JP3180562B2 - 天板及び支持部材の連結構造 - Google Patents

天板及び支持部材の連結構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天板と支持部材が着脱
可能に連結される机やテーブル等に係り、その天板及び
支持部材の連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、机やテーブル等において、袖や脚
体などの支持部材と天板とを着脱可能に連結する場合に
は、天板の下面の四隅近傍部にナットを埋設する一方、
支持部材の上面に架設された架材の前記ナットに対応す
る部位にボルト挿通孔を設け、支持部材側から前記ボル
ト挿通孔に挿通したボルトを前記ナットに螺着すること
によって、天板と支持部材を連結するのが通例である。
【0003】ところが、このような連結構造は、天板後
部を止着するためのボルトが支持部材すなわち袖等の奥
まった部位に位置するため、ボルトを装脱する作業を袖
等の内部に腕を侵入させて窮屈な姿勢で行う必要があ
る。そのため、天板の着脱作業は煩雑なものであるのみ
ならず、作業中にボルトを紛失し易いという問題があ
る。 このような不具合を解消するために、天板の下面
後部に架材を架設し、その架材の下面に、通過孔および
該通過孔に連続して該通過孔よりも狭小な幅寸法の係止
孔を設けるとともに、支持部材の上面後部に、頭部が前
記通過孔よりも小径かつ前記係止孔よりも大径であるピ
ンを上方に突設しておき、該ピンの頭部を前記通過孔に
通過させた後、前記係止孔に係止させ、この位置におい
て天板の下面前部と支持部材の上面前部とをボルトによ
り連結するようにしたものが考えられる。このようにす
ると、少なくとも支持部材の奥におけるボルトの装脱作
業を不要にすることが可能になる。
【0004】また、同様の趣旨により、支持部材の上面
後部に架材を架設し、この架材の上面に、通過孔および
該通過孔に連続して該通過孔よりも狭小な幅寸法の係止
孔を設けるとともに、天板の下面後部に、頭部が前記通
過孔よりも小径かつ前記係止孔よりも大径であるピンを
下方に突設しておき、該ピンの頭部を前記通過孔に通過
させた後、前記係止孔に係止させ、この位置において天
板の下面前部と支持部材の上面前部とをボルトにより連
結する構造も考えられるところである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
連結構造においても、天板と支持部材の連結作業の困難
性を十分に解消することはできないという問題がある。
すなわち、かかる構造による取付時には、天板を天地を
逆さにして床の上等に置き、その上から支持部材を天地
を逆さにして近付け、天板又は支持部材の一方に突出す
るピンを他方に開口する通過孔に先に挿通させた後、支
持部材を天板に対してピンが係止孔に移行する方向に相
対的にスライドさせる手順を踏むことになる。そして、
ピンを通過孔に挿通する際に、前記ピンと前記通過孔と
は目視できない位置にあるため、挿通に必要な位置決め
作業を手探りで行う必要があり、かつその作業の間は支
持部材の荷重を担持しておかなければならないため、煩
雑でありかつ作業効率も低い。天板と支持部材の連結を
解除する場合も同様で、ピンが係止孔から通過孔に移行
する方向に天板に対して支持部材を相対的にスライドさ
せ、ピンおよび係止孔の両軸心が略一致する位置で支持
部材を天板から引上げれば連結が解除されるのである
が、目視せずに前記ピンの頭部の位置を通過孔の中央に
位置決めしなければならず、しかも少しでも過剰操作す
ればピンが通過孔を通り越して逆方向へ偏位してしまう
ため、連結解除できる状態にするまでの作業が極めて煩
雑でありかつ効率が低いという不都合がある。
【0006】本発明は、このような課題に着目してなさ
れたものであって、天板と支持部材とを迅速かつ的確に
連結及び連結解除できるようにした天板及び支持部材の
連結構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明に係る天板及び支持部材
の連結構造は、下面後部に架材を備えた天板と、該天板
の下面に前記架材を介して添設される支持部材とを連結
する場合には、前記架材の下面に前端が該架材の前面に
開口する係止溝を設けるとともに、前記支持部材の上面
後部に頭部が前記係止溝の後部の幅よりも大径であるピ
ンを上方に突設しておき、前記天板と支持部材とを相対
