JP3079861B2 - 制動エネルギ回生装置 - Google Patents
制動エネルギ回生装置Info
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- JP3079861B2 JP3079861B2 JP05295598A JP29559893A JP3079861B2 JP 3079861 B2 JP3079861 B2 JP 3079861B2 JP 05295598 A JP05295598 A JP 05295598A JP 29559893 A JP29559893 A JP 29559893A JP 3079861 B2 JP3079861 B2 JP 3079861B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作動油をエネルギ伝達
媒体として、車両の制動エネルギを発進/加速エネルギ
に利用する蓄圧式の制動エネルギ回生装置に関する。
媒体として、車両の制動エネルギを発進/加速エネルギ
に利用する蓄圧式の制動エネルギ回生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、市街バス等の車両に搭載され、制
動時のエネルギを回収して、これを発進時や加速時に利
用する制動エネルギ回生装置が、例えば特公平5−11
68号公報により知られている。この制動エネルギ回生
装置は、車両制動時に、ポンプ/モータをポンプとして
作動させ、アキュムレータに低圧タンクの作動油を圧送
して、これに制動エネルギを蓄えるようにしている。そ
して、車両の発進時あるいは加速運転時(これらを単に
発進/加速時とも記す)には、アキュムレータの高圧作
動油をポンプ/モータに供給してポンプ/モータをモー
タとして作動させ、車両の駆動輪をポンプ/モータで駆
動し、これにより制動エネルギを再利用している。
動時のエネルギを回収して、これを発進時や加速時に利
用する制動エネルギ回生装置が、例えば特公平5−11
68号公報により知られている。この制動エネルギ回生
装置は、車両制動時に、ポンプ/モータをポンプとして
作動させ、アキュムレータに低圧タンクの作動油を圧送
して、これに制動エネルギを蓄えるようにしている。そ
して、車両の発進時あるいは加速運転時(これらを単に
発進/加速時とも記す)には、アキュムレータの高圧作
動油をポンプ/モータに供給してポンプ/モータをモー
タとして作動させ、車両の駆動輪をポンプ/モータで駆
動し、これにより制動エネルギを再利用している。
【0003】このような、制動エネルギ回生装置の駆動
軸に連結された油圧ポンプ/モータは、構造上の理由に
より、機能する回転方向が一定方向に定まっており、車
両が前進する場合を正回転とすると、車両が後退するよ
うな場合には、ポンプ/モータは逆回転することにな
り、ポンプまたはモータとしての機能を果たさなくな
る。このため、変速機(トランスミッション)の変速段
が後退段位置(リバース)にあるときには、ポンプ制御
およびモータ制御を共に中止して、ポンプ/モータは機
能しないようにし、変速段が後退段位置(リバース)を
外れたら、ポンプあるいはモータとして作動するように
している。
軸に連結された油圧ポンプ/モータは、構造上の理由に
より、機能する回転方向が一定方向に定まっており、車
両が前進する場合を正回転とすると、車両が後退するよ
うな場合には、ポンプ/モータは逆回転することにな
り、ポンプまたはモータとしての機能を果たさなくな
る。このため、変速機(トランスミッション)の変速段
が後退段位置(リバース)にあるときには、ポンプ制御
およびモータ制御を共に中止して、ポンプ/モータは機
能しないようにし、変速段が後退段位置(リバース)を
外れたら、ポンプあるいはモータとして作動するように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】トランスミッションの
変速段が後退段位置(リバース)にあることを検出し
て、ポンプ制御あるいはモータ制御を中止した後、後退
段以外の変速段にシフトした場合、後退段位置(リバー
ス)を検出しなくなるが、このような場合であっても、
車両自体は後退走行を続けることがある。
変速段が後退段位置(リバース)にあることを検出し
て、ポンプ制御あるいはモータ制御を中止した後、後退
段以外の変速段にシフトした場合、後退段位置(リバー
ス)を検出しなくなるが、このような場合であっても、
車両自体は後退走行を続けることがある。
【0005】このような場合には、車両の後退走行によ
って駆動輪が逆回転し、ポンプ/モータも逆回転の状態
を維持しているにもかかわらず、ポンプ/モータ制御
は、既に本来の正回転での作動が可能な状態になってい
ると判定し、例えば、モータ制御が開始されてしまう
と、アキュムレータから高圧作動油が供給されて、ポン
プ/モータを逆方向に回転させようとする無理な力が加
わり、ポンプ/モータの破損等の不具合を引き起こした
り、また、車両に大きな衝撃振動を与えたりして、装置
や車両の寿命を縮めることになる。
って駆動輪が逆回転し、ポンプ/モータも逆回転の状態
を維持しているにもかかわらず、ポンプ/モータ制御
は、既に本来の正回転での作動が可能な状態になってい
ると判定し、例えば、モータ制御が開始されてしまう
と、アキュムレータから高圧作動油が供給されて、ポン
プ/モータを逆方向に回転させようとする無理な力が加
わり、ポンプ/モータの破損等の不具合を引き起こした
り、また、車両に大きな衝撃振動を与えたりして、装置
や車両の寿命を縮めることになる。
【0006】そこで、本発明は、車両の後退走行時に
は、確実に、ポンプ作動あるいはモータ作動を行わない
ようにして、無理な負荷が加わることによって起こる、
ポンプ/モータの破損や、衝撃振動を防止するように図
った制動エネルギ回生装置を提供することを目的とす
る。
は、確実に、ポンプ作動あるいはモータ作動を行わない
ようにして、無理な負荷が加わることによって起こる、
ポンプ/モータの破損や、衝撃振動を防止するように図
った制動エネルギ回生装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の制動エネルギ回生装置は、作動油を貯溜す
る低圧タンクと油圧エネルギを蓄圧するアキュムレータ
との間の油路に介裝され、車両の駆動系部材にクラッチ
を介して連結される油圧ポンプ/モータを、制動時にポ
ンプ作動させ、制動エネルギを油圧エネルギに変換して
前記アキュムレータに蓄積する一方、発進/加速時には
モータ作動させて、アキュムレータに蓄積した油圧エネ
ルギを発進/加速エネルギとして利用する制動エネルギ
回生装置において、車両の変速機の変速段が後退段にあ
ることを検出する後退段検出手段と、車速を検出する車
速検出手段と、車両の走行状態に応じて前記油圧ポンプ
/モータの作動を制御する制御手段とを備え、前記制御
手段は、前記変速段が後退段にあることを検出すると、
油圧ポンプ/モータの制御を中止し、かつ前記制御を中
止した場合には、前記変速段が後退段にあることが検出
されなくなっても、車速が実質的にゼロになるまで前記
制御中止状態を維持するように構成したことを特徴とす
る。
め、本発明の制動エネルギ回生装置は、作動油を貯溜す
る低圧タンクと油圧エネルギを蓄圧するアキュムレータ
との間の油路に介裝され、車両の駆動系部材にクラッチ
を介して連結される油圧ポンプ/モータを、制動時にポ
ンプ作動させ、制動エネルギを油圧エネルギに変換して
前記アキュムレータに蓄積する一方、発進/加速時には
モータ作動させて、アキュムレータに蓄積した油圧エネ
ルギを発進/加速エネルギとして利用する制動エネルギ
回生装置において、車両の変速機の変速段が後退段にあ
ることを検出する後退段検出手段と、車速を検出する車
速検出手段と、車両の走行状態に応じて前記油圧ポンプ
/モータの作動を制御する制御手段とを備え、前記制御
手段は、前記変速段が後退段にあることを検出すると、
油圧ポンプ/モータの制御を中止し、かつ前記制御を中
止した場合には、前記変速段が後退段にあることが検出
されなくなっても、車速が実質的にゼロになるまで前記
制御中止状態を維持するように構成したことを特徴とす
る。
【0008】
【作用】変速段が後退段にあることを検出し、油圧ポン
プ/モータの制御を中止して後退走行を行った後、変速
段が後退段にあることが検出されなくなっても、車速が
実質的にゼロになるまで制御中止状態を維持し、車両が
後退走行している限りは、油圧ポンプ/モータの制御を
再開しない。
プ/モータの制御を中止して後退走行を行った後、変速
段が後退段にあることが検出されなくなっても、車速が
実質的にゼロになるまで制御中止状態を維持し、車両が
後退走行している限りは、油圧ポンプ/モータの制御を
再開しない。
【0009】
【実施例】この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1、図2及び図3に示すエネルギ回生装置は、ト
ランスミッション3、クラッチ2を介して駆動輪を駆動
するためのエンジン1を備える車両に適用され、ピスト
ン型アキュムレータ20、低圧作動油タンク30、斜板
式可変容量ピストン型のポンプ/モータ40、ギヤボッ
クス50、コントロールユニット60(以下これをEC
Uという)等を備えている。
る。図1、図2及び図3に示すエネルギ回生装置は、ト
ランスミッション3、クラッチ2を介して駆動輪を駆動
するためのエンジン1を備える車両に適用され、ピスト
ン型アキュムレータ20、低圧作動油タンク30、斜板
式可変容量ピストン型のポンプ/モータ40、ギヤボッ
クス50、コントロールユニット60(以下これをEC
Uという)等を備えている。
【0010】先ず、エネルギ回生装置が適用される車両
の構成から説明すると、エンジン1の出力軸はクラッチ
2を介してトランスミッション3に接続され、トランス
ミッション3の出力軸13は、後輪駆動軸10の差動装
置(スルーシャフト型)に接続されている。そして、エ
ネルギ回生装置は、駆動軸12を介して前述した差動装
置に接続されている。尚、トランスミッション3は後退
ギヤ段1段と、前進ギヤ段5段を備えている。
の構成から説明すると、エンジン1の出力軸はクラッチ
2を介してトランスミッション3に接続され、トランス
ミッション3の出力軸13は、後輪駆動軸10の差動装
置(スルーシャフト型)に接続されている。そして、エ
ネルギ回生装置は、駆動軸12を介して前述した差動装
置に接続されている。尚、トランスミッション3は後退
ギヤ段1段と、前進ギヤ段5段を備えている。
【0011】アキュムレータ20は、高圧油管路P1を
介して斜板式可変容量ピストン型ポンプ/モータ40の
第1ポート40aに接続されており、ポンプ/モータ4
0の第2ポート40bは、低圧油管路P2を介して作動
油タンク30に接続されている。アキュムレータ20
は、ピストン21によりガス室22と作動油室23に区
画され、ガス室22には所定圧の窒素ガスが封入され、
作動油室23には油圧が蓄圧可能となっている。
介して斜板式可変容量ピストン型ポンプ/モータ40の
第1ポート40aに接続されており、ポンプ/モータ4
0の第2ポート40bは、低圧油管路P2を介して作動
油タンク30に接続されている。アキュムレータ20
は、ピストン21によりガス室22と作動油室23に区
画され、ガス室22には所定圧の窒素ガスが封入され、
