JP2885030B2 - 制動エネルギ回生装置を備えた車両 - Google Patents

制動エネルギ回生装置を備えた車両

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JP2885030B2 JP29825293A JP29825293A JP2885030B2 JP 2885030 B2 JP2885030 B2 JP 2885030B2 JP 29825293 A JP29825293 A JP 29825293A JP 29825293 A JP29825293 A JP 29825293A JP 2885030 B2 JP2885030 B2 JP 2885030B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動エネルギを
発進/加速エネルギに利用する制動エネルギ回生装置を
備えた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、市街バス等の車両に搭載され、制
動時のエネルギを回収して、これを発進時や加速時に利
用する制動エネルギ回生装置として、車両制動時に、ポ
ンプ/モータをポンプとして作動させ、アキュムレータ
に低圧タンクの作動油を圧送して、これに制動エネルギ
を蓄え、車両の発進時あるいは加速運転時(これらを単
に発進/加速時とも記す)に、アキュムレータの高圧作
動油をポンプ/モータに供給してポンプ/モータをモー
タとして作動させ、車両の駆動輪をポンプ/モータで駆
動し、これにより制動エネルギを再利用する蓄圧式のも
のが、例えば特公平5−1168号公報により知られて
いる。
【0003】また、他の制動エネルギ回生装置として、
制動時に発電機を駆動して制動エネルギを蓄電器に蓄え
るもの、フライホイールを回転させるもの等が知られて
いる。このような制動エネルギ回生装置において、装置
に何らかの異常が発生した場合には、各種センサにより
供給される信号に基づいて、制御装置(コントロールユ
ニット)が異常発生を判断し、制御装置はこの異常を運
転者位置に設けられた警報ランプに異常発生信号を供給
することによってこれを点灯させ、運転者に異常を知ら
せると共に、制動エネルギ回生装置と車両の駆動輪との
間に介装されたクラッチ(ドグクラッチ等)を切り離す
ことによって回生装置の作動を中止するようにしてい
る。そして、警報ランプの点灯によって、運転者は、回
生装置に異常が有ることを認識でき、整備作業者への連
絡等のしかるべき措置を早急に行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】クラッチが切り離され
ると、制動エネルギ回生装置に異常が発生した場合で
も、車両は通常のエンジンの駆動力だけで走行すること
が可能である。そこで、制動エネルギ回生装置に異常が
発生したときには、上述の従来技術のようにクラッチ
(ドグクラッチ等)を切り離し、回生装置の作動を中止
すれば良いが、この異常の一つには該クラッチの作動不
良や付随するクラッチ作動系不具合等のクラッチ系によ
る異常も含まれており、走行中に該クラッチ系に異常が
発生した場合や、他の部位の異常によりクラッチを切り
離すべき操作をしたにもかかわらず作動しないような場
合には、走行に支障をきたす虞がある。
【0005】クラッチ系の異常であるか他の部位の異常
であるかは、従来のように全ての異常に対して同一の警
報ランプを点灯するだけでは判断できず、クラッチ系以
外の異常でも、運転者は、警報ランプが点灯する度にク
ラッチ系の異常か否かを気にしなければならなくなり、
クラッチを切断してエンジンの駆動力だけで走行できる
にもかかわらず、安全を考慮して車両を一旦停止させて
しまうこともあり得る。
【0006】このような運転者の混乱を防止するため
に、例えば、車両走行困難となるクラッチ系の異常を表
示する警報ランプを別に設けることも考えられるが、こ
れは警報ランプおよびこれに付随する配線等の追加によ
るコストアップになり、また確認すべき計器類を増加さ
せて、運転者に負担を与えることにもなるため混乱の解
決策としてはふさわしくない。
【0007】そこで、本発明は、走行に支障をきたすよ
うな重大な異常が発生したときだけ、運転者がその異常
を確認できるようにして、運転者の混乱を防止するよう
に図った制動エネルギ回生装置を備えた車両を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の制動エネルギ回生装置を備えた車両は、車
両の駆動系部材にクラッチを介して連結され、制動時に
蓄積した制動エネルギを発進/加速エネルギとして利用
する制動エネルギ回生装置を備えた車両において、前記
制動エネルギ回生装置の異常を検出する異常検出手段
と、前記クラッチを断接駆動するクラッチ操作手段と、
前記クラッチの断接状態を検出するクラッチ断接検出手
段と、前記制動エネルギ回生装置の異常を警報する警報
手段と、前記異常を検知すると前記クラッチを断状態に
するようクラッチ操作手段の作動を制御し、その後前記
クラッチが断状態にあることが検知された場合には、前
記警報手段を不作動にさせる制御手段とを備えたことを
特徴とする。
【0009】
【作用】制動エネルギ回生装置に何らかの異常が発生し
た場合に、装置が作動停止となるようクラッチの切断操
作を行ったにもかかわらず、クラッチ断接検出手段が切
断状態を検出しない場合には、クラッチ系に異常がある
とみなして警報手段を点灯させ、運転者に異常を知らせ
るが、クラッチの断状態が検出された場合には、警報手
段を不作動にして運転者の混乱を防止する。
【0010】
【実施例】この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1、図2及び図3に示すエネルギ回生装置は、蓄
圧タイプのものであり、トランスミッション3、クラッ
チ2を介して駆動輪を駆動するためのエンジン1を備え
