JP3184825B2 - 光学装置の角度位置を正確に調整するための装置および方法 - Google Patents

光学装置の角度位置を正確に調整するための装置および方法

Info

Publication number
JP3184825B2
JP3184825B2 JP36735299A JP36735299A JP3184825B2 JP 3184825 B2 JP3184825 B2 JP 3184825B2 JP 36735299 A JP36735299 A JP 36735299A JP 36735299 A JP36735299 A JP 36735299A JP 3184825 B2 JP3184825 B2 JP 3184825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sphere
ball
optical device
contact
orifice
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP36735299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000214364A (ja
Inventor
ケネス・ジェイ・ウェイン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agilent Technologies Inc
Original Assignee
Agilent Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agilent Technologies Inc filed Critical Agilent Technologies Inc
Publication of JP2000214364A publication Critical patent/JP2000214364A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3184825B2 publication Critical patent/JP3184825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/003Alignment of optical elements
    • G02B7/004Manual alignment, e.g. micromanipulators

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実質的な直線変位なし
に光学装置の角度位置を調整するための光学装置取付け
機器および方法に関し、より具体的には、角度ずれなし
にレーザ・ビームの方向の正確な調整および/または正
確な並進を可能にするための装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】様々な光学システムにおいて、製造者や
オペレータは、多数の光学的構成要素を高い精度と再現
性で位置合わせし位置決めしなければならない。また、
現代の光学システムでは光源としてレーザが使用される
ことが多いため、直線位置を変化さることなく(すなわ
ち、並進なしに)レーザ・ビームの向きを操作する(す
なわち、角度調整)ことが望ましいことがある。したが
って、光学システムの構成要素の角度調整をそれぞれの
平面で分離することが望ましいことがある。さらに、構
成要素の角度調整が並進の調整と独立していることが望
ましいことがある。また、製品の輸送、設置および/ま
たはオペレータの環境での使用に耐えるために、最終的
な調整をしっかりと固定しなければならない。しかしな
がら、従来の調整可能なマウントの場合、固定する作業
によって光学装置の調整が乱れることがあり、十分に固
定できないと、輸送および/または設置の際に光学装置
の角度変位が生じることがある。
【0003】そのような構成要素の正確な光学的位置決
めを必要とする1つの光学システムは、レーザ干渉計シ
ステムである。レーザ干渉計位置決めシステムは、フォ
トリソグラフィ・ステッパ、X線ステッパ、電子ビーム
装置など、集積回路(IC)製造装置において重要な構
成要素である。レーザ干渉計から正確さと繰り返し性を
得ることができれば、IC上の多数の層を正確に位置合
わせすることができ、その結果、回路の密度が高くなり
歩留まりが大きくなる。また、ICの検査システムや修
理システムも、レーザ干渉計システムの正確さから利益
を得る。レーザ干渉計の測定の繰り返し性は、コンピュ
ータ産業における大記憶容量ディスク・ドライブの製造
にきわめて重要である。レーザ干渉計の位置決めは、ま
た、ホログラフィ・スケール、ガラス・スケール、金属
スケールなどのその他の測定装置の製造と、それら装置
の較正に使用される。レーザ干渉計の高い分解能と精度
の運動制御能力は、高精度の切削装置(フライス盤、旋
盤、および研削盤)が、より滑らかな表面仕上げを有す
るより正確な部品を作成することを可能にする。また、
レーザ干渉計の位置決めシステムは、一般に、最新の計
測学、座標測定装置、機械振動解析、PCボード製造な
どの含む幅広いその他の用途にも使用される。レーザ干
渉計システムは、特に、直線距離、対角線および角度の
測定、ならびに平面度、道の真直度、直線平行度などの
測定に有用である。
【0004】レーザ干渉計システムは、搬送波信号の波
長を計ることによって距離を測定するために、1890
代後半にA.A.マイケルソン(Michelson)によって
開発された技法に基づく。マイケルソンは、銀被覆ハー
フミラーを使用して光源からのビームを2つのビームに
分割し、それらのビームを、遠くのミラーで反射させ銀
被覆ハーフミラーで再び結合した。ミラーが正確に位置
合わせされ静止している場合、観察者は一定の強さの光
を見るが、ミラーの一方がきわめてゆっくりと動いてい
る場合は、2つの経路からの光が加わって打ち消すため
に、観察者は、強さが繰り返し増減するビームを見る。
ミラーが半波長の距離だけ移動するごとに、全体で1波
長だけ光学経路が変化し、強さが完全に1サイクル変化
する。光の波長が既知の場合は、ミラーの移動距離を正
確に決定することができる。
【0005】マイケルソンの装置をあまり精巧でない電
子計測器に変換するには、ビーム強度を変化する電気信
号に変換する光電池と、ビーム強度のサイクルを合計す
る電子計数器だけしか必要なかった。しかしながら、そ
のような装置を実現するためには、他にいくつかの改良
が必要であった。第1に、現代の干渉計は、次の2つの
理由のために光源としてレーザを使用している。すなわ
ち、干渉計がかなり長い距離に使用される場合には、光
が純粋(すなわち、単一波長)でなければならないこと
と、干渉計が正確であるためには、波長が正確に分かっ
ていなければならないことである。第2の改良点は、方
向検出電子回路を含むものであった。1つの光電池では
目標リフレクタの移動方向を十分に検出することができ
なかった。ほとんどの従来の干渉計が方向の検出に使用
していた方法は、光ビームのうちの1つを2つに分割
し、一方について90度位相を遅らせ、次に再結合した
後で、別々の光電池を使用してビームの各部分を検出す
る段階を含む。この技法によると、反射板が移動すると
きに強さが正弦波状に変化する2つの信号が生成され、
これらの信号は、輝度の位相が90度異なる。直流増幅
の後で、これらの2つの信号を使用して可逆カウンタを
駆動することができ、位相の分離は、動きの方向をカウ
ンタに知らせるには十分である。部分的にしか対処され
てこなかった第3の改良点は、光学的構成要素(すなわ
ち、ミラー)の正確な位置決めである。
【0006】現代のレーザ干渉計システムは、一般に、
正確な運動制御システムにおける尺度としてOEMによ
って使用される。一般に、このようなシステムは、直線
運動と角運動のいくつかの軸を利用する。1つのレーザ
が6以上の干渉計軸に光を提供することができるため、
ビームを分割してそれぞれの干渉計に送るために、多数
のビーム・スプリッタとビーム曲げミラーが必要であ