作動油室23には油圧が蓄圧可能となっている。
【0012】高圧油管路P1には、アキュムレータ20
側から順に遮断弁24およびアンロード弁(ノーマルオ
ープン)25が配設されている。遮断弁24は、電磁パ
イロット操作弁であり、通常はポンプ/モータ40から
アキュムレータ20へ向かう作動油の流れを許容し、逆
方向の流れを阻止する逆止弁として機能するが、ECU
60からの遮断弁信号D2が入力すると、アキュムレー
タ20側からポンプ/モータ40側への作動油の流れを
許容する。電磁式のアンロード弁25は、ECU60か
らのアンロード弁信号D3によって作動し、高圧油管路
P1と低圧油管路P2を管路P4を介して短絡し、高圧
油管路P1に閉じ込められた残圧を低圧油管路P2に逃
がすことができるようになっている。
側から順に遮断弁24およびアンロード弁(ノーマルオ
ープン)25が配設されている。遮断弁24は、電磁パ
イロット操作弁であり、通常はポンプ/モータ40から
アキュムレータ20へ向かう作動油の流れを許容し、逆
方向の流れを阻止する逆止弁として機能するが、ECU
60からの遮断弁信号D2が入力すると、アキュムレー
タ20側からポンプ/モータ40側への作動油の流れを
許容する。電磁式のアンロード弁25は、ECU60か
らのアンロード弁信号D3によって作動し、高圧油管路
P1と低圧油管路P2を管路P4を介して短絡し、高圧
油管路P1に閉じ込められた残圧を低圧油管路P2に逃
がすことができるようになっている。
【0013】高圧油管路P1と低圧油管路P2間には、
逆止弁46が配設され、この逆止弁46は低圧油管路P
2から高圧油管路P1への作動油の流入を可能にしてお
り、高圧油管路P1の作動油切れによって引き起こされ
る装置破損等を防止している。さらに、遮断弁24より
ポンプ/モータ40側の高圧油管路P1から分岐して管
路P3が作動油タンク30に接続され、この管路P3に
は、ポンプ/モータ40の吐出圧が設定圧(例えば、3
50kgf/cm2 )以上になったとき、高圧油を作動油タン
ク30に逃がすためのリリーフ弁26が設けられてい
る。
逆止弁46が配設され、この逆止弁46は低圧油管路P
2から高圧油管路P1への作動油の流入を可能にしてお
り、高圧油管路P1の作動油切れによって引き起こされ
る装置破損等を防止している。さらに、遮断弁24より
ポンプ/モータ40側の高圧油管路P1から分岐して管
路P3が作動油タンク30に接続され、この管路P3に
は、ポンプ/モータ40の吐出圧が設定圧(例えば、3
50kgf/cm2 )以上になったとき、高圧油を作動油タン
ク30に逃がすためのリリーフ弁26が設けられてい
る。
【0014】高圧油管路P1には、遮断弁24よりポン
プ/モータ40側の管内圧力を知るための吐出圧センサ
89が設けられており、吐出圧信号PHYをECUに供給
している。アキュムレータ20には、窒素ガスの膨張に
よってピストン21が作動油室23の最大膨張位置の僅
かに手前の所定位置(直前位置という)に移動したと
き、これを検出してピストン位置信号(オフ信号)LP
を出力するピストン位置センサ87と、作動油室23内
の作動油圧を検出して蓄圧信号PACを出力する蓄圧セン
サ88が設けられており、それぞれピストン位置信号L
P 、蓄圧信号PACをECU60に供給している。
プ/モータ40側の管内圧力を知るための吐出圧センサ
89が設けられており、吐出圧信号PHYをECUに供給
している。アキュムレータ20には、窒素ガスの膨張に
よってピストン21が作動油室23の最大膨張位置の僅
かに手前の所定位置(直前位置という)に移動したと
き、これを検出してピストン位置信号(オフ信号)LP
を出力するピストン位置センサ87と、作動油室23内
の作動油圧を検出して蓄圧信号PACを出力する蓄圧セン
サ88が設けられており、それぞれピストン位置信号L
P 、蓄圧信号PACをECU60に供給している。
【0015】ポンプ/モータ40は、ギヤボックス50
を介して前述した駆動軸12に接続されており、駆動軸
10の制動エネルギは、駆動軸12とギヤボックス50
を介してポンプ/モータ40に伝達され、逆にポンプ/
モータ40の発進/加速エネルギは、ギヤボックス50
から駆動軸12、差動装置を介して駆動軸10に伝達さ
れる。ギヤボックス50は、一対の歯車50aとドグク
ラッチ51とから構成され、一対の歯車50aは駆動軸
12の回転を増速してポンプ/モータ40に伝達する。
駆動軸12とポンプ/モータ40との連結はドグクラッ
チ51によって断接される。
を介して前述した駆動軸12に接続されており、駆動軸
10の制動エネルギは、駆動軸12とギヤボックス50
を介してポンプ/モータ40に伝達され、逆にポンプ/
モータ40の発進/加速エネルギは、ギヤボックス50
から駆動軸12、差動装置を介して駆動軸10に伝達さ
れる。ギヤボックス50は、一対の歯車50aとドグク
ラッチ51とから構成され、一対の歯車50aは駆動軸
12の回転を増速してポンプ/モータ40に伝達する。
駆動軸12とポンプ/モータ40との連結はドグクラッ
チ51によって断接される。
【0016】ポンプ/モータ40は、ギヤボックス50
の出力軸に接続された駆動軸40eと、これと一体回転
するピストンシリンダ40fと、該シリンダ40fに嵌
装されたピストン40cと、駆動軸40eの回転に伴っ
てピストン40cを往復運動させる斜板40dとを有
し、駆動軸40eに対する斜板40dの角度すなわち傾
転角を制御することによって、そのポンプ/モータ容量
が設定され、ポンプ作動時、モータ作動時のいずれにお
いても同一方向に回転するようになっている。
の出力軸に接続された駆動軸40eと、これと一体回転
するピストンシリンダ40fと、該シリンダ40fに嵌
装されたピストン40cと、駆動軸40eの回転に伴っ
てピストン40cを往復運動させる斜板40dとを有
し、駆動軸40eに対する斜板40dの角度すなわち傾
転角を制御することによって、そのポンプ/モータ容量
が設定され、ポンプ作動時、モータ作動時のいずれにお
いても同一方向に回転するようになっている。
【0017】斜板40dの傾転角は、傾転シリンダ41
によって可変制御される。この傾転シリンダ41は、斜
板40dに連結されたピストン41aと、該ピストン4
1aの両側にそれぞれ形成されたチャンバ41b、41
cとを有し、一方のチャンバ例えばチャンバ41bに後
述するパイロット油圧源43からのパイロット油圧が供
給されると斜板40dがポンプ作動側に駆動され、他方
のチャンバ41cにパイロット油圧が供給されるとモー
タ作動側に駆動されるようになっている。
によって可変制御される。この傾転シリンダ41は、斜
板40dに連結されたピストン41aと、該ピストン4
1aの両側にそれぞれ形成されたチャンバ41b、41
cとを有し、一方のチャンバ例えばチャンバ41bに後
述するパイロット油圧源43からのパイロット油圧が供
給されると斜板40dがポンプ作動側に駆動され、他方
のチャンバ41cにパイロット油圧が供給されるとモー
タ作動側に駆動されるようになっている。
【0018】パイロット油圧源43は、電動モータ等に
より駆動されるオイルポンプや調圧弁から構成され、所
定圧のパイロット油圧を発生させる。この油圧源43と
傾転シリンダ41間には、フィルタ45、電磁式の2ポ
ート切換弁44、比例電磁弁42がこの順で配設され、
これらは、パイロット油圧源43から傾転シリンダ41
へのパイロット油圧の供給圧を制御するためのパイロッ
ト油圧制御回路を構成している。切換弁44は、ECU
60からの駆動信号D1によって、パイロット油路P5
の連通および遮断を行う。
より駆動されるオイルポンプや調圧弁から構成され、所
定圧のパイロット油圧を発生させる。この油圧源43と
傾転シリンダ41間には、フィルタ45、電磁式の2ポ
ート切換弁44、比例電磁弁42がこの順で配設され、
これらは、パイロット油圧源43から傾転シリンダ41
へのパイロット油圧の供給圧を制御するためのパイロッ
ト油圧制御回路を構成している。切換弁44は、ECU
60からの駆動信号D1によって、パイロット油路P5
の連通および遮断を行う。
【0019】比例電磁弁42の一方のソレノイド例えば
ソレノイド42aに制御信号ELPを供給すると、信号
値ELPに応じた大きさのパイロット油圧が比例電磁弁
42を介して傾転シリンダ41のポンプ作動側のチャン
バ41bに供給され、また、他方のソレノイド42bに
制御信号ELMを供給すると、信号値ELMに応じた大
きさのパイロット油圧がモータ作動側のチャンバ41c
に供給され、これにより、傾転シリンダ41のピストン
41aの作動位置、ひいては斜板40dの傾転角が可変
制御され、ポンプ作動時にあっては、吐出量の調整を
し、また、モータ作動時にあっては、出力トルクの調整
をするようになっている。
ソレノイド42aに制御信号ELPを供給すると、信号
値ELPに応じた大きさのパイロット油圧が比例電磁弁
42を介して傾転シリンダ41のポンプ作動側のチャン
バ41bに供給され、また、他方のソレノイド42bに
制御信号ELMを供給すると、信号値ELMに応じた大
きさのパイロット油圧がモータ作動側のチャンバ41c
に供給され、これにより、傾転シリンダ41のピストン
41aの作動位置、ひいては斜板40dの傾転角が可変
制御され、ポンプ作動時にあっては、吐出量の調整を
し、また、モータ作動時にあっては、出力トルクの調整
をするようになっている。
【0020】ポンプ/モータ40のポンプ作動時には、
斜板40dが傾転シリンダ41によってポンプ作動側に
駆動され、作動油は、作動油タンク30からフィルタ3
8、逆止弁58、管路P2、ポンプ/モータ40、管路
P1を介してアキュムレータ20へ流れ、モータ作動時
には、斜板40dがモータ作動側に駆動され、作動油は
ポンプ作動時とは逆方向に、アキュムレータ20から管
路P1、ポンプ/モータ40、管路P2、逆止弁57、
フィルタ37を介して作動油タンク30へ流れる。
斜板40dが傾転シリンダ41によってポンプ作動側に
駆動され、作動油は、作動油タンク30からフィルタ3
8、逆止弁58、管路P2、ポンプ/モータ40、管路
P1を介してアキュムレータ20へ流れ、モータ作動時
には、斜板40dがモータ作動側に駆動され、作動油は
ポンプ作動時とは逆方向に、アキュムレータ20から管
路P1、ポンプ/モータ40、管路P2、逆止弁57、
フィルタ37を介して作動油タンク30へ流れる。
【0021】作動油タンク30は、電磁式の2ポート切
換弁33、減圧弁35、エアドライヤ36を介して加圧
エアタンク31に、また、電磁式の3ポート切換弁34
を介してサブエアタンク32に接続されており、これら
は、作動油タンク30へのエア圧力供給回路を構成して
いる。切換弁34は、ECU60からの駆動信号D7に
よって作動し、サブエアタンク32と作動油タンク30
とを連通させる位置に切換えられる。サブエアタンク3
2と作動油タンク30とを連通させることによって、サ
ブエアタンク32は、一部保留していたエアを作動油タ
ンク30に供給し、また、作動油タンク30内の作動油
量の変動に合わせて、エアの補給または吸収を行い、作
動油タンク30内エア圧の安定化を図る。一方、ECU
60からの駆動信号D7が断たれると、切換弁34は、
大気解放位置に切り換わり、作動油タンク30内の圧力
を大気中に逃がす。
換弁33、減圧弁35、エアドライヤ36を介して加圧
エアタンク31に、また、電磁式の3ポート切換弁34
