JP2004125638A - 変位センサ及び干渉計の固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】変位センサの外部環境温度の精度への影響を軽減する。
【解決手段】センサを内蔵したケース部材11はアタッチメント12にねじ37により固定する。アタッチメント12の両脇に条片状のばね性部材33、34を付設し、その自由端面35に設けたねじ孔にねじ38を通して取付部材13に固定する。
ケース部材11と取付部材13の間に熱膨張差が生じても、この熱膨張差はアタッチメント12に設けたばね性部分33、34で吸収される。
【選択図】 図1
【解決手段】センサを内蔵したケース部材11はアタッチメント12にねじ37により固定する。アタッチメント12の両脇に条片状のばね性部材33、34を付設し、その自由端面35に設けたねじ孔にねじ38を通して取付部材13に固定する。
ケース部材11と取付部材13の間に熱膨張差が生じても、この熱膨張差はアタッチメント12に設けたばね性部分33、34で吸収される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に光の干渉現象を応用してサブミクロンオーダの分解能、高精度を達成する微小干渉変位計や変位計を利用した工作機械、組み立て調整装置等に好適で、非接触で物体の位置変動を検出するための変位センサ及び干渉計の固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光を応用した干渉装置は、高精度の長さ測定装置として広く利用されている。一般的に、このような装置は絶対精度が必要とされ、波長の安定したガスレーザー光が使用される。更に、最近では簡易な干渉装置として、小型簡便性を特長とする半導体レーザー光源を用いた装置も広く利用されている。
【0003】
図6、図7はこのようなケース部材1に内蔵された干渉センサ2を固定する場合の例を示し、Sは測定対象物である。最も簡便な固定方法としては、ケース部材1にねじ固定用の複数個の透孔3を設け、取付相手側の取付部材4にねじ穴を設け、透孔3を通してねじ5をねじ穴にねじ込むことである。ケース部材1側の透孔3をねじの径よりも大き目に穿けることにより、左右前後の位置調整が有効であり、一般的な方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の変位測定の高精度化は進歩が著しく、外部環境により測定値に影響が出るという問題が生じている。例えば温度環境は、変位測定において直接的に変位に影響する要因である。測定環境を安定化し、干渉センサ2等への熱的影響度を低減させることも必要であるが、ケース部材1の固定は、取付相手が様々に異なることもあり、最も影響を受け易い個所である。
【0005】
熱膨張率は材質が異なる場合には、当然のことながら異なる。環境温度が変化した場合、例えばケース部材1の材質をアルミニウム(熱膨張率α=23.9×10−6)、取付部材4の材質を鉄(熱膨張率α=10×10−6)として、透孔3の間隔を50mmとすると、1℃の温度変化で各ねじ5間に695nm熱膨張差が生ずることになる。つまり、この熱膨張率差の結果はケース部材1の位置ずれ、ケース部材1の変形による内部光学部品の位置変化として現れることになる。
【0006】
これらの影響は、予期しない方向にランダムに生ずるため、サブnmの精度での測定が要求される場合に、この影響を無視することはできない。
【0007】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、熱的影響度を軽減した変位センサの固定方法及び干渉計の固定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る変位センサの固定方法は、変位、位置情報を出力するセンサのケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記センサの変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を付設し、該ばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る変位センサの固定方法は、変位、位置情報を出力するセンサのベース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記センサの変位測定方向と直交する方向に持つ第1のばね性部材を付設すると共に、前記アタッチメントの前記センサの取付エリア外にばね性を前記センサの変位測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらの第1、第2のばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0010】
