JP2970444B2 - 制動エネルギ回生装置用メンテナンス装置 - Google Patents

制動エネルギ回生装置用メンテナンス装置

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JP2970444B2
JP2970444B2 JP6306302A JP30630294A JP2970444B2 JP 2970444 B2 JP2970444 B2 JP 2970444B2 JP 6306302 A JP6306302 A JP 6306302A JP 30630294 A JP30630294 A JP 30630294A JP 2970444 B2 JP2970444 B2 JP 2970444B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動エネルギを
発進時又は加速時に回生して駆動力をアシストする制動
エネルギ回生装置に適用される、制動エネルギ回生装置
メンテナンス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両の車輪にエネ
ルギ変換手段としてポンプ/モータ等を設け、車両制動
時にこのポンプ/モータをポンプモードに切り換えて車
輪側からの回転駆動エネルギを回生して、この回転駆動
エネルギを流体圧エネルギとしてアキュムレータ等に蓄
圧したり、車両の発進時等にはポンプ/モータをモータ
モードに切り換えてアキュムレータ等からの流体圧エネ
ルギを回転駆動エネルギに変換して、車両の発進時や加
速時に駆動力をアシストするような制動エネルギ回生装
置が提案されている(例えば、特公平4−64900号
公報等)。
【0003】このような流体作動装置としての制動エネ
ルギ回生装置について簡単に説明すると、図6に示すよ
うに、この装置は、主にポンプ/モータ40と、作動流
体としての作動油を低圧で蓄えておく低圧作動油タンク
30と、低圧作動油タンク30からの作動油を高圧状態
で蓄圧しうるアキュムレータ20と、アキュムレータ2
0からポンプ/モータ40を介してドレーンされた作動
油を蓄えるドレーンタンク39と、ポンプ/モータ40
と車輪とを断接するためのクラッチ(図示省略)とから
なっている。
【0004】そして、このような流体作動装置では、車
両制動時にはクラッチを接状態として、車輪側から入力
される回転駆動力により上記ポンプ/モータ40をポン
プとして駆動するようになっている。この時、作動油は
低圧作動油タンク30から汲み上げられてアキュムレー
タ20内に高圧状態で蓄圧されるが、このポンプ駆動に
よる仕事が車輪に対する負荷となり制動力として作用す
る。
【0005】一方、車両の発進時や加速時には、アキュ
ムレータ20内に蓄圧された高圧作動油によりポンプ/
モータ40をモータとして作動させ、このモータの回転
駆動力を車輪の駆動力として利用するのである。また、
ポンプ/モータ40やオイルシール等から漏れる作動油
は、ドレーンタンク39へ貯溜されるようになってお
り、このドレーンタンク39に蓄えられた作動油は、ポ
ンプ59及び3ポート切換弁98Aを介して、再び低圧
作動油タンク30に戻され、上述のような循環を繰り返
す。
【0006】また、ポンプ/モータ40をポンプとして
作動させるかモータとして作動させるかの作動モードの
切り換えは、例えば以下のようにして行う。すなわち、
このポンプ/モータ40は、斜板式可変容量アキシャル
ピストン型ポンプ/モータであって、図示しない斜板の
傾転角により作動モードが制御されるようになってお
り、さらには、ポンプモード時のポンプ容量やモータモ
ード時のモータ出力も、この傾転角により制御される。
【0007】この傾転角は、ポンプ/モータ40に接続
されたピストン41aの位置に応じて設定されるように
なっている。また、このピストン41aには、比例電磁
弁42,2ポート切換弁44,モータ43a及びポンプ
43bを介して、ドレーンタンク39からパイロット油
圧源が供給されるようになっており、比例電磁弁42,
2ポート切換弁44を切り換え制御することによりポン
プ/モータ40の作動モードが制御されるのである。
【0008】ところで、このような制動エネルギ回生装
置(流体作動装置)では、所定の走行距離(又は所定期
間)に応じて作動油を交換する必要があるが、このと
き、作動油にゴミ等の不純物が混入することが考えられ
るため、図6に示すようなフラッシング装置6を外部か
ら取り付けてフラッシングを行う。ここで、フラッシン
グとは、作動油を強制的に循環させて、フラッシング装
置6内のフィルタ6Aで作動油を濾過する作業のことで
ある。なお、フィルタ類は、フラッシング装置6内にだ
けでなく制動エネルギ回生装置の油圧経路上にも複数設
けられているが、これらのフィルタは、流路抵抗になら
ないように比較的目の粗いものが用いられているため、
細かい不純物はフィルタ6により取り除かれることにな
る。また、図6中の6B,6Cは、作動油をフラッシン
グ装置6内で循環させるためのモータ及びポンプであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフラッシング作業時は、ポンプ/モータ40をポン
プモードで駆動させて作動油を図6に矢印で示す方向で
循環させるため、比例電磁弁42及び2ポート切換弁4
4をモータモード側へ駆動させるための専用のスイッチ
ボックス(図示省略)が必要になる。
【0010】また、フラッシング時は上記のスイッチボ
ックスを用いて比例電磁弁42及び2ポート切換弁44
を所定のタイミングでオン・オフさせなければならず、
熟練した作業者しか行えず手間もかかるという課題があ
る。本発明は、このような課題に鑑み創案されたもの
で、上記スイッチボックス(駆動装置)を用いることな
く、また初心者でも簡単にフラッシング作業を行うこと
ができるようにした、制動エネルギ回生装置用メンテナ
ンス装置を提供することを目的とする。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項記載