を介してサブエアタンク32に接続されており、これら
は、作動油タンク30へのエア圧力供給回路を構成して
いる。切換弁34は、ECU60からの駆動信号D7に
よって作動し、サブエアタンク32と作動油タンク30
とを連通させる位置に切換えられる。サブエアタンク3
2と作動油タンク30とを連通させることによって、サ
ブエアタンク32は、一部保留していたエアを作動油タ
ンク30に供給し、また、作動油タンク30内の作動油
量の変動に合わせて、エアの補給または吸収を行い、作
動油タンク30内エア圧の安定化を図る。一方、ECU
60からの駆動信号D7が断たれると、切換弁34は、
大気解放位置に切り換わり、作動油タンク30内の圧力
を大気中に逃がす。
【0022】切換弁33は、ECU60からの駆動信号
D6によって作動し、エアタンク31内の高圧エアを作
動油タンク30内に供給し、タンク30内の作動油を所
定圧に加圧することにより、ポンプ/モータ40の作動
を安定した状態に保つ。ポンプ/モータ40や油圧経路
内嵌合部(オイルシール)等から漏れる作動油は、ドレ
ンタンク39へ還流する。ドレンタンク39は、ポンプ
59、フィルタ97および電磁式2ポート切換弁98を
介して作動油タンク30に接続されており、ドレンタン
ク39内の作動油が所定量に達すると、ポンプ59を作
動させ、ECU60は、切換弁98に駆動信号を出力
し、これを開成して、不足する作動油を作動油タンク3
0に補充する。
D6によって作動し、エアタンク31内の高圧エアを作
動油タンク30内に供給し、タンク30内の作動油を所
定圧に加圧することにより、ポンプ/モータ40の作動
を安定した状態に保つ。ポンプ/モータ40や油圧経路
内嵌合部(オイルシール)等から漏れる作動油は、ドレ
ンタンク39へ還流する。ドレンタンク39は、ポンプ
59、フィルタ97および電磁式2ポート切換弁98を
介して作動油タンク30に接続されており、ドレンタン
ク39内の作動油が所定量に達すると、ポンプ59を作
動させ、ECU60は、切換弁98に駆動信号を出力
し、これを開成して、不足する作動油を作動油タンク3
0に補充する。
【0023】作動油タンク30には、作動油レベルセン
サ90と油温センサ91が設けられており、それぞれ作
動油レベル信号LOIL 、油温信号TOIL をECU60に
供給している。ECU60は、これらの信号によって、
作動油が正常な状態であるかどうかを監視し、回生装置
の作動を規制することで、ポンプ/モータ40等の装置
の破損を防止している。
サ90と油温センサ91が設けられており、それぞれ作
動油レベル信号LOIL 、油温信号TOIL をECU60に
供給している。ECU60は、これらの信号によって、
作動油が正常な状態であるかどうかを監視し、回生装置
の作動を規制することで、ポンプ/モータ40等の装置
の破損を防止している。
【0024】前述したドグクラッチ51は、エア圧によ
って断接作動し、ドグクラッチ51には、クラッチ接続
用の電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ接弁ともい
う)53およびクラッチ切断用の電磁式3ポート切換弁
(ドグクラッチ断弁ともいう)54を介してエアタンク
52が接続されており、これらはドグクラッチ作動制御
回路を構成している。クラッチ接続用の切換弁53が、
ECU60からの駆動信号D8により作動すると、エア
タンク52の高圧エアが、ドグクラッチ51に供給さ
れ、ドグクラッチ51は接続作動となり、一方、クラッ
チ切断用の切換弁54が、ECU60からの駆動信号D
9により作動すると、ドグクラッチ51は切断作動とな
る。このドグクラッチ51は、切換弁53の作動により
接続が、また切換弁54の作動により切断が一旦確認さ
れると、切換弁53および切換弁54の駆動信号を断っ
てOFFとしても接続あるいは切断状態を保持するよう
な構造になっている。
って断接作動し、ドグクラッチ51には、クラッチ接続
用の電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ接弁ともい
う)53およびクラッチ切断用の電磁式3ポート切換弁
(ドグクラッチ断弁ともいう)54を介してエアタンク
52が接続されており、これらはドグクラッチ作動制御
回路を構成している。クラッチ接続用の切換弁53が、
ECU60からの駆動信号D8により作動すると、エア
タンク52の高圧エアが、ドグクラッチ51に供給さ
れ、ドグクラッチ51は接続作動となり、一方、クラッ
チ切断用の切換弁54が、ECU60からの駆動信号D
9により作動すると、ドグクラッチ51は切断作動とな
る。このドグクラッチ51は、切換弁53の作動により
接続が、また切換弁54の作動により切断が一旦確認さ
れると、切換弁53および切換弁54の駆動信号を断っ
てOFFとしても接続あるいは切断状態を保持するよう
な構造になっている。
【0025】ドグクラッチ51には、ドグクラッチ断接
センサ(断接SWともいう)92が設けられており、ド
グクラッチ51の断接状態を検出して、その検出信号D
CLをECU60に供給している。また、ドグクラッチ
51のポンプ/モータ側出力軸には、ポンプ/モータ4
0の回転数を検出する回転数センサ93が設けられてお
り、ポンプ回転数信号NP をECU60へ供給してい
る。
センサ(断接SWともいう)92が設けられており、ド
グクラッチ51の断接状態を検出して、その検出信号D
CLをECU60に供給している。また、ドグクラッチ
51のポンプ/モータ側出力軸には、ポンプ/モータ4
0の回転数を検出する回転数センサ93が設けられてお
り、ポンプ回転数信号NP をECU60へ供給してい
る。
【0026】ブレーキペダル(図示せず)に接続された
ブレーキパワーユニット70は、駆動輪WR および従動
輪WF の制動力を制御するためのものであり、各車輪の
ホイールシリンダ(図示せず)にブレーキエア圧を供給
している。ブレーキペダル(図示せず)の操作度合いに
応じて発生するブレーキ圧PBKは、図示しないセンサに
よって検出され、ECU60にブレーキ圧検出信号PBK
が供給されている。ECU60は、前述した吐出圧セン
サ89によって検出されるポンプ/モータ40の吐出圧
PHYおよびブレーキ圧PBKの大きさを、それぞれの所定
値と比較することによって、ポンプ/モータ40のポン
プ作動による蓄圧ブレーキと通常のサービスブレーキと
の作動切換制御を行っている。
ブレーキパワーユニット70は、駆動輪WR および従動
輪WF の制動力を制御するためのものであり、各車輪の
ホイールシリンダ(図示せず)にブレーキエア圧を供給
している。ブレーキペダル(図示せず)の操作度合いに
応じて発生するブレーキ圧PBKは、図示しないセンサに
よって検出され、ECU60にブレーキ圧検出信号PBK
が供給されている。ECU60は、前述した吐出圧セン
サ89によって検出されるポンプ/モータ40の吐出圧
PHYおよびブレーキ圧PBKの大きさを、それぞれの所定
値と比較することによって、ポンプ/モータ40のポン
プ作動による蓄圧ブレーキと通常のサービスブレーキと
の作動切換制御を行っている。
【0027】エンジン1には燃料噴射装置5が備えられ
ており、この燃料噴射装置5に接続されたガバナコント
ロールユニット67は、通常の燃料噴射制御を行うとと
もに、後述するECU60からのラック制限信号Rによ
る燃料噴射制限(ラック制限)を行っている。この燃料
噴射制限(ラック制限)は、ポンプ/モータ40のモー
タ作動による出力とエンジン1による出力との和が、通
常のエンジン1だけによる駆動トルクに対応する出力以
上にならないように制御されるものである。また、ガバ
ナコントロールユニット67は、エンジン回転数NE を
検出し、エンジン回転数信号NE をECU60へ供給し
ている。
ており、この燃料噴射装置5に接続されたガバナコント
ロールユニット67は、通常の燃料噴射制御を行うとと
もに、後述するECU60からのラック制限信号Rによ
る燃料噴射制限(ラック制限)を行っている。この燃料
噴射制限(ラック制限)は、ポンプ/モータ40のモー
タ作動による出力とエンジン1による出力との和が、通
常のエンジン1だけによる駆動トルクに対応する出力以
上にならないように制御されるものである。また、ガバ
ナコントロールユニット67は、エンジン回転数NE を
検出し、エンジン回転数信号NE をECU60へ供給し
ている。
【0028】トランスミッション3には、車速検出手段
としての車速センサ83、後退段検出手段としてのT/
Mリバースセンサ84、T/Mニュートラルセンサ85
およびセレクト位置センサ86が設けられており、それ
ぞれ車速信号V、T/Mリバース信号TMR、T/Mニ
ュートラル信号TMNおよびセレクト位置信号LTMをE
CU60へ供給している。
としての車速センサ83、後退段検出手段としてのT/
Mリバースセンサ84、T/Mニュートラルセンサ85
およびセレクト位置センサ86が設けられており、それ
ぞれ車速信号V、T/Mリバース信号TMR、T/Mニ
ュートラル信号TMNおよびセレクト位置信号LTMをE
CU60へ供給している。
【0029】図3は、エネルギ回生装置の作動を制御す
るECU60の構成を示し、ECU60には、プロセッ
サ、メモリ、入出力回路等を備えている。このECU6
0の入力側には、電源のオンオフ状態信号を供給するメ
インSW64、アクセルペダル(図示せず)に連動し、
アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度セ
ンサ61、クラッチペダル(図示せず)に連動し、エン
ジンクラッチ断接を検出する2つのクラッチセンサ(C
L1)62、(CL2)63、および前述したブレーキ
圧センサを含む各種センサが接続される。ここで、エン
ジンクラッチ断接センサ(CL1)62は、クラッチペ
ダル(図示せず)の戻り限(クラッチ接続)で信号を供
給してONになるように設定され、またエンジンクラッ
チ断接センサ(CL2)63は、クラッチペダル(図示
せず)の踏み込み限(クラッチ切断)で信号を供給して
ONになるように設定されており、センサ(CL1)6
2とセンサ(CL2)63の組み合わせによって半クラ
ッチ状態が検出可能となっている。
るECU60の構成を示し、ECU60には、プロセッ
サ、メモリ、入出力回路等を備えている。このECU6
0の入力側には、電源のオンオフ状態信号を供給するメ
インSW64、アクセルペダル(図示せず)に連動し、
アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度セ
ンサ61、クラッチペダル(図示せず)に連動し、エン
ジンクラッチ断接を検出する2つのクラッチセンサ(C
L1)62、(CL2)63、および前述したブレーキ
圧センサを含む各種センサが接続される。ここで、エン
ジンクラッチ断接センサ(CL1)62は、クラッチペ
ダル(図示せず)の戻り限(クラッチ接続)で信号を供
給してONになるように設定され、またエンジンクラッ
チ断接センサ(CL2)63は、クラッチペダル(図示
せず)の踏み込み限(クラッチ切断)で信号を供給して
ONになるように設定されており、センサ(CL1)6
2とセンサ(CL2)63の組み合わせによって半クラ
ッチ状態が検出可能となっている。
【0030】一方、ECU60の出力側には、前述した
各種電磁切換弁、各種インジケータ類が接続されてい
