JP2970433B2 - 制動エネルギ回生装置 - Google Patents

制動エネルギ回生装置

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JP2970433B2
JP2970433B2 JP26272294A JP26272294A JP2970433B2 JP 2970433 B2 JP2970433 B2 JP 2970433B2 JP 26272294 A JP26272294 A JP 26272294A JP 26272294 A JP26272294 A JP 26272294A JP 2970433 B2 JP2970433 B2 JP 2970433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動時に制動エ
ネルギを回生し発進時又は加速時にこの制動エネルギを
利用して駆動力をアシストする、制動エネルギ回生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両の車輪にエネ
ルギ変換手段としてポンプ/モータ等を設け、車両制動
時にこのポンプ/モータをポンプモードに切り換えて車
輪側からの回転駆動エネルギを回生して、この回転駆動
エネルギを流体圧エネルギとしてアキュムレータ等に蓄
圧したり、車両の発進時等にはポンプ/モータをモータ
モードに切り換えてアキュムレータ等からの流体圧エネ
ルギを回転駆動エネルギに変換して、車両の発進時や加
速時に駆動力をアシストするような制動エネルギ回生装
置が提案されている(例えば、特公平4−64900号
公報等)。
【0003】このような制動エネルギ回生装置におい
て、装置自体に何らかの異常が発生すると、各種センサ
からの検出信号に基づいてコントロールユニットがこの
異常を検出し、コントロールユニットは計器パネル等に
設けられた警報ランプを点灯させることによりこの異常
をドライバに知らせるとともに、制動エネルギ回生装置
と車輪との間に介装されたクラッチ(電磁クラッチやド
グクラッチ等)を切り離すことにより回生装置の作動を
中止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の制動エネルギ回生装置では、異常発生直後に
装置と車輪との間のクラッチを切断状態に制御して回生
装置の作動を中止してしまうので、このときにアキュム
レータとポンプ/モータとの間に作動流体の残圧がある
と、この残圧により無負荷状態のポンプ/モータが強制
的に駆動されて、場合によってはポンプ/モータの許容
回転数を越えてポンプ/モータが駆動され(以下、この
ような状況をオーバランと表現する)、ポンプ/モータ
が破損してしまうおそれがある。
【0005】具体的には、車両の発進時又は加速時に制
動エネルギ回生装置の異常が検出されると、この時点で
ポンプ/モータ(このときポンプ/モータはモータモー
ドで作動している)と車輪との間のクラッチが切断され
てしまうので、アキュムレータに残っている流体圧エネ
ルギが無負荷のポンプ/モータをモータとして駆動し
て、ポンプ/モータがオーバランしてしまうのである。
【0006】また、車両の制動時に制動エネルギ回生装
置の異常が検出されると、やはりこの時点でポンプ/モ
ータ(このときはポンプモードで作動している)と車輪
との間のクラッチが切断されてしまうので、アキュムレ
ータからの作動流体圧がポンプ/モータをモータとして
駆動してオーバランしてしまうのである。なお、このと
きはポンプモードで作動していたポンプ/モータがモー
タモードとして駆動されるのでポンプ/モータの回転方
向が急激に逆転するので、ポンプ/モータには大きな負
担となることが考えられる。
【0007】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、装置に異常が発生した場合にも、低コストで
エネルギ変換手段を保護できるようにした制動エネルギ
回生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の制動エネルギ回生装置は、作動流体を貯溜す
るタンクと流体圧エネルギを蓄圧する蓄圧手段との間の
流路に介装され、駆動力伝達を断接しうる断接手段を介
して連結される流体圧エネルギ変換手段を、車両制動時
にポンプ作動させて制動エネルギを流体圧エネルギに変
換して上記蓄圧手段に蓄圧する一方、車両発進及び加速
時にはモータ作動させて上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧
エネルギを発進及び加速エネルギとして利用する制動エ
ネルギ回生装置において、上記断接手段を断接制御する
制御手段と、上記制動エネルギ回生装置に異常があるか
否かを判定する異常判定手段と、上記流路における流体
圧を検出する流体圧検出手段とをそなえ、上記制御手段
は、上記異常判定手段により異常があることが検出さ
れ、且つ上記流体圧検出手段により検出された流体圧が
所定値以下のとき、上記断接手段を断状態に制御するよ
うに構成されていることを特徴としている。
【0009】なお、上記制御手段は、上記流体圧検出手
段により検出された流体圧が所定値より大きい状態であ
って、且つこの状態が上記異常判定手段により異常であ
ることが検出されてから所定時間経過した場合、上記断
接手段を断状態に制御するように構成すれば、作動流体
圧検出手段が故障していても、異常発生時に確実にエネ
ルギ変換手段を保護することができる。また、作動流体
圧検出手段の故障時に、これを発見することができ、装
置を修理する際の手間を省くことができる。
【0010】また、請求項2記載の本発明の制動エネル
ギ回生装置は、作動流体を貯溜するタンクと流体圧エネ
ルギを蓄圧する蓄圧手段との間の流路に介装され、駆動
力伝達を断接しうる断接手段を介して連結される流体圧
エネルギ変換手段を、車両制動時にポンプ作動させて制
動エネルギを流体圧エネルギに変換して上記蓄圧手段に
蓄圧する一方、車両発進及び加速時にはモータ作動させ
て上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧エネルギを発進及び
速エネルギとして利用する制動エネルギ回生装置におい
て、上記断接手段を断接制御する制御手段と、上記車両
の速度を検出する車速検出手段と、上記流路における流
体圧を検出する流体圧検出手段とをそなえ、上記制御手
段は、上記車速検出手段により検出された車速が所定値
以上であって、且つ上記流体圧検出手段により検出され
た流体圧が所定値以下のとき、上記断接手段を断状態に
制御するように構成されていることを特徴としている。
【0011】なお、上記制御手段は、上記流体圧検出手
段により検出された流体圧が所定値より大きい状態であ
って、且つこの状態が上記車速検出手段により検出され
た車速が所定値以上であることが検出されてから所定時
間経過した場合、上記断接手段を断状態にするように構
してもよい。このように構成した場合には、作動流体
圧検出手段が故障していても、車速超過時に確実にエネ
ルギ変換手段を保護することができる。また、作動流体
圧検出手段の故障時に、これを発見することができ、装
置を修理する際の手間を省くことができる利点もある。
【0012】また、請求項3記載の本発明の制動エネル
ギ回生装置は、作動流体を貯溜するタンクと流体圧エネ
ルギを蓄圧する蓄圧手段との間の流路に介装され、駆動
力伝達を断接しうる断接手段を介して連結される流体圧
エネルギ変換手段を、車両制動時にポンプ作動させて制
動エネルギを流体圧エネルギに変換して上記蓄圧手段に
蓄圧する一方、車両発進及び加速時にはモータ作動させ
て上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧エネルギを発進及び
速エネルギとして利用する制動エネルギ回生装置におい
て、上記断接手段を断接制御する制御手段と、上記制動
エネルギ回生装置に異常があるか否かを判定する異常判
定手段と、上記車両の速度を検出する車速検出手段と、
上記流路における流体圧を検出する流体圧検出手段とを
そなえ、上記制御手段は、上記異常判定手段により異常
があることが検出されるとともに上記流体圧検出手段に
より検出された流体圧が所定値以下の場合、又は、上記
車速検出手段により検出された車速が所定値以上であっ
て上記流体圧検出手段により検出された流体圧が所定値
以下の場合、上記断接手段を断状態に制御するように構
成されていることを特徴としている。
【0013】また、上記制御手段は、上記流体圧検出手
段により検出された流体圧が所定値より大きい状態であ
って、且つこの状態が上記異常判定手段により異常であ
ることが検出されてから所定時間経過した場合、又は上
記流体圧検出手段により検出された流体圧が所定値より
大きい状態であって、且つこの状態が上記車速検出手段
により検出された車速が所定値以上であることが検出さ
れてから所定時間経過した場合に、上記断接手段を断状
態に制御するように構成してもよい。このように構成し
た場合には、作動流体圧検出手段が故障していても、異
常発生時や車速オーバ時に確実にエネルギ変換手段を保
護することができる。また、作動流体圧検出手段の故障
時に、これを発見することができ、装置を修理する際の
手間を省くことができる利点もある。
【0014】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の制動エネルギ回
生装置では、異常判定手段により制動エネルギ回生装置
に異常があると判定されると、制御手段では、作動流体
圧検出手段からの情報に基づいて蓄圧手段と流体圧エネ
ルギ変換手段との間の作動流体圧が所定値より小さいか
どうかを判断する。そして、この作動流体圧が所定値よ
り小さいと判断すると、制御手段により断接手段が断状
態に制御される。これにより、流体圧エネルギ変換手段
に大きな流体圧が加わることなく制動エネルギ回生装置
の作動が中止されるのでエネルギ変換手段が保護され
る。
【0015】
【0016】上述の請求項記載の本発明の制動エネル
ギ回生装置では、車速検出手段からの情報に基づいて車
両の速度が所定値以上であると判定されると、制御手段
では、作動流体圧検出手段からの情報に基づいて蓄圧手
