JP3183783B2 - 列車運行管理システム - Google Patents

列車運行管理システム

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JP3183783B2 JP22949994A JP22949994A JP3183783B2 JP 3183783 B2 JP3183783 B2 JP 3183783B2 JP 22949994 A JP22949994 A JP 22949994A JP 22949994 A JP22949994 A JP 22949994A JP 3183783 B2 JP3183783 B2 JP 3183783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の駅が連なる鉄
道路線において、電子計算機を用いて列車運行を監視制
御する列車運行管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、例えば特開昭56−14275
4号公報に示された従来の典型的な中央集中型の列車運
行管理システムの全体構成を示す図である。図におい
て、1は列車のダイヤ情報と現運行情報とを入力して列
車の運行を制御管理する中央処理装置、2はCRTディ
スプレイを内蔵し操作入力と遅延情報や列車ダイヤ情報
を表示する操作盤、3は列車運行状況を表示する運行表
示盤、4は各駅からの信号情報等現運行情報を中央処理
装置1へ送出するとともに、中央処理装置1からの制御
管理指令を各駅へ出力するCTC(Centralized traffi
c control)中央装置、5は中央処理装置1とCTC中
央装置4との間で情報の授受を行う入出力インタフェー
ス装置、6a,6b……6nは各駅A,B〜Nにおい
て、中央処理装置1からの制御管理指令に基づき連動装
置7a,7b〜7nを介して各管轄内の信号機および転
てつ機等を制御して進路制御を行うCTC駅制御装置、
8はCTC中央装置4と各CTC駅制御装置6a,6b
〜6nとの間の情報伝送を行うCTC伝送路である。
【0003】次に動作について説明する。中央処理装置
1では列車ダイヤを管理し、各CTC駅制御装置6a〜
6nから入力した現運行情報を基に列車追跡(どの列車
がどこに存在するか、どう運転されるかを追跡するこ
と)を行い、列車進路を制御する。追跡結果は運行表示
盤3に出力し、列車位置はランプ表示、また列車番号は
数字表示される。列車運転が計画された列車ダイヤから
乱れた場合には、操作盤2よりダイヤ変更を入力し、中
央処理装置1でダイヤの情報を更新する処理を行う(運
転整理という)。
【0004】中央処理装置1からの制御管理指令、即ち
進路制御出力は、入出力インタフェース装置5、CTC
中央装置4、及びCTC伝送路8を経由して該当駅のC
TC駅制御装置6に送出され、各CTC駅制御装置6は
連動装置7を介して該当進路を制御する。進路制御の結
果、列車移動が生じるが、この列車移動は軌道回路継電
器(図示省略)の動作状態の変化から連動装置7a〜7
nにて検知され、他の信号情報(ポイントの転換方向、
進路開通状態その他)と共に、CTC駅制御装置6、C
TC伝送路8、及びCTC中央装置4を経由して中央に
転送され、更に入出力インタフェース装置5から中央処
理装置1と運行表示盤3とへ送出される。そして、中央
処理装置1はこれら新たな運行情報を含めて以後の列車
追跡を行い、運行表示盤3はその列車運行の表示を行
う。
【0005】以上のように、従来の集中型列車運行管理
システムにおいては、中央処理装置1に各情報を集約
し、その進路制御に基づく各列車の運行を制御する。と
ころで、路線内の駅の中には、各種列車の組成変更が行
われる大規模駅が存在し、これらの駅では列車の運転間
合いを利用した構内入換作業が行われる。即ち、本線の
運行に支障を及ぼさない範囲で必要な列車の番線入換を
行う訳である。しかるに、この構内入換に係る運行ダイ
ヤは、各駅特有の条件等に左右され、計画面、実行面で
複雑となることから、中央処理装置1の管理対象外と
し、もっぱら各駅構内操作員によるマニアル操作で行わ
れる。
【0006】次に、以上で説明した集中型列車運行管理
システムに対し、その駅制御装置の機能を拡大して一層
の自動化を追求したいわゆる分散型列車運行管理システ
ムにつき、説明する。図7は、例えば雑誌「鉄道と電気
技術」1992、6 Vol.3 No.6 P.19〜
23に記載されたこの種分散型列車運行管理システムの
全体構成を示す図である。図において、中央処理装置
1、操作盤2、運行表示盤3は先の図6の場合と同様の
ものである。9は前置処理装置(フロントエンドプロセ
ッサ)で、集中型の入出力インタフェース装置5に該当
するものである。10は伝送路11に接続される中央の
通信端局、10a,10bは伝送路11に接続されるそ
れぞれ駅Aおよび駅Bの通信端局である。なお、各駅の
装置構成は、駅Aのみを例示し、他は省略している。
【0007】12aは駅制御装置である駅PRC(Prog
rammed route control)装置、7aは連動装置、13a
は駅PRC装置12aに接続された構内の無線基地局、
14aは構内操作員が取り扱う携帯無線操作端末であ
る。15aは構内の入換ダイヤを入力するための操作端
末、16aは案内情報の処理を行うための案内端末で、
自動放送装置17aと発車掲示器18aとを制御する。
【0008】次に動作について説明する。列車ダイヤは
中央処理装置1で各駅毎のダイヤに編集され、日替わり
時、前置処理装置9、通信端局10、伝送路11、およ
び駅Aの通信端局10aを経由して駅PRC装置12a
に送られる。また、駅PRC装置12aでは、操作端末
15aから与えられた構内ダイヤと中央からの本線ダイ
ヤとの整合をとり、単一の駅ダイヤとして管理する。ダ
イヤ変更をする場合は、本線列車に関するものは操作盤
2から修正入力を行い、中央処理装置1で変更処理され
た後、上述の列車ダイヤと同じルートで変更情報が駅P
RC装置12aに送られ管理される。構内入換に関する
ものは操作端末15aから修正入力を行い、駅PRC装
置12aで変更処理され管理される。
【0009】駅PRC装置12aでは駅ダイヤに基づき
独自に列車追跡を行い進路制御を行う。追跡制御のため
に必要な情報は駅PRC装置12aが連動装置7aから
入力し、その制御出力は駅PRC装置12aから連動装
置7aに与えられる。また、駅PRC装置12aは、案
内端末16aを用いて、列車追跡結果に基づく放送制御
(17a)と発車掲示制御(18a)とを行う。
【0010】ここで、構内入換の進路制御について説明
する。入換作業を行う操作員(操車係)が携帯無線操作
端末14aより「作業開始」要求を与えると、無線基地
局13aを介して駅PRC装置12aがこの要求を受信
して本線列車の間合いの有無を確認する。間合いがとれ
れば「入換許可」を出力する。この「入換許可」信号が
出されると、携帯無線操作端末14aがこれを受けて自
己の表示部に「入換許可」を表示する。操作員はこの表
示を目視確認した上、入換進路制御の入力操作を行い、
入換に必要な標識進路制御を行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の列車運行管理シ
ステムは以上のように構成されており、集中型システム
では、その構内入換の進路制御はもっぱら構内操作員に
委ねられており、自動化省力化の要請に沿わない。この
点、分散型システムは駅PRC装置を導入することによ
り、入換制御についても一定の機械化を達成するもので
あるが、システム構成がハードウェア、ソフトウェアと
も分散化するため、その分コスト高となり、投資に見合
う輸送規模が限定され、例えば駅構造として複雑な駅が
多い割に輸送密度がさほど高くない幹線や、亜幹線路線
に適用するには投資効率面で限界があった。
【0012】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、既存の集中型システムをベース
に最小限の器材を付加することにより、比較的低コスト
で、入換制御の自動化を実現することができる列車運行
管理システムを得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る列車運行
管理システムは、対象駅における本線の列車間合いを中
央処理装置で監視し当該対象駅構内での列車入換可能期
間中、入換可能信号を出力する手段、および上記入換可
能信号の存在を条件に、駅制御装置に替わって連動装置
を介して当該対象駅構内の信号機等を制御することによ
り構内入換進路制御を行う構内進路制御装置を備えたも
のである。
【0014】また、請求項2に係る列車運行管理システ
ムは、請求項1において、入換可能信号出力手段からの
入換可能信号を入力し上記入換可能信号の存在中、対象
駅の連動装置により本線信号機を鎖錠する手段を備え、
構内進路制御装置は、この鎖錠動作を条件に、構内入換
進路制御を行うようにしたものである。
【0015】また、請求項3に係る列車運行管理システ
ムは、請求項1または2において、伝送手段を介して構
内進路制御装置と接続された操作端末を備え、上記操作
端末から入力された作業開始要求指令に基づき入換可能
信号出力手段を動作させるようにしたものである。
【0016】また、請求項4に係る列車運行管理システ
ムは、請求項3において、構内進路制御装置は、予め構
内ダイヤ情報を入力しておき、構内操作員が関与するこ
となく操作される入換信号機については上記構内ダイヤ
情報に基づき直接制御し、上記構内操作員の判断のもと
に操作される入換標識については操作端末から入力され
る操作指令に基づき制御するようにしたものである。
【0017】また、請求項5に係る列車運行管理システ
ムは、請求項1ないし4のいずれかにおいて、路線を構
成する複数の駅の内、構内入換が実施される所定の駅に
のみ構内進路制御装置を備えたものである。
【0018】また、請求項6に係る列車運行管理システ
ムは、対象駅における本線の列車間合いを監視させるた
めの指令信号を出力し、上記対象駅で列車入換が許可さ
れたときに入換許可表示を行うとともに列車の入換作業
の設定を出力する携帯操作端末、この携帯操作端末から
出力された指令信号により上記対象駅における本線の列
車間合いを上記中央処理装置で監視し上記対象駅構内で
の列車入換可能期間中、入換可能信号を出力する手段、
上記入換可能信号の存在中、上記対象駅の連動装置によ
り本線信号機を鎖錠する手段、上記鎖錠動作を条件に列
車の入換許可判断を行い、入換許可のとき上記携帯操作
端末に入換許可表示をさせる信号を出力する手段、およ
び上記携帯操作端末からの入換作業設定出力に基づき、
上記駅制御装置に替わって上記連動装置を介して当該対
象駅構内の信号機等を制御することにより構内入換進路
制御を行う構内進路制御装置を備えたものである。
【0019】
【作用】請求項1に係る列車運行管理システムの中央処
理装置は、本線列車の運行を制御するとともに、対象駅
における本線の列車間合いを監視し、列車入換可能にな
ると入換可能信号を出力する。この信号を受けた構内進
路制御装置は、駅制御装置に替わって対象駅構内の信号
機等を制御する。
【0020】また、請求項2に係る列車運行管理システ
ムでは、入換可能信号の存在中、連動装置が本線信号機
を鎖錠するので、構内進路制御装置による入換制御中に
本線信号機の表示が変更される恐れがない。
【0021】また、請求項3に係る列車運行管理システ
ムの中央処理装置は、操作端末から入換の作業開始要求
指令が出された後、間合い監視を行うので、この監視処
理責務が軽減される。
【0022】また、請求項4に係る列車運行管理システ
ムの構内進路制御装置は、入換信号機については構内ダ
イヤ情報に基づき直接制御し、入換標識については操作
端末からの操作指令に基づき制御するので、入換制御に
ついても最大限の自動化が実現する。
【0023】また、請求項5に係る列車運行管理システ
ムでは、構内入換が実施される所定の駅にのみ構内進路
制御装置を備え、他の駅は駅制御装置のみとするので、
路線全体として構成に無駄がなく合理的で経済的な列車
運行管理システムが実現する。
【0024】また、請求項6に係る列車運行管理システ
ムでは、携帯操作端末から指令が出力されたときのみ間
合い監視を行い、必要な鎖錠動作を行うので、不要動作
がなくなり信頼性が向上する。
【0025】
【実施例】実施例1. 図1はこの発明の実施例1による列車運行管理システム
の全体構成を示す図である。図において、中央処理装置
1、操作盤2、運行表示盤3、CTC中央装置4、入出
力インタフェース装置5、CTC駅制御装置6、連動装
置7、CTC伝送路8は従来図6で示したものと同等の
ものである。即ち、この発明は従来からのいわゆる集中
型列車運行管理システムをベースにしており、これに以
下に示す器材を新たに追加したものである。以下、この
追加内容の構成について説明する。なお、図1において
も駅については駅Aのみを例示し、他の駅については図
示を省略している。
【0026】図において、20は通信回線19を介して
中央処理装置1と接続された構内進路制御装置、21は
構内ダイヤ情報を入力するための操作端末、22は構内
進路制御装置20に接続された構内の無線基地局、23
は構内操作員が取り扱う携帯無線操作端末である。
【0027】次に、この発明の実施例1による列車運行
管理システムの動作説明に先立って、構内入換の内容を
図2の配線図を例にとり詳細に説明する。仮に、この構
内入換が実施される駅をA駅とすると、A駅の列車並び
に車両の移動を決める点、即ち発点と着点とになり得る
地点を(A)〜(M)で示す。但し、図2中では、便宜
上、例えば(A)は○の中にAを記す形態で表示してい
る。
【0028】例えば、下り本線列車は(A)→(C)→
(I)と移動する。同様に、上り本線列車は(J)→
(D)→(M)と移動する。こうした列車並びに車両の
移動、進路を制御するのが信号機である。そして、信号
機には、本線の列車の移動を制御する主信号(場内、出
発)機と構内の入換車両の移動を制御する入換信号機お
よび入換標識がある。図2では、a,bが下り本線の場
内信号機、j,k,l,mが上り本線の場内信号機であ
る。
【0029】aが進行現示されることにより(A)→
(B)、同様に、bにより(A)→(C)、jにより
(J)→(D)、kにより(J)→(E)、lにより
(J)→(F)、mにより(J)→(G)の列車移動が
可能になる。また、c、d、e、f、g、h、n、o、
p、qはそれぞれ出発信号機であり、cが進行現示され
ることにより(B)→(M)、同様に、dにより(B)
→(I)、eにより(C)→(I)、fにより(E)→
(I)、gにより(F)→(I)、hにより(G)→
(I)、nにより(D)→(M)、oにより(E)→
(M)、pにより(F)→(M)、qにより(G)→
(M)の列車移動が可能になる。
【0030】更に、入換信号機と入換標識とは駅構内の
車両移動に関連するものである。入換信号機は、到着し
た列車をホームから別のホームに転線する場合に使用さ
れる信号機で、構内操作員が関与することなく操作さ
れ、信号機が防護している内側には2本以上の異なる車
両の進入を許さない。一方、入換標識は客車や貨車の組
成を行う場合に用いられ、この標識の内側に2本以上の
異なる車両を進入させ得るが、その場合には必ず操作員
の誘導の下で車両移動を行っている。
【0031】図2では、入換信号機と入換標識とを同じ
記号で表現しており、aaの現示により(B)→
(H)、同様に、abにより(B)→(K)、baによ
り(H)→(B)、bbにより(H)→(E)、bcに
より(H)→(F)、bdにより(H)→(G)、ca
により(K)→(B)、cbにより(K)→(E)、c
cにより(K)→(F)、cdにより(K)→(G)の
車両移動が可能になる。
【0032】次に列車ダイヤにつき図3に基づいて説明
する。図において、100は本線の列車ダイヤで、
(B)(C)等は図2で説明したA駅の各地点、1〜9
はそれぞれ列車番号である。列車番号の内、奇数は下り
列車、偶数は上り列車である。そして、列車1、2、
4、5、8は対象としているA駅に停車し、そのまま同
方向に出発していく。列車3と7とはA駅終着列車であ
り、列車6と9とはA駅始発列車である。
【0033】図3で101は、本線の列車ダイヤ100
に対応する構内入換ダイヤである。(H)、(B)、…
…(K)は、図に対応する構内の番線である。列車1、
5は番線(C)に、列車2、4、8は番線(D)にそれ
ぞれ停車し、そのまま出て行くことが表現されている。
【0034】ここで、列車3と6との関係は次の通りで
ある。即ち、列車3は下り本線(A)の方向から来て着
発番線(B)に入った後、入換番線(H)に移動し(こ
れを列車3′とする)、入換番線(H)にて運転方向を
反転し(列車6′となる)着発番線(E)迄移動し、更
に、この番線(E)で始発となってその後、上り(M)
方に列車6として出発していくことを示している。同様
に、列車7と9との関係は次の通りである。即ち、両列
車はいずれも貨物もしくは客車等の機関車牽引列車を想
定しており、列車7は下り本線(A)の方向から来て信
号機sの制御を受け着発番線(F)に入る。番線(F)
で機関車のみ切り離し(列車7′となる)入換番線
(K)迄移動し、その後、着発番線(G)迄行って(列
車7″となる)番線(G)に留め置いていた車両を連結
し、再度番線(K)を経て番線(F)に移動し(列車
9″→9′)、ここで増結を行う。その後、列車9とし
て下り本線を(I)の方向に出発していくことを示して
いる。
【0035】ここで、中央の指令員の役割を考えてみる
と、中央の指令員から見れば本線の列車運行の監視を行
っているのであり、個々の駅での入換作業がどの様に行
われているかは監視対象外事項である。図2、図3で例
示したA駅の場合で考えると、列車7から9に至る入換
作業は、本線の列車進路を何ら支障しないので中央から
監視する必要性は全くないと言える。ところが、列車3
から6に至る入換作業では、入換番線(H)から着発番
線(E)に移動する際に本線を横切っていくため、場合
によっては本線の列車の運行を支障することになる。
【0036】この発明は、図1にその全体構成を示すよ
うに、本線ダイヤに対応して中央処理装置1を置き、構
内入換ダイヤに対応して構内進路制御装置20を設け、
中央処理装置1で本線に関する場内・出発信号機を制御
し、構内進路制御装置20で入換信号機または入換標識
を制御するようにした。そして、信号機等を直接制御駆
動する連動装置7に対し、CTC駅制御装置6を介して
中央処理装置1から与えられる指示系統と構内進路制御
装置20から与えられる指示系統との協調をとることに
より、本線列車の運行を支障することなく円滑な構内入
換を実現するものである。以下、この協調して連動装置
7を制御する方式について、図4に基づき詳細に説明す
る。
【0037】図4は、中央処理装置1、構内進路制御装
置20および携帯無線操作端末23における処理フロー
の内、特にこの発明の構内入換制御に関する部分を示し
たもので、これらの処理フローに応じて連動装置7が制
御され最終的に各信号機が制御駆動される訳である。先
ず、中央処理装置1では列車追跡処理の一環として本線
列車間合いの監視を行っている(ブロック201)。即
ち、判断する各時点の列車位置と列車ダイヤとから、本
線の主信号機を制御しない間合いを検出し、また制御時
期の到来を監視するものである。制御間合いがとれると
いうことは、本線を支障する入換進路を構成することが
可能であるということを意味する。
【0038】図2では、(B)←→(K)、(E)、
(F)、(G)←→(H)が本線支障進路であり、制御
間合いの監視は、着発番線(B)または(C)からしば
らくの間、本線(I)方向へ出ていく列車がないこと、
また、本線(J)方向から着発番線(B)または(D)
〜(G)方向に入ってくる列車がない時期を検出する。
【0039】以上の条件を満足する時期が検出される
と、中央処理装置1は連動装置7に対して入換可能信号
αを出力する(ブロック202)。連動装置7では入
換可能信号αを受けて、関連する本線信号機がその時
点以降制御されないようにロック(鎖錠)をかける。な
お、同じブロック202において、本線を支障する入換
進路が構成されていないことと主信号機の制御時期にな
ったこととを検知すると、連動装置7に対して入換可能
リセット信号αを出力することにより、上記ロックが
解除される。中央処理装置1では、以上の監視と出力処
理を一定周期毎に繰り返している。
【0040】次に、構内進路制御装置20での処理動作
について説明する。日替わりに伴うダイヤ切替時、本線
列車の対象駅のダイヤ情報(走行順序、着・発時刻、使
用番線他)が、中央処理装置1から通信回線19を介し
て構内進路制御装置20に送られており、これを受け
て、構内進路制御装置20ではその操作端末21より駅
員が入力した構内ダイヤ情報と整合性をとり駅ダイヤを
作成している。
【0041】構内進路制御装置20が行う構内入換制御
には、既述した通り、入換信号機による方法と入換標識
による方法とがあるが、ここでは、先ず、工程がより複
雑となる入換標識の場合について説明する。操車の係員
(構内操作員)は、入換作業に際し携帯無線操作端末2
3を持たされており、先ず、その端末23により「作業
開始要求」を入力する(ブロック300)。携帯無線操
作端末23には、作業に先立って構内進路制御装置20
より駅ダイヤの対象入換作業に関する部分がダウンロー
ドされており、上記「作業開始要求」指令により、携帯
無線操作端末23のディスプレイに第1の作業手順が表
示される。
【0042】構内進路制御装置20では、「作業開始要
求」指令を受けて入換許可判断を行う(ブロック30
1)。この入換許可条件は、連動装置7が中央処理装置
1から入換可能信号αを受け取り、関連する本線信号
機のロックを行った結果の状態信号βを構内進路制御装
置20で受信し、かつ駅ダイヤで当該入換作業のための
移動時間に達したとき成立する。この入換許可条件が成
立すると、構内進路制御装置20は通信回線19を介し
て中央処理装置1に「入換作業中」のステータス表示信
号を送り、その運行表示盤3に表示させるとともに、携
帯無線操作端末23に「入換許可」が下りたことをその
ディスプレイに表示させる(ブロック302)。
【0043】この「入換許可」の表示を見て操車係員
が、既に表示されている第1の作業手順に対し「設定」
入力を与える(ブロック303)。構内進路制御装置2
0はこの「設定」入力を受けて要求進路の設定出力を行
い(ブロック304)、進路設定出力信号γが連動装置
7に与えられ対象の入換標識が制御される。入換標識の
進路が構成されたことを同標識のランプ表示で確認した
操車係員は、実際に車両を所定の着点迄移動させる(ブ
ロック305)。
【0044】車両の移動が完了すると、操車係員は携帯
無線操作端末23に「次作業」入力を与える(ブロック
306)。この結果、携帯無線操作端末23のディスプ
レイには次の第2の作業手順が表示され、これを受けた
構内進路制御装置20は、一旦要求された進路構成をリ
セットする信号δを連動装置7に出力し(ブロック30
7)、再びブロック301以降の動作を繰り返す。全作
業が終了すると、これを検知した構内進路制御装置20
は、再び通信回線19を用いて中央処理装置1に報知
し、その運行表示盤3の「入換作業中」のランプ表示滅
灯を行わせる。
【0045】以上、本線を支障する場合の例について説
明したが、図3で示した列車7から9に至る入換作業の
ように、本線を全く支障しない入換作業については、駅
ダイヤによる時間条件のみで入換許可が与えられ、中央
処理装置1にも報知されない。また、入換信号機の場合
は、携帯無線操作端末23との情報授受を行うことな
く、構内進路制御装置20が駅ダイヤに基づきブロック
301、304、307のフローを自主的に論理判断し
て処理される。
【0046】以上のように、この発明の実施例1では、
従来からの集中型列車運行管理システムをベースとし、
これに以上で説明した構内進路制御装置20および中央
処理装置1との伝送を行う通信回線19を設けることに
より、比較的簡単な構成で構内入換制御の自動化省力化
が促進される。特に、この構内進路制御装置20を対象
路線の駅の内、比較的規模が大きく構内入換が実施され
る駅のみに設置し、他の駅については従来からのCTC
駅制御装置6として全体を構成することで、上記利点が
一層有効に生かされ、低価格で有用性の高い列車運行管
理システムが実現する。
【0047】実施例2. 実施例1では、中央処理装置1が常時、本線進路の制御
間合いを監視するようにしたが、この実施例2では、携
帯無線操作端末23から「作業開始要求」が指令された
ときに、間合いの監視を行うようにしたものである。こ
れに関連して入換許可判断(ブロック301)を中央処
理装置1で行っている。この場合の処理フローを図5に
基づき説明する。
【0048】携帯無線操作端末23から入力された「作
業開始要求」指令(ブロック300)が構内進路制御装
置20から通信回線19を経て中央処理装置1に与えら
れると、この指令入力を条件として中央処理装置1が本
線進路制御間合い監視を行う(ブロック201)。間合
いがとれると、入換可能信号αが出力され、またその
終了を示す入換可能リセット信号αが出力される(ブ
ロック202)点は実施例1と同様である。
【0049】連動装置7が入換可能信号αを受け取
り、関連する本線信号機のロックを行った結果の状態信
号βを、構内進路制御装置20そして通信回線19経由
で受信して入換許可判断がなされると(ブロック30
1)、その出力が再び通信回線19経由で構内進路制御
装置20に与えられ、更に携帯無線操作端末23のディ
スプレイに入換許可の表示がなされる(ブロック30
2)。以下の動作は、実施例1の図4の場合と同様であ
るので説明を省略する。
【0050】以上のように、先の実施例1では、中央処
理装置1が常時、一方的に本線進路制御の間合い監視を
行い、監視結果に基づき連動装置7にロックを掛けるこ
とになり、不要な動作が多くなってこれら不要動作中に
おける不具合発生の可能性も無視出来ない。反面、実施
例2においては、必要な作業時のみ間合い監視を行い連
動装置7をロックする方式としたので、不要動作がなく
なり信頼性が向上する。但し、入換許可判断のレスポン
スについては、実施例2の方が遅くなる。即ち、実施例
1では、作業時に、構内進路制御装置20が連動装置7
からの状態信号βを受けて直ちに許可判断を行うことに
なるが、実施例2においては、連動装置7からの状態信
号βを構内進路制御装置20、通信回線19経由で受け
た中央処理装置1が許可判断を行い、更に、この結果を
通信回線19経由で構内進路制御装置20に与える形と
なり、その分レスポンスが遅くなる訳である。
【0051】実施例3. なお、上記実施例では、間合い監視により入換可能を検
出した後、連動装置の所定部分をロックするようにした
が、構内線路構成やその規模、更には他の保安手段との
関係等によっては、必ずしもこのロック方式を採用しな
くてもよい。また、上記実施例では、携帯無線操作端末
を設けて構内の入換標識も制御対象としたが、構内が入
換信号機のみで構成される駅では携帯無線操作端末を省
略する構成としてもよいことは勿論である。
【0052】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る列車運行
管理システムは、対象駅における本線の列車間合いを中
央処理装置で監視し当該対象駅構内での列車入換可能期
間中、入換可能信号を出力する手段、および上記入換可
能信号の存在を条件に、駅制御装置に替わって連動装置
を介して当該対象駅構内の信号機等を制御することによ
り構内入換進路制御を行う構内進路制御装置を備えたの
で、中央処理装置による本線進路制御と構内進路制御装
置による構内入換進路制御との役割分担が支障なく実現
し、無駄のない低コストのシステムで自動化、省力化が
促進される。
【0053】また、請求項2に係る列車運行管理システ
ムは、入換可能信号出力手段からの入換可能信号を入力
し上記入換可能信号の存在中、対象駅の連動装置により
本線信号機を鎖錠する手段を備え、構内進路制御装置
は、この鎖錠動作を条件に、構内入換進路制御を行うよ
うにしたので、本線進路制御と構内入換進路制御との干
渉の可能性が確実に防止される。
【0054】また、請求項3に係る列車運行管理システ
ムは、伝送手段を介して構内進路制御装置と接続された
操作端末を備え、上記操作端末から入力された作業開始
要求指令に基づき入換可能信号出力手段を動作させるよ
うにしたので、間合い監視やそれに続く鎖錠の動作責務
が軽減し、システムの信頼性が向上する。
【0055】また、請求項4に係る列車運行管理システ
ムの構内進路制御装置は、予め構内ダイヤ情報を入力し
ておき、構内操作員が関与することなく操作される入換
信号機については上記構内ダイヤ情報に基づき直接制御
し、上記構内操作員の判断のもとに操作される入換標識
については操作端末から入力される操作指令に基づき制
御するようにしたので、構内の信号手段の種別にかかわ
らず入換作業の自動化、省力化が促進される。
【0056】また、請求項5に係る列車運行管理システ
ムは、路線を構成する複数の駅の内、構内入換が実施さ
れる所定の駅にのみ構内進路制御装置を備えたので、路
線全体として構成に無駄がなく、合理的で経済的な列車
運行管理システムが実現する。
【0057】また、請求項6に係る列車運行管理システ
ムは、対象駅における本線の列車間合いを監視させるた
めの指令信号を出力し、上記対象駅で列車入換が許可さ
れたときに入換許可表示を行うとともに列車の入換作業
の設定を出力する携帯操作端末、この携帯操作端末から
出力された指令信号により上記対象駅における本線の列
車間合いを上記中央処理装置で監視し上記対象駅構内で
の列車入換可能期間中、入換可能信号を出力する手段、
上記入換可能信号の存在中、上記対象駅の連動装置によ
り本線信号機を鎖錠する手段、上記鎖錠動作を条件に列
車の入換許可判断を行い、入換許可のとき上記携帯操作
端末に入換許可表示をさせる信号を出力する手段、およ
び上記携帯操作端末からの入換作業設定出力に基づき、
上記駅制御装置に替わって上記連動装置を介して当該対
象駅構内の信号機等を制御することにより構内入換進路
制御を行う構内進路制御装置を備えたので、携帯操作端
末から指令が出力されたときのみ間合い監視を行い、必
要な鎖錠動作を行うので、不要動作がなくなり信頼性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による列車運行管理シス
テムの全体構成を示す図である。
【図2】 構内配線の一例を示す図である。
【図3】 本線ダイヤと構内入換ダイヤとの一例を示す
図である。
【図4】 この発明の実施例1による列車運行管理シス
テムにおける構内入換進路制御の処理フローを示す図で
ある。
【図5】 この発明の実施例2による列車運行管理シス
テムにおける構内入換進路制御の処理フローを示す図で
ある。
【図6】 従来の集中型列車運行管理システムの全体構
成を示す図である。
【図7】 従来の分散型列車運行管理システムの全体構
成を示す図である。
【符号の説明】
1 中央処理装置、6 CTC駅制御装置、7 連動装
置、8 CTC伝送路、19 通信回線、20 構内進
路制御装置、23 携帯無線操作端末、α 入換可能
信号、γ 要求進路設定出力信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−108055(JP,A) 特開 平5−131931(JP,A) 特開 昭59−202973(JP,A) 特開 昭48−58507(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61L 27/00 - 27/04 B61L 21/00 - 21/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 列車のダイヤ情報と現運行情報とを入力
    して列車の運行を制御管理する中央処理装置、各駅毎に
    設けられ連動装置から入手した管轄内の列車の現運行情
    報を上記中央処理装置へ送出するとともに上記中央処理
    装置からの制御管理指令に基づき上記連動装置を介して
    管轄内の信号機等を制御する駅制御装置、および上記中
    央処理装置と各駅制御装置との間の情報伝送を行う伝送
    路を備えた列車運行管理システムにおいて、 対象駅における本線の列車間合いを上記中央処理装置で
    監視し当該対象駅構内での列車入換可能期間中、入換可
    能信号を出力する手段、および上記入換可能信号の存在
    を条件に、上記駅制御装置に替わって上記連動装置を介
    して当該対象駅構内の信号機等を制御することにより構
    内入換進路制御を行う構内進路制御装置を備えたことを
    特徴とする列車運行管理システム。
  2. 【請求項2】 入換可能信号出力手段からの入換可能信
    号を入力し上記入換可能信号の存在中、対象駅の連動装
    置により本線信号機を鎖錠する手段を備え、構内進路制
    御装置は、この鎖錠動作を条件に、構内入換進路制御を
    行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の列車運
    行管理システム。
  3. 【請求項3】 伝送手段を介して構内進路制御装置と接
    続された操作端末を備え、上記操作端末から入力された
    作業開始要求指令に基づき入換可能信号出力手段を動作
    させるようにしたことを特徴とする請求項1または2記
    載の列車運行管理システム。
  4. 【請求項4】 構内進路制御装置は、予め構内ダイヤ情
    報を入力しておき、構内操作員が関与することなく操作
    される入換信号機については上記構内ダイヤ情報に基づ
    き直接制御し、上記構内操作員の判断のもとに操作され
    る入換標識については操作端末から入力される操作指令
    に基づき制御するようにしたことを特徴とする請求項3
    記載の列車運行管理システム。
  5. 【請求項5】 路線を構成する複数の駅の内、構内入換
    が実施される所定の駅にのみ構内進路制御装置を備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    列車運行管理システム。
  6. 【請求項6】 列車のダイヤ情報と現運行情報とを入力
    して列車の運行を制御管理する中央処理装置、各駅毎に
    設けられ連動装置から入手した管轄内の列車の現運行情
    報を上記中央処理装置へ送出するとともに上記中央処理
    装置からの制御管理指令に基づき上記連動装置を介して
    管轄内の信号機等を制御する駅制御装置、および上記中
    央処理装置と各駅制御装置との間の情報伝送を行う伝送
    路を備えた列車運行管理システムにおいて、 対象駅における本線の列車間合いを監視させるための指
    令信号を出力し、上記対象駅で列車入換が許可されたと
    きに入換許可表示を行うとともに列車の入換作業の設定
    を出力する携帯操作端末、この携帯操作端末から出力さ
    れた指令信号により上記対象駅における本線の列車間合
    いを上記中央処理装置で監視し上記対象駅構内での列車
    入換可能期間中、入換可能信号を出力する手段、上記入
    換可能信号の存在中、上記対象駅の連動装置により本線
    信号機を鎖錠する手段、上記鎖錠動作を条件に列車の入
    換許可判断を行い、入換許可のとき上記携帯操作端末に
    入換許可表示をさせる信号を出力する手段、および上記
    携帯操作端末からの入換作業設定出力に基づき、上記駅
    制御装置に替わって上記連動装置を介して当該対象駅構
    内の信号機等を制御することにより構内入換進路制御を
    行う構内進路制御装置を備えたことを特徴とする列車運
    行管理システム。
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