
41及びばね42はバイパス開閉弁24bを構成する。
即ち、制御弁24は、圧力供給通路強制閉鎖手段となる
ソレノイド25と、容量制御弁24aと、バイパス開閉
弁24bとにより構成されている。
41及びばね42はバイパス開閉弁24bを構成する。
即ち、制御弁24は、圧力供給通路強制閉鎖手段となる
ソレノイド25と、容量制御弁24aと、バイパス開閉
弁24bとにより構成されている。
【0032】吸入室3a内へ冷媒ガスを導入する導入口
(図示略)と、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出
口1cとは外部冷媒回路49で接続されている。外部冷
媒回路49上には凝縮器50、膨張弁51及び蒸発器5
2が介在されている。膨張弁51は蒸発器52の出口側
のガス圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。
(図示略)と、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出
口1cとは外部冷媒回路49で接続されている。外部冷
媒回路49上には凝縮器50、膨張弁51及び蒸発器5
2が介在されている。膨張弁51は蒸発器52の出口側
のガス圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。
【0033】図1及び図4に示すようにリヤハウジング
2の周壁には第1の温度センサ54が取り付けられてい
る。第1の温度センサ54は片頭ピストン22とフロン
トハウジング2との摺接部位の温度を検出する。又、圧
縮機本体から離れた所には第2の温度センサ55が設置
されている。第2の温度センサ55は外気温を検出す
る。両温度センサ54,55の検出信号は制御コンピュ
ータCに送られる。制御コンピュータCは両温度センサ
54,55からの温度検出情報に基づいてソレノイド2
5の励消磁を制御する。
2の周壁には第1の温度センサ54が取り付けられてい
る。第1の温度センサ54は片頭ピストン22とフロン
トハウジング2との摺接部位の温度を検出する。又、圧
縮機本体から離れた所には第2の温度センサ55が設置
されている。第2の温度センサ55は外気温を検出す
る。両温度センサ54,55の検出信号は制御コンピュ
ータCに送られる。制御コンピュータCは両温度センサ
54,55からの温度検出情報に基づいてソレノイド2
5の励消磁を制御する。
【0034】図1の状態ではソレノイド25は消磁状態
にある。ソレノイド25の消磁状態では図5及び図6に
示すように可動鉄芯29が弁開放ばね30のばね作用に
よって固定鉄芯28から離間している。
にある。ソレノイド25の消磁状態では図5及び図6に
示すように可動鉄芯29が弁開放ばね30のばね作用に
よって固定鉄芯28から離間している。
【0035】ソレノイド25が消磁しているとき、ベロ
ーズ46が吸入圧導入ポート31bから導入される吸入
圧Psの変動に応じて変位し、この変位が伝達ロッド4
8を介して弁体33に伝えられる。吸入圧Psがばね4
7のばね力によって決定される設定吸入圧Ps0 以下、
かつ設定吸入圧Ps0 から大きく掛け離れていない範囲
(仮にPs0 ≧Psと表す)において、吸入圧Psが高
い(冷房負荷が大きい)場合には弁体33の弁開度が小
さくなる。クランク室2a内の圧力が吸入圧Psより高
い場合にはクランク室2a内の冷媒ガスは放圧通路1b
を経由して吸入室3aへ流出している。従って、弁体3
3の弁開度が小さくなれば吐出室3bからクランク室2
aへの冷媒ガス流入が少なくなり、クランク室2a内の
圧力が低下して斜板傾角が大きくなる。即ち、吐出容量
が大きくなる。逆に、吸入圧Psが低い(冷房負荷が小
さい)場合には弁体33の弁開度が大きくなる。従っ
て、クランク室2a内の圧力が上昇し、斜板傾角が小さ
くなる。即ち、吐出容量が小さくなる。
ーズ46が吸入圧導入ポート31bから導入される吸入
圧Psの変動に応じて変位し、この変位が伝達ロッド4
8を介して弁体33に伝えられる。吸入圧Psがばね4
7のばね力によって決定される設定吸入圧Ps0 以下、
かつ設定吸入圧Ps0 から大きく掛け離れていない範囲
(仮にPs0 ≧Psと表す)において、吸入圧Psが高
い(冷房負荷が大きい)場合には弁体33の弁開度が小
さくなる。クランク室2a内の圧力が吸入圧Psより高
い場合にはクランク室2a内の冷媒ガスは放圧通路1b
を経由して吸入室3aへ流出している。従って、弁体3
3の弁開度が小さくなれば吐出室3bからクランク室2
aへの冷媒ガス流入が少なくなり、クランク室2a内の
圧力が低下して斜板傾角が大きくなる。即ち、吐出容量
が大きくなる。逆に、吸入圧Psが低い(冷房負荷が小
さい)場合には弁体33の弁開度が大きくなる。従っ
て、クランク室2a内の圧力が上昇し、斜板傾角が小さ
くなる。即ち、吐出容量が小さくなる。
【0036】Ps0 <Psという冷媒負荷が非常に大き
い場合には弁体33の弁開度は零となり、吐出室3bか
らクランク室2aへの冷媒ガス流入がなくなる。そのた
め、斜板傾角は最大となる。
い場合には弁体33の弁開度は零となり、吐出室3bか
らクランク室2aへの冷媒ガス流入がなくなる。そのた
め、斜板傾角は最大となる。
【0037】弁体41に閉塞方向へ作用する力はF+
(Pd’−Ps)・S1 となる。但し、Fはばね42の
ばね力、Pd’は弁体33,41間の領域の圧力、S1
はバイパスポート31cの通過断面積である。弁体41
に開放方向へ作用する力は(Pd−Pd’)(S2 −S
1 )である。但し、S2 は弁体41を収容する室の断面
積である。弁体41はこれら両者の力関係で弁孔31f
を開閉する。即ち、次式(A)が成立する場合には吐出
圧導入通路34とバイパス通路36との連通が遮断さ
れ、次式(B)が成立する場合には吐出圧導入通路34
とバイパス通路36とが連通する。 F+(Pd’−Ps)・S1 >(Pd−Pd’)(S2 −S1 )・・(A) F+(Pd’−Ps)・S1 <(Pd−Pd’)(S2 −S1 )・・(B) 式(A),(B)は次式(C),(D)に書き直せる。 F+(Pd−Ps)S1 >(Pd−Pd’)S2 ・・・(C) F+(Pd−Ps)S1 <(Pd−Pd’)S2 ・・・(D) 冷媒ガスが絞り孔41aを通過すれば、絞り孔41aの
絞り作用によってその前後で圧力差が生じる。この圧力
差とは吐出圧Pdと圧力Pd’との差のことであり、P
d>Pd’となる。絞り孔41aにて冷媒ガスの流れが
なければ前後の圧力差はなく、Pd=Pd’である。例
えば、吐出圧Pdと吸入圧Psとが等しければ、クラン
ク室2aの圧力Pcも吸入圧Psに等しくなり、絞り孔
41aにおける冷媒ガス流は生じない。
(Pd’−Ps)・S1 となる。但し、Fはばね42の
ばね力、Pd’は弁体33,41間の領域の圧力、S1
はバイパスポート31cの通過断面積である。弁体41
に開放方向へ作用する力は(Pd−Pd’)(S2 −S
1 )である。但し、S2 は弁体41を収容する室の断面
積である。弁体41はこれら両者の力関係で弁孔31f
を開閉する。即ち、次式(A)が成立する場合には吐出
圧導入通路34とバイパス通路36との連通が遮断さ
れ、次式(B)が成立する場合には吐出圧導入通路34
とバイパス通路36とが連通する。 F+(Pd’−Ps)・S1 >(Pd−Pd’)(S2 −S1 )・・(A) F+(Pd’−Ps)・S1 <(Pd−Pd’)(S2 −S1 )・・(B) 式(A),(B)は次式(C),(D)に書き直せる。 F+(Pd−Ps)S1 >(Pd−Pd’)S2 ・・・(C) F+(Pd−Ps)S1 <(Pd−Pd’)S2 ・・・(D) 冷媒ガスが絞り孔41aを通過すれば、絞り孔41aの
絞り作用によってその前後で圧力差が生じる。この圧力
差とは吐出圧Pdと圧力Pd’との差のことであり、P
d>Pd’となる。絞り孔41aにて冷媒ガスの流れが
