JP3179355B2 - 多目標追尾方法及び多目標追尾装置 - Google Patents

多目標追尾方法及び多目標追尾装置

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JP3179355B2 JP29540396A JP29540396A JP3179355B2 JP 3179355 B2 JP3179355 B2 JP 3179355B2 JP 29540396 A JP29540396 A JP 29540396A JP 29540396 A JP29540396 A JP 29540396A JP 3179355 B2 JP3179355 B2 JP 3179355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機や飛翔体
等の移動物体を目標とし、この目標より到来する電波や
赤外線等を検出して目標の角度情報を出力する複数の角
度センサを用い、この各角度センサによる目標およびク
ラッタ等の不要信号の検出結果と該角度センサ間の位置
関係に基づき、目標の3次元の位置や速度等を推定する
ことにより、複数の目標の運動を追尾する多目標追尾装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、例えばアイ・イー・イー・イ
ー トランスアクション オン エーロスペース アン
ド エレクトロニック システムズ,27巻 第6号
11月1991年,872頁から875頁,“トラック
モニトリング ウエン トラッキング ウイズ マル
チプル 2−ディ パシイブ センサズ”(IEEET
ransaction on Aerospace a
nd Electronic Systems,Vo
l.27 No.6 November 1991,p
‐872−875,“Track Monitorin
g WhenTracking With Multi
ple 2−D Passive Sensors”)
における角度センサによる目標相関装置の構成図、図1
1はその角度センサによる目標相関装置における傾角の
説明図である。
【0003】図10において、2は目標およびクラッタ
等の不要信号の検出結果である仰角、方位角を探知デー
タとして出力する第1の角度センサ、3は上記第1の角
度センサとは異なる位置に配置され、同様の観測を行う
第2の角度センサ、11a,11bは上記第1および第
2の角度センサ2、3の探知データを取り込み、目標の
角度、角速度などの推定値よりなる角度航跡を出力する
角度追尾器である。
【0004】51は2つの各角度センサ2、3の位置と
これらを結ぶ直線上にない基準点の3つの点で決定され
る基準面の法線ベクトルを算出する基準面方向諸元算出
器、52a,52bは角度追尾器11a,11bの角度
航跡を入力し、それぞれ、第1の角度センサ2からの目
標方向単位ベクトルと両角度センサ2,3間を結ぶ直線
により決定される第1の目標面の法線ベクトル、およ
び、第2の角度センサ3からの目標方向単位ベクトルと
両角度センサ2、3間を結ぶ直線により決定される第2
の目標面の法線ベクトルを算出する目標面方向諸元算出
器である。
【0005】53a,53bは基準面方向諸元算出器5
1より基準面の法線ベクトルを入力し、また、それぞれ
対応する目標面方向諸元算出器52a,52bより第1
または第2の目標面の法線ベクトルを入力し、各目標面
と基準面とのなす角度(これを傾角とよぶ)を算出する
傾角算出器、54は各傾角算出器53a,53bより第
1および第2の目標面の傾角を入力し、2つの角度セン
サ2、3の追尾している角度航跡が同一目標のものであ
るならば、上記第1および第2の目標面の傾角は等しい
との共通角度の理論に基づき、角度航跡間の相関判定を
行う共通角度相関器である。
【0006】図11は第1の角度センサ2と第2の角度
センサ3および基準点0を含む基準面をπ0 とし、ま
た、第1の角度センサ2と第2の角度センサ3を結ぶ直
線と第1の角度センサよりの目標方向単位ベクトルu1
によって決定される第1の目標面をπ1 とし、基準面π