の本発明の制動エネルギ回生装置用メンテナンス装置
は、作動流体を貯溜する作動流体貯溜手段と、該作動流
体を高圧状態に蓄圧する蓄圧手段と、車両の車軸の回転
エネルギを受けて作動し該作動流体貯溜手段からの作動
流体を加圧して流体圧エネルギとして該蓄圧手段へ供給
するポンプモードと該蓄圧手段に蓄えられた流体圧エネ
ルギを回転エネルギに変換するモータモードとをとりう
るエネルギ変換手段と、該作動流体貯溜手段と該蓄圧手
段と該エネルギ変換手段とを連結する流体回路と、該エ
ネルギ変換手段を該モータモードと該ポンプモードとの
いずれかに切り換えうるエネルギ変換モード切換手段
と、該エネルギ変換手段におけるエネルギ変換量を調整
するエネルギ変換量調整手段と、該車両の制動時に該エ
ネルギ変換手段をポンプモードとし該車両の発進時又は
加速時に該エネルギ変換手段をモータモードとするよう
に該エネルギ変換モード切換手段を制御しうる制御手段
とをそなえた制動エネルギ回生装置をそなえるととも
に、該制御手段に接続されて該制御手段を介して該制動
エネルギ回生装置の各部の故障診断とメンテナンス動作
の指令とを行ないうるメンテナンス装置本体と、該流体
回路に結合されることで該回路内を洗浄しながら該作動
流体内の不純物を除去するフラッシング装置とをそな
え、該メンテナンス装置本体に、該フラッシング装置の
作動時に該エネルギ変換モード切換手段及び該エネルギ
変換量調整手段を制御して該ポンプモードとするととも
に作動油が該流体回路内を循環するのに適切なポンプ容
量にするように指令するフラッシングモードが設けられ
ていることを特徴としている。
【0013】また、請求項記載の本発明の制動エネル
ギ回生装置用メンテナンス装置は、上記請求項記載の
該エネルギ変換手段が流体圧により該エネルギ変換モー
ドと該エネルギ変換量と調整されるように構成され、
該エネルギ変換モード切換手段が、該エネルギ変換手段
への流体圧の供給状態をポンプモードとモータモードと
に切り換える切換弁であって、該エネルギ変換量調整手
段が、該エネルギ変換手段への流体圧を給排する開閉弁
であることを特徴としている。
【0014】なお、該メンテナンス装置本体が、メンテ
ナンスメニューを表示する表示部と、該メンテナンスメ
ニューから任意のメニューを選択操作する選択操作部と
をそなえ、該メンテナンスメニューに該フラッシングモ
ード設けるように構成してもよい。このように構成す
れば、だれでも簡単に操作することができ、流体作動装
置の作動状態もディスプレイを通じて簡単に把握するこ
とができるという利点がある。
【0015】また、該メンテナンス装置本体が、該フラ
ッシングモード選択時に、フラッシング準備動作を案内
する案内メッセージを表示するように構成してもよい。
この場合には、フラッシング準備動作を忘れることなく
作業を行うことができ、安全生も向上する。また、該
ンテナンス装置本体が、該フラッシングモード選択時
に、該フラッシング準備動作が完了したら該フラッシン
グモードによる該エネルギ変換モード切換手段及び該エ
ネルギ変換量調整手段へ所要の作動指令を行なうように
構成してもよい。このように構成すれば、エネルギ変換
量調整手段及びエネルギ変換モード切換手段が正確且つ
確実なタイミングでの開閉動作し、簡単にフラッシング
を行うことができる利点がある。
【0016】
【0017】
【作用】述の請求項記載の本発明の制動エネルギ回
生装置用メンテナンス装置では、制御手段に接続された
メンテナンス装置本体により、この制御手段を介して制
動エネルギ回生装置の各部の故障が診断され、メンテナ
ンス動作の指令がなされる。一方、作動流体貯溜手段と
蓄圧手段とエネルギ変換手段とを連結する流体回路にフ
ラッシング装置を結合すると、このフラッシング装置に
より回路内が洗浄されながら作動流体内の不純物が除去
される。
【0018】そして、メンテナンス装置本体がフラッシ
ングモードとなると、フラッシング装置の作動時にエネ
ルギ変換モード切換手段及びエネルギ変換量調整手段が
所要のモードで作動して、エネルギ変換手段がポンプモ
ードに制御されるとともに作動油が流体回路内を循環す
るのに適切なポンプ容量に制御される。また、上述の請
求項記載の本発明の制動エネルギ回生装置用メンテナ
ンス装置では、流体圧により、エネルギ変換手段がエネ
ルギ変換モードとエネルギ変換量とに調整され、切換弁
としてのエネルギ変換モード切換手段により、エネルギ
変換手段への流体圧の供給状態がポンプモードとモータ
モードとに切り換えられる。また、開閉弁としてのエネ
ルギ変換量調整手段により、エネルギ変換手段への流体
圧が給排される。
【0019】
【0020】
【0021】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例につい
て説明すると、図1はその要部構成を示す模式的な構成
図、図2はその流体作動装置の全体構成を示す模式図、
図3はその流体作動装置の制御系の構成を示す模式的な
ブロック図、図4はそのメンテナンス装置本体の外観を
示す模式図、図5はそのフラッシングモード時の動作を
説明するためのフローチャートである。
【0022】まず、図2を用いて流体作動装置としての
制動エネルギ回生装置の全体構成について説明する。図
2に示すように、この制動エネルギ回生装置をそなえた
車両では、エンジン1からの回転駆動力はクラッチ2を
介してトランスミッション3に入力されるようになって
いる。また、トランスミッション3の出力軸13は、差
動装置106を介して駆動軸10の接続されている。そ
して、この駆動軸10により駆動輪WR が駆動されるよ
うになっている。
【0023】また、制動エネルギ回生装置は、蓄圧手段
としてのピストン型アキュムレータ20,作動流体貯溜
部としての低圧作動油タンク30,エネルギ変換手段と
しての斜板式可変容量アキシャルピストン型ポンプ/モ
ータ40,ギアボックス50,制御手段としてのコント
ロールユニット(以下、ECUという)60等をそなえ
ており、駆動軸12を介して上述の差動装置106に接
続されている。
【0024】アキュムレータ20は、高圧油路P1を介
