JP3410761B2 - 斜板式可変容量圧縮機及びその制御方法 - Google Patents

斜板式可変容量圧縮機及びその制御方法

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JP3410761B2 JP09164493A JP9164493A JP3410761B2 JP 3410761 B2 JP3410761 B2 JP 3410761B2 JP 09164493 A JP09164493 A JP 09164493A JP 9164493 A JP9164493 A JP 9164493A JP 3410761 B2 JP3410761 B2 JP 3410761B2
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健 水藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク室、吸入室、
吐出室及びこれら各室に接続するシリンダボアを区画形
成し、シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可
能に収容するハウジング内に回転軸を回転可能に支持
し、回転軸に回転支持体を止着すると共に、回転支持体
に斜板を傾動可能に連係し、クランク室内の圧力と吸入
圧との片頭ピストンを介した差により斜板の傾角を制御
る斜板式可変容量圧縮機及びその容量制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭59−150988号公報及び特
開昭61−55380号公報に開示される可変容量型揺
動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧縮機の回転軸との
間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電磁クラッチを使
用していない。電磁クラッチを無くせば、特に車両搭載
形態ではそのON−OFFのショックによる体感フィー
リングの悪さの欠点を解消できると共に、圧縮機全体の
重量減、コスト減が可能となる。
【0003】前記各公報に開示される可変容量型揺動斜
板式圧縮機ではいずれも、斜板を収容するクランク室内
の圧力を急激に高めて斜板傾角を0°近くにもってゆ
き、吐出容量を零近くに落とすようになっている。この
吐出容量の急激な低下により圧縮機における負荷が急激
に低下する。圧縮機を車両に搭載している場合には、車
両の加速時、登坂時に車両エンジン出力全てを車両の駆
動に振り向けるのが望ましく、このような場合に圧縮機
における負荷の急激な低減が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなクラッチレ
ス圧縮機では外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロスト
及び圧縮機内の潤滑が問題になる。外気温が氷点付近で
は蒸発器においてフロスト発生のおそれがあり、このよ
うな環境条件では必要に応じて斜板傾角を0°近くに持
ってゆき、吐出無効化を行なわねばならない。逆に、吐
出無効化状態では冷媒の循環が実質的に無くなるために
圧縮機内の潤滑不良が問題になってくる。そのため、外
気温あるいは蒸発器の出口圧力を検出し、この検出結果
に基づいて吐出無効化状態と圧縮機内の潤滑を確保する
程度の吐出有効化状態とに切り換えを行なう手段が考え
られる。しかし、このようなセンサを用いた外部情報に
基づく制御方式は構成の複雑化をもたらし、コストの観
点からも好ましくない。
【0005】本発明は、センサを用いて得る外部情報に
頼ることなくフロスト及び圧縮機内の潤滑の問題を解消
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1に記
載の発明では、吸入圧領域の圧力が低下したときに、吸
入圧領域及びクランク室の少なくとも一方と吐出圧領域
との接続を連通する連通状態及び該接続を遮断する遮断
状態を、一方の状態から他方の状態へ繰り返し切り換
え、吐出有効化状態と吐出無効化状態とを交互にもたら
すようにし、前記吐出有効化状態では外部冷媒回路から
前記圧縮機へ潤滑油を還流するようにした。
【0007】請求項2に記載の発明では、吐出圧領域と
吸入圧領域とを接続するバイパス通路と、吸入圧及び吐
出圧に感応して前記バイパス通路を開閉制御する制御弁
とを備え、吸入圧が低下した状態であるときには前記バ
イパス通路を開く方向に前記制御弁を動作するようにし
た。
【0008】請求項3に記載の発明では、前記制御弁
は、吐出圧領域とクランク室とを接続する通路を吸入圧
に感応して開閉する弁体を備えた容量制御機構と、
制御機構に対する吐出圧の流入側に介在されるとともに
前記バイパス通路を開閉する弁体を備えたバイパス開閉
機構とを有し、吐出圧領域から前記容量制御機構へ圧力