る。また、干渉計からの出力ビームが、軸方向の運動と
正確に平行でなければならないので、それぞれの干渉計
に合わるために、個々の入力ビームの1区間を角度方向
に操作し並進させなければならない。
【0007】近年、レーザ・ビームの角度方向と位置を
高い精度と正確さで調整し固定する必要性が高まってい
る。医療、研究、IC製造、光ファイバ、計測学などの
様々な用途において、ビームの直線方向に影響を与えず
に(すなわち、ビームを並進させずに)レーザ・ビーム
の角度方向を正確に調整するために、長い間研究されま
だ解決されていない必要性がある。また、角度変動なし
にレーザ・ビームを正確に並進させることは、長年、光
学業界の専門家によってもできていない。そのような調
整は、しばしば、互いに独立し、最初の位置合わせの設
定を乱すことなくしっかりと固定できなければならない
(前述のように)。
【0008】従来の調整式マウントは、一般に、大きく
て壊れやすく、振動と熱膨張誤差の影響を受けやすく、
固定が困難である。さらに、固定する作業により、初期
調整の設定が乱れることがある。具体的には、Newp
ortTMモデル600Aなどの従来の運動学的マウント
は、一般に、優れた分解能を実現するが、また角度の操
作中にレーザ・ビームを並進させる。したがって、その
ようなパラメータ(すなわち、並進と角度位置)を別々
に調整することができない。NewportTMSLおよ
びSKシリーズの調整式マウントのようなジンバル式マ
ウントは、一般に、ミラーを台にミラーの中心軸に沿っ
て取り付けることによってビーム並進の問題を回避す
る。しかしながら、このようなジンバル式マウントは、
壊れやすくサイズが大きいことに加え、分解能が不十分
でかつ固定能力が低い。ZygoTMモデル7010およ
び7011や、HP(モデル10710および1071
1などの準運動学的マウントは、一般に、超高感度用途
では分解能と固定能力がほとんど使いものにならない。
【0009】より正確な光学システムの需要が高まり続
けているため、光学装置および/またはレーザ・ビーム
の角度位置を調整し固定するための新しく改善された装
置と方法が必要とされる。現在まで、この作業を実施す
るための効率的でかつ経済的に許容可能な装置と方法は
ない。
【0010】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明は、
光学装置および/またはレーザ・ビームの角度位置をそ
の実質的な直線変位なしに調整するための光学装置取付
け機器および方法を対象とする。本発明の独特な構成に
より、光学装置を、実質上どの方向の動きもなしに調整
位置に固定することができる。
【0011】この機器は、球を含み、その球は、その中
に取り付けられた光学装置を含むか、その少なくとも一
部分が光学装置自体である。球の角度変位が、実質上直
線変位なしに可能であるように、支持体が、球の外側面
と物理接触して配置される。球の外側面と物理接触した
クランプが、球にトルクを実質上伝達することなしに球
を介して支持体に対する力を提供することができる。こ
のようにして、光学装置の正確な位置決めが可能であ
る。
【0012】様々な代替実施形態において、光学装置の
中心軸を球の中心軸に沿って位置決めしかつ/またはす
べての締付け力を球の回転中心の方向に向けることがで
きることが企図される。球は、必要に応じて、取外し可
能な調整ツールを受けることができるようになってお
り、それにより、普通ならば従来の永久的調整ツールに
起因する装置の質量が削減される。実質上純粋な運動学
的動作を必要とする場合、支持体は、球の外側面に沿っ
た点接触を提供するように配置された複数の実質上剛性
のボールを含むことがある。また、支持体は、ボールを
受け、球の動きに応じてボールの個々の回転運動を可能
にするように適合されたベアリング・レースウェイを含
むことがある。代替実施形態において、ボールは、支持
体内に実質上永久的に配置されることがある。準運動学
的動作が所定の用途に十分である場合、支持体は、球を
受け、その外側面のまわりに線接触を提供するように適
合された穴を含むことがある。
【0013】本発明の、クランプは、オリフィス29
中に形成された構造部材を含むことがある。オリフィス
内に摺動可能にプランジャが配置され、プランジャの第
1の端部が、球の外側面と接触するように適合される。
プランジャの第2の端部近くのオリフィス内に、実質上
剛性のボールを配置することができる。少なくとも1つ
の調整可能な締め金具または固定式ばね締め金具を構造
部材上に位置決めして、ボールを介した圧縮力を提供す
ることができる。オリフィス内にプレテンションばねを
配置し、それにより、調整可能な締め金具からの圧縮力
がプレテンションばねの対抗圧縮力に打ち勝つのに十分
でないときに、プランジャの第2の端部よりも上にボー
ルが支持される。代替実施形態において、実質上剛性の
ボールと接触する単一の調整可能な締め金具が締付け力
を提供する。
【0014】もう1つの代替実施形態において、機器
は、球を含み、その球は、内部に取り付けられた光学装
置を含むか、その少なくとも1部分が、光学装置自体、
支持体およびクランプである。少なくとも2つの可能な
位置を有する支持体およびクランプが、球の外側面と接
触して配置される。クランプが第1の位置にあるとき、
球は、中心点の実質上の直線変位なしに中心点のまわり
にどの方向にも回転することができる。クランプが第2
の位置にあるとき、球は回転できない。
【0015】本発明は、また、実質的な直線変位なしに
光学装置の角度位置を正確に調整するための方法を対象
とする。この方法は、光学装置を含むかまたはそれ自体
が光学装置である球を提供し、球の角度位置が実質的な
直線変位なしに可能であるように球を支持する段階を含
む。その場合、球の角度位置が変更され、球は、方向の
実質的変位なしに変更位置に固定される。
【0016】様々な代替の実施形態において、本発明方
法は、球の角度位置を変化させる前に球の中心軸の方向
に光学装置の中心軸を位置決めする段階および/または
球の回転の中心に締付け力を向ける段階を含む。必要に
応じて、取外し可能な調整ツールを使用して、球の角度
位置を変更することができる。様々な用途は、球の支持
が、複数の実質上剛性のボール(たとえば、3ボール・
ネスト)、面取りした穴、三面体パターンで穴の周囲に
位置決めされた突出部などによって提供されることを必
要とする。球を支持するためにボールを使用する場合
は、ボールを受け、球の動きに応じてボールを回転させ
ることができるようにベアリング・レースウェイを提供
することができる。球は、前述のような構造部材、プラ
ンジャ、少なくとも1つの調整可能な締め金具、ボー
ル、および互いに関連する少なくとも1つのばねを有す
るクランプによって変更位置に固定することができる。
【0017】本発明のその他の目的と特徴は、添付図面
を考慮して詳細な説明を読むときに明らかになる。添付
図面は、単に例示のためのものであり、本発明の範囲を
定義するように意図されていないことを理解されたい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、実質的な直線変位なし
に光学装置の角度位置を調整するための光学装置取付け
機器および方法を対象とする。図1から図3および図6
を参照すると、本発明の1つの実施形態は、球12と、
球12の外側面と物理接触した支持体14とを含む。球
12は、光学装置を含み、これは、本発明の状況におい
て、球12を光学装置(図示せず)を受けるように機械
加工するか別の方法で適合させることができ、または球
12の少なくとも一部分自体が光学装置でよいことを示
す(たとえば、ガラス球、球面鏡など)。後で詳細に考
察するように、支持体14の構成は、実質上直線変位な
しに球12の角度変位を可能にする。本明細書で使用す
る「角度変位」という言葉は、回転中心の並進(すなわ
ち、「直線変位」)なしに、複数の平面のうちの少なく
とも1つの平面における回転中心のまわりの球12の回
転運動を指す。本明細書において使用する「直線変位」
という言葉は、球の力学的中心の線形運動を指す。
