JP3180088B2 - 産業車両の油圧制御装置及びフォークリフト - Google Patents

産業車両の油圧制御装置及びフォークリフト

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JP3180088B2
JP3180088B2 JP27196798A JP27196798A JP3180088B2 JP 3180088 B2 JP3180088 B2 JP 3180088B2 JP 27196798 A JP27196798 A JP 27196798A JP 27196798 A JP27196798 A JP 27196798A JP 3180088 B2 JP3180088 B2 JP 3180088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業車両の油圧制
御装置、及びフォークリフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、フォークリフトにおいては、
ティルトレバーの操作に基づいてティルトシリンダに給
排される作動油の流量を、積荷の積載状態の検出値等に
基づき、ティルトレバーの操作に独立して自動的に制御
するようにした油圧制御装置が提案されている。
【0003】例えば、特開平7−61792号公報にて
開示されるフォークリフトのティルト制御装置は、ティ
ルトレバーの操作によってマストが前傾動作していると
きに、マストが鉛直になったときに自動で停止させる制
御を行う。また、積荷の積載状態が所定の高荷重高揚高
のときに、マストの前傾速度を最大速度から制限する制
御を行う。この制御を行うため、ティルト制御装置は、
ティルトシリンダに対して作動油を給排する作動油給排
制御弁を、運転者が操作する操作レバーの検出値に基づ
いてコントローラが制御する電磁比例制御弁としてい
る。従って、このティルト制御装置によれば、荷置き時
にマストを自動で鉛直にすることができるため、荷置き
作業を迅速に行うことができる。また、高荷重高揚高で
の荷置き作業時に、ティルトレバーの操作に拘らずマス
トが制限された速度で前傾するので、ティルトレバーの
操作に従来ほど精密な操作が要求されず容易に行うこと
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、作動油給排
制御弁では、作動油中の異物がスプールと胴部との間に
入り込んで、スプールが円滑に動作しなくなることがあ
る。上記のティルト制御装置のように、ティルトシリン
ダに対して作動油を給排する作動油給排制御弁を比例制
御弁とした場合には、スプールが動かなくなったとき
に、ティルトシリンダに対する作動油の給排をティルト
レバーで操作することができなくなる虞がある。
【0005】そこで、本出願人は、上述のようなティル
ト制御装置にて解決される課題に加え、上記のような課
題を解決することができるマスト制御装置を考案した。
このマスト制御装置は、図7に示すように、ティルトレ
バー90によって操作され、ティルトシリンダ91に対
して作動油を給排するスプール弁型の作動油給排制御弁
92に加え、マスト93の前傾時にティルトシリンダ9
1から作動油給排制御弁92に作動油が排出される油路
94上に、制御ユニット95によってティルトレバー9
0から独立して制御される電磁流量制御弁96を備えて
いる。この電磁流量制御弁96は、パイロット操作され
る電磁開閉切換弁としている。
【0006】このマスト制御装置では、ティルトシリン
ダ91に対して作動油を給排する作動油給排制御弁92
がティルトレバー90によって手動操作されるので、電
磁ソレノイドによって駆動される場合と異なり、作動油
給排制御弁92のスプールを動かせなくなることはな
い。また、電磁流量制御弁96を電磁開閉切換弁として
いるので、比例制御弁のようにスプールの寸法公差が厳
しくなく、作動油中の異物によってスプールが動き難く
なり難い。
【0007】ところで、作動油給排制御弁92に加えて
電磁流量制御弁96を設けた場合、ティルトレバー90
が操作されておらず作動油給排制御弁92が中立位置に
配置されているときには、電磁流量制御弁96を全閉状
態とすることが考えられる。つまり、作動油給排制御弁
92がスプール弁であるため、マスト93や積荷の荷重
によって油圧が高くなっているティルトシリンダ91の
ロッド側油室の作動油がスプール弁と胴部との隙間から
油タンク側に僅かずつ排出され、マスト93が少しずつ
前傾することになる。そこで、ティルトレバー90が操
作されていないときに電磁流量制御弁96を全閉とする
ことにより、ティルトシリンダ91から作動油が排出さ
れないようにすることができるからである。従って、テ
ィルトレバー90が操作されたときに、電磁流量制御弁
96を全閉状態から全開状態とし、ティルトレバー90
が操作されなくなったときに全開状態から全閉状態とす
るようにすればよい。
【0008】ところが、ティルトレバー90が操作され
たときに電磁流量制御弁96を全閉状態から全開状態に
切り換えると、作動油給排制御弁92からティルトシリ
ンダ91に給排される作動油の流量が「0」からいきな
り最大流量になる。その結果、ティルトシリンダ91が
静止状態から急激に動作し、マスト93や車体に軽い衝
撃が発生する。このため、運転者が不快感を感じたり、
積荷が崩れる虞がある。
【0009】また、ティルトレバー90が操作されなく
なったり、マスト93が鉛直となって電磁流量制御弁9
6を全開状態から全閉状態に切り換えると、ティルトシ
リンダ91に給排される作動油の流量が最大流量からい
きなり「0」になる。この場合にも同様に、ティルトシ
リンダ91が動作状態から急激に停止し、マスト93や
車体に軽い衝撃が発生する。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、電磁流量制御弁の作
動によって油圧シリンダが急激に動作しないようにし、
移動体に大きな衝撃が発生しないようにすることができ
る産業車両の油圧制御装置及びフォークリフトを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、車両に備えられた移動体
を移動させるための複動型油圧シリンダと、前記車両に
設けられた操作手段によって操作され、所定の供給圧で
供給される作動油を前記油圧シリンダに対して給排する
作動油給排制御弁と、前記油圧シリンダと前記作動油給
排制御弁とを接続する油路上に設けられ、その開度を、
全閉状態、全開状態、及び、該両開度状態の中間の開度
である少なくとも1つの半開状態に切り換え可能な電磁
流量制御弁と、前記操作手段の操作、あるいは、前記移
動体を移動させるための所定の条件に基づき、前記電磁
流量制御弁の開度を、前記全閉状態及び全開状態の一方
から他方に切り換える流量制御手段とを備えた産業車両
の油圧制御装置において、前記流量制御手段は、前記電
磁流量制御弁の開度を、前記全開状態及び前記全閉状態
のうちの一方から前記半開状態のうちの少なくとも1つ
に切り換えた後、該半開状態から前記両状態のうちの他
方に切り換えるように制御する。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記流量制御手段は、前記半開状態を
予め設定された所定時間だけ継続するように前記電磁流
量制御弁を制御する。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の発明において、前記流量制御手段は、予
め設定された条件が成立するときには、前記操作手段が
操作されているときに、前記電磁流量制御弁の開度を前
記半開状態とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれか一項に記載の発明において、前記電磁流
量制御弁は、前記流量制御手段によってそれぞれが独立
して制御される複数の電磁開閉切換弁を備え、該各電磁
開閉切換弁の開閉の組み合わせによって前記開度が前記
全閉状態、半開状態及び全開状態のいずれかに切り換え
られる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求
項4のいずれか一項に記載の発明において、前記複動型
油圧シリンダは、フォークリフトにおいて前記移動体と
してのマストを傾動可能に支持するティルトシリンダで
あって、前記作動油給排制御弁は、前記操作手段として
のティルトレバーによって操作され、前記ティルトシリ
ンダに対して作動油を給排するティルト用作動油給排制
御弁である。
【0016】請求項6に記載の発明は、フォークリフト
には、請求項5に記載の油圧制御装置が備えられた。 (作用)請求項1に記載の発明によれば、操作手段が操
作され、あるいは、移動体を移動させるための所定の条
件が成立すると、流量制御手段が電磁流量制御弁の開度
を全閉状態と全開状態とのうちの一方から他方に切り換
える。ここで、電磁流量制御弁の開度は、全開状態及び
全閉状態のうちの一方から一旦少なくとも1つの半開状
態に切り換えられた後、該半開状態から両状態のうちの
他方に切り換えられる。従って、作動油給排制御弁から
油圧シリンダに給排される作動油の流量が「0」から最
大流量、あるいは、最大流量から「0」に切り換えられ
る途中で、一旦半開状態に対応した流量に切り換えられ
るので、油圧シリンダが急激に動作しない。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、流量制御手段は、電磁流
量制御弁を予め設定された所定時間だけ半開状態に維持
する。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、予め設定さ
れた条件が成立するときには、操作手段が操作されてい
るときに、油圧シリンダの動作速度が制限される。従っ
て、油圧シリンダの動作速度を制限する流量制御弁によ
って、油圧シリンダの急激な動作が防止される。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加え
て、複数の電磁開閉切換弁の開閉の組み合わせによって
開度が全閉状態、半開状態及び全開状態のいずれかに切
り換えられる。従って、電磁流量制御弁が、開閉切換弁
だけで構成される。
【0020】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用に加え
て、ティルト用作動油給排制御弁からティルトシリンダ
に作動油が給排されるとき、作動油の給排量が「0」か
ら一旦中間流量になった後、中間流量から最大流量とな
る。また、ティルト用作動油給排制御弁からティルトシ
リンダに作動油が給排されなくなるとき、作動油の給排
量が最大流量から一旦中間流量になった後、中間流量か
ら「0」となる。従って、電磁流量制御弁の開度の切換
時にティルトシリンダが急激に動作しない。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
に記載の作用をなす油圧制御装置にてティルトシリンダ
が制御される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明をフォークリフトの
マスト制御装置に具体化した一実施の形態を図1〜図5
に従って説明する。
【0023】図3は、産業車両としてのエンジン式のフ
ォークリフトを示している。フォークリフト10の車体
11にはその前部に移動体としてのマスト12が設けら
れている。マスト12は、アウタマスト12aとインナ
マスト12bとからなる。各アウタマスト12aの後部
にはリフトシリンダ13が配設されている。リフトシリ
ンダ13のピストンロッド13aの先端はインナマスト
12bの上部に連結されている。インナマスト12bの
上部に支承されたチェーンホイール14には、リフトシ
リンダ13のボディ又はアウタマスト12aの上部に一
端を固定するとともに、その他端がリフトブラケット1
5に連結されたチェーン16が掛装されている。荷役用
機器としてのフォーク17はチェーン16に吊り下げら
れたリフトブラケット15とともにリフトシリンダ13
の伸縮により昇降するようになっている。
【0024】マスト12は、複動型油圧シリンダとして
の左右一対のティルトシリンダ18を介して車体11に
対して傾動可能に連結支持されている。ティルトシリン
ダ18は、その基端側が車体11に対して回動可能に連
結されるとともに、ピストンロッド18aの先端でアウ
タマスト12aに回動可能に連結されている。マスト1
2はティルトシリンダ18が伸縮駆動されることで前後
に傾動する。
【0025】アウタマスト12aの上下中央部には、揚
高スイッチ19が設けられている。揚高スイッチ19は
フォーク17が所定高さ以上にある高揚高のときにオン
し、フォーク17が所定高さ未満の低揚高のときにオフ
するようになっている。また、ティルトシリンダ18の
姿勢角を検出してマスト12のティルト角を間接的に検
出するティルト角センサ20が車体11に設けられてい
る。また、リフトシリンダ15の下部にはその油室の油
圧を検出する荷重センサ21が設けられている。荷重セ
ンサ21はフォーク17の載置面に積載された積荷の荷
重に応じた検出信号を出力する。
【0026】運転台22にはその前方にハンドル23、
リフトレバー24及び操作手段としてのティルトレバー
25が装備されている。ティルトレバー25のノブに
は、操作スイッチ(図4にのみ図示)26が設けられて
いる。この操作スイッチ26は、フォーク17が水平状
態になったときにマスト12の前傾動作を自動停止させ
る場合に運転者にて操作される。
【0027】車体11の内部には、荷役系油圧回路を構
成する各弁が一体化されたバルブユニット61が設けら
れている。バルブユニット61には、リフトレバー24
及びティルトレバー25がそれぞれ機械的に連結されて
いる。
【0028】また、車体11の内部には、ティルトシリ
ンダ18にて制御されるマスト12のティルト角を所定
の制御内容に基づいて自動制御する、流量制御手段とし
ての制御ユニット62が設けられている。
【0029】図5は、フォークリフトの荷役系油圧回路
を示している。荷役系油圧回路は、パワーステアリング
系油圧回路と共用する油タンク27及び油圧ポンプ28
を備えている。エンジン29により駆動される油圧ポン
プ28から所定の供給圧で作動油が供給される送り油路
30は、リリーフ弁31が設けられた油路32を介し
て、油タンク27に連通された戻り油路33に連通され
ている。リリーフ弁31は、油圧ポンプ28の負荷が変
化しても、各油圧系に所定の供給圧で作動油が供給され
るようにする。
【0030】また、送り油路30には、油圧ポンプ28
から供給された作動油を荷役系油圧回路とパワーステア
リング系油圧回路とに分流するためのフローディバイダ
34が接続されている。フローディバイダ34は、油圧
ポンプ28から供給される作動油を所定圧以上に昇圧し
てから各油圧回路に分流する。なお、フローディバイダ
34からパワーステアリング系油圧回路に分流された作
動油は送り油路36aを介してパワーステアリングバル
ブ(PSバルブ)35に供給され、PSバルブ35から
排出される作動油は戻り油路36bを介して油タンク2
7に回収される。
【0031】フローディバイダ34によって荷役系油圧
回路に分流された作動油は、送り油路37を介して、バ
ルブユニット61に一体で設けられたリフト用作動油給
排制御弁(以下、リフト用制御弁という)38及びティ
ルト用作動油給排制御弁(以下、ティルト用制御弁とい
う)39に供給される。また、各制御弁38,39から
排出された作動油は、バルブユニット61から戻り油路
33を介して油タンク27に回収される。
【0032】リフト用制御弁38はスプール型の9ポー
ト3位置方向流量制御弁であって、リフトレバー24に
より手動操作される。リフト用制御弁38は、リフトレ
バー24が中立位置のときはb位置となり、中立位置か
ら上昇位置に切り換えられるとa位置となり、中立位置
から下降位置に切り換えられるとc位置となる。リフト
用制御弁38には、送り油路37から分岐された送り油
路37aと戻り油路33とが接続されている。また、リ
フト用制御弁38は、リフトシリンダ13のボトム室1
3bに油路40を介して接続されている。なお、送り油
路37a上には、逆止弁58aが設けられている。
【0033】油路40上には、ボトム側油室13bから
の作動油の排出を許容あるいは禁止するためのパイロッ
ト逆止弁41が設けられている。パイロット逆止弁41
はポペット弁であって、送り油路30から分岐されたパ
イロット油路42に接続された方向切換弁43によって
制御される。パイロット逆止弁41は、エンジン29が
運転されていない状態では、ボトム側油室13bからの
作動油の排出を禁止して、不用意なリフトレバー24の
操作によってリフトシリンダ13が下降しないようにす
る。
【0034】ティルト用制御弁39は二重スプール型の
方向流量制御弁であって、ティルトレバー25によって
手動操作される7ポート3位置の第1切換弁44と、第
1方向切換弁44に内蔵された2ポート2位置の第2切
換弁45とを備えている。ティルト用制御弁39には、
送り油路37から分岐された送り油路37bと戻り油路
33とが接続されている。また、ティルト用制御弁39
は、ティルトシリンダ18のロッド側油室18bに油路
46を介して接続され、同じくボトム側油室18cに、
供給側油路としての油路47を介して接続されている。
なお、送り油路37b上には、逆止弁58bが設けられ
ている。
【0035】第1切換弁44は、ティルトレバー25が
中立位置のときはb位置に切り換えられ、送り油路37
bから第2切換弁45にパイロット圧を供給し、油路4
6を戻り油路33に連通する状態に第2切換弁45を切
り換える。また、ティルトレバー25が中立位置から後
傾位置に切り換えられるとa位置となり、送り油路37
bを第2切換弁45を介さずに油路46に連通するとと
もに、油路47を戻り油路33に連通する。また、ティ
ルトレバー25が中立位置から前傾位置に切り換えられ
るとc位置となり、送り油路37bを油路47に連通さ
せ、また、送り油路37bから第2切換弁45にパイロ
ット圧を供給し、油路46を戻り油路33に連通する状
態に第2切換弁45を切り換える。一方、第2切換弁4
5は、パイロット圧が供給されるときは油路を絞り45
aを介して連通させる。
【0036】ロッド側油室18bに連通された油路46
上には、マスト12の後傾動作時にロッド側油室18b
から排出される作動油の流量を制御してその後傾速度を
制御するためのパイロット操作開閉切換弁としての流量
制御弁48が設けられている。流量制御弁48は二重ス
プール型であって、2ポート2位置の第1開閉弁49
と、同じく2ポート2位置の第2開閉弁50を備えてい
る。第1開閉弁49は、パイロット圧が供給されていな
いときにはa位置となって油路46上に第2開閉弁50
を配置し、パイロット圧が供給されているときにはb位
置となって油路46上に第2開閉弁50を配置せずに油
路46を開く。一方、第2開閉弁50は、パイロット圧
が供給されていないときにはc位置となって閉弁し、パ
イロット圧が供給されるときにはd位置となって開弁す
る。従って、流量制御弁48は、第1開閉弁49がa位
置で第2開閉弁50がc位置のときに全閉状態となり、
第1開閉弁49がa位置で第2開閉弁50がd位置のと
きに半開状態となり、また、第1開閉弁49がb位置で
第2開閉弁50がd位置のときに全開状態となる。
【0037】また、同じく油路46上には、ロッド側油
室18bからの作動油の排出を許容あるいは禁止するパ
イロット逆止弁51が設けられている。パイロット逆止
弁51はポペット弁であって、所定のパイロット圧が供
給されるときは閉弁状態となり、フォーク17の自重、
積荷重によりティルトシリンダ18のロッド側油室18
bから作動油が排出されないようにする。また、パイロ
ット逆止弁51は、所定のパイロット圧が供給されない
ときは開弁状態となり、ロッド側油室18bからの作動
油の排出を許容してティルト用制御弁39による制御が
可能な状態とする。
【0038】一方、フローティバイダ34が作動油を分
流する送り油路37からは制御油路52が分岐され、こ
の制御油路52には、流量制御弁48の開度を切り換え
るとともにパイロット逆止弁51を開閉制御するための
電磁開閉切換弁としての一対の電磁開閉弁53,54が
接続されている。第1電磁開閉弁53は3ポート2位置
切換弁であって、流量制御弁48の第2切換弁50に対
し、消磁時(オフ時)にはパイロット油路55を介して
パイロット圧を供給し、励磁時(オン時)にはパイロッ
ト圧の供給を停止する。第2電磁開閉弁54も3ポート
2位置切換弁であって、流量制御弁48の第1切換弁4
9に対し、励磁時にはパイロット油路56を介してパイ
ロット圧を供給し、消磁時にはパイロット圧の供給を停
止する。本実施の形態では、流量制御弁48、第1電磁
開閉弁53及び第2電磁開閉弁54によって電磁流量制
御弁が構成されている。
【0039】パイロット油路55と戻り油路33との間
には、第1電磁開閉弁53から供給されるパイロット圧
にて制御され、パイロット逆止弁51を開閉制御する方
向切換弁57が設けられている。方向制御弁57は、第
1電磁開閉弁53から所定のパイロット圧が供給されて
いるときには、ロッド側油室18bの油圧をパイロット
圧としてパイロット逆止弁51を開弁させる。また、方
向制御弁57は、第1電磁開閉弁53から所定のパイロ
ット圧が供給されていないときには、パイロット逆止弁
51を閉弁させる。
【0040】従って、イグニッションキーがオフであっ
てエンジン29が運転されておらず、油圧ポンプ28か
ら作動油が所定の供給圧で供給されていないときには、
パイロット逆止弁51が閉弁状態となる。また、イグニ
ッションキーがオンされエンジン29が運転されて油圧
ポンプ28から作動油が所定の供給圧で供給されると
き、第1電磁開閉弁53が消磁され、第2電磁開閉弁5
4が励磁されると、流量制御弁48が全開状態となる。
また、第1電磁開閉弁53及び第2電磁開閉弁54が共
に消磁されると、流量制御弁48が半閉状態となる。さ
らに、第1電磁開閉弁53が励磁され、第2電磁開閉弁
54が消磁されると、流量制御弁48が全閉状態とな
る。なお、パイロット逆止弁51は、流量制御弁48が
全開状態あるいは半開状態のときに開弁し、流量制御弁
48が全閉状態のときに閉弁する。
【0041】ティルト用制御弁39には、ティルトレバ
ー25が中立状態から前傾側に操作された状態と、同じ
く後傾側に操作された状態を検出するための一対の前傾
検出スイッチ59及び後傾検出スイッチ60が装着され
ている。各検出スイッチ59,60は、ティルト用制御
弁39がb位置のときには共にオフとなるように設けら
れている。また、各検出スイッチ59,60は、ティル
ト用制御弁がa位置のときには前傾検出スイッチ59が
オフのままで後傾検出スイッチ60がオンとなり、同じ
くc位置のときは前傾検出スイッチ59がオンとなり後
傾検出スイッチ60がオフのままとなるように設けられ
ている。
【0042】次に、上記のように構成された油圧制御装
置の電気的構成を図4に示す電気ブロック図に従って説
明する。制御ユニット62の入力側には、揚高スイッチ
19、ティルト角センサ20、荷重センサ21、操作ス
イッチ26、前傾検出スイッチ59及び後傾検出スイッ
チ60がそれぞれ電気的に接続されている。また、制御
ユニット62の出力側には、第1電磁開閉弁53及び第
2電磁開閉弁54がそれぞれ電気的に接続されている。
本実施の形態では、ティルト角センサ20、操作スイッ
チ26、前傾検出スイッチ59、制御ユニット62によ
って制御手段が構成されている。
【0043】制御ユニット62はマイクロコンピュー
タ、電磁弁駆動回路等からなっている。制御ユニット6
2は、各検出スイッチ59,60の検出値に基づいて各
電磁開閉弁53,54を制御し、マスト12の前傾制御
及び後傾制御を行う。
【0044】制御ユニット62は、ティルトレバー25
が中立位置にあって検出スイッチ59,60が共にオフ
であるときは、第1電磁開閉弁53をオンとし第2電磁
開閉弁54をオフとする。また、制御ユニット62は、
ティルトレバー25が中立位置から前傾側に操作されて
前傾検出スイッチ59がオンとなったときには、第2電
磁開閉弁54をオフとしたままで第1電磁開閉弁53を
オンからオフとする。
【0045】また、制御ユニット62は、ティルトレバ
ー25が中立位置から後傾側に操作されて後傾検出スイ
ッチ60がオンとなったときは、図1のタイムチャート
に示すように、先ず、第2電磁開閉弁54をオフとした
ままで第1電磁開閉弁53をオンからオフとする。さら
に、制御ユニット62は、第1電磁開閉弁53をオンか
らオフとした時点T1から所定の待ち時間Δtだけ経過
した時点T2で、第1電磁開閉弁53をオフとしたまま
第2電磁開閉弁54をオフからオンとする。
【0046】この待ち時間Δtは、実験等により次のよ
うにして設定されている。マスト12が停止している状
態で、第1開閉弁49及び第2開閉弁50を同時に閉弁
状態から開弁状態に切り換えると、ティルトシリンダ1
8が停止状態から急に伸縮動作することによりマスト1
2が急激に動作する。そこで、先ず、第2開閉弁50を
閉弁状態としたままで第1開閉弁49を閉弁状態から開
弁状態として半開状態とした流量制御弁48によって制
限された流量の作動油をティルトシリンダ18に供給す
ることにより、停止状態のティルトシリンダ18を制限
された速度で動作させる。そして、第1開閉弁49を開
弁状態としてから第2開閉弁50を閉弁状態から開弁状
態として全開状態の流量制御弁48によって制限されな
い流量の作動油をティルトシリンダ18に供給すること
により、制限された速度で動作しているティルトシリン
ダ18を最大速度で動作させる。このことにより、停止
状態のマスト12が急激に動作しないようにする。そし
て、待ち時間Δtは、第2開閉弁50を開弁する時点T
2を、第1開閉弁49を開弁する時点T1から遅らせる
ことで、マスト12が急激に動作しない範囲で、できる
だけ短い時間に設定されている。本実施の形態では、待
ち時間Δtは、例えば、100〜200ミリ秒程度であ
る。
【0047】また、制御ユニット62は、各センサ19
〜21の各検出値に基づいて各電磁開閉弁53,54を
制御して、マスト前傾規制制御、フォーク水平停止制
御、及び、マスト後傾速度制御を行う。
【0048】マスト前傾規制制御は、揚高スイッチ19
及び荷重センサ21の各検出値に基づき、フォーク17
の揚高及び積荷の荷重による車両重心の高さを判断し、
車両重心が高いほどマスト12の鉛直状態からの最大許
容前傾角をできるだけ小さくして車両の前後方向の安定
性の低下を防止する制御である。制御ユニット62は、
荷重センサ21にて検出される積荷の荷重が所定値以上
であるときには、荷重センサ21の検出値に基づいて前
傾規制制御を実行する。
【0049】また、フォーク水平停止制御は、ティルト
角センサ20の検出値に基づいてフォーク17の載置面
がほぼ水平になったことを判断し、マスト12の傾動を
停止する制御である。制御ユニット62は、操作スイッ
チ26が操作された状態でティルトレバー25が前傾側
あるいは後傾側に操作されたとき、その操作方向がフォ
ークが水平になる方向であったときにフォーク水平停止
制御を実行する。
【0050】また、マスト後傾速度制御は、揚高スイッ
チ19の検出値に基づいて積荷の積載状態が所定の揚高
以上の高揚高であるか、それとも所定の揚高未満の低揚
高であるかを判断し、高揚高のときには低揚高のときよ
りも後傾速度の最大値を小さく制限する制御である。制
御ユニット62は、各電磁開閉弁53,54を制御し
て、流量制御弁48の開度を、全開状態あるいは半開状
態に切り換えることで後傾速度を2段階に切り換える。
制御ユニット62は、マスト12が後傾側に制御される
ときには、マスト後傾速度制御を実行する。
【0051】次に、以上のように構成されたフォークリ
フトの油圧制御装置の作用について説明する。イグニッ
ションスイッチがオフとされエンジン29が運転されて
いないときには、各電磁開閉弁53,54が共にオフと
なっており、また、油圧ポンプ28から作動油が所定の
供給圧で供給されていない。その結果、パイロット逆止
弁41及びパイロット逆止弁51は共に閉弁しており、
リフトレバー24やティルトレバー18が操作されても
リフトシリンダ13及びティルトシリンダ18は積荷の
の荷重等によって動作することはない。
【0052】イグニッションスイッチをオンとしエンジ
ン29を運転すると、油圧ポンプ28から所定の供給圧
が供給されて方向切換弁43に所定のパイロット圧が供
給され、パイロット逆止弁41が閉弁状態から開弁状態
に切り換えられる。
【0053】また、制御ユニット67は、起動すると、
第2電磁開閉弁54をオフとしたままで第1電磁開閉弁
53をオフからオンとする。従って、運転中であっても
ティルトレバー25が操作されてないときは、パイロッ
ト逆止弁51が閉弁状態となり、また、流量制御弁48
も全閉状態となる。
【0054】フォーク17に積荷を積載した後、積載し
た荷を運搬するためにマスト12を後傾させるべくティ
ルトレバー25を中立状態から後傾側に操作すると、後
傾検出スイッチ60がオンする。これに応じて、制御ユ
ニット62は、揚高スイッチ19の検出値に基づき、積
荷の積載状態が高揚高であるか否かを判断する。
【0055】制御ユニット62は、積荷の積載状態が高
揚高であったときは、第2電磁開閉弁54をオフとした
ままで第1電磁開閉弁53をオンからオフとする。する
と、第2開閉弁50にのみパイロット圧が供給され、流
量制御弁48が全閉状態から半開状態に切り換わる。そ
の結果、ティルト用制御弁39からは、ティルトシリン
ダ18のロッド側油室18bに対し、半開状態の流量制
御弁48によって制限された流量で作動油が供給され
る。そして、ボトム側油室18cから排出される作動油
がティルト用制御弁39から絞り45aを通さないで油
タンク27に戻される。従って、マスト12を後傾させ
るときに、積荷の積載状態が高揚高であったときには、
マスト12は制限された速度で後傾する。
【0056】一方、制御ユニット62は、積荷の積載状
態が低揚高であるときは、先ず第2電磁開閉弁54をオ
フとしたままで第1電磁開閉弁53をオンからオフとす
る。そして、第1電磁開閉弁53をオフとした時点T1
から待ち時間Δt経過した時点T2で第1電磁開閉弁5
3をオフとしたままで第2電磁開閉弁54をオフからオ
ンとする。すると、先ず第2開閉弁50にのみパイロッ
ト圧が供給され、流量制御弁48が全閉状態から半開状
態に切り換わる。そして、流量制御弁48は、半開状態
に切り換わってから待ち時間Δt経過した時点T2で半
開状態から全開状態に切り換わる。その結果、ティルト
用制御弁39からティルトシリンダ18のロッド側油室
18bに対し、先ず、半開状態の流量制御弁48によっ
て制限された流量で作動油が供給される。そして、ロッ
ド側油室18bに作動油が供給され始めてから待ち時間
Δt経過した時点T2からは、ロッド側油室18bに対
し、全開状態となった流量制御弁48によって制限され
ない流量で作動油が供給される。その結果、ティルトシ
リンダ18は、先ず制限された流量で供給される作動油
により制限された速度で伸縮動作を開始し、すぐに制限
されない流量で供給される作動油によって制限されない
速度で伸縮動作を継続する。従って、積荷の積載状態が
低揚高のときの後傾時には、図2に一点鎖線で示すよう
に、マスト12は一旦制限された速度まで達した後、さ
らに制限されない速度まで達して後傾動作していく。
【0057】マスト12を後傾動作させている状態か
ら、後傾を停止すべくティルトレバー25を後傾側から
中立位置に戻すと、低揚高であったときには、第1電磁
開閉弁49がオンからオフとなり、第2電磁開閉弁50
がオンからオフとなる。すると、流量制御弁48は全開
状態から半開状態を経ずに全閉状態に切り換えられ、パ
イロット逆止弁51は開弁状態から閉弁状態に切り換え
られる。その結果、ティルト用制御弁39からティルト
シリンダ18のロッド側油室18bに対して作動油が給
排されなくなり、マスト12の後傾動作が停止する。こ
のとき、マスト12には、もともとフォーク17及び積
荷の荷重が前向きに加わっているので、ティルトシリン
ダ18の収縮動作は急激に停止せず、マスト12はそれ
ほど急激に停止しない。
【0058】マスト12を前傾させたときに、フォーク
水平停止制御あるいはマスト前傾規制制御が行われる
と、パイロット逆止弁51が開弁状態から閉弁状態とさ
れ、流量制御弁48が半開状態から全閉状態とされる。
このとき、油圧ポンプ28の供給側から、ティルト用制
御弁39、ティルトシリンダ18を経てパイロット逆止
弁51に至るまでの油路に、リリーフ弁31によって圧
力制御された供給圧に、マスト12、積荷等の慣性力に
基づくサージ圧が加わった高い油圧が発生する。ここ
で、マスト12の前傾動作が停止した直後にティルトレ
バー25を前傾側から中立位置に戻すと、供給圧にサー
ジ圧が加わった高い油圧が、ティルト用制御弁39から
ティルトシリンダ18を経てパイロット逆止弁51に至
るまでの閉塞される油路内に封入されることがある。
【0059】そして、フォーク水平制御あるいはマスト
前傾規制制御によってマスト12の前傾が停止された状
態で、中立位置に戻したティルトレバー25を後傾側に
操作すると、積荷の積載状態が低揚高のときには、流量
制御弁48の開度が全閉状態から一旦半開状態に切り換
えらる。その後、待ち時間Δt経過した時点で半開状態
から全開状態に切り換えられる。その結果、マスト12
の前傾が流量制御弁48及びパイロット逆止弁51によ
って停止されたとき、ティルトシリンダ18を含む閉塞
された油路に高い油圧が封入されていても、マスト12
が急激に後傾動作することはない。
【0060】以上詳述したように、本実施の形態のフォ
ークリフトの油圧制御装置によれば、以下の効果を得る
ことができる。 (1)ティルト用制御弁39とティルトシリンダ18と
を接続する油路上に設けた流量制御弁48の開度を全閉
状態から全開状態に切り換えるときに、開度を一旦全閉
状態から半開状態に切り換えた後、半開状態から全開状
態に切り換えるようにした。従って、電磁流量制御弁4
8の作動によってティルトシリンダ18が急激に動作し
ないので、マスト12に大きな衝撃が発生しないように
することができる。
【0061】(2)制御ユニット62は、流量制御弁4
8を全閉状態から半開状態を経て全開状態に切り換える
とき、半開状態を予め設定した待ち時間Δtだけ継続す
るようにした。そして、マスト12が急激に動作しない
範囲で、待ち時間Δtをなるべく短い時間に設定した。
従って、マスト12の後傾速度がティルトレバー25の
操作量に応じた速度に達するまでの時間遅れが殆ど生じ
ない。
【0062】(3)マスト12の後傾速度を制限するた
めに設けた流量制御弁48を利用して、後傾開始時にマ
スト12が急激に後傾動作を始めないようにした。従っ
て、新たに流量制御弁を設けることなく実施できる。
【0063】(4)制御ユニット62は、独立してパイ
ロット圧の供給及び停止を行う一対の電磁開閉弁53,
54を切換制御する。そして、各開閉弁53,54が供
給するパイロット圧の組み合わせによって流量制御弁4
8がパイロット操作され、その開度が切り換えられるよ
うにした。従って、開閉切換制御される電磁開閉弁5
3,54及び流量制御弁48だけからなる弁構成で流量
が制御されるので、電磁比例制御弁のように油中の異物
によって開度の切り換えが困難になる虞が小さく、開度
の切り換えを確実に行うことができる。また、電磁比例
制御弁のような電流制御が不要で、制御が簡単となる。
【0064】(5)フォークリフト10で、高揚高のと
きにマスト12の後傾速度を制限するために設けられた
流量制御弁48を制御する油圧回路制御装置において、
マスト12の停止状態からの後傾時に流量制御弁48の
開度を制御するようにした。従って、高揚高時にはマス
ト12が制限された速度で後傾して、積荷に大きな加速
度が加わらないようにし、低揚高時にはマスト12が急
激に後傾動作せず、マスト12あるいは車体11に大き
な衝撃が発生しないようにすることができる。その結
果、マスト12の後傾時には、高揚高であっても低揚高
であっても積荷が崩れ難いようにすることができ、ま
た、低揚高時に運転者が不快感を感じるような衝撃が発
生しないようにすることができる。
【0065】尚、実施の形態は上記実施の形態に限ら
ず、以下に記載の各別例のように変更してもよい。 ○ 上記実施の形態で、マスト12の後傾速度を制限す
る代りに、マスト12の前傾時に流量制御弁48の開度
を制御し、例えば、低荷重低揚高のときには、流量制御
弁48を全開状態としてマスト12を迅速に前傾動作さ
せ、低荷重低揚高でないときには半開状態としてマスト
12の前傾速度を制限するように構成する。そして、低
荷重低揚高時に、ティルトレバー25が中立位置から前
傾側に操作されたときには、流量制御弁48の開度を全
閉状態から一旦半開状態とした後、半開状態から全開状
態に切り換えるようにする。この場合には、ティルトシ
リンダ18が静止状態から急激に伸長動作しないように
し、マスト12に大きな衝撃が発生しないようにするこ
とができる。 ○ 上記別例の構成において、ティルトレバー25が前
傾側に操作され流量制御弁48の開度が全開状態となっ
てマスト12が前傾しているときに、所定の条件が成立
したときには、流量制御弁48の開度を全閉状態から一
旦半開状態とした後、半開状態から全開状態に切り換え
てマスト12の前傾を規制する構成とする。すなわち、
図6のタイムチャートで示すように、先ず第1電磁開閉
切換弁53をオフとしたままで第2電磁開閉切換弁54
をオンからオフとし、流量制御弁48の開度を全開状態
から半開状態に切り換える。そして、流量制御弁48を
半開状態に切り換えた時点T3から所定の待ち時間Δt
だけ経過した時点T4で第1電磁開閉切換弁53をオフ
からオンとし、流量制御弁48を半開状態から全閉状態
に切り換える。
【0066】この構成では、マスト12の前傾を流量制
御弁48の作動によって自動で停止させるときに、マス
ト12に大きな衝撃が発生しないようにすることができ
る。そして、前傾停止時にマスト12あるいは車体11
に発生する衝撃が運転者に不快感を与えたり、積荷が崩
れる原因とならないようにすることができる。
【0067】なお、マスト12の前傾を流量制御弁48
の作動によって自動で停止させるときの条件としては、
マスト12のティルト角が、積荷の荷重及び揚高に対し
て予め設定した所定の最大許容前傾角に達したときや、
マスト12のティルト角が、フォークの荷受け面がほぼ
水平となるティルト角に達したときがある。
【0068】○ 流量制御弁は、全閉状態と全開状態と
の中間において、開度が異なる2つ以上の半開状態に切
り換えることができるものであってもよい。この場合、
制御ユニット61は、全閉状態と全開状態との内の一方
から、各半開状態を開度が順次変化するように段階的に
経て、両開度状態のうちの他方に切り換えるようにして
もよく、また、複数の半開状態のうちから選択した特定
の半開状態を経て開度状態を切り換えるようにしてもよ
い。
【0069】○ ティルトレバー25が後傾側に操作さ
れマスト12が後傾するときの速度を制限する制御を行
わない油圧制御装置に実施する。ティルトレバー25が
後傾側あるいは前傾側に操作されたときにのみ流量制御
弁48の開度を半開状態として、マスト12に大きな衝
撃が発生しないようにする油圧制御装置としてもよい。
【0070】○ 流量制御弁48が並列に内蔵する第1
及び第2開閉弁49,50を、パイロット操作弁でなく
ソレノイド操作弁としてもよい。この場合にも、ティル
トシリンダ18の動作開始時あるいは動作停止時にティ
ルトシリンダ18が急激に動作しないようにすることが
できる。
【0071】○ 作動油給排制御弁は、操作手段によっ
て機械的に操作されるものに限らない。操作手段の操作
に対応した検出値に基づいて動作する電気アクチュエー
タによって操作されるものであってもよい。
【0072】○ フォークリフトにおいてマストを傾動
させるティルトシリンダ18を制御する油圧制御装置に
限らず、その他、例えば、荷役用アタッチメントである
サイドシフタ、ヒンジドフォーク、回転フォーク、クラ
ンプ等の各複動型油圧シリンダを制御する油圧制御装置
に実施する。
【0073】○ フォークリフトに限らず、その他例え
ば、トラクタショベルのバケット用油圧シリンダ、高所
作業車の作業台旋回用油圧シリンダ等の油圧制御装置に
実施する。
【0074】以下、特許請求の範囲に記載された各発明
の外に前述した実施の形態及び各別例から把握される技
術的思想をその効果とともに記載する。 (1)請求項5に記載の発明において、前記流量制御手
段は、前記マストを静止状態から後傾させるときに、積
荷の積載状態が所定の高揚高であるときには、前記流量
制御弁の開度を前記全閉状態から前記半開状態に切り換
えるとともに、前記積載状態が前記高揚高でないときに
は、前記流量制御弁の開度を前記全閉状態を一旦前記半
開状態に切り換えた後、該半開状態から前記全開状態に
切り換える。
【0075】このような構成によれば、マストの傾動時
に積荷が崩れ易い高揚高のときにマストの後傾速度を制
限するようにした油圧制御装置において、新たに流量制
御弁を追加することなく実施することができる。
【0076】(2)請求項4に記載の発明において、前
記電磁流量制御弁は、パイロット圧の供給の組み合わせ
によって前記開度が全閉状態、半開状態及び全開状態の
いずれかに切り換えられるパイロット操作開閉切換弁を
備え、前記各電磁開閉切換弁は、前記パイロット操作開
閉切換弁に対してパイロット圧の供給及び停止を行う。
このような構成によれば、少ない電力消費で電磁流量制
御弁を切り換えることができる。
【0077】(3)請求項2に記載の発明において、前
記所定時間は、前記移動体の始動時または停止時に、該
移動体に衝撃が発生しない範囲でできるだけ短い時間で
ある。このような構成によれば、移動体が停止状態から
全開状態に対応した速度に達するまで、あるいは、全開
状態に対応した速度から停止するまでの時間遅れをでき
るだけ小さくすることができる。
【0078】(4)上記(3)に記載の発明において、
前記所定時間は、100〜200ミリ秒の範囲である。
このような構成によれば、移動体に発生する衝撃を効果
的に抑制することができ、しかも、流量制御弁の作動に
応じた移動体の動作遅れをできるだけ小さくすることが
できる。
【0079】(5)上記(3)に記載の発明において、
前記所定時間は、50〜500ミリ秒の範囲である。こ
のような構成によれば、移動体に発生する衝撃を抑制す
ることができ、しかも、流量制御弁の作動に応じた移動
体の動作遅れを小さくすることができる。
【0080】(6)上記(3)に記載の発明において、
前記所定時間は、0.010〜2秒の範囲である。この
ような構成によっても、移動体に発生する衝撃を抑制す
ることができる。
【0081】
【発明の効果】請求項1〜請求項5に記載の発明によれ
ば、電磁流量制御弁の作動によって油圧シリンダが急激
に動作しないようにし、移動体に大きな衝撃が発生しな
いようにすることができる。
【0082】請求項3〜請求項5に記載の発明によれ
ば、新たに流量制御弁を設けることなく実施できる。請
求項4及び請求項5に記載の発明によれば、電磁流量制
御弁が開閉切換弁だけで構成されるので、電磁比例制御
弁のように油中の異物に対して弱くなく、開度の切り換
えを確実に行うことができる。また、電磁比例制御弁の
ような電流制御が不要で制御が簡単になる。
【0083】請求項5に記載の発明によれば、電磁流量
制御弁の作動によってティルトシリンダが急激に動作し
ないようにし、マストに大きな衝撃が発生させないよう
にすることができる。
【0084】請求項6に記載の発明によれば、ティルト
シリンダの動作によってマストや車体に衝撃が発生しな
いようにし、運転車に不快感を与えたり、積荷が崩れた
りしないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 流量制御弁の開度と両電磁開閉弁の動作タイ
ミングとの関係を示すタイムチャート。
【図2】 流量制御弁の開度とマストの後傾速度との関
係を示すグラフ。
【図3】 フォークリフトの模式側面図。
【図4】 油圧制御装置の電気ブロック図。
【図5】 油圧制御装置の油圧回路図。
【図6】 別例における流量制御弁の開度と両電磁開閉
弁の動作タイミングとの関係を示すタイムチャート。
【図7】 従来例における油圧制御装置の模式油圧回路
図。
【符号の説明】
10…産業車両としてのフォークリフト、12…移動体
としてのマスト、18…複動型油圧シリンダとしてのテ
ィルトシリンダ、25…操作手段としてのティルトレバ
ー、39…作動油給排制御弁としてのティルト用作動油
給排制御弁、48…電磁流量制御弁を構成するパイロッ
ト操作開閉切換弁としての流量制御弁、53…電磁流量
制御弁を構成する電磁開閉切換弁としての第1電磁開閉
弁、54…同じく第2電磁開閉弁、62…流量制御手段
としての制御ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 滋人 長野県上水内郡豊野町浅野1671番地 仁 科工業株式会社 内 (56)参考文献 特開 平10−310394(JP,A) 特開 平10−265195(JP,A) 特開 平10−273294(JP,A) 特開 平10−139396(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 9/22,9/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に備えられた移動体を移動させるた
    めの複動型油圧シリンダと、 前記車両に設けられた操作手段によって操作され、所定
    の供給圧で供給される作動油を前記油圧シリンダに対し
    て給排する作動油給排制御弁と、 前記油圧シリンダと前記作動油給排制御弁とを接続する
    油路上に設けられ、その開度を、全閉状態、全開状態、
    及び、少なくとも1つの半開状態に切り換え可能な電磁
    流量制御弁と、 前記操作手段の操作、あるいは、前記移動体を移動させ
    るための所定の条件に基づき、前記電磁流量制御弁の開
    度を、前記全閉状態と全開状態とのうち一方から他方に
    切り換える流量制御手段とを備えた産業車両の油圧制御
    装置において、 前記流量制御手段は、前記電磁流量制御弁の開度を、前
    記全開状態及び前記全閉状態のうちの一方から前記半開
    状態のうちの少なくとも1つに切り換えた後、該半開状
    態から前記両状態のうちの他方に切り換えるように制御
    する産業車両の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記流量制御手段は、前記半開状態を予
    め設定された所定時間だけ継続するように前記電磁流量
    制御弁を制御する請求項1に記載の産業車両の油圧制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記流量制御手段は、予め設定された条
    件が成立するときには、前記操作手段が操作されている
    ときに、前記電磁流量制御弁の開度を前記半開状態とす
    る請求項1又は請求項2に記載の産業車両の油圧制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記電磁流量制御弁は、前記流量制御手
    段によってそれぞれが独立して制御される複数の電磁開
    閉切換弁を備え、該各電磁開閉切換弁の開閉の組み合わ
    せによって前記開度が前記全閉状態、半開状態及び全開
    状態のいずれかに切り換えられる請求項1〜請求項3の
    いずれか一項に記載の産業車両の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 前記複動型油圧シリンダは、フォークリ
    フトにおいて前記移動体としてのマストを傾動可能に支
    持するティルトシリンダであって、 前記作動油給排制御弁は、前記操作手段としてのティル
    トレバーによって操作され、前記ティルトシリンダに対
    して作動油を給排するティルト用作動油給排制御弁であ
    る請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両
    の油圧制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の油圧制御装置を備えた
    フォークリフト。
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