的にスライドさせることにより該ピンを前記係止溝の前
端開口部を通過させて、ピンの頭部を前記係止溝の後部
に係止し、その位置で天板の前部と支持部材の前部とを
止着具を介して連結してなることを特徴とする。
【0009】また、上面後部に架材を備えた支持部材
と、該支持部材の上面に前記架材を介して添設される天
板との間を連結する場合には、前記架材の上面に前端が
該架材の前面に開口する係止溝を設けるとともに、前記
天板の下面後部に頭部が前記係止溝の後部の幅よりも大
径であるピンを下方に突設しておき、前記天板と支持部
材とを相対的にスライドさせることにより該ピンを前記
係止溝の前端開口部を通過させて、ピンの頭部を前記係
止溝の後部に係止し、その位置で天板の前部と支持部材
の前部とを止着具を介して連結してなることを特徴とす
る。支持部材の具体的な実施の態様としては、該支持部
材が袖であるものや、脚体であるものが挙げられる。
【0010】
【作用】このような連結構造において、天板と支持部材
とを着脱可能に連結するためには、例えば、天板を天地
を逆さにして床の上等に置き、その上から支持部材を天
地を逆さにして幅方向の位置決めのみを行って載設し、
その位置から前記ピンが前記係止溝に近付く方向に支持
部材を天板に対して相対的にスライド操作する。前記係
止溝の前端はそれが設けられている前記架材の前面に開
口しているため、前記ピンは前記係止溝の前端を介して
係止溝に入り、ピンの頭部がその係止溝の後部に当接し
た位置に係止される。そして、その位置において天板の
下面前部と支持部材の上面前部とを止着具により締着す
れば、支持部材と天板とが前部および後部において連結
される。
【0011】このように、本発明においては、前記ピン
を前記係止溝に挿入する際に必要な作業を、支持部材と
天板とを幅方向に位置決めする操作と、支持部材をスラ
イドさせる操作と、止着具を止着する操作のみとするこ
とができる。すなわち、支持部材と天板とを幅方向に位
置決めする作業は目視により行うことができ、目視でき
ない作業即ちそれらの奥行き方向に対する位置決めは本
発明においては不要なものとなり、所定位置で止着作業
をすれば連結が完了される。したがって、位置決めに要
する作業を著しく容易なものとすることができる。その
上、支持部材をスライドさせる操作は支持部材を天板に
添設させて行うことができるため、作業の際支持部材を
担持しておく必要のある時間を著しく短縮することがで
きる。
【0012】また、支持部材と天板の連結を解除する際
には、止着具を離脱させた後、前記とは逆方向に支持部
材を天板に対してスライドさせることで、前記ピンが前
記架材の前面に開口する前記係止溝の前端を介して該係
止溝から外れ、支持部材と天板との結合が解離すること
になる。したがって、この場合にも支持部材と天板とを
位置決めする必要がなく、連結解除に係る操作は著しく
容易なものとなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図7を参
照して説明する。
【0014】この連結構造は、図1に示すように、机を
構成する支持部材たる袖1と、天板2との間の連結に適
用される。
【0015】袖1は、スチール製のもので、左右の側板
11と、背板12と、前後2枚の頂板13a,13b
と、前後2枚の底板14とを連結した筐形構造をなして
いる。そして、その前面側に引き出し3を挿通するため
の開口15を形成している。また、後部の頂板13aに
は、図3に示すように軸部161の先端に頭部162を
連設した段付形状のピン16が上方に向けて突設してあ
り、前部の頂版13bには、図4に示すようにボルト挿
通孔17が穿設されている。
【0016】天板2は、合成樹脂製のもので、面板部2
aに前縁2b、後縁2cおよび左右両側縁2dを一体に
垂下させた構造をなしている。この天板2の下面2eに
は、図2に示すように、幅方向に延びる中空体状の後部
架材21、前部架材22および中間部架材23が略等間
隔で添設され、それらの架材21、22、23の面一な
下面が後述する袖1を均等に添設させるための添設面を
与えている。前記後部架材21は、両端が天板2の側縁
2dに当接し、後縁が天板2の後縁2cに当接する位置
に固設されたもので、両端近傍部に本発明に係る係止溝
211を穿設している。この係止溝211は、図3に示
すように、前端211aが後部211bよりも幅広ない
わゆる達磨形状をなすもので、その前端211aが後部
架材21の前面に開口している。なお、この係止溝21
1の後部211bの溝幅は、ピン16の軸部161の径
よりも幅広で且つその頭部162の径よりも幅狭なもの
にしてある。また、この係止溝211が形成されている
後部架材21の肉厚は、ピン16の軸部161の高さよ
り薄いものにしてある。前部架材22は、両端が天板2
の側縁2dに当接し、前縁が天板2の前縁2bに当接す
る位置に固設されたもので、両端近傍部には、図4に示
すように、連結時に前部頂板13bのボルト挿通孔17
に連続する位置にボルト挿通孔221が穿設してあると
ともに、その挿通孔221に軸心を一致させて該架材2
2の上面にナット部材222を固設している。
【0017】次に、本実施例において天板2と袖1とを
連結する手順について説明する。先ず、図5に示すよう
に、天板2を天地を逆さにして床の上等に置き、その上
から袖1を天地を逆さにして担持し、載設する。載設す
る位置は、ピン16が後部架材21とその手前に隣設す
る中間架材との谷間に位置すれば十分であり、唯一、袖
1の左右の側板11が天板2の幅方向所定位置に来るよ
うに、同幅方向への位置決めのみを正確に行う。この位
置決めは、袖1を天板2上に下ろした後にスライドさせ
ながら行えばよいため、袖1を持ち上げた状態で行う必
要は全くない。次に、その位置からピン16が係止溝2
11に近付く方向に袖1を天板2に対して相対的にスラ
イドさせる。具体的に、この実施例においては、袖1を
天板1の前縁から後縁に向かう方向にスライドさせる。
このとき、ピン16は後部架材21の前面に向かって移
動するが、後部架材21の前面には係止溝211の前端
211aが開口しているため、前述した幅方向の位置決
めによってピン16のスライド軌跡上に該係止溝211
の前端211aが位置づけられる。図6に示すように、
ピン16は直進することによって係止溝211の前端2
11aに入り、更に直進して係止溝211の後部211
bに入り込んだ後、その周縁に当接して係止される。ピ
ン16がこの後部211bに入ると、ピン16の頭部1
62の径は当該後部211bの幅寸法よりも大きく設定
してあるため、ピン16は軸方向に係止溝211から抜
出することが禁止され、その結果、幅方向にも係止され
る。一方、この位置において、袖1の前側頂板13bの
ボルト挿通孔17および天板2の前部架材22のボルト
挿通孔221が連続することになり、止着具である図示
しないボルトを袖1の内側から挿通してナット部材22
2に螺着し、袖1の上面前部と天板2の下面前部とを連
結すれば、前記ピン16は係止溝211の前部側に対す
る移動も禁止される。すなわち、ここにおいて、袖1と
天板2とは前後左右に位置ずれし得ない状態で連結され
た状態となる。
【0018】逆に、袖1と天板2との連結を解除する場
合には、ボルトを螺脱した後、袖1を天板2に対して前
記と逆方向にスライドさせれば、ピン16が所定位置ま
で移動したときに係止溝211から脱出して、袖1と天
板2の間の全ての拘束状態が解かれる。
【0019】以上のように、本実施例においては、袖1
と天板2とを連結するために必要な作業が、袖1と天板
2とを幅方向に位置決めする操作と、袖1を天板2上で
スライドさせる操作と、ボルトを定着する作業のみとな
る。すなわち、袖1と天板2とを幅方向に位置決めする
作業は天板2に対する袖1の側板11の位置を目視によ
り確かめながら行うことができ、目視できない作業すな
わちそれらの奥行き方向に対する位置決めは前述したよ
うにピン16を架材21、23間に位置づける程度の位
置決めとも言えない極めて大雑把なものでよい。したが
って、本実施例においては、位置決めに要する作業を著
しく容易なものとすることができる。その上、袖1をス
ライドさせる間は天板2上に添設させて行うことがで
き、作業の際に袖1を担持しておく必要のある時間が著
しく短縮されるため、作業に係る労力も大幅に低減され
たものになる。さらに特筆すべきは、本実施例において
は袖1と天板2との連結を解除する際に両者の位置決め
を行う必要が全くなく、無造作にスライド操作するだけ
でも連結が確実に解除される点である。このことは、位
置決めに煩雑で手間の掛かる作業を余儀なくされた従来
連結構造に比べれば、作業効率や労力に与える影響に雲
泥の差があり、特に多数の机やテーブルを取り扱う場合
には計り知れない効率化の効果がもたらされるものとな
る。
【0020】なお、本発明は上述した実施例に限定され
ないのは勿論であり、例えば、図7に示すように、ピン
16を天板2の下面後部において下方へ突設し、かつ後
部架材21および係止溝211を袖1の上面後部に配設
した天板連結構造とすることも可能である。この場合で
も袖1と天板2の連結および連結解除の作業は上記実施
例に準じて行うことができ、全く同様の作用効果を得る
ことが可能である。
【0021】また、ピン16や係止溝211、架材21
〜23の形状などは、以上説明したものに限定されない
のは勿論である。また、後部架材21は全体を中空体状
のものにする必要はなく、係止溝211の上部にピン1
6の頭部162が進入できるだけの空間を形成しておく
だけで十分である。
【0022】その他、支持部材を脚体としてする実施
や、天板および支持部材が机ではなくテーブルの構成要
素である場合の実施など、本発明を逸脱しない範囲で種
々変形が可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る天板及び支持部材の連結構
造は、以上詳述したように、支持部材と天板との連結
を、両者を目視により幅方向に位置決めする操作と、両
者を相対的にスライドさせる操作と、両者を止着具によ
り止着する作業のみによって実現できるようにしたもの
である。そのため、位置決めに要する作業を著しく容易
にして作業効率を向上させ、それに伴う労力も大幅に軽
減することが可能になる。特に、本発明においては、支
持部材と天板との連結を解除する際に両者の位置決めを
全く不要にすることができるため、これに伴う作業性が
従来に比べて格段に改善される優れた効果を奏するもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図。
【図2】同実施例が適用された天板の底面図。
【図3】同実施例の連結構造を示す一部破断した斜視
図。
【図4】同実施例の連結構造を示す一部破断した斜視
図。
【図5】同実施例の天板取付手順を説明するための斜視
図。
【図6】同実施例の天板取付手順を説明するための要部
断面図。
【図7】本発明の他の実施例を示す一部破断した斜視
図。
【符号の説明】
1…支持部材(袖) 2…天板 2e…天板下面 16…ピン 21…後部架材 13a…後部頂板 162…ピン頭部 211…係止溝 211a…係止溝前端 211b…係止溝後部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下面後部に架材を備えた天板と、該天板の
    下面に前記架材を介して添設される支持部材との間に適
    用される連結構造であって、 前記架材の下面に前端が該架材の前面に開口する係止溝
    を設けるとともに、前記支持部材の上面後部に頭部が前
    記係止溝の後部の幅よりも大径であるピンを上方に突設
    しておき、前記天板と支持部材とを相対的にスライドさ
    せることにより該ピンを前記係止溝の前端開口部を通過
    させて、ピンの頭部を前記係止溝の後部に係止し、その
    位置で天板の前部と支持部材の前部とを止着具を介して
    連結してなることを特徴とする天板及び支持部材の連結
    構造。
  2. 【請求項2】上面後部に架材を備えた支持部材と、該支
    持部材の上面に前記架材を介して添設される天板との間
    に適用される連結構造であって、 前記架材の上面に前端が該架材の前面に開口する係止溝
    を設けるとともに、前記天板の下面後部に頭部が前記係
    止溝の後部の幅よりも大径であるピンを下方に突設して
    おき、前記天板と支持部材とを相対的にスライドさせる
    ことにより該ピンを前記係止溝の前端開口部を通過させ
    て、ピンの頭部を前記係止溝の後部に係止し、その位置
    で天板の前部と支持部材の前部とを止着具を介して連結
    してなることを特徴とする天板及び支持部材の連結構
    造。
  3. 【請求項3】支持部材が袖であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の天板及び支持部材の連結構造。
  4. 【請求項4】支持部材が脚体であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の天板及び支持部材の連結構造。
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