更に、本発明に係る干渉計の固定方法は、光源からの光束を光透過部材内で2つの光束に分割し、一方の光束を光学ヘッドに固設した参照ミラーの反射面で反射させ、他方の光束を移動又は変位する測定対象物に照射、反射させて、それぞれの光束を前記透過部材内で合波し、該合波光束から干渉光束を得る干渉計の固定方法において、前記干渉計のケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記干渉計の変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を付設し、該ばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る干渉計の固定方法は、光源からの光束を光透過部材内で2つの光束に分割し、一方の光束を光学ヘッドに固設した参照ミラーの反射面で反射させ、他方の光束を移動又は変位する測定対象物に照射、反射させてそれぞれの光束を前記透過部材内で合波し、該合波光束より干渉光束を得る干渉計の固定方法において、前記干渉計のケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記干渉計の変位測定方向とは直交する方向に持つ第1のばね性部材を付設すると共に、前記アタッチメントの前記干渉計の取付エリア外にばね性を前記干渉計の測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらの第1、第2のばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図5に図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態の概略図である。センサを内蔵したケース部材11はアタッチメント12を介して取付部材13に固定する。ケース部材11には、複数個の取付用の透孔14が設け、内蔵したセンサは例えば干渉計である変位センサであり、図2に示すように半導体レーザー光源21と測定対象物Sとの間には、レンズ22、偏光ビームスプリッタ23、1/4λ板24aを配列し、偏光ビームスプリッタ23の左方への反射方向には、1/4λ板24b、参照ミラー25を配置し、右方への反射方向にはアパーチャ26、レンズ27、1/4λ板24c、偏光板28、受光素子29を配列する。
【0013】
半導体レーザー光源21から射出されたレーザー光束Lは、レンズ22で集光光束となって偏光ビームスプリッタ23に入射し、直進する測定光束Laと左折する参照光束Lbに分割される。
【0014】
測定光束Laは1/4λ板24aを通過して測定対象物Sを照射し、その後測定対象物Sで反射され、再び元の光路をたどって偏光ビームスプリッタ23に入射し今度は右方に反射される。一方、参照光束Lbは1/4λ板24bを透過し、参照ミラー25で反射される。そして、元の光路を通り、今度は偏光ビームスプリッタ23を透過し測定光束Laと合波される。
【0015】
アパーチャ26の中心を通過した測定光束Laと参照光束Lbの合波光束Lcは、レンズ27、1/4λ板24cを透過することで、回転する直線偏光となる。その後に、偏光板28を透過し、測定対象物Sの移動に伴って光の強度が変調された干渉明暗信号となる。干渉明暗信号は受光素子29で受光され、受光素子29からは測定対象物Sの移動に伴う電気的な正弦波信号が出力される。
【0016】
アタッチメント12は図3に示すように、ケース部材11と同材質の金属板体から成り、矩形状の本体部31の四隅にねじ穴32を設け、本体部31の両脇に条片状のばね性部材33、34を平行に付設し、その先端の自由端面35にねじ取付の透孔36を設ける。なお、ばね性部材33、34はケース部材11内の光学系の測定方向と直交する方向にばね性を持ち、具体的には干渉計の半導体レーザー光源21と測定対象物Sを結ぶ線分と直交する方向にばね性を有し、光軸長に垂直な方向に対する変動を吸収するようにする。
【0017】
ケース部材11は図1に示すように、透孔14にねじ37を通しアタッチメント12のねじ穴32に螺合して固定する。また、アタッチメント12のばね性部材33、34の透孔36にねじ38を挿通して取付部材13の図示しないねじ穴に螺合し、アタッチメント12を取付部材13に固定する。
【0018】
なお、ケース部材11の材質を例えばアルミニウムとした場合には、アタッチメント12の材質も同一材料のアルミニウムとする。取付部材13を鉄とした場合には、従来例でも述べたように、ケース部材11と取付部材13の間に熱膨張差が生ずる。
【0019】
しかし、この熱膨張差はアタッチメント12に設けたばね性部分33、34で吸収されるため、この熱膨張率差の影響はねじ止めの圧力がかかる自由端面35の平面部分の微小領域にのみに限定され、その影響も軽微である。
【0020】
また、ケース部材11とアタッチメント12を同一材料とすることで、これらの2部材間に熱的位置移動が生ずることはない。更に、光学部品配置部に応力が生ずることもないので、高精度変位測定に好適である。更に、振動計測などセンサに振動が伝達する可能性がある場合には、アタッチメント12を外して、ケース部材11を取付部材13にそのまま固定すればよい。