【0019】この機器は、さらに、球12と支持体14
を収容することができるハウジング16(図1、2、4
〜6および9〜11)を含むことができる。クランプ1
8(図1、2および6〜10)が、球12の外側面と物
理接触して位置決めされ、球12を介して、すなわち実
質上伝達トルクなしに、支持体14に力を提供する。し
たがって、クランプ18は、球12の外面に、実質的な
回転力(すなわち、伝達トルク)を与えずに実質的に一
方向の力を提供することができる。この構成により、ク
ランプ18が、球12の角度位置とそれゆえ光学装置を
正確に調整し、次に維持することができる。
【0020】「光学装置」という言葉は、本明細書にお
いて使用するとき、電磁放射の一態様を制御するために
複数の平面における物理方向を調整する必要があるすべ
ての装置を含む。光学装置の例には、ミラー、ビーム・
スプリッタ、ビーム・ベンダ、レンズ、並進板、波長
板、偏光子、光ファイバ、レーザなどがある。光学装置
が球12に取り付けられる場合は、光19が光学装置を
通ることができるように球12に穴を開ける必要がある
場合がある。
【0021】図2、3、6、8、および11に示した実
施形態において (注:図6には3つの支持ボールのう
ちの1つだけを示す)、支持体14は、クランプ18と
共に4つ接点(すなわち、球が、3つのボールと接触
し、クランプと接触する)だけで球12を拘束する3ボ
ール・ネスト20を含む。これにより、複数の平面にお
ける動きを同時に行うことができ、また1度に1つの平
面における動きを独立させて行うことができる。図8に
示したように、この実施形態における拘束力13、15
a、15bおよび15cはすべて、点接触から出て、球
12の中心に向かう。締付け力13は、特に、3ボール
・ネスト20のボールの中心に向かう3つの力成分15
a、15b、および15cに分解され、3ボール・ネス
ト20は、たとえばスプリング・ボール・リテーナ44
(図11)によってまたはボールの回転を可能にするこ
とによって運動学的に、あるいはボールをハウジング1
6に堅く固定することによって準運動学的に、ハウジン
グ16内のベアリング・レースウェイ22(図2と図
6)によって拘束される。ボールの回転が可能にされる
場合、レースウェイ22は、摩擦係数を小さくするため
に潤滑剤で被覆されることがある。ボールが固定される
場合、接着(たとえば、エポキシ樹脂を使用)、溶接、
圧入などによってボールをレースウェイ22内に固定す
るか、スプリング・ボール・リテーナ44によってボー
ルを運動学的に拘束することができる。代替実施形態に
おいて、個別の凹んだ穴(図示せず)をハウジングの底
に形成し、それぞれの穴に1つのボールを受けるように
大きさを決めてもよい。任意に、ボールをそれぞれの穴
に固定してもよい。ボールを固定する場合、摩擦係数を
小さくするためにボールには潤滑剤が提供されることが
ある。所定の用途における個別の環境に基づいて、当業
者は、適切な潤滑剤を容易に選択することができる。
【0022】スプリング・ボール・リテーナ44が提供
される場合、スプリング・ボール・リテーナ44は、ベ
アリング・レースウェイ22内にボール20を確実かつ
運動学的に配置するのに十分な力を提供する。図11を
参照すると、スプリング・ボール・リテーナ44は、1
つまたは複数の保持部材46を固定するベース部分45
を含むことができる。保持部材46および/またはベー
ス部分45は、圧縮または湾曲させた後で元の形状を維
持または復元することができる再帰的/弾性的材料で形
成することができる。図示したように、保持部材46
は、レースウェイ22との組合せでボール20を運動学
的に取り付ける二叉フォークの形でもよい。
【0023】動作において、図2、3、6、8および1
1に示した実施形態は、少なくとも部分的に運動学的設
計と弾性平均化の原理に基づく。一般に、位置決めシス
テムには、構成要素をそれぞれ位置決めする際にある程
度の誤差が伴う。そのような構成要素の誤差の集約が、
システムの「総誤差」である。この点について、総誤差
が予測可能なほど、誤差のモデル化と補正が容易にな
る。純粋に運動学的なマウント法の場合は、強制的な幾
何学的調和(すなわち、部品間の強制的な一致)がな
く、構造物の構成要素を位置決めする際に伴う総誤差
は、より予測可能である。これと反対に、弾性平均化マ
ウント法では、一般に、幾何学的調和を強制し(拘束上
で)、それにより、誤差の評価をより困難にする。これ
らの2つの原理の影響を受ける幾何学的誤差は、機械的
接触を中断し、位置決めしなおし、次に機械的接触を再
び確立することによって行われる割出し動作によるもの
である。運動学的原理は、物体を適切に支持するために
必要な最小数の接触点で物体を拘束しなければならない
ことを要求し、一方、弾性平均化法は、支持される物体
が、物体を動きなしに適切に支持する前に支持と反対の
力を必要とすることを前提とするものである。したがっ
て、運動学的設計の原理は、決定論的手法(たとえば、
3本脚の椅子)であり、一方、弾性平均化の原理は、蓋
然論的手法(たとえば、柔軟な枠を備えた5本脚の椅
子)。
【0024】一般に、運動学的設計の原理により、本体
を所望の位置と向きに拘束するのに必要な最小限の数の
点において点接触を確立すべきであることが示唆されて
いる。その結果、運動学的な設計においては、大きな接
触応力を受ける部分がある。したがって、摩擦と微小な
凹部によって、運動学的モデルの精度が制限されること
がある。たとえば、荷重(p)の下では、実際の接触面
積は、接触している2つの材料のうちの柔らかい方の材
料の硬さに比例する。摺動に関しては、1つの面を別の
面上で移動させるために必要な摩擦抵抗力(f)は、接
触をせん断するのに必要な力である。この状況では、摩
擦係数μは、水平方向の抵抗力と垂直荷重の比率として
定義される。多くの金属の場合、硬さは、降伏応力
(Υ)の約3倍であり、せん断強さは、降伏応力の約半
分である。したがって、接点に汚れがない場合は、次の
関係を予測することができる。
【0025】 μ=f/p=Υ/2・1/(3Υ)=1/6
【0026】上記の関係は、摩擦係数が荷重と形状に無
関係であり、使用される材料が金属の場合には、材料に
もほとんど無関係であることを示す。しかしながら、こ
の精巧でないモデルでは、汚れ、速度関連効果、ならび
に表面の温度的、機械的および化学的特性など多くの要
因が無視される。その欠点にも関わらず、このモデル
は、摩擦が運動学的位置の繰り返し性を制限しやすいた
め、低い境界せん断強さを有する硬い表面を使用するこ
とが理想的であることを十分に示している。
【0027】3ボール・ネスト20のボールは、強化し
たセラミック材料などから作成することができる。球1
2の材料選択は、球12の穴の数、光学装置の識別、利
用可能な機械加工ツールなどの多くの変数に依存する。
球12は、球12が実質的なひずみなしに圧縮力に耐え
ることができる酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケ
イ素などのセラミックを含む硬い材料で形成することが
できる。硬い材料を機械加工することは困難なので、球
12は、たとえば開始材料(たとえば、酸化アルミニウ
ム)を粉体として射出成形し、次にたとえば粉体を所望
の形状に圧縮し、焼結して強化した製品を作成すること
によって形成することができる。
【0028】2つの弾性表面の間の接触は、表面仕上げ
と表面全体の形状の両方によって複雑になる。このよう
な要因と塑性ひずみの作用は、純粋な運動学的設計の位
置決めの繰り返し性に悪影響を及ぼしやすい。したがっ
て、運動学的設計の最大の利益を実現するために、一般
に、できるだけ大きな力を回避しなければならない。大
きな力は、堅く締め付けられた構造に閉じ込められ、ク
リープや異なる材料間の温度不整合のような望ましくな
い不安定性を高めることがある。この点において、本発
明の独特な構成により、最小の一方向の力と最小の望ま
しくない第2の力(たとえば、トルク)によって、荷重
を支持し、クランプを維持することができる。
【0029】ハウジング16が提供される場合、ハウジ
ング16は、ベアリング・レースウェイ22を球12と