なければ前後の圧力差はなく、Pd=Pd’である。例
えば、吐出圧Pdと吸入圧Psとが等しければ、クラン
ク室2aの圧力Pcも吸入圧Psに等しくなり、絞り孔
41aにおける冷媒ガス流は生じない。
【0038】弁体33が最大開度のとき、式(C)で表
される力関係と式(D)で表される力関係とは吐出圧P
dと吸入圧Psとの大小関係の変化に応じて切り換わり
可能となっている。即ち、弁体33が最大開度になると
弁孔31eを通過する冷媒ガス流量が増大し、絞り孔4
1a前後の圧力差(Pd−Pd’)が大きくなる。この
ような差圧状態のもとに吐出圧Pdが吸入圧Psよりも
大きい場合には式(D)が成り立ち、吐出圧Pdが吸入
圧Psに等しい場合には式(C)が成り立つように絞り
孔41aの絞り作用が設定されている。従って、弁体3
3が最大開度のとき、吐出圧Pdが吸入圧Psよりも大
きい場合には弁体41は開状態となり、吐出圧Pdが吸
入圧Psに等しい場合には弁体41は閉状態となる。
される力関係と式(D)で表される力関係とは吐出圧P
dと吸入圧Psとの大小関係の変化に応じて切り換わり
可能となっている。即ち、弁体33が最大開度になると
弁孔31eを通過する冷媒ガス流量が増大し、絞り孔4
1a前後の圧力差(Pd−Pd’)が大きくなる。この
ような差圧状態のもとに吐出圧Pdが吸入圧Psよりも
大きい場合には式(D)が成り立ち、吐出圧Pdが吸入
圧Psに等しい場合には式(C)が成り立つように絞り
孔41aの絞り作用が設定されている。従って、弁体3
3が最大開度のとき、吐出圧Pdが吸入圧Psよりも大
きい場合には弁体41は開状態となり、吐出圧Pdが吸
入圧Psに等しい場合には弁体41は閉状態となる。
【0039】図8の曲線E1 は吐出圧Pdと吸入圧Ps
とによって表された容量制御弁24aの制御特性を示
す。直線LはPs=Pdを表す。曲線E1 はPd>Pd
0 の範囲では次式(E)で表される。 Ps=P0 −(Pd−Pc)S3 /S4 ・・・(E) 但し、P0 はばね受け45に作用するばね47のばね力
と大気圧との和、S3は弁孔31eの断面積、S4 はば
ね受け45の面積である。
とによって表された容量制御弁24aの制御特性を示
す。直線LはPs=Pdを表す。曲線E1 はPd>Pd
0 の範囲では次式(E)で表される。 Ps=P0 −(Pd−Pc)S3 /S4 ・・・(E) 但し、P0 はばね受け45に作用するばね47のばね力
と大気圧との和、S3は弁孔31eの断面積、S4 はば
ね受け45の面積である。
【0040】吐出圧PdがPd0 以上の範囲では吸入圧
Psは吐出圧Pdの減少に伴って増大する。吐出圧Pd
がPd0 以上の範囲における曲線E1 の上側は弁体33
が閉状態となる領域であり、下側は弁体33が開状態と
なる領域である。即ち、吐出圧PdがPd0 以上の範囲
では吸入圧Psが曲線E1 よりも上側の圧力になると弁
体33が弁孔31eを閉じ、吸入圧Psが曲線E1 より
も下側の圧力になると弁体33が弁孔31eを開く。こ
の開閉制御により吐出圧Pdと吸入圧Psとが曲線E1
上を推移するという容量制御が行われる。
Psは吐出圧Pdの減少に伴って増大する。吐出圧Pd
がPd0 以上の範囲における曲線E1 の上側は弁体33
が閉状態となる領域であり、下側は弁体33が開状態と
なる領域である。即ち、吐出圧PdがPd0 以上の範囲
では吸入圧Psが曲線E1 よりも上側の圧力になると弁
体33が弁孔31eを閉じ、吸入圧Psが曲線E1 より
も下側の圧力になると弁体33が弁孔31eを開く。こ
の開閉制御により吐出圧Pdと吸入圧Psとが曲線E1
上を推移するという容量制御が行われる。
【0041】しかし、バイパス開閉弁24bがない場合
にはPd<Pd0 の範囲では吐出圧Pdと吸入圧Psと
は曲線E2 の関係となる。即ち、吐出圧Pdが小さくな
ってくると、弁孔31eを通過する冷媒流量が少なくな
ってゆき、吸入圧Psも低下し始める。そのため、吐出
圧Pd及び吸入圧Psが共に低下するPd<Pd0 の範
囲では弁体33が最大開度をとると共に、斜板傾角が最
小傾角となり、容量制御弁24aによる容量制御は不能
となる。Pd<Pd0 の範囲の曲線E2 は直線Lに接近
しているが、斜板15が最小傾角状態においても僅かな
がら吐出、即ち圧縮が行われているため、冷媒ガスは少
ないながらも外部冷媒回路49を循環する。そして、こ
の圧縮があるために斜板15の傾角復帰が可能である。
にはPd<Pd0 の範囲では吐出圧Pdと吸入圧Psと
は曲線E2 の関係となる。即ち、吐出圧Pdが小さくな
ってくると、弁孔31eを通過する冷媒流量が少なくな
ってゆき、吸入圧Psも低下し始める。そのため、吐出
圧Pd及び吸入圧Psが共に低下するPd<Pd0 の範
囲では弁体33が最大開度をとると共に、斜板傾角が最
小傾角となり、容量制御弁24aによる容量制御は不能
となる。Pd<Pd0 の範囲の曲線E2 は直線Lに接近
しているが、斜板15が最小傾角状態においても僅かな
がら吐出、即ち圧縮が行われているため、冷媒ガスは少
ないながらも外部冷媒回路49を循環する。そして、こ
の圧縮があるために斜板15の傾角復帰が可能である。
【0042】容量制御弁24aによる容量制御が不能に
なっている場合にも、冷媒ガスは少ないながらも外部冷
媒回路49を循環しているが、外気温が氷点付近という
環境下の場合では冷媒ガスの循環は蒸発器52における
フロストをもたらす。しかし、バイパス開閉弁24bの
弁体41は、弁体33の最大開度状態のもとに開状態と
なる。弁体41が開けば吐出冷媒ガスがバイパス通路3
6を経由して吸入室3bへ流入する。そのため、バルブ
ハウジング31A内の吐出圧Pdは吸入圧Psにほぼ等
しくなってゆき、弁体41は再び閉状態となる。弁体4
1が閉状態になると、バルブハウジング31A内の吐出
圧Pdが再び吸入圧Psよりも大きくなり、弁体41が
開状態に移行する。即ち、弁体33が最大開度状態では
弁体41が開閉を繰り返す。
なっている場合にも、冷媒ガスは少ないながらも外部冷
媒回路49を循環しているが、外気温が氷点付近という
環境下の場合では冷媒ガスの循環は蒸発器52における
フロストをもたらす。しかし、バイパス開閉弁24bの
弁体41は、弁体33の最大開度状態のもとに開状態と
なる。弁体41が開けば吐出冷媒ガスがバイパス通路3
6を経由して吸入室3bへ流入する。そのため、バルブ
ハウジング31A内の吐出圧Pdは吸入圧Psにほぼ等
しくなってゆき、弁体41は再び閉状態となる。弁体4
1が閉状態になると、バルブハウジング31A内の吐出
圧Pdが再び吸入圧Psよりも大きくなり、弁体41が
開状態に移行する。即ち、弁体33が最大開度状態では
弁体41が開閉を繰り返す。
【0043】制御弁24の動作をまとめれば以下のよう
になる。 ソレノイド25が消磁状態の場合: (1)Ps0 <Ps(冷房負荷が非常に大きい)のと
き:弁体33,41はいずれも閉じる。
になる。 ソレノイド25が消磁状態の場合: (1)Ps0 <Ps(冷房負荷が非常に大きい)のと
き:弁体33,41はいずれも閉じる。
【0044】(2)Ps0 ≧Ps(吸入圧Psが設定吸
入圧Ps0 以下、かつ設定吸入圧Ps0 から大きく掛け
離れていない場合)のとき:弁体33はPsに応じた開
度をとり、弁体41は閉じる。
入圧Ps0 以下、かつ設定吸入圧Ps0 から大きく掛け
離れていない場合)のとき:弁体33はPsに応じた開
度をとり、弁体41は閉じる。
【0045】(3)Ps0 ≫Ps(吸入圧Psが設定吸
入圧Ps0 より小さく、かつ設定吸入圧Ps0 から大き
く掛け離れている場合)のとき: Pd≒Psのとき、弁体33は全開し、弁体41は閉
じる。
入圧Ps0 より小さく、かつ設定吸入圧Ps0 から大き
く掛け離れている場合)のとき: Pd≒Psのとき、弁体33は全開し、弁体41は閉
じる。
【0046】Pd>Psのとき、弁体33は全開し、
弁体41は開く。図5は前記(1)の状態に対応し、図
6は前記(3)に対応する。