る。インジケータ類には、アキュムレータのピストンセ
ンサ87からのピストン位置信号LP と蓄圧センサ88
からの蓄圧信号PACとによって蓄圧量を表示する蓄圧イ
ンジケータ66、ドグクラッチ断接センサ92からのド
グクラッチ断接信号DCLによってエネルギ回生装置が
作動中であることを表示する回生ランプ68および各種
エラー(異常)信号によってエラーを表示するダイアグ
ランプ69が有る。
各種電磁切換弁、各種インジケータ類が接続されてい
る。インジケータ類には、アキュムレータのピストンセ
ンサ87からのピストン位置信号LP と蓄圧センサ88
からの蓄圧信号PACとによって蓄圧量を表示する蓄圧イ
ンジケータ66、ドグクラッチ断接センサ92からのド
グクラッチ断接信号DCLによってエネルギ回生装置が
作動中であることを表示する回生ランプ68および各種
エラー(異常)信号によってエラーを表示するダイアグ
ランプ69が有る。
【0031】以下、上述のように構成される制動エネル
ギ回生装置のポンプ制御およびモータ制御を図4乃至図
10に示すフローチャートを参照して説明する。図4、
図5および図6は、ECU60が実行する制動時のポン
プ制御の制御手順をを示す。先ず、ECU60は、ステ
ップS10でドグクラッチ断接センサ92からのドグク
ラッチ断接信号DCLによってドグクラッチ51がON
(接続)かOFF(切断)かを判別する。尚、ドグクラ
ッチ51は、後述するドグクラッチ制御により、車両が
所定のクラッチ接続運転状態であるときに、ECU60
からクラッチ接続用切換弁53に駆動信号D8が供給さ
れてON(接続)となり、所定のクラッチ切断運転状態
では、切断用切換弁54に駆動信号D9が供給されてO
FF(切断)となる。ドグクラッチ51が接続状態にな
ると、ポンプ/モータ40は、駆動軸10、12、ギヤ
ボックス50を介して駆動輪WR により駆動されること
になる。
ギ回生装置のポンプ制御およびモータ制御を図4乃至図
10に示すフローチャートを参照して説明する。図4、
図5および図6は、ECU60が実行する制動時のポン
プ制御の制御手順をを示す。先ず、ECU60は、ステ
ップS10でドグクラッチ断接センサ92からのドグク
ラッチ断接信号DCLによってドグクラッチ51がON
(接続)かOFF(切断)かを判別する。尚、ドグクラ
ッチ51は、後述するドグクラッチ制御により、車両が
所定のクラッチ接続運転状態であるときに、ECU60
からクラッチ接続用切換弁53に駆動信号D8が供給さ
れてON(接続)となり、所定のクラッチ切断運転状態
では、切断用切換弁54に駆動信号D9が供給されてO
FF(切断)となる。ドグクラッチ51が接続状態にな
ると、ポンプ/モータ40は、駆動軸10、12、ギヤ
ボックス50を介して駆動輪WR により駆動されること
になる。
【0032】ステップS10の判別結果がOFF(切
断)であれば図6のステップS20に進む。ECU60
は、ステップS20において比例電磁弁42への傾転角
制御信号値ELPをゼロ(ELP=0)に設定する。こ
れにより、パイロット油圧源43からのパイロット油圧
は遮断された状態に保持され、傾転角シリンダ41のピ
ストン41aも中立位置に保持される。そして、ポンプ
/モータ40の斜板40dの傾転角度をゼロに保持する
ことによって、ポンプ/モータ40は、ポンプとして機
能しないことになる。次に、ステップS21では、切換
弁44への駆動信号D1を断ったままにして、これをO
FF(閉)状態に保持し、さらに、ステップS22で
は、アンロード弁(ノーマルオープン)25へアンロー
ド弁信号D3を出力せず、これをOFF(開)とし、高
圧油管路P1と低圧油管路P2とを連通の状態に保持す
る。ステップS23では、ECU60は、プログラム制
御変数であるフラグf1に値0(f1=0)を設定し、
これによりポンプ制御が実施されていないことを記憶す
る。
断)であれば図6のステップS20に進む。ECU60
は、ステップS20において比例電磁弁42への傾転角
制御信号値ELPをゼロ(ELP=0)に設定する。こ
れにより、パイロット油圧源43からのパイロット油圧
は遮断された状態に保持され、傾転角シリンダ41のピ
ストン41aも中立位置に保持される。そして、ポンプ
/モータ40の斜板40dの傾転角度をゼロに保持する
ことによって、ポンプ/モータ40は、ポンプとして機
能しないことになる。次に、ステップS21では、切換
弁44への駆動信号D1を断ったままにして、これをO
FF(閉)状態に保持し、さらに、ステップS22で
は、アンロード弁(ノーマルオープン)25へアンロー
ド弁信号D3を出力せず、これをOFF(開)とし、高
圧油管路P1と低圧油管路P2とを連通の状態に保持す
る。ステップS23では、ECU60は、プログラム制
御変数であるフラグf1に値0(f1=0)を設定し、
これによりポンプ制御が実施されていないことを記憶す
る。
【0033】図4のステップS10に戻り、このステッ
プでの判別結果がON(接続)状態であれば、ステップ
S11に進む。ステップS11では、ECU60は、車
両が後退走行中あるいは後退ギヤ段解除後のポンプ制御
禁止運転中であるか否かを判別する。この判断は、後述
するフラグf(R) が値1に等しいか否かによっておこな
われる。フラグf(R) が値1に等しければポンプ制御禁
止であり、前述したステップS20以下を実行する。一
方、ステップS11の判別結果がNO(f(R)=0)の
場合にはステップS12に進む。
プでの判別結果がON(接続)状態であれば、ステップ
S11に進む。ステップS11では、ECU60は、車
両が後退走行中あるいは後退ギヤ段解除後のポンプ制御
禁止運転中であるか否かを判別する。この判断は、後述
するフラグf(R) が値1に等しいか否かによっておこな
われる。フラグf(R) が値1に等しければポンプ制御禁
止であり、前述したステップS20以下を実行する。一
方、ステップS11の判別結果がNO(f(R)=0)の
場合にはステップS12に進む。
【0034】ステップS12では、ECU60は、車両
が停止しているか否かを判別する。この判別は、車速V
が所定値XV0( 例えば、1 km/h)以下であるかを車速信
号Vにより判別して、V≦XV0(1km/h)であればポン
プ制御を実行しない。一方、判別結果がV>XV0(1km
/h)であればステップS13を実行する。ステップS1
3では、ECU60は、運転手がブレーキペダル(図示
せず)を踏んだことによりブレーキ圧PBKが発生してい
るかどうかをブレーキ圧センサからのブレーキ圧信号P
BKにより判別して、PBK<XPB(例えば、0.2kgf/cm
2)であればブレーキペダル(図示せず)を踏んでいな
い状態とみなして、ポンプ制御を実行しない。一方、判
別結果がPBK≧XPB(0.2kgf/cm2 )であればエネル
ギを回生すべき運転条件がすべて成立したと判別して、
ステップS14を実行する。
が停止しているか否かを判別する。この判別は、車速V
が所定値XV0( 例えば、1 km/h)以下であるかを車速信
号Vにより判別して、V≦XV0(1km/h)であればポン
プ制御を実行しない。一方、判別結果がV>XV0(1km
/h)であればステップS13を実行する。ステップS1
3では、ECU60は、運転手がブレーキペダル(図示
せず)を踏んだことによりブレーキ圧PBKが発生してい
るかどうかをブレーキ圧センサからのブレーキ圧信号P
BKにより判別して、PBK<XPB(例えば、0.2kgf/cm
2)であればブレーキペダル(図示せず)を踏んでいな
い状態とみなして、ポンプ制御を実行しない。一方、判
別結果がPBK≧XPB(0.2kgf/cm2 )であればエネル
ギを回生すべき運転条件がすべて成立したと判別して、
ステップS14を実行する。
【0035】ステップS14では、ECU60は、ポン
プ/モータ40の斜板40dの傾転角制御信号値ELP
を設定するサブルーチンを実行する。ELP値の設定方
法としては、例えばブレーキ圧PBKに応じた基準値を計
算し、さらに、この基準値を、作動油タンクの油温セン
サ91で検出された油温TOIL 、車速センサ83で検出
された車速V、アキュムレータ20の蓄圧量PAC等によ
り補正して適宜値に設定される。図11は、ECU60
の記憶装置に記憶されているELP基準値マップを示
し、ECU60は、このマップからブレーキ圧PBKに応
じたELP基準値を読みだす。
プ/モータ40の斜板40dの傾転角制御信号値ELP
を設定するサブルーチンを実行する。ELP値の設定方
法としては、例えばブレーキ圧PBKに応じた基準値を計
算し、さらに、この基準値を、作動油タンクの油温セン
サ91で検出された油温TOIL 、車速センサ83で検出
された車速V、アキュムレータ20の蓄圧量PAC等によ
り補正して適宜値に設定される。図11は、ECU60
の記憶装置に記憶されているELP基準値マップを示
し、ECU60は、このマップからブレーキ圧PBKに応
じたELP基準値を読みだす。
【0036】次に、図5のステップS15において、E
CU60は、上述のようにして設定したELP値に対応
する制御信号を比例電磁弁42に出力し、ポンプ/モー
タ40の傾転角を信号値ELPに対応する角度に設定す
る。次いで、ステップS16では、切換弁44に駆動信
号D1を出力して、これをON(開)にし、傾転角シリ
ンダ41にパイロット油圧を供給する。また、ステップ
S17では、低圧油管路P2と高圧油管路P1間のアン
ロード弁(ノーマルオープン)25をアンロード弁信号
D3によってON(閉)とし、高圧油管路P1の圧力が
低圧油管路P2に逃げないように遮断する。さらに、ス
テップS18では、ポンプ作動中であることを記憶する
ためにフラグf1に値1を設定する。
CU60は、上述のようにして設定したELP値に対応
する制御信号を比例電磁弁42に出力し、ポンプ/モー
タ40の傾転角を信号値ELPに対応する角度に設定す
る。次いで、ステップS16では、切換弁44に駆動信
号D1を出力して、これをON(開)にし、傾転角シリ
ンダ41にパイロット油圧を供給する。また、ステップ
S17では、低圧油管路P2と高圧油管路P1間のアン
ロード弁(ノーマルオープン)25をアンロード弁信号
D3によってON(閉)とし、高圧油管路P1の圧力が
低圧油管路P2に逃げないように遮断する。さらに、ス
テップS18では、ポンプ作動中であることを記憶する
ためにフラグf1に値1を設定する。
【0037】このようにして、ポンプ/モータ40の傾
転角が比例電磁弁42への制御信号値ELPに対応する
角度に設定されると、ポンプ/モータ40はポンプとし
て作動し、作動油タンク30の作動油を吸い込んで、こ
れをアキュムレータ20の作動油室23に押し込んで蓄
圧する。以上のポンプ制御では、運転者のブレーキペダ
ル踏み込み量に応じてポンプ/モータ40の傾転角が設
定されることになり、ポンプ/モータ40がブレーキペ
ダル踏み込み量に応じた仕事をして、制動エネルギが回
収されることになる。
転角が比例電磁弁42への制御信号値ELPに対応する
角度に設定されると、ポンプ/モータ40はポンプとし
て作動し、作動油タンク30の作動油を吸い込んで、こ
れをアキュムレータ20の作動油室23に押し込んで蓄
圧する。以上のポンプ制御では、運転者のブレーキペダ
ル踏み込み量に応じてポンプ/モータ40の傾転角が設
定されることになり、ポンプ/モータ40がブレーキペ
ダル踏み込み量に応じた仕事をして、制動エネルギが回