る車両に搭載されている。このエネルギ回生装置は、ピ
ストン型アキュムレータ20、低圧作動油タンク30、
斜板式可変容量ピストン型のポンプ/モータ40、ギヤ
ボックス50、コントロールユニット60(以下これを
ECUという)等を備えている。
【0011】先ず、車両の構成から説明すると、エンジ
ン1の出力軸はクラッチ2を介してトランスミッション
3に接続され、トランスミッション3の出力軸13は、
後輪駆動軸10の差動装置(スルーシャフト型)に接続
されている。そして、エネルギ回生装置は、駆動軸12
を介して前述した差動装置に接続されている。アキュム
レータ20は、高圧油管路P1を介して斜板式可変容量
ピストン型ポンプ/モータ40の第1ポート40aに接
続されており、ポンプ/モータ40の第2ポート40b
は、低圧油管路P2を介して作動油タンク30に接続さ
れている。アキュムレータ20は、ピストン21により
ガス室22と作動油室23に区画され、ガス室22には
所定圧の窒素ガスが封入され、作動油室23には油圧が
蓄圧可能となっている。
【0012】高圧油管路P1には、アキュムレータ20
側から順に遮断弁24およびアンロード弁(ノーマルオ
ープン)25が配設されている。遮断弁24は、電磁パ
イロット操作弁であり、通常はポンプ/モータ40から
アキュムレータ20へ向かう作動油の流れを許容し、逆
方向の流れを阻止する逆止弁として機能するが、ECU
60からの遮断弁信号D2が入力すると、アキュムレー
タ20側からポンプ/モータ40側への作動油の流れを
許容する。電磁式のアンロード弁25は、ECU60か
らのアンロード弁信号D3によって作動し、高圧油管路
P1と低圧油管路P2を管路P4を介して短絡し、高圧
油管路P1に閉じ込められた残圧を低圧油管路P2に逃
がすことができるようになっている。
【0013】高圧油管路P1と低圧油管路P2間には、
逆止弁46が配設され、この逆止弁46は低圧油管路P
2から高圧油管路P1への作動油の流入を可能にしてお
り、高圧油管路P1の作動油切れによって引き起こされ
る装置破損等を防止している。さらに、遮断弁24より
ポンプ/モータ40側の高圧油管路P1から分岐して管
路P3が作動油タンク30に接続され、この管路P3に
は、ポンプ/モータ40の吐出圧が設定圧(例えば、3
50kgf/cm2 )以上になったとき、高圧油を作動油タン
ク30に逃がすためのリリーフ弁26が設けられてい
る。
【0014】高圧油管路P1には、遮断弁24よりポン
プ/モータ40側の管内圧力を知るための吐出圧センサ
89が設けられており、吐出圧信号PHYをECUに供給
している。アキュムレータ20には、窒素ガスの膨張に
よってピストン21が作動油室23の最大膨張位置の僅
かに手前の所定位置(直前位置という)に移動したと
き、これを検出してピストン位置信号(オフ信号)LP
を出力するピストン位置センサ87と、作動油室23内
の作動油圧を検出して蓄圧信号PACを出力する蓄圧セン
サ88が設けられており、それぞれピストン位置信号L
P 、蓄圧信号PACをECU60に供給している。
【0015】ポンプ/モータ40は、ギヤボックス50
を介して前述した駆動軸12に接続されており、駆動軸
10の制動エネルギは、駆動軸12とギヤボックス50
を介してポンプ/モータ40に伝達され、逆にポンプ/
モータ40の発進/加速エネルギは、ギヤボックス50
から駆動軸12、差動装置を介して駆動軸10に伝達さ
れる。ギヤボックス50は、一対の歯車50aとドグク
ラッチ51とから構成され、一対の歯車50aは駆動軸
12の回転を増速してポンプ/モータ40に伝達する。
駆動軸12とポンプ/モータ40との連結はドグクラッ
チ51によって断接される。
【0016】ポンプ/モータ40は、ギヤボックス50
の出力軸に接続された駆動軸40eと、これと一体回転
するピストンシリンダ40fと、該シリンダ40fに嵌
装されたピストン40cと、駆動軸40eの回転に伴っ
てピストン40cを往復運動させる斜板40dとを有
し、駆動軸40eに対する斜板40dの角度すなわち傾
転角を制御することによって、そのポンプ/モータ容量
が設定されるようになっている。
【0017】斜板40dの傾転角は、傾転シリンダ41
によって可変制御される。この傾転シリンダ41は、斜
板40dに連結されたピストン41aと、該ピストン4
1aの両側にそれぞれ形成されたチャンバ41b、41
cとを有し、一方のチャンバ例えばチャンバ41bに後
述するパイロット油圧源43からのパイロット油圧が供
給されると斜板40dがポンプ作動側に駆動され、他方
のチャンバ41cにパイロット油圧が供給されるとモー
タ作動側に駆動されるようになっている。
【0018】パイロット油圧源43は、電動モータ等に
より駆動されるオイルポンプや調圧弁から構成され、所
定圧のパイロット油圧を発生させる。この油圧源43と
傾転シリンダ41間には、フィルタ45、電磁式の2ポ
ート切換弁44、比例電磁弁42がこの順で配設され、
これらは、パイロット油圧源43から傾転シリンダ41
へのパイロット油圧の供給圧を制御するためのパイロッ
ト油圧制御回路を構成している。切換弁44は、ECU
60からの駆動信号D1によって、パイロット油路P5
の連通および遮断を行う。
【0019】比例電磁弁42の一方のソレノイド例えば
ソレノイド42aに制御信号ELPを供給すると、信号
値ELPに応じた大きさのパイロット油圧が比例電磁弁
42を介して傾転シリンダ41のポンプ作動側のチャン
バ41bに供給され、また、他方のソレノイド42bに
制御信号ELMを供給すると、信号値ELMに応じた大
きさのパイロット油圧がモータ作動側のチャンバ41c
に供給され、これにより、傾転シリンダ41のピストン
41aの作動位置、ひいては斜板40dの傾転角が可変
制御されるようになっている。
【0020】ポンプ/モータ40のポンプ作動時には、
斜板40dが傾転シリンダ41によってポンプ作動側に
駆動され、作動油は、作動油タンク30からフィルタ3
