JP3183004B2 - 制動エネルギ回生装置 - Google Patents

制動エネルギ回生装置

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JP3183004B2 JP29559793A JP29559793A JP3183004B2 JP 3183004 B2 JP3183004 B2 JP 3183004B2 JP 29559793 A JP29559793 A JP 29559793A JP 29559793 A JP29559793 A JP 29559793A JP 3183004 B2 JP3183004 B2 JP 3183004B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作動油をエネルギ伝達
媒体として、車両の制動エネルギを発進/加速エネルギ
に利用する蓄圧式の制動エネルギ回生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、市街バス等の車両に搭載され、制
動時のエネルギを回収して、これを発進時や加速時に利
用する制動エネルギ回生装置が、例えば特公平5−11
68号公報により知られている。この制動エネルギ回生
装置は、車両制動時に、ポンプ/モータをポンプとして
作動させ、アキュムレータに低圧タンクの作動油を圧送
して、これに制動エネルギを蓄えるようにしている。そ
して、車両の発進時あるいは加速運転時(これらを単に
発進/加速時とも記す)には、アキュムレータの高圧作
動油をポンプ/モータに供給してポンプ/モータをモー
タとして作動させ、車両の駆動輪をポンプ/モータで駆
動し、これにより制動エネルギを再利用している。
【0003】このような、制動エネルギ回生装置のポン
プ作動は、制動エネルギをアキュムレータに蓄圧すると
ともに、アキュムレータ内のガスを圧縮する際の仕事を
制動力として、蓄圧ブレーキ(補助ブレーキ)としての
働きもしている。このポンプ作動による制動エネルギの
蓄圧ブレーキの強さは、ブレーキペダルの踏み込み操作
量に応じて増加するように設定されており、例えば、ブ
レーキペダルを強く踏んだときには、ポンプ容量を大に
設定して、単位時間当たりの制動エネルギの回収量を大
きくし、それに伴う蓄圧ブレーキ力も大に設定してい
る。このようにして、通常のブレーキペダル操作で、サ
ービスブレーキ(エアブレーキ等)の場合と同様の制動
力が得られるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アキュムレ
ータの蓄圧容量は限られているため、ある程度蓄圧され
た状態でブレーキペダルが大きく踏み込まれた場合、ア
キュムレータにほとんど蓄圧されていないときと同じよ
うにブレーキペダル操作量に応じて、ポンプ/モータの
ポンプ容量を大に設定して作動させると、アキュムレー
タはすぐに最大容量に達してしまい、蓄圧されない余剰
の作動油は、リリーフ管路を通って低圧作動油タンクに
回送されることになる。特に、車速が速いときには、ポ
ンプ/モータの回転数が高くなり、吐出量も大きくなる
ため、アキュムレータは急速に最大容量に達することに
なり、余剰に吐出された作動油は、リリーフ弁を介して
作動油タンクへ大量に排出されることになる。
【0005】このように、アキュムレータに蓄圧されず
に低圧作動油タンクに循環する作動油量が多いと、リリ
ーフ管路内で摩擦熱が多量に発生することとなり、この
熱は油温を上昇させて、作動油の劣化を引き起こす要因
となる。また、車速が速い場合にポンプ容量を大に設定
すると、上述のように、作動油は管路内を高速で流れる
ことになり、上述の摩擦熱の発生と同時に騒音や振動も
発生するという問題が生じる。
【0006】そこで、本発明は、アキュムレータに蓄圧
されずに作動油タンクへリリーフ管路を通って回送され
る作動油量を極力減らして、回送中に発生する摩擦熱に
よる作動油の劣化や騒音の防止を図った制動エネルギ回
生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の制動エネルギ回生装置は、作動油を貯溜す
る低圧タンクと油圧エネルギを蓄圧するアキュムレータ
との間の油路に介裝され、車両の駆動系部材にクラッチ
を介して連結される油圧ポンプ/モータを、制動時にポ
ンプ作動させ、制動エネルギを油圧エネルギに変換して
前記アキュムレータに蓄積する一方、発進/加速時には
モータ作動させて、アキュムレータに蓄積した油圧エネ
ルギを発進/加速エネルギとして利用する制動エネルギ
回生装置において、車速を検出する車速検出手段と、前
記アキュムレータの蓄圧量を検出する蓄圧量検出手段
と、ブレーキペダルの操作度合いを検出するブレーキペ
ダル操作量検出手段と、前記作動油の油温を検出する油
温検出手段と、車両制動時における前記油圧ポンプ/モ
ータのポンプ作動を制御する制御手段とを備え、該制御
手段は、前記ブレーキペダルの操作度合いに応じて前記
油圧ポンプ/モータのポンプ容量基準値を設定し、前記
車速検出手段により検出された車速および前記蓄圧量検
出手段により検出された蓄圧量および前記油温検出手段
により検出された油温に応じ、車速が高いほど、かつ
圧量が高いほど、かつ油温が高いほど前記設定したポン
プ容量基準値を低下させるように補正し、かく補正した
ポンプ容量基準値に応じて前記油圧ポンプ/モータの作
動を制御することを特徴とする。
【0008】
【作用】ブレーキペダルの操作度合いに応じて設定され
るポンプ容量基準値が、車速が高いほど、またアキュム
レータの蓄圧量が高いほど低く補正されることにより、
作動油の吐出量が制限され、アキュムレータの容量を越
えて作動油タンクにリリーフ回送される余剰の作動油量
が減少する。これにより、騒音や振動の発生が防止され
るとともに、リリーフ管路内で発生する摩擦熱が良好に
低減されることになり、油温の上昇が抑制され、作動油
の劣化が好適に防止される。さらに、油温が高いほどポ
ンプ容量基準値が低く補正されることで、作動油の過熱
が抑止され、作動油の粘性低下による油圧ポンプ/モー
タの焼き付きも併せて防止される。
【0009】
【実施例】この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1、図2及び図3に示すエネルギ回生装置は、ト
ランスミッション3、クラッチ2を介して駆動輪を駆動
するためのエンジン1を備える車両に適用され、ピスト
ン型アキュムレータ20、低圧作動油タンク30、斜板
式可変容量ピストン型のポンプ/モータ40、ギヤボッ
クス50、コントロールユニット60(以下これをEC
Uという)等を備えている。
【0010】先ず、エネルギ回生装置が適用される車両
の構成から説明すると、エンジン1の出力軸はクラッチ
2を介してトランスミッション3に接続され、トランス
ミッション3の出力軸13は、後輪駆動軸10の差動装
置(スルーシャフト型)に接続されている。そして、エ
ネルギ回生装置は、駆動軸12を介して前述した差動装
置に接続されている。
【0011】アキュムレータ20は、高圧油管路P1を
介して斜板式可変容量ピストン型ポンプ/モータ40の
第1ポート40aに接続されており、ポンプ/モータ4
0の第2ポート40bは、低圧油管路P2を介して作動
油タンク30に接続されている。アキュムレータ20
は、ピストン21によりガス室22と作動油室23に区
画され、ガス室22には所定圧の窒素ガスが封入され、
作動油室23には油圧が蓄圧可能となっている。
【0012】高圧油管路P1には、アキュムレータ20
側から順に遮断弁24およびアンロード弁(ノーマルオ
ープン)25が配設されている。遮断弁24は、電磁パ
イロット操作弁であり、通常はポンプ/モータ40から
アキュムレータ20へ向かう作動油の流れを許容し、逆
方向の流れを阻止する逆止弁として機能するが、ECU
60からの遮断弁信号D2が入力すると、アキュムレー
タ20側からポンプ/モータ40側への作動油の流れを
許容する。電磁式のアンロード弁25は、ECU60か
らのアンロード弁信号D3によって作動し、高圧油管路
P1と低圧油管路P2を管路P4を介して短絡し、高圧
油管路P1に閉じ込められた残圧を低圧油管路P2に逃
がすことができるようになっている。
【0013】高圧油管路P1と低圧油管路P2間には、
逆止弁46が配設され、この逆止弁46は低圧油管路P
2から高圧油管路P1への作動油の流入を可能にしてお
り、高圧油管路P1の作動油切れによって引き起こされ
る装置破損等を防止している。さらに、遮断弁24より
ポンプ/モータ40側の高圧油管路P1から分岐して管
路P3が作動油タンク30に接続され、この管路P3に
は、ポンプ/モータ40の吐出圧が設定圧(例えば、3
50kgf/cm2 )以上になったとき、高圧油を作動油タン
ク30に逃がすためのリリーフ弁26が設けられてい
る。
【0014】高圧油管路P1には、遮断弁24よりポン
プ/モータ40側の管内圧力を知るための吐出圧センサ
89が設けられており、吐出圧信号PHYをECUに供給
している。アキュムレータ20には、窒素ガスの膨張に
よってピストン21が作動油室23の最大膨張位置の僅
かに手前の所定位置(直前位置という)に移動したと
き、これを検出してピストン位置信号(オフ信号)LP
を出力するピストン位置センサ87と、作動油室23内
の作動油圧を検出して蓄圧信号PACを出力する蓄圧量検
出手段としての蓄圧センサ88が設けられており、それ
ぞれピストン位置信号LP 、蓄圧信号PACをECU60
に供給している。
【0015】ポンプ/モータ40は、ギヤボックス50
を介して前述した駆動軸12に接続されており、駆動軸
10の制動エネルギは、駆動軸12とギヤボックス50
を介してポンプ/モータ40に伝達され、逆にポンプ/
モータ40の発進/加速エネルギは、ギヤボックス50
から駆動軸12、差動装置を介して駆動軸10に伝達さ
れる。ギヤボックス50は、一対の歯車50aとドグク
ラッチ51とから構成され、一対の歯車50aは駆動軸
12の回転を増速してポンプ/モータ40に伝達する。
駆動軸12とポンプ/モータ40との連結はドグクラッ
チ51によって断接される。
【0016】ポンプ/モータ40は、ギヤボックス50
の出力軸に接続された駆動軸40eと、これと一体回転
するピストンシリンダ40fと、該シリンダ40fに嵌
装されたピストン40cと、駆動軸40eの回転に伴っ
てピストン40cを往復運動させる斜板40dとを有
し、駆動軸40eに対する斜板40dの角度すなわち傾
転角を制御することによって、そのポンプ/モータ容量
が設定されるようになっている。
【0017】斜板40dの傾転角は、傾転シリンダ41
によって可変制御される。この傾転シリンダ41は、斜
板40dに連結されたピストン41aと、該ピストン4
1aの両側にそれぞれ形成されたチャンバ41b、41
cとを有し、一方のチャンバ例えばチャンバ41bに後
述するパイロット油圧源43からのパイロット油圧が供
給されると斜板40dがポンプ作動側に駆動され、他方
のチャンバ41cにパイロット油圧が供給されるとモー
タ作動側に駆動されるようになっている。
【0018】パイロット油圧源43は、電動モータ等に
より駆動されるオイルポンプや調圧弁から構成され、所
定圧のパイロット油圧を発生させる。この油圧源43と
傾転シリンダ41間には、フィルタ45、電磁式の2ポ
ート切換弁44、比例電磁弁42がこの順で配設され、
これらは、パイロット油圧源43から傾転シリンダ41
へのパイロット油圧の供給圧を制御するためのパイロッ
ト油圧制御回路を構成している。切換弁44は、ECU
60からの駆動信号D1によって、パイロット油路P5
の連通および遮断を行う。
【0019】比例電磁弁42の一方のソレノイド例えば
ソレノイド42aに制御信号ELPを供給すると、信号
値ELPに応じた大きさのパイロット油圧が比例電磁弁
42を介して傾転シリンダ41のポンプ作動側のチャン
バ41bに供給され、また、他方のソレノイド42bに
制御信号ELMを供給すると、信号値ELMに応じた大
きさのパイロット油圧がモータ作動側のチャンバ41c
に供給され、これにより、傾転シリンダ41のピストン
41aの作動位置、ひいては斜板40dの傾転角が可変
制御され、ポンプ作動時にあっては、吐出量の調整を
し、また、モータ作動時にあっては、出力トルクの調整
をするようになっている。
【0020】ポンプ/モータ40のポンプ作動時には、
斜板40dが傾転シリンダ41によってポンプ作動側に
駆動され、作動油は、作動油タンク30からフィルタ3
8、逆止弁58、管路P2、ポンプ/モータ40、管路
P1を介してアキュムレータ20へ流れ、モータ作動時
には、斜板40dがモータ作動側に駆動され、作動油は
ポンプ作動時とは逆方向に、アキュムレータ20から管
路P1、ポンプ/モータ40、管路P2、逆止弁57、
フィルタ37を介して作動油タンク30へ流れる。
【0021】作動油タンク30は、電磁式の2ポート切
換弁33、減圧弁35、エアドライヤ36を介して加圧
エアタンク31に、また、電磁式の3ポート切換弁34
を介してサブエアタンク32に接続されており、これら
は、作動油タンク30へのエア圧力供給回路を構成して
いる。切換弁34は、弁制御手段としてのECU60か
らの駆動信号D7によって作動し、サブエアタンク32
と作動油タンク30とを連通させる位置に切換えられ
る。サブエアタンク32と作動油タンク30とを連通さ
せることによって、サブエアタンク32は、一部保留し
ていたエアを作動油タンク30に供給し、また、作動油
タンク30内の作動油量の変動に合わせて、エアの補給
又は吸収を行い、作動油タンク30内エア圧の安定化を
図る。一方、ECU60からの駆動信号D7が断たれる
と、切換弁34は、大気解放位置に切り換わり、作動油
タンク30内の圧力を大気中に逃がす。
【0022】切換弁33は、ECU60からの駆動信号
D6によって作動し、エアタンク31内の高圧エアを作
動油タンク30内に供給し、タンク30内の作動油を所
定圧に加圧することにより、ポンプ/モータ40の作動
を安定した状態に保つ。ポンプ/モータ40や油圧経路
内嵌合部(オイルシール)等から漏れる作動油は、ドレ
ンタンク39へ還流する。ドレンタンク39は、ポンプ
59、フィルタ97および電磁式2ポート切換弁98を
介して作動油タンク30に接続されており、ドレンタン
ク39内の作動油が所定量に達すると、ポンプ59を作
動させ、ECU60は、切換弁98に駆動信号を出力
し、これを開成して、不足する作動油を作動油タンク3
0に補充する。
【0023】作動油タンク30には、作動油レベルセン
サ90と油温センサ91が設けられており、それぞれ作
動油レベル信号LOIL 、油温信号TOIL をECU60に
供給している。ECU60は、これらの信号によって、
作動油が正常な状態であるかどうかを監視し、回生装置
の作動を規制することで、ポンプ/モータ40等の装置
の破損を防止している。
【0024】前述したドグクラッチ51は、エア圧によ
って断接作動し、ドグクラッチ51には、クラッチ接続
用の電磁式3ポート切換弁53およびクラッチ切断用の
電磁式3ポート切換弁54を介してエアタンク52が接
続されており、これらはドグクラッチ作動制御回路を構
成している。クラッチ接続用の切換弁53が、ECU6
0からの駆動信号D8により作動すると、エアタンク5
2の高圧エアが、ドグクラッチ51に供給され、ドグク
ラッチ51は接続作動となり、一方、クラッチ切断用の
切換弁54が、ECU60からの駆動信号D9により作
動すると、ドグクラッチ51は切断作動となる。
【0025】ドグクラッチ51には、ドグクラッチ断接
センサ92が設けられており、ドグクラッチ51の断接
状態を検出して、その検出信号DCLをECU60に供
給している。また、ドグクラッチ51のポンプ/モータ
側出力軸には、ポンプ/モータ40の回転数を検出する
回転数センサ93が設けられており、ポンプ回転数信号
NP をECU60へ供給している。
【0026】ブレーキペダル(図示せず)に接続された
ブレーキパワーユニット70は、駆動輪WR および従動
輪WF の制動力を制御するためのものであり、各車輪の
ホイールシリンダ(図示せず)にブレーキエア圧を供給
している。ブレーキペダル(図示せず)の操作度合いに
応じて発生するブレーキ圧PBKは、ブレーキパワーユニ
ット70に備えられるブレーキペダル操作量検出手段と
してのブレーキ圧センサ70a(図3参照)によって検
出され、ECU60にブレーキ圧検出信号PBKが供給さ
れている。
【0027】エンジン1には燃料噴射装置5が備えられ
ており、この燃料噴射装置5に接続されたガバナコント
ロールユニット67は、通常の燃料噴射制御を行うとと
もに、後述するECU60からのラック制限信号Rによ
る燃料噴射制限(ラック制限)を行っている。この燃料
噴射制限(ラック制限)は、ポンプ/モータ40のモー
タ作動による出力とエンジン1による出力との和が、通
常のエンジン1だけによる最大駆動トルクに対応する出
力以上にならないようにエンジン側の制御を行うもので
ある。また、ガバナコントロールユニット67は、エン
ジン回転数NEを検出し、エンジン回転数信号NE をE
CU60へ供給している。
【0028】トランスミッション3には、車速検出手段
としての車速センサ83、T/Mリバースセンサ84、
T/Mニュートラルセンサ85およびセレクト位置セン
サ86が設けられており、それぞれ車速信号V、T/M
リバース信号TMR、T/Mニュートラル信号TMNお
よびセレクト位置信号LTMをECU60へ供給してい
る。
【0029】図3は、エネルギ回生装置の作動を制御す
るECU60の構成を示し、ECU60には、プロセッ
サ、メモリ、入出力回路等を備えている。このECU6
0の入力側には、電源のオンオフ状態信号を供給するメ
インSW64、アクセルペダル(図示せず)に連動し、
アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度セ
ンサ61、クラッチペダル(図示せず)に連動し、エン
ジンクラッチ断接を検出する2つのクラッチセンサ(C
L1)62、(CL2)63、および前述したブレーキ
圧センサ70aを含む各種センサが接続される。ここ
で、エンジンクラッチ断接センサ(CL1)62は、ク
ラッチペダル(図示せず)の戻り限(クラッチ接続)で
信号を供給してONになるように設定され、またエンジ
ンクラッチ断接センサ(CL2)63は、クラッチペダ
ル(図示せず)の踏み込み限(クラッチ切断)で信号を
供給してONになるように設定されており、センサ(C
L1)62とセンサ(CL2)63の組み合わせによっ
て半クラッチ状態が検出可能となっている。
【0030】一方、ECU60の出力側には、前述した
各種電磁切換弁、各種インジケータ類が接続されてい
る。インジケータ類には、アキュムレータのピストンセ
ンサ87からのピストン位置信号LP と蓄圧センサ88
からの蓄圧信号PACとによって蓄圧量を表示する蓄圧イ
ンジケータ66、ドグクラッチ断接センサ92からのド
グクラッチ断接信号DCLによってエネルギ回生装置が
作動中であることを表示する回生ランプ68および各種
エラー信号によってエラーを表示するダイアグランプ6
9が有る。
【0031】以下、上述のように構成される制動エネル
ギ回生装置のポンプ制御およびモータ制御を図4乃至図
11に示すフローチャートを参照して説明する。図4、
図5および図6は、ECU60が実行する制動時のポン
プ制御の制御手順をを示す。先ず、ECU60は、ステ
ップS10でドグクラッチ断接センサ92からのドグク
ラッチ断接信号DCLによってドグクラッチ51がON
(接続)かOFF(切断)かを判別する。尚、ドグクラ
ッチ51は、車両が所定の運転状態(例えば、車速が5
km/h以下であり後退ギヤ段以外のセレクト位置で走行し
ている状態)であるときに、ECU60からクラッチ接
続用切換弁53に駆動信号D8が供給されてON(接
続)となり、所定の車速(例えば、60km/h)以上では
ポンプ/モータ40の許容能力超過を防止するため、切
断用切換弁54に駆動信号D9が供給されてOFF(切
断)となる。ドグクラッチ51が接続状態になると、ポ
ンプ/モータ40は、駆動軸10、12、ギヤボックス
50を介して駆動輪WR により駆動されることになる。
【0032】ステップS10の判別結果がOFF(切
断)であれば図6のステップS20に進む。ECU60
は、ステップS20において比例電磁弁42への傾転角
制御信号値ELPをゼロ(ELP=0)に設定する。こ
れにより、パイロット油圧源43からのパイロット油圧
は遮断された状態に保持され、傾転角シリンダ41のピ
ストン41aも中立位置に保持される。そして、ポンプ
/モータ40の斜板40dの傾転角度をゼロに保持する
ことによって、ポンプ/モータ40は、ポンプとして機
能しないことになる。次に、ステップS21では、切換
弁44への駆動信号D1を断ったままにして、これをO
FF(閉)状態に保持し、さらに、ステップS22で
は、アンロード弁(ノーマルオープン)25へアンロー
ド弁信号D3を出力せず、これをOFF(開)とし、高
圧油管路P1と低圧油管路P2とを連通の状態に保持す
る。ステップS23では、ECU60は、プログラム制
御変数であるフラグf1に値0(f1=0)を設定し、
これによりポンプ制御が実施されていないことを記憶す
る。
【0033】図4のステップS10に戻り、このステッ
プでの判別結果がON(接続)状態であれば、ステップ
S11に進む。ステップS11では、ECU60は、ト
ランスミション3のセレクト位置が後退ギヤ段(リバー
ス位置)であるか否かをT/Mリバース信号TMRによ
り判別して、判別結果がYES(リバース)つまり車両
後退ギヤ段位置であれば前述した図6のステップS20
以下を実行し、ポンプ制御を行わない。一方、判別結果
がNOつまり車両前進ギヤ段位置であればステップS1
2を実行する。
【0034】ステップS12では、ECU60は、車両
が停止しているか否かを判別する。この判別は、車速V
が所定値XV0( 例えば、1 km/h)以下であるかを車速信
号Vにより判別して、V≦XV0(1km/h)であればポン
プ制御を実行しない。一方、判別結果がV>XV0(1km
/h)であればステップS13を実行する。ステップS1
3では、ECU60は、運転手がブレーキペダル(図示
せず)を踏んだことによりブレーキ圧PBKが発生してい
るかどうかをブレーキ圧センサからのブレーキ圧信号P
BKにより判別して、PBK<XPB(例えば、0.2kgf/cm
2)であればブレーキペダル(図示せず)を踏んでいな
い状態とみなして、ポンプ制御を実行しない。一方、判
別結果がPBK≧XPB(0.2kgf/cm2 )であればエネル
ギを回生すべき運転条件がすべて成立したと判別して、
ステップS14を実行する。
【0035】ステップS14では、ECU60は、ポン
プ/モータ40の斜板40dの傾転角制御信号値ELP
を、図11に示すサブルーチンを実行することにより設
定する。図11のサブルーチンは、本発明に係るELP
値の設定手順を示し、ステップS14を実行する毎に、
常にECU60によって実行される。
【0036】ELP値の設定方法としては、先ず、ステ
ップS70において、ブレーキ圧PBKに応じたELP基
準値を設定する。図12は、ブレーキ圧PBKとそれに応
じて設定されるELP値との関係を示し、ブレーキ圧P
BKが僅かに立ち上がってもELP値は0に保持され、ブ
レーキ圧PBKがBK1値からBK2値間はブレーキ圧値に比
例して増加させ、BK2を越えると最大基準値に設定され
る。ブレーキ圧PBKに応じてELP値を増加させるよう
にすると、必要な制動力に応じてポンプ/モータ40の
ポンプ吐出量(ポンプ容量)が増大し、蓄圧ブレーキ力
が大きくなるため、サービスブレーキの負担を軽減する
ことができる。
【0037】次に、ステップS71において、油温セン
サ91で検出された作動油タンク30の油温TOIL に応
じた補正係数K2 を求め、これをELP基準値に掛け合
わせて、最適な傾転角制御信号ELP値(ELP基準値
×K2 )を算出している。図14は、油温TOIL と補正
係数K2 との関係を示し、作動油タンク30の油温TOI
L による補正は、油温TOIL がXTOIL(例えば、70
℃)未満ではELP値の補正を必要としないが(補正値
K2 が値1.0に設定される)、油温TOIL が70℃以
上では、傾転角制御信号値ELPを減少させるように補
正する(補正値K2 が値1.0より小さい値に設定され
る)。高温時には、作動油の粘性が低下し、ポンプ/モ
ータ40の焼きつきの虞が生じるため、ポンプ容量を下
げることでこれを防止している。
【0038】ステップS72では、ECU60は、車速
Vおよびアキュムレータ20の蓄圧量PACに応じてEL
Pの最大制限値(ELPmax値)を求め、ポンプ/モ
ータ40のポンプ作動による作動油吐出量を制限する。
図13は、ECU60の記憶装置に記憶されているEL
Pマップを示し、ECU60は、このマップから車速V
および蓄圧量PACに応じたELP最大制限値(ELPm
ax値)を読み出し、ELP油温補正値がこの最大制限
値を越えないように補正される。ELP最大制限値の読
み出し方法について具体的に説明すると、例えば蓄圧量
PACが、図13において破線で示される線上の値、ある
いはそれ以上の値である場合には、ELP最大制限値を
所定値XP0(傾転角を実質的に0にする値)に、実線で
示される線上の値、あるいはそれ以下の値である場合に
は、最大傾転角を与える所定値XP2に、一点鎖線で示さ
れる線上の値である場合には所定値XP1にそれぞれ設定
され、その他の値の場合には補間法により適宜値に設定
される。このように、蓄圧量PACが多く、また車速Vが
速くなるほど、ELPmax値を低く制限して、ポンプ
吐出量を減少させることにより、アキュムレータ20の
容量を越えて余剰となった大量の作動油が、リリーフ管
路P3を高速で流れて、摩擦熱の発生や騒音を引き起こ
すことを防止している。
【0039】ステップS73では、ECU60は、ステ
ップS70、S71において、ブレーキ圧PBKおよび油
温TOIL に応じて算出した傾転角制御信号値ELPと、
ステップS72において、車速Vおよび蓄圧量PACによ
り算出されたELPmax値とを比較して、比較結果が
ELP≧ELPmaxのときには、ステップS75で、
傾転角制御信号値ELPを最大値ELPmaxに設定し
直す。比較結果がELP<ELPmaxのときには、E
LP値の補正は行わない。
【0040】図5のポンプ制御フローに戻り、ECU6
0は、ステップS15において、上述のようにして設定
したELP値に対応する制御信号を比例電磁弁42に出
力し、ポンプ/モータ40の傾転角を信号値ELPに対
応する角度に設定する。次いで、ステップS16では、
切換弁44に駆動信号D1を出力して、これをON
(開)にし、傾転角シリンダ41にパイロット油圧を供
給する。また、ステップS17では、低圧油管路P2と
高圧油管路P1間のアンロード弁(ノーマルオープン)
25をアンロード弁信号D3によってON(閉)とし、
高圧油管路P1の圧力が低圧油管路P2に逃げないよう
に遮断する。さらに、ステップS18では、ポンプ作動
中であることを記憶するためにフラグf1に値1を設定
する。
【0041】このようにして、ポンプ/モータ40の傾
転角が比例電磁弁42への制御信号値ELPに対応する
角度に設定されると、ポンプ/モータ40はポンプとし
て作動し、作動油タンク30の作動油を吸い込んで、こ
れをアキュムレータ20の作動油室23に押し込んで蓄
圧する。以上のポンプ制御では、運転者のブレーキペダ
ル踏込量、作動油温、車速、蓄圧量に応じてポンプ/モ
ータ40の傾転角が設定されることになり、ポンプ/モ
ータ40がブレーキペダル踏込量等に応じた仕事をし
て、制動エネルギが回収されることになる。
【0042】尚、車速および蓄圧量によりELP基準値
を補正する方法としては、上述の実施例に限定されるも
のではなく、検出される車速および蓄圧量に応じた補正
係数を設定するようにし、この補正係数をELP基準値
(油温補正されたものであってもよい)に乗算すること
によっても求めることができる。図7乃至図10は、発
進および加速時(発進/加速時)のモータ制御の制御手
順を示す。先ず、ECU60は、モータ作動に入る前
に、ステップS30乃至ステップS40において、モー
タ制御を実行しても良いか否かを判別する。ステップS
30では、運転手が車両を発進させる意図を有している
か否かを、ブレーキ圧PBKが所定値XPB(例えば、0.
2kgf/cm2 )より小であるか否かにより判断する。ステ
ップS30の判別結果が、PBK≧XPB(0.2kgf/c
m2 )であれば、後述する図10のステップS50以下
を実行して、モータ制御を行わない。一方、判別結果が
PBK<XPB(0.2kgf/cm2 )であればステップS31
に進む。
【0043】ステップS31では、ECU60は、ポン
プ制御中であるか否かを、ポンプ制御中であることを示
すフラグf1が1(YES)であるか0(NO)である
かで判別する。フラグf1が1(YES)のとき、つま
りポンプ制御中のときには、後述する図10のステップ
S50以下を実行し、モータ制御を行わない。一方、フ
ラグf1が0(NO)のとき、つまりポンプ制御中でな
いときには、ステップS32に進む。
【0044】ステップS32では、ECU60は、ドグ
クラッチ断接センサ92がON(接続)かOFF(切
断)かをドグクラッチ断接信号DCLにより判別し、O
FF(切断)であればモータ制御を実行しない。一方、
判別結果がON(接続)であればステップS33に進
む。ステップS33では、ECU60は、トランスミシ
ョン3のセレクト位置が後退ギヤ段(リバース位置)で
あるか否かをT/Mリバース信号TMRにより判別し
て、判別結果がYES(リバース)つまり車両後退ギヤ
段位置であればモータ制御を実行しない。一方、判別結
果がNOつまり車両前進ギヤ段位置であればステップS
34に進む。
【0045】ステップS34では、ECU60は、トラ
ンスミション3のセレクト位置がニュートラルであるか
否かをT/Mニュートラル信号TMNにより判別する。
判別結果がYES(ニュートラル)つまりセレクト位置
がニュートラルであれば、運転手には未だ車両を発進さ
せる意図がないと判断して、モータ制御を行わない。一
方、判別結果がNOのときには、ステップS35に進
む。
【0046】ステップS35では、ECU60は、クラ
ッチ2が接続状態か切断状態かをクラッチ断接センサ
(CL2)63のクラッチ断接信号CL2により判別
し、切断状態であれば、トランスミション3のセレクト
位置がニュートラルのときと同様に、モータ制御を行わ
ない。一方、接続状態(半クラッチ状態も含む)であれ
ば図8のステップS36に進む。
【0047】ステップS36では、ECU60は、アキ
ュムレータ20に作動油が充填されているかどうかを、
ピストン位置センサ87からのピストン位置信号LP に
よって判別する。ピストン21の前述した直前位置に設
定されたピストン位置センサ87が0FFつまり作動油
が空のときには、アキュムレータ20に作動油が蓄圧さ
れていないことになり、このような場合には、モータ制
御を実行しない。一方、ピストン位置センサ87がON
つまりアキュムレータ20に作動油が充填されていると
きには、ステップS37に進む。
【0048】ステップS37では、ECU60は、車速
Vが所定値XV2(例えば、65km/h)以下であるか否か
を車速信号Vにより判別し、所定値XV2(65km/h)よ
り大であれば、ポンプ/モータ40が、許容能力を越え
て破損することを防止するために、モータ制御は行わな
い。一方、所定値XV2(65km/h)以下であればステッ
プS38に進む。
【0049】ステップS38では、ECU60は、ステ
ップS37と同様に車速Vを所定値XV1(例えば、5km
/h)と比較して、XV1値より小の場合にはステップS3
9に進み、クラッチ2が完全に接続されているか半クラ
ッチ状態であるかを、クラッチ断接センサ(CL1)6
2のクラッチ断接信号CL1によって判別する。ステッ
プS38の判別により、車速Vが所定値XV1(5km/h)
より小であるにもかかわらず、クラッチ2が完全に接続
されていると判別されるような場合には、クラッチセン
サ62、63や車速センサ83等に何らかの異常が有る
と判断して、安全上モータ制御は行わない。一方、クラ
ッチ断接信号CL1がOFF状態を示す場合には、前述
したステップS35の判別結果と合わせて、クラッチ2
が半クラッチ状態にあることを意味し、このような場合
にはステップS40に進む。
【0050】ステップS40では、ECU60は、アク
セル開度L Aθが、モータ開始開度判別値Xθ1 より大
であるか否かを、アクセル開度信号L Aθにより判断す
る。上述の判別値Xθ1 は、車速Vに応じて設定され、
図15は、車速Vと、それによって設定される判別値X
θ1 との関係を示している。アクセル開度L Aθが判別
値Xθ1 より小(L Aθ<Xθ1 )の場合には、回生エ
ネルギにより車両を加速させるべき状態ではないと判断
して、モータ作動は行わない。一方、判別値Xθ1 より
大(L Aθ≧Xθ1 )である場合には、ステップS41
に進んでモータ制御を開始することになる。
【0051】モータ制御を実行しない場合には、ECU
60は、図10のステップS50において比例電磁弁4
2への傾転角制御信号値ELMをゼロ(ELM=0)に
設定しこれを出力する。これにより、傾転角シリンダ4
1のピストン41aは中立位置に保持され、ポンプ/モ
ータ40の斜板40dの傾転角度がゼロになり、ポンプ
/モータ40はモータとして機能しない状態となる。ス
テップS51では、傾転角シリンダ41のピストン41
aを駆動するパイロット油の給排制御を行う切換弁44
を、駆動信号D1を断ってOFF(閉)にする。ステッ
プS52では、モータ作動時にON(開)である遮断弁
24を、遮断弁信号D2を断ってOFF(閉)にし、ア
キュムレータ20からポンプ/モータ40への作動油の
流れを止める。ステップS53では、低圧油管路P2と
高圧油管路P1間に配設されるアンロード弁(ノーマル
オープン)25を、アンロード弁信号D3の出力を停止
してOFF(開)とし、高圧油管路P1と低圧油管路P
2を連通させる。ステップS54では、モータ作動時に
エンジン1に対して発信していた後述のラック制限信号
Rを断ってOFFとし、さらにステップS55にて、同
様に発信していたラック制限有効信号REを断ってOF
Fとする。
【0052】一方、ステップS41の実行によりモータ
制御が開始されると、ECU60は、ポンプ/モータ4
0の斜板40dの傾転角制御信号値ELMを設定するサ
ブルーチンを実行する。ELM値の設定方法としては、
先ず、アクセル開度L Aθおよび車速V(車速Vに代え
てエンジン回転数NE でもよい)に応じて基準値を設定
する。図16は、ECU60の記憶装置に記憶されてい
るELMマップを示し、ECU60は、このマップから
車速Vおよびアクセル開度L Aθに応じたELM基準値
(XM0、XM1、・・・)を読み出す。次に、油温センサ
91で検出された作動油タンク30の油温に応じた補正
係数を求め、これをELM基準値に掛け合わせて、最適
な傾転角制御信号ELM値を算出している。アクセル開
度L Aθによって傾転角制御信号値ELMを変化させる
ことは、通常のエンジン1だけによる発進および加速時
のアクセル操作のレスポンスと同様のレスポンスが得ら
れるように、ポンプ/モータ40のモータ作動による出
力トルク値を変化させることである。また、車速V(又
はエンジン回転数NE )によって傾転角制御信号値EL
Mを変化させることは、低速域では高トルクを供給し、
中速域では加速に必要なだけのトルクを供給することを
可能としている。
【0053】作動油タンク30の油温による補正は、油
温が例えば70℃未満ではELM値の補正を必要としな
いが、油温が70℃以上では、傾転角制御信号値ELM
を減少させるように補正する。高温時には、作動油の粘
性が低下し、ポンプ/モータ40の焼きつきの虞が生じ
るため、モータ容量を下げることでこれを防止してい
る。
【0054】次に、ECU60は、図9のステップS4
2において、上述のようにして設定したELM値に対応
する制御信号を比例電磁弁42に出力し、ステップS4
3では、駆動信号D1を出力して、切換弁44をON
(開)とし、比例電磁弁42を介して傾転角シリンダ4
1にパイロット油圧を供給する。これにより、ポンプ/
モータ40の斜板40dが、ELM値に対応する傾転角
に設定される。次いでステップS44では、遮断弁26
に遮断弁信号D2を出力して、これをON(開)にする
とともに、ステップS45において、アンロード弁(ノ
ーマルオープン)25にアンロード弁信号D3を供給し
て、これをON(閉)とし、高圧油管路P1の圧力が低
圧油管路P2に逃げないように遮断する。これにより、
ポンプ/モータ40は、アキュムレータ内に蓄圧されて
いた高圧作動油により駆動され、その駆動力は駆動軸4
0e、ギヤボックス50、駆動軸12、10を介して駆
動輪WR に伝達され、発進時や加速時の駆動力の一部を
賄う。
【0055】ステップS46では、ECU60は、エン
ジン1の燃料噴射装置5の燃料供給制限を行うためのラ
ック制限信号Rを、ガバナコントロールユニット67を
介して燃料噴射装置5に供給する。このラック制限信号
Rは、モータ制御時におけるエンジン1側の出力トルク
制限を行うものであり、エンジン1側の出力制限量は、
エンジン回転数NE およびアキュムレータ20の蓄圧量
PACに基づいて決定される。そして、燃料噴射装置5へ
供給されたエンジン1側の出力制限を確実に実行させる
ために、ステップS47において、ラック制限有効信号
REをガバナコントロールユニット67に出力して、ノ
イズ等による誤作動を防止している。
【0056】
【発明の効果】上述のように、本発明の制動エネルギ回
生装置に依れば、車速を検出する車速検出手段と、アキ
ュムレータの蓄圧量を検出する蓄圧量検出手段と、ブレ
ーキペダルの操作度合いを検出するブレーキペダル操作
量検出手段と、前記作動油の油温を検出する油温検出手
段と、車両制動時における油圧ポンプ/モータのポンプ
作動を制御する制御手段とを備え、制御手段は、ブレー
キペダルの操作度合いに応じて油圧ポンプ/モータのポ
ンプ容量基準値を設定し、車速検出手段により検出され
た車速および蓄圧量検出手段により検出された蓄圧量お
よび油温検出手段により検出された油温に応じ、車速が
高いほど、かつ蓄圧量が高いほど、かつ油温が高いほ
ど、設定したポンプ容量基準値を低下させるように補正
し、かく補正したポンプ容量基準値に応じて油圧ポンプ
/モータの作動を制御するようにしたので、ポンプ作動
時の作動油の吐出量を制限して作動油タンクに無駄にリ
リーフ回送される作動油量を減少させるようにでき、こ
れにより、騒音や振動の発生を防止できるとともに、リ
リーフ管路内で発生する摩擦熱を良好に低減させて油温
の上昇を抑制でき、作動油の劣化を好適に防止すること
ができる。さらに、油温が高いほどポンプ容量基準値を
低く補正するので、作動油の過熱を抑止でき、作動油の
粘性低下による油圧ポンプ/モータの焼き付きをも併せ
て防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用される制動エネルギ回
生装置の一部およびこれを搭載した車両の構成を示す概
略図である。
【図2】本発明の制動エネルギ回生装置の主要構成を示
す油圧回路図である。
【図3】本発明の制動エネルギ回生装置の電子制御装置
(ECU)の構成を示すブロック図である。
【図4】図3のECU60が実行するポンプ制御ルーチ
ンのフローチャートの一部である。
【図5】図4のフローチャートに続く、ポンプ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
【図6】図4のフローチャートに続く、ポンプ制御ルー
チンのフローチャートの残部である。
【図7】図3のECU60が実行するモータ制御ルーチ
ンのフローチャートの一部である。
【図8】図7のフローチャートに続く、モータ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
【図9】図8のフローチャートに続く、モータ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
【図10】図8のフローチャートに続く、モータ制御ル
ーチンのフローチャートの残部である。
【図11】本発明に係るポンプ制御時のELP値設定制
御ルーチンのフローチャートである。
【図12】制動エネルギ回生装置のポンプ制御時におけ
るブレーキ圧PBKと傾転角制御信号値ELPとの関係の
一例をを示すグラフである。
【図13】本発明に係る、制動エネルギ回生装置のポン
プ制御時における車速Vとアキュムレータ蓄圧量とこれ
らに応じた最大制限値ELPmaxの関係の一例を示す
グラフである。
【図14】制動エネルギ回生装置のポンプ/モータ制御
時における作動油温TOIL に応じた補正係数K2 の関係
の一例を示すグラフである。
【図15】制動エネルギ回生装置のモータ制御時におけ
る車速Vと判別値Xθ1 (アクセル開始開度)との関係
の一例を示すグラフである。
【図16】制動エネルギ回生装置のモータ制御時におけ
る車速Vとアクセル開度とこれらに応じた傾転角制御信
号値ELMの関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クラッチ 3 トランスミッション 10 後輪駆動軸 20 アキュムレータ 30 低圧作動油タンク 40 斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ 41 傾転シリンダ 42 比例電磁弁 43 パイロット油圧源 50 ギヤボックス 51 ドグクラッチ 60 コントロールユニット(ECU) 67 ガバナコントロールユニット 70 ブレーキパワーユニット 70aブレーキ圧センサ 83 車速センサ(車速検出手段) 88 蓄圧センサ(蓄圧量検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−117434(JP,A) 特開 平5−8639(JP,A) 特開 平2−117435(JP,A) 特開 昭62−15128(JP,A) 実開 平5−76851(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 1/10 B60T 10/00 B60K 25/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動油を貯溜する低圧タンクと油圧エネル
    ギを蓄圧するアキュムレータとの間の油路に介裝され、
    車両の駆動系部材にクラッチを介して連結される油圧ポ
    ンプ/モータを、制動時にポンプ作動させ、制動エネル
    ギを油圧エネルギに変換して前記アキュムレータに蓄積
    する一方、発進/加速時にはモータ作動させて、アキュ
    ムレータに蓄積した油圧エネルギを発進/加速エネルギ
    として利用する制動エネルギ回生装置において、 車速を検出する車速検出手段と、 前記アキュムレータの蓄圧量を検出する蓄圧量検出手段
    と、 ブレーキペダルの操作度合いを検出するブレーキペダル
    操作量検出手段と、前記 作動油の油温を検出する油温検出手段と、 車両制動時における前記油圧ポンプ/モータのポンプ作
    動を制御する制御手段とを備え、 該制御手段は、前記ブレーキペダルの操作度合いに応じ
    て前記油圧ポンプ/モータのポンプ容量基準値を設定
    し、前記車速検出手段により検出された車速および前記
    蓄圧量検出手段により検出された蓄圧量および前記油温
    検出手段により検出された油温に応じ、車速が高いほ
    ど、かつ蓄圧量が高いほど、かつ油温が高いほど前記設
    定したポンプ容量基準値を低下させるように補正し、か
    く補正したポンプ容量基準値に応じて前記油圧ポンプ/
    モータの作動を制御することを特徴とする制動エネルギ
    回生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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