してポンプ/モータ40の第1ポート40aに接続され
ており、ポンプ/モータ40の第2ポート40bは低圧
油路P2を介して低圧作動油タンク30に接続されてい
る。低圧作動油タンク30は、作動流体(作動油)をア
キュムレータ20よりも低圧状態であって、且つ大気圧
よりも高圧状態に加圧して貯溜しておくタンクである。
【0025】また、アキュムレータ20は、その内部が
移動可能なピストン21によりガス室22と作動油室2
3とに区画され、ガス室22には所定圧のガス(例えば
窒素ガス等)が封入されており、作動油室23には作動
流体としての作動油が蓄圧されるようになっている。高
圧油路P1には、アキュムレータ20側から順に遮断弁
(ストップ弁)24及びアンロード弁(兼マニブロ手動
バルブ)25が配設されている。遮断弁(ストップ弁)
24は、電磁パイロット操作弁であり、通常はポンプ/
モータ40からアキュムレータ20へ向かう作動油の流
れを許容し、逆方向の流れを阻止する逆止弁として機能
するものであるが、ECU60からの遮断弁信号D2が
遮断弁24に入力されると、アキュムレータ20側から
ポンプ/モータ40側への作動油の流れを許容するよう
になっている。また、この遮断弁24は、手動により開
閉することもできるようになっており、フラッシング時
に、アキュムレータ20が所定圧以上であると、この遮
断弁24を手動で開いてアキュムレータ20の蓄圧量を
低減させるようになっている。なお、このフラッシング
については後で詳述する。
【0026】電磁式のアンロード弁25は、ECU60
からのアンロード弁信号D3により作動するものであ
り、このアンロード弁信号D3がアンロード弁25に入
力されるとアンロード弁25がONの状態、即ち弁閉状
態となるようになっている。また、このアンロード弁2
5は、通常時の弁開状態のときは、高圧油路P1と低圧
作動油タンク30とを直接接続する油路P3を開通させ
て、高圧油路P1内の残圧をタンク30に逃がすように
なっている。
【0027】なお、このアンロード弁25はマニブロ手
動バルブとしても機能するようになっている。ここでマ
ニブロ手動バルブとは、作業者の手動作業により開閉さ
れる手動弁であって、やはり後述するフラッシング時に
この弁25を開くことにより、作動油を装置内で循環さ
せることができるようになっている。さらに、高圧油路
P1には、遮断弁24よりポンプ/モータ40側の作動
油圧を検出するための吐出圧センサ(作動流体圧検出手
段)89が設けられており、この吐出圧センサ89は、
アキュムレータ20とポンプ/モータ40との間の作動
流体圧を検出して、吐出圧信号PHYとしてECU60に
出力するようになっている。
【0028】また、アキュムレータ20には、前述した
ピストン21の位置を検出してピストン位置信号LP を
出力するピストン位置センサ87と、アキュムレータ2
0内の作動油の油圧を検出して蓄圧信号PACを出力する
蓄圧センサ88とが設けられており、これらの2つの信
号によりECU60においてアキュムレータ20内の蓄
圧状態が判断されるようになっている。
【0029】ポンプ/モータ40は、ギアボックス50
を介して駆動軸12に接続されており、制動時は駆動輪
WR から入力された制動エネルギが駆動軸12とギアボ
ックス50とを介してポンプ/モータ40に伝達され、
逆にポンプ/モータ40の発進/加速エネルギは、ギア
ボックス50から駆動軸12,差動装置106を介して
駆動輪WR に伝達されるようになっている。
【0030】ギアボックス50は、一対の歯車50a,
50bと断接手段としてのドグクラッチ51とから構成
されており、駆動軸12とポンプ/モータ40との連結
はドグクラッチ51によって断接されるようになってい
る。ポンプ/モータ40は、上述したように斜板式可変
容量アキシャルピストン型のポンプ/モータであって、
ギアボックス50の出力軸に接続された駆動軸40e
と、これと一体に回転する複数のシリンダ40fと、こ
れらのシリンダ40fにそれぞれ嵌挿されるピストン4
0cと、駆動軸40eの回転に伴ってピストン40cを
往復運動させる斜板40dとから構成されており、駆動
軸40eに対する斜板40dの角度(以下、この角度を
傾転角という)を制御することによって、ポンプ/モー
タ40の容量が設定されるようになっている。
【0031】斜板40dの傾転角は、図2に示す傾転シ
リンダ41の作用により可変制御されるようになってい
る。この傾転シリンダ41は、斜板40dに直接連結さ
れたピストン41aと、ピストン41aの両側に形成さ
れたチャンバ41b,41cとから構成されており、一
方のチャンバ(例えばチャンバ41b)に後述するパイ
ロット油圧源43からパイロット油圧が供給されると、
斜板40dがポンプ作動側に駆動され、ポンプ/モータ
40がポンプモードで作動するのである。また、これと
同様に、他方のチャンバ(チャンバ41c)にパイロッ
ト油圧が供給されると、斜板40dがモータ作動側に駆
動され、ポンプ/モータ40がモータモードで作動する
ようになっている。
【0032】パイロット油圧源43は、電動モータ等に
より駆動されるオイルポンプや調圧弁等から構成され、
所定圧のパイロット油圧を発生させるものである。この
油圧源43と傾転シリンダ41との間には、フィルタ4
5,電磁式2ポート切換弁44,比例電磁弁42が配設
され、これらはパイロット油圧源43から傾転シリンダ
41へのパイロット油圧の供給圧を制御するパイロット
油圧制御回路として構成されている。
【0033】比例電磁弁42は、ポンプ/モータ40を
ポンプモードとモータモードとに切り換えうる弁であっ
て、エネルギ変換モード切換手段として構成されてい
る。また、2ポート切換弁44は、ECU60からの駆
動信号D1によってパイロット油路P4の連通又は遮断
を行ないポンプ/モータ40のポンプ容量やモータ出力
を調整するエネルギ変換量調整手段として構成されてい
る。
【0034】また、これら、エネルギ変換モード切換手
段(比例電磁弁)42とエネルギ変換量調整手段(2ポ
ート切換弁)とにより作動調整機構が構成されている。