を通す前記バイパス開閉機構内の通路には容量制御機構
の弁体が最大開度であるときにバイパス開閉機構の弁体
を開状態とする絞り部を設けた。
【0009】請求項4に記載の発明では、吐出圧領域と
前記クランク室とを圧力供給通路で接続し、前記回転軸
上にて斜板傾角最小となる位置にある斜板支持体で前記
圧力供給通路を閉じ、斜板の傾角増大に伴って前記圧力
供給通路を開くようにした。
【0010】請求項5に記載の発明では、クランク室に
開口する圧力供給通路の出口を前記斜板支持体のスライ
移動によって遮蔽され得る位置に設定し、斜板傾角が
最小傾角以外では前記出口が全開口するようにした。
【0011】
【作用】吸入圧が予め設定された吸入圧に比して大きく
低下、即ち蒸発器でのフロストが発生しそうな状況にな
ると、吸入圧領域及びクランク室の少なくとも一方と吐
出圧領域とが連通状態となる。この連通により圧縮機が
吐出無効化状態となり、外部冷媒回路上の蒸発器のフロ
ストが回避される。吸入圧が設定吸入圧に近づくと、吸
入圧領域及びクランク室の少なくとも一方と吐出圧領域
とが遮断状態となる。この遮断により圧縮機が吐出有効
化状態となり、冷媒ガス中の潤滑油が圧縮機に還流す
る。この潤滑油還流により圧縮機内の潤滑不良が回避さ
れる。
【0012】請求項2に記載の発明では、吐出圧領域と
吸入圧領域との連通及び遮断が制御弁により切り換えら
れる。請求項3に記載の制御弁では、容量制御機構の弁
体が最大開度になると、吐出圧領域からクランク室への
流量が増大し、バイパス制御機構内の絞り部の前後の圧
力差が増大する。この圧力差がバイパス開閉機構の弁体
を開可能にする。
【0013】請求項4に記載の発明では、吐出圧領域と
クランク室との連通及び遮断が斜板の傾角に応じて切り
換えられる。請求項5に記載の発明では、吐出圧領域と
クランク室とを接続する圧力供給通路の出口が斜板支持
体によって全開及び全閉のいずれかの状態に切り換えら
れる。この切り換えによりクランク室内の圧力変更が迅
速に行われる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した第1実施例を図1
〜図8に基づいて説明する。図1に示すように圧縮機全
体のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端
にはフロントハウジング2が接合されている。シリンダ
ブロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレー
ト4、弁形成プレート5A,5B及びリテーナ形成プレ
ート6を介して接合固定されている。フロントハウジン
グ2内には深溝玉軸受け部材7が取り付けられている。
深溝玉軸受け部材7には回転支持体8が支持されてお
り、回転支持体8には回転軸9が止着されている。深溝
玉軸受け部材7は回転軸9に作用するスラスト方向の荷
重及びラジアル方向の荷重の両方を回転支持体8を介し
て受け止める。
【0015】回転軸9の前端はクランク室2aからフロ
ントハウジング2を介して外部へ突出しており、この突
出端部にはプーリ10が螺着されている。プーリ10は
ベルト11を介して車両エンジンに作動連結されてい
る。回転軸9の前端部とフロントハウジング2との間に
はリップシール12が介在されている。リップシール1
2はクランク室2a内の圧力洩れを防止する。回転軸9
の後端部はラジアルベアリング13を介してシリンダブ
ロック1に回転可能に支持されている。
【0016】回転軸9には球面状の斜板支持体14がス
ライド可能に支持されており、斜板支持体14には斜板
15が回転軸9の軸線方向へ傾動可能に支持されてい
る。斜板15には連結片16,17が止着されている。
図2に示すように連結片16,17には一対のガイドピ
ン18,19が止着されている。回転支持体8には支持
アーム8aが突設されている。支持アーム8aには支持
ピン20が回動可能かつ回転軸9に対して直角を成す方
向へ貫通支持されている。一対のガイドピン18,19
は支持ピン20の両端部にスライド可能に嵌入されてい
る。支持アーム8a上の支持ピン20と一対のガイドピ
ン18,19との連係により斜板15が斜板支持体14
を中心に回転軸9の軸線方向へ傾動可能かつ回転軸9と
一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、支持ピン
20とガイドピン18,19とのスライドガイド関係、
斜板支持体14のスライド作用及び斜板支持体14の支
持作用により案内される。
【0017】斜板15の最大傾角は回転支持体8の傾角
規制突部8bと斜板15との当接によって規制される。
回転軸9上には最小傾角規制リング21が止着されてお
り、斜板15の最小傾角が最小傾角規制リング21と斜
板支持体14との当接によって規制される。斜板支持体
14が最小傾角規制リング21に当接しているときの斜
板15の最小傾角は0°よりも僅かに大きい。この最小
傾角はこの傾角位置からの斜板傾角増大、即ち容量復帰