同心に定義することができ、3ボール・ネスト20のそ
れぞれのボールを固定しまたは自由に回転させることが
できる。さらに、ハウジング16は、取付け装置を、マ
シン・ベッド、計測枠、基準面などに固定することを可
能にする。ハウジング16は、光19が光学装置と通信
するために入りかつ/または出ることができるように機
械加工されることがある。ころがり摩擦が必要な場合
は、3ボール・ネスト20は、レースウェイ22内で自
由に回転することができる。好ましい実施形態におい
て、3ボール・ネスト20は、ハウジング16内のレー
スウェイ22の組合せと、取り付けられたスプリング・
ボール・リテーナ44によって最小限に拘束され、クラ
ンプ18から球12を通る反力によって増強される。3
ボール・ネスト20のボールは、どの2つのボール間の
距離も同じになるようにレースウェイ22の円周に(た
とえば、スプリング・ボール・リテーナ44によって)
位置決めされる。
【0030】図5に示したように、本発明の準運動学的
な実施形態は、球12を受けるようにサイズが決められ
た孔または穴23を有する支持体21を含む。好ましい
実施形態において、穴23は、球12をその周囲の面に
受け易くするために面取りされてもよい。図示した実施
形態において、支持体21は、面25上に配置され、球
12の力学的中心cと面25の間の距離bは、穴23の
直径dと反比例する。したがって、穴23の大きさを変
えることによって、面25よりも上の球12の高さを制
御することができる。この構成は、理論上、球12の一
部分のまわりに線接触を提供するが、この実施形態にお
ける光学装置の配置は、球12と穴23を有限の表面仕
上げ誤差と形状誤差なしに作成できない限り、運動学的
な3ボール設計に近づけることはできない。完璧に形成
された球と穴を得ることが困難なので、一般に、ある程
度のひずみを有する準運動学的な取付けが達成される。
具体的には、球12が穴23に入れられるとき、穴23
の不完全な面に沿った任意の最初の点接触が行われ、次
に別の反対の接触が平衡力を提供するまで、穴の面取り
した縁を滑って下がる。この場合、接合部が垂直荷重を
支持することができるが、2つの点接触しかなく、主軸
方向の直線自由度が残る。球12は、第3の接触が行わ
れるまでどちらの方向にも自由に振れることができる。
したがって、球は、十分な荷重が加わるまで不安定であ
り、その結果、接点のひずみが、2つの面の不完全さよ
りも大きくなることがある。この点において、本発明の
クランプ(図5に示してない)は、接点に十分な荷重を
提供することができる。任意に、三面の開口部を形成
し、球12に対する点接触と実質上運動学的な支持を提
供するために、穴23は、円周に沿った複数の突起(図
示せず)を有することができる。
【0031】レーザ光源を含むいくつかの特定の用途で
は、光学装置の中心が中心点cすなわち球12の回転中
心を占めるように、球12の中心軸27の方向に光学装
置(図示せず)の中心軸を位置決めすることが望ましい
ことがある。たとえば、光学装置がミラーの場合は、こ
の構成によって、入射ポイントが回転ポイントと同じに
なるようにミラーを位置決めすることができる。入射ポ
イントと回転ポイントが一致すると、入射角の変化と関
係なしに反射光線が入射ポイントから出るようになり、
それにより、特にレーザ干渉計システムなどの位置測定
光学システムの光学精度が高まる。
【0032】図2、6、7および10に示した実施形態
において、クランプ18は、オリフィス29が中に形成
された構造部材24(蓋または天板)を含む。球12の
外周面に沿った点31と接触するように適合されたプラ
ンジャ26は、オリフィス内に摺動可能に配置される。
プランジャ26近くのオリフィス内にボール28が配置
される。ボール28は、ひずみに耐えるように実質上硬
くなくてはならない。ボール28を介して圧縮力(矢印
33)を加えるために、調整式締め金具30がボール2
8に接触して配置される。他の調整式締め金具を使用で
きるように企図されているが、好ましい調整式締め金具
はねじである。オリフィス内にばね32が入れられ、そ
の結果、締め金具30による圧縮力が、ばね32の反対
の圧縮力(矢印35)に打ち勝つのに十分でないとき
に、ばね32が、ボール28をプランジャ26の表面の
上に支持する。クランプ18は、調整中に球12上に浮
動状態の点接触力を提供し、最終的な位置決めが達成さ
れた後で安定した均質の締付け力を提供することができ
る。ボール28と締め金具30の間とボール28とプラ
ンジャ26の間の同時の点接触の組合せにより、最終的
な締付け力を、球12の中心を通る1つの方向にはたら
かせることができる。この方式では、締付け中に位置を
乱すことになるトルクやモーメントが実質上球12に加
わらない。運動学的に拘束された球12の動きは、きわ
めて剛性の高い部品を使用することによって最小限に抑
えることができるわずかな圧縮たわみだけである。
【0033】動作においては、すべて矢印37で示した
方向に、締め金具30がボール28を圧迫し、ボール2
8がばね32を圧迫し、ばね32がプランジャ26を圧
迫し、プランジャ26が球12を圧迫する。第1の位置
(図6に示した)において、締め金具30からの圧縮力
33は、ばね32の対抗する圧縮力35に打ち勝つのに
不十分である。したがって、ボール28は、プランジャ
26の表面よりも上に支持される。この第1の位置にお
いて、ばねは、ボール28を支持するためにプランジャ
26に軽い圧力を加える。したがって、調整中、軽いば
ね圧力が球12にかかる。調整が完了すると、クランプ
18は、締め金具30を締めることによって第2の位置
(図2に示した)に配置され、これにより、ばね32が
圧縮され、ボール28がプランジャ26上に直接載るこ
とができる。他の締め金具を使用できることが企図され
ているが、図に示した実施形態において、締め金具30
は、回転させて締付け力を確立することができる止ねじ
である。締め金具30とボール28の間とプランジャ2
6とボール28の間の点接触は、球12の最終回転位置
を乱すことなく確実な締付けを可能にする。より正確に
言うと、クランプ18は、球12と接触するすべての点
における摩擦力を高めることによりさらに他の回転を拘
束する。この機器は、締め付けられたとき、すべての力
が3ボール・ネスト20のボールの中心を通る純粋な圧
縮する状態にある。ハウジング16と3ボール・ネスト
20の組合せは、クランプ18から受ける力と直接対抗
する。したがって、実質上、温度変化により機器を歪ま
せたり変形させたりする対抗力のない力はない。さらに
堅く締め付けると、材料の降伏点を超えることがあり、
それにより球12および/または支持体ボールが永久変
形し(たとえば、凹む)する。これは、機器が決して再
調整されない場合には許容可能なこともある。
【0034】図9に示したように、本発明のクランプの
代替実施形態は、構造部材24上の様々な箇所に位置決
めされた複数の調整式締め金具40を含むことができ
る。この実施形態において、オリフィス29は、構造部
材24を完全に貫通していない。プランジャ26は、オ
リフィス29内に摺動式に配置され、ばね32は、オリ
フィス29内の構造部材24の凹面42とプランジャ2
6との間に配置される。稼働中、ばね32は、調整中に
プランジャ26を介して球12にわずかな圧力(矢印4
1で示した)を提供する(前に考察したのと同じよう
に)。最終的な締付け力は、ばね32が縮み、凹面42
がプランジャ26を圧迫するように、複数の締め金具4
0を同時に締め付けることよって加えられる。
【0035】示した実施形態は、球12の位置を移動さ
せるために、サイズ、質量およびコストを高めることに
なるような部品を永久に組み込まない。しかしながら、
別の実施形態では、そのような部品を永久に組み込むこ
ともある。いくつかの用途では、固有周波数を高めるた
めに機器の質量を最小限に抑え、それにより、その動作
環境においてノイズ混入によって生じる望ましくない振
動を最小限に抑えることが有利な場合があることに注意
されたい。また、永久的な調整部品の追加は、装置の製
造コストも高める。