8、逆止弁58、管路P2、ポンプ/モータ40、管路
P1を介してアキュムレータ20へ流れ、モータ作動時
には、斜板40dがモータ作動側に駆動され、作動油は
ポンプ作動時とは逆方向に、アキュムレータ20から管
路P1、ポンプ/モータ40、管路P2、逆止弁57、
フィルタ37を介して作動油タンク30へ流れる。
【0021】作動油タンク30は、電磁式の2ポート切
換弁33、減圧弁35、エアドライヤ36を介して加圧
エアタンク31に、また、電磁式の3ポート切換弁34
を介してサブエアタンク32に接続されており、これら
は、作動油タンク30へのエア圧力供給回路を構成して
いる。切換弁34は、ECU60からの駆動信号D7に
よって作動し、サブエアタンク32と作動油タンク30
とを連通させる位置に切換えられる。サブエアタンク3
2と作動油タンク30とを連通させることによって、サ
ブエアタンク32は、一部保留していたエアを作動油タ
ンク30に供給し、また、作動油タンク30内の作動油
量の変動に合わせて、エアの補給又は吸収を行い、作動
油タンク30内エア圧の安定化を図る。一方、ECU6
0からの駆動信号D7が断たれると、切換弁34は、大
気解放位置に切り換わり、作動油タンク30内の圧力を
大気中に逃がす。
【0022】切換弁33は、ECU60からの駆動信号
D6によって作動し、エアタンク31内の高圧エアを作
動油タンク30内に供給し、タンク30内の作動油を所
定圧に加圧することにより、ポンプ/モータ40の作動
を安定した状態に保つ。ポンプ/モータ40や油圧経路
内嵌合部(オイルシール)等から漏れる作動油は、ドレ
ンタンク39へ還流する。ドレンタンク39は、ポンプ
59、フィルタ97および電磁式2ポート切換弁98を
介して作動油タンク30に接続されており、ドレンタン
ク39内の作動油が所定量に達すると、ポンプ59を作
動させ、ECU60は、切換弁98に駆動信号を出力
し、これを開成して、不足する作動油を作動油タンク3
0に補充する。
【0023】作動油タンク30には、作動油レベルセン
サ90と油温センサ91が設けられており、それぞれ作
動油レベル信号LOIL 、油温信号TOIL をECU60に
供給している。ECU60は、これらの信号によって、
作動油が正常な状態であるかどうかを監視し、回生装置
の作動を規制することで、ポンプ/モータ40の焼き付
き等による装置の破損を防止している。
【0024】前述したドグクラッチ51は、エア圧によ
って断接作動し、ドグクラッチ51には、クラッチ接続
用の電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ接弁)53お
よびクラッチ切断用の電磁式3ポート切換弁(ドグクラ
ッチ断弁)54を介してエアタンク52が接続されてお
り、これらはドグクラッチ作動制御回路を構成してい
る。クラッチ接続用の切換弁53が、ECU60からの
駆動信号D8により作動すると、エアタンク52の高圧
エアが、ドグクラッチ51に供給され、ドグクラッチ5
1は接続作動となり、一方、クラッチ切断用の切換弁5
4が、ECU60からの駆動信号D9により作動する
と、ドグクラッチ51は切断作動となる。
【0025】ドグクラッチ51には、ドグクラッチ断接
センサ92が設けられており、ドグクラッチ51の断接
状態を検出して、その検出信号DCLをECU60に供
給している。また、ドグクラッチ51のポンプ/モータ
側出力軸には、ポンプ/モータ40の回転数を検出する
回転数センサ93が設けられており、ポンプ回転数信号
NP をECU60へ供給している。
【0026】ブレーキペダル(図示せず)に接続された
ブレーキパワーユニット70は、駆動輪WR および従動
輪WF の制動力を制御するためのものであり、各車輪の
ホイールシリンダ(図示せず)にブレーキエア圧を供給
している。ブレーキペダル(図示せず)の踏込量に応じ
て発生するブレーキ圧PBKは、図示しないセンサによっ
て検出され、ECU60にブレーキ圧検出信号PBKが供
給されている。ECU60は、前述した吐出圧センサ8
9によって検出されるポンプ/モータ40の吐出圧PHY
およびブレーキ圧PBKの大きさを、それぞれの所定値と
比較することによって、ポンプ/モータ40のポンプ作
動による蓄圧ブレーキと通常のサービスブレーキとの作
動切換制御を行っている。
【0027】エンジン1には燃料噴射装置5が備えられ
ており、この燃料噴射装置5に接続されたガバナコント
ロールユニット67は、通常の燃料噴射制御を行うとと
もに、後述するECU60からのラック制限信号Rによ
る燃料噴射制限(ラック制限)を行っている。この燃料
噴射制限(ラック制限)は、ポンプ/モータ40のモー
タ作動による出力とエンジン1による出力との和が、通
常のエンジン1だけによる最大駆動トルクに対応する出
力以上にならないようにエンジン側の制御を行うもので
ある。また、ガバナコントロールユニット67は、エン
ジン回転数NEを検出し、エンジン回転数信号NE をE
CU60へ供給している。
【0028】トランスミッション3には、車速センサ8
3、T/Mリバースセンサ84、T/Mニュートラルセ
ンサ85およびセレクト位置センサ86が設けられてお
り、それぞれ車速信号V、T/Mリバース信号TMR、
T/Mニュートラル信号TMNおよびセレクト位置信号
LTMをECU60へ供給している。図3は、エネルギ回
生装置の作動を制御するECU60の構成を示し、EC
U60には、プロセッサ、メモリ、入出力回路等を備え
ている。このECU60の入力側には、電源のオンオフ
状態信号を供給するメインSW64、回生装置等のエラ
ー(異常)のエラーコードを読み出し、後述のダイアグ
ランプ69をエラーコードに応じて点滅させる指令信号
を供給するダイアグSW65、アクセルペダル(図示せ
ず)に連動し、アクセルペダルの踏込量を検出するアク
セル開度センサ61、クラッチペダル(図示せず)に連
動し、エンジンクラッチ断接を検出する2つのクラッチ