比例電磁弁42の一方のソレノイド(例えばソレノイド
42a)に制御信号ELPが伝達されると、この信号値
ELPに応じたデューティ比で比例電磁弁42が駆動さ
れ、傾転シリンダ41のポンプモード側のチャンバ41
bにパイロット油圧が供給されるようになっている。こ
れにより、シリンダ41内のピストン41aが駆動され
て斜板40dの傾転角が可変制御されるのである。ま
た、他方のソレノイド42bに制御信号ELMが伝達さ
れると、この信号値ELMに応じたデューティ比で比例
電磁弁42が駆動され、傾転シリンダ41のモータモー
ド側のチャンバ41cにパイロット油圧が供給されるよ
うになっている。
【0035】したがって、ポンプ/モータ40のポンプ
モード時には、このポンプ/モータ40内の斜板40d
が、傾転シリンダ41によりポンプ作動側に駆動され、
モータモード時には、ポンプ作動時とは逆方向に斜板4
0dが駆動されるようになっている。一方、作動油タン
ク30は、電磁式の2ポート弁33,減圧弁35,エア
ドライヤ36を介して加圧エアタンク31に接続される
とともに、電磁式の3ポート切換弁34を介してサブエ
アタンク32に接続されており、これらのうち加圧エア
タンク31及びサブエアタンク32は作動油タンク30
に対する加圧手段として構成され、電磁式3ポート切換
弁34は加圧状態切換手段として構成されている。
【0036】切換弁34は、ECU60から駆動信号D
7が伝達されると作動して、サブエアタンク32と作動
油タンク30とを連通させる位置に切り換えられる。そ
して、サブエアタンク32と作動油タンク30とが連通
することによって、サブエアタンク32内に一部保留さ
れていた加圧エアが作動油タンク30に流入する。この
ようにして、作動油タンク30の作動油量の変動に合わ
せて、タンク30内のエアの補給又は吸収を行ない、作
動油タンク30内のエア圧の安定化を図るようになって
いる。
【0037】一方、ECU60からの駆動信号D7が断
たれると、切換弁34は、大気開放位置に切り替わり、
作動油タンク30内の圧力を大気中に開放して、タンク
30内を大気圧にするようになっている。また、切換弁
33は、ECU60からの駆動信号D6によって作動
し、これにより、エアタンク31と作動油タンク30と
が連通するようになっている。そして、エアタンク31
と作動油タンク30とが連通すると、エアタンク31内
に蓄えられた高圧エアが作動油タンク30内に供給さ
れ、タンク30内の作動油が所定圧に加圧されてポンプ
/モータ40の作動が安定した状態に保たれるのであ
る。
【0038】ポンプ/モータ40や油圧経路内嵌合部
(オイルシール)等から漏れる作動油は、ドレーンタン
ク39へ還流するようになっている。また、このドレー
ンタンク39にはポンプ59が接続されている。そし
て、ドレーンタンク39は、ポンプ59及び電磁式2ポ
ート切換弁98A,98Bを介して作動油タンク30に
接続されており、ドレーンタンク39内の作動油が所定
量に達すると、ポンプ59及び切換弁98Aを駆動して
不足する作動油を作動油タンク30に補充するようにな
っている。
【0039】作動油タンク30には、作動油レベルセン
サ90と油温センサ91が設けられており、それぞれ作
動油レベル信号LOIL ,油温信号TOIL を検出するよう
になっている。そして、ECU60ではこれらの信号L
OIL ,TOIL に基づいて、作動油が正常な状態であるか
どうかを判断し、回生装置の作動状態を規制すること
で、ポンプ/モータ40の焼き付き等による装置の破損
を防止するようになっている。
【0040】ところで、前述したドグクラッチ51は、
エア圧によって断接駆動されるものであって、ドグクラ
ッチ51には、高圧エアが蓄えられたエアタンク52が
接続されている。また、ドグクラッチ51とエアタンク
52との間には、クラッチ接(接続)用の電磁式3ポー
ト切換弁(ドグクラッチ接弁)53及びクラッチ断(切
離し)用の電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ断弁)
54が設けられており、これらの切換弁53,54によ
りドグクラッチを断接駆動するための操作手段55が構
成されている。
【0041】ドグクラッチ接弁53は、ECU60から
駆動信号D8を受けると作動する電磁弁であって、切換
弁53が作動すると、エアタンク52内の高圧エアがド
グクラッチ51に供給され、これによりドグクラッチ5
1は接続状態に制御される。また、ドグクラッチ断弁5
4は、ECU60からの駆動信号D9を受けると作動す
る電磁弁であって、切換弁54が作動すると、ドグクラ
ッチ51は切離し状態になる。
【0042】ドグクラッチ51には、ドグクラッチ断接
センサ92が設けられており、ドグクラッチ51の断接
状態が検出されて、その検出信号DCLをECU60に
伝達するようになっている。また、ドグクラッチ51の
出力軸には、ポンプ/モータ40の回転数を検出する回
転数センサ93が設けられており、回転数信号NP をE
CU60に伝達するようになっている。
【0043】また、ECU60には、ブレーキ圧センサ
70が接続されており、ブレーキペダル100の踏込量
に応じて発生するブレーキ圧PBKが検出されるようにな
っている。そして、ECU60は、吐出圧センサ89に
より検出された吐出圧信号PHYの大きさと上述のブレー
キ圧PBKの大きさとを、それぞれの所定値と比較するこ
とによって、ポンプ/モータ40のポンプ作動による蓄
圧制動力と通常のサービスブレーキとの作動切換制御を
行なうようになっている。
【0044】ところで、この車両のエンジン1はディー
ゼルエンジンであって、エンジン1には、燃料噴射装置
5がそなえられている。そして、エンジン1では、燃料
噴射装置5に接続された電子ガバナコントロールユニッ
ト67からの制御信号に基づいて、通常の燃料噴射制御
が行なわれるとともに、後述するECU60からのラッ
ク制限信号Rにしたがって燃料噴射制限(ラック制限)
が行なわれるようになっている。
【0045】この燃料噴射制限(ラック制限)は、ポン
プ/モータ40のモータ作動による出力とエンジン1に