【0021】
図4は第2の実施の形態を示し、ケース部材11をアタッチメント12’を介して取付部材13に固定する。ケース部材11内の光学的構成は第1の実施の形態と同様であるが、アタッチメント12’の固定部分が異なる。
【0022】
即ち、図4に示すように、第1の実施の形態と同様の自由端面35、透孔36の他に、ばね性部材33、34のばね性の方向と直交する方向にばね性を有する枠体状のばね性部材41を、ケース部材11の取付エリアの外側に形成する。このばね性部材41のばね性の方向は、具体的には干渉計の半導体レーザー光源21と測定対象物Sを結ぶ線分の方向である。ばね性部材41の中心部には接触面42を形成し、この接触面42に透孔43を設ける。
【0023】
この第2の実施の形態は第1の実施の形態に比べて、ケース部材11を取り囲む3点で固定を行っていること、振動等の影響を受け難いため、高精度測定に適している。
【0024】
また、3つのばね性部分33、34、41により、熱膨張差による影響を2つの方向について吸収できるため、測定環境の温度変動の影響でセンサが予期しない動きをすることがなく、高精度測定に好適である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る変位センサ及び干渉計の固定方法は、ケース部材と同一材質のアタッチメントを使用し、このアタッチメントにはばね性を変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を設け、このばね性部材に固定機構を設けて取付部材に固定しているので、部材間の熱膨張率差があった場合でも、熱変化時にセンサの光学系に位置ずれ等が生じない高精度な測定を可能とする。
【0026】
また、ケース部材と同一材質のアタッチメントを使用し、このアタッチメントにはばね性を変位測定方向と直交方向に持つ第1のばね性部材を付設し、更にアタッチメントのセンサ取付エリア外にばね性を変位測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらのばね性部材に固定機構を設けて取付部材に固定することにより、振動にも或る程度耐え、しかも温度変化時の部材間の熱膨張差に影響されず高精度測定をすることが可能である。
【0027】
更に、ばね性部材のねじ止め部の孔周辺に広い面積の面を持たせ、この広い面積を持つ面を取付部材と接触させて固定することで、部材間の熱膨張差の影響をねじ止め部周辺の微小領域に限定できるので、熱によるセンサ移動が生じ難く高精度測定を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の変位計を固定した斜視図である。
【図2】第1の実施の形態で使用するセンサの構成図である。
【図3】第1の実施の形態のアタッチメントの平面図である。
【図4】第2の実施の形態の変位計を固定した斜視図である。
【図5】第2の実施の形態のアタッチメントの平面図である。
【図6】センサを内蔵したケースの説明図である。
【図7】従来のセンサの固定方法である。
【符号の説明】
11 ケース部材
12、12’ アタッチメント
13 取付部材
14、36 透孔
21 半導体レーザー光源
23 偏光ビームスプリッタ
25 参照ミラー
29 受光素子
31 アタッチメント本体
32 ねじ穴
33、34、41 ばね性部材
37、38 ねじ
S 測定対象物
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に光の干渉現象を応用してサブミクロンオーダの分解能、高精度を達成する微小干渉変位計や変位計を利用した工作機械、組み立て調整装置等に好適で、非接触で物体の位置変動を検出するための変位センサ及び干渉計の固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光を応用した干渉装置は、高精度の長さ測定装置として広く利用されている。一般的に、このような装置は絶対精度が必要とされ、波長の安定したガスレーザー光が使用される。更に、最近では簡易な干渉装置として、小型簡便性を特長とする半導体レーザー光源を用いた装置も広く利用されている。
【0003】
図6、図7はこのようなケース部材1に内蔵された干渉センサ2を固定する場合の例を示し、Sは測定対象物である。最も簡便な固定方法としては、ケース部材1にねじ固定用の複数個の透孔3を設け、取付相手側の取付部材4にねじ穴を設け、透孔3を通してねじ5をねじ穴にねじ込むことである。ケース部材1側の透孔3をねじの径よりも大き目に穿けることにより、左右前後の位置調整が有効であり、一般的な方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の変位測定の高精度化は進歩が著しく、外部環境により測定値に影響が出るという問題が生じている。例えば温度環境は、変位測定において直接的に変位に影響する要因である。測定環境を安定化し、干渉センサ2等への熱的影響度を低減させることも必要であるが、ケース部材1の固定は、取付相手が様々に異なることもあり、最も影響を受け易い個所である。