センサ(CL1)62、(CL2)63、および前述し
たブレーキ圧センサを含む各種センサが接続される。こ
こで、エンジンクラッチ断接センサ(CL1)62は、
クラッチペダル(図示せず)の戻り限(クラッチ接続)
で信号を供給してONになるように設定され、またエン
ジンクラッチ断接センサ(CL2)63は、クラッチペ
ダル(図示せず)の踏込限(クラッチ切断)で信号を供
給してONになるように設定されており、センサ(CL
1)62とセンサ(CL2)63の組み合わせによって
半クラッチ状態が検出可能となっている。
【0029】一方、ECU60の出力側には、前述した
各種電磁切換弁、各種インジケータ類が接続されてい
る。インジケータ類には、アキュムレータのピストンセ
ンサ87からのピストン位置信号LP と蓄圧センサ88
からの蓄圧信号PACとによって蓄圧量を表示する蓄圧イ
ンジケータ66、ドグクラッチ断接センサ92からのド
グクラッチ断接信号DCLによってエネルギ回生装置が
作動中であることを表示する回生ランプ68、ダイアグ
ランプ69等が有る。回生ランプ68は、ダイアグSW
65の信号供給によりエラーコードの出力表示も行って
いる。ダイアグランプ69は、エンジン1やエネルギ回
生装置の故障を運転者に知らせるためのものである。後
述するように、ECU60は、ドグクラッチ51を切断
作動させる駆動信号D9とドグクラッチ断接センサ92
からのドグクラッチ断接信号DCLとのマッチング確認
を行っており、ダイアグランプ69は、このマッチング
が確認できない場合に点灯され、ドグクラッチ51系に
異常が有り、車両が走行困難であることを運転者へ知ら
せる。
【0030】以下、上述のように構成される制動エネル
ギ回生装置のポンプ制御およびモータ制御を図4乃至図
10に示すフローチャートを参照して説明する。図4、
図5および図6は、ECU60が実行する制動時のポン
プ制御の制御手順をを示す。先ず、ECU60は、ステ
ップS10でドグクラッチ断接センサ92からのドグク
ラッチ断接信号DCLによってドグクラッチ51がON
(接続)かOFF(切断)かを判別する。尚、ドグクラ
ッチ51は、車両が所定の運転状態(例えば、車速が5
km/h以下であり後退ギヤ以外のセレクト位置で走行して
いる状態)であるときに、ECU60からクラッチ接続
用切換弁53に駆動信号D8が供給されてON(接続)
となり、所定の車速(例えば、60km/h)以上ではポン
プ/モータ40の損傷を防止するため、切断用切換弁5
4に駆動信号D9が供給されてOFF(切断)となる。
ドグクラッチ51が接続状態になると、ポンプ/モータ
40は、駆動軸10、12、ギヤボックス50を介して
駆動輪WR により駆動されることになる。
【0031】ステップS10の判別結果がOFF(切
断)であれば図6のステップS20に進む。ECU60
は、ステップS20において比例電磁弁42への傾転角
制御信号値ELPをゼロ(ELP=0)に設定する。こ
れにより、パイロット油圧源43からのパイロット油圧
は遮断された状態に保持され、傾転角シリンダ41のピ
ストン41aも中立位置に保持される。そして、ポンプ
/モータ40の斜板40dの傾転角度をゼロに保持する
ことによって、ポンプ/モータ40は、ポンプとして機
能しないことになる。次に、ステップS21では、切換
弁44への駆動信号D1を断ったままにして、これをO
FF(閉)状態に保持し、さらに、ステップS22で
は、アンロード弁(ノーマルオープン)25へアンロー
ド弁信号D3を出力せず、これをOFF(開)とし、高
圧油管路P1と低圧油管路P2とを連通の状態に保持す
る。ステップS23では、ECU60は、プログラム制
御変数であるフラグf1に値0(f1=0)を設定し、
これによりポンプ制御が実施されていないことを記憶す
る。例えば、回生装置の異常が検出され、後述するエラ
ー時制御が実行されて、ドグクラッチ51が切断される
ような場合にはステップS10の判断によりステップS
20以下を実行し、ポンプ制御を実行しないことにな
る。
【0032】図4のステップS10に戻り、このステッ
プでの判別結果がON(接続)状態であれば、ステップ
S11に進む。ステップS11では、ECU60は、ト
ランスミション3のセレクト位置が後退ギヤ段(リバー
ス位置)であるか否かをT/Mリバース信号TMRによ
り判別して、判別結果がYES(リバース)つまり車両
後退ギヤ段位置であれば前述した図6のステップS20
以下を実行し、ポンプ制御を行わない。一方、判別結果
がNOつまり車両前進ギヤ段位置であればステップS1
2を実行する。
【0033】ステップS12では、ECU60は、車両
が停止しているか否かを判別する。この判別は、車速V
が所定値XV0( 例えば、1 km/h)以下であるかを車速信
号Vにより判別して、V≦XV0(1km/h)であればポン
プ制御を実行しない。一方、判別結果がV>XV0(1km
/h)であればステップS13を実行する。ステップS1
3では、ECU60は、運転手がブレーキペダル(図示
せず)を踏んだことによりブレーキ圧PBKが発生してい
るかどうかをブレーキ圧センサからのブレーキ圧信号P
BKにより判別して、PBK<XPB(例えば、0.2kgf/cm
2)であればブレーキペダル(図示せず)を踏んでいな
い状態とみなして、ポンプ制御を実行しない。一方、判
別結果がPBK≧XPB(0.2kgf/cm2 )であればエネル
ギを回生すべき運転条件がすべて成立したと判別して、
ステップS14を実行する。
【0034】ステップS14では、ECU60は、ポン
プ/モータ40の斜板40dの傾転角制御信号値ELP
を設定するサブルーチンを実行する。ELP値の設定方
法としては、例えば図14に示すように、ブレーキ圧P
BKに応じた基準値を計算し、さらに、この基準値を、作
動油タンクの油温センサ91で検出された油温TOIL、
車速センサ83で検出された車速V、アキュムレータ2
0の蓄圧量PAC等により補正して適宜値に設定される。
【0035】ステップS15では、ECU60は、上述
のように設定されたELP値に対応する制御信号を比例
電磁弁42に出力し、ポンプ/モータ40の傾転角を信
号値ELPに対応する角度に設定する。次いで、ステッ
プS16では、切換弁44に駆動信号D1を出力して、
これをON(開)にし、傾転角シリンダ41にパイロッ
ト油圧を供給する。また、ステップS17では、低圧油
管路P2と高圧油管路P1間のアンロード弁(ノーマル
オープン)25をアンロード弁信号D3によってON
(閉)とし、高圧油管路P1の圧力が低圧油管路P2に
逃げないように遮断する。さらに、ステップS18で
は、ポンプ作動中であることを記憶するためにフラグf
1に値1を設定する。
【0036】このようにして、ポンプ/モータ40の傾
転角が比例電磁弁42への制御信号値ELPに対応する
角度に設定されると、ポンプ/モータ40はポンプとし
て作動し、作動油タンク30の作動油を吸い込んで、こ
れをアキュムレータ20の作動油室23に押し込んで蓄
圧する。以上のポンプ制御では、運転者のブレーキペダ
ル踏込量に応じてポンプ/モータ40の傾転角が設定さ
れることになり、ポンプ/モータ40がブレーキペダル
踏込量に応じた仕事をして、制動エネルギが回収される
ことになる。
【0037】図7乃至図10は、発進および加速時(発
進/加速時)のモータ制御の制御手順を示す。先ず、E
CU60は、モータ作動に入る前に、ステップS30乃
至ステップS40において、モータ制御を実行しても良
いか否かを判別する。ステップS30では、運転手が車
両を発進させる意図を有しているか否かを、ブレーキ圧
PBKが所定値XPB(例えば、0.2kgf/cm2 )より小で
あるか否かにより判断する。ステップS30の判別結果
が、PBK≧XPB(0.2kgf/cm2 )であれば、後述する
図10のステップS50以下を実行して、モータ制御を
行わない。一方、判別結果がPBK<XPB(0.2kgf/cm
2 )であればステップS31に進む。
【0038】ステップS31では、ECU60は、ポン
プ制御中であるか否かを、ポンプ制御中であることを示
すフラグf1が1(YES)であるか0(NO)である
かで判別する。フラグf1が1(YES)のとき、つま
りポンプ制御中のときには、後述する図10のステップ
S50以下を実行し、モータ制御を行わない。一方、フ
ラグf1が0(NO)のとき、つまりポンプ制御中でな
いときには、ステップS32に進む。
【0039】ステップS32では、ECU60は、ドグ
クラッチ断接センサ92がON(接続)かOFF(切
断)かをドグクラッチ断接信号DCLにより判別し、O
FF(切断)であればモータ制御を実行しない。尚、ポ
ンプ制御でも説明したが、回生装置の異常が検出され、
後述するエラー時制御が実行された場合にはドグクラッ
チ51は切断され、この場合にはステップS32の判断
によりモータ制御を実行しないことになる。一方、判別
結果がON(接続)であればステップS33に進む。
【0040】ステップS33では、ECU60は、トラ
ンスミション3のセレクト位置が後退ギヤ段(リバース
位置)であるか否かをT/Mリバース信号TMRにより
判別して、判別結果がYES(リバース)つまり車両後
退ギヤ段位置であればモータ制御を実行しない。一方、
判別結果がNOつまり車両前進ギヤ段位置であればステ
ップS34に進む。
【0041】ステップS34では、ECU60は、トラ
ンスミション3のセレクト位置がニュートラルであるか
否かをT/Mニュートラル信号TMNにより判別する。
判別結果がYES(ニュートラル)つまりセレクト位置
がニュートラルであれば、運転手には未だ車両を発進さ
せる意図がないと判断して、モータ制御を行わない。一
方、判別結果がNOのときには、ステップS35に進
む。
【0042】ステップS35では、ECU60は、クラ
ッチ2が接続状態か切断状態かをクラッチ断接センサ
(CL2)63のクラッチ断接信号CL2により判別
し、切断状態であれば、トランスミション3のセレクト
位置がニュートラルのときと同様に、モータ制御を行わ
ない。一方、接続状態(半クラッチ状態も含む)であれ
ば図8のステップS36に進む。
【0043】ステップS36では、ECU60は、アキ
ュムレータ20に作動油が充填されているかどうかを、
ピストン位置センサ87からのピストン位置信号LP に
よって判別する。ピストン21の前述した直前位置に設
定されたピストン位置センサ87が0FFつまり作動油
が空のときには、アキュムレータ20に作動油が蓄圧さ
れていないことになり、このような場合には、モータ制
御を実行しない。一方、ピストン位置センサ87がON
つまりアキュムレータ20に作動油が充填されていると
きには、ステップS37に進む。
【0044】ステップS37では、ECU60は、車速
Vが所定値XV2(例えば、65km/h)以下であるか否か
を車速信号Vにより判別し、所定値XV2(65km/h)よ
り大であれば、ポンプ/モータ40が、許容能力を越え
て破損することを防止するために、モータ制御は行わな
い。一方、所定値XV2(65km/h)以下であればステッ
プS38に進む。
【0045】ステップS38では、ECU60は、ステ
ップS37と同様に車速Vを所定値XV1(例えば、5km
/h)と比較して、XV1値より小の場合にはステップS3
9に進み、クラッチ2が完全に接続されているか半クラ
ッチ状態であるかを、クラッチ断接センサ(CL1)6
2のクラッチ断接信号CL1によって判別する。ステッ
プS38の判別により、車速Vが所定値XV1(5km/h)
より小であるにもかかわらず、クラッチ2が完全に接続
されていると判別されるような場合には、クラッチセン
サ62、63や車速センサ83等に何らかの異常が有る
と判断して、安全上モータ制御は行わない。一方、クラ
ッチ断接信号CL1がOFF状態を示す場合には、前述
したステップS35の判別結果と合わせて、クラッチ2
が半クラッチ状態にあることを意味し、このような場合
にはステップS40に進む。
【0046】ステップS40では、ECU60は、アク
セル開度L Aθが、モータ開始開度判別値Xθ1 より大
であるか否かを、アクセル開度信号L Aθにより判断す
る。上述の判別値Xθ1 は、車速Vに応じて設定され、
図15は、車速Vと、それによって設定される判別値X
θ1 との関係を示している。アクセル開度L Aθが判別
値Xθ1 より小(L Aθ<Xθ1 )の場合には、車両を
加速させるべき状態ではないと判断して、モータ作動は
行わない。一方、判別値Xθ1 より大(L Aθ≧Xθ1
)である場合には、ステップS41に進んでモータ制
御を開始することになる。
【0047】モータ制御を実行しない場合には、ECU
60は、図10のステップS50において比例電磁弁4
2への傾転角制御信号値ELMをゼロ(ELM=0)に
設定しこれを出力する。これにより、傾転角シリンダ4
1のピストン41aは中立位置に保持され、ポンプ/モ
ータ40の斜板40dの傾転角度がゼロになり、ポンプ
/モータ40はモータとして機能しない状態となる。ス
テップS51では、傾転角シリンダ41のピストン41
aを駆動するパイロット油の給排制御を行う切換弁44
を、駆動信号D1を断ってOFF(閉)にする。ステッ
プS52では、モータ作動時にON(開)である遮断弁
24を、遮断弁信号D2を断ってOFF(閉)にし、ア
キュムレータ20からポンプ/モータ40への作動油の
流れを止める。ステップS53では、低圧油管路P2と
高圧油管路P1間に配設されるアンロード弁(ノーマル
オープン)25を、アンロード弁信号D3の出力を停止
してOFF(開)とし、高圧油管路P1と低圧油管路P
2を連通させる。ステップS54では、モータ作動時に
エンジン1に対して発信していた後述のラック制限信号
Rを断ってOFFとし、さらにステップS55にて、同
様に発信していたラック制限有効信号REを断ってOF
Fとする。最後にステップS56で、プログラム制御変
数であるフラグf2に値0(f2=0)を設定し、これ
によりモータ制御が実施されていないことを記憶する。
【0048】一方、ステップS41の実行によりモータ
制御が開始されると、ECU60は、ポンプ/モータ4
0の斜板40dの傾転角制御信号値ELMを設定するサ
ブルーチンを実行する。ELM値の設定方法としては、
先ず、アクセル開度L Aθおよび車速V(車速Vに代え
てエンジン回転数NE でもよい)に応じて基準値を設定
する。図16は、ECU60の記憶装置に記憶されてい
るELMマップを示し、ECU60は、このマップから
車速Vおよびアクセル開度L Aθに応じたELM基準値
(XM0、XM1、・・・)を読み出す。次に、油温センサ
91で検出された作動油タンク30の油温に応じた補正
係数K2 を求め、これをELM基準値に掛け合わせて、
最適な傾転角制御信号ELM値(ELM基準値×K2 )
を算出している。アクセル開度L Aθによって傾転角制
御信号値ELMを変化させることは、通常のエンジン1
だけによる発進および加速時のアクセル操作のレスポン
スと同様のレスポンスが得られるように、ポンプ/モー
タ40のモータ作動による出力トルク値を変化させるこ
とである。また、車速V(又はエンジン回転数NE)に
よって傾転角制御信号値ELMを変化させ、発進等の低
速域では回生エネルギの有効利用を図って、黒煙の発生
を防止している。
【0049】作動油タンク30の油温による補正は、油
温が例えば70℃未満ではELM値の補正を必要としな
いが、油温が70℃以上では、傾転角制御信号値ELM
を減少させるように補正する。高温時には、作動油の粘
性が低下し、ポンプ/モータ40の焼きつきの虞が生じ
るため、モータ容量を下げることでこれを防止してい
る。
【0050】次に、ECU60は、図9のステップS4
2において、上述のようにして設定したELM値に対応
する制御信号を比例電磁弁42に出力し、ステップS4
3では、駆動信号D1を出力して、切換弁44をON
(開)とし、比例電磁弁42を介して傾転角シリンダ4
1にパイロット油圧を供給する。これにより、ポンプ/
モータ40の斜板40dが、ELM値に対応する傾転角
に設定される。次いでステップS44では、遮断弁26
に遮断弁信号D2を出力して、これをON(開)にする
とともに、ステップS45において、アンロード弁(ノ
ーマルオープン)25にアンロード弁信号D3を供給し
て、これをON(閉)とし、高圧油管路P1の圧力が低
圧油管路P2に逃げないように遮断する。これにより、
ポンプ/モータ40は、アキュムレータ内に蓄圧されて
いた高圧作動油により駆動され、その駆動力は駆動軸4
0e、ギヤボックス50、駆動軸12、10を介して駆
動輪WR に伝達され、発進時や加速時の駆動力の一部を
賄う。
【0051】ステップS46では、ECU60は、エン
ジン1の燃料噴射装置5の燃料供給制限を行うためのラ
ック制限信号Rを、ガバナコントロールユニット67を
介して燃料噴射装置5に供給する。このラック制限信号
Rは、モータ制御時におけるエンジン1側の出力トルク
制限を行うものであり、エンジン1側の出力制限量は、
エンジン回転数NE およびアキュムレータ20の蓄圧量
PACに基づいて決定される。そして、燃料噴射装置5へ
供給されたエンジン1側の出力制限を確実に実行させる
ために、ステップS47において、ラック制限有効信号
REをガバナコントロールユニット67に出力して、ノ
イズ等による誤作動を防止している。最後にステップS
48で、プログラム制御変数であるフラグf2に値1を
設定し、これによりモータ作動中であることを記憶す
る。
【0052】図11乃至図13は、本発明に係るエラー
時制御手順を示し、ECU60は、このエラー時制御を
所定の周期で繰り返し実行してエラーの発生を監視する
とともに、エラー発生時の処理を行っている。先ず、E
CU60は、図11のステップS70において、回生装
置にエラー(異常)が発生しているか否かを判別する。
ECU60は、前述した遮断弁24、リリーフ弁26等
の弁類、吐出圧センサ89、油温センサ91等のセンサ
類の異常や故障を常に監視する各種プログラムを実行し
ており、これらの監視プログラムの一つにおいて弁等の
異常が検出されれば、当該異常に割当てられたエラーコ
ード(2桁の数字)を出力するようにしている。従っ
て、回生装置にエラーが発生しているか否かは、各監視
プログラムの実行においてエラーコードの出力が有るか
否かによって判別し、判別結果がNO、すなわちエラー
が発生していない場合には、ステップS85に進む。
【0053】ステップS85乃至ステップS88は、装
置にエラーが無い正常な状態の処理を示し、ステップS
85では、ダイアグランプ69をOFF(消灯)、また
はOFF状態に保持する。次にステップS86では、ド
グクラッチ断接センサ69からのドグクラッチ断接信号
DCLによってドグクラッチ51がON(接続)かOF
F(切断)かを判別し、判別結果がOFF(切断)であ
る場合には、回生装置不作動を明示するため、ステップ
S88で回生ランプ68をOFF(消灯)にする一方、
判別結果がON(接続)である場合には、ステップS8
7を実行し、回生ランプ68をON(点灯)にして回生
装置が作動中であることを表示する。
【0054】ステップS70の判別結果がYES、すな
わちエラーが発生している場合には、エラー時制御の実
行を開始して次にステップS71を実行する。ステップ
S71では、ECU60は、発生しているエラーが何処
の部位のものであるのかを明確にするため、それぞれの
部位毎に割当てられている2桁の数字からなるエラーコ
ードを記憶する。この記憶したエラーコードは、後述の
図13のステップS79において回生ランプ68を点滅
させることにより出力され、エラーを示す不具合部位の
修理を行うときに利用される。ステップS71でエラー
の記憶を完了したら次にステップS72を実行する。
【0055】ステップS72では、エラーによる不具合
が装置の損傷に繋がらないように、回生装置の作動を停
止すべく、全ての制御をOFF(停止)にする。そし
て、ドグクラッチ51を切断して車両の駆動部から回生
装置を切り離すようにするため、電磁式3ポート弁(ド
グクラッチ断弁)54に駆動信号D9を供給して、これ
をONとし、次に図12のステップS74に進む。
【0056】ステップS74では、上述のステップS7
3でドグクラッチ51を切断するようにドグクラッチ断
弁54に供給した駆動信号D9によって、ドグクラッチ
51が切断されたか否かを判別する。判別結果がON
(接続)の場合、すなわち、ドグクラッチ断接センサ9
2からのドグクラッチ断接信号DCLがONのままであ
り、駆動信号D9とマッチングしない場合には、次にス
テップS90を実行する。
【0057】ステップS90では、ステップS74でド
グクラッチ51がON(接続)と判別された場合でも、
直ちに異常であると判定せずに、接続状態が所定時間
(例えば、10秒間)継続したか否かを判別する。所定
時間待機すれば、断弁54が作動してクラッチ51が切
れるかもしれず、このような場合を期待する。そして、
判別結果がYES、すなわち所定時間経過してもクラッ
チ51が切れない場合には、発生したエラーがドグクラ
ッチ51、あるいはドグクラッチ51に関連する箇所で
発生したものと判断し、ステップS91を実行してダイ
アグランプ69を点灯させ、運転者に車両を停止させる
べきであることを知らせる。これにより、運転者は車両
を停止することで安全を確保でき、迅速に修理等の対応
を行うことができる。そして、ステップS92におい
て、ON状態であったドグクラッチ断弁54の駆動信号
D9をOFF(断)として、ステップS77に進む。一
方、ステップS90で判別結果がNO、すなわち所定時
間が経過していない場合には、ドグクラッチ51の切断
作動が未だ完了せず継続されている状態と考えられ、異
常とは判定せずにステップS77に進み制御を継続す
る。
【0058】先のステップS74において、判別結果が
OFF、すなわち断接信号DCLがOFF状態で駆動信
号D9の作動結果とマッチングしていれば、ドグクラッ
チ51は正規に作動したと判定できる。この状態では、
故障した回生装置は車両の駆動輪から切り離されたこと
になり、通常のエンジン1だけの駆動により走行させて
もよいことになる。ドグクラッチ51が切断されたと判
定されたら、次にステップS75を実行する。
【0059】ステップS75では、ドグクラッチ51の
切断が正常に実行されたことで、ダイアグランプ69を
OFF(消灯)に設定する。すなわち、ダイアグランプ
69に故障表示をさせない。このように、回生装置が故
障した場合であっても、ダイアグランプ69が点灯しな
いため、運転者は車両を走行させることができないと誤
判断することはなく、混乱することなくエンジン1だけ
による通常走行を継続させることができる。
【0060】次にステップS76に進み、既にドグクラ
ッチ51の切断が確認されたことにより、ドグクラッチ
断弁54に供給していた駆動信号D9を断ってOFFと
する。ドグクラッチ51は構造上、一旦切断あるいは接
続が完了すると、クラッチを断接するための駆動力を断
ってもその状態を維持できるようになっている。そし
て、ステップS77において、回生ランプ68をOFF
(消灯)とし、回生装置が不作動になったことを運転者
に知らせる。上述のステップS91の実行によりダイア
グランプ69を点灯させた場合にも、このステップS7
7が実行されて回生ランプ68をOFF(消灯)とす
る。
【0061】図13のステップS78以降は上述のステ
ップS71で記憶したエラーコードを、整備作業者が修
理を行うときに読み出す手順を示す。先ず、ステップS
78で、エラーコードを読み出すために、作業者がダイ
アグSW65を操作したか否か(ONにしたか否か)を
判別する。判別結果がON、すなわち作業者がダイアグ
SW65をON側に操作したことを検出するとステップ
S79に進み、エラーコードを出力する一方、OFFで
は何もせずに当該プログラムを終了するようになってい
る。そして、ステップS79では、読み出したエラーコ
ードに対応して、例えばモールス信号のように回生ラン
プ68を点滅させるようになっており、作業者は回生ラ
ンプ68の点滅パターンで故障原因を知ることができ
る。
【0062】尚、上述のステップS72において、回生
装置の故障の内容が軽微なものであって、回生装置にそ
の故障をバックアップする機能を持っている場合には、
その機能を作動させることにより、回生装置の作動を暫
定的に継続させることも可能である。このような故障処
理を行った場合には、ドグクラッチ51を切断する必要
はなく、ステップS72の実行の後、直ちにステップS
78に進むようにしてもよい。
【0063】また、上述の実施例では、本発明を蓄圧タ
イプの制動エネルギ回生装置を備えた車両に適用した
が、制動エネルギ回生装置としてはこれに限定されるも
のではなく、制動エネルギを電気エネルギに変換して、
これを蓄電池に蓄えるものや、フライホイール式のもの
であってもよい。さらに、警報手段としては、警報音を
吹鳴させるものであってもよい。
【0064】
【発明の効果】上述のように、本発明の制動エネルギ回
生装置を備えた車両に依れば、制動エネルギ回生装置の
異常を検出する異常検出手段と、クラッチを断接駆動す
るクラッチ操作手段と、クラッチの断接状態を検出する
クラッチ断接検出手段と、制動エネルギ回生装置の異常
を警報する警報手段と、異常を検知するとクラッチを断
状態にするようクラッチ操作手段の作動を制御し、その
後クラッチが断状態にあることが検知された場合には、
警報手段を不作動にさせる制御手段とを備えるようにし
たので、警報手段の作動は、走行困難となるようなクラ
ッチ系の異常が発生したときに限定され、運転者が車両
を走行させてもよいか否かの判断を混乱なく行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用される制動エネルギ回
生装置の一部およびこれを搭載した車両の構成を示す概
略図である。
【図2】本発明の制動エネルギ回生装置の主要構成を示
す油圧回路図である。
【図3】本発明の制動エネルギ回生装置の電子制御装置
(ECU)の構成を示すブロック図である。
【図4】図3のECU60が実行するポンプ制御ルーチ
ンのフローチャートの一部である。
【図5】図4のフローチャートに続く、ポンプ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
【図6】図4のフローチャートに続く、ポンプ制御ルー
チンのフローチャートの残部である。
【図7】図3のECU60が実行するモータ制御ルーチ
ンのフローチャートの一部である。
【図8】図7のフローチャートに続く、モータ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
【図9】図8のフローチャートに続く、モータ制御ルー
チンのフローチャートの一部である。
【図10】図8のフローチャートに続く、モータ制御ル
ーチンのフローチャートの残部である。
【図11】本発明に係る、制動エネルギ回生装置のエラ
ー時制御ルーチンのフローチャートの一部である。
【図12】図11のフローチャートに続く、エラー時制
御ルーチンのフローチャートの一部である。
【図13】図12のフローチャートに続く、エラー時制
御ルーチンのフローチャートの残部である。
【図14】制動エネルギ回生装置のポンプ制御時におけ
るブレーキ圧PBKと、それに応じて設定されるELP値
との関係の一例を示すグラフである。
【図15】制動エネルギ回生装置のモータ制御時におけ
る車速Vと判別値Xθ1 (アクセル開始開度)との関係
の一例を示すグラフである。
【図16】制動エネルギ回生装置のモータ制御時におけ
る車速Vとアクセル開度とこれらに応じた傾転角制御信
号値ELMの関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クラッチ 3 トランスミッション 10 後輪駆動軸 20 アキュムレータ 30 低圧作動油タンク 40 斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ 41 傾転シリンダ 42 比例電磁弁 43 パイロット油圧源 50 ギヤボックス 51 ドグクラッチ 52 エアタンク 53 電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ接弁) 54 電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ断弁) 60 コントロールユニット(ECU) 65 ダイアグSW 68 回生ランプ 69 ダイアグランプ(警報手段) 92 ドグクラッチ断接センサ(クラッチ断接検出手
段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の駆動系部材にクラッチを介して連
    結され、制動時に蓄積した制動エネルギを発進/加速エ
    ネルギとして利用する制動エネルギ回生装置を備えた車
    両において、前記制動エネルギ回生装置の異常を検出す
    る異常検出手段と、前記クラッチを断接駆動するクラッ
    チ操作手段と、前記クラッチの断接状態を検出するクラ
    ッチ断接検出手段と、前記制動エネルギ回生装置の異常
    を警報する警報手段と、前記異常を検知すると前記クラ
    ッチを断状態にするようクラッチ操作手段の作動を制御
    し、その後前記クラッチが断状態にあることが検知され
    た場合には、前記警報手段を不作動にさせる制御手段と
    を備えたことを特徴とする制動エネルギ回生装置を備え
    た車両。
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