0 と第1の目標面π1 のなす傾角θ1 を示している。第
2の角度センサ3よりの目標方向単位ベクトルによって
決定される第2の目標面π2 およびその傾角θ2 も同様
に定義される。
【0007】上記従来の技術による目標相関装置では、
第1の角度センサ2、第2の角度センサ3の各々の角度
追尾器11a,11bより出力される角度航跡が同一目
標のものであるならば、各角度航跡の目標の角度情報よ
り得られる目標方向単位ベクトルに基づいて算出した上
記傾角は等しくなるとの性質に着目し、角度航跡間の相
関処理を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標相関装置は
以上のように構成されているので、第1の角度センサ2
および第2の角度センサ3からの角度航跡間の共通角度
を用いた相関処理により、同一目標からの角度航跡を特
定するが、3次元空間における目標の位置や速度等の航
跡を特定するには至らず、目標の運動状態を的確に把握
するために必要な3次元追尾状態を出力することができ
ないという課題があった。
【0009】また、傾角により相関処理を行っているた
め、図12に示すように、複数の異なる目標が同一の目
標面内に存在する場合には、偽像G1,G2が発生し、
角度航跡間の正しい相関関係の他に誤った相関関係を生
じる事態が発生し、正確な目標状態を把握することが困
難となる等の課題があった。
【0010】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、複数の目標およびクラッタ等の不
要信号から仰角、方位角の角度のみの探知情報が得られ
る複数の角度センサを用い、偽像の発生を抑えて3次元
空間における目標の位置、速度等よりなる航跡を維持で
きる多目標追尾装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る多目標追尾方法は、角度センサが探知した2次元方向
角度データより、各目標ごとに、角度航跡およびその誤
差評価量を算出し、複数の角度センサの各々について算
出した角度航跡間のどの対が同一目標のものであるかを
判定し、同一目標と判定された角度航跡の対に基づいて
各角度センサからの目標の距離および距離変化率を算出
し、この距離および距離変化率と上記算出したこの目標
の角度航跡とに基づき、目標の3次元空間での3次元航
跡を算出し、上記の一連の処理を各目標について繰り返
して、目標の3次元追尾を行うものである。
【0012】請求項2記載の発明に係る多目標追尾方法
は、角度センサが探知した2次元方向角度データより、
各目標ごとに、角度航跡およびその誤差評価量を算出
し、複数の角度センサの各々について算出した角度航跡
間のどの対が同一目標のものであるかを判定し、同一目
標と判定された角度航跡の対に基づいて各角度センサか
らの目標の距離および距離変化率を算出し、この距離お
よび距離変化率と上記算出したこの目標の角度航跡とに
基づき、目標の3次元空間での3次元航跡と該3次元航
跡の誤差評価量を算出し、当該角度センサよりの新たな
探知データが得られるたびに、前記3次元航跡およびそ
の誤差評価量を更新して、目標の3次元追尾を行うもの
である。
【0013】請求項3記載の発明に係る多目標追尾方法
は、角度センサが探知した複数の目標および不要信号の
仰角および方位角の2次元方向角度データより、各目標
ごとに、目標の角度と角速度とからなる角度航跡および
その誤差評価量を算出し、複数の角度センサの各々につ
いて算出した角度航跡間のどの対が同一目標のものであ
るかを判定し、同一目標と判定された角度航跡の対に基
づいて各角度センサからの目標の距離および距離変化率
を算出し、この距離および距離変化率と上記算出したこ
の目標の角度航跡とに基づき、目標の3次元空間での3
次元航跡と該3次元航跡の誤差評価量を算出し、前記複
数の角度センサのいずれかよりの新たな探知データが得
られるたびに、前記3次元航跡およびその誤差評価量を
更新して、目標の3次元追尾を行うものである。
【0014】請求項4記載の発明に係る多目標追尾方法