よる出力との和が、通常のエンジン1だけによる最大駆
動トルクに対応する出力以上にならないようにエンジン
1側の出力制御を行なうものである。なお、ガバナコン
トロールユニット67では、エンジン回転数NE を検出
し、この信号NE をECU60へ出力するようになって
おり、したがって、ガバナコントロールユニット67
は、エンジン回転数センサとしても機能するようになっ
ている。
【0046】また、この車両のトランスミッション3
は、フィンガーコントロールタイプのトランスミッショ
ンであって、フィンガーコントロールトランスミッショ
ンコントロールユニット(以下、単にTCUという)3
Aを有している。ここで、フィンガーコントロールトラ
ンスミッションとは、遠隔操作式の変速機装置であっ
て、トランスミッション3に変速段の噛合状態を変更す
るアクチュエータ(図示省略)等を設けて、このアクチ
ュエータを例えば電気信号等で制御することにより変速
段を変更するようなものである。そして、ドライバから
変速段の変更要求があると(具体的には、ドライバがシ
フトレバーを操作すると)、このTCU3Aにより、複
数のアクチュエータの作動が制御されて、トランスミッ
ション3の変速段が所望の変速段に制御されるようにな
っている。
【0047】そして、このトランスミッション3には、
T/Mリバースセンサ84,T/Mニュートラルセンサ
85が設けられており、それぞれ車速信号V,T/Mリ
バース信号TMR,T/Mニュートラル信号TMNを検
出して、これらの信号をECU60へ出力するようにな
っている。次に、ECU60について簡単に説明する
と、ECU60には、図示はしないが、プロセッサ,メ
モリ,入出力インタフェース等がそなえられている。こ
のECU60の入力側には、図3に示すように、メイン
スイッチ64,ダイアグスイッチ65,アクセル開度セ
ンサ61,エンジンクラッチ断接センサ62及び前述し
た各種のセンサ類(車速センサ83,T/Mリバースセ
ンサ84,T/Mニュートラルセンサ85,ピストン位
置センサ87,蓄圧センサ88,吐出圧センサ89,作
動油レベルセンサ90,油温センサ91,ドグクラッチ
断接センサ92,回転数センサ93等)が接続されてい
る。
【0048】ここで、メインスイッチ64は、電源のオ
ンオフ状態信号を検出するものであり、ダイアグスイッ
チ65は、回生装置等のエラー(異常)時にエラーコー
ドを読み出して、このエラーコードに応じて後述のダイ
アグランプ69を点滅させる指令信号を出力するもので
ある。また、アクセル開度センサ61は、アクセルペダ
ル104に連動しアクセルペダル104の踏込量(又は
アクセル開度)を検出するものであり、エンジンクラッ
チ断接センサ62は、クラッチペダル105に連動し
て、エンジン1とトランスミッション3との間のクラッ
チ(エンジンクラッチ)2の断接状態を検出するもので
ある。なお、このクラッチ断接センサ62は、クラッチ
2の断接の判断(ONかOFFかの判断)のみならず半
クラッチ状態をも検出できるものである。
【0049】流体作動装置の一例としての制動エネルギ
回生装置は、上述のように構成されているので、通常走
行時には、ECU60により操作手段55がドグクラッ
チ51を断状態にするように制御され、ポンプ/モータ
40と駆動軸12とは切り離された状態となり、ポンプ
/モータ40は作動しない状態となる。一方、車両の制
動時には、ECU60により、操作手段55を通じてド
グクラッチ51が接状態にされるとともに、エネルギ変
換モード切換手段42が制御されて、ポンプ/モータ4
0をポンプモードに設定するようになっている。
【0050】これにより、車両制動時には、ポンプ/モ
ータ40がポンプとして作用して、低圧作動油タンク3
0内の作動油が高圧状態でアキュムレータ20内に蓄え
られる。そして、このポンプの仕事により、車両の制動
エネルギが流体圧エネルギとして蓄圧されるようになっ
ている。また、上述とは逆に、車両の発進/加速時に
は、ECU60によりエネルギ変換モード切換手段42
が、ポンプ/モータ40をモータモードに設定するよう
に制御されるようになっている。
【0051】そして、アキュムレータ20内に蓄えられ
た高圧の作動油により、ポンプ/モータ40がモータと
して作動し、流体圧エネルギが発進/加速エネルギに変
換されるようになっているのである。さて、流体作動装
置の一例としての制動エネルギ回生装置の全体構成は上
述のようになっているが、本発明の制動エネルギ回生装
置用メンテナンス装置は、基本的にはこのような流体作
動装置(制動エネルギ回生装置)の各部の故障診断やメ
ンテナンスを行うものであり、図1に示すように、流体
作動機構とフラッシング装置6とメンテナンス装置本体
7(詳細は図4参照)とからなっている。
【0052】フラッシング装置6は、図1に示すよう
に、流体作動装置のメンテナンス時(主にオイル交換
時)に作動油タンク30に接続させて、この流体作動装
置の流体回路を内を洗浄しながら作動油内の不純物をフ
ィルタ6Aにより取り除くためのものであって、主に、
フィルタ6A,モータ6B及びポンプ6Cとからなって
いる。
【0053】つまり、上述したような流体作動装置で
は、所定の走行距離(又は所定期間)に応じて作動油を
交換する必要があるが、このとき、作動油にゴミ等の不
純物が混入することが考えられる。そこで、図1に示す
ようなフラッシング装置6を外部から取り付けてフラッ
シングを行うようになっているのである。ここで、フラ
ッシングとは、作動油を強制的に循環させて、フラッシ
ング装置6内のフィルタ6Aで作動油を濾過する作業の
ことである。また、フィルタ類は、フラッシング装置6
内にだけでなく制動エネルギ回生装置の油圧経路上にも
複数設けられているが、これらのフィルタは、流路抵抗
にならないように比較的目の粗いものが用いられている
ため、細かい不純物はフィルタ6Aにより取り除かれる
ようになっている。
【0054】次に、メンテナンス装置本体7について簡
単に説明すると、このメンテナンス装置本体7は、EC
U60に接続させることで、流体作動装置を遠隔操作し
て、メンテナンス動作を行わせることができるようにな
っている。メンテナンス装置本体7には、図4に示すよ
うに、表示部(ディスプレイ)7Aと選択操作部7Bと
がそなえられており、このディスプレイ7Aに流体作動
装置の故障部位や各部の動作状況が表示されるととも
に、各種のメンテナンスメニューが表示されるようにな
っているのである。
【0055】そして、本装置では、このメンテナンスメ
ニューの一つとしてフラッシングモードが設けられてお
り、ここでフラッシングモードを選択すると、自動的に
流体作動回路内のフラッシングが行われるようになって
いる。すなわち、メンテナンス時に、このメンテナンス
装置本体7とフラッシング装置6とを流体作動装置に取
り付けて、フラッシングモードを選択すると、メンテナ
ンス装置本体7からECU60にフラッシングを指示す
る信号が出力され、ECU60では、作動調整機構とし
ての比例電磁弁42及び2ポート切換弁44に対してフ
ラッシングモードに対応した制御信号を出力するように
なっている。
【0056】このとき作業者は、フラッシング準備動作
としてマニブロ手動バルブ25を開けてアキュムレータ
20と作動油タンク30を連通させておくとともに、後
輪をジャッキアップした状態で後輪側をエンジン1によ
り駆動させるという作業が必要になる。なお、この準備
動作については後術する。そして、ECU60からの制
御信号にしたがって所定のタイミングで比例電磁弁42
及び2ポート切換弁44が開閉されることにより、ポン
プ/モータ40がポンプモードで作動して、作動油がタ
ンク30からポンプ40を介してアキュムレータ20へ
流れ、マニブロ手動バルブ25から油路P3を通ってタ
ンク30へ戻るという経路で循環駆動される。
【0057】また、ECU60は、これと同時にフラッ
シング装置6のモータ6Bを駆動させ、これにより、タ
ンク30に流入してくる作動油をフィルタ6Aで濾過す
ることができるのである。なお、このとき、ECU60
は、パイロット油圧源43のモータ43aに対しても駆
動信号を出力して、パイロット油圧を発生させるように
なっており、これによりポンプ/モータ40が比例電磁
弁42及び2ポート切換弁44に応じたポンプモードと
なるようになっている。
【0058】また、ポンプ59も作動させることによ
り、流体作動装置内の作動油がすべて循環するようにな
り、作動油を全て濾過することができるのである。そし
て、このようなフラッシングを所定時間行うとフラッシ
ングが終了するようになっている。
【0059】したがって、従来は熟練した作業者の手腕
に頼っていたフラッシング時の比例電磁弁42及び2ポ
ート切換弁44の開閉動作を、メンテナンス装置本体7
からの指示のみで確実に行うことができ、経験の浅い作
業者でも確実にフラッシングを行うことができるように
なる。本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装置
メンテナンス装置は上述のように構成されているの
で、フラッシングモード選択時は、まず、メンテナンス
装置本体7のディスプレイ7Aにフラッシング準備動作
を案内する案内メッセージが表示される。ここで、フラ
ッシング準備動作とは、フラッシング前に作業者が流体
作動装置を所定の状態にしておくことである。
【0060】フラッシング準備動作が完了したら、EC
U60からエネルギ変換モード切換手段(比例電磁弁)
42及びエネルギ変換量調整手段(2ポート切換弁)4
4へ所要の指令が伝達される。そして、比例電磁弁42
及び2ポート切換弁44が所要のモードに制御され、こ
れにより、ポンプ/モータ40がフラッシングに最適な
ポンプモードで作動し、フラッシングが簡単に実行され
る。
【0061】このような動作を図4に示すフローチャー
トにしたがって簡単に説明する。まず、メンテナンス作
業時には、メンテナンス装置本体7のディスプレイ7A
に、ステップS1に示すようにないくつかのメニューが
表示される。ここで、選択操作部7Bの上下方向の矢印
キーを用いて「フラッシング」のメニューを選び、YE
Sキー(Yキー)を押して実行する。なお、図7中に示
すCキーはCLEARキー(クリアキー),NキーはN
Oキーである。
【0062】次に、ステップS2に進んで、ディスプレ
イ7Aに作業者にフラッシング準備動作を案内する案内
メッセージが表示される。具体的には、後輪WR をジャ
ッキアップし、マニブロ手動バルブ25をゆるめてトラ
ンスミッション3を3速でタイヤを回転させる旨の指示
が表示される。そして、上記の指示通りの作業を済ませ
た後、操作部7BのYキー押すと、次にステップS3に
進み、このステップS3で、アキュムレータ20が蓄圧
状態が判断される。
【0063】ここでアキュムレータ20の蓄圧状態は、
蓄圧センサ88からの蓄圧信号PACに基づいて判断され
るようになっており、蓄圧センサ88により得られた圧
力が所定値(例えば50kg)以上のときはアキュムレー
タ20が作動油を蓄圧していると判断してステップS4
に進む。次に、ステップS4では、アキュムレータ20
の蓄圧量がディスプレイ7Aに表示されるとともに、ス
トップ弁(遮断弁)24を開けるようにメッセージが表
示され、この後は再びステップS3に戻る。
【0064】一方、ステップS3でアキュムレータ20
の蓄圧量が所定値以下であると判断した場合は、ステッ
プS3からステップS5に進む。また、上記のステップ
S4で、ストップ弁(遮断弁)24を開くことによりア
キュムレータ20の蓄圧量が所定値よりも小さくなった
場合も、次に、ステップS5に進む。ステップS5で
は、車速センサ83からの検出情報に基づいて車速が所
定値(例えば5km/h)以上かどうかを判断する。この場
合は、駆動輪(後輪)WR はジャッキアップされている
ので、厳密には駆動輪WR の回転数が所定の車速値相当
以上かどうかを判断するものである。
【0065】ここで、車速が所定値よりも小さいとステ
ップS6に進んで、ディスプレイ7A上に注意を促すメ
ッセージが表示され、タイヤを回転させるようにメッセ
ージが表示される。また、車速が所定値以上の場合、ス
テップS7に進んで、ディスプレイ7Aにフラッシング
の実行メニューが表示される。ここで、選択操作部7B
のYキーを操作してフラッシングを実行させると、次に
ステップS8に進んで、フラッシングが実行されている
ことがディスプレイ7Aに表示される。
【0066】この後、ステップS9に進んで流体作動装
置(この場合、制動エネルギ回生装置)のシステムに異
常がないかどうかが判断される。そして、システムの異
常発生が検出されない場合はステップS10に進み、シ
ステムの異常発生が検出された場合はステップS11に
進む。ステップS11では、流体作動装置を保護する目
的でフラッシングの作動を行わず、ディスプレイ7Aに
フラッシングが実行できない旨のメッセージ(故障診断
メッセージ)を表示する。
【0067】また、ステップS10では、ステップS8
でフラッシングを開始してから所定時間(例えば15mi
n )経過したかどうかが判断され、経過していない場合
はステップS8に戻り、経過した場合はステップS12
に進む。ステップS12では、フラッシングの終了を示
すメッセージがディスプレイ7Aに表示され、Cキーを
押して作業を終了するようになっている。
【0068】なお、フラッシング実行中におけるエネル
ギ変換モード切換手段(比例電磁弁)42及びエネルギ
変換量調整手段(2ポート切換弁)44は、例えば以下
の作動モードで制御される。すなわち、2ポート切換弁
42をポンプ側にONにして且つ比例電磁弁44に40
0mAの電流を流す第1の状態と、2ポート切換弁42を
OFFにして且つ比例電磁弁44に電流を流さない第2
の状態と、の2つの作動状態を20sec 毎に交互に繰り
返し、これにより、ポンプ/モータ40をフラッシング
に最適なポンプモードに制御するのである。
【0069】このように、本発明の制動エネルギ回生装
置用メンテナンス装置は、メンテナンス装置本体7に、
フラッシング装置6の作動時にフラッシングを補助する
ようなフラッシングモードを設けることにより、従来は
熟練した作業者の手腕に頼っていたフラッシング時の比
例電磁弁42及び2ポート切換弁44の開閉動作を、メ
ンテナンス装置本体7からの遠隔操作による指示のみで
確実に行うことができ、経験の浅い作業者でも確実にフ
ラッシングを行うことができるのである。
【0070】また、従来からあるメンテナンス装置にフ
ラッシング機能のソフトを追加するだけで本発明を実現
することができ、新たなコストをほとんど必要としな
い。さらには、従来から使用していたスイッチボックス
も不要とすることができるという利点もある
【0071】
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項記載の本
発明の制動エネルギ回生装置用メンテナンス装置によれ
ば、作動流体を貯溜する作動流体貯溜手段と、該作動流
体を高圧状態に蓄圧する蓄圧手段と、車両の車軸の回転
エネルギを受けて作動し該作動流体貯溜手段からの作動
流体を加圧して流体圧エネルギとして該蓄圧手段へ供給
するポンプモードと該蓄圧手段に蓄えられた流体圧エネ
ルギを回転エネルギに変換するモータモードとをとりう
るエネルギ変換手段と、該作動流体貯溜手段と該蓄圧手
段と該エネルギ変換手段とを連結する流体回路と、該エ
ネルギ変換手段を該モータモードと該ポンプモードとの
いずれかに切り換えうるエネルギ変換モード切換手段
と、該エネルギ変換手段におけるエネルギ変換量を調整
するエネルギ変換量調整手段と、該車両の制動時に該エ
ネルギ変換手段をポンプモードとし該車両の発進時又は
加速時に該エネルギ変換手段をモータモードとするよう
に該エネルギ変換モード切換手段を制御しうる制御手段
とをそなえた制動エネルギ回生装置をそなえるととも
に、該制御手段に接続されて該制御手段を介して該制動
エネルギ回生装置の各部の故障診断とメンテナンス動作
の指令とを行ないうるメンテナンス装置本体と、該流体
回路に結合されることで該回路内を洗浄しながら該作動
流体内の不純物を除去するためのフラッシング装置とを
そなえ、該メンテナンス装置本体に、該フラッシング装
置の作動時に該エネルギ変換モード切換手段及び該エネ
ルギ変換量調整手段を制御して該ポンプモードとすると
ともに作動油が該流体回路内を循環するのに適切なポン
プ容量にするように指令するフラッシングモードが設け
られるという構成により、従来は熟練した作業者の手腕
に頼っていたフラッシング時のエネルギ変換量調整手段
及びエネルギ変換モード切換手段の開閉動作を、メンテ
ナンス装置本体からの遠隔操作による指示のみで確実に
行うことができ、経験の浅い作業者でも確実にフラッシ
ングを行うことができる利点がある。
【0073】また、従来からのメンテナンス装置にフラ
ッシング機能のソフトを追加するだけで本発明を実現す
ることができるので、コストの増加がほとんど必要な
い。さらには、従来のスイッチボックスも不要になると
いう利点もある。また、請求項記載の本発明の制動エ
ネルギ回生装置用メンテナンス装置によれば、上記請求
記載の構成に加えて、該エネルギ変換手段が流体圧
により該エネルギ変換モードと該エネルギ変換量と調
整されるように構成され、該エネルギ変換モード切換手
段が、該エネルギ変換手段への流体圧の供給状態をポン
プモードとモータモードとに切り換える切換弁であっ
て、該エネルギ変換量調整手段が、該エネルギ変換手段
への流体圧を給排する開閉弁であるという構成により、
メンテナンス装置本体から簡単に遠隔操作することがで
きるという利点がある。
【0074】
【0075】
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置用メンテナンス装置の要部構成を示す模式的な構成図
である。
【図2】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置用メンテナンス装置における流体作動装置の全体構成
を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置用メンテナンス装置における流体作動装置の制御系の
構成を示す模式的なブロック図である。
【図4】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置用メンテナンス装置におけるメンテナンス装置本体の
外観を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施例としての制動エネルギ回生装
置用メンテナンス装置におけるフラッシングモード時の
動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】従来の流体作動装置のフラッシング作業を説明
するための模式的な構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クラッチ 3 トランスミッション 3A フィンガーコントロールトランスミッションコン
トロールユニット 5 燃料噴射装置 6 フラッシング装置 6A フィルタ 6B ポンプ 6C モータ 7 メンテナンス装置本体 7A 表示部(ディスプレイ) 7B 選択操作部 10 駆動軸 12 駆動軸 13 トランスミッション出力軸 20 蓄圧手段としてのピストン型アキュムレータ 21 ピストン 22 ガス室 23 作動油室 24 遮断弁 25 アンロード弁兼マニブロ手動バルブ 30 作動流体貯溜部としての低圧作動油タンク 31 加圧手段としての加圧エアタンク 32 加圧手段としてのサブエアタンク 33 電磁式2ポート切換弁 34 加圧状態切換手段としての電磁式3ポート切換弁 35 減圧弁 36 エアドライヤ 38 フィルタ 39 ドレーンタンク 40 エネルギ変換手段としての斜板式可変容量アキシ
ャルピストン型ポンプ/モータ 40a 第1ポート 40b 第2ポート 40c ピストン 40d 斜板 40e 駆動軸 40f シリンダ 41 傾転シリンダ 41a ピストン 41b,41c チャンバ 42 エネルギ変換モード切換手段としての比例電磁弁 43 パイロット油圧源 43a モータ 43b ポンプ 44 エネルギ変換量調整手段としての電磁式2ポート
切換弁 45 フィルタ 50 ギアボックス 50a,50b 歯車 51 断接手段としてのドグクラッチ 52 エアタンク 53 電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ接弁) 54 電磁式3ポート切換弁(ドグクラッチ断弁) 55 操作手段 59 ポンプ 60 制御手段としてのコントロールユニット(EC
U) 61 アクセル開度センサ 62 エンジンクラッチ断接センサ 64 メインスイッチ 65 ダイアグスイッチ 66 蓄圧インジケータ 67 電子ガバナコントロールユニット(兼エンジン回
転数センサ) 68 回生ランプ 69 ダイアグランプ 70 ブレーキ圧センサ 83 速度検出手段としての車速センサ 84 T/Mリバースセンサ 85 T/Mニュートラルセンサ 87 ピストン位置センサ 88 蓄圧センサ 89 作動流体圧検出手段としての吐出圧センサ 90 作動油レベルセンサ 91 油温センサ 92 ドグクラッチ断接センサ 93 回転数センサ 98A,98B 電磁式2ポート切換弁 100 ブレーキペダル 104 アクセルペダル 105 クラッチペダル 106 差動装置 WR 駆動輪 P1 高圧油路 P2 低圧油路 P3 油路 P4 パイロット油路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 25/00 B60T 1/10 F15B 21/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体を貯溜する作動流体貯溜手段
    と、 該作動流体を高圧状態に蓄圧する蓄圧手段と、 車両の車軸の回転エネルギを受けて作動し該作動流体貯
    溜手段からの作動流体を加圧して流体圧エネルギとして
    該蓄圧手段へ供給するポンプモードと該蓄圧手段に蓄え
    られた流体圧エネルギを回転エネルギに変換するモータ
    モードとをとりうるエネルギ変換手段と、 該作動流体貯溜手段と該蓄圧手段と該エネルギ変換手段
    とを連結する流体回路と、 該エネルギ変換手段を該モータモードと該ポンプモード
    とのいずれかに切り換えうるエネルギ変換モード切換手
    段と、 該エネルギ変換手段におけるエネルギ変換量を調整する
    エネルギ変換量調整手段と、 該車両の制動時に該エネルギ変換手段をポンプモードと
    し該車両の発進時又は加速時に該エネルギ変換手段をモ
    ータモードとするように該エネルギ変換モード切換手段
    を制御しうる制御手段とをそなえた制動エネルギ回生装
    置をそなえるとともに、 該制御手段に接続されて該制御手段を介して該制動エネ
    ルギ回生装置の各部の故障診断とメンテナンス動作の指
    令とを行ないうるメンテナンス装置本体と、 該流体回路に結合されることで該回路内を洗浄しながら
    該作動流体内の不純物を除去するためのフラッシング装
    置とをそなえ、 該メンテナンス装置本体に、該フラッシング装置の作動
    時に該エネルギ変換モード切換手段及び該エネルギ変換
    量調整手段を制御して該ポンプモードとするとともに作
    動油が該流体回路内を循環するのに適切なポンプ容量に
    するように指令するフラッシングモードが設けられてい
    ることを特徴とする、制動エネルギ回生装置用メンテナ
    ンス装置。
  2. 【請求項2】 該エネルギ変換手段が流体圧により該エ
    ネルギ変換モードと該エネルギ変換量と調整されるよ
    うに構成され、 該エネルギ変換モード切換手段が、該エネルギ変換手段
    への流体圧の供給状態をポンプモードとモータモードと
    に切り換える切換弁であって、 該エネルギ変換量調整手段が、該エネルギ変換手段への
    流体圧を給排する開閉弁であることを特徴とする、請求
    記載の制動エネルギ回生装置用メンテナンス装置。
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