段と流体圧エネルギ変換手段との間の作動流体圧が所定
値より小さいかどうかを判断する。そして、この作動流
体圧が所定値より小さいと判断すると、制御手段により
断接手段が断状態に制御される。これにより、エネルギ
変換手段に大きな流体圧が加わることなく制動エネルギ
回生装置の作動が中止されるのでエネルギ変換手段が保
護される。
【0017】
【0018】上述の請求項記載の本発明の制動エネル
ギ回生装置では、異常判定手段により制動エネルギ回生
装置に異常があると判定されるか、又は車速検出手段か
らの情報に基づいて車両の速度が所定値を超過している
と判定されると、制御手段では、作動流体圧検出手段か
らの情報に基づいて蓄圧手段とエネルギ変換手段との間
の作動流体圧が所定値より小さいかどうかを判断する。
そして、この作動流体圧が所定値より小さいと判断する
と、制御手段により断接手段が断状態に制御される。こ
れにより、エネルギ変換手段に大きな流体圧が加わるこ
となく制動エネルギ回生装置の作動が中止されるのでエ
ネルギ変換手段が保護される。
【0019】
【0020】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の制動エネルギ回生装置について説明すると、図1はそ
の全体構成を示す模式図、図2はその制御系の構成を示
す模式的なブロック図、図3,図4はその異常発生時の
制御手順を説明するためのフローチャート、図5〜図7
はその通常作動時のうち制動エネルギを流体圧エネルギ
に変換するポンプモードの制御手順を説明するためのフ
ローチャート、図8〜図11はその通常作動時のうち流
体圧エネルギを発進エネルギ又は加速エネルギに変換す
るモータモードの制御手順を説明するためのフローチャ
ート、図12はそのポンプ/モータのポンプ容量を決定
する信号値の特性を示すマップ、図13はそのアクセル
開度判別値の特性を示すマップ、図14はそのポンプ/
モータのモータ容量を決定する信号値の特性を示すマッ
プである。
【0021】まず、図1を用いて制動エネルギ回生装置
の全体構成について説明する。図1に示すように、この
制動エネルギ回生装置をそなえた車両では、エンジン1
からの回転駆動力はクラッチ2を介してトランスミッシ
ョン3に入力され、トランスミッション3の出力軸13
は、駆動軸10の差動装置106に接続されている。そ
して、この駆動軸10により駆動輪WR が駆動されるよ
うになっている。
【0022】また、制動エネルギ回生装置は、蓄圧手段
としてのピストン型アキュムレータ20,低圧作動油タ
ンク30,エネルギ変換手段としての斜板式可変容量ア
キシャルピストン型ポンプ/モータ40,ギアボックス
50,制御手段としてのコントロールユニット(以下、
これをECUという)60等をそなえており、駆動軸1
2を介して上述の差動装置106に接続されている。
【0023】アキュムレータ20は、高圧油路P1を介
してポンプ/モータ40の第1ポート40aに接続され
ており、ポンプ/モータ40の第2ポート40bは低圧
油路P2を介して低圧作動油タンク30に接続されてい
る。アキュムレータ20は、その内部が移動可能なピス
トン21によりガス室22と作動油室23とに区画さ
れ、ガス室22には所定圧のガス(例えば窒素ガス等)
が封入されており、作動油室23には作動流体としての
作動油が蓄圧されるようになっている。
【0024】高圧油路P1には、アキュムレータ20側
から順に遮断弁24及びアンロード弁(ノーマルオープ
ン)25が配設されている。遮断弁24は、電磁パイロ
ット操作弁であり、通常はポンプ/モータ40からアキ
ュムレータ20へ向かう作動油の流れを許容し、逆方向
の流れを阻止する逆止弁として機能するものであるが、
ECU60からの遮断弁信号D2が遮断弁24に入力さ
れると、アキュムレータ20側からポンプ/モータ40
側への作動油の流れを許容するようになっている。
【0025】電磁式のアンロード弁25は、ECU60
からのアンロード弁信号D3により作動するものであ
り、このアンロード弁信号D3がアンロード弁25に入
力されるとアンロード弁25がONの状態、すなわち弁
閉状態となるようになっている。また、このアンロード
弁25は、通常時の弁開状態のときは、高圧油路P1と
低圧作動油タンク30とを直接接続する油路P3を開通
させて、高圧油路P1内の残圧をタンク30に逃がすよ
うになっている。
【0026】さらに、高圧油路P1には、遮断弁24よ
りポンプ/モータ40側の作動油圧を検出するための吐
出圧センサ(作動流体圧検出手段)89が設けられてお
り、この吐出圧センサ89は、アキュムレータ20とポ
ンプ/モータ40との間の作動流体圧を検出する作動流
体圧検出手段として機能するようになっている。そし
て、この吐出圧センサ89により検出された吐出圧は、
吐出圧信号PHYとしてECU60に出力されるようにな
っている。
【0027】また、アキュムレータ20には、前述した
ピストン21の位置を検出してピストン位置信号LP を
出力するピストン位置センサ87と、アキュムレータ2
0内の作動油の油圧を検出して蓄圧信号PACを出力する
蓄圧センサ88とが設けられており、これらの2つの信
号によりECU60においてアキュムレータ20内の蓄
圧状態が判断されるようになっている。
【0028】ポンプ/モータ40は、ギアボックス50
を介して駆動軸12に接続されており、駆動輪WR から
入力された制動エネルギが駆動軸12とギアボックス5
0とを介してポンプ/モータ40に伝達され、逆にポン
プ/モータ40の発進/加速エネルギは、ギアボックス
50から駆動軸12,差動装置106を介して駆動輪W
R に伝達される。
【0029】ギアボックス50は、一対の歯車50a,
50bと断接手段としてのドグクラッチ51とから構成
されており、一対の歯車50a,50bは駆動軸12の
回転を増速してポンプ/モータ40に伝達するようにな
っている。また、駆動軸12とポンプ/モータ40との
連結はドグクラッチ51によって断接されるようになっ
ている。
【0030】ポンプ/モータ40は、上述したように斜
板式可変容量アキシャルピストン型のポンプ/モータで
あって、ギアボックス50の出力軸に接続された駆動軸
40eと、これと一体に回転する複数のシリンダ40f
と、これらのシリンダ40fにそれぞれ嵌挿されるピス
トン40cと、駆動軸40eの回転に伴ってピストン4
0cを往復運動させる斜板40dとから構成されてお
り、駆動軸40eに対する斜板40dの角度(以下、こ
の角度を傾転角という)を制御することによって、ポン
プ/モータ40の容量が設定されるようになっている。
【0031】斜板40dの傾転角は、図1に示す傾転シ
リンダ41の作用により可変制御されるようになってい
る。この傾転シリンダ41は、斜板40dに直接連結さ
れたピストン41aと、ピストン41aの両側に形成さ
れたチャンバ41b,41cとから構成されており、一
方のチャンバ(例えばチャンバ41b)に後述するパイ
ロット油圧源43からパイロット油圧が供給されると、
斜板40dがポンプ作動側に駆動され、ポンプ/モータ
40がポンプモードで作動するのである。また、これと
同様に、他方のチャンバ(チャンバ41c)にパイロッ
ト油圧が供給されると、斜板40dがモータ作動側に駆
動され、ポンプ/モータ40がモータモードで作動する
ようになっている。
【0032】パイロット油圧源43は、電動モータ等に
より駆動されるオイルポンプや調圧弁等から構成され、
所定圧のパイロット油圧を発生させるものである。この
油圧源43と傾転シリンダ41との間には、フィルタ4
5,電磁式2ポート切換弁44,比例電磁弁42が配設
され、これらはパイロット油圧源43から傾転シリンダ
41へのパイロット油圧の供給圧を制御するパイロット
油圧制御回路として構成されている。また、この比例電
磁弁42は、ポンプ/モータ40をポンプモードとモー
タモードとに切り換えうる切換手段として構成されてお
り、切換弁44は、ECU60からの駆動信号D1によ
って、パイロット油路P4の連通又は遮断を行なうよう
になっている。
【0033】比例電磁弁42の一方のソレノイド(例え
ばソレノイド42a)に制御信号ELPが伝達される
と、この信号値ELPに応じたデューティ比で比例電磁
弁42が駆動され、傾転シリンダ41のポンプモード側
のチャンバ41bにパイロット油圧が供給されるように
なっている。これにより、シリンダ41内のピストン4
1aが駆動されて斜板40dの傾転角が可変制御される
のである。また、他方のソレノイド42bに制御信号E
LMが伝達されると、この信号値ELMに応じたデュー
ティ比で比例電磁弁42が駆動され、傾転シリンダ41
のモータモード側のチャンバ41cにパイロット油圧が
供給されるようになっている。
【0034】したがって、ポンプ/モータ40のポンプ
モード時には、このポンプ/モータ40内の斜板40d
が傾転シリンダ41によりポンプ作動側に駆動され、作
動油は作動油タンク30からフィルタ38を介してポン
プ/モータ40に吸い上げられ、油路P1を介してアキ
ュムレータ20に蓄圧される。また、ポンプ/モータ4
0のモータモード時には、このポンプ/モータ40内の
斜板40dが傾転シリンダ41によりモータ作動側に駆
動され、作動油はポンプ作動時とは逆方向に、アキュム
レータ20から油路P1を介してポンプ/モータ40に
流れ、モータ40を駆動することで低圧になった作動油
は油路P2,フィルタ38を介して作動油30へ蓄えら
れる。
【0035】なお、作動油タンク30は、電磁式の2ポ
ート弁33,減圧弁35,エアドライヤ36を介して加
圧エアタンク31に接続されるとともに、電磁式の3ポ
ート切換弁34を介してサブエアタンク32に接続され
ており、これらは、作動油タンク30へのエア圧力供給
回路を構成している。切換弁34は、ECU60から駆
動信号D7が伝達されると作動して、サブエアタンク3
2と作動油タンク30とを連通させる位置に切り換えら
れる。そして、サブエアタンク32と作動油タンク30
とが連通することによって、サブエアタンク32内に一
部保留されていたエアが作動油タンク30に流入する。
このようにして、作動油タンク30の作動油量の変動に
合わせて、タンク30内のエアの補給又は吸収を行な
い、作動油タンク30内のエア圧の安定化を図るように
なっている。
【0036】一方、ECU60からの駆動信号D7が断
たれると、切換弁34は、大気開放位置に切り替わり、
作動油タンク30内の圧力を大気中に開放して、タンク
30内を大気圧にするようになっている。また、切換弁
33は、ECU60からの駆動信号D6によって作動
し、これにより、エアタンク31と作動油タンク30と
が連通するようになっている。そして、エアタンク31
と作動油タンク30とが連通すると、エアタンク31内
に蓄えられた高圧エアが作動油タンク30内に供給さ
れ、タンク30内の作動油が所定圧に加圧されてポンプ
/モータ40の作動が安定した状態に保たれるのであ
る。
【0037】ポンプ/モータ40や油圧経路内嵌合部
(オイルシール)等から漏れる作動油は、ドレーンタン
ク39へ還流するようになっている。ドレーンタンク3
9は、ポンプ59及び電磁式2ポート切換弁98A,9
8Bを介して作動油タンク30に接続されており、ドレ
ーンタンク39内の作動油が所定量に達すると、ポンプ
59及び切換弁98Aを駆動して不足する作動油を作動
油タンク30に補充するようになっている。
【0038】作動油タンク30には、作動油レベルセン
サ90と油温センサ91が設けられており、これらのセ
ンサ90,91により、それぞれ作動油レベル信号LOI
L ,油温信号TOIL が検出されるようになっている。そ
して、ECU60ではこれらの信号LOIL ,TOIL に基
づいて、作動油が正常な状態であるかどうかを判断し、
回生装置の作動状態を規制することで、ポンプ/モータ
40の焼き付き等による装置の破損を防止している。
【0039】前述したドグクラッチ51は、エア圧によ
って断接駆動されるものであって、ドグクラッチ51に
は、高圧エアが蓄えられたエアタンク52が接続されて
いる。また、ドグクラッチ51とエアタンク52との間
には、クラッチ接(接続)用の電磁式3ポート切換弁
(ドグクラッチ接弁)53及びクラッチ断(切離し)用
の電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ断弁)54が設
けられており、これらの切換弁53,54によりドグク
ラッチを断接駆動するための操作手段55が構成されて
いる。
【0040】クラッチ接用の切換弁53は、ECU60
から駆動信号D8を受けると作動する電磁弁であって、
切換弁53が作動すると、エアタンク52内の高圧エア
がドグクラッチ51に供給され、これによりドグクラッ
チ51は接続状態に制御される。また、クラッチ断用の
切換弁54は、ECU60からの駆動信号D9を受ける
と作動する電磁弁であって、切換弁54が作動すると、
ドグクラッチ51は切離し状態になる。
【0041】ドグクラッチ51には、ドグクラッチ断接
センサ92が設けられており、ドグクラッチ51の断接
状態を検出して、その検出信号DCLをECU60に伝
達するようになっている。また、ドグクラッチ51の出
力軸には、ポンプ/モータ40の回転数を検出する回転
数センサ93が設けられており、この回転数センサ93
により得られた回転数信号NP をECU60に伝達する
ようになっている。
【0042】また、ECU60には、ブレーキ圧センサ
70が接続されており、ブレーキペダル100の踏込量
に応じて発生するブレーキ圧PBKが検出されるようにな
っている。そして、ECU60は、吐出圧センサ89に
より検出された吐出圧信号PHYの大きさと上述のブレー
キ圧PBKの大きさとを、それぞれの所定値と比較するこ
とによって、ポンプ/モータ40のポンプ作動による蓄
圧制動力と通常のサービスブレーキとの作動切換制御を
行なうようになっている。
【0043】ところで、この車両のエンジン1はディー
ゼルエンジンであって、エンジン1には、燃料噴射装置
5がそなえられている。そして、エンジン1では、燃料
噴射装置5に接続された電子ガバナコントロールユニッ
ト67からの制御信号に基づいて、通常の燃料噴射制御
が行なわれるとともに、後述するECU60からのラッ
ク制限信号Rにしたがって燃料噴射制限(ラック制限)
が行なわれるようになっている。
【0044】この燃料噴射制限(ラック制限)は、ポン
プ/モータ40のモータ作動による出力とエンジン1に
よる出力との和が、通常のエンジン1だけによる最大駆
動トルクに対応する出力以上にならないようにエンジン
1側の出力制御を行なうものである。なお、ガバナコン
トロールユニット67では、エンジン回転数NE を検出
し、この信号NE をECU60へ出力するようになって
いる。
【0045】また、この車両のトランスミッション3
は、フィンガーコントロールタイプのトランスミッショ
ンであって、フィンガーコントロールトランスミッショ
ンコントロールユニット(以下、単にTCUという)3
Aを有している。ここで、フィンガーコントロールトラ
ンスミッションとは、遠隔操作式の変速機装置であっ
て、トランスミッション3に変速段の噛合状態を変更す
るアクチュエータ(図示省略)等を設けて、このアクチ
ュエータを例えば電気信号等で制御することにより変速
段を変更するようなものである。そして、ドライバから
変速段の変更要求があると(具体的には、ドライバがシ
フトレバーを操作すると)、このTCU3Aにより、複
数のアクチュエータの作動が制御されて、トランスミッ
ション3の変速段が所望の変速段に制御されるようにな
っている。
【0046】そして、このトランスミッション3には、
車速センサ83,T/Mリバースセンサ84,T/Mニ
ュートラルセンサ85が設けられており、それぞれ車速
信号V,T/Mリバース信号TMR,T/Mニュートラ
ル信号TMNを検出して、これらの信号をECU60へ
出力するようになっている。次に、ECU60について
簡単に説明すると、ECU60には、図示はしないが、
プロセッサ,メモリ,入出力インタフェース等がそなえ
られている。このECU60の入力側には、図2に示す
ように、メインスイッチ64,ダイアグスイッチ65,
アクセル開度センサ61,エンジンクラッチ断接センサ
62及び前述した各種のセンサ類(車速センサ83,T
/Mリバースセンサ84,T/Mニュートラルセンサ8
5,ピストン位置センサ87,蓄圧センサ88,吐出圧
センサ89,作動油レベルセンサ90,油温センサ9
1,ドグクラッチ断接センサ92,回転数センサ93)
が接続されている。
【0047】ここで、メインスイッチ64は、電源のオ
ンオフ状態信号を検出するものであり、ダイアグスイッ
チ65は、回生装置等のエラー(異常)時にエラーコー
ドを読み出して、このエラーコードに応じて後述のダイ
アグランプ69を点滅させる指令信号を出力するもので
ある。また、アクセル開度センサ61は、アクセルペダ
ル104に連動しアクセルペダル104の踏込量(又は
アクセル開度)を検出するものであり、エンジンクラッ
チ断接センサ62は、クラッチペダル105に連動し
て、エンジン1とトランスミッション3との間のクラッ
チ(エンジンクラッチ)2の断接状態を検出するもので
ある。なお、このクラッチ断接センサ62は、クラッチ
2の断接の判断(ONかOFFかの判断)のみならず半
クラッチ状態をも検出できるものである。
【0048】さて、本発明にかかる制動エネルギ回生装
置では、ECU60内に異常判定手段60A,速度超過
判定手段60B及び異常時制御手段60Cが設けられて
いる。ここで、この異常判定手段60Aは、ECU60
に接続された各種センサ類からの情報に基づいて、制動
エネルギ回生装置に異常が生じるとこれを判定するもの
である。
【0049】そして、異常判定手段60Aにより装置の
異常が検出されて、ECU60において装置を保護すべ
く装置の作動を中断する必要があると判断されると、異
常時制御手段60Cでは、ドグクラッチ51を切り離す
制御を実行することにより装置の作動が中断されるよう
になっている。このとき、異常時制御手段60Cでは、
吐出圧センサ89からの情報に基づいて、アキュムレー
タ20とポンプ/モータ40との間の油圧が所定値以下
であると判断されると、ドグクラッチ51を切断状態に
すべく操作手段55が制御されるようになっている。
【0050】ここで、吐出圧センサ89からの油圧情報
をモニタリングしているのは、アキュムレータ20とポ
ンプ/モータ40との間の油圧が所定圧以上の高圧時に
ドグクラッチ51を断状態にして装置と車両の駆動系と
を切り離してしまうと、上述の高圧作動油により無負荷
状態のポンプ/モータ40に急激に回転駆動力が加わ
り、ポンプ/モータ40が破損してしまうことが考えら
れるためである。
【0051】したがって、装置の異常発生により装置の
作動を中断する時は、ECU60内の異常時制御手段6
0Cにおいて、アキュムレータ20とポンプ/モータ4
0との間の油圧が所定値(例えば、50kg/cm2
以下であると判断した場合に、操作手段55のクラッチ
断用切換弁54に駆動信号D9が設定され、操作手段5
5は、この制御信号D9にしたがってドグクラッチ51
を切り離し駆動することによりポンプ/モータ40を保
護しながら装置全体の作動を中断することができるので
ある。
【0052】ところで、装置の異常発生時に吐出圧セン
サ89が故障していると、実際はアキュムレータ20と
ポンプ/モータ40との間の油圧が十分低下しているに
も関わらず、ECU60では、油圧が所定値以上である
と判断してしまうことが考えられる。この場合は、異常
判定手段60Aで装置の異常が検出されても、ドグクラ
ッチ51を切り離す制御信号D9が設定されずに、制動
エネルギ回生装置と車両の駆動軸12とが接続状態に保
持されてしまい、かえって装置の保護を妨げてしまう。
【0053】そこで、異常判定手段60Aにより装置の
異常が検出されてから所定時間(例えば、60秒)経過
しても作動油圧が所定値以下に低下しない場合は、吐出
圧センサ89が故障していると見做して、異常時制御手
段60Cはドグクラッチ51を断状態にするように操作
手段55を制御するのである。次に、速度超過判定手段
60Bについて説明する。
【0054】この速度超過判定手段60Bでは、車速セ
ンサ83からの車速情報Vに基づいて車両の速度が所定
値をより大きいかどうかを判断するものである。即ち、
速度超過判定手段60Bでは、ECU60のメモリ部に
予め入力された所定値V1 と車速センサ83からの車速
情報Vとを比較して、車速Vが所定値V1 より大きい場
合は、車速が所定値をオーバ(超過)したと判断するよ
うになっている。
【0055】そして、速度超過判定手段60Bにより車
両の速度Vが所定値V1 をオーバしていると判定する
と、異常時制御手段60Cでは、ドグクラッチ51を切
り離して装置の作動を中断するようになっている。この
とき、異常時制御手段60Cでは、上述の異常検出と同
様に、吐出圧センサ89からの情報に基づいて、アキュ
ムレータ20とポンプ/モータ40との間の油圧が所定
値以下であると判断されると、ドグクラッチ51を切断
状態にすべく操作手段55が制御されるようになってい
る。
【0056】また、車速超過判断時から所定時間(例え
ば、60秒)経過しても作動油圧が所定値以下に低下し
ない場合は、吐出圧センサ89が故障していると見做し
て、異常時制御手段60Cはドグクラッチ51を断状態
にするようになっている。なお、車速超過判断時にドグ
クラッチ51を切り離すのは、ポンプ/モータ40の過
回転による損傷を防止するためである。つまり、ポンプ
/モータ40の許容回転速度を越えた領域でドグクラッ
チを接状態にしておくと、ポンプ/モータ40が焼きつ
くおそれがあり、車速が所定値を越えるとドグクラッチ
51を切り離してポンプ/モータ40を保護するように
なっているのである。
【0057】一方、ECU60の出力側には、前述した
各種電磁切換弁が接続されているほか、各種インジケー
タ類が接続されている。インジケータ類には、アキュム
レータ20のピストンセンサ87からのピストン位置信
号LP と蓄圧センサ88からの蓄圧信号PACとに基づい
て蓄圧量を表示する蓄圧インジケータ66、ドグクラッ
チ断接センサ92からのドグクラッチ断接信号DCLに
基づいて制動エネルギ回生装置が作動中であることを表
示する回生ランプ68、ダイアグランプ69等がある。
【0058】回生ランプ68は、制動エネルギ回生装置
が作動状態にあると点灯し、不作動状態になると消灯し
て、ドライバに制動エネルギ回生装置の状態を知らせる
ものである。また、ECU60では、ダイアグスイッチ
65からの信号に基づいてエラーコードを判定するよう
になっており、回生ランプ68は、このエラーコードの
出力表示も行なうようになっている。また、ダイアグラ
ンプ69は、エンジン1やこの制動エネルギ回生装置の
異常をドライバに知らせるためのものであって、異常判
定手段60Aにより装置の異常が検出されると、ダイア
グランプ69を点灯させてこれをドライバに知らせるよ
うになっている。さらに、ECU60では、ドグクラッ
チ51を切離し作動させるための駆動信号D9とドグク
ラッチ断接センサ92からのドグクラッチ断接信号DC
Lとのマッチング確認を行なっており、ダイアグランプ
69は、このマッチングが確認できない場合に点灯さ
れ、ドグクラッチ51系に異常があり、車両が走行困難
であることをドライバに知らせるようになっている。
【0059】本発明の一実施例としての制動エネルギ回
生装置は上述のように構成されているので、例えば制動
エネルギ回生装置の異常発生時には、図3,図4に示す
ような処理制御を実行することにより本装置のポンプ/
モータ40が保護され、また、装置の通常作動時は、図
5〜図11に示すようなフローチャートにしたがって制
動エネルギの回生動作が行なわれる。
【0060】ここでは、制動エネルギ回生装置の異常発
生時の制御を説明する前に、制動エネルギ回生装置の通
常時(正常時)の動作について説明する。制動エネルギ
回生装置の通常時の動作としては、制動エネルギを蓄圧
して流体圧エネルギに変換する制動時のポンプ制御(ブ
レーキ制御)と、この流体圧エネルギを運動エネルギに
変換して駆動力をアシストする駆動時のモータ制御とが
あるが、まず、図5〜図7に示すポンプ制御について説
明する。
【0061】まず、ステップS10で、ECU60によ
りドグクラッチ断接センサ92からのドグクラッチ断接
信号DCLに基づいてドグクラッチ51がON(接)か
OFF(断)かが判別される。ステップS10での判別
結果がOFF(断)であれば図7のステップS20に進
み、このステップS20において、ECU60により比
例電磁弁42への傾転角制御信号値ELPがゼロ(EL
P=0)に設定される。これにより、パイロット油圧限
43からのパイロット油圧が遮断された状態に保持さ
れ、傾転角シリンダ41のピストン41aも中立位置に
保持される。そして、ポンプ/モータ40の斜板40d
の傾転角度をゼロに保持することによって、ポンプ/モ
ータ40は、ポンプとして機能しないことになる。
【0062】そして、ステップS20を実行後、ステッ
プS21に進む。このステップS21では、切換弁44
への駆動信号D1が断たれ、切換弁44が弁閉状態に保
持される。次にステップS22に進んで、アンロード弁
(ノーマルオープン)25へのアンロード弁信号D3の
出力が断たれる。これにより、このアンロード弁25が
弁開状態に制御され、高圧油路P1と低圧作動油タンク
30とが連通状態に保持される。
【0063】次にステップS23に進み、ECU60
は、フラグf1を0(f1=0)に設定し、これにより
ポンプ制御が実施されていないことを記憶する。なお、
ポンプ制御時に回生装置の異常が検出され、後述するよ
うな異常発生時制御(エラー時制御)が実行されてドグ
クラッチ51が切り離されるような場合には、ステップ
S10の判断により、ステップS20以下が実行され、
ポンプ制御を中止することになる。
【0064】図5のステップS10において、判別結果
がON(接続)状態であれば、ステップS11に進む。
ステップS11では、ECU60により、トランスミッ
ション3が後退ギア(リバースギア)であるか否かが、
T/Mリバース信号TMRにより判別され、判別結果が
YES、つまり後退ギア段位置であれば前述した図7の
ステップS20以下を実行し、ポンプ制御を行なわない
ように制御される。
【0065】また、判別結果がNO、つまり車両前進ギ
ア段位置(ニュートラルを含む)であればステップS1
2に進む。ステップS12では、ECU60により、車
両が停止しているか否かが判別される。この判別は、車
速信号Vと所定値XV0(例えば、XV0=1km/h)と
を比較することにより行なわれ、V≦XV0であれば、車
両が停止しているとしてステップS20以下を実行し、
ポンプ制御が行なわれない。一方、判別結果がV>XV0
であればステップS13を実行する。
【0066】ステップS13では、ECU60により、
ドライバがブレーキペダル100を踏んでいるか否か
が、ブレーキ圧センサ70からのブレーキ圧信号PBKに
基づいて判断される。そして、ブレーキ圧PBK<XPB
(例えば、XPB=0.2kgf/cm2 )であれば、ブ
レーキペダル100を踏んでいない状態と見做して、ス
テップS20に進み、ポンプ制御は行なわれない。一
方、判別結果がPBK≧XPBであれば、エネルギを回生す
べき運転条件がすべて成立したと判断して、ステップS
14を実行する。
【0067】ステップS14では、ECU60により、
ポンプ/モータ40の斜板40dの傾転角制御信号値E
LPを設定するサブルーチンが実行される。そして、こ
の信号値ELPにより、ポンプ/モータ40のポンプモ
ード時のポンプ容量が決定する。ELP値の設定方法と
しては、例えば図12に示すようなマップをECU60
に設け、ブレーキ圧PBKに応じた値を算出し、さらにこ
の値を、作動油タンク30の油温センサ91により検出
された油温TOIL ,車速センサにより検出された車速
V,蓄圧センサ88により検出されたアキュムレータ2
0の蓄圧量PAC等により適宜補正して適当な値に設定す
ることが考えられる。
【0068】次に、図6に示すステップS15に進ん
で、このステップS15では、上述のように設定された
信号値ELPに対応する制御信号が比例電磁弁42に出
力され、ポンプ/モータ40の傾転角が信号値ELPに
対応する角度に設定され、この後ステップS16に進
む。ステップS16では、切換弁44に駆動信号D1が
出力されて、弁開状態に制御され、傾転シリンダ41に
パイロット油圧が供給される。次に、ステップS17に
進み、高圧油路P1と低圧作動油タンク30との間のア
ンロード弁(ノーマルオープン)25がアンロード弁信
号D3によりON(弁閉状態)に制御され、高圧油路P
1の圧力が低圧作動油タンク30に逃げないように遮断
される。
【0069】さらに、ステップS18では、ポンプ/モ
ータ40がポンプモードとして作動中であることを記憶
するためにフラグf1を1(f1=1)に設定する。こ
のようにして、ポンプ/モータ40の傾転角が比例電磁
弁42への制御信号値ELPに対応する角度に設定され
ると、ポンプ/モータ40はポンプとして作動し、作動
油タンク30の作動油が吸い込まれて、アキュムレータ
20に蓄圧される。
【0070】以上のポンプ制御では、ドライバのブレー
キペダル100の踏込量に応じてポンプ/モータ40の
容量が設定されることになり、これによりポンプ/モー
タ40がブレーキペダル100の踏込量に応じた仕事を
して、制動エネルギが回生されることになる。次に、制
動エネルギ回生装置の通常時の動作のうち、モータ制御
について説明すると、図8〜図11は、車両の発進時又
は加速時(発進/加速)のモータ制御の制御処理を示す
フローチャートの一例である。
【0071】まず、ポンプ/モータ40をモータモード
に設定する前に、ステップS30〜ステップS40おい
て、ECU60によりモータ制御を実行しても良いか否
かが判断される。最初に、ステップS30では、ブレー
キ圧信号PBKと所定圧XPBとが比較され、ドライバが車
両を発進させる意図があるかどうか判断される。ここ
で、ブレーキ圧PBKが所定圧XPB以上の場合、即ちPBK
≧XPBであれば、ブレーキペダルが十分に踏み込まれて
いると判断されて、後述する図11のステップS50以
下が実行され、モータ制御を行なわないように制御され
る。また、判断結果がPBK<XPBの場合は、次にステッ
プS31に進む。
【0072】ステップS31では、ECU60により、
ポンプ/モータ40がポンプモードで作動中か否かが判
断される。これは、フラグf1を判定することにより判
断され、フラグf1=1のときはポンプ/モータ40が
ポンプモードで作動中であると判断してYESルートを
通り、後述する図11のステップS50以下を実行し、
モータ制御が行なわれない。また、フラグf1=0のと
きはポンプモードでないと判断してNOルートを通り、
ステップS32に進む。
【0073】ステップS32では、ドグクラッチ断接セ
ンサ92がON(接)かOFF(断)かがドグクラッチ
断接信号DCLに基づいて判断され、OFF(断)であ
れば、図11のステップS50に進み、モータ制御は実
行されない。なお、ポンプ制御でも説明したが、回生装
置の異常が検出され、後述するエラー時制御が実行され
てドグクラッチ51が切断される場合には、ステップS
32の判断によりモータ制御を実行しないことになる。
一方、判別結果がON(接)であれば、次にステップS
33に進む。
【0074】ステップS33では、トランスミッション
3の変速段が後退ギア段(リバース)であるか否かがT
/Mリバース信号TMRにより判断され、変速段が後退
ギア段(リバース)であればYESルートを通って図1
1のステップS50に進み、モータ制御は実行されな
い。また、判断結果がNOであれば、次にステップS3
4に進む。
【0075】そして、ステップS34では、トランスミ
ッション3の変速段がニュートラルであるか否かがT/
MニュートラルTMNに基づいて判断される。ここで、
変速段がニュートラルであると判断されると、ドライバ
には、車両を発進させる意図がないと判断され、YES
ルートを通って図11のステップS50に進みモータ制
御が行なわれない。また、変速段がニュートラルではな
いと判断されると、次に、ステップS35に進む。
【0076】ステップS35では、クラッチ断接センサ
62のクラッチ断接信号CL1に基づいて、クラッチ2
が接状態か断状態かが判断される。そして、クラッチ2
が断状態であれば、トランスミッション3がニュートラ
ルのときと同様に、モータ制御を行なわない。一方、ク
ラッチ2が接状態(半クラッチ状態を含む)であると判
断されると、図9に示すステップS36に進む。
【0077】ステップS36では、ピストン位置センサ
87からのピストン位置信号LP に基づいて、アキュム
レータ20に作動油が満たされているかどうかが、判断
される。ピストン位置信号LP がOFFのときはアキュ
ムレータ20には作動油が蓄圧されていないと判断し
て、このような場合には、図11のステップS50に進
み、モータ制御が実行されない。また、ピストン位置信
号LP がONのときは、アキュムレータ20に作動油が
蓄圧されていると判断して、次にステップS37に進
む。
【0078】ステップS37では、車速信号Vに基づい
て、車速Vが所定値XV2(例えば、65km/h)以下
であるかが判断される。車速Vが所定値XV2より大(V
>XV2)であれば、ポンプ/モータ40の許容能力を越
えていると判断し、ポンプ/モータ40の破損を防止す
るために、図11のステップS50に進み、モータ制御
が実行されない。また、車速Vが所定値XV2以下(V≦
XV2)であれば、ステップS38に進む。
【0079】ステップS38では、ステップS37と同
様に車速Vを所定値XV1(例えば、5km/h)と比較
して、車速Vが所定値XV1より小(V<XV1)の場合
は、ステップS39に進み、車速Vが所定値XV1以上
(V≧XV1)の場合は、ステップS40に進む。そし
て、ステップS39では、クラッチ断接センサ62から
のクラッチ断接信号CL1に基づいて、クラッチ2が完
全に接続されているか半クラッチであるかが判断され
る。ここで、ステップS38の判別により、車速Vが所
定値XV1より小であるにもかかわらず、クラッチ2が完
全に接続されていると判断されるような場合には、クラ
ッチ断接センサ62や車速センサ83等に何等かの異常
があると判断し、図11のステップS50に進み、安全
上モータ制御を行なわないように制御される。また、ク
ラッチ断接信号CL1が半クラッチ状態を示す場合に
は、ステップS40に進む。
【0080】ステップS40では、アクセル開度センサ
61からのアクセル開度信号Lθに基づいて、アクセル
開度が判別値Xθ1 より大きいか否かが判断される。上
述の判別値Xθ1 は、車速Vに応じて設定されるもので
あって、図13に示すようなマップにしたがって設定さ
れる。そして、アクセル開度Lθが判別値Xθ1 より小
さい場合(即ち、Lθ<Xθ1 )の場合には、ECU6
0では、車両を加速させるべき状態ではないと判断し
て、図11のステップS50に進んで、モータ作動を行
なわないように制御される。
【0081】また、アクセル開度Lθが判別値Xθ1 よ
り大きい場合(即ち、Lθ≧Xθ1)には、モータ制御
により駆動力をアシストすべき運転条件がすべて成立し
たと判断してステップS41に進んでモータ制御を開始
する。ここで、モータ制御を実行しない場合の制御につ
いて説明すると、ECU60では、図11のステップS
50において比例電磁弁42の傾転角制御信号値ELM
をゼロ(ELM=0)に設定してこれを出力する。これ
により、シリンダ41のピストン41aは中立位置に保
持され、斜板式可変容量アキシャルピストン型ポンプ/
モータ40の斜板40dの傾転角度がゼロになるので、
ポンプ/モータ40はモータとして機能しない状態とな
る。
【0082】次に、ステップS51では、ECU60に
よりパイロット油圧の給排制御を行なう切換弁44の駆
動信号D1が断たれて、弁閉状態に制御される。そし
て、ステップS52では、遮断弁信号D2を断つことに
より、ポンプ/モータ40のモータモード作動時にON
(弁開状態)である遮断弁24がOFF(弁閉状態)に
制御され、アキュムレータ20からのポンプ/モータ4
0への作動油の流れが遮断される。
【0083】次に、ステップS53では、アンロード弁
信号D3の出力を停止してアンロード弁25をOFF
(弁開状態)として、高圧油路P1と低圧作動油タンク
30を連通させる。また、ステップS54では、モータ
作動時にエンジン1に対して出力されていたラック制限
信号R(これについては後述する)が断たれる。また、
ステップS55では、ラック制限信号Rと同様に、エン
ジン1に対して出力されていたラック制限有効信号RE
が断たれる。最後にステップS56で、フラグf2が0
(f2=0)に設定され、これにより、モータ制御が実
行されていないことを記憶する。
【0084】ところで、図9のステップS41の実行に
よりモータ制御が開始されると、ECU60により、ポ
ンプ/モータ40の斜板40dの傾転角制御信号値EL
Mを設定するサブルーチンが実行される。信号値ELM
の設定方法について説明すると、ECU60メモリに
は、例えば図14に示すようなELMマップが記憶され
ており、このELMマップから、アクセル開度Lθ及び
車速V(車速Vに代えてエンジン回転数NE でもよい)
に基づいて、基準値(XM0,XM1,・・・)が設定され
る。
【0085】次に、油温センサ91で検出された作動油
タンク30の油温に応じた補正係数K2 を求め、ELM
基準値を補正する(ELM基準値×K2 )。これにより
最適な傾転角制御信号値ELMが算出される。なお、ア
クセル開度Lθによって傾転角制御信号値ELMを変化
させるのは、通常のエンジン1だけによる発進及び加速
時るアクセル操作のレスポンスと同様のレスポンスが得
られるように、ポンプ/モータ40のモータ作動による
出力トルク値を変化させるためである。また、車速V
(又はエンジン回転数NE )によって傾転角制御信号値
ELMを変化させることにより、発進等の低速域では回
生エネルギの有効利用を図っている。
【0086】作動油タンク30の油温による補正は、油
温が所定値(例えば70°C)未満の場合は必要としな
いが、油温が所定値(70°C)以上になると、作動油
の粘性が低下し、ポンプ/モータ40の焼きつき等のお
それがあるため、モータ容量を下げてこれを防止する必
要があり、このため信号値ELMを減少させるように補
正しているのである。
【0087】次に、図10のステップS42において、
上述のようにして設定された信号値ELMが比例電磁弁
42に出力され、ステップS43では、駆動信号D1が
出力されて、切換弁44がON(弁開状態)となり、比
例電磁弁42を介してシリンダにパイロット油圧が供給
される。これにより、斜板式可変容量アキシャルピスト
ン型ポンプ/モータ40の斜板40dが、信号値ELM
に対応した傾転角に設定される。次いでステップS44
では、遮断弁26に遮断弁信号D2が出力され、遮断弁
26がON(弁開状態)となり、ステップS45におい
て、アンロード弁(ノーマルオープン)25にアンロー
ド弁信号D3が出力されて、これがON(弁閉状態)に
制御され、高圧油路P1の圧力が逃げないように遮断さ
れる。
【0088】これにより、アキュムレータ20内に蓄圧
されていた高圧作動油は、ポンプ/モータ40に流入
し、ポンプ/モータ40はモータとして駆動される。そ
して、その駆動力は、駆動軸40e,ギアボックス5
0,駆動軸12,10を介して駆動輪WR に伝達され、
発進時又は加速時の駆動力がアシストされる。ステップ
S46では、エンジン1の燃料噴射装置5の燃料供給制
限を行なうためのラック制限信号Rが、ガバナコントロ
ールユニット67を介して燃料噴射装置5に供給され
る。このラック制限信号Rは、モータ制御時におけるエ
ンジン1側の出力トルク制限を行なうものであり、エン
ジン1側の出力制限量は、エンジン回転数NE 及びアキ
ュムレータ20の蓄圧量PACに基づいて決定される。
【0089】そして、燃料噴射装置5へ供給されたエン
ジン1側の出力制限を確実に実行させるために、ステッ
プS47において、ラック制限有効信号REをガバナコ
ントロールユニット67に出力して、ノイズ等による誤
作動を防止しているのである。この後、ステップS48
でフラグf2が1(f2=1)に設定され、これにより
ポンプ/モータ40がモータモードで作動していること
を記憶する。
【0090】次に、制動エネルギ回生装置の異常時の制
御について説明する。図3,図4は、本発明にかかる制
動エネルギ回生装置の異常時の制御手順を示すフローチ
ャートの一例である。ECU60はこの制御フローを所
定の周期で繰り返し実行し、装置の異常(エラー)を監
視するとともに、異常発生時の処理を行なっている。
【0091】まず、ECU60は、初期値設定ルーチン
(図示省略)においてエラー時制御実施前に、初期条件
としてフラグF1 ,F2 をともに0(F1 =0,F2 =
0)に設定する。そして、図3のステップS70におい
て、制動エネルギ回生装置に異常(エラー)が発生して
いるか否かを判断する。ECU60は、前述の遮断弁2
4,リリーフ弁26等のバルブ類や、吐出圧センサ8
9,油温センサ91等のセンサ類の異常や故障を常に監
視するプログラムを実行しており、これらの監視プログ
ラムにおいて各種バルブやセンサ類に異常が検出される
と、このエラーに対応したエラー信号(エラーコード)
が出力される。したがって、制動エネルギ回生装置に異
常が発生しているかどうかは、異常判定手段60Aにお
いてエラー信号の出力の有無により判別され、装置に異
常がないと判断されると、次にステップS70Aに進
む。
【0092】そして、このステップS70Aでは、速度
超過判定手段60Bにより車両の速度が所定値をオーバ
していないかどうかが判定される。この結果、車両が所
定速度をオーバしていないと判定されると、ステップS
85に進む。ステップS85〜ステップS88は、装置
に異常のない正常な状態の時の処理ルートを示してい
る。即ち、ステップS85では、ダイアグランプ69が
OFF(消灯)に制御される(又はOFFの状態に保持
される)。次にステップS86に進んで、ドグクラッチ
断接センサ92からのドグクラッチ断接信号DCLに基
づいて、ドグクラッチ51がON(接)かOFF(断)
かが判別される。判別結果がOFF(断)である場合
は、本装置が不作動状態となってるので、これを明示す
べく、ステップS88において回生ランプ68がOFF
(消灯)にされる。また、判別結果がON(接)の場合
には、ステップS86からステップS87に進んで、回
生ランプ68をON(点灯)にして本装置が作動中であ
ることが表示される。
【0093】一方、ステップS70でエラー有りと判定
されるか、又はステップS70Aで車速オーバと判定さ
れた場合の制御(異常時発生制御)について説明する。
まず、ステップS70でエラーの発生有りと判定された
場合、ステップS71に進んで、ECU60に出力され
たエラーコードをメモリする。エラーコードは発生した
エラーに対応した信号であり、これにより発生したエラ
ーがどの部位であるかが明確になる。また、ECU60
に記憶されたエラーコードは、後述の図4のステップS
79において回生ランプ68を点滅させることにより出
力され、異常発生部位の修理を行なうときに利用され
る。そして、この後ステップS72以下の制御を行な
う。
【0094】また、ステップS70において、エラー無
しと判定された場合であっても、次のステップS70A
において車速がオーバしていると判定された場合は、ス
テップS70Bに進む。そして、ステップS70Bで
は、車速超過の表示を行ない、ステップS72に進むの
である。ステップS72では、異常発生による制動エネ
ルギ回生装置の損傷を防止すべく、全ての制御がOFF
(停止)に制御される。即ち、具体的には、切換弁44
の駆動信号D1を断ってパイロット油路P4を遮断した
り、比例電磁弁42のソレノイド42a,42bの駆動
信号ELP,ELMを断ってポンプ/モータ40の斜板
傾転角を0にする。
【0095】そして、この後ドグクラッチ断弁54をO
Nに制御してドグクラッチ51を切り離し、ポンプ/モ
ータ40の作動を中断することにより、エネルギ回生装
置の作動を完全に停止状態とすることができるが、ここ
で、ステップS72の処理の直後にドグクラッチ51を
切り離してしまうと、ポンプ/モータ40に悪影響を及
ぼすことが考えられる。
【0096】つまり、ドグクラッチ51の切り離し時に
アキュムレータ20とポンプ/モータ40との間に作動
油の残圧があると、この残圧により無負荷状態のポンプ
/モータ40が強制的に駆動されて、場合によってはポ
ンプ/モータ40の許容回転数を越えてポンプ/モータ
40が駆動され(オーバラン)、ポンプ/モータ40が
破損してしまうおそれがある。
【0097】そこで、本発明の制動エネルギ回生装置で
は、ステップS72の処理の後に、ステップS72A〜
ステップS72Lの処理を異常時制御手段60Cで行な
ってからドグクラッチ51の切り離し制御を実行するよ
うになっている。すなわち、ステップS72の後はステ
ップS72Aに進み、吐出圧センサ89からの吐出圧情
報から、アキュムレータ20とポンプ/モータ40との
間の作動油の残圧PHYが所定圧P1 (例えばP1 =50
kgf/cm2 )より小さいかどうかが判断される。そ
して、この残圧PHYが所定値P1 より小さい(PHY<P
1)のときは、この残圧PHYはポンプ/モータ40に何
ら影響を及ぼさないと判断して、ステップS72J〜S
72Lの処理を施してからステップS73に進み、ドグ
クラッチ断弁54に駆動信号D9を出力する。これによ
り、ドグクラッチ断弁54がONに制御されてドグクラ
ッチ51が切り離される。
【0098】なお、ステップS72J〜S72Lは、後
述するタイマT1 のカウントが開始されている場合、こ
れを停止させた後、カウンタをリセットするための制御
であり、これについては後で説明する。また、この残圧
PHYが所定値P1 以上(PHY≧P1 )のときは、NOル
ートを通って、ステップS72Bに進みフラグF1 が1
かどうかが判断される。最初の制御周期では、ステップ
S69の初期条件の設定によりフラグF1 は0に設定さ
れているので、NOルートを通ってステップS72Cに
進み、ここでフラグF1が1(F1 =1)に設定され
る。また、次の制御周期以降、ステップS72BでF1
=1と判断されると、この後ステップS72Eに進む。
また、ステップS72Cで、F1 =1と設定されると、
次にステップS72Dに進んで、タイマT1のカウント
を開始した後、ステップS72Eに進む。この後、タイ
マT1 は、カウント停止指令があるまでカウントを続行
する。
【0099】そして、ステップS72Eでは、ECU6
0は、タイマT1 のカウント値が所定時間T′(例え
ば、T′=60sec)経過したか否かを判断する。そ
して、タイマのカウント値T1 が所定時間T′未満の場
合は、NOルートを通ってリターンする。この場合は、
吐出圧センサ89からの残圧情報PHYが所定値P1 より
小さくなりステップS72AでYESルートを通るか、
又はタイマカウント開始から所定時間T′経過するまで
は、ステップS73のドグクラッチ51の切り離し制御
が行われない。
【0100】また、ステップS72EにおいてタイマT
1 のカウント開始から所定時間T′を経過したと判断さ
れると、次にステップS72Fに進む。そして、ステッ
プS72Fでは、吐出圧センサ89のエラーと判断し
て、このメッセージを表示する。次にステップS72G
に進んでタイマT1 を停止させるとともに、タイマT1
をリセットしステップS72HでフラグF1 =0と設定
して、ステップS73に進み、ドグクラッチ51を切り
離す処理を行なう。
【0101】ここで、アキュムレータ20とポンプ/モ
ータ40との間の残圧PHYが所定圧P1 以上の場合であ
っても、所定時間T′が経過するとドグクラッチ51を
切り離し、吐出圧センサ89のエラーと判断してしまう
のは次の理由による。すなわち、ステップS72で各種
の制御弁をOFFに制御した後に、上記の残圧PHYが大
きな値で検出されたとしても、通常は除々に低下して、
所定時間T′経過するとこの残圧PHYは十分小さくなっ
ているはずである。したがって、所定時間T′を経過し
ても残圧PHYが所定圧P1 以下にならない場合は、吐出
圧センサ89が故障していると判断して、ECU60に
より、ドグクラッチ断弁54がONに制御されてドグク
ラッチ51が切り離されるのである。つまり、この場合
は、実際は残圧PHYが十分低下しているにも関わらず、
吐出圧センサ89が故障していてこれを検出できないと
判断しているのである。
【0102】なお、ステップS72Aで、残圧PHYが所
定圧P1 よりも小さいと判断された場合は、ステップS
72J〜S72Lの制御を施した後、ステップS73に
進んでドグクラッチ51の切り離し制御が行なわれる。
ここで、ステップS72J〜S72Lについて説明する
と、まずステップS72Jでは、フラグF1 =1である
かどうかを判断する。F1 =1と判断された場合は、こ
のステップS72Jよりも以前にステップS72C,ス
テップS72Dの処理制御を実行したと判断することが
でき、タイマT1 のカウントが継続されていることにな
る。そこで、ステップS72JにおいてF1 =1と判断
された場合、次にステップS72Kに進んでタイマT1
を停止させた後これをリセットし、その後ステップS7
2LでフラグF1 を0(F1 =0)に設定してから、ス
テップS73に進み、ドグクラッチ51の切り離し制御
を行なうのである。
【0103】また、ステップS72で、フラグF1 が1
でないと判断されると、フラグF1が初期条件のまま
(即ちF1 =0)であって、タイマT1 のカウントが開
始されていないと判断して、次に直接ステップS73に
進むのである。このように、本発明の制動エネルギ回生
装置では、装置の異常発生時や車速超過時に、ステップ
S72A〜ステップS72Lの処理を実行することによ
り、ドグクラッチ51切断時に残圧PHYによりポンプ/
モータ40がオーバランするのを防止することができ、
ポンプ/モータ40を焼きつき等や破損等から保護する
ことができるのである。
【0104】次に、図4に示すステップS73以降の制
御について説明する。ステップS73ではドグクラッチ
断弁54をONに制御してドグクラッチ51の断制御を
行なうと、次にステップS74に進む。ステップS74
では、ドグクラッチ断弁54に出力した駆動信号D9に
よって、ドグクラッチ51が実際に切り離されたか否か
を判断する。この判断は、ドグクラッチ断接センサ92
からの検出信号DCLと駆動信号D9とを比較すること
により実行される。
【0105】クラッチ断接信号DCLがOFF(断)の
場合、即ち、駆動信号D9通りにドグクラッチ51が切
り離されている(駆動信号D9にマッチングしている)
場合はステップS74Aに進む。また、ステップS74
において、ドグクラッチ断弁54に駆動信号D9が出力
されているにも関わらずドグクラッチ51が接状態であ
ると判断されると、クラッチ断接信号DCLと駆動信号
D9とのマッチングが確認できなかったことになり、こ
の場合は次にステップS74Dに進む。そして、ステッ
プS74D〜S90の間でタイマを作動させ、所定時間
T″の間に、クラッチ断接信号DCLと駆動信号D9と
がマッチングするかどうかを確認する。
【0106】この確認動作について説明すると、まず、
ステップS74Dに進んで、フラグF2 が1か否かを判
断する。ここで、フラグF2 が1でないと判断される
と、NOルートを通ってステップS74Eに進んで、フ
ラグをF2 =1と設定してからタイマT2 のカウントを
スタートさせる。そして、この後ステップS90に進ん
でタイマT2 のカウントが所定値T″を越えたかどうか
を判断する。なお、ステップS74Dにおいて、フラグ
F2 =1と判断されると、タイマT2 がカウント中であ
るとして、次にステップS90に進み、タイマT2 のカ
ウントが所定値T″を越えたかどうかを判断する。
【0107】ステップS90では、ステップS74でド
グクラッチ断接センサ92からの検出信号DCLがON
(接続)と判別された場合でも、直ちにドグクラッチ5
1の異常と判定せずに、接続状態が所定時間T″(例え
ばT″=10sec)継続したか否かを判定する。ここ
で、所定時間待機するのは、この所定時間内にドグクラ
ッチ断弁54が作動してドグクラッチ51が切り離され
る場合があることを考慮してのものである。
【0108】そして、ステップS90でタイマカウント
開始から所定時間T″が経過していないと判断される
と、NOルートを通ってリターンし、以降の制御周期
で、再びドグクラッチ断接信号DCLを確認する。この
とき、ドグクラッチ51が接状態と判断されるとステッ
プS74DからステップS90に進む。以降、所定時間
T″内でドグクラッチ51が断状態と判断されるか、又
は所定時間T″が経過するまでは、このルーチンを繰り
返し、ダイアグランプ制御及びドグクラッチ51の切り
離し制御は行われない。
【0109】ステップS90でタイマT2 のカウントが
所定値T″を越えた場合(即ち、ドグクラッチ51が所
定時間T″経過しても切り離されない場合)は、YES
ルートを通ってステップS90Aに進み、このステップ
S90AでタイマT2 のカウントを停止させ、これをリ
セットした後、ステップS90Bに進んでフラグF2を
0に設定する。そして、最初に発生したエラーがドグク
ラッチ51、又はドグクラッチ51に関連する箇所で発
生したものと判断し、ステップS91に進んでダイアグ
ランプ69を点灯させ、ドライバに車両の停止すべきで
あることを報知する。
【0110】これにより、ドライバが車両を停止させる
ことで安全を確保でき、迅速に修理等の対等を行なうこ
とができるとともに、制動エネルギ回生装置の保護を図
ることができる。そして、ステップS92において、ド
グクラッチ断弁54の駆動信号D9の出力を断ってステ
ップS77に進む。次に、上述のステップS74におい
て、ドグクラッチ断接センサ92からの検出信号DCL
とドグクラッチ断弁54の駆動信号D9とのマッチング
が確認できた場合の処理について説明すると、この場
合、ドグクラッチ51は正常に作動したと判定される。
この状態では、制動エネルギ回生装置は、車両の駆動軸
12から切り離されたことになり、車両はエンジン1か
ら駆動力により走行できる状態となる。そして、ステッ
プS74でドグクラッチ51が切り離されたと判断され
ると、次にステップS74Aに進む。
【0111】ステップS74Aでは、フラグF2 が0か
どうかが判断される。ここで、F2が0でない場合(即
ち、F2 =1の場合)は、その直前まで、ステップS7
4D〜S90の制御が実行されていた場合であり、タイ
マT2 のカウント開始から所定時間T″経過する前にド
グクラッチ51が切り離された場合である。したがっ
て、ステップS74AでフラグF2 が0でない場合は、
NOルートを通ってステップS74Bに進んでタイマT
2 のカウントを停止させ、これをリセットした後、ステ
ップS74Cに進んでフラグF2 を0(F2 =0)に設
定する。そして、この後、ステップS75に進む。ま
た、ステップS74AでフラグF2 が0と判断される
と、YESルートを通ってステップS75に進む。
【0112】ステップS75では、ドグクラッチ51の
切り離しが正常に実行されたことにより、ダイアグラン
プ69をOFF(消灯)にし、故障の表示を行なわな
い。このように、回生装置に異常が発生した場合であっ
ても、ダイアグランプ69が点灯しないので、ドライバ
が車両を走行させることができないと誤判断することな
く、通常の走行を継続させることができる。
【0113】そして、この後ステップS76に進み、既
にドグクラッチ51の切り離しが確認されたことによ
り、ドグクラッチ断弁54への駆動信号D9の出力をO
FFに設定し、次にステップS77に進む。なお、ドグ
クラッチ51は、その構造上、一旦接続動作又は切り離
し動作が完了すると、クラッチ断接駆動するための駆動
力を断ってもその状態を維持することができるものであ
る。
【0114】ステップS77では、回生ランプ68をO
FF(消灯)にして、回生装置の不作動状態をドライバ
に報知する。また、上述のステップS91の実行により
ダイアグランプ69を点灯させた場合にも、このステッ
プS77が実行されて回生ランプ68がOFF(消灯)
に設定される。ステップS78以降は、整備作業者が修
理や点検を行なう際に、上述のステップS71でメモリ
されたエラーコードを読み出す手順を示す。まずステッ
プS78で、エラーコードを読み出すために、作業者が
ダイアグSW65を操作したか否か(即ち、ダイアグS
W65をONにしたか否か)を判別する。そして、ダイ
アグSW65をON側に操作したことが検出されると、
次にステップS79に進み、ECU60のメモリに記憶
されたエラーコードを出力する。また、ダイアグSW6
5をON側に操作しない場合は、何も行なわず、この制
御を終了する。
【0115】ステップS79では、読み出されたエラー
コードに対応して、例えばモールス信号のように回生ラ
ンプ68を点滅させるようになっており、作業者は回生
ランプ68の点滅パターンで故障原因を知ることができ
る。なお、本実施例では、エンジン1がディーゼルエン
ジンの場合の車両について説明したが、本装置はこれに
限定されるものではなく、ガソリンエンジンやその他の
動力源をそなえた車両に広く適用することができる。ま
た、これと同様に、トランスミッション3についても、
本実施例のようなフィンガーコントロールトランスミッ
ションに限定されるものではない。
【0116】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の制動エネルギ回生装置によれば、作動流体を貯溜
するタンクと流体圧エネルギを蓄圧する蓄圧手段との間
の流路に介装され、駆動力伝達を断接しうる断接手段を
介して連結される流体圧エネルギ変換手段を、車両制動
時にポンプ作動させて制動エネルギを流体圧エネルギに
変換して上記蓄圧手段に蓄圧する一方、車両発進及び
速時にはモータ作動させて上記蓄圧手段に蓄圧した流体
圧エネルギを発進及び加速エネルギとして利用する制動
エネルギ回生装置において、上記断接手段を断接制御す
る制御手段と、上記制動エネルギ回生装置に異常がある
か否かを判定する異常判定手段と、上記流路における流
体圧を検出する流体圧検出手段とをそなえ、上記制御手
段は、上記異常判定手段により異常があることが検出さ
れ、且つ上記流体圧検出手段により検出された流体圧が
所定値以下のとき、上記断接手段を断状態に制御すると
いう構成により、制動エネルギ回生装置の異常検出時に
エネルギ変換手段のオーバランを防止することができ、
エネルギ変換手段を焼きつきや破損等から保護すること
ができるのである。また、従来の制動エネルギ回生装置
に対して新たな装置を追加する必要がないので、重量や
コストの増加を招くことなく、エネルギ変換手段を確実
に保護できる制動エネルギ回生装置を実現することがで
きる。
【0117】
【0118】また、請求項2記載の本発明の制動エネル
ギ回生装置によれば、作動流体を貯溜するタンクと流体
圧エネルギを蓄圧する蓄圧手段との間の流路に介装さ
れ、駆動力伝達を断接しうる断接手段を介して連結され
る流体圧エネルギ変換手段を、車両制動時にポンプ作動
させて制動エネルギを流体圧エネルギに変換して上記蓄
圧手段に蓄圧する一方、車両発進及び加速時にはモータ
作動させて上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧エネルギを発
及び加速エネルギとして利用する制動エネルギ回生装
置において、上記断接手段を断接制御する制御手段と、
上記車両の速度を検出する車速検出手段と、上記流路に
おける流体圧を検出する流体圧検出手段とをそなえ、上
記制御手段は、上記車速検出手段により検出された車速
が所定値以上であって、且つ上記流体圧検出手段により
検出された流体圧が所定値以下のとき、上記断接手段を
断状態に制御するという構成により、車両の速度が所定
値を越えた場合に、エネルギ変換手段のオーバランを防
止することができ、エネルギ変換手段を焼きつきや破損
等から保護することができる。また、従来の制動エネル
ギ回生装置に対して新たな装置を追加する必要がないの
で、重量やコストの増加を招くことなく、エネルギ変換
手段を確実に保護できる制動エネルギ回生装置を実現す
ることができる。
【0119】
【0120】また、請求項3記載の本発明の制動エネル
ギ回生装置によれば、作動流体を貯溜するタンクと流体
圧エネルギを蓄圧する蓄圧手段との間の流路に介装さ
れ、駆動力伝達を断接しうる断接手段を介して連結され
る流体圧エネルギ変換手段を、車両制動時にポンプ作動
させて制動エネルギを流体圧エネルギに変換して上記蓄
圧手段に蓄圧する一方、車両発進及び加速時にはモータ
作動させて上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧エネルギを発
及び加速エネルギとして利用する制動エネルギ回生装
置において、上記断接手段を断接制御する制御手段と、
上記制動エネルギ回生装置に異常があるか否かを判定す
る異常判定手段と、上記車両の速度を検出する車速検出
手段と、上記流路における流体圧を検出する流体圧検出
手段とをそなえ、上記制御手段は、上記異常判定手段に
より異常があることが検出されるとともに上記流体圧検
出手段により検出された流体圧が所定値以下の場合、又
は、上記車速検出手段により検出された車速が所定値以
上であって上記流体圧検出手段により検出された流体圧
が所定値以下の場合、上記断接手段を断状態に制御する
という構成により、制動エネルギ回生装置の異常検出時
や、車速が超過した時にエネルギ変換手段のオーバラン
を確実に防止することができ、エネルギ変換手段を焼き
つきや破損等から保護することができる。また、従来の
制動エネルギ回生装置に対して新たな装置を追加する必
要がないので、重量やコストの増加を招くことなく、エ
ネルギ変換手段を確実に保護できる制動エネルギ回生装
置を実現することができる。
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における制御系の構成を示す模式的なブロック図であ
る。
【図3】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における異常発生時の制御手順を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における異常発生時の制御手順を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における通常作動時のうち制動エネルギを流体圧エネ
ルギに変換するポンプモードの制御手順を説明するため
のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における通常作動時のうち制動エネルギを流体圧エネ
ルギに変換するポンプモードの制御手順を説明するため
のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における通常作動時のうち制動エネルギを流体圧エネ
ルギに変換するポンプモードの制御手順を説明するため
のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における通常作動時のうち流体圧エネルギを発進エネ
ルギ又は加速エネルギに変換するモータモードの制御手
順を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置における通常作動時のうち流体圧エネルギを発進エネ
ルギ又は加速エネルギに変換するモータモードの制御手
順を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生
装置における通常作動時のうち流体圧エネルギを発進エ
ネルギ又は加速エネルギに変換するモータモードの制御
手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生
装置における通常作動時のうち流体圧エネルギを発進エ
ネルギ又は加速エネルギに変換するモータモードの制御
手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生
装置におけるポンプ/モータのポンプ容量を決定する信
号値の特性を示すマップである。
【図13】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生
装置におけるアクセル開度判別値の特性を示すマップで
ある。
【図14】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生
装置におけるポンプ/モータのモータ容量を決定する信
号値の特性を示すマップである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クラッチ 3 トランスミッション 3A フィンガーコントロールトランスミッションコン
トロールユニット 5 燃料噴射装置 10 駆動軸 12 駆動軸 13 トランスミッション出力軸 20 蓄圧手段としてのピストン型アキュムレータ 21 ピストン 22 ガス室 23 作動油室 24 遮断弁 25 アンロード弁 30 低圧作動油タンク 31 加圧エアタンク 32 サブエアタンク 33 電磁式2ポート切換弁 34 電磁式3ポート切換弁 35 減圧弁 36 エアドライヤ 38 フィルタ 39 ドレーンタンク 40 流体圧エネルギ変換手段としての斜板式可変容量
アキシャルピストン型ポンプ/モータ 40a 第1ポート 40b 第2ポート 40c ピストン 40d 斜板 40e 駆動軸 40f シリンダ 41 傾転シリンダ 41a ピストン 41b,41c チャンバ 42 切換手段としての比例電磁弁 43 パイロット油圧源 44 電磁式2ポート切換弁 45 フィルタ 50 ギアボックス 50a,50b 歯車 51 断接手段としてのドグクラッチ 52 エアタンク 53 電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ接弁) 54 電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ断弁) 55 操作手段 59 ポンプ 60 制御手段としてのコントロールユニット(EC
U) 60A 異常判定手段 60B 速度超過判定手段 60C 異常時制御手段 61 アクセル開度センサ 62 エンジンクラッチ断接センサ 64 メインスイッチ 65 ダイアグスイッチ 66 蓄圧インジケータ 67 電子ガバナコントロールユニット 68 回生ランプ 69 ダイアグランプ 70 ブレーキ圧センサ 83 速度検出手段としての車速センサ 84 T/Mリバースセンサ 85 T/Mニュートラルセンサ 87 ピストン位置センサ 88 蓄圧センサ 89 作動流体圧検出手段としての吐出圧センサ 90 作動油レベルセンサ 91 油温センサ 92 ドグクラッチ断接センサ 93 回転数センサ 98A,98B 電磁式2ポート切換弁 100 ブレーキペダル 104 アクセルペダル 105 クラッチペダル 106 差動装置 WR 駆動輪 P1 高圧油路 P2 低圧油路 P3 油路 P4 パイロット油路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 25/00 B60T 1/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体を貯溜するタンクと流体圧エネ
    ルギを蓄圧する蓄圧手段との間の流路に介装され、駆動
    力伝達を断接しうる断接手段を介して連結される流体圧
    エネルギ変換手段を、車両制動時にポンプ作動させて制
    動エネルギを流体圧エネルギに変換して上記蓄圧手段に
    蓄圧する一方、車両発進及び加速時にはモータ作動させ
    て上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧エネルギを発進及び
    速エネルギとして利用する制動エネルギ回生装置におい
    て、 上記断接手段を断接制御する制御手段と、 上記制動エネルギ回生装置に異常があるか否かを判定す
    る異常判定手段と、 上記流路における流体圧を検出する流体圧検出手段とを
    そなえ、 上記制御手段は、上記異常判定手段により異常があるこ
    とが検出され、且つ上記流体圧検出手段により検出され
    た流体圧が所定値以下のとき、上記断接手段を断状態に
    制御するように構成されていることを特徴とする、制動
    エネルギ回生装置。
  2. 【請求項2】 作動流体を貯溜するタンクと流体圧エネ
    ルギを蓄圧する蓄圧手段との間の流路に介装され、駆動
    力伝達を断接しうる断接手段を介して連結される流体圧
    エネルギ変換手段を、車両制動時にポンプ作動させて制
    動エネルギを流体圧エネルギに変換して上記蓄圧手段に
    蓄圧する一方、車両発進及び加速時にはモータ作動させ
    て上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧エネルギを発進及び
    速エネルギとして利用する制動エネルギ回生装置におい
    て、 上記断接手段を断接制御する制御手段と、 上記車両の速度を検出する車速検出手段と、 上記流路における流体圧を検出する流体圧検出手段とを
    そなえ、 上記制御手段は、上記車速検出手段により検出された車
    速が所定値以上であって、且つ上記流体圧検出手段によ
    り検出された流体圧が所定値以下のとき、上記断接手段
    を断状態に制御するように構成されていることを特徴と
    する、制動エネルギ回生装置。
  3. 【請求項3】 作動流体を貯溜するタンクと流体圧エネ
    ルギを蓄圧する蓄圧手段との間の流路に介装され、駆動
    力伝達を断接しうる断接手段を介して連結される流体圧
    エネルギ変換手段を、車両制動時にポンプ作動させて制
    動エネルギを流体圧エネルギに変換して上記蓄圧手段に
    蓄圧する一方、車両発進及び加速時にはモータ作動させ
    て上記蓄圧手段に蓄圧した流体圧エネルギを発進及び
    速エネルギとして利用する制動エネルギ回生装置におい
    て、 上記断接手段を断接制御する制御手段と、 上記制動エネルギ回生装置に異常があるか否かを判定す
    る異常判定手段と、 上記車両の速度を検出する車速検出手段と、 上記流路における流体圧を検出する流体圧検出手段とを
    そなえ、 上記制御手段は、上記異常判定手段により異常があるこ
    とが検出されるとともに上記流体圧検出手段により検出
    された流体圧が所定値以下の場合、又は、上記車速検出
    手段により検出された車速が所定値以上であって上記流
    体圧検出手段により検出された流体圧が所定値以下の
    、上記断接手段を断状態に制御するように構成されて
    いることを特徴とする、制動エネルギ回生装置。
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