弁体41は開く。図5は前記(1)の状態に対応し、図
6は前記(3)に対応する。
【0047】吐出圧Pd及び吸入圧Psが共に低下して
ゆく容量制御不能領域ではPs0 ≫Psの状態が生じ
る。Ps0 ≫Psであって、かつ外気温が氷点付近とい
った環境にある場合、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49
を循環すれば蒸発器52でフロストが発生する。しか
し、ソレノイド25が消磁しているとき、制御弁24は
(3)における圧力関係に基づいて弁体41を繰り返し
開閉する。従って、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49を
循環しない状態が間欠的に起き、蒸発器52におけるフ
ロスト発生が防止される。
ゆく容量制御不能領域ではPs0 ≫Psの状態が生じ
る。Ps0 ≫Psであって、かつ外気温が氷点付近とい
った環境にある場合、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49
を循環すれば蒸発器52でフロストが発生する。しか
し、ソレノイド25が消磁しているとき、制御弁24は
(3)における圧力関係に基づいて弁体41を繰り返し
開閉する。従って、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49を
循環しない状態が間欠的に起き、蒸発器52におけるフ
ロスト発生が防止される。
【0048】バイパス開閉弁24bが開状態のときには
吐出室3bへ吐出された冷媒ガスの一部は制御通路3
7、クランク室2a、放圧通路1b、吸入室3a、シリ
ンダボア2aの順に吐出室3bへ還流する。しかし、斜
板傾角が最小であって吐出容量が最少のために前記還流
冷媒ガスは少ない。又、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路4
9を循環しなければ潤滑油が圧縮機内に還流しなくな
る。そのため、クランク室2a内の潤滑必要部位におけ
る潤滑不良が発生する。弁体41の繰り返し開閉により
吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49を循環する状態が間欠
的に起き、圧縮機への潤滑油還流が間欠的に起きる。こ
の還流発生の間隔が短時間であれば圧縮機内の摺接部位
の潤滑不足は解消されることになる。しかし、吐出圧P
dと吸入圧Psとの差圧の変動によって弁体41を開閉
する構成では弁体41の繰り返し開閉間隔が長くなり、
圧縮機内の摺接部位の潤滑不足を解消できないおそれが
ある。
吐出室3bへ吐出された冷媒ガスの一部は制御通路3
7、クランク室2a、放圧通路1b、吸入室3a、シリ
ンダボア2aの順に吐出室3bへ還流する。しかし、斜
板傾角が最小であって吐出容量が最少のために前記還流
冷媒ガスは少ない。又、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路4
9を循環しなければ潤滑油が圧縮機内に還流しなくな
る。そのため、クランク室2a内の潤滑必要部位におけ
る潤滑不良が発生する。弁体41の繰り返し開閉により
吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49を循環する状態が間欠
的に起き、圧縮機への潤滑油還流が間欠的に起きる。こ
の還流発生の間隔が短時間であれば圧縮機内の摺接部位
の潤滑不足は解消されることになる。しかし、吐出圧P
dと吸入圧Psとの差圧の変動によって弁体41を開閉
する構成では弁体41の繰り返し開閉間隔が長くなり、
圧縮機内の摺接部位の潤滑不足を解消できないおそれが
ある。
【0049】しかし、本実施例では制御コンピュータC
が温度センサ54,55からの温度検出情報に基づいて
ソレノイド25の励消磁を制御しており、この制御によ
って圧縮機内の摺接部位の潤滑不足の解消が確実に行わ
れる。この作用を次に説明する。
が温度センサ54,55からの温度検出情報に基づいて
ソレノイド25の励消磁を制御しており、この制御によ
って圧縮機内の摺接部位の潤滑不足の解消が確実に行わ
れる。この作用を次に説明する。
【0050】斜板15は常時回転しており、斜板15と
シュー23との間といった摺接部位では発熱が起きてい
る。第1の温度センサ54は斜板15とシュー23との
間の摺接部位に近い所の温度を検出しており、第2の温
度センサ55は圧縮機本体の温度の影響を受けない周囲
で外気温を検出している。制御コンピュータCは、第1
の温度センサ54から得られる検出温度Txと、第2の
温度センサ55から得られる検出温度Tyとの差(Tx
−Ty)と、予め設定された所定値T0 との大小比較を
行なう。(Tx−Ty)が所定値T0 に達しない場合、
制御コンピュータCはソレノイド25の消磁状態を維持
する。
シュー23との間といった摺接部位では発熱が起きてい
る。第1の温度センサ54は斜板15とシュー23との
間の摺接部位に近い所の温度を検出しており、第2の温
度センサ55は圧縮機本体の温度の影響を受けない周囲
で外気温を検出している。制御コンピュータCは、第1
の温度センサ54から得られる検出温度Txと、第2の
温度センサ55から得られる検出温度Tyとの差(Tx
−Ty)と、予め設定された所定値T0 との大小比較を
行なう。(Tx−Ty)が所定値T0 に達しない場合、
制御コンピュータCはソレノイド25の消磁状態を維持
する。
【0051】(Tx−Ty)が所定値T0 以上になった
場合、制御コンピュータCはソレノイド25を励磁す
る。この励磁により可動鉄芯29が固定鉄芯28に吸着
し、図7に示すように弁開度規制体53が吸入圧検出室
43の端壁43aから離間する。この離間に伴ってばね
受け45が弁開度規制体53の移動によって端壁43a
から離れる方向へ押され、弁開度規制体53と共に端壁
43aから離れる。そのため、ばね受け45に結合され
た伝達ロッド48も弁開度規制体53の移動に追随し、
弁体33が復帰ばね39のばね作用によって弁孔31e
を閉塞する。この閉塞により吐出室3bからクランク室
2aへの冷媒ガスの流れが止まり、クランク室2a内の
圧力Pcが低下する。この圧力低下により斜板15の傾
角が最小傾角から増大し、容量復帰、即ち吐出容量が増
大する。又、弁孔31eが閉塞されるため、絞り孔41
aにおける冷媒ガスの流れもなくなり、弁体41内の圧
力Pd’と吐出圧Pdとの間の差圧がなくなる。そのた
め、図7に示すようにバイパス開閉弁24bの弁体41
が閉じ、吐出室3bから吸入室3aへの冷媒ガス流入が
なくなる。従って、最小傾角状態のときの最小吐出容量
よりも多い吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49へ流出し、
通常の容量制御状態のときの潤滑油還流と同程度の潤滑
油還流が行われる。
場合、制御コンピュータCはソレノイド25を励磁す
る。この励磁により可動鉄芯29が固定鉄芯28に吸着
し、図7に示すように弁開度規制体53が吸入圧検出室
43の端壁43aから離間する。この離間に伴ってばね
受け45が弁開度規制体53の移動によって端壁43a
から離れる方向へ押され、弁開度規制体53と共に端壁
43aから離れる。そのため、ばね受け45に結合され
た伝達ロッド48も弁開度規制体53の移動に追随し、
弁体33が復帰ばね39のばね作用によって弁孔31e
を閉塞する。この閉塞により吐出室3bからクランク室
2aへの冷媒ガスの流れが止まり、クランク室2a内の
圧力Pcが低下する。この圧力低下により斜板15の傾
角が最小傾角から増大し、容量復帰、即ち吐出容量が増
大する。又、弁孔31eが閉塞されるため、絞り孔41
aにおける冷媒ガスの流れもなくなり、弁体41内の圧
力Pd’と吐出圧Pdとの間の差圧がなくなる。そのた
め、図7に示すようにバイパス開閉弁24bの弁体41