収されることになる。
【0038】図7乃至図10は、発進および加速時(発
進/加速時)のモータ制御の制御手順を示す。先ず、E
CU60は、モータ作動に入る前に、ステップS30乃
至ステップS40において、モータ制御を実行しても良
いか否かを判別する。ステップS30では、運転手が車
両を発進させる意図を有しているか否かを、ブレーキ圧
PBKが所定値XPB(例えば、0.2kgf/cm2 )より小で
あるか否かにより判断する。ステップS30の判別結果
が、PBK≧XPB(0.2kgf/cm2 )であれば、後述する
図10のステップS50以下を実行して、モータ制御を
行わない。一方、判別結果がPBK<XPB(0.2kgf/cm
2 )であればステップS31に進む。
進/加速時)のモータ制御の制御手順を示す。先ず、E
CU60は、モータ作動に入る前に、ステップS30乃
至ステップS40において、モータ制御を実行しても良
いか否かを判別する。ステップS30では、運転手が車
両を発進させる意図を有しているか否かを、ブレーキ圧
PBKが所定値XPB(例えば、0.2kgf/cm2 )より小で
あるか否かにより判断する。ステップS30の判別結果
が、PBK≧XPB(0.2kgf/cm2 )であれば、後述する
図10のステップS50以下を実行して、モータ制御を
行わない。一方、判別結果がPBK<XPB(0.2kgf/cm
2 )であればステップS31に進む。
【0039】ステップS31では、ECU60は、ポン
プ制御中であるか否かを、ポンプ制御中であることを示
すフラグf1が1(YES)であるか0(NO)である
かで判別する。フラグf1が1(YES)のとき、つま
りポンプ制御中のときには、後述する図10のステップ
S50以下を実行し、モータ制御を行わない。一方、フ
ラグf1が0(NO)のとき、つまりポンプ制御中でな
いときには、ステップS32に進む。
プ制御中であるか否かを、ポンプ制御中であることを示
すフラグf1が1(YES)であるか0(NO)である
かで判別する。フラグf1が1(YES)のとき、つま
りポンプ制御中のときには、後述する図10のステップ
S50以下を実行し、モータ制御を行わない。一方、フ
ラグf1が0(NO)のとき、つまりポンプ制御中でな
いときには、ステップS32に進む。
【0040】ステップS32では、ECU60は、ドグ
クラッチ断接センサ92がON(接続)かOFF(切
断)かをドグクラッチ断接信号DCLにより判別し、O
FF(切断)であればモータ制御を実行しない。一方、
判別結果がON(接続)であればステップS33に進
む。ステップS33では、ECU60は、車両の後退走
行中あるいは後退ギヤ段解除後のモータ制御禁止運転中
であるか否かを判別する。この判別は、フラグf(R) が
値1に等しいか否かによって行われ、そのフラグ値の設
定方法については後述する。フラグf(R) が値1に等し
ければ、モータ制御禁止であり、後述のステップS50
以下を実行する。一方、ステップS33の判別結果がN
O(f(R) =0)の場合にはステップS34に進む。
クラッチ断接センサ92がON(接続)かOFF(切
断)かをドグクラッチ断接信号DCLにより判別し、O
FF(切断)であればモータ制御を実行しない。一方、
判別結果がON(接続)であればステップS33に進
む。ステップS33では、ECU60は、車両の後退走
行中あるいは後退ギヤ段解除後のモータ制御禁止運転中
であるか否かを判別する。この判別は、フラグf(R) が
値1に等しいか否かによって行われ、そのフラグ値の設
定方法については後述する。フラグf(R) が値1に等し
ければ、モータ制御禁止であり、後述のステップS50
以下を実行する。一方、ステップS33の判別結果がN
O(f(R) =0)の場合にはステップS34に進む。
【0041】ステップS34では、ECU60は、トラ
ンスミション3のセレクト位置がニュートラルであるか
否かをT/Mニュートラル信号TMNにより判別する。
判別結果がYES(ニュートラル)つまりセレクト位置
がニュートラルであれば、運転手には未だ車両を発進さ
せる意図がないと判断して、モータ制御を行わない。一
方、判別結果がNOのときには、ステップS35に進
む。
ンスミション3のセレクト位置がニュートラルであるか
否かをT/Mニュートラル信号TMNにより判別する。
判別結果がYES(ニュートラル)つまりセレクト位置
がニュートラルであれば、運転手には未だ車両を発進さ
せる意図がないと判断して、モータ制御を行わない。一
方、判別結果がNOのときには、ステップS35に進
む。
【0042】ステップS35では、ECU60は、クラ
ッチ2が接続状態か切断状態かをクラッチ断接センサ
(CL2)63のクラッチ断接信号CL2により判別
し、切断状態であれば、トランスミション3のセレクト
位置がニュートラルのときと同様に、モータ制御を行わ
ない。一方、接続状態(半クラッチ状態も含む)であれ
ば図8のステップS36に進む。
ッチ2が接続状態か切断状態かをクラッチ断接センサ
(CL2)63のクラッチ断接信号CL2により判別
し、切断状態であれば、トランスミション3のセレクト
位置がニュートラルのときと同様に、モータ制御を行わ
ない。一方、接続状態(半クラッチ状態も含む)であれ
ば図8のステップS36に進む。
【0043】ステップS36では、ECU60は、アキ
ュムレータ20に作動油が充填されているかどうかを、
ピストン位置センサ87からのピストン位置信号LP に
よって判別する。ピストン21の前述した直前位置に設
定されたピストン位置センサ87が0FFつまり作動油
が空のときには、アキュムレータ20に作動油が蓄圧さ
れていないことになり、このような場合には、モータ制
御を実行しない。一方、ピストン位置センサ87がON
つまりアキュムレータ20に作動油が充填されていると
きには、ステップS37に進む。
ュムレータ20に作動油が充填されているかどうかを、
ピストン位置センサ87からのピストン位置信号LP に
よって判別する。ピストン21の前述した直前位置に設
定されたピストン位置センサ87が0FFつまり作動油
が空のときには、アキュムレータ20に作動油が蓄圧さ
れていないことになり、このような場合には、モータ制
御を実行しない。一方、ピストン位置センサ87がON
つまりアキュムレータ20に作動油が充填されていると
きには、ステップS37に進む。
【0044】ステップS37では、ECU60は、車速
Vが所定値XV2(例えば、65km/h)以下であるか否か
を車速信号Vにより判別し、所定値XV2(65km/h)よ
り大であれば、ポンプ/モータ40が、許容能力を越え
て破損することを防止するために、モータ制御は行わな
い。一方、所定値XV2(65km/h)以下であればステッ
プS38に進む。
Vが所定値XV2(例えば、65km/h)以下であるか否か
を車速信号Vにより判別し、所定値XV2(65km/h)よ
り大であれば、ポンプ/モータ40が、許容能力を越え
て破損することを防止するために、モータ制御は行わな
い。一方、所定値XV2(65km/h)以下であればステッ
プS38に進む。
【0045】ステップS38では、ECU60は、ステ
ップS37と同様に車速Vを所定値XV1(例えば、5km
/h)と比較して、XV1値より小の場合にはステップS3
9に進み、クラッチ2が完全に接続されているか半クラ
ッチ状態であるかを、クラッチ断接センサ(CL1)6
2のクラッチ断接信号CL1によって判別する。ステッ
プS38の判別により、車速Vが所定値XV1(5km/h)
より小であるにもかかわらず、クラッチ2が完全に接続
されていると判別されるような場合には、クラッチセン
サ62、63や車速センサ83等に何らかの異常が有る
と判断して、安全上モータ制御は行わない。一方、クラ
ッチ断接信号CL1がOFF状態を示す場合には、前述
したステップS35の判別結果と合わせて、クラッチ2
が半クラッチ状態にあることを意味し、このような場合
にはステップS40に進む。
ップS37と同様に車速Vを所定値XV1(例えば、5km
/h)と比較して、XV1値より小の場合にはステップS3
9に進み、クラッチ2が完全に接続されているか半クラ
ッチ状態であるかを、クラッチ断接センサ(CL1)6
2のクラッチ断接信号CL1によって判別する。ステッ
プS38の判別により、車速Vが所定値XV1(5km/h)
より小であるにもかかわらず、クラッチ2が完全に接続
されていると判別されるような場合には、クラッチセン
サ62、63や車速センサ83等に何らかの異常が有る
と判断して、安全上モータ制御は行わない。一方、クラ
ッチ断接信号CL1がOFF状態を示す場合には、前述
したステップS35の判別結果と合わせて、クラッチ2
が半クラッチ状態にあることを意味し、このような場合
にはステップS40に進む。
【0046】ステップS40では、ECU60は、アク
セル開度L Aθが、モータ開始開度判別値Xθ1 より大
であるか否かを、アクセル開度信号L Aθにより判断す
る。上述の判別値Xθ1 は、車速Vに応じて設定され、
図12は、車速Vと、それによって設定される判別値X
θ1 との関係を示している。アクセル開度L Aθが判別
値Xθ1 より小(L Aθ<Xθ1 )の場合には、回生エ
ネルギにより車両を加速させるべき状態ではないと判断
して、モータ作動は行わない。アクセル開度LAθが判
別値Xθ1 以下である負荷時にモータ制御を実行する
と、エンジン出力を大きく絞る必要が生じる。しかし、
エンジン出力を絞り過ぎると、エンジンの燃費特性が悪
化して、かえって好ましくない。一方、判別値Xθ1 よ
り大(L Aθ≧Xθ1 )である場合には、ステップS4
1に進んでモータ制御を開始することになる。
セル開度L Aθが、モータ開始開度判別値Xθ1 より大
であるか否かを、アクセル開度信号L Aθにより判断す
る。上述の判別値Xθ1 は、車速Vに応じて設定され、
図12は、車速Vと、それによって設定される判別値X
θ1 との関係を示している。アクセル開度L Aθが判別
値Xθ1 より小(L Aθ<Xθ1 )の場合には、回生エ
ネルギにより車両を加速させるべき状態ではないと判断
して、モータ作動は行わない。アクセル開度LAθが判
別値Xθ1 以下である負荷時にモータ制御を実行する
と、エンジン出力を大きく絞る必要が生じる。しかし、
エンジン出力を絞り過ぎると、エンジンの燃費特性が悪
化して、かえって好ましくない。一方、判別値Xθ1 よ
り大(L Aθ≧Xθ1 )である場合には、ステップS4
1に進んでモータ制御を開始することになる。
【0047】モータ制御を実行しない場合には、ECU
60は、図10のステップS50において比例電磁弁4
2への傾転角制御信号値ELMをゼロ(ELM=0)に
設定しこれを出力する。これにより、傾転角シリンダ4
1のピストン41aは中立位置に保持され、ポンプ/モ
ータ40の斜板40dの傾転角度がゼロになり、ポンプ
/モータ40はモータとして機能しない状態となる。ス
テップS51では、傾転角シリンダ41のピストン41
aを駆動するパイロット油の給排制御を行う切換弁44
を、駆動信号D1を断ってOFF(閉)にする。ステッ
プS52では、モータ作動時にON(開)である遮断弁
24を、遮断弁信号D2を断ってOFF(閉)にし、ア
キュムレータ20からポンプ/モータ40への作動油の
流れを止める。ステップS53では、低圧油管路P2と
高圧油管路P1間に配設されるアンロード弁(ノーマル