【0036】図4と図10に示したように、球12の動
きは、ハウジング16または別の基準点に一時的に取り
付けられた外部調整ツール39によって達成することが
できる。調整ツール39は、スピンドル端がスピンドル
軸と直角に位置決めされた差動マイクロメータなど、直
交軸で細かい直線運動が可能な部品を支持する取付けブ
ラケット40(図10)を含むことある。レバー・アー
ム36を拡張継手(図示せず)などによって球12に一
時的に固定して、レバー・アーム36を球12に一時的
に堅く固定することができる。ボール38をアーム36
の反対の端に配置し、直角に取り付けられたマイクロメ
ータ34の平らな端部によってできた角に押しつけるこ
とができる(たとえば、ばね力37によって)。この構
成は、1度に1つの平面において、マイクロメータのね
じの直線運動を球12の回転運動に変換することができ
る。調整が完了したら、球12を締め付け(前に考察し
たのと同じように)、調整ツール39を取り外すことが
できる。
【0037】外部調整ツール39を利用すると、垂直平
面においてレバー・アームの端に与えられる直線運動
は、球12の縦振れ回転を達成する。水平面においてレ
バー・アーム36に与えられる直線運動は、球12の傾
斜方向の(ピッチ)回転を達成する。マイクロメータ・
スピンドル34の面に対してレバー・アーム36にバイ
アスをかけて、直線運動が与えられないときに、縦振れ
(ピッチ)と横方向の振れ(yaw)を拘束するばねプ
ランジャ43を提供することができる。図に示した実施
形態では、レバー・アーム36の軸の回りの横振れは拘
束されず、調整の休止中、球12は、6つの可能な自由
度のうちの5つが拘束される。
【0038】いくつかの用途において、球12(および
それと一体的な光学要素)の横振れ回転は、ビームの操
作に影響を及ぼす。したがって、縦振れと横振れを調整
をする前に、横振れに関して球12の向きを初期設定し
なければならない場合がある。調整ツール39をハウジ
ング16に取り付ける前に、セットアップ・ツール(図
示せず)を利用して、球12の穴とハウジング16内の
部品の1つを同時に噛み合わせることによって、横振れ
軸に関して球12の向きを最初に決めることができる。
たとえば、球12内にミラーを位置決めする場合、セッ
トアップ・ツールは、ミラーの入射面が水平になるよう
に球の向きを決めることができることが好ましい。ミラ
ーが適切な初期位置にある場合は、前に考察したよう
に、セットアップ・ツールを取り外して、調整ツール3
9を取り付けることができる。
【0039】本発明の光学装置取付け機器は、少なくと
も1つの光学的構成要素の正確な位置調整によって利益
を得る光学システムにおいて有用性を見いだすことがで
きることを企図している。そのような正確な光学システ
ムの例には、レーザ干渉計、レーザ・トランスデュー
サ、ビーム・スプリッタ、ウェハ・ステッパ、ビーム・
トランスレータなどがある。
【0040】レーザ干渉計システム(図示せず)は、レ
ーザ光波の干渉を使用して正確な距離の測定を行う一組
の光学的構成要素と電子的構成要素である。レーザ干渉
計システムは、一般に、レーザ・ヘッド、光学素子、お
よび電子回路の3つの主要サブシステムを含む。このよ
うなサブシステムは、高度なマイケルソン干渉計を構成
する。レーザ・ヘッドは、単色光源を提供する。光学素
子は、ビームを導き、干渉縞を生成する。電子回路は、
明暗の縞を検出し、データを処理して距離情報を有用な
形で提供する。
【0041】稼働中、レーザ(一般に、低出力He/N
eレーザ)は、垂直に偏光されたf1とf2の2つの光
学周波数を有するコヒーレント光ビームを放射する。出
力ビームの一部は、レーザ・ヘッドにおいてレーザのチ
ューニング用に電子回路の基準信号として分割され、ビ
ームの大部分は、離れた干渉計に送られる。偏光検出干
渉計は、一方の周波数を目標点(立方体の角やミラー)
に反射し、他方周波数を目標リフレクタに送る。送られ
たビームは、干渉計に反射され、そこで基準ビームと混
ざり、その後で両方がレシーバに送られる。干渉計と目
標リフレクタの相対運動によって、レシーバで検出され
る差動周波数にドップラ・シフトが生じる。このドップ
ラ変調された差動周波数は、増幅されたとき、電子回路
用の測定信号になる。電子回路は、レーザ・ヘッドから
の基準信号と、レシーバからの測定信号を比較し、それ
を処理して、高い分解能と有効な出力により位置を決定
する。
【0042】前に考察したように、光学的構成要素(た
とえば、ビーム・スプリッタ、ミラー、および並進板)
の正確な調整は、レーザ干渉計の動作においてきわめて
重要である。したがって、最も慣例的な干渉計は、個々
に調整可能なミラーではなく立方体の角を使用する。し
かしながら、立方体の角は、普通ならば調整可能なミラ
ーにある干渉計の柔軟性を失わせる。したがって、本発
明の光学装置取付け機器は、最新の計測学、IC製造お
よび修理などの最も高感度の干渉計用途に必要とされる
秒角感度でミラーを位置合わせするために使用できるよ
うに企図されている。また、この光学装置取付け機器
は、多軸測定用途においてレーザ・ビームを分割し干渉
計に導くために使用できることが企図されている。
【0043】本発明の光学装置取付け機器は、また、縦
振れと横振れにおいて平らな平行光学板を傾けるレーザ
・ビーム並進装置(図示せず)において特に有用なこと
がある。この機能に使用されるとき、平行な端部を備え
たガラス・ロッドが、ロッドの両端が球の穴から露出す
るように球に取り付けられる。ロッドの長さと屈折率
は、球の角回転で示される入力ビームに対する所望の側
方偏位を生成するように選択される。スネルの法則によ
る入射ビームの屈折は、出力ビームを逸脱/並進させ、
2つの平面における並進調整は、前述のような縦振れと
横振れにおいて球を回転させることによって達成するこ
とができる。
【0044】いくつかのきわめて温度に敏感な用途で
は、同じ材料(たとえば、ステンレス鋼など)からすべ
ての構成要素を形成することによって装置を断熱化する
ことが有益なことがある。しかしながら、異なる材料を
使用するとき、固定式の締め金具を使用することによっ
て、熱による膨張と収縮の影響を最小限に抑えることが
できる。たとえば、構造部材24(蓋または天板)を、
圧縮または湾曲後にその最初の形状を保持または回復さ
せることができる再帰的/弾性材料で形成することがで
きる。装置が完全に組み立てられ調整されたとき、固定
式ばね締め金具が、動作環境の温度変動に関係なく球1
2に対する締付け力を実質上一定にするのを助けるよう
にすることができる。
【0045】本明細書で説明したそれぞれの要素または
複数の要素はともに、以上説明したものとは異なる他の
用途において有用性を見いだすことができることを理解
されたい。たとえば、他の従来の光学装置取付け方法
を、特定のシステム要件の必要に応じて本発明と関連し
て使用することができる。そのような方法は、たとえ
ば、ジンバル取付けを含み、また本明細書で説明した実
施形態のどれかへのジンバル式部品の追加を含むことが
できる。一方、本発明は、光学装置の角度位置を正確に
調整する機器および方法において実施されるように例示
し説明したが、併記の特許請求の範囲によって定義され
たような本発明の趣旨からどのような形で逸脱すること
なく様々な修正および代替を行うことができるので、示
した詳細には制限されないように意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による光学装置取付け機器の
正面斜視図である。
【図2】図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施形態による光学装置取付け機器の
一態様の断面斜視図である。
【図4】脱着可能な調整機構を含む本発明の実施形態に
よる光学装置取付け機器の一態様の部分破断斜視図であ
る。
【図5】本発明の実施形態による光学装置取付け機器の
破断(部分的)斜視図である。
【図6】図1の線2−2に沿った断面図である。
【図7】本発明の実施形態によるクランプの断面拡大図
である。
【図8】本発明の実施形態による光学装置取付け機器の
一態様の破断斜視図である。
【図9】本発明のもう1つの実施形態の断面図である。
【図10】分離可能な調整機構を含む本発明の実施形態
による光学装置取付け機器の一態様の平面図である。
【図11】本発明の実施形態による光学装置取付け機器
の一態様の正面図である。
【符号の説明】
12 球 14 支持体 18 クランプ 20 3ボール・ネスト 22 ベアリング・レースウェイ 24 構造部材 28 ボール 29 オリフィス 32 ばね 30、40 締め金具 39 調整ツール 44 スプリング・ボール・リテーナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 399117121 395 Page Mill Road Palo Alto,Californ ia U.S.A. (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/00 G11B 7/08

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学装置を含み外側面を有する球(1
    2)と、該球(12)の外側面と物理接触する部材(2
    0,26)を有する支持体(14,24)とを含んでな
    り、該部材(20,26)が少なくとも4点の有限個の
    接触点において該球の角度変位が実質上直線変位なしに
    可能であるように該球(12)に接触しており、該部材
    (20,26)が実質上該球への伝達トルクなしに該球
    (12)を介して該支持体(14,24)へと力を提供
    できるように配置されており、締付け力が該球(12)
    の回転の中心を通って所定の角度位置に該球(12)を
    保持し、該球(12)の角度位置をオペレータが変更し
    ようとする際に実質的な直線変位なしに該球(12)を
    回転できるようになっている光学装置取付け機器。
  2. 【請求項2】 前記球が、取り付けられた光学装置を受
    けるように適合された請求項1に記載の光学装置取付け
    機器
  3. 【請求項3】 前記球の少なくとも1部分が光学装置で
    ある請求項1に記載の光学装置取付け機器。
  4. 【請求項4】 前記光学装置の中心軸が、前記球の中心
    軸の方向に位置決めされた請求項2に記載の光学装置取
    付け機器。
  5. 【請求項5】 前記球が、取外し可能な調整ツール(3
    9)を受けるように適合された請求項1に記載の光学装
    置取付け機器。
  6. 【請求項6】 前記締付け力が前記球(12)の角度運
    動を許容する低いレベルに調整でき、所定角度位置に前
    記球を保持する高いレベルに調整できることを特徴とす
    請求項1に記載光学装置取付け機器。
  7. 【請求項7】 前記支持体が、前記球の外側面に沿って
    点接触を提供するように位置決めされた複数の実質上剛
    性のボールを含む請求項1に記載の光学装置取付け機
    器。
  8. 【請求項8】 前記支持体が、3ボール・ネストを含む
    請求項7に記載の光学装置取付け機器。
  9. 【請求項9】 前記支持体が、さらに、ボールを受け、
    前記球の動きに応じてボールの回転運動を可能にするベ
    アリング・レースウェイを含む請求項7に記載の光学装
    置取付け機器。
  10. 【請求項10】 スプリング・ボール・リテーナをさら
    に含む請求項7に記載の光学装置取付け機器。
  11. 【請求項11】 前記ボールが、前記支持体内に実質上
    永久的に配置された請求項7に記載の光学装置取付け機
    器。
  12. 【請求項12】 前記支持体が、前記球を受けて、その
    外側面のまわりに線接触を提供するように適合された穴
    を含む請求項1に記載の光学装置取付け機器。
  13. 【請求項13】 前記クランプが、オリフィスが中に形
    成された構造部材と、2つの端部を有し、該オリフィス
    内に摺動可能に配置され、第1の端部が、前記球の外側
    面と接触するように適合されたプランジャと、該プラン
    ジャの第2の端部近くのオリフィス内に配置された実質
    上剛性のボールと、ボールを介して圧縮力を提供するよ
    うに構造部材上に位置決めされた少なくとも1つの調整
    可能な締め金具と、オリフィス内に配置されたばねであ
    って、少なくとも1つの調整可能な締め金具からの圧縮
    力がばねの対抗圧縮力に打ち勝つのに十分でないときに
    プランジャの第2の端部よりも上にボールを支持するば
    ねとを含む請求項1に記載の光学装置取付け機器。
  14. 【請求項14】 少なくとも1つの調整可能な締め金具
    が、実質上剛性のボールと接触する単一の締め金具であ
    る請求項13に記載の光学装置取付け機器。
  15. 【請求項15】 前記クランプが、固定式ばね締め金具
    を含む請求項1に記載の光学装置取付け機器。
  16. 【請求項16】 光学装置の角度位置を正確に調整する
    方法であって、 a)光学装置を含む球を提供する段階と、 b)該球の角度変位がその実質的直線変位なしに可能で
    あるように少なくとも4点の有限個の接触点により該球
    を支持する段階と、 c)該球の角度位置を変更する段階と、 d)該球を実質上どの方向にも変化させることなく該球
    を変更位置に固定する段階と、e)該球の回転の中心を通る方向に向けられた締付け力
    により該球を支持して、該球を所定の角度位置に保持し
    て、該球の角度位置をオペレータが変更しようとする際
    に実質的な直線移動なしに該球を回転できるようにする
    ことと を含む方法。
  17. 【請求項17】 段階(a)が、前記球内に光学装置を
    取り付ける段階を含む請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記球の角度位置を変更する前に、前
    記球の中心軸の方向に前記光学装置の中心軸を位置決め
    する段階をさらに含む請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 段階(b)が、さらに、前記球の角度
    変位が最小の静摩擦で可能であるように前記球を支持す
    る段階を含む請求項16に記載の方法。
  20. 【請求項20】 段階(c)が、取り外し可能な調整ツ
    ール(39)により実行される請求項16に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 段階(d)が、前記締付け力が前記球
    (12)の角度運動を許容する低いレベルに調整でき、
    所定角度位置に前記球を保持する高いレベルに調整でき
    ることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  22. 【請求項22】 段階(b)が、複数の実質上剛性のボ
    ールを、前記球に点接触を提供するように位置決めする
    段階を含む請求項16に記載の方法。
  23. 【請求項23】 段階(b)が、3ボール・ネストによ
    って実行される請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ボールを受け、前記球の動きに応
    じて中の前記ボールの回転運動を可能にするように適合
    されたベアリング・レースウェイを提供する段階をさら
    に含む請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 複数の実質上剛性のボールの位置を互
    いに維持する段階をさらに含む請求項22に記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 ベアリング・レースウェイ内にボール
    を運動学的に配置する段階をさらに含む請求項22に記
    載の方法。
  27. 【請求項27】 段階(b)が、前記球を受けてその球
    と線接触を提供するように適合された穴を含む支持体に
    よって実行される請求項16に記載の方法。
  28. 【請求項28】 段階(d)が、オリフィスが中に形成
    された構造部材と、2つの端部を有し、オリフィス内に
    摺動可能に配置され、第1の端部が、前記球の外側面と
    接触するように適合されたプランジャと、プランジャの
    第2の端部近くのオリフィス内に配置された実質上剛性
    のボールと、ボールを介して圧縮力を提供するように構
    造部材上に位置決めされた少なくとも1つの調整可能な
    締め金具と、オリフィス内に配置され、少なくとも1つ
    の調整可能な締め金具からの圧縮力がばねの対抗圧縮力
    に打ち勝つのに十分でないときにプランジャの第2の端
    部よりも上にボールを支持するばねとを含むクランプに
    よって実行される請求項16に記載の方法。
  29. 【請求項29】 少なくとも1つの調整可能な締め金具
    が、実質上剛性のボールと接触した単一の締め金具であ
    る請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 固定式ばね締め金具によって球を変更
    位置に維持する段階をさらに含む請求項16に記載の方
    法。
JP36735299A 1998-12-23 1999-12-24 光学装置の角度位置を正確に調整するための装置および方法 Expired - Fee Related JP3184825B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/221,176 US6170795B1 (en) 1998-12-23 1998-12-23 Apparatus and method for precision adjustment of the angular position of an optical device
US09/221176 1998-12-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000214364A JP2000214364A (ja) 2000-08-04
JP3184825B2 true JP3184825B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=22826683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36735299A Expired - Fee Related JP3184825B2 (ja) 1998-12-23 1999-12-24 光学装置の角度位置を正確に調整するための装置および方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6170795B1 (ja)
EP (1) EP1014138B1 (ja)
JP (1) JP3184825B2 (ja)
DE (1) DE69928486T2 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1040488B1 (en) * 1997-12-16 2005-11-16 Seppo Metsälä A precision-mechanical transverse positioning device
US6384993B1 (en) * 1999-11-03 2002-05-07 Itt Manufacturing Enterprises, Inc. Precisely adjustable optical device having vibration and temperature stability
WO2002099469A2 (en) * 2001-06-05 2002-12-12 Avanex Corporation Stable mechanical devices for precision optical alignment and packaging
US6536736B2 (en) 2001-07-16 2003-03-25 Agilent Technologies, Inc. Optomechanical mount for precisely steering/positioning a light beam
WO2003089966A2 (en) * 2002-04-18 2003-10-30 Cierra Photonics, Inc. Wavelenght selective fiber optic coupler
US7511901B2 (en) * 2003-06-30 2009-03-31 Micha Zimmermann Micro-optic alignment system
US7196797B2 (en) * 2004-05-28 2007-03-27 Agilent Technologies, Inc. Differential interferometer with improved cyclic nonlinearity
US20060016061A1 (en) * 2004-07-22 2006-01-26 Gad Shelef Kinematic mounting system
US7729392B2 (en) * 2005-01-28 2010-06-01 Scientific Materials Corporation Monoblock laser with reflective substrate
US7817704B2 (en) * 2005-03-17 2010-10-19 Scientific Materials Corporation Monoblock laser with improved alignment features
US20060232837A1 (en) * 2005-04-19 2006-10-19 Gad Shelef Reduced error kinematic mount
US7173779B2 (en) * 2005-04-19 2007-02-06 Gizmonies, Inc. Kinematic mount having connectors with beveled edges
US7839904B1 (en) 2006-01-26 2010-11-23 Scientific Materials Corporation Monoblock laser systems and methods
US7365925B2 (en) * 2006-03-30 2008-04-29 Agilent Technologies, Inc. Method of aligning optical elements
US7777866B1 (en) 2006-07-25 2010-08-17 Kyrazis Demos T Fixed difference, dual beam laser Doppler velocimetry
US7854614B2 (en) * 2007-12-14 2010-12-21 Robb John R Multi-contact universally jointed power and/or signal connector devices
US8382323B2 (en) 2007-12-14 2013-02-26 John R. Robb Individually controllable multi-color illumination units
US8145420B2 (en) * 2008-12-11 2012-03-27 Honeywell International Inc. Method and apparatus for joining together portions of a geometric assembly
NO329712B1 (no) * 2008-12-18 2010-12-06 Vetco Gray Scandinavia As Undersjoisk elektrisk hoyspenningspenetrator
US20130168521A1 (en) * 2011-12-28 2013-07-04 Precision Machinery Research & Development Center Mechanism for holding a ball
CN102854598B (zh) * 2012-09-28 2014-10-29 山东神戎电子股份有限公司 一种光路光线调节机构
US9207322B1 (en) 2013-02-01 2015-12-08 Lockheed Martin Coherent Technologies, Inc. Compact mounting for local oscillator laser launch
US10294919B2 (en) 2013-04-25 2019-05-21 Demos T. Kyrazis Predictive blade adjustment
DE102014002732A1 (de) * 2014-03-03 2015-09-03 Airbus Ds Gmbh Vorrichtung zum Halten und Ausrichten einer Nutzkomponente, insbesondere einer Raumfahrkomponente
CN107870404B (zh) * 2016-09-26 2019-09-20 海信集团有限公司 光导管调节装置和匀光系统
WO2019204324A1 (en) 2018-04-16 2019-10-24 The Regents Of The University Of California Linear and angular position stabilization and control of an underwater robotic system
US10634849B1 (en) * 2019-03-22 2020-04-28 Rosemount Aerospace Inc. Ruggedized two-axis optical beam steering device
CN111983764B (zh) * 2019-05-24 2022-06-03 北京中龙益诚科技有限公司 一种笼式五轴光学调整架
DE102021214217A1 (de) 2020-12-16 2022-06-23 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Vorrichtung zum Halten eines optischen Elements, Justiervorrichtung und Verfahren zum Justieren

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE861323C (de) * 1951-01-27 1952-12-29 Valentin Linhof K G Stativkugelkopf
US4043686A (en) * 1976-06-03 1977-08-23 Snotrix Division Of Pittway Corporation Stabilized ball joint
CH657935A5 (en) * 1982-10-20 1986-09-30 Silvano Nardon Stand
US4639081A (en) * 1985-08-15 1987-01-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Gimballed three-dimensional display system
US5502598A (en) * 1992-11-12 1996-03-26 Olympus Optical Co., Ltd. Lens frame supporting mechanism
US5591907A (en) * 1995-07-13 1997-01-07 Scientific Solutions, Inc. Weatherproof sensing apparatus with rotatable sensor
JPH10313424A (ja) * 1997-05-12 1998-11-24 Minolta Co Ltd 撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69928486T2 (de) 2006-06-22
EP1014138B1 (en) 2005-11-23
US6170795B1 (en) 2001-01-09
JP2000214364A (ja) 2000-08-04
DE69928486D1 (de) 2005-12-29
EP1014138A1 (en) 2000-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3184825B2 (ja) 光学装置の角度位置を正確に調整するための装置および方法
Henselmans et al. The NANOMEFOS non-contact measurement machine for freeform optics
CN101583857B (zh) 保持元件之间的光学关系的干涉仪
TW579436B (en) Interferometer, beam-combining unit and manipulator system
JPS6324211A (ja) オプト−リソグラフィック装置およびこの装置のレンズ系の結像特性を制御する方法
Henselmans Non-contact measurement machine for freeform optics
JPH07106516B2 (ja) 位置決めステージ
JP2001004358A (ja) ボールステップゲージ
Fan et al. Development of a roundness measuring system for microspheres
JPH03103728A (ja) 分光計の可動ミラーの傾斜調節機構
US4347441A (en) Dual probe interferometer for object profile measuring
US4863243A (en) Mount for an optical element including a holder with a generally semicylindrical surface
US5798879A (en) Stress-free, adjustable optical support
JP2002257523A (ja) 超精密形状測定方法及びその装置
EP0501833B1 (en) Three-dimensional refractively scanning interferometer structure
JPH0814631B2 (ja) 位置決め装置
JP3265360B2 (ja) 反射光学系の支持調整装置
Qian et al. Portable long trace profiler: concept and solution
JP2606992B2 (ja) 光学装置の整列装置
US20080068612A1 (en) Fourier-transform spectrometers
CN113296287A (zh) 一种物镜系统元件位置偏差精密装调方法
US7073915B2 (en) Mirror fixing method and optical apparatus
JP3943077B2 (ja) 光学的測定システムの光学部品位置合わせ
DeWitt Development of a mirror mount suitable for laboratory and OEM applications
JP2004125638A (ja) 変位センサ及び干渉計の固定方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090427

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees