JP3183208B2 - 木造建物の基礎構造 - Google Patents

木造建物の基礎構造

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JP3183208B2 JP05283197A JP5283197A JP3183208B2 JP 3183208 B2 JP3183208 B2 JP 3183208B2 JP 05283197 A JP05283197 A JP 05283197A JP 5283197 A JP5283197 A JP 5283197A JP 3183208 B2 JP3183208 B2 JP 3183208B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎上に木製の土
台を載置して、該土台に穿設された挿通孔に軸形状のア
ンカー部材を通し、該アンカー部材により前記土台を基
礎に固定するようにした木造建物の基礎構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の木造建物の基礎構造としては、例
えば、特開昭61ー196022号公報に開示されたも
のがある。すなわち、基礎には一対の基礎アンカーボル
トが立設され、土台には土台アンカーボルトが下方へ延
ばされ、一対の基礎側アンカーボルトにアンカープレー
トが架設され、アンカープレートの中央部に穿設した挿
通孔に、土台アンカーボルトの頭部が挿通し、土台アン
カーボルトの首部に座板が装着され、アンカープレート
と座板との間の隙間にゴム座板が介在しているもので、
台風などにより土台が基礎から浮き上がろうとする力
を、基礎アンカーボルトが、土台アンカーボルトを引っ
張ることで浮き上がりを防止し、地震などによる水平方
向の力を、土台が基礎から水平方向へある程度ずれるこ
とで吸収し、地震が弱まるに応じて、ゴム座板の復元力
により、土台を基礎上の元の位置に戻し易いようにした
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の木造建物の基礎構造では、ゴム座板はその板
面に直交する方向には撓み易く、土台が基礎から浮き上
がろうとする力を吸収しようとする機能はなく、基礎ア
ンカーボルトと土台アンカーボルトとにかかる引っ張り
力に抗することで、土台の浮き上がりを防止しており、
例えば、引っ張り力で両方のアンカーボルトが一定長さ
以上延びた場合には、両方のアンカーボルトを交換する
必要があり、その交換作業が大がかりになる。また、前
記水平方向の力に対しては、ゴム座板がアンカープレー
トや座板に対して滑らないように構成していないので、
水平方向の力を積極的に吸収する機能は有しておらず、
むしろ、基礎に対して土台がずれることで吸収し、建物
の倒壊を防止しており、地震で土台が大きくずれた際に
は、ゴム座板の復元力だけでは元の位置に戻し難く、地
震後に何らかの手段を講じて、元の位置に戻す必要があ
り、すなわち、土台に浮き上がり力や、水平方向のずれ
力がかかった際には、場合により、その後に大がかりな
修復作業の必要性があるという問題点があった。
【0004】一方、本出願人は、先に特開平9−391
9号公報において、前述した技術の問題点に着目し、地
震などによる縦方向の力や横方向の力に対して弾性部材
や圧縮ばねが撓むことで、その力を十分に吸収すること
ができ、基礎構造自体を大幅に修復する必要性がなく、
仮に、弾性部材や圧縮ばねが損傷した場合でも、交換作
業が比較的簡易にでき、軽微な補修作業で済ませること
ができるようにした木造建物の基礎構造を提案してい
る。しかしながら、先の提案においては、圧縮ばねが土
台20から上方へ大きく突出して基礎の外部へ露出した
状態になり、露出した状態の圧縮ばねに基礎や建物施工
中や建物の長期使用中に異物が挟まったりすると、圧縮
ばね本来の機能を発揮しない場合が生じ、また、圧縮ば
ねが土台から大きく上方へ突出しているので、基礎や建
物の施工中に圧縮ばねが邪魔になり、施工作業性が良く
ないという問題がある。
【0005】本発明は、前記先に提案した発明を改良し
たものであり、基礎にアンカー支持管を埋設し、アンカ
ー支持管内に圧縮ばねを収容し、圧縮ばねが基礎の外部
に露出しないようにし、異物が圧縮ばねに挟まらないよ
うにして、圧縮ばね本来の機能を常時発揮できるように
し、また、圧縮ばねが土台の上方から大きく上方へ突出
しないようにして、圧縮ばねが邪魔にならないで、施工
作業性を向上することができるようにした木造建物の基
礎構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項に記載する
発明に存する。 [1]基礎(10)上に木製の土台(20)を載置し
て、該土台(20)に穿設された挿通孔(22)に軸形
状のアンカー部材(30)を通し、該アンカー部材(3
0)により前記土台(20)を基礎(10)に固定する
ようにした木造建物の基礎構造において、前記アンカー
部材(30)の下部(31)がその軸方向に移動可能に
収容されるアンカー支持管(70)と、前記アンカー支
持管(70)の管内に収容され、前記アンカー支持管
(70)の上端部と前記アンカー部材(30)の下端部
との間に挟装される圧縮ばね(50)と、弾性部材(4
0)とを有し、前記アンカー支持管(70)は、前記基
礎(10)に埋設されており、前記アンカー部材(3
0)は、前記アンカー支持管(70)を介して前記基礎
(10)に立設されており、前記アンカー部材(30)
の上端部は、前記基礎(10)上に載置された前記土台
(20)の挿通孔(22)に通され、かつ、前記圧縮ば
ね(50)を圧縮した状態にして前記土台(20)に止
着されており、前記圧縮ばね(50)は、その復元力に
より前記アンカー部材(30)を介して前記土台(2
0)を基礎(10)側へ弾撥的に押し付けて、地震など
の際の縦揺れを吸収可能なものであり、前記弾性部材
(40)は、前記土台(20)の挿通孔(22)の孔壁
(23)と、当該挿通孔(22)に通した前記アンカー
部材(30)との間の隙間に介在して、地震などの際の
横揺れを吸収可能なものであることを特徴とする木造建
物の基礎構造。
【0007】[2]前記基礎(10)と前記土台(2
0)との間に隙間を形成し、前記アンカー支持管(7
0)の上端部を前記隙間に延設し、前記アンカー支持管
(70)の上端部および前記アンカー部材(30)に、
前記隙間を通って前記アンカー支持管(70)および前
記アンカー部材(30)に係脱し、前記アンカー支持管
(70)および前記アンカー部材(30)を相対移動不
能に拘束するためのロック部材(90)用の被係合部
(39,79)をそれぞれ形成したことを特徴とする
[1]に記載の木造建物の基礎構造。
【0008】[3]前記アンカー支持管(70)は、管
本体(71)と、前記アンカー支持管(70)の上端部
を成していて、前記土台(20)の挿通孔(22)に通
した工具により前記管本体(71)に着脱可能に支持さ
れるキャップ部材(73)とから成り、前記キャップ部
材(73)は、前記管本体(71)から外れた状態で
は、前記アンカー部材(30)および前記圧縮ばね(5
0)を前記アンカー支持管(70)の管内および前記土
台(20)の挿通孔(22)から抜き差し可能にするも
のであることを特徴とする[1]または[2]に記載の
木造建物の基礎構造。
【0009】[4]前記アンカー部材(30)の上端部
にねじ部(36)を形成し、前記圧縮ばね(50)の復
元力を調節して、前記土台(20)を前記基礎(10)
側へ押し付ける力を調整可能なアジャストナット(6
0)を前記ねじ部(36)に螺合したことを特徴とする
[1]に記載の木造建物の基礎構造。
【0010】次に、前記各項に記載された発明の作用に
ついて説明する。 [1]項記載の木造建物の基礎(10)構造では、アン
カー部材(30)の下部(31)が基礎(10)内にあ
って、その基礎(10)内にあるアンカー部材(30)
の下部(31)に圧縮ばね(50)が巻装されているの
で、圧縮ばね(50)が基礎(10)の外部に露出しな
いで、異物が圧縮ばね(50)に挟まることがなく、圧
縮ばね(50)が本来の機能を常時発揮することができ
る。
【0011】また、圧縮ばね(50)が土台(20)か
ら上方へ大きく突出することがなく、基礎(10)や建
物の施工作業中に圧縮ばね(50)が邪魔になることが
なく、施工作業性が良い。また、土台(20)を止める
アンカー部材(30)の上端部が土台(20)から上方
へ突出する場合があるが、わずかであり、施工作業にお
いて邪魔にならず、例えば、土台(20)に凹部を形成
し、その凹部内にアンカー部材(30)の上端部が位置
するようにすれば、圧縮ばね(50)ばかりでなく、ア
ンカー部材(30)の上端部も土台(20)から上方へ
全く突出しなくなり、施工作業性がさらに向上する。
【0012】地震などの際に横揺れが生じると、基礎
(10)と土台(20)とを相対的に横方向へずらそう
とする力が発生するが、挿通孔(22)の孔壁(23)
と、アンカー部材(30)との間の隙間に嵌め込むよう
にした弾性部材(40)が、ずらそうとする力を吸収し
て、建物には大きな力がかからないで、建物の倒壊など
を防止することができ、また、地震後には、弾性部材
(40)の復元力により基礎(10)に対して土台(2
0)が元の位置に戻るようになる。また、地震などの際
の縦揺れに対しては、アンカー部材(30)の下端部に
巻装された圧縮ばね(50)が、基礎(10)と土台
(20)とを縦方向に引き離そうとする力を吸収して、
建物には大きな力がかからないで、同じく、建物の倒壊
などを防止することができ、また、地震後には、圧縮ば
ね(50)の復元力により、土台(20)を基礎(1
0)側に押し付けて元の状態に固定するようになる。
【0013】アンカー支持管(70)にアンカー部材
(30)の下部(31)を支持し、かつ、アンカー支持
管(70)内に圧縮ばね(50)を収容して仮り組にし
て、一体的に取り扱い可能にしておき、基礎(10)を
施工する際、例えば、コンクリートを基礎(10)枠に
流し込む際にその仮り組のアンカー支持管(70)を基
礎(10)に埋め込むようにすれば、基礎(10)の施
工作業性を高めることができる。
【0014】
【0015】前記基礎(10)と前記土台(20)との
間に形成された隙間に介在する土台(20)の縦揺れ吸
収用の弾性体は、地震などの際に縦揺れが生じて、基礎
(10)と土台(20)とを縦方向に引き離そうとする
力が発生し、圧縮ばね(50)が、前記引き離そうとす
る力を吸収して撓み、圧縮ばね(50)が復元して、土
台(20)を基礎(10)に引き寄せ、土台(20)が
基礎(10)に当たるときの衝撃力を吸収する機能を主
に果たす。また、基礎(10)にアンカー支持管(7
0)を埋設した状態のままで、土台(20)の挿通孔
(22)に通した工具により、管本体(71)にキャッ
プ部材(73)を着脱して、アンカー部材(30)およ
び圧縮ばね(50)をアンカー支持管(70)の管内お
よび土台(20)の挿通孔(22)から抜き差しするこ
とができ、部品の交換作業を比較的簡単に行うことがで
きる。
【0016】前記アンカー支持管(70)の上端部およ
び前記アンカー部材(30)に、前記隙間を通って前記
アンカー支持管(70)および前記アンカー部材(3
0)に係脱し、前記アンカー支持管(70)および前記
アンカー部材(30)を相対移動不能に拘束するための
ロック部材(80)は、例えば、基礎(10)に土台
(20)を載せた当初は、アンカー支持管(70)およ
び前記アンカー部材(30)を相対移動不能に拘束し、
圧縮ばね(50)の機能を敢えて発揮させないようにし
て、基礎(10)に対する土台(20)の位置関係を正
しく割り出せるようにし、その土台(20)の位置が正
しく割り出された後には、アンカー支持管(70)およ
び前記アンカー部材(30)の各被係合部(39,7
9)から外して、両者を相対移動可能にするとともに、
圧縮ばね(50)の本来の機能を発揮させるようにする
ものである。
【0017】アジャストナット(60)により、圧縮ば
ね(50)の復元力を調節することができ、例えば、建
物の大きさなどに応じて、土台(20)の基礎(10)
側への押し付け力を、簡単な操作により調整することが
できる。また、アンカー部材(30)の上端部およびそ
の上端部に形成されたねじ部(36)に螺合するアジャ
ストナット(60)は、土台(20)から上方へ突出し
ないように、例えば、土台(20)に凹部を形成し、凹
部内にアンカー部材(30)およびアジャストナット
(60)を収容すれば、土台(20)から上方へアジャ
ストナット(60)などが突出した状態にならないで、
基礎(10)の施工作業性がさらに向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施の形態を説明する。各図は本発明の一実施の形態を示
している。図1に示すように、本発明に係る実施例は、
木造家屋などを基礎10に据え付ける際の木造建物の基
礎構造に関する。基礎10は、溝枠にコンクリートを流
し込んで、縦長の矩形状断面形に固めて成る。溝枠内に
はアンカー支持管70が差し込まれ、固められた基礎2
0内に埋設される。アンカー支持管70内にアンカー部
材であるアンカーボルト30の下部31が差し込まれて
いる。アンカー支持管70は、管本体71と、管本体7
1の上端部に結合可能なキャップ部材73とから成る。
管本体71の上端部には雌ねじ部72が形成され、雌ね
じ部72の外周フランジには雄ねじ部74が形成され、
雌ねじ部72に雄ねじ部74が螺合している。キャップ
部材73の中央部には、小円断面形のフランジ部75が
形成されている。フランジ部75の中心空間がアンカー
ボルト用の挿通孔76に成っている。
【0019】アンカー支持管70のキャップ部材73の
フランジ部75には、貫通孔である被係合部79が管軸
に対して直交する方向から穿設されている。また、被係
合部79に対応して、アンカーボルト30の中間部には
同じく貫通孔である被係合部39が軸方向に対して直交
する方向から穿設されている。被係合部39,79に
は、アンカーボルト30およびアンカー支持管70を相
対移動不能に拘束するためのロック部材90が貫通可能
に構成されている。ロック部材90は、一般的に基礎施
工時においては被係合部39,79に貫通状態にあり、
基礎10に土台20を据え付け後に外されるものであ
る。
【0020】アンカーボルト30の下端部には、抜け止
め部材37が結合している。アンカー支持管70の管内
には、コイル形状の圧縮ばね50が収容され、圧縮ばね
50がアンカーボルト30に巻装されている。圧縮ばね
50は、キャップ部材73により上方へ抜け不能に成っ
ている一方、アンカーボルト30の抜け止め部37によ
り下方へ脱落不能になっている。アンカーボルト30の
上部32は、基礎20から上方へ延びている。この状態
で基礎自体は完成する。
【0021】上方へ延びたアンカーボルト30の上部3
2には、ゴムあるいはウレタン製の円筒状の弾性部材4
0が嵌挿される。このとき、アンカーボルト30には、
圧縮ばね50やアジャストナット60は装着されていな
い。木造家屋の土台20は、木製で略正方形断面に形成
され、アンカーボルト30に対応して、アンカーボルト
用の挿通孔22が穿設されている。基礎10に土台20
を載置する際には、アンカーボルト30の上部32がア
ンカーボルト用の挿通孔22に相対的に挿通するように
する。このとき、弾性部材40が、アンカーボルト用の
挿通孔22の孔壁23と、アンカーボルト30との間の
隙間に固く嵌め込まれるようになる。また、このとき、
アンカーボルト30の上端部34が、土台20の上面部
21から上方に突出するようになる。
【0022】上面部21から上方に突出したアンカーボ
ルト30の上端部34には、座板35が嵌挿される。ア
ンカーボルト30の上端部34にはねじ部36が形成さ
れており、ねじ部36にアジャストナット60が螺設さ
れ、アジャストナット60を締め込むことで、抜け止め
部37がせり上がり、抜け止め部37とキャップ部材7
3との間が狭まり、両者の間に既に挟装されている圧縮
ばね50が撓み、その復元力により土台20の下面部2
4が基礎10側に押し付けられて固定される。また、ア
ジャストナット60により、圧縮ばね50の復元力を調
節して、土台20を前記基礎10側に押し付ける力を調
整することが可能になる。
【0023】また、アンカー部材30の上端部34に
は、ピン部材38がその軸方向に対して直交する方向か
ら挿着され、ピン部材38が圧縮ばね50の復元力によ
りアジャストナット60に弾撥的に当接することで、ア
ジャストナット60の弛みを防止している。基礎10と
土台20との間の隙間には、振動ゴム体である縦揺れ吸
収用の弾性体80が介在している。前記隙間は、土台2
0の下面部24を上方へ凹入して形成されるが、土台2
0または基礎10の少なくとも一方側を凹入して形成す
ればよい。また、あえて、凹入して隙間を形成しない
で、基礎10に弾性体80を介して土台20を載置して
もよい。
【0024】次に作用を説明する。基礎10に土台20
が据え付けられた後においては、アンカー部材30の下
部31は基礎に埋設されたアンカー支持管70の管内に
あって、そのアンカー支持管70の管内にあるアンカー
部材30の下部31に圧縮ばね50が巻装されているの
で、圧縮ばね50が基礎10の外部に露出することがな
くなる。それにより、異物が圧縮ばね50に挟まる事態
を避けることができ、圧縮ばね50が本来の機能を常時
発揮することができる。
【0025】なお、本実施の形態では、アンカー支持管
70のキャップ部材73の挿通孔76が上方に開口して
いるが、挿通孔76にはアンカーボルト30が緊密に嵌
合していて、挿通孔76とアンカーボルト30との隙間
から大きなゴミや埃が進入し難く、また、アンカー支持
管70の管内空間は、水抜き孔18を通って基礎10の
外部に連通しているが、水抜き孔18は、その孔径が小
さく、かつ、アンカー支持管70の管内空間の下方位置
に開設されているので、ゴミや埃が舞い上がらない限り
は圧縮ばね50に付着しないので、同じく、大きなゴミ
や埃が進入し難く、この点からも、圧縮ばね50に異物
が挟まる事態を避けることができる。
【0026】基礎10に土台20を据え付ける施工作業
において、圧縮ばね50が土台20から上方へ大きく突
出することがなく、基礎10や建物の施工作業中に圧縮
ばね50が邪魔になることがなく、施工作業性が良い。
また、土台20を止めるアンカーボルト30の上端部3
4が土台20から上方へ突出する場合があるが、座板お
よびアジャストナット60の各高さ分を確保すれば足り
るので、アンカーボルト30の上端部34の突出量は、
わずかであり、施工作業において邪魔にならない。
【0027】アンカーボルト30の上端部34のわずか
な量の突出を無くすには、例えば、土台20に凹部を形
成し、その凹部内にアンカーボルト30の上端部34が
位置するようにすれば、アンカーボルト30の上端部3
4も土台20から上方へ全く突出しなくなり、施工作業
性がさらに向上する。アンカーボルト30、圧縮ばね5
0およびアンカー支持管70を基礎10に支持するに
は、例えば、次のように行う。
【0028】すなわち、アンカー支持管70のキャップ
部材73を開けておき、アンカーボルト30とアンカー
ボルト30に巻着された圧縮ばね50とをアンカー支持
管70の管内に挿入し、キャップ部材73の挿通孔76
をアンカーボルト30に外嵌し、かつ、キャップ部材7
3の雄ねじ部74を管本体71の雌ねじ部72に螺合す
る。それにより、アンカー支持管70にアンカーボルト
30の下部31を支持され、かつ、アンカー支持管70
内に圧縮ばね50が収容されて仮り組状態になり、一体
的に取り扱うことができる。また、このとき、ロック部
材90をアンカーボルト30の被係合部39およびキャ
ップ部材73の被係合部79に貫通し、アンカーボルト
30とアンカー支持管70とを相対的移動不能に拘束す
る。およびアンカー支持管70がロック部材90により
拘束された状態では、圧縮ばね50はアンカーボルト3
0を引き下げる方向へは付勢していない。
【0029】基礎10を施工する際、例えば、コンクリ
ートを基礎枠に流し込む際にその仮り組状態のアンカー
支持管70を基礎10に埋め込むようにする。それによ
り、圧縮ばね50等をアンカー支持管70の管内に後で
収容する作業がなくなり、基礎10の施工作業性を高め
ることができる。このようにして、基礎10にアンカー
ボルトの下部を単に埋設する一般的な基礎の施工作業と
同じ段取りで行うことができる。次に、アンカーボルト
30の上部32に外嵌しておいた弾性部材40であって
基礎10から上方に突出した状態のものに、土台20の
アンカーボルト用の挿通孔22を相対的に通し、土台4
0および弾性部材40から上方に突出したアンカーボル
ト30のねじ部36にアジャストナット60を螺着す
る。この状態では、圧縮ばね50は依然としてアンカー
ボルト30を引き下げる方向へは付勢していない。この
状態で、基礎10に対する土台20の据付位置の調整を
行う。
【0030】次に、ロック部材90をアンカーボルト3
0の被係合部39およびキャップ部材73の被係合部7
9から外し、アンカーボルト30をアンカー支持管70
に対してその軸方向に移動可能にする。アジャストナッ
ト60を締め込むことで、抜け止め部37をせり上がら
せ、抜け止め部37とキャップ部材73との間を狭め、
両者の間に既に挟装されている圧縮ばね50を撓ませ
て、その復元力により土台20の下面部24が基礎10
側に押し付けられて固定される。また、アジャストナッ
ト60により、圧縮ばね50の復元力を調節して、土台
20を前記基礎10側に押し付ける力を調整する。この
とき、アンカーボルト30の上端部34には、ピン部材
38がその軸方向に対して直交する方向から挿着されて
おり、ピン部材38が圧縮ばね50の復元力によりアジ
ャストナット60に弾撥的に当接することで、アジャス
トナット60の弛みを防止する。 以上のようにして、
基礎10上に土台20が据え付けられる。
【0031】次に、本木造建物の基礎構造において、地
震や振動に対して、各構成がどのように機能するかを説
明する。基礎10と土台20との間に形成された隙間に
介在する土台20の縦揺れ吸収用の弾性体80は、地震
などの際に縦揺れが生じて、基礎10と土台20とを縦
方向に引き離そうとする力が発生すると、圧縮ばね50
が、その引き離そうとする力を吸収して撓み、圧縮ばね
50が復元して、土台20を基礎10側に引き寄せる。
このとき、土台20が基礎10に当たる際の衝撃力を吸
収する機能を主に果たしている。
【0032】また、基礎10と土台20とを縦方向に引
き離すまでその力が達しない微弱な地震や振動などの際
に、縦揺れ吸収用の弾性体80が適度に撓んで振動を吸
収することで、その機能を発揮する。また、地震などに
より横揺れが生じると、基礎10と土台20とを相対的
に横方向へずらそうとする力が発生し、アンカーボルト
30が土台20のアンカーボルト用の挿通孔22に対し
て、相対移動しようとするが、アンカーボルト用の挿通
孔22の孔壁23と、アンカーボルト30との間の隙間
に弾性部材40が固く嵌め込まれているので、アンカー
ボルト30が相対移動するには、弾性部材40を撓ませ
る必要があり、弾性部材40が撓むことで、前記横方向
へずらそうとする力が吸収され、建物自体には大きな力
が作用しないで済み、例えば、建物の倒壊などを防止す
ることができる。
【0033】弾性部材40の材質、大きさ、あるいは、
形状を変えることにより、前記横方向へずらそうとする
力の吸収力を調整することができる。また、地震などに
より縦揺れが生じると、基礎10から土台20が縦方向
に浮き上がらせるような力が発生し、アンカー部材用の
挿通孔22に対してアンカーボルト30が相対的に軸方
向へ移動しようとするが、その際には、アンカーボルト
30を、圧縮ばね50を撓ませながら移動させるので、
圧縮ばね50が、前記土台20を浮き上がらせようとす
る力を吸収して、建物にはそのまま過大な力が作用しな
いから、同じく、建物の倒壊などを防止することができ
る。
【0034】また、アジャストナット60を締め込むよ
うにすれば、圧縮ばね50がさらに撓んで、その復元力
が増加し、土台20を基礎10側へさらに大きな力で押
し付けることができる。圧縮ばね50等の保守点検の際
には、前述した施工作業と逆の手順で行えばよい。
【0035】すなわち、アジャストナット60をアンカ
ーボルト30のねじ部36から外すとともに、アンカー
ボルト用の挿通孔22から弾性部材40を抜き出し、ア
ンカーボルト用の挿通孔22に通した工具で、キャップ
部材73を弛めて,アンカー支持管70の管本体71側
から外し、アンカーボルト30および圧縮ばね50をア
ンカー支持管70の管内およびアンカーボルト用の挿通
孔22から抜き出せばよい。抜き出された圧縮ばね50
等が損傷したりしていた場合には、新たなアンカーボル
ト30および圧縮ばね50に交換すればよい。圧縮ばね
50等の取付作業は、前記保守点検と逆の手順で行う。
【0036】なお、前記実施例においては、アンカー支
持管70の管本体71の管外壁が滑らかなものを示した
が、例えば、管本体71の管外壁に多数の円周溝を管軸
方向へ連設して、基礎10とアンカー支持管70の摩擦
抵抗を高めるようにすればよい。また、管外壁には管の
軸方向と平行に回止め溝を形成してもよい。さらに、管
本体71の下端部に管外壁よりその径が大きい大径フラ
ンジを形成してもよい。
【0037】また、円筒形状の弾性部材40を土台20
のアンカーボルト用の挿通孔22の孔壁23とアンカー
ボルト30との間の隙間に固く嵌込むものを示したが、
これに限らず、土台20のアンカーボルト用の挿通孔2
2にアンカーボルト30を挿通した後に、土台20のア
ンカーボルト用の挿通孔22の孔壁23とアンカーボル
ト30との間の隙間に、弾性部材を詰め込むようにして
もよく、場合によっては、液状の弾性部材を流し込んで
固めるようにしてもよい。さらに、土台20の挿通孔2
2側にアンカーボルト30、圧縮ばね50およびアンカ
ー支持管70を一体的に組み合わせた物を挿通した後
に、弾性部材40を嵌挿してもよい。さらに、圧縮ばね
50をアジャストナット60により抜け止めしたが、ス
ナップリングなどにより、固定してもよい。その際に
は、アジャストナット60の復元力は段階的に調整可能
になる。
【0038】
【発明の効果】本発明にかかる木造建物の基礎構造によ
れば、基礎にアンカー支持管を埋設し、アンカー支持管
内に圧縮ばねを収容し、圧縮ばねが基礎の外部に露出し
ないようにし、異物が圧縮ばねに挟まらないようにした
ので、圧縮ばね本来の機能を常時発揮できるようにし、
また、圧縮ばねが土台の上方から大きく上方へ突出しな
いようにしたので、圧縮ばねが邪魔にならないで、施工
作業性を向上することができる。さらに、地震などによ
る縦方向の力や横方向の力に対して弾性部材や圧縮ばね
が撓むことで、その力を十分に吸収するようにしたの
で、基礎構造自体を修復する必要性が生じなく、仮に、
弾性部材や圧縮ばねが損傷した場合でも、交換作業が比
較的簡易にでき、軽微な補修作業で済ませることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す木造建物の基礎構造の
要部平面図である。
【符号の説明】
10…基礎 20…土台 21…上面部 22…アンカー部材用の挿通孔 23…孔壁 24…下面部 30…アンカーボルト(アンカー部材) 31…下部 32…上部 34…上端部 35…座板 36…ねじ部 37…基礎抜け止め部 40…弾性部材 50…圧縮ばね 60…アジャストナット 70…アンカー支持管 71…管本体 72…雌ねじ部 73…キャップ部材 74…雄ねじ部 75…フランジ部 76…挿通孔 79…被係合部 90…ロック部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎上に木製の土台を載置して、該土台に
    穿設された挿通孔に軸形状のアンカー部材を通し、該ア
    ンカー部材により前記土台を基礎に固定するようにした
    木造建物の基礎構造において、 前記アンカー部材の下部がその軸方向に移動可能に収容
    されるアンカー支持管と、前記アンカー支持管の管内に
    収容され、前記アンカー支持管の上端部と前記アンカー
    部材の下端部との間に挟装される圧縮ばねと、弾性部材
    とを有し、 前記アンカー支持管は、前記基礎に埋設されており、 前記アンカー部材は、前記アンカー支持管を介して前記
    基礎に立設されており、 前記アンカー部材の上端部は、前記基礎上に載置された
    前記土台の挿通孔に通され、かつ、前記圧縮ばねを圧縮
    した状態にして前記土台に止着されており、 前記圧縮ばねは、その復元力により前記アンカー部材を
    介して前記土台を基礎側へ弾撥的に押し付けて、地震な
    どの際の縦揺れを吸収可能なものであり、 前記弾性部材は、前記土台の挿通孔の孔壁と、当該挿通
    孔に通した前記アンカー部材との間の隙間に介在して、
    地震などの際の横揺れを吸収可能なものであることを特
    徴とする木造建物の基礎構造。
  2. 【請求項2】前記基礎と前記土台との間に隙間を形成
    し、 前記アンカー支持管の上端部を前記隙間に延設し、 前記アンカー支持管の上端部および前記アンカー部材
    に、前記隙間を通って前記アンカー支持管および前記ア
    ンカー部材に係脱し、前記アンカー支持管および前記ア
    ンカー部材を相対移動不能に拘束するためのロック部材
    用の被係合部をそれぞれ形成したことを特徴とする請求
    項1に記載の木造建物の基礎構造。
  3. 【請求項3】前記アンカー支持管は、管本体と、前記ア
    ンカー支持管の上端部を成していて、前記土台の挿通孔
    に通した工具により前記管本体に着脱可能に支持される
    キャップ部材とから成り、 前記キャップ部材は、前記管本体から外れた状態では、
    前記アンカー部材および前記圧縮ばねを前記アンカー支
    持管の管内および前記土台の挿通孔から抜き差し可能に
    するものであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の木造建物の基礎構造。
  4. 【請求項4】前記アンカー部材の上端部にねじ部を形成
    し、 前記圧縮ばねの復元力を調節して、前記土台を前記基礎
    側へ押し付ける力を調整可能なアジャストナットを前記
    ねじ部に螺合したことを特徴とする請求項1に記載の木
    造建物の基礎構造。
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