【0005】
熱膨張率は材質が異なる場合には、当然のことながら異なる。環境温度が変化した場合、例えばケース部材1の材質をアルミニウム(熱膨張率α=23.9×10−6)、取付部材4の材質を鉄(熱膨張率α=10×10−6)として、透孔3の間隔を50mmとすると、1℃の温度変化で各ねじ5間に695nm熱膨張差が生ずることになる。つまり、この熱膨張率差の結果はケース部材1の位置ずれ、ケース部材1の変形による内部光学部品の位置変化として現れることになる。
【0006】
これらの影響は、予期しない方向にランダムに生ずるため、サブnmの精度での測定が要求される場合に、この影響を無視することはできない。
【0007】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、熱的影響度を軽減した変位センサの固定方法及び干渉計の固定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る変位センサの固定方法は、変位、位置情報を出力するセンサのケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記センサの変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を付設し、該ばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る変位センサの固定方法は、変位、位置情報を出力するセンサのベース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記センサの変位測定方向と直交する方向に持つ第1のばね性部材を付設すると共に、前記アタッチメントの前記センサの取付エリア外にばね性を前記センサの変位測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらの第1、第2のばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0010】
更に、本発明に係る干渉計の固定方法は、光源からの光束を光透過部材内で2つの光束に分割し、一方の光束を光学ヘッドに固設した参照ミラーの反射面で反射させ、他方の光束を移動又は変位する測定対象物に照射、反射させて、それぞれの光束を前記透過部材内で合波し、該合波光束から干渉光束を得る干渉計の固定方法において、前記干渉計のケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記干渉計の変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を付設し、該ばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る干渉計の固定方法は、光源からの光束を光透過部材内で2つの光束に分割し、一方の光束を光学ヘッドに固設した参照ミラーの反射面で反射させ、他方の光束を移動又は変位する測定対象物に照射、反射させてそれぞれの光束を前記透過部材内で合波し、該合波光束より干渉光束を得る干渉計の固定方法において、前記干渉計のケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記干渉計の変位測定方向とは直交する方向に持つ第1のばね性部材を付設すると共に、前記アタッチメントの前記干渉計の取付エリア外にばね性を前記干渉計の測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらの第1、第2のばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図5に図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態の概略図である。センサを内蔵したケース部材11はアタッチメント12を介して取付部材13に固定する。ケース部材11には、複数個の取付用の透孔14が設け、内蔵したセンサは例えば干渉計である変位センサであり、図2に示すように半導体レーザー光源21と測定対象物Sとの間には、レンズ22、偏光ビームスプリッタ23、1/4λ板24aを配列し、偏光ビームスプリッタ23の左方への反射方向には、1/4λ板24b、参照ミラー25を配置し、右方への反射方向にはアパーチャ26、レンズ27、1/4λ板24c、偏光板28、受光素子29を配列する。
【0013】
半導体レーザー光源21から射出されたレーザー光束Lは、レンズ22で集光光束となって偏光ビームスプリッタ23に入射し、直進する測定光束Laと左折する参照光束Lbに分割される。
【0014】