が閉じ、吐出室3bから吸入室3aへの冷媒ガス流入が
なくなる。従って、最小傾角状態のときの最小吐出容量
よりも多い吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49へ流出し、
通常の容量制御状態のときの潤滑油還流と同程度の潤滑
油還流が行われる。
【0052】このような潤滑油還流は圧縮機内の摺接部
位の潤滑状態を反映する温度状態を検出することによっ
て行われ、潤滑不足が生じそうになればソレノイド25
という圧力供給通路強制閉鎖手段が前記容量制御弁24
aを閉状態に強制変更し、潤滑油還流が直ちに行われ
る。本実施例では圧縮機本体の検出温度Txと外気温T
yとの差(Tx−Ty)で潤滑不足となりそうな状態を
判断しており、圧縮機本体の温度状態に影響を与える外
気温Tyが検出温度Txから排除されている。差(Tx
−Ty)は圧縮機本体の内部からの発熱具合を的確に反
映しており、摺接部位における潤滑常会を判別するため
の所定値T0 を適正設定することができる。従って、潤
滑不足のおそれの全くない圧縮機本体の発熱状態で容量
復帰が行われてしまうことはなく、かつ潤滑不足のおそ
れが生じそうになれば容量復帰が行われて潤滑が良好に
行われる。
位の潤滑状態を反映する温度状態を検出することによっ
て行われ、潤滑不足が生じそうになればソレノイド25
という圧力供給通路強制閉鎖手段が前記容量制御弁24
aを閉状態に強制変更し、潤滑油還流が直ちに行われ
る。本実施例では圧縮機本体の検出温度Txと外気温T
yとの差(Tx−Ty)で潤滑不足となりそうな状態を
判断しており、圧縮機本体の温度状態に影響を与える外
気温Tyが検出温度Txから排除されている。差(Tx
−Ty)は圧縮機本体の内部からの発熱具合を的確に反
映しており、摺接部位における潤滑常会を判別するため
の所定値T0 を適正設定することができる。従って、潤
滑不足のおそれの全くない圧縮機本体の発熱状態で容量
復帰が行われてしまうことはなく、かつ潤滑不足のおそ
れが生じそうになれば容量復帰が行われて潤滑が良好に
行われる。
【0053】前記実施例では2つの温度センサ54,5
5が圧縮機内の摺接部位における潤滑状態を反映する圧
縮機の発熱状態を検出するために用いられたが、図9〜
図11に示すような温度センサ56を用いて圧縮機内の
摺接部位における潤滑状態を的確に把握することもでき
る。
5が圧縮機内の摺接部位における潤滑状態を反映する圧
縮機の発熱状態を検出するために用いられたが、図9〜
図11に示すような温度センサ56を用いて圧縮機内の
摺接部位における潤滑状態を的確に把握することもでき
る。
【0054】この温度センサ56は、ケース56a内の
上下に収容された一対のバイメタル57A,57Bと、
弾性変位可能な一対の電極端子58A,58Bと、一対
の変位伝達ロッド59A,59Bとから構成されてい
る。両バイメタル57A,57Bはいずれも温度上昇に
伴って温度センサ56を取り付けたフロントハウジング
2の周壁から離間する方向に同じ割合で湾曲変位する。
バイメタル57A,57Bの湾曲は変位伝達ロッド59
A,59Bを介して電極端子58A,58Bに伝えら
れ、電極端子58A,58Bはフロントハウジング2の
周壁から離間する方向へ湾曲変位する。図9に示すよう
に圧縮機本体が常温状態の場合にはバイメタル57A,
57Bは湾曲することなく平行状態にある。
上下に収容された一対のバイメタル57A,57Bと、
弾性変位可能な一対の電極端子58A,58Bと、一対
の変位伝達ロッド59A,59Bとから構成されてい
る。両バイメタル57A,57Bはいずれも温度上昇に
伴って温度センサ56を取り付けたフロントハウジング
2の周壁から離間する方向に同じ割合で湾曲変位する。
バイメタル57A,57Bの湾曲は変位伝達ロッド59
A,59Bを介して電極端子58A,58Bに伝えら
れ、電極端子58A,58Bはフロントハウジング2の
周壁から離間する方向へ湾曲変位する。図9に示すよう
に圧縮機本体が常温状態の場合にはバイメタル57A,
57Bは湾曲することなく平行状態にある。
【0055】圧縮機内の潤滑が良好に行われている場合
の圧縮機本体の温度上昇は緩やかである。このような緩
やかな温度上昇の場合には両バイメタル57A,57B
ともに緩やかに温度上昇し、両バイメタル57A,57
Bは同時的に湾曲してゆく。従って、図10に示すよう
に両電極端子58A,58Bはフロントハウジング2の
周壁から離間する方向へ同時的に湾曲変位し、両電極端
子58A,58Bが接触することはない。
の圧縮機本体の温度上昇は緩やかである。このような緩
やかな温度上昇の場合には両バイメタル57A,57B
ともに緩やかに温度上昇し、両バイメタル57A,57
Bは同時的に湾曲してゆく。従って、図10に示すよう
に両電極端子58A,58Bはフロントハウジング2の
周壁から離間する方向へ同時的に湾曲変位し、両電極端
子58A,58Bが接触することはない。
【0056】前述したように斜板傾角が最小傾角にある
場合には圧縮機内の潤滑不足が発生しそうになるが、こ
のような状態になると圧縮機本体の温度上昇は急激とな
る。圧縮機本体の温度上昇が急激な場合にはバイメタル
57Bよりもフロントハウジング2周壁から遠い位置に
あるバイメタル57A側の温度上昇がバイメタル57B
側の温度上昇よりも遅れる。そのため、図11に示すよ
うにバイメタル57Aの湾曲変位がバイメタル57Bの
湾曲変位よりも遅れ、両電極端子58A,58Bが接触
する。両電極端子58A,58Bが接触することによっ
て温度センサ56が潤滑不足になりそうな発熱状態を検
出したことになり、この検出に基づいてソレノイド25
を励磁し、斜板傾角が最小傾角から増大して潤滑不足が
回避される。
場合には圧縮機内の潤滑不足が発生しそうになるが、こ
のような状態になると圧縮機本体の温度上昇は急激とな
る。圧縮機本体の温度上昇が急激な場合にはバイメタル
57Bよりもフロントハウジング2周壁から遠い位置に
あるバイメタル57A側の温度上昇がバイメタル57B
側の温度上昇よりも遅れる。そのため、図11に示すよ
うにバイメタル57Aの湾曲変位がバイメタル57Bの
湾曲変位よりも遅れ、両電極端子58A,58Bが接触
する。両電極端子58A,58Bが接触することによっ
て温度センサ56が潤滑不足になりそうな発熱状態を検
出したことになり、この検出に基づいてソレノイド25
を励磁し、斜板傾角が最小傾角から増大して潤滑不足が
回避される。
【0057】なお、車両用電源(図示せず)に両電極端
子58A,58B及びソレノイド25を直列に接続すれ
ば制御コンピュータCを省略することができる。前記第
1実施例におけるバイパス開閉弁24bの開閉は容量制
御弁24aの弁体33の開度に左右されたが、図12及
び図13に示すように吐出圧Pdと吸入圧Psとの差圧
に基づいて開閉するバイパス開閉弁24cの採用も可能
である。バイパス開閉弁24cと共に制御弁24Cを構
成する容量制御弁24aは第1実施例と同一構成であ
る。
子58A,58B及びソレノイド25を直列に接続すれ
ば制御コンピュータCを省略することができる。前記第
1実施例におけるバイパス開閉弁24bの開閉は容量制
御弁24aの弁体33の開度に左右されたが、図12及
び図13に示すように吐出圧Pdと吸入圧Psとの差圧
に基づいて開閉するバイパス開閉弁24cの採用も可能
である。バイパス開閉弁24cと共に制御弁24Cを構
成する容量制御弁24aは第1実施例と同一構成であ
る。
【0058】バイパス開閉弁24cを構成するバルブハ
ウジング69上の吐出圧導入ポート69aには吐出圧導
入通路34が接続されており、バイパスポート69bに
はバイパス通路36が接続されている。バルブハウジン
グ69内には弁支持体70が収容固定されており、弁支
持体70には弁体71がスライド可能に支持されてい
る。弁体71には弁閉塞ばね72のばね力及び吐出圧P
dが閉塞方向に作用しており、弁開放ばね73のばね力