オープン)25を、アンロード弁信号D3の出力を停止
してOFF(開)とし、高圧油管路P1と低圧油管路P
2を連通させる。ステップS54では、モータ作動時に
エンジン1に対して発信していた後述のラック制限信号
Rを断ってOFFとし、さらにステップS55にて、同
様に発信していたラック制限有効信号REを断ってOF
Fとする。最後にステップS56で、プログラム制御変
数であるフラグf2に値0(f2=0)を設定し、これ
によりモータ制御が実施されていないことを記憶する。
60は、図10のステップS50において比例電磁弁4
2への傾転角制御信号値ELMをゼロ(ELM=0)に
設定しこれを出力する。これにより、傾転角シリンダ4
1のピストン41aは中立位置に保持され、ポンプ/モ
ータ40の斜板40dの傾転角度がゼロになり、ポンプ
/モータ40はモータとして機能しない状態となる。ス
テップS51では、傾転角シリンダ41のピストン41
aを駆動するパイロット油の給排制御を行う切換弁44
を、駆動信号D1を断ってOFF(閉)にする。ステッ
プS52では、モータ作動時にON(開)である遮断弁
24を、遮断弁信号D2を断ってOFF(閉)にし、ア
キュムレータ20からポンプ/モータ40への作動油の
流れを止める。ステップS53では、低圧油管路P2と
高圧油管路P1間に配設されるアンロード弁(ノーマル
オープン)25を、アンロード弁信号D3の出力を停止
してOFF(開)とし、高圧油管路P1と低圧油管路P
2を連通させる。ステップS54では、モータ作動時に
エンジン1に対して発信していた後述のラック制限信号
Rを断ってOFFとし、さらにステップS55にて、同
様に発信していたラック制限有効信号REを断ってOF
Fとする。最後にステップS56で、プログラム制御変
数であるフラグf2に値0(f2=0)を設定し、これ
によりモータ制御が実施されていないことを記憶する。
【0048】一方、ステップS41の実行によりモータ
制御が開始されると、ECU60は、ポンプ/モータ4
0の斜板40dの傾転角制御信号値ELMを設定するサ
ブルーチンを実行する。ELM値の設定方法としては、
先ず、アクセル開度L Aθおよび車速V(車速Vに代え
てエンジン回転数NE でもよい)に応じて基準値を設定
する。図13は、ECU60の記憶装置に記憶されてい
るELMマップを示し、ECU60は、このマップから
車速Vおよびアクセル開度L Aθに応じたELM基準値
(XM0、XM1、・・・)を読み出す。次に、油温センサ
91で検出された作動油タンク30の油温に応じた補正
係数を求め、これをELM基準値に掛け合わせて、最適
な傾転角制御信号ELM値を算出している。アクセル開
度L Aθによって傾転角制御信号値ELMを変化させる
ことは、通常のエンジン1だけによる発進および加速時
のアクセル操作のレスポンスと同様のレスポンスが得ら
れるように、ポンプ/モータ40のモータ作動による出
力トルク値を変化させることである。また、車速V(又
はエンジン回転数NE )によって傾転角制御信号値EL
Mを変化させることは、低速域では高トルクを供給し、
中速域では加速に必要なだけのトルクを供給することを
可能としている。
制御が開始されると、ECU60は、ポンプ/モータ4
0の斜板40dの傾転角制御信号値ELMを設定するサ
ブルーチンを実行する。ELM値の設定方法としては、
先ず、アクセル開度L Aθおよび車速V(車速Vに代え
てエンジン回転数NE でもよい)に応じて基準値を設定
する。図13は、ECU60の記憶装置に記憶されてい
るELMマップを示し、ECU60は、このマップから
車速Vおよびアクセル開度L Aθに応じたELM基準値
(XM0、XM1、・・・)を読み出す。次に、油温センサ
91で検出された作動油タンク30の油温に応じた補正
係数を求め、これをELM基準値に掛け合わせて、最適
な傾転角制御信号ELM値を算出している。アクセル開
度L Aθによって傾転角制御信号値ELMを変化させる
ことは、通常のエンジン1だけによる発進および加速時
のアクセル操作のレスポンスと同様のレスポンスが得ら
れるように、ポンプ/モータ40のモータ作動による出
力トルク値を変化させることである。また、車速V(又
はエンジン回転数NE )によって傾転角制御信号値EL
Mを変化させることは、低速域では高トルクを供給し、
中速域では加速に必要なだけのトルクを供給することを
可能としている。
【0049】作動油タンク30の油温による補正は、油
温が例えば70℃未満ではELM値の補正を必要としな
いが、油温が70℃以上では、傾転角制御信号値ELM
を減少させるように補正する。高温時には、作動油の粘
性が低下し、ポンプ/モータ40の焼きつきの虞が生じ
るため、モータ容量を下げることでこれを防止してい
る。
温が例えば70℃未満ではELM値の補正を必要としな
いが、油温が70℃以上では、傾転角制御信号値ELM
を減少させるように補正する。高温時には、作動油の粘
性が低下し、ポンプ/モータ40の焼きつきの虞が生じ
るため、モータ容量を下げることでこれを防止してい
る。
【0050】次に、ECU60は、図9のステップS4
2において、上述のようにして設定したELM値に対応
する制御信号を比例電磁弁42に出力し、ステップS4
3では、駆動信号D1を出力して、切換弁44をON
(開)とし、比例電磁弁42を介して傾転角シリンダ4
1にパイロット油圧を供給する。これにより、ポンプ/
モータ40の斜板40dが、ELM値に対応する傾転角
に設定される。次いでステップS44では、遮断弁26
に遮断弁信号D2を出力して、これをON(開)にする
とともに、ステップS45において、アンロード弁(ノ
ーマルオープン)25にアンロード弁信号D3を供給し
て、これをON(閉)とし、高圧油管路P1の圧力が低
圧油管路P2に逃げないように遮断する。これにより、
ポンプ/モータ40は、アキュムレータ内に蓄圧されて
いた高圧作動油により駆動され、その駆動力は駆動軸4
0e、ギヤボックス50、駆動軸12、10を介して駆
動輪WR に伝達され、発進時や加速時の駆動力の一部を
賄う。
2において、上述のようにして設定したELM値に対応
する制御信号を比例電磁弁42に出力し、ステップS4
3では、駆動信号D1を出力して、切換弁44をON
(開)とし、比例電磁弁42を介して傾転角シリンダ4
1にパイロット油圧を供給する。これにより、ポンプ/
モータ40の斜板40dが、ELM値に対応する傾転角
に設定される。次いでステップS44では、遮断弁26
に遮断弁信号D2を出力して、これをON(開)にする
とともに、ステップS45において、アンロード弁(ノ
ーマルオープン)25にアンロード弁信号D3を供給し
て、これをON(閉)とし、高圧油管路P1の圧力が低
圧油管路P2に逃げないように遮断する。これにより、
ポンプ/モータ40は、アキュムレータ内に蓄圧されて
いた高圧作動油により駆動され、その駆動力は駆動軸4
0e、ギヤボックス50、駆動軸12、10を介して駆
動輪WR に伝達され、発進時や加速時の駆動力の一部を
賄う。
【0051】ステップS46では、ECU60は、エン
ジン1の燃料噴射装置5の燃料供給制限を行うためのラ
ック制限信号Rを、ガバナコントロールユニット67を
介して燃料噴射装置5に供給する。このラック制限信号
Rは、モータ制御時におけるエンジン1側の出力トルク
制限を行うものであり、エンジン1側の出力制限量は、
エンジン回転数NE およびアキュムレータ20の蓄圧量
PACに基づいて決定される。そして、燃料噴射装置5へ
供給されたエンジン1側の出力制限を確実に実行させる
ために、ステップS47において、ラック制限有効信号
REをガバナコントロールユニット67に出力して、ノ
イズ等による誤作動を防止している。最後にステップS
48で、プログラム制御変数であるフラグf2に値1を
設定し、これによりモータ作動中であることを記憶す
る。
ジン1の燃料噴射装置5の燃料供給制限を行うためのラ
ック制限信号Rを、ガバナコントロールユニット67を
介して燃料噴射装置5に供給する。このラック制限信号
Rは、モータ制御時におけるエンジン1側の出力トルク
制限を行うものであり、エンジン1側の出力制限量は、
エンジン回転数NE およびアキュムレータ20の蓄圧量
PACに基づいて決定される。そして、燃料噴射装置5へ
供給されたエンジン1側の出力制限を確実に実行させる
ために、ステップS47において、ラック制限有効信号
REをガバナコントロールユニット67に出力して、ノ
イズ等による誤作動を防止している。最後にステップS
48で、プログラム制御変数であるフラグf2に値1を
設定し、これによりモータ作動中であることを記憶す
る。
【0052】図14乃至図17は、ECU60が所定の
制御周期で実行するドグクラッチ制御サブルーチンであ
り、このルーチンの実行によってドグクラッチ51の断
接を制御する。ECU60は、先ず、ステップS70に
おいて、トランスミション3のセレクト位置が後退ギヤ
段(リバース)であるか否かをT/Mリバースセンサ8
4のT/Mリバース信号TMRにより判別して、判別結
果がYES(リバース)つまり車両後退ギヤ段であれ
ば、ステップS75を実行して、プログラム制御変数で
あるフラグf(R) に値1(f(R) =1)を設定し、これ
によりリバース制御中であることを記憶する。このフラ
グf(R) が設定されると(f(R) =1)、前述した通り
ポンプ制御およびモータ制御は中止または実行されない
ことになる。
制御周期で実行するドグクラッチ制御サブルーチンであ
り、このルーチンの実行によってドグクラッチ51の断
接を制御する。ECU60は、先ず、ステップS70に
おいて、トランスミション3のセレクト位置が後退ギヤ
段(リバース)であるか否かをT/Mリバースセンサ8
4のT/Mリバース信号TMRにより判別して、判別結
果がYES(リバース)つまり車両後退ギヤ段であれ
ば、ステップS75を実行して、プログラム制御変数で
あるフラグf(R) に値1(f(R) =1)を設定し、これ
によりリバース制御中であることを記憶する。このフラ
グf(R) が設定されると(f(R) =1)、前述した通り
ポンプ制御およびモータ制御は中止または実行されない
ことになる。
【0053】一方、ステップS70の判別結果がNOつ
まり後退ギヤ段でなければ、ステップS71を実行す
る。ステップS71では、フラグf(R) が設定されたま
まであるか(f(R) =1)否かを判別する。フラグf
(R) が1(YES)の場合には、後退ギヤ段解除後のポ
ンプ/モータ制御禁止運転状態であることを意味し、ス
テップS72に進んで車速Vが実質的に停車、すなわち
駆動軸10、12が回転していないことを意味する所定
値XV3(例えば、0km/h)であるか否かを判別する。そ
して、車速Vが検出される場合(V>XV3)には、前述
のステップS75に進み、フラグf(R) を値1にセット
したままにしてポンプ/モータ制御を禁止状態に保つ。
このように、ステップS70でトランスミッション3の
変速段が後退ギヤ段でないにもかかわらず、ステップS
72で車速Vが検出されると(V>XV3)、車両は後退
していると判断され、フラグf(R) を値1にセットした
ままにすることにより、確実にポンプ/モータ制御を禁
止する。
まり後退ギヤ段でなければ、ステップS71を実行す
る。ステップS71では、フラグf(R) が設定されたま
まであるか(f(R) =1)否かを判別する。フラグf
(R) が1(YES)の場合には、後退ギヤ段解除後のポ
ンプ/モータ制御禁止運転状態であることを意味し、ス
テップS72に進んで車速Vが実質的に停車、すなわち
駆動軸10、12が回転していないことを意味する所定
値XV3(例えば、0km/h)であるか否かを判別する。そ
して、車速Vが検出される場合(V>XV3)には、前述
のステップS75に進み、フラグf(R) を値1にセット
したままにしてポンプ/モータ制御を禁止状態に保つ。
このように、ステップS70でトランスミッション3の
変速段が後退ギヤ段でないにもかかわらず、ステップS
72で車速Vが検出されると(V>XV3)、車両は後退
していると判断され、フラグf(R) を値1にセットした
ままにすることにより、確実にポンプ/モータ制御を禁
止する。
【0054】一方、ステップS72の判別により車速V
が検出されなかった場合(V=XV3)には、ステップS
73に進み、フラグf(R) を値0にリセットし、ポンプ
/モータ制御禁止状態を解除する。後退ギヤ段以外の変
速段に切り換えられ、フラグf(R) が値0にリセットさ
れると、以後、ステップS71の判別結果もNO(否
定)となり、図15のステップS78が実行されること
になる。
が検出されなかった場合(V=XV3)には、ステップS
73に進み、フラグf(R) を値0にリセットし、ポンプ
/モータ制御禁止状態を解除する。後退ギヤ段以外の変
速段に切り換えられ、フラグf(R) が値0にリセットさ
れると、以後、ステップS71の判別結果もNO(否
定)となり、図15のステップS78が実行されること
になる。
【0055】ステップS78では、車速Vが所定値XV4
(例えば、60km/h) 以上であるか否かを判別する。車
速Vが所定値XV4以上の場合には、ポンプ/モータ制御
を禁止すべき運転状態を意味し、後述する図16のステ
ップS90に進み、一方、車速Vが所定値XV4より低い
場合には、ステップS80でオーバスピードフラグf(O
/S) が値1であるか否かを判別した後、ステップS82
に進む。オーバスピードフラグf(O/S) は、後述する通
り、車速Vが所定値XV4を超えてドグクラッチ51を切
断したとき、これを記憶するためのプログラム制御変数
であり、前述したような、後退ギヤ段が解除され、フラ
グf(R)が値0にリセットされた直後であるような場
合には、オーバスピードフラグf(O/S) は値0である。
(例えば、60km/h) 以上であるか否かを判別する。車
速Vが所定値XV4以上の場合には、ポンプ/モータ制御
を禁止すべき運転状態を意味し、後述する図16のステ
ップS90に進み、一方、車速Vが所定値XV4より低い
場合には、ステップS80でオーバスピードフラグf(O
/S) が値1であるか否かを判別した後、ステップS82
に進む。オーバスピードフラグf(O/S) は、後述する通
り、車速Vが所定値XV4を超えてドグクラッチ51を切
断したとき、これを記憶するためのプログラム制御変数
であり、前述したような、後退ギヤ段が解除され、フラ
グf(R)が値0にリセットされた直後であるような場
合には、オーバスピードフラグf(O/S) は値0である。
【0056】ステップS82では、ドグクラッチ断接セ
ンサ(断接SW)92がON信号を出力しているか否か
を判別する。未だドグクラッチ51が接続されていない
場合にはこのステップの判別結果は否定(OFF)であ
り、ステップS84に進む。ステップS84では、現在
の車速Vが判別され、所定値XV5(例えば、5km/h)以上
であると、ステップS88に進み、ドグクラッチ接弁5
3および断弁54のいずれにも駆動信号を出力せず(O
FF)、ダイアグランプ69もOFFにして(ステップ
S89)、当該ルーチンを終了する。すなわち、車速V
が所定値XV5以上の場合には、ドグクラッチ51に関し
て何もしない。
ンサ(断接SW)92がON信号を出力しているか否か
を判別する。未だドグクラッチ51が接続されていない
場合にはこのステップの判別結果は否定(OFF)であ
り、ステップS84に進む。ステップS84では、現在
の車速Vが判別され、所定値XV5(例えば、5km/h)以上
であると、ステップS88に進み、ドグクラッチ接弁5
3および断弁54のいずれにも駆動信号を出力せず(O
FF)、ダイアグランプ69もOFFにして(ステップ
S89)、当該ルーチンを終了する。すなわち、車速V
が所定値XV5以上の場合には、ドグクラッチ51に関し
て何もしない。
【0057】ステップS84の判別において車速Vが所
定値XV5より小で0より大であれば、ステップS85に
進み、ドグクラッチ接弁53に駆動信号(ON信号)D
8を出力してドグクラッチ51を接作動させ、当該ルー
チンを終了する。この結果、ドグクラッチ51が接続状
態になり、ステップS82においてドグクラッチ断接S
W92がONになると、前述のステップS88、S89
が実行され、ドグクラッチ接弁53はOFFにされる。
定値XV5より小で0より大であれば、ステップS85に
進み、ドグクラッチ接弁53に駆動信号(ON信号)D
8を出力してドグクラッチ51を接作動させ、当該ルー
チンを終了する。この結果、ドグクラッチ51が接続状
態になり、ステップS82においてドグクラッチ断接S
W92がONになると、前述のステップS88、S89
が実行され、ドグクラッチ接弁53はOFFにされる。
【0058】ステップS84の判別において車速Vが0
であれば、ステップS86に進み、再びドグクラッチ断
接SW92がON信号を出力しているか否かを判別し、
ON信号を出力している場合には、何もせずに当該ルー
チンを終了するが、OFFの場合には、ステップS87
に進み、ドグクラッチ接弁53に駆動信号(ON信号)
D8を10秒間に亘り出力した後、10秒間OFFに
し、当該ステップS87が繰り返し実行される限り、こ
れを繰り返す。車両が微速走行状態にある場合は、駆動
軸12が回転しているのでドグクラッチ51は噛合し易
いが、停車しているとドグクラッチ51が噛み合い難い
場合が生じる。そこで、ドグクラッチ接弁53をONに
してもドグクラッチ51が噛み合わない場合には、接弁
53が10秒間隔で自動的にON−OFFを繰り返すよ
うにし、ドグクラッチ51を噛合させるのである。ドグ
クラッチ51が噛合すると、ステップS82においてド
グクラッチ断接SW92のON信号を検出した後、ステ
ップS88に進んでドグクラッチ接弁53をOFFにす
る。
であれば、ステップS86に進み、再びドグクラッチ断
接SW92がON信号を出力しているか否かを判別し、
ON信号を出力している場合には、何もせずに当該ルー
チンを終了するが、OFFの場合には、ステップS87
に進み、ドグクラッチ接弁53に駆動信号(ON信号)
D8を10秒間に亘り出力した後、10秒間OFFに
し、当該ステップS87が繰り返し実行される限り、こ
れを繰り返す。車両が微速走行状態にある場合は、駆動
軸12が回転しているのでドグクラッチ51は噛合し易
いが、停車しているとドグクラッチ51が噛み合い難い
場合が生じる。そこで、ドグクラッチ接弁53をONに
してもドグクラッチ51が噛み合わない場合には、接弁
53が10秒間隔で自動的にON−OFFを繰り返すよ
うにし、ドグクラッチ51を噛合させるのである。ドグ
クラッチ51が噛合すると、ステップS82においてド
グクラッチ断接SW92のON信号を検出した後、ステ
ップS88に進んでドグクラッチ接弁53をOFFにす
る。
【0059】ドグクラッチ51が接続された後、車速V
が所定値XV4以上になると(ステップS78での判別結
果が肯定(YES)の場合)、図16のステップS90
が実行され、所定時間(例えば、1秒間)連続して車速
Vが所定値XV4以上であるか否かが判別される。この判
別によってノイズ等による誤作動を防止している。ステ
ップS90の判別結果がNO(否定)の場合、すなわ
ち、車速Vが所定値XV4以上であるが、所定値XV4以上
であることが初めて検出された時点から未だ所定時間が
経過していない場合には、何もせずに当該ルーチンを終
了するが、YES(肯定)の場合には、ステップS91
に進み、ドグクラッチ断弁54に駆動信号(ON信号)
D8を出力してドグクラッチ51を断作動させる。そし
て、ドグクラッチ断接SW92によりドグクラッチ51
が切断されたか否かを判別し(ステップS92)、切断
が検出されない場合には、所定時間(例えば、5秒間)
の経過を待ち(ステップS94)、それでもドグクラッ
チ51の断状態が検出されなければ、ステップS95に
進んでダイアグランプ69を点灯(ON)させる。これ
により、ドグクラッチ51を切断すべき車速であるにも
かかわらず、ドグクラッチ51が切断できない場合に、
この状態を運転者に警告する。
が所定値XV4以上になると(ステップS78での判別結
果が肯定(YES)の場合)、図16のステップS90
が実行され、所定時間(例えば、1秒間)連続して車速
Vが所定値XV4以上であるか否かが判別される。この判
別によってノイズ等による誤作動を防止している。ステ
ップS90の判別結果がNO(否定)の場合、すなわ
ち、車速Vが所定値XV4以上であるが、所定値XV4以上
であることが初めて検出された時点から未だ所定時間が
経過していない場合には、何もせずに当該ルーチンを終
了するが、YES(肯定)の場合には、ステップS91
に進み、ドグクラッチ断弁54に駆動信号(ON信号)
D8を出力してドグクラッチ51を断作動させる。そし
て、ドグクラッチ断接SW92によりドグクラッチ51
が切断されたか否かを判別し(ステップS92)、切断
が検出されない場合には、所定時間(例えば、5秒間)
の経過を待ち(ステップS94)、それでもドグクラッ
チ51の断状態が検出されなければ、ステップS95に
進んでダイアグランプ69を点灯(ON)させる。これ
により、ドグクラッチ51を切断すべき車速であるにも
かかわらず、ドグクラッチ51が切断できない場合に、
この状態を運転者に警告する。
【0060】前述のステップS92において、ドグクラ
ッチ断接SW92によりドグクラッチ51が切断された
ことが確認されると、ステップS96に進み、オーバス
ピードフラグf(O/S)を値1にセットして、高速により
ドグクラッチ51が切断されたことを記憶する。そし
て、ステップS97に進み、ドグクラッチ断弁54への
駆動信号D8の出力を停止し(OFFにして)、ダイア
グランプ69を消灯状態にして(ステップS98)、当
該ルーチンを終了する。
ッチ断接SW92によりドグクラッチ51が切断された
ことが確認されると、ステップS96に進み、オーバス
ピードフラグf(O/S)を値1にセットして、高速により
ドグクラッチ51が切断されたことを記憶する。そし
て、ステップS97に進み、ドグクラッチ断弁54への
駆動信号D8の出力を停止し(OFFにして)、ダイア
グランプ69を消灯状態にして(ステップS98)、当
該ルーチンを終了する。
【0061】このように、車速Vにより車両が高速で走
行している場合には、ポンプ/モータ40にポンプ作動
もモータ作動もさせず、過回転によるポンプ/モータ4
0の損傷等を防止している。高速走行により、オーバス
ピードフラグf(O/S)が値1にセットされ、その後車速
Vが低下して前述したステップS80が実行されると、
そのステップでの判別結果がYES(肯定)となり、図
17のステップS100に進む。このステップでは、車
速Vが所定値XV6以下に低下したか否かが判別される。
所定値XV6は、ドグクラッチ51に接動作させても噛合
がスムーズに行なうことができる値、例えば5km/hに設
定されている。そして、車速Vが未だ所定値XV6以下に
低下していない場合には何もせずに当該ルーチンが終了
するが、これ以下に低下した場合には、ステップS10
2においてオーバスピードフラグf(O/S)を値0にリセ
ットして当該ルーチンを終了する。このオーバスピード
フラグf(O/S)が値1にセットされている間は、前述し
たステップS82以下のステップが実行されないので、
ドグクラッチ51が接作動されることはない。すなわ
ち、車速Vが所定値XV6以下に低下しなければ、ドグク
ラッチ51の接動作を行なわず、これによって、ドグク
ラッチ51の接続時のショックの発生やクラッチの損傷
を防止している。
行している場合には、ポンプ/モータ40にポンプ作動
もモータ作動もさせず、過回転によるポンプ/モータ4
0の損傷等を防止している。高速走行により、オーバス
ピードフラグf(O/S)が値1にセットされ、その後車速
Vが低下して前述したステップS80が実行されると、
そのステップでの判別結果がYES(肯定)となり、図
17のステップS100に進む。このステップでは、車
速Vが所定値XV6以下に低下したか否かが判別される。
所定値XV6は、ドグクラッチ51に接動作させても噛合
がスムーズに行なうことができる値、例えば5km/hに設
定されている。そして、車速Vが未だ所定値XV6以下に
低下していない場合には何もせずに当該ルーチンが終了
するが、これ以下に低下した場合には、ステップS10
2においてオーバスピードフラグf(O/S)を値0にリセ
ットして当該ルーチンを終了する。このオーバスピード
フラグf(O/S)が値1にセットされている間は、前述し
たステップS82以下のステップが実行されないので、
ドグクラッチ51が接作動されることはない。すなわ
ち、車速Vが所定値XV6以下に低下しなければ、ドグク
ラッチ51の接動作を行なわず、これによって、ドグク
ラッチ51の接続時のショックの発生やクラッチの損傷
を防止している。
【0062】
【発明の効果】上述のように、本発明の制動エネルギ回
生装置に依れば、車両の変速機の変速段が後退段にある
ことを検出する後退段検出手段と、車速を検出する車速
検出手段と、車両の走行状態に応じて油圧ポンプ/モー
タの作動を制御する制御手段とを備え、制御手段は、変
速段が後退段にあることを検出すると、油圧ポンプ/モ
ータの制御を中止し、かつ前記制御を中止した場合に
は、変速段が後退段にあることが検出されなくなって
も、車速がゼロになるまで前記制御中止状態を維持する
ようにしたので、車両が後退走行した後に、油圧ポンプ
/モータを逆回転状態で作動させる事態を回避すること
ができ、無理な負荷が加わることによって起こる、油圧
ポンプ/モータの破損や、衝撃振動を防止することがで
きる。
生装置に依れば、車両の変速機の変速段が後退段にある
ことを検出する後退段検出手段と、車速を検出する車速
検出手段と、車両の走行状態に応じて油圧ポンプ/モー
タの作動を制御する制御手段とを備え、制御手段は、変
速段が後退段にあることを検出すると、油圧ポンプ/モ
ータの制御を中止し、かつ前記制御を中止した場合に
は、変速段が後退段にあることが検出されなくなって
も、車速がゼロになるまで前記制御中止状態を維持する
ようにしたので、車両が後退走行した後に、油圧ポンプ
/モータを逆回転状態で作動させる事態を回避すること
ができ、無理な負荷が加わることによって起こる、油圧
ポンプ/モータの破損や、衝撃振動を防止することがで
きる。
【図1】本発明の一実施例が適用される制動エネルギ回
生装置の一部およびこれを搭載した車両の構成を示す概
略図である。
生装置の一部およびこれを搭載した車両の構成を示す概
略図である。
【図2】本発明の制動エネルギ回生装置の主要構成を示
す油圧回路図である。
す油圧回路図である。
【図3】本発明の制動エネルギ回生装置の電子制御装置
(ECU)の構成を示すブロック図である。
(ECU)の構成を示すブロック図である。
【図4】図3のECU60が実行するポンプ制御ルーチ
ンのフローチャートの一部である。
ンのフローチャートの一部である。
【図5】図4のフローチャートに続く、ポンプ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
チンのフローチャートの一部である。
【図6】図4のフローチャートに続く、ポンプ制御ルー
チンのフローチャートの残部である。
チンのフローチャートの残部である。
【図7】図3のECU60が実行するモータ制御ルーチ
ンのフローチャートの一部である。
ンのフローチャートの一部である。
【図8】図7のフローチャートに続く、モータ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
チンのフローチャートの一部である。
【図9】図8のフローチャートに続く、モータ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
チンのフローチャートの一部である。
【図10】図8のフローチャートに続く、モータ制御ル
ーチンのフローチャートの残部である。
ーチンのフローチャートの残部である。
【図11】制動エネルギ回生装置のポンプ制御時におけ
るブレーキ圧PBKと、それに応じて設定される傾転角制
御信号値ELPの関係の一例を示すグラフである。
るブレーキ圧PBKと、それに応じて設定される傾転角制
御信号値ELPの関係の一例を示すグラフである。
【図12】制動エネルギ回生装置のモータ制御時におけ
る車速Vと判別値Xθ1 (アクセル開始開度)との関係
の一例を示すグラフである。
る車速Vと判別値Xθ1 (アクセル開始開度)との関係
の一例を示すグラフである。
【図13】制動エネルギ回生装置のモータ制御時におけ
る車速Vとアクセル開度とこれらに応じた傾転角制御信
号値ELMの関係の一例を示すグラフである。
る車速Vとアクセル開度とこれらに応じた傾転角制御信
号値ELMの関係の一例を示すグラフである。
【図14】本発明に係るドグクラッチ制御ルーチンのフ
ローチャートの一部である。
ローチャートの一部である。
【図15】図14のフローチャートに続く、ドグクラッ
チ制御ルーチンのフローチャートの一部である。
チ制御ルーチンのフローチャートの一部である。
【図16】図15のフローチャートに続く、ドグクラッ
チ制御ルーチンのフローチャートの一部である。
チ制御ルーチンのフローチャートの一部である。
【図17】図15のフローチャートに続く、ドグクラッ
チ制御ルーチンのフローチャートの残部である。
チ制御ルーチンのフローチャートの残部である。
1 エンジン 2 クラッチ 3 トランスミッション 10 後輪駆動軸 20 アキュムレータ 30 低圧作動油タンク 40 斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ 41 傾転シリンダ 42 比例電磁弁 43 パイロット油圧源 50 ギヤボックス 51 ドグクラッチ 60 コントロールユニット(ECU) 67 ガバナコントロールユニット 70 ブレーキパワーユニット 83 車速センサ(車速検出手段) 84 T/Mリバースセンサ(後退段検出手段) 92 ドグクラッチ断接センサ(断接SW)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 1/10 B60K 25/00
Claims (1)
- 【請求項1】 作動油を貯溜する低圧タンクと油圧エネ
ルギを蓄圧するアキュムレータとの間の油路に介裝さ
れ、車両の駆動系部材にクラッチを介して連結される油
圧ポンプ/モータを、制動時にポンプ作動させ、制動エ
ネルギを油圧エネルギに変換して前記アキュムレータに
蓄積する一方、発進/加速時にはモータ作動させて、ア
キュムレータに蓄積した油圧エネルギを発進/加速エネ
ルギとして利用する制動エネルギ回生装置において、車
両の変速機の変速段が後退段にあることを検出する後退
段検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、車両の
走行状態に応じて前記油圧ポンプ/モータの作動を制御
する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記変速段が
後退段にあることを検出すると、油圧ポンプ/モータの
制御を中止し、かつ前記制御を中止した場合には、前記
変速段が後退段にあることが検出されなくなっても、車
速が実質的にゼロになるまで前記制御中止状態を維持す
るように構成したことを特徴とする制動エネルギ回生装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05295598A JP3079861B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 制動エネルギ回生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05295598A JP3079861B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 制動エネルギ回生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07144621A JPH07144621A (ja) | 1995-06-06 |
JP3079861B2 true JP3079861B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=17822705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05295598A Expired - Fee Related JP3079861B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 制動エネルギ回生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3079861B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1242891C (zh) * | 2002-11-08 | 2006-02-22 | 刘艳阳 | 汽车制动能和车轮振动能利用装置 |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP05295598A patent/JP3079861B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07144621A (ja) | 1995-06-06 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000523 |
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S531 | Written request for registration of change of domicile |
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