測定光束Laは1/4λ板24aを通過して測定対象物Sを照射し、その後測定対象物Sで反射され、再び元の光路をたどって偏光ビームスプリッタ23に入射し今度は右方に反射される。一方、参照光束Lbは1/4λ板24bを透過し、参照ミラー25で反射される。そして、元の光路を通り、今度は偏光ビームスプリッタ23を透過し測定光束Laと合波される。
【0015】
アパーチャ26の中心を通過した測定光束Laと参照光束Lbの合波光束Lcは、レンズ27、1/4λ板24cを透過することで、回転する直線偏光となる。その後に、偏光板28を透過し、測定対象物Sの移動に伴って光の強度が変調された干渉明暗信号となる。干渉明暗信号は受光素子29で受光され、受光素子29からは測定対象物Sの移動に伴う電気的な正弦波信号が出力される。
【0016】
アタッチメント12は図3に示すように、ケース部材11と同材質の金属板体から成り、矩形状の本体部31の四隅にねじ穴32を設け、本体部31の両脇に条片状のばね性部材33、34を平行に付設し、その先端の自由端面35にねじ取付の透孔36を設ける。なお、ばね性部材33、34はケース部材11内の光学系の測定方向と直交する方向にばね性を持ち、具体的には干渉計の半導体レーザー光源21と測定対象物Sを結ぶ線分と直交する方向にばね性を有し、光軸長に垂直な方向に対する変動を吸収するようにする。
【0017】
ケース部材11は図1に示すように、透孔14にねじ37を通しアタッチメント12のねじ穴32に螺合して固定する。また、アタッチメント12のばね性部材33、34の透孔36にねじ38を挿通して取付部材13の図示しないねじ穴に螺合し、アタッチメント12を取付部材13に固定する。
【0018】
なお、ケース部材11の材質を例えばアルミニウムとした場合には、アタッチメント12の材質も同一材料のアルミニウムとする。取付部材13を鉄とした場合には、従来例でも述べたように、ケース部材11と取付部材13の間に熱膨張差が生ずる。
【0019】
しかし、この熱膨張差はアタッチメント12に設けたばね性部分33、34で吸収されるため、この熱膨張率差の影響はねじ止めの圧力がかかる自由端面35の平面部分の微小領域にのみに限定され、その影響も軽微である。
【0020】
また、ケース部材11とアタッチメント12を同一材料とすることで、これらの2部材間に熱的位置移動が生ずることはない。更に、光学部品配置部に応力が生ずることもないので、高精度変位測定に好適である。更に、振動計測などセンサに振動が伝達する可能性がある場合には、アタッチメント12を外して、ケース部材11を取付部材13にそのまま固定すればよい。
【0021】
図4は第2の実施の形態を示し、ケース部材11をアタッチメント12’を介して取付部材13に固定する。ケース部材11内の光学的構成は第1の実施の形態と同様であるが、アタッチメント12’の固定部分が異なる。
【0022】
即ち、図4に示すように、第1の実施の形態と同様の自由端面35、透孔36の他に、ばね性部材33、34のばね性の方向と直交する方向にばね性を有する枠体状のばね性部材41を、ケース部材11の取付エリアの外側に形成する。このばね性部材41のばね性の方向は、具体的には干渉計の半導体レーザー光源21と測定対象物Sを結ぶ線分の方向である。ばね性部材41の中心部には接触面42を形成し、この接触面42に透孔43を設ける。
【0023】
この第2の実施の形態は第1の実施の形態に比べて、ケース部材11を取り囲む3点で固定を行っていること、振動等の影響を受け難いため、高精度測定に適している。
【0024】
また、3つのばね性部分33、34、41により、熱膨張差による影響を2つの方向について吸収できるため、測定環境の温度変動の影響でセンサが予期しない動きをすることがなく、高精度測定に好適である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る変位センサ及び干渉計の固定方法は、ケース部材と同一材質のアタッチメントを使用し、このアタッチメントにはばね性を変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を設け、このばね性部材に固定機構を設けて取付部材に固定しているので、部材間の熱膨張率差があった場合でも、熱変化時にセンサの光学系に位置ずれ等が生じない高精度な測定を可能とする。
【0026】
また、ケース部材と同一材質のアタッチメントを使用し、このアタッチメントにはばね性を変位測定方向と直交方向に持つ第1のばね性部材を付設し、更にアタッチメントのセンサ取付エリア外にばね性を変位測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらのばね性部材に固定機構を設けて取付部材に固定することにより、振動にも或る程度耐え、しかも温度変化時の部材間の熱膨張差に影響されず高精度測定をすることが可能である。
【0027】