及び吸入圧Psが弁体71に対して開放方向に作用して
いる。弁支持体70には通口70aが貫設されており、
吐出圧導入ポート69aからバルブハウジング69内へ
導入された冷媒ガスは通口70aを介して容量制御弁2
4a側へも流れる。
ウジング69上の吐出圧導入ポート69aには吐出圧導
入通路34が接続されており、バイパスポート69bに
はバイパス通路36が接続されている。バルブハウジン
グ69内には弁支持体70が収容固定されており、弁支
持体70には弁体71がスライド可能に支持されてい
る。弁体71には弁閉塞ばね72のばね力及び吐出圧P
dが閉塞方向に作用しており、弁開放ばね73のばね力
及び吸入圧Psが弁体71に対して開放方向に作用して
いる。弁支持体70には通口70aが貫設されており、
吐出圧導入ポート69aからバルブハウジング69内へ
導入された冷媒ガスは通口70aを介して容量制御弁2
4a側へも流れる。
【0059】弁体71は吐出圧Pdと吸入圧Psとの差
が一定値以下になると弁孔69cを開放する。この一定
値では吐出圧Pdが図8に示すPd0 になったときであ
る。従って、このバイパス弁24cは吐出圧PsがPd
0 以下のときに開状態を維持し、蒸発器52におけるフ
ロスト発生が防止される。
が一定値以下になると弁孔69cを開放する。この一定
値では吐出圧Pdが図8に示すPd0 になったときであ
る。従って、このバイパス弁24cは吐出圧PsがPd
0 以下のときに開状態を維持し、蒸発器52におけるフ
ロスト発生が防止される。
【0060】検出された温度の差(Tx−Ty)が所定
値T0 以上になった場合には弁体33が弁孔31eを閉
塞する。バイパス開閉弁24cは開状態を維持してお
り、吐出室3bの冷媒ガスはバイパス通路36、吸入室
3a、シリンダボア2a、吐出室3bの順に循環する。
しかし、クランク室2a内の圧力が低下して吐出容量が
増えており、クランク室2a内の圧力とシリンダボア1
a内の圧力との差が大きくなっている。そのため、シリ
ンダボア1aからクランク室2aへのブローバイガス量
が増え、クランク室2a内の潤滑必要部位の潤滑が確保
される。
値T0 以上になった場合には弁体33が弁孔31eを閉
塞する。バイパス開閉弁24cは開状態を維持してお
り、吐出室3bの冷媒ガスはバイパス通路36、吸入室
3a、シリンダボア2a、吐出室3bの順に循環する。
しかし、クランク室2a内の圧力が低下して吐出容量が
増えており、クランク室2a内の圧力とシリンダボア1
a内の圧力との差が大きくなっている。そのため、シリ
ンダボア1aからクランク室2aへのブローバイガス量
が増え、クランク室2a内の潤滑必要部位の潤滑が確保
される。
【0061】次に、本発明の第2実施例を図14〜図1
8に基づいて説明する。但し、第1実施例と同じ構成部
位は同一番号を付してその詳細説明は省略する。この実
施例では第1実施例の制御弁24に代えて制御弁24A
が用いられている。この制御弁24Aは第1実施例の制
御弁24からソレノイド25及び弁開度規制体53を省
略したものであり、容量制御弁24aとバイパス開閉弁
24bとから構成されている。
8に基づいて説明する。但し、第1実施例と同じ構成部
位は同一番号を付してその詳細説明は省略する。この実
施例では第1実施例の制御弁24に代えて制御弁24A
が用いられている。この制御弁24Aは第1実施例の制
御弁24からソレノイド25及び弁開度規制体53を省
略したものであり、容量制御弁24aとバイパス開閉弁
24bとから構成されている。
【0062】クランク室2aと吸入室3aとを接続する
放圧通路1d上には放圧制御弁60が設けられている。
放圧制御弁60を構成するスプール弁61にはばね62
のばね力が作用している。スプール弁61の周面には環
状の流路溝61aが形成されている。図14に示すよう
に流路溝61aはスプール弁61に作用するばね62の
ばね力によって常には放圧通路1dを絞る位置に配置さ
れており、クランク室2a内の冷媒ガスが絞り作用を受
けつつ吸入室3aに放出される。図16は通常の容量制
御状態にある図14の状態に対応する。
放圧通路1d上には放圧制御弁60が設けられている。
放圧制御弁60を構成するスプール弁61にはばね62
のばね力が作用している。スプール弁61の周面には環
状の流路溝61aが形成されている。図14に示すよう
に流路溝61aはスプール弁61に作用するばね62の
ばね力によって常には放圧通路1dを絞る位置に配置さ
れており、クランク室2a内の冷媒ガスが絞り作用を受
けつつ吸入室3aに放出される。図16は通常の容量制
御状態にある図14の状態に対応する。
【0063】スプール弁61には可動鉄芯63が連結さ
れている。可動鉄芯63はソレノイド64の励磁によっ
てばね62のばね作用に抗して固定鉄芯65に吸着され
る。この吸着によってスプール弁61がソレノイド64
側に移動し、図15に示すように流路溝61aが放圧通
路1dの断面をほぼ全開放する位置に配置される。放圧
制御弁60は、放圧通路1dの通過断面積を増大方向に
強制変更する開度増大強制手段となり、ソレノイド64
は制御コンピュータCの励消磁制御を受ける。図17は
斜板傾角が最小傾角にある状態に対応し、弁体41は開
位置にある。斜板傾角が最小傾角にあって弁体41が開
いている状態において制御コンピュータCが温度センサ
54,55からの温度検出情報に基づいてソレノイド6
4を励磁すると、図18に示すように流路溝61aが絞
り位置から全開放位置に配置される。この移動配置によ
り放圧通路1d上の通過断面積が増大し、クランク室2
a内の圧力が急激に吸入室3aへ放出される。この放圧
作用により吸入室3a内の吸入圧が上昇し、この吸入圧
の昇圧が容量制御弁24aの吸入圧検出室43に波及す
る。この圧力波及により弁体33が弁孔31eを閉じ、
吐出室3bからクランク室2aへの冷媒ガス流入が停止
する。そのため、クランク室2a内の圧力が低下し、斜
板傾角が最小傾角から増大する。又、弁体33が弁孔3
1eを閉じるため、絞り孔41aにおける冷媒ガスの流
れもなくなり、弁体41内の圧力Pd’と吐出圧Pdと
の間の差圧がなくなる。そのため、図18に示すように
バイパス開閉弁24bの弁体41が閉じ、吐出室3bか
ら吸入室3aへの冷媒ガス流入がなくなる。従って、最
小傾角状態のときの最小吐出容量よりも多い吐出冷媒ガ
スが外部冷媒回路49へ流出し、通常の容量制御状態の
ときの潤滑油還流と同程度の潤滑油還流が行われる。
れている。可動鉄芯63はソレノイド64の励磁によっ
てばね62のばね作用に抗して固定鉄芯65に吸着され
る。この吸着によってスプール弁61がソレノイド64
側に移動し、図15に示すように流路溝61aが放圧通
路1dの断面をほぼ全開放する位置に配置される。放圧
制御弁60は、放圧通路1dの通過断面積を増大方向に
強制変更する開度増大強制手段となり、ソレノイド64
は制御コンピュータCの励消磁制御を受ける。図17は
斜板傾角が最小傾角にある状態に対応し、弁体41は開
位置にある。斜板傾角が最小傾角にあって弁体41が開
いている状態において制御コンピュータCが温度センサ
54,55からの温度検出情報に基づいてソレノイド6
4を励磁すると、図18に示すように流路溝61aが絞
り位置から全開放位置に配置される。この移動配置によ
り放圧通路1d上の通過断面積が増大し、クランク室2
a内の圧力が急激に吸入室3aへ放出される。この放圧
作用により吸入室3a内の吸入圧が上昇し、この吸入圧
の昇圧が容量制御弁24aの吸入圧検出室43に波及す
る。この圧力波及により弁体33が弁孔31eを閉じ、
吐出室3bからクランク室2aへの冷媒ガス流入が停止
する。そのため、クランク室2a内の圧力が低下し、斜
板傾角が最小傾角から増大する。又、弁体33が弁孔3
1eを閉じるため、絞り孔41aにおける冷媒ガスの流
れもなくなり、弁体41内の圧力Pd’と吐出圧Pdと
の間の差圧がなくなる。そのため、図18に示すように
バイパス開閉弁24bの弁体41が閉じ、吐出室3bか
ら吸入室3aへの冷媒ガス流入がなくなる。従って、最
小傾角状態のときの最小吐出容量よりも多い吐出冷媒ガ
スが外部冷媒回路49へ流出し、通常の容量制御状態の
ときの潤滑油還流と同程度の潤滑油還流が行われる。
【0064】次に、本発明の第3実施例を図19〜図2
2に基づいて説明する。この実施例では第1実施例の制
御弁24に代えて制御弁24Bを用いた点のみが異な
る。そこで、第1実施例と同じ構成部位は同一番号を付
してその詳細説明は省略する。
2に基づいて説明する。この実施例では第1実施例の制
御弁24に代えて制御弁24Bを用いた点のみが異な
る。そこで、第1実施例と同じ構成部位は同一番号を付
してその詳細説明は省略する。
【0065】図20に示すように制御弁24Bは第1実
施例の制御弁24からソレノイド25及び弁開度規制体
53を省略し、バルブハウジング31Bにソレノイド6
6を取り付けている。弁体41には可動鉄芯67が結合
されており、ソレノイド66の励磁によって可動鉄芯6
7が固定鉄芯68に吸着する。可動鉄芯67が固定鉄芯
68に接合した状態では弁体41が弁孔31fを閉じ
る。即ち、ソレノイド66、可動鉄芯67及び固定鉄芯
68はバイパス開閉弁24bを閉状態に強制変更するバ
イパス通路強制閉鎖手段となり、制御弁24Bは、バイ
パス通路強制閉鎖手段と、容量制御弁24aと、バイパ
ス開閉弁24bとから構成されている。
施例の制御弁24からソレノイド25及び弁開度規制体
53を省略し、バルブハウジング31Bにソレノイド6
6を取り付けている。弁体41には可動鉄芯67が結合
されており、ソレノイド66の励磁によって可動鉄芯6
7が固定鉄芯68に吸着する。可動鉄芯67が固定鉄芯
68に接合した状態では弁体41が弁孔31fを閉じ
る。即ち、ソレノイド66、可動鉄芯67及び固定鉄芯
68はバイパス開閉弁24bを閉状態に強制変更するバ
イパス通路強制閉鎖手段となり、制御弁24Bは、バイ
パス通路強制閉鎖手段と、容量制御弁24aと、バイパ
ス開閉弁24bとから構成されている。
【0066】図19に示すようにソレノイド66は制御
コンピュータCの励消磁制御を受け、制御コンピュータ
Cは温度センサ54,55からの温度検出情報に基づい
てソレノイド66を励消磁制御する。
コンピュータCの励消磁制御を受け、制御コンピュータ
Cは温度センサ54,55からの温度検出情報に基づい
てソレノイド66を励消磁制御する。
【0067】図20は通常の容量制御状態にある場合を
表す。図21は斜板傾角が最小傾角にある状態に対応
し、ソレノイド66は消磁状態にあって弁体41は開位
置にある。斜板傾角が最小傾角にあって弁体41が開い
ている状態において制御コンピュータCが温度センサ5
4,55からの温度検出情報に基づいてソレノイド66
を励磁すると、図22に示すように可動鉄芯67が固定
鉄芯68に吸着し、弁体41が弁孔31fを閉じる。そ
のため、吐出室3bの冷媒ガスがバイパス通路36を経
由して吸入室3aへ流入することはなくなり、吐出冷媒
ガスが外部冷媒回路49へ流出する。従って、潤滑油が
圧縮機に還流し、圧縮機内の潤滑不足が回避される。
表す。図21は斜板傾角が最小傾角にある状態に対応
し、ソレノイド66は消磁状態にあって弁体41は開位
置にある。斜板傾角が最小傾角にあって弁体41が開い
ている状態において制御コンピュータCが温度センサ5
4,55からの温度検出情報に基づいてソレノイド66
を励磁すると、図22に示すように可動鉄芯67が固定
鉄芯68に吸着し、弁体41が弁孔31fを閉じる。そ
のため、吐出室3bの冷媒ガスがバイパス通路36を経
由して吸入室3aへ流入することはなくなり、吐出冷媒
ガスが外部冷媒回路49へ流出する。従って、潤滑油が
圧縮機に還流し、圧縮機内の潤滑不足が回避される。
【0068】次に、本発明の第4実施例を図23に基づ
いて説明する。この実施例では第1実施例の制御弁24
と第2実施例の放圧制御弁60を併用しており、容量制
御弁24aの弁体33を強制的に閉位置へ移行するソレ
ノイド25及び放圧制御弁60のソレノイド64は同時
に励消磁制御される。即ち、ソレノイド25が励磁され
るときにはソレノイド64も励磁され、ソレノイド25
が消磁されるときにはソレノイド64も消磁される。ソ
レノイド25の励磁により弁体33が弁孔31eを閉
じ、ソレノイド64の励磁により放圧通路1d上の通過
断面積が増大する。従って、クランク室2a内の圧力低
下が第2実施例の場合よりも迅速に行われ、最小傾角か
らの斜板傾角増大が第2実施例の場合よりも迅速に行わ
れる。
いて説明する。この実施例では第1実施例の制御弁24
と第2実施例の放圧制御弁60を併用しており、容量制
御弁24aの弁体33を強制的に閉位置へ移行するソレ
ノイド25及び放圧制御弁60のソレノイド64は同時
に励消磁制御される。即ち、ソレノイド25が励磁され
るときにはソレノイド64も励磁され、ソレノイド25
が消磁されるときにはソレノイド64も消磁される。ソ
レノイド25の励磁により弁体33が弁孔31eを閉
じ、ソレノイド64の励磁により放圧通路1d上の通過
断面積が増大する。従って、クランク室2a内の圧力低
下が第2実施例の場合よりも迅速に行われ、最小傾角か
らの斜板傾角増大が第2実施例の場合よりも迅速に行わ
れる。
【0069】さらに本発明は、バイパス通路強制閉鎖手
段と圧力供給通路強制閉鎖手段とを併用したり、バイパ
ス通路強制閉鎖手段と開度増大強制手段とを併用するこ
ともできる。
段と圧力供給通路強制閉鎖手段とを併用したり、バイパ
ス通路強制閉鎖手段と開度増大強制手段とを併用するこ
ともできる。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、圧縮機内
の摺接部位における潤滑状態を反映する圧縮機の発熱状
態を検出し、この発熱状態が特定状態に達したときに
は、前記圧力供給通路の閉鎖、前記放圧通路の通過断面
積拡大、及び前記バイパス通路の閉鎖の少なくとも1つ
の動作を遂行するようにしたので、蒸発器でのフロスト
発生を回避している状態で発生するおそれのある潤滑不
足を確実に回避し得るという優れた効果を奏する。
の摺接部位における潤滑状態を反映する圧縮機の発熱状
態を検出し、この発熱状態が特定状態に達したときに
は、前記圧力供給通路の閉鎖、前記放圧通路の通過断面
積拡大、及び前記バイパス通路の閉鎖の少なくとも1つ
の動作を遂行するようにしたので、蒸発器でのフロスト
発生を回避している状態で発生するおそれのある潤滑不
足を確実に回避し得るという優れた効果を奏する。
【図1】 本発明を具体化した第1実施例の圧縮機全体
の側断面図である。
の側断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【図4】 斜板傾角が最小状態にある側断面図である。
【図5】 通常の容量制御状態にある制御弁の拡大側断
面図である。
面図である。
【図6】 バイパス通路が開いた状態にある制御弁の拡
大側断面図である。
大側断面図である。
【図7】 弁体33を閉位置に強制変更した状態にある
制御弁の拡大側断面図である。
制御弁の拡大側断面図である。
【図8】 吐出圧と吸入圧とによって容量制御特性を説
明するグラフである。
明するグラフである。
【図9】 温度センサの別例を示す拡大断面図である。
【図10】 OFF状態にある温度センサの拡大断面図
である。
である。
【図11】 ON状態にある温度センサの拡大断面図で
ある。
ある。
【図12】 バイパス開閉弁の別例を示す縦断面図であ
る。
る。
【図13】 開状態にあるバイパス開閉弁の縦断面図で
ある。
ある。
【図14】 第2実施例を示す圧縮機全体の側断面図で
ある。
ある。
【図15】 放圧通路の通過断面積が増大した状態の圧
縮機全体の側断面図である。
縮機全体の側断面図である。
【図16】 放圧制御弁が放圧通路を絞っている状態を