を行ない得る程度に可及的に小さくしてある。
【0018】クランク室2aに接続するようにシリンダ
ブロック1に貫設されたシリンダボア1a内には片頭ピ
ストン22が収容されている。片頭ピストン22の首部
22aには一対のシュー23が嵌入されている。斜板1
5の周縁部は両シュー23間に入り込み、斜板15の両
面には両シュー23の端面が接する。従って、斜板15
の回転運動がシュー23を介して片頭ピストン22の前
後往復揺動に変換され、片頭ピストン22がシリンダボ
ア1a内を前後動する。
【0019】図1及び図3に示すようにリヤハウジング
3内には吸入室3a及び吐出室3bが区画形成されてい
る。バルブプレート4上には吸入ポート4a及び吐出ポ
ート4bが形成されている。弁形成プレート5A上には
吸入弁5aが形成されており、弁形成プレート5B上に
は吐出弁5bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガ
スは片頭ピストン22の復動動作により吸入ポート4a
から吸入弁5aを押し退けてシリンダボア1a内へ流入
する。シリンダボア1a内へ流入した冷媒ガスは片頭ピ
ストン22の往動動作により吐出ポート4bから吐出弁
5bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。吐出弁5b
はリテーナ形成プレート6上のリテーナ6aに当接して
開度規制される。
【0020】片頭ピストン22のストロークはクランク
室2a内の圧力とシリンダボア1a内の吸入圧との片頭
ピストン22を介した差圧に応じて変わる。即ち、圧縮
容量を左右する斜板15の傾角が変化する。クランク室
2a内の圧力はリヤハウジング3に取り付けられた制御
弁24により制御される。クランク室2aと吸入室3a
とは絞り通路1bを介して連通している。
【0021】図5〜図7に基づいて制御弁24の内部構
成を説明する。ソレノイド25を支持するボビン26の
中空部にはガイド筒27が固定されており、ガイド筒2
7内には固定鉄芯28が収容固定されている。ガイド筒
27内には可動鉄芯29が固定鉄芯28に対して接離可
能に収容されている。固定鉄芯28と可動鉄芯29との
間には弁開放強制ばね30が介在されている。可動鉄芯
29は弁開放強制ばね30のばね作用によって固定鉄芯
28から離間する方向へ付勢されている。
【0022】ボビン26には第1バルブハウジング31
Aが連結部材32を介して結合固定されており、第1
ルブハウジング31A内には球状の弁体33が収容され
ている。第1バルブハウジング31A及び後述する第2
バルブハウジング31Bには吐出圧導入ポート31a、
吸入圧導入ポート31b、バイパスポート31c及び制
御ポート31dが設けられている。吐出圧導入ポート3
1aは吐出圧導入通路34を介して吐出室3bに連通し
ている。吸入圧導入ポート31bは吸入圧導入通路35
を介して吸入室3aに連通しており、バイパスポート3
1cはバイパス通路36を介して吸入室3aに連通し
いる。制御ポート31dは制御通路37を介してクラン
ク室2aに連通している。
【0023】第1バルブハウジング31A内のばね受け
38と弁体33との間には復帰ばね39及び弁支持座4
0が介在されており、弁体33は弁孔31eを閉塞する
方向へ復帰ばね39のばね作用を受ける。
【0024】吸入圧導入ポート31bに通じる吸入圧検
出室43にはベローズ金具44が可動鉄芯29に固着し
た状態で収容されている。ベローズ金具44とばね受け
45とはベローズ46によって連結しており、ベローズ
金具44とばね受け45との間にはばね47が介在され
ている。ばね受け45には伝達ロッド48が止着されて
おり、その先端が弁体33に当接している。
【0025】第1バルブハウジング31A及びその内部
の部材は容量制御機構を構成し、弁体33は吸入圧検出
室43内の吸入圧の変動に応じて弁孔31eを開閉す
る。第1バルブハウジング31Aには第2バルブハウジ
ング31Bが結合固定されており、第2バルブハウジン
グ31B内にはスプール形状の弁体41が収容されてい
る。弁体41はばね42作用によって弁孔31fを閉
塞する方向へ付勢されている。弁孔31fが閉塞される
と吐出圧導入ポート31aとバイパスポート31cとの
連通が遮断される。
【0026】弁体41には絞り孔41aが形成されてお
り、吐出圧導入ポート31aが弁体33の収容室に常に
連通している。弁孔31eが閉塞されると吐出圧導入ポ
ート31aと制御ポート31dとの連通が遮断される。
【0027】第2バルブハウジング31B、その内部の
弁体41及びばね42はバイパス開閉機構を構成する。
即ち、制御弁24は容量制御機構とバイパス開閉機構と
により構成されている。
【0028】吸入室3a内へ冷媒ガスを導入する導入口
(図示略)と、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出
口1cとは外部冷媒回路49で接続されている。外部冷
媒回路49上には凝縮器50、膨張弁51及び蒸発器5
2が介在されている。膨張弁51は蒸発器52の出口側
のガス圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。
【0029】ソレノイド25は空調装置作動スイッチ
(図示略)のON−OFFによって励消磁されるように
なっている。図1の状態では空調装置作動スイッチがO
Nしており、ソレノイド25は励磁状態にある。ソレノ
イド25の励磁状態では図5及び図6に示すように可動
鉄芯29が弁開放強制ばね30のばね作用に抗して固定
鉄芯28に吸着している。
【0030】ソレノイド25が励磁しているとき、ベロ
ーズ46が吸入圧導入ポート31bから導入される吸入
圧Psの変動に応じて変位し、この変位が伝達ロッド4
8を介して弁体33に伝えられる。吸入圧Psがばね4
7のばね力によって決定される設定吸入圧Ps0 以下、
かつ設定吸入圧Ps0 から大きく掛け離れていない範囲
(仮にPs0 ≧Psと表す)において、吸入圧Psが高
い(冷房負荷が大きい)場合には弁体33の弁開度が小
さくなる。クランク室2a内の圧力が吸入圧Psより高
い場合にはクランク室2a内の冷媒ガスは絞り通路1b
を経由して吸入室3aへ流出している。従って、弁体3
3の弁開度が小さくなれば吐出室3bからクランク室2
aへの冷媒ガス流入が少なくなり、クランク室2a内の
圧力が低下して斜板傾角が大きくなる。即ち、吐出容量
が大きくなる。逆に、吸入圧Psが低い(冷房負荷が小
さい)場合には弁体33の弁開度が大きくなる。従っ
て、クランク室2a内の圧力が上昇し、斜板傾角が小さ
くなる。即ち、吐出容量が小さくなる。
【0031】Ps0 <Psという冷媒負荷が非常に大き
い場合には弁体33の弁開度は零となり、吐出室3bか
らクランク室2aへの冷媒ガス流入がなくなる。そのた
め、斜板傾角は最大となる。
【0032】従って、斜板15の傾角は、傾角規制突部
8bに当接する最大傾角位置と、斜板支持体14が最小
傾角規制リング21に当接する最小傾角位置との間に規
制される。即ち、斜板15のこの傾角範囲内で吐出容量
が制御される。
【0033】空調装置作動スイッチのOFFによってソ
レノイド25が消磁すると、図7に示すように可動鉄芯
29が弁開放強制ばね30のばね作用によって固定鉄芯
28から離間し、弁体33が最大開口する。この最大開
口状態では吐出室3b内の吐出冷媒ガスが吐出圧導入通
路34、吐出圧導入ポート31a、弁孔31e、制御ポ
ート31d及び制御通路37を経由してクランク室2a
へ急激流入し、クランク室2a内が急激に昇圧する。従
って、斜板15は最小傾角へ直ちに移行する。最小傾角
は零ではないため、最小傾角状態においても僅かながら
吐出、即ち圧縮が行われる。この圧縮があるために斜板
15の傾角復帰が可能となる。
【0034】弁体41に閉塞方向へ作用する力はF+
(Pd’−Ps)・S1 となる。但し、Fはばね42の
ばね力、Pd’は弁体33,41間の領域の圧力、S1
はバイパスポート31cの通過断面積である。弁体41
に開放方向へ作用する力は(Pd−Pd’)(S2 −S
1 )である。但し、S2 は弁体41を収容する室の断面
積である。弁体41はこれら両者の力関係で弁孔31f
を開閉する。即ち、次式(A)が成立する場合には吐出
圧導入通路34とバイパス通路36との連通が遮断さ
れ、次式(B)が成立する場合には吐出圧導入通路34
とバイパス通路36とが連通する。 F+(Pd’−Ps)・S1 >(Pd−Pd’)(S2 −S1 )・・(A) F+(Pd’−Ps)・S1 <(Pd−Pd’)(S2 −S1 )・・(B) 式(A),(B)は次式(C),(D)に書き直せる。 F+(Pd−Ps)S1 >(Pd−Pd’)S2 ・・・(C) F+(Pd−Ps)S1 <(Pd−Pd’)S2 ・・・(D) 冷媒ガスが絞り孔41aを通過すれば、絞り孔41aの
絞り作用によってその前後で圧力差が生じる。この圧力
差とは吐出圧Pdと圧力Pd’との差のことであり、P
d>Pd’となる。絞り孔41aにて冷媒ガスの流れが
なければ前後の圧力差はなく、Pd=Pd’である。例
えば、吐出圧Pdと吸入圧Psとが等しければ、クラン
ク室2aの圧力Pcも吸入圧Psに等しくなり、絞り孔
41aにおける冷媒ガス流は生じない。
【0035】弁体33が最大開度のとき、式(C)で表
される力関係と式(D)で表される力関係とは吐出圧P
dと吸入圧Pとの大小関係の変化に応じて切り換わり
可能となっている。即ち、弁体33が最大開度のとき、
弁孔31eを通過する冷媒ガス流量が増大し、絞り孔4
1a前後の圧力差(Pd−Pd')が大きくなる。この
ような差圧状態のもとに吐出圧Pdが吸入圧Psよりも
大きい場合には式(D)が成り立ち、吐出圧Pdが吸入
圧Psに等しい場合には式(C)が成り立つように絞り
孔41aの絞り作用が設定されている。従って、弁体3
3が最大開度のとき、吐出圧Pdが吸入圧Psよりも大
きい場合には弁体41は開状態となり、吐出圧Pdが吸
入圧Psに等しい場合には弁体41は閉状態となる。
【0036】図8の曲線E1 は吐出圧Pdと吸入圧Ps
とによって表された容量制御機構の制御特性を示す。直
線LはPs=Pdを表す。曲線E1 はPd>Pd0 の範
囲では次式(E)で表される。 Ps=P0 −(Pd−Pc)S3 /S4 ・・・(E) 但し、P0 はばね受け45に作用するばね47のばね力
と大気圧との和、S3は弁孔31eの断面積、S4 はば
ね受け45の面積である。
【0037】吐出圧PdがPd0 以上の範囲では吸入圧
Psは吐出圧Pdの減少に伴って増大する。吐出圧Pd
がPd0 以上の範囲における曲線E1 の上側は弁体33
が閉状態となる領域であり、下側は弁体33が開状態と
なる領域である。即ち、吐出圧PdがPd0 以上の範囲
では吸入圧Psが曲線E1 よりも上側の圧力になると弁
体33が弁孔31eを閉じ、吸入圧Psが曲線E1 より
も下側の圧力になると弁体33が弁孔31eを開く。こ
の開閉制御により吐出圧Pdと吸入圧Psとが曲線E1
上を推移するという容量制御が行われる。
【0038】しかし、バイパス開閉機構がない場合には
Pd<Pd0 の範囲では吐出圧Pdと吸入圧Psとは曲
線E2 の関係となる。即ち、吐出圧Pdが小さくなって
くると、弁孔31eを通過する冷媒流量が少なくなって
ゆき、吸入圧Psも低下し始める。そのため、吐出圧P
d及び吸入圧Psが共に低下するPd<Pd0 の範囲で
は弁体33が最大開度をとり、容量制御機構による容量
制御は不能となる。Pd<Pd0 の範囲の曲線E2 は直
線Lに接近しているが、斜板15が最小傾角状態におい
ても僅かながら吐出、即ち圧縮が行われているため、冷
媒ガスは少ないながらも外部冷媒回路49を循環する。
【0039】容量制御機構による容量制御が不能になっ
ている場合にも、冷媒ガスは少ないながらも外部冷媒回
路49を循環しているが、外気温が氷点付近という環境
下の場合では冷媒ガスの循環は蒸発器52におけるフロ
ストをもたらす。しかし、バイパス開閉機構の弁体41
は、弁体33の最大開度状態のもとに開状態となる。弁
体41が開けば吐出冷媒ガスがバイパス通路36を経由
して吸入室3へ流入する。そのため、第1バルブハウ
ジング31A内の吐出圧Pdは吸入圧Psにほぼ等しく
なってゆき、弁体41は再び閉状態となる。弁体41が
閉状態になると、第1バルブハウジング31A内の吐出
圧Pdが再び吸入圧Psよりも大きくなり、弁体41が
開状態に移行する。即ち、弁体33が最大開度状態では
弁体41が開閉を繰り返す。
【0040】制御弁24の動作をまとめれば以下のよう
になる。 ソレノイド25が励磁状態の場合: (1)Ps0 <Ps(冷房負荷が非常に大きい)のと
き:弁体33,41はいずれも閉じる。
【0041】(2)Ps0 ≧Ps(吸入圧Psが設定吸
入圧Ps0 以下、かつ設定吸入圧Ps0 から大きく掛け
離れていない場合)のとき:弁体33はPsに応じた開
度をとり、弁体41は閉じる。
【0042】(3)Ps0 ≫Ps(吸入圧Psが設定吸
入圧Ps0 より小さく、かつ設定吸入圧Ps0 から大き
く掛け離れている場合)のとき: Pd≒Psのとき、弁体33は全開し、弁体41は閉
じる。
【0043】Pd>Psのとき、弁体33は全開し、
弁体41は開く。 ソレノイド25が消磁状態の場合: (4)Ps0 <Psのとき: Pd≒Psのとき、弁体33は全開し、弁体41は閉
じる。
【0044】Pd>Psのとき、弁体33は全開し、
弁体41は開く。 (5)Ps0 ≧Psのとき: Pd≒Psのとき、弁体33は全開し、弁体41は閉
じる。
【0045】Pd>Psのとき、弁体33は全開し、
弁体41は開く。 (6)Ps0 ≫Psのとき: Pd≒Psのとき、弁体33は全開し、弁体41は閉
じる。
【0046】Pd>Psのとき、弁体33は全開し、
弁体41は開く。図5は前記(1)の状態に対応し、図
6は前記(3)に対応する。図7は前記(4),
(5),(6)の各に対応する。ソレノイド25が消磁
状態のとき、Pd>Psの場合には弁体41が開いてお
り、吐出は無効化される。Pd≒Psであれば圧力が均
一化してしまって吐出は当然僅かとなる。
【0047】吐出圧Pd及び吸入圧Psが共に低下して
ゆく容量制御不能領域ではPs0≫Psの状態が生じ
る。Ps0≫Psであって、かつ外気温が氷点付近とい
った環境にある場合、吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49
を循環すれば蒸発器52でフロストが発生する。しか
し、ソレノイド25が励磁しているとき、制御弁24は
(3)における圧力関係に基づいて弁体41を繰り返し
開閉する。ソレノイド25が消磁しているときには、制
御弁24は(4),(5),(6)における圧力関係に
基づいて弁体41を繰り返し開閉する。従って、吐出冷
媒ガスが外部冷媒回路49を循環しない状態が間欠的に
起き、蒸発器52におけるフロスト発生が防止される。
【0048】吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49を循環し
なければ潤滑油が圧縮機内に還流しなくなり、圧縮機内
の潤滑不良が発生する。弁体41の繰り返し開閉により
吐出冷媒ガスが外部冷媒回路49を循環する状態が間欠
的に起き、圧縮機内の潤滑不良が回避される。
【0049】以上のごとく、制御弁24は吸入圧及び吐
出圧に感応して前記(1)〜(6)のように弁体41を
開閉している。弁体41が閉じれば吐出冷媒ガスが外部
冷媒回路49を還流し、圧縮機内の潤滑が確保される。
弁体41が開けば吐出冷媒ガスがバイパス通路36を経
由して吸入室3bへ流入し、外部冷媒回路49への流出
がほとんど無くなる。外部冷媒回路49への流出が無く
なれば蒸発器52におけるフロストは生じない。即ち、
弁体41の閉状態は吐出有効化状態をもたらして潤滑を
確保し、弁体41の開状態は吐出無効化状態をもたらし
てフロスト発生を防止する。このような吐出有効化状態
と吐出無効化状態とが交互に繰り返され、潤滑不良及び
フロスト発生のいずれもが解消される。
【0050】次に、本発明の第2実施例を図9〜図12
に基づいて説明する。図9に示すようにこの実施例と第
1実施例との構成上の相違点は制御弁24Aのみであ
る。第1実施例と同じ構成部位は同一番号を付してその
詳細説明は省略する。
【0051】図10〜図12に示すように制御弁24A
には弁体33,41以外に第3の弁体53が組み込まれ
ている。弁体53はばね54により閉塞方向に付勢され
ている。弁体41と弁体53との間の通路は制御通路5
5を介して制御ポート31dに連通している。
【0052】制御弁24Aは以下のように動作する。 ソレノイド25が励磁状態の場合: (7)PsPsのとき: 弁体33,41,53はいずれも閉じる。
【0053】(8)Ps0 ≧Psのとき:弁体33はP
sに応じた開度をとり、弁体41は閉じる。弁体53
は、Pc=Psのとき閉じ、Pc>Psのとき開く。
【0054】(9)Ps0 ≫Psのとき:弁体33は全
開する。弁体41は、Pd=Pcのとき閉じ、Pd>P
cのとき開く。弁体53は、Pc=Psのとき閉じ、P
c>Psのとき開く。 図9において斜板15が実線で示す最大傾角にある状態
は前記(7)の状態に対応し、斜板15が鎖線で示す最
小傾角にある状態は前記(9)に対応する。
【0055】図12のようにソレノイド25が消磁状態
の場合には、弁体33,41,53の動作はPsPs
、Ps≧Ps、Ps≫Psのいずれの場合も前記
(9)と同じである。
【0056】弁体53の存在は吐出圧Pdを吸入圧Ps
に可及的に近づけることに寄与する。吐出圧Pdが吸入
圧Psに近ければ近いほど、吐出実質的に僅かと
る。
【0057】図13〜図16は第3実施例である。この
実施例に用いられる制御弁24Bは制御弁24,24A
とは異なり、制御弁24Bから制御通路37を介して出
力される圧力Pcは回転軸9内の圧力供給通路56を介
してクランク室2aへ供給される。この実施例において
第1実施例と同じ構成部位は同一番号を付してその詳細
説明は省略する。
【0058】圧力供給通路56の出口56aは回転軸9
の周面に開口している。図13に示すように斜板15の
傾角が最小傾角よりも大きい場合には出口56aはクラ
ンク室2aに露出する。図14に示すように斜板15の
傾角が最小傾角になると出口56aが斜板支持体14に
より遮蔽される。
【0059】図15及び図16に示すように制御弁24
Bは第1実施例の制御弁24から弁体41を省いた構成
となっている。図14はソレノイド25の励磁状態、図
16はソレノイド25の消磁状態を表す。斜板傾角が最
小となって出口56aが遮蔽されると、クランク室2a
内の圧力が低下し、斜板15が再び傾角増大する。出口
56aがクランク室2aに露出するとクランク室2aの
圧力が高まり、斜板15が再び最小傾角へ移行する。実
質的に吐出無効化状態の最小傾角状態と吐出有効化状態
にある傾角状態との間の交互繰り返しにより潤滑不良及
びフロスト発生が共に解消される。
【0060】図17及び図18は第4実施例である。こ
の実施例では回転軸9上に支持されたスプール57がシ
リンダブロック1の内端面に嵌入しており、回転軸9内
の圧力供給通路56がスプール57内の圧力供給通路5
7aを介してクランク室2aに接続している。圧力供給
通路57aの出口57bはスプール57の突出端面上に
あり、図18に示すように斜板15の傾角が最小傾角に
なると出口57bが斜板支持体14のスライド移動によ
り遮蔽される。その他の構成は第3実施例と同様であ
る。図17に示すように斜板15の傾角が最小傾角より
も大きいときには出口57bがクランク室2aに全開口
する。図18に示すように斜板15が最小傾角にあると
きには斜板支持体14が出口57bを遮蔽する。即ち、
斜板15の傾角が最小傾角よりもわずかでも大きくなれ
ば出口57bが全開口し、吐出室3bからクランク室2
aへの吐出冷媒ガスの流量が斜板支持体14の小さなス
トロークで大きく変化する。従って、図18の実線で示
す実質的に吐出無効化状態の最小傾角状態と鎖線で示す
吐出有効化状態にある傾角状態との間の交互繰り返しが
第3実施例の場合よりも一層的確に行われ、フロスト発
生及び潤滑不良が共に防止される。
【0061】図19は第5実施例である。この実施例で
は第1実施例と同じ制御弁24が用いられ、回転軸9に
は圧力供給通路56が設けられている。即ち、第5実施
例は第1実施例と第3実施例とを組み合わせたものであ
り、フロスト防止及び潤滑確保が一層的確に行われる。
【0062】又、制御弁24における絞り孔41aの代
わりに第1バルブハウジング31Aを経由する絞り部を
設けてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明は、斜板傾角が最小傾角付近のときの吸入圧領域の圧
が低下したときに、吸入圧領域及びクランク室の少な
くとも一方と吐出圧領域との接続を連通する連通状態及
び該接続を遮断する遮断状態を、一方の状態から他方の
状態へ繰り返し切り換え、吐出有効化状態と吐出無効化
状態とを交互にもたらすようにし、前記吐出有効化状態
では外部冷媒回路から前記圧縮機へ潤滑油を還流するよ
うにしたので、蒸発器がフロストしそうになる前に吐出
無効化が行われると共に、吐出冷媒ガスの外部冷媒回路
からの還流が間欠的に行われ、蒸発器におけるフロスト
発生及び圧縮機内の潤滑油不良を共に防止し得る。
【0064】請求項2に記載の発明は、吐出圧領域と吸
入圧領域とを接続するバイパス通路を吸入圧が低下した
状態であるときには開く方向に動作する制御弁をバイパ
ス通路上に介在したので、蒸発器がフロストしそうにな
る前に吐出無効化が行われると共に、吐出冷媒ガスの外
部冷媒回路からの還流が間欠的に行われ、蒸発器におけ
るフロスト発生及び圧縮機内の潤滑油不良を共に防止し
得る。
【0065】請求項4に記載の発明は、吐出圧領域と前
記クランク室とを圧力供給通路で接続し、前記回転軸上
にて斜板傾角最小となる位置にある斜板支持体で前記圧
力供給通路を閉じ、斜板の傾角増大に伴って前記圧力供
給通路を開くようにしたので、斜板の傾角が実質的に吐
出無効化状態の最小傾角状態と吐出有効化状態にある傾
角状態との間で交互に繰り返され、蒸発器におけるフロ
スト発生及び圧縮機内の潤滑油不良を共に防止し得る。
【0066】請求項5に記載の発明は、クランク室に開
口する圧力供給通路の出口を前記斜板支持体のスライド
移動によって遮蔽され得る位置に設定し、斜板傾角が最
小傾角以外では前記出口が全開口するようにしたので、
実質的に吐出無効化状態の最小傾角状態と鎖線で示す吐
出有効化状態にある傾角状態との間の交互繰り返しが請
求項3に記載の発明の場合よりも一層的確に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した第1実施例の圧縮機全体
の側断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【図4】 斜板傾角が最小状態にある側断面図である。
【図5】 励磁状態かつバイパス通路が閉じた状態にあ
る制御弁の側断面図である。
【図6】 励磁状態かつバイパス通路が開いた状態にあ
る制御弁の側断面図である。
【図7】 消磁状態かつバイパス通路が開いた状態にあ
る制御弁の側断面図である。
【図8】 吐出圧と吸入圧とによって容量制御特性を説
明するグラフである。
【図9】 第2実施例の圧縮機全体の側断面図である。
【図10】 励磁状態かつバイパス通路が閉じた状態に
ある制御弁の側断面図である。
【図11】 励磁状態かつバイパス通路が開いた状態に
ある制御弁の側断面図である。
【図12】 消磁状態かつバイパス通路が開いた状態に
ある制御弁の側断面図である。
【図13】 第3実施例の圧縮機全体の側断面図であ
る。
【図14】 圧力供給通路が閉じた状態を示す側断面図
である。
【図15】 励磁状態にある制御弁の側断面図である。
【図16】 消磁状態にある制御弁の側断面図である。
【図17】 第4実施例の圧縮機全体の側断面図であ
る。
【図18】 圧力供給通路が閉じた状態を示す側断面図
である。
【図19】 第5実施例の圧縮機全体の側断面図であ
る。
【符号の説明】
2a…クランク室、3a…吸入圧領域となる吸入室、3
b…吐出圧領域となる吐出室、9…回転軸、14…斜板
支持体、15…斜板、22…片頭ピストン、24,24
A…制御弁、33…容量制御機構を構成する弁体、36
…バイパス通路、41…バイパス開閉機構を構成する弁
体、41a…絞り孔、56,57a…圧力供給通路、5
6a,57b…出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園部 正法 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 神崎 繁樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 横野 智彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (56)参考文献 特開 平3−37378(JP,A) 特開 平5−18355(JP,A) 実公 平4−26705(JP,Y2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室、吸入室、吐出室及びこれら
    各室に接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボ
    ア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウ
    ジング内に回転軸を回転可能に支持し、回転軸に回転支
    持体を止着すると共に、回転支持体に斜板を傾動可能に
    連係し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストン
    を介した差により斜板の傾角を制御する斜板式可変容量
    圧縮機の容量制御方法において、 吸入圧領域の圧力が低下したときに、吸入圧領域及びク
    ランク室の少なくとも一方と吐出圧領域との接続を連通
    する連通状態及び該接続を遮断する遮断状態を、一方の
    状態から他方の状態へ繰り返し切り換え、吐出有効化状
    態と吐出無効化状態とを交互にもたらすようにし、前記
    吐出有効化状態では外部冷媒回路から前記圧縮機へ潤滑
    油を還流するようにした斜板式可変容量圧縮機の容量制
    御方法。
  2. 【請求項2】 クランク室、吸入室、吐出室及びこれら
    各室に接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボ
    ア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウ
    ジング内に回転軸を回転可能に支持し、回転軸に回転支
    持体を止着すると共に、回転支持体に斜板を傾動可能に
    連係し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストン
    を介した差により斜板の傾角を制御する斜板式可変容量
    圧縮機において、 吐出圧領域と吸入圧領域とを接続するバイパス通路と、 吸入圧及び吐出圧に感応して前記バイパス通路を開閉制
    御する制御弁とを備え、 吸入圧が低下した状態であるときには前記バイパス通路
    を開く方向に前記制御弁を動作するようにした斜板式可
    変容量圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記制御弁は、吐出圧領域とクランク室
    とを接続する通路を吸入圧に感応して開閉する弁体を備
    えた容量制御機構と、容量制御機構に対する吐出圧の流
    入側に介在されるとともに前記バイパス通路を開閉する
    弁体を備えたバイパス開閉機構とを有し、吐出圧領域か
    ら前記容量制御機構へ圧力を通す前記バイパス開閉機構
    内の通路には容量制御機構の弁体が最大開度であるとき
    にバイパス開閉機構の弁体を開状態とする絞り部を設け
    た請求項2に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  4. 【請求項4】 クランク室、吸入室、吐出室及びこれら
    各室に接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボ
    ア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウ
    ジング内に回転軸を回転可能に支持し、回転軸に斜板支
    持体をスライド可能に支持すると共に回転支持体を止着
    し、斜板支持体に斜板を傾動可能に支持すると共に回転
    支持体に斜板を傾動可能に連係し、クランク室内の圧力
    と吸入圧との片頭ピストンを介した差により斜板の傾角
    を制御する斜板式可変容量圧縮機において、 吐出圧領域と前記クランク室とを圧力供給通路で接続
    し、前記回転軸上にて斜板傾角最小となる位置にある斜
    板支持体で前記圧力供給通路を閉じ、斜板の傾角増大に
    伴って前記圧力供給通路を開くようにした斜板式可変容
    量圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記クランク室に開口する圧力供給通路
    の出口は前記斜板支持体のスライド移動によって遮蔽さ
    れ得る位置に設定されており、斜板傾角が最小傾角以外
    では前記出口が全開口する請求項4に記載の斜板式可変
    容量圧縮機。
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