更に、ばね性部材のねじ止め部の孔周辺に広い面積の面を持たせ、この広い面積を持つ面を取付部材と接触させて固定することで、部材間の熱膨張差の影響をねじ止め部周辺の微小領域に限定できるので、熱によるセンサ移動が生じ難く高精度測定を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の変位計を固定した斜視図である。
【図2】第1の実施の形態で使用するセンサの構成図である。
【図3】第1の実施の形態のアタッチメントの平面図である。
【図4】第2の実施の形態の変位計を固定した斜視図である。
【図5】第2の実施の形態のアタッチメントの平面図である。
【図6】センサを内蔵したケースの説明図である。
【図7】従来のセンサの固定方法である。
【符号の説明】
11 ケース部材
12、12’ アタッチメント
13 取付部材
14、36 透孔
21 半導体レーザー光源
23 偏光ビームスプリッタ
25 参照ミラー
29 受光素子
31 アタッチメント本体
32 ねじ穴
33、34、41 ばね性部材
37、38 ねじ
S 測定対象物
Claims (8)
- 変位、位置情報を出力するセンサのケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記センサの変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を付設し、該ばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする変位センサの固定方法。
- 変位、位置情報を出力するセンサのベース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記センサの変位測定方向と直交する方向に持つ第1のばね性部材を付設すると共に、前記アタッチメントの前記センサの取付エリア外にばね性を前記センサの変位測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらの第1、第2のばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする変位センサの固定方法。
- 前記固定機構は平面部とし、前記取付部材にねじ止めにより固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の変位センサの固定方法。
- 前記固定機構はねじ止め用の孔周辺に広い面積の面を設け、該面が前記取付部材と接触することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の変位センサの固定方法。
- 光源からの光束を光透過部材内で2つの光束に分割し、一方の光束を光学ヘッドに固設した参照ミラーの反射面で反射させ、他方の光束を移動又は変位する測定対象物に照射、反射させて、それぞれの光束を前記透過部材内で合波し、該合波光束から干渉光束を得る干渉計の固定方法において、前記干渉計のケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記干渉計の変位測定方向とは直交する方向に持つばね性部材を付設し、該ばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする干渉計の固定方法。
- 光源からの光束を光透過部材内で2つの光束に分割し、一方の光束を光学ヘッドに固設した参照ミラーの反射面で反射させ、他方の光束を移動又は変位する測定対象物に照射、反射させてそれぞれの光束を前記透過部材内で合波し、該合波光束より干渉光束を得る干渉計の固定方法において、前記干渉計のケース部材に同一材質のアタッチメントを設け、該アタッチメントにばね性を前記干渉計の変位測定方向とは直交する方向に持つ第1のばね性部材を付設すると共に、前記アタッチメントの前記干渉計の取付エリア外にばね性を前記干渉計の測定方向に持つ第2のばね性部材を付設し、これらの第1、第2のばね性部材に固定機構を設けて、前記ケース部材を前記アタッチメントを介して取付部材に固定することを特徴とする干渉計の固定方法。
- 前記固定機構は平面部とし、前記取付部材にねじ止めにより固定することを特徴とする請求項5又は6に記載の干渉計の固定方法。
- 前記固定機構はねじ止め用の孔周辺に広い面積の面を設け、該面が前記取付部材と接触することを特徴とする請求項5又は6又は7に記載の干渉計の固定方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009212647A (ja) * | 2008-03-03 | 2009-09-17 | Kyocera Corp | 電子機器 |
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- 2002-10-03 JP JP2002290765A patent/JP2004125638A/ja active Pending
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