示す拡大側断面図である。
示す拡大側断面図である。
【図17】 バイパス通路が開いた状態にある制御弁の
拡大側断面図である。
拡大側断面図である。
【図18】 放圧制御弁が放圧通路の通過断面積を増大
した状態を示す拡大側断面図である。
した状態を示す拡大側断面図である。
【図19】 第3実施例の圧縮機全体の側断面図であ
る。
る。
【図20】 通常の容量制御状態にある制御弁の拡大側
断面図である。
断面図である。
【図21】 バイパス通路が開いた状態にある制御弁の
拡大側断面図である。
拡大側断面図である。
【図22】 弁体41を閉位置に強制変更した状態にあ
る制御弁の拡大側断面図である。
る制御弁の拡大側断面図である。
【図23】 第4実施例の制御弁及び放圧制御弁の拡大
側断面図である。
側断面図である。
2a…クランク室、3a…吸入圧領域となる吸入室、3
b…吐出圧領域となる吐出室、9…回転軸、14…斜板
支持体、15…斜板、21…最小傾角規定手段となる最
小傾角規定リング、22…片頭ピストン、24,24
A,24B…制御弁、24a…容量制御弁、24b,2
4c…バイパス開閉弁、25…圧力供給通路強制閉鎖手
段となるソレノイド、33…容量制御弁を構成する弁
体、36…バイパス通路、41…バイパス開閉弁を構成
する弁体、54,56…温度センサ、60…開度増大強
制手段となる放圧制御弁、66…バイパス通路強制閉鎖
手段となるソレノイド。
b…吐出圧領域となる吐出室、9…回転軸、14…斜板
支持体、15…斜板、21…最小傾角規定手段となる最
小傾角規定リング、22…片頭ピストン、24,24
A,24B…制御弁、24a…容量制御弁、24b,2
4c…バイパス開閉弁、25…圧力供給通路強制閉鎖手
段となるソレノイド、33…容量制御弁を構成する弁
体、36…バイパス通路、41…バイパス開閉弁を構成
する弁体、54,56…温度センサ、60…開度増大強
制手段となる放圧制御弁、66…バイパス通路強制閉鎖
手段となるソレノイド。
フロントページの続き (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 横野 智彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/08 F04B 27/14
Claims (4)
- 【請求項1】クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各
室に接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボア
内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジ
ング内に回転軸を回転可能に支持し、回転軸に回転支持
体を設けると共に、回転支持体に斜板を傾動可能に連係
し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介
した差により斜板の傾角を制御し、吐出圧領域とクラン
ク室とを接続する圧力供給通路を介して吐出圧領域の圧
力をクランク室に供給すると共に、クランク室と吸入圧
領域とを接続する放圧通路を介してクランク室の圧力を
吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行うクラッ
チレス片側ピストン式可変容量圧縮機において、 零ではない吐出容量をもたらすように斜板の最小傾角を
規定しておくと共に、吐出圧領域と吸入圧領域とをバイ
パス通路で接続しておき、圧縮機内の摺接部位における
潤滑状態を反映する圧縮機の発熱状態を検出し、この発
熱状態が特定状態に達したときには、前記圧力供給通路
の閉鎖、前記放圧通路の通過断面積拡大、及び前記バイ
パス通路の閉鎖の少なくとも1つの動作を遂行するよう
にしたクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機の容
量制御方法。 - 【請求項2】クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各
室に接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボア
内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジ
ング内に回転軸を回転可能に支持し、回転軸に回転支持
体を設けると共に、回転支持体に斜板を傾動可能に連係
し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介
した差により斜板の傾角を制御し、吐出圧領域とクラン
ク室とを接続する圧力供給通路を介して吐出圧領域の圧
力をクランク室に供給すると共に、クランク室と吸入圧
領域とを接続する放圧通路を介してクランク室の圧力を
吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行うクラッ
チレス片側ピストン式可変容量圧縮機において、 零ではない吐出容量をもたらすように斜板の最小傾角を
規定する最小傾角規定手段と、 吐出圧領域と吸入圧領域とを接続するバイパス通路と、 斜板傾角が最小傾角のときには前記バイパス通路を開放
可能なバイパス開閉弁と、 圧縮機内の摺接部位における潤滑状態を反映する圧縮機
の発熱状態を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段が特定状態を検出したときには前記バ
イパス開閉弁を閉状態に強制変更するバイパス通路強制
閉鎖手段とを備えたクラッチレス片側ピストン式可変容
量圧縮機。 - 【請求項3】クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各
室に接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボア
内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジ
ング内に回転軸を回転可能に支持し、回転軸に回転支持
体を設けると共に、回転支持体に斜板を傾動可能に連係
し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介
した差により斜板の傾角を制御し、吐出圧領域とクラン
ク室とを接続する圧力供給通路を介して吐出圧領域の圧
力をクランク室に供給すると共に、クランク室と吸入圧
領域とを接続する放圧通路を介してクランク室の圧力を
吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行うクラッ
チレス片側ピストン式可変容量圧縮機において、 零ではない吐出容量をもたらすように斜板の最小傾角を
規定する最小傾角規定手段と、 吐出圧領域と吸入圧領域とを接続するバイパス通路と、 斜板傾角が最小傾角のときには前記バイパス通路を開放
可能なバイパス開閉弁と、 圧縮機内の摺接部位における潤滑状態を反映する圧縮機
の発熱状態を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段が特定状態を検出したときには前記圧
力供給通路を閉状態に強制変更する圧力供給通路強制閉
鎖手段とを備えたクラッチレス片側ピストン式可変容量
圧縮機。 - 【請求項4】クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各
室に接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボア
内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジ
ング内に回転軸を回転可能に支持し、回転軸に回転支持
体を設けると共に、回転支持体に斜板を傾動可能に連係
し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介
した差により斜板の傾角を制御し、吐出圧領域とクラン
ク室とを接続する圧力供給通路を介して吐出圧領域の圧
力をクランク室に供給すると共に、クランク室と吸入圧
領域とを接続する放圧通路を介してクランク室の圧力を
吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行うクラッ
チレス片側ピストン式可変容量圧縮機において、 零ではない吐出容量をもたらすように斜板の最小傾角を
規定する最小傾角規定手段と、 吐出圧領域と吸入圧領域とを接続するバイパス通路と、 斜板傾角が最小傾角のときには前記バイパス通路を開放
可能なバイパス開閉弁と、 圧縮機内の摺接部位における潤滑状態を反映する圧縮機
の発熱状態を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段が特定状態を検出したときには前記放
圧通路の通過断面積を増大方向に強制変更する開度増大
強制手段とを備えたクラッチレス片側ピストン式可変容
量圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14099693A JP3186340B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機及びその容量制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14099693A JP3186340B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機及びその容量制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346843A JPH06346843A (ja) | 1994-12-20 |
JP3186340B2 true JP3186340B2 (ja) | 2001-07-11 |
Family
ID=15281737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14099693A Expired - Fee Related JP3186340B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機及びその容量制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3186340B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11159449A (ja) * | 1997-11-27 | 1999-06-15 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 可変容量型圧縮機 |
EP1081379A4 (en) | 1999-02-23 | 2004-07-07 | Toyota Jidoshokki Kk | CONTROL VALVE FOR A COMPRESSOR WITH VARIABLE DISPLACEMENT |
JP4698066B2 (ja) * | 2001-05-23 | 2011-06-08 | 株式会社不二工機 | 可変容量型圧縮機用制御弁 |
JP4678648B2 (ja) * | 2005-10-25 | 2011-04-27 | サンデン株式会社 | 斜板式圧縮機の油膜形成不良検知装置 |
JP2019002384A (ja) * | 2017-06-19 | 2019-01-10 | サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 | 可変容量圧縮機 |
-
1993
- 1993-06-11 JP JP14099693A patent/JP3186340B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06346843A (ja) | 1994-12-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6358017B1 (en) | Control valve for variable displacement compressor | |
US5890876A (en) | Control valve in variable displacement compressor | |
KR0127087B1 (ko) | 클러치리스 편측피스톤식 가변용량압축기 | |
US6142745A (en) | Piston type variable displacement compressor | |
KR970004811B1 (ko) | 무클러치 편측 피스톤식 가변 용량 압축기 및 그 용량 제어방법 | |
US5636973A (en) | Crank chamber pressure controlled swash plate compressor with suction passage opening delay during initial load condition | |
EP0953765A2 (en) | Variable displacement type swash plate compressor and displacement control valve | |
JP2001132632A (ja) | 容量可変型圧縮機の制御弁 | |
US5681150A (en) | Piston type variable displacement compressor | |
EP1004770A2 (en) | Variable displacement compressor | |
EP0824191B1 (en) | Variable displacement compressor | |
JP3726759B2 (ja) | 容量可変型圧縮機の制御装置 | |
JP3254872B2 (ja) | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機 | |
JP3152015B2 (ja) | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機及びその容量制御方法 | |
KR100212769B1 (ko) | 변화가능한 용적형 압축기 | |
EP1197659B1 (en) | Compressor having seal cooling structure | |
JP3186340B2 (ja) | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機及びその容量制御方法 | |
JPH07286581A (ja) | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機 | |
JP3410761B2 (ja) | 斜板式可変容量圧縮機及びその制御方法 | |
JP3092396B2 (ja) | クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機における容量復帰構造 | |
JP3301159B2 (ja) | クラッチレス圧縮機における潤滑方法及び潤滑構造 | |
JP3094731B2 (ja) | 斜板式可変容量圧縮機 | |
JP2001123946A (ja) | 可変容量型圧縮機 | |
JPH09256947A (ja) | 圧縮機における弁座構造 | |
JP3125513B2 (ja) | 斜板式可変容量圧縮機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |