JP3179846B2 - インテリジェント試料ホルダ及びそれを利用した荷電ビーム装置 - Google Patents

インテリジェント試料ホルダ及びそれを利用した荷電ビーム装置

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JP3179846B2
JP3179846B2 JP06394592A JP6394592A JP3179846B2 JP 3179846 B2 JP3179846 B2 JP 3179846B2 JP 06394592 A JP06394592 A JP 06394592A JP 6394592 A JP6394592 A JP 6394592A JP 3179846 B2 JP3179846 B2 JP 3179846B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷電ビーム装置により
処理される試料を搭載するための試料ホルダ及びその試
料ホルダを利用した荷電ビーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、FIB(集束イオンビーム)を
利用して、試料の断面加工を行い、この加工された試料
を傾斜させて断面構造の観察を行う手法が知られてい
る。また、半導体集積回路から長さ数mmで幅100 〜500
μm の試料を、まず、ダイアモンド・ ソーで切りだし、
銅製のグリッド( 透過型電子顕微鏡(TEM)観察用標
準グリッド) に固定する。その後、集束イオンビームを
利用して試料を加工して薄壁を形成し、その薄壁を透過
型電子顕微鏡にて観察する手法も知られている(マイク
ロスコピー オブ セミコンダクティング マテリアル
ズ、オックスフォード大学(1989年)、501頁か
ら506頁(Microscopy of SemiconductingMaterial C
onference, Oxford, (1989)pp.501-506) 参照)。
【0003】上述のような、集束イオンビームを利用し
た荷電ビーム装置による試料の断面観察は、試料のプロ
セス開発やプロセス管理に有効である。しかし、試料が
大口径のシリコンウエハ等である場合、このシリコンウ
エハを搭載するためのステージには、移動距離を大とで
き、かつチルトを含めた多軸のステージ制御機構が必要
となる。したがって、真空試料室が大型となり、この試
料室を真空状態にするための排気時間が長時間となって
しまう。
【0004】そこで、例えば、特開昭61−18105
0号公報に記載された「真空装置の試料交換機構(ロー
ドロック機構)」を利用することが考えられる。つま
り、この真空装置の試料交換機構は、真空状態を保持す
る第1の試料室と、この第1の試料室と仕切り弁を介し
て連通される第2の試料室と、ウエハを搭載する試料ホ
ルダと、試料ホルダを移動させる送り機構と、を備えて
いる。そして、ウエハを第1の試料室に移動させる場合
には、ウエハを搭載した試料ホルダを第2の試料室に配
置し、この第2の試料室を真空状態にする。その後、試
料ホルダを第1の試料室のステージに移動させる。ま
た、第1の試料室からウエハを取り出す場合には、第1
の試料室のステージから真空状態となっている第2の試
料室に試料ホルダを移動させる。その後、第1の試料室
と第2試料室とを遮断し、第2の試料室を大気圧とす
る。そして、第2の試料室からウエハを取り出す。この
ロードロック機構を用いれば、試料室を真空状態にする
ための排気時間を短時間とすることが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、集束イオン
ビーム装置等の荷電ビーム装置において、試料の断面構
造をより鮮明に画像化するには、導電層に適当な電位を
外部から与え、電位コントラストを付ける手法が有効で
ある。さて、近年、試料の構造は多層化し、複雑な構造
になっている。これに対応するためには、試料に複数の
電気信号を様々な時系列のパターンで印加して、リアル
タイムに加工及び観察する手法が要求される。
【0006】これを実現するには、多数本の電気配線を
ステージに接続し、外部からステージを介して試料に電
気信号を供給することが考えられる。ところが、このよ
うにすると、下記のような問題が生じてしまう。
【0007】(1)多数の配線の張力によりステージの
位置設定に誤差が生じる。
【0008】(2)集束イオンビーム装置等を利用し
て、透過型電子顕微鏡の薄膜試料を作成したいという要
求がある。これには試料をビーム軸に対し90度以上動
かせる事が望ましい。ところが、多数の配線の存在によ
りステージの可動範囲(主に回転角)が制限されてしま
い、90度以上回転させることが困難となってしまう。
【0009】(3)ステージと試料ホルダとの電気的な
接続は多数の機械的な接点(コネクタ)となるが、多数
の機械的接点の場合、いずれかの接点が接触不十分とな
る可能性が高く、信号伝送の信頼性が低い。
【0010】本発明の目的は、試料を搭載するための試
料ホルダにおいて、高信頼性の多チャンネル信号の印加
が可能な試料ホルダを実現することである。さらに、本
発明の目的は、上記試料ホルダを利用し、ステージの位
置設定誤差及び可動範囲の制限が無い荷電ビーム装置を
実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成される。
【0012】1.荷電粒子線を試料に照射し試料を加工
もしくは観察する荷電ビーム装置に装着され、複数の真
空室へ試料と共に移動する試料ホルダであって、真空室
外の制御装置との通信手段と、この通信手段からの指令
に基づいて試料を駆動制御する制御手段と、を備える。
【0013】2.上記第1の構成において、上記通信手
段は、真空室外の制御装置とシリアル信号を通信する。
【0014】3.上記第1及び第2の構成において、上
記通信手段は、真空室外の制御装置と光等を利用した無
線信号を通信する。
【0015】4.上記第1から第3の構成において、上
記制御手段は、通信手段からの指令に基づいて、試料の
特定部分に電圧信号を供給する。
【0016】5.上記第1から第3の構成において、上
記制御手段は、通信手段からの指令に基づいて、試料と
ホルダとの相対位置をアクチュエータにより変化させ
る。
【0017】6.複数の真空室を有し、荷電粒子線を試
料に照射して試料を加工観察する試料の加工観察装置に
おいて、真空室外にあり、指令信号を送受信する送受信
部と、上記送受信部との通信手段とこの通信手段からの
指令に基づいて試料を駆動制御する制御手段とを有し複
数の真空室へ試料と共に移動する試料ホルダと、を備え
る。
【0018】7.複数の真空室を有し、集束イオンビー
ムを試料に照射して試料を加工断面観察する集束イオン
ビーム断面加工観察装置において、真空室外にあり、指
令信号を送受信する送受信部と、上記送受信部との通信
手段とこの通信手段からの指令に基づいて試料を駆動制
御する制御手段とを有し複数の真空室へ試料と共に移動
する試料ホルダと、を備える。
【0019】8.複数の真空室を有し、荷電粒子線を試
料に照射して試料を作成する透過型電子顕微鏡用試料作
成装置において、真空室外にあり、指令信号を送受信す
る送受信部と、上記送受信部との通信手段とこの通信手
段からの指令に基づいて試料を駆動制御する制御手段と
を有し複数の真空室へ試料と共に移動する試料ホルダ
と、を備える。
【0020】9.荷電粒子線を試料に照射し試料を加工
もしくは観察する荷電ビーム装置に装着され、複数の真
空室へ試料と共に移動する試料ホルダであって、能動素
子を含む回路を利用して試料に電気信号を与えたり、ア
クチュエータを組み合わせて試料をホルダと相対的に機
械的に移動させる試料制御機能を備える。
【0021】
【作用】上記第1の構成の試料ホルダは、真空室外の制
御装置との通信手段と、この通信手段からの指令に基づ
いて試料を駆動制御する制御手段と、を備えているの
で、真空室外の制御装置から、試料に複数の電気信号を
様々な時系列のパターンで印加でき、試料をリアルタイ
ムに加工及び観察することができる。
【0022】上記第2の構成の試料ホルダの通信手段
は、真空室外の制御装置とシリアル信号を通信するの
で、有線で通信する場合には、少ない配線数で大量のデ
ータが送れる。したがって、多軸ステージの配線による
負荷を小さくできるためステージの設定精度を良好に維
持できる。
【0023】上記第3の構成の試料ホルダの通信手段
は、真空室外の制御装置と光等を利用した無線信号を通
信する。多軸ステージの配線による負荷を無くすことが
でき、ステージの設定精度を低下させることが無く、ス
テージの可動範囲を制限することも無い。
【0024】上記第4の構成の試料ホルダの制御手段
は、通信手段からの指令に基づいて、試料の特定部分に
電圧信号を供給するので、試料に複数の電圧信号を様々
な時系列のパターンで印加でき、試料をリアルタイムに
加工及び観察することができる。
【0025】上記第5の構成の試料ホルダの制御手段
は、通信手段からの指令に基づいて、試料とホルダとの
相対位置をアクチュエータにより変化させるので、試料
をビーム軸にたいして、90度以上移動させることが可
能である。
【0026】上記第6の構成の加工観察装置は、真空室
外にあり、指令信号を送受信する送受信部と、上記送受
信部との通信手段とこの通信手段からの指令に基づいて
試料を駆動制御する制御手段とを有し複数の真空室へ試
料と共に移動する試料ホルダと、を備えているので、真
空室外の送受信部から、試料に複数の電気信号を様々な
時系列のパターンで印加でき、試料をリアルタイムに加
工及び観察可能な加工観察装置を実現できる。
【0027】上記第7の構成の集束イオンビーム断面加
工観察装置は、真空室外にあり、指令信号を送受信する
送受信部と、上記送受信部との通信手段とこの通信手段
からの指令に基づいて試料を駆動制御する制御手段とを
有し複数の真空室へ試料と共に移動する試料ホルダと、
を備えているので、真空室外の送受信部から、試料に複
数の電気信号を様々な時系列のパターンで印加でき、試
料をリアルタイムに加工及び観察可能な集束イオンビー
ム断面加工観察装置を実現できる。
【0028】上記第8の構成の透過型電子顕微鏡用試料
作成装置は、真空室外にあり、指令信号を送受信する送
受信部と、上記送受信部との通信手段とこの通信手段か
らの指令に基づいて試料を駆動制御する制御手段とを有
し複数の真空室へ試料と共に移動する試料ホルダと、を
備えているので、真空室外の送受信部から、試料に複数
の電気信号を様々な時系列のパターンで印加でき、試料
をリアルタイムに加工及び観察可能な透過型電子顕微鏡
用試料作成装置を実現できる。
【0029】上記第9の構成の試料ホルダは、能動素子
を含む回路を利用して試料に電気信号を与えたり、アク
チュエータを組み合わせて試料をホルダと相対的に機械
的に移動させる試料制御機能を備えているので、試料に
複数の電気信号を様々な時系列のパターンで印加でき、
アクチュエータの制御も容易に行える。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0031】図1は、本発明の一実施例であるインテリ
ジェント試料ホルダ1の概略斜視図、図2は上記一実施
例を利用した集束イオンビーム装置の構成図、図3は集
束イオンビーム装置の真空排気系の概略構成図である。
【0032】図2において、液体金属イオン源100か
ら放出されたイオンは、コンデンサーレンズ101と対
物レンズ107とにより、試料ホルダ1に搭載された試
料上に集束される。そして、試料ホルダ1は5軸方向
(x,y,z, 回転、傾斜) に移動可能なステージに装着され
る。両レンズ101と107との間には、可変アパーチ
ャー102、アライナー・スティグマー(軸補正、ビー
ム形状補正)103、ブランカー104、ブランキング
・アパーチャー105、デフレクター106が順に配置
されている。そして、可変アパーチャー102、アライ
ナー・スティグマー103、ブランカー104、デフレ
クター106は、それぞれ、絞り駆動部113、アライ
ナー・スティグマー制御部114、ブランキング制御部
115、偏向制御部117によって、制御される。ま
た、これら絞り駆動部113、アライナー・スティグマ
ー制御部114、ブランキング制御部115、偏向制御
部117は、制御バス112を介してコンピュータ11
1から指令信号が供給される。さらに、電流検出部11
6によって検出された電流値が制御バス112を介して
コンピュータ111に供給される。
【0033】集束イオンビーム照射により発生した二次
電子は、二次電子検出器108及び信号検出部118に
より検出され、A/D変換される。そして、A/D変換
された二次電子信号は、制御バス112を介し、集束イ
オンビームの偏向制御と同期してコンピューター111
の画像メモリーに取り込まれる。これにより、CRT1
20上に走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope:
略してSIM )像が表示される。
【0034】次に、図3において、真空室はイオン源室
69、FIB(集束イオンビーム)光学系室70、ステ
ージ室71、ローダー室72により真空室が構成され
る。そして、イオン源室69、集束イオンビーム光学系
室70はイオンポンプ75及び76によって排気され、
ステージ室71、ローダー室72はターボ分子ポンプ7
7及び78によって排気される。ステージ室71とロー
ダー室72との間には、ゲートバルブ73が配置され、
ローダー室72と大気との間にはゲートバルブ74が配
置されている。また、ステージ室71の内壁57は金属
製であり、後述する発光素子56が取付られている。
【0035】さて、試料は以下の手順により大気中から
ステージ室71に搬送される。
【0036】(1)ローダー室72に大気を導入して、
このローダー室72を大気圧とする。
【0037】(2)ゲートバルブ74を開いて試料を搭
載した試料ホルダ1をローダー室72に挿入する。
【0038】(3)ゲートバルブ74を閉じ、排気をお
こなって、ローダー室72を真空状態とする。
【0039】(4)ゲートバルブ73を開き、試料ホル
ダ1をステージ室71に移動し、ステージ20上に配置
する。
【0040】(5)ゲートバルブ73を閉じる。
【0041】以上の手順はロードロック機構を用いてい
るが、このロードロック機構により、ステージ室71は
真空状態が維持されるので、試料交換に要する時間が短
時間となる。また、ロードロック機構を採用すると、F
IB光学系室70とステージ室71との間にバルブを設
ける必要が無い。従って、対物レンズ107と試料との
距離を短くできるため、FIBの電流密度を高くするこ
とができる利点がある。
【0042】次に、図1において、インテリジェント試
料ホルダ1にはウエハ2が搭載され、ホルダ1の内部に
は、受光素子58を有する受信回路4、制御回路5、そ
れらを駆動するバッテリ3が配置されている。また、ウ
エハ2の所望の位置にはプローブ8が接触されている。
このプローブ8は、プローブ位置調整ブロック7に支持
され、このブロック7は、アーム6に配置されている。
そして、受信回路4から指令信号が制御回路5に供給さ
れ、制御回路5は供給された指令信号に従って電圧信号
をプローブ8を介してウエハ2に供給する。
【0043】図4は、ウエハホルダ制御部109(図1
に示す)から試料ホルダ1への通信システムの構成図で
ある。
【0044】図4において、ウエハホルダ制御部109
は、制御ロジック51、シフトレジスタ52、発振器5
3、ANDゲート54、ドライバ55から構成されてい
る。
【0045】コンピュータ111から、送信したいデー
タ及びアドレス信号がシフトレジスタ52に書き込まれ
る。そして、コンピュータ111からの制御信号に従っ
て、制御ロジック51は、発振器53を駆動して搬送波
を発生させるとともに、シフトレジスタ52からシリア
ル・データを発生させる。このシリアルデータは、AN
Dゲート54において、搬送波により変調される。変調
されたデータは、発光素子56を駆動するドライバ55
に供給され、変調されたデータに対応した赤外線が発光
素子56から発生される。
【0046】発光素子56から発生された赤外線は試料
室内壁57に反射し、受光素子58に到達する。そし
て、この受光素子58により、電気信号に変換される。
電気信号に変換されたデータはフィルタ59により搬送
波が除去され、制御ロジック60に供給される。なお、
受光素子58とフィルタ59により、受信回路4が構成
される。
【0047】制御ロジック60は供給されたデータをシ
フトレジスタ61に格納し、その後ラッチ部62に記憶
させる。なお、制御ロジック60、シフトレジスタ6
1、ラッチ部62により、制御回路5が構成される。
【0048】図5は通信データの一例の構成図である。
データはデバイス番号I(I0〜I3:4bit), アドレスA
(A0〜A3:4bit), データD(D0〜D15:16bit)により構成
されている。これにより、16種類の装置に、各装置につ
き16ワードの制御レジスタを持つことが可能となる。こ
の通信データがシフトレジスタ61に格納される。
【0049】図6はラッチ部62の構成図である。
【0050】図6において、シフトレジスタ61から供
給されたデバイス番号I0〜I3は、コンパレータ65
によりディップ・スイッチ64の設定値と比較され、一
致している場合、制御ロジック60からのWE(ライト
・イネーブル)信号がゲート63を通過する。
【0051】アドレスA0〜A3はデコーダ66により
デコードされ、16本の制御線に分岐される。そして、
16本の制御線のうち、アドレスに対応した制御線にW
E信号が導かれる。ラッチ回路67―1 〜67―16のう
ちのWE信号が供給されたラッチ回路にデータが記憶さ
れる。ラッチされたデータは、電圧信号として出力さ
れ、図1の例では、プローブ8を介してウエハ2に供給
される。
【0052】以上のように、本発明の一実施例によれ
ば、試料ホルダ1に、受信回路4と、制御回路5と、バ
ッテリ3と、制御回路5からの電圧信号を試料2に供給
するプローブ8と、を備え赤外線を利用した無線通信に
より、電圧信号を試料2に印加できる構成となってい
る。したがって、高信頼性の多チャンネル信号の印加が
可能な試料ホルダを実現することができる。
【0053】さらに、本発明の一実施例によれば、ロー
ドロック機構を用いた集束イオンビーム装置に試料ホル
ダ1への送信手段を設け、試料ホルダ1を集束イオンビ
ーム装置に利用できる構成となっている。したがって、
真空とするための排気時間が短時間であり、かつステー
ジの位置設定誤差及び可動範囲の制限が無く、しかも試
料に高信頼性の多チャンネル信号の印加が可能な集束イ
オンビーム装置を実現することができる。
【0054】図7は、本発明の他の実施例であるインテ
リジェント試料ホルダ21の概略斜視図であり、図1の
例と同様の手段には、同様の符号が付してある。この図
7の例は、透過型電子顕微鏡(TEM)の試料の作成等
に利用できる構成となっている。
【0055】図7において、ホルダ21内には受信回路
4、制御回路5、モータ駆動回路9、それらを駆動する
バッテリ3が配置されており、ホルダ21の上面にはモ
ータ10が設置されている。そして、モータ10の回転
軸にはグリッド・ホルダ11が接続され、軸上に複数の
グリッド(切り出された試料が固定されている)12が
配置されている。そして、図1の例と同様に、無線で指
令信号が受信回路4に供給され、続いて制御回路5に伝
達される。すると、制御回路5は、指令信号に基づい
て、モータ駆動回路9により、モータを駆動させる。
【0056】この図7の例においては、図1の例と同様
な効果を得ることが出来る他に、グリッド12に固定さ
れた試料をビーム軸に対し360°回転することがで
き、試料を3次元的に加工及び観察することができると
いう効果がある。
【0057】なお、図7の例において、グリッド・ホル
ダ11の駆動手段は、モータに限らず、他のアクチュエ
ータでもよい。
【0058】図8は、本発明のさらに他の実施例である
インテリジェント試料ホルダ22の概略斜視図である。
【0059】図8において、ホルダ22内には受信回路
4、制御回路5、それらを駆動するバッテリ3が配置さ
れており、ホルダ22の上面にはソケット13と、内部
にチップ15を有するICパッケージ14とが配置され
ている。そして、無線通信を用いて、受信回路4、制御
回路5、ソケット13からICパッケージ14内のチッ
プ15に多種の信号を時系列パターンとして入力できる
ように構成されている。
【0060】したがって、この図8の例においては、図
1の例と同様な効果を得ることが出来る他に、SIM 像を
用いてチップ内回路の断面観察を行う際、多種の論理状
態に対応した電位コントラストを持つ断面像が得られる
という効果がある。
【0061】図9は、本発明のさらに他の実施例である
インテリジェント試料ホルダ23の概略斜視図である。
【0062】図9において、ホルダ23内には受信回路
4、制御回路5、それらを駆動するバッテリ3が配置さ
れており、ホルダ23の上面にはアーム6と、先端にプ
ローブを有するマニピュレータ19が配置されている。
マニピュレータ19はバイモルフ型圧電素子3枚をx,y,
z の3軸方向にシリーズ接続したものを利用した。この
マニピュレータ19は、外部からの無線通信によって制
御されることにより試料2の任意の位置に移動すること
ができる。
【0063】したがって、この図9の例においては、図
1の例と同様な効果を得ることが出来る他に、ステージ
室内にて、プローブを試料2の任意の位置に移動できる
という効果がある。
【0064】図10は、本発明のさらに他の実施例であ
るインテリジェント試料ホルダ24の概略斜視図であ
る。
【0065】図10において、ホルダ24内には受信回
路4、制御回路5、ファラデーカップ16を有する電流
検出回路17、発光素子25を有する送信回路18、そ
れらを駆動するバッテリ3が配置されている。電流検出
回路17は、ファラデーカップ16に流入したビーム電
流を検出しディジタル値に変換する。そして、その変換
後のデータが送信回路18により、外部に送信される。
電流検出回路17と送信回路18の制御は、外部からの
無線指令信号に従って制御ロジック5により行われる。
【0066】したがって、この図10の例においては、
図1の例と同様な効果を得ることが出来る他に、ファラ
デーカップ16近傍に電流−電圧変換アンプが設置で
き、正確な電流測定が可能となるという効果がある。
【0067】上述した本発明の実施例においては、試料
ホルダへの通信手段として赤外線を利用した。赤外線は
発光ダイオードとフォト・トランジスタ(もしくはフォ
ト・ダイオード)を利用して簡単に効率良く信号を伝達
できる。また、ステージ室71の内壁57は金属面であ
るため赤外線の反射率が高く、受光素子から見て発光素
子が機構部品などの影になる場合でも、金属面からの反
射光により信号の伝達が行える。これは、位置や角度が
極端に変化する多軸ステージを利用したシステムには大
変有利な特性である。
【0068】なお、通信手段としては、電波を利用した
もの、荷電ビームを利用することもできる。荷電ビーム
を利用する場合、受信回路はビーム電流を電圧信号に変
換するアンプと、その電圧信号を記憶するラッチにより
構成される。
【0069】さらに、通信手段としては、小数本の通信
線によりシリアルデータを試料ホルダに伝送するように
してもよい。
【0070】さらに、上述した実施例においては、集束
イオンビーム(FIB )装置に適用した例を示したが、本
発明は走査型電子顕微鏡等のウエハホルダを利用する荷
電ビーム装置にも適用可能である。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、試料ホ
ルダにおいて、真空室外の制御装置との通信手段と、こ
の通信手段からの指令に基づいて試料を駆動制御する制
御手段と、を備えている。したがって、高信頼性の多チ
ャンネル信号の印加が可能な試料ホルダを実現すること
ができる。さらに、本発明によれば、集束イオンビーム
装置等の荷電ビーム装置に上記試料ホルダへの送受信部
を配置し、上記試料ホルダを利用できるようにしたの
で、ステージの位置設定誤差及び可動範囲の制限が無い
荷電ビーム装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインテリジェント試料
ホルダの概略斜視図である。
【図2】図1の例で用いた集束イオンビーム装置の構成
図である。
【図3】図2の集束イオンビーム装置の真空排気系の構
成図である。
【図4】図1の例で用いた通信システムの構成図であ
る。
【図5】図1の例で用いた通信データの構成図である。
【図6】図1の例で用いた通信システムのラッチ部の構
成図である。
【図7】本発明の他の実施例であるインテリジェント試
料ホルダの概略斜視図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例であるインテリジェ
ント試料ホルダの概略斜視図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例であるインテリジェ
ント試料ホルダの概略斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例であるインテリジ
ェント試料ホルダの概略斜視図である。
【符号の説明】
1、21、22、23、24―――インテリジェント試
料ホルダ 2―――ウエハ 3―――バッテリ 4―――受信回路 5―――制御回路 6―――アーム 7―――プローブ位置調整ブロック 8―――プローブ 9―――モータ駆動回路 10―――モータ 11―――グリッドホルダ 12――― 試料 13―――ソケット 14―――ICパッケージ 15―――チップ 16―――ファラデーカップ 17―――電流検出回路 18―――送信回路 19―――マニピュレータ 20―――ステージ 25、56―――発光素子 58―――受光素子 71―――ステージ室 72―――ローダー室 111―――コンピュータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−129654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/20 H01L 21/66

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線を試料に照射し試料を加工も
    しくは観察する荷電ビーム装置に装着され、複数の真空
    室へ試料と共に移動する試料ホルダであって、 真空室外の制御装置との通信手段と、 この通信手段からの指令に基づいて試料を駆動制御する
    制御手段と、 を備えたことを特徴とするインテリジェント試料ホル
    ダ。
  2. 【請求項2】 上記通信手段は、真空室外の制御装置と
    シリアル信号を通信することを特徴とする請求項1記載
    のインテリジェント試料ホルダ
  3. 【請求項3】 上記通信手段は、真空室外の制御装置と
    光等を利用した無線信号を通信することを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載のインテリジェント試料ホル
    ダ。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、通信手段からの指令に
    基づいて、試料の特定部分に電圧信号を供給することを
    特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項
    記載のインテリジェント試料ホルダ。
  5. 【請求項5】 上記制御手段は、通信手段からの指令に
    基づいて、試料とホルダとの相対位置をアクチュエータ
    により変化させることを特徴とする請求項1から請求項
    3のうちのいずれか一項記載のインテリジェント試料ホ
    ルダ。
  6. 【請求項6】 複数の真空室を有し、荷電粒子線を試料
    に照射して試料を加工観察する試料の加工観察装置にお
    いて、 真空室外にあり、指令信号を送受信する送受信部と、 上記送受信部との通信手段と、この通信手段からの指令
    に基づいて試料を駆動制御する制御手段と、を有し複数
    の真空室へ試料と共に移動する試料ホルダと、 を備えたことを特徴とする荷電粒子線による試料の加工
    観察装置。
  7. 【請求項7】 複数の真空室を有し、集束イオンビーム
    を試料に照射して試料を加工断面観察する集束イオンビ
    ーム断面加工観察装置において、 真空室外にあり、指令信号を送受信する送受信部と、 上記送受信部との通信手段と、この通信手段からの指令
    に基づいて試料を駆動制御する制御手段と、を有し複数
    の真空室へ試料と共に移動する試料ホルダを備えたこと
    を特徴とする集束イオンビーム断面加工観察装置。
  8. 【請求項8】 複数の真空室を有し、荷電粒子線を試料
    に照射して試料を作成する透過型電子顕微鏡用試料作成
    装置において、 真空室外にあり、指令信号を送受信する送受信部と、 上記送受信部との通信手段と、この通信手段からの指令
    に基づいて試料を駆動制御する制御手段と、を有し複数
    の真空室へ試料と共に移動する試料ホルダと、 を備えたことを特徴とする透過型電子顕微鏡用試料作成
    装置。
  9. 【請求項9】 荷電粒子線を試料に照射し試料を加工も
    しくは観察する荷電ビーム装置に装着され、複数の真空
    室へ試料と共に移動する試料ホルダであって、 能動素子を含む回路を利用して試料に電気信号を与えた
    り、アクチュエータを組み合わせて試料をホルダと相対
    的に機械的に移動させる試料制御機能を備えたことを特
    徴とするインテリジェント試料ホルダ。
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