は、任意の2つの角度センサよりの目標方向単位ベクト
ルと一方の角度センサより見た他方の角度センサの相対
位置を示すベクトルで構成される行列の行列式を算出
し、この行列式の値がその誤差評価量の範囲内でゼロに
近い値であるか否かによって相関判定を行い、上記行列
式の時間微分値を算出して該時間微分値の誤差評価量を
算出し、上記行列式の時間微分値がその誤差評価量の範
囲内でゼロに近い値であるか否かを判定することによっ
て、目標の角度航跡の対が同一目標のものであるか否か
の相関判定を行うものである。
【0015】請求項5記載の発明に係る多目標追尾方法
は、任意の2つの角度センサよりの目標方向単位ベクト
ルと一方の角度センサより見た他方の角度センサの相対
位置を示すベクトルで構成される行列の行列式を算出
し、この行列式の値がその誤差評価量の範囲内でゼロに
近い値であるか否かによって相関判定を行い、上記行列
式の時間微分値を算出して該時間微分値の誤差評価量を
算出し、上記行列式の時間微分値がその誤差評価量の範
囲内でゼロに近い値であるか否かによって、目標の角度
航跡の対が同一目標であるか否かの相関判定を行い、同
一目標のものであると判定された角度航跡の対より、前
記2つの角度センサよりの目標距離を算出して目標の3
次元位置および該3次元位置の誤差評価量を算出し、前
記2つの角度センサとは別の角度センサの前記3次元位
置方向に相当する角度データが、上記3次元位置の誤差
評価量および前記別の角度センサの観測精度の範囲内で
存在するか否かにより偽像でないか否かを判定するもの
である。
【0016】請求項6記載の発明に係る多目標追尾方法
は、任意の2つの角度センサよりの目標方向単位ベクト
ルと一方の角度センサより見た他方の角度センサの相対
位置を示すベクトルで構成される行列の行列式を算出
し、この行列式の値がその誤差評価量の範囲内でゼロに
近い値であるか否かによって相関判定を行い、上記行列
式の時間微分値を算出して該時間微分値の誤差評価量を
算出し、上記行列式の時間微分値がその誤差評価量の範
囲内でゼロに近い値であるか否かを判定することによっ
て、目標の角度航跡の対が同一目標のものであるか否か
の相関判定を行い、同一目標と判定された各角度航跡が
予め想定した各属性種類のいずれに属するかを推定した
信頼度に基づき、前記角度航跡の対が同一属性であるか
否かにより偽像でないか否かを判定するものである。
【0017】請求項7記載の発明に係る多目標追尾装置
は、目標および不要信号の仰角および方位角の2次元方
向角度データを出力する複数の角度センサと、各角度セ
ンサに付随して各角度センサの探知した前記目標の航跡
情報を処理する情報処理装置と、前記各情報処理装置と
交信し前記複数の角度センサの航跡情報を統合する情報
統合装置を有し、前記情報処理装置は目標の角度航跡お
よびその誤差評価量を算出する角度追尾手段と、目標の
3次元空間での位置および速度よりなる3次元航跡を算
出して、目標の3次元追尾を行う3次元航跡算出手段を
備え、前記情報統合装置は角度航跡間のどの対が同一目
標のものであるかを判定する相関処理手段と、同一目標
と判定された角度航跡の対に基づき前記各角度センサか
らの目標の距離および距離変化率を算出する距離および
距離変化率算出手段とを備えたものである。
【0018】請求項8記載の発明に係る多目標追尾装置
は、目標および不要信号の仰角および方位角の2次元方
向角度データを出力する複数の角度センサと、各角度セ
ンサに付随して各角度センサの探知した前記目標の航跡
情報を処理する情報処理装置と、前記各情報処理装置と
交信し前記複数の角度センサの航跡情報を統合する情報
統合装置を有し、前記情報処理装置は目標の角度航跡お
よびその誤差評価量を算出する角度追尾手段と、目標の
3次元空間での位置および速度よりなる3次元航跡を算
出する3次元航跡算出手段と、前記3次元航跡の誤差評
価量を算出する3次元航跡誤差評価量算出手段と、当該
角度センサよりの新たな探知データが得られるたびに、
3次元航跡およびその誤差評価量を更新して目標の3次
元追尾を行う航跡維持手段とを備え、前記情報統合装置
は角度航跡間のどの対が同一目標のものであるかを判定
する相関処理手段と、同一目標と判定された角度航跡の
対に基づき前記各角度センサからの目標の距離および距
離変化率を算出する距離および距離変化率算出手段とを
備えたものである。
【0019】請求項9記載の発明に係る多目標追尾装置
は、目標および不要信号の仰角および方位角の2次元方
向角度データを出力する複数の角度センサと、各角度セ
ンサに付随して各角度センサの探知した前記目標の航跡
情報を処理する情報処理装置と、前記各情報処理装置と
交信し前記複数の角度センサの航跡情報を統合する情報
統合装置を有し、前記情報処理装置は前記角度センサが
探知した各目標ごとに、目標の角度と角速度とからなる
角度航跡およびその誤差評価量を算出する角度追尾手段
を備え、前記情報統合装置は角度航跡間のどの対が同一
目標のものであるかを判定する相関処理手段と、同一目
標と判定された角度航跡の対に基づき前記各角度センサ
からの目標の距離および距離変化率を算出する距離およ
び距離変化率算出手段と、目標の3次元空間での位置お
よび速度よりなる3次元航跡を算出する3次元航跡算出
手段と、前記3次元航跡の誤差評価量を算出する3次元
航跡誤差評価量算出手段と、複数の角度センサのいずれ
かよりの新たな探知データが得られるたびに、3次元航
跡およびその誤差評価量を更新して目標の3次元追尾を
行う航跡維持手段とを備えたものである。
【0020】請求項10記載の発明に係る多目標追尾装
置は、相関処理手段は、任意の2つの角度センサよりの
目標方向単位ベクトルと一方の角度センサより見た他方
の角度センサの相対位置を示すベクトルで構成される行
列の行列式を算出し、この行列式の値がその誤差評価量
の範囲内でゼロに近い値であるか否かによって相関判定
を行う角度相関手段と、前記行列式の時間微分値を算出
し、この時間微分値がその誤差評価量の範囲内でゼロに
近い値であるか否かを判定することによって相関判定を
行う角速度相関手段とを備えたものである。
【0021】請求項11記載の発明に係る多目標追尾装
置は、相関処理手段は、任意の2つの角度センサよりの
目標方向単位ベクトルと一方の角度センサより見た他方
の角度センサの相対位置を示すベクトルで構成される行
列の行列式を算出し、この行列式の値がその誤差評価量
の範囲内でゼロに近い値であるか否かによって相関判定
を行う角度相関手段と、前記行列式の時間微分値を算出
し、この時間微分値がその誤差評価量の範囲内でゼロに
近い値であるか否かを判定することによって相関判定を
行う角速度相関手段と、同一目標と判定された角度航跡
の対より、目標の3次元位置および該3次元位置の誤差
評価量を算出し、前記任意の2つの角度センサとは別の
第3の角度センサから与えられた角度データが、前記3
次元位置の誤差評価量および第3の角度センサの観測精
度の範囲内で存在するか否かにより偽像でないか否かを
判定する偽像検出手段とを備えたものである。
【0022】請求項12記載の発明に係る多目標追尾装
置は、相関処理手段は、任意の2つの角度センサよりの
目標方向単位ベクトルと一方の角度センサより見た他方
の角度センサの相対位置を示すベクトルで構成される行
列の行列式を算出し、この行列式の値がその誤差評価量
の範囲内でゼロに近い値であるか否かによって相関判定
を行う角度相関手段と、前記行列式の時間微分値を算出
し、この時間微分値がその誤差評価量の範囲内でゼロに
近い値であるか否かによって相関判定を行う角速度相関
手段と、各角度航跡が予め想定した各属性種類のいずれ
に属するかを推定した属性信頼度に基づき、前記角度航
跡の対が同一属性であるか否かにより偽像でないか否か
を判定する属性相関手段とを備えたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。まず、この発明の実施の形態を説明するに先
立ち、この発明の根拠となる理論の骨子を説明する。図
1は多目標追尾装置の運用例を説明する図であって、後
述する全ての実施の形態に共通する。図において、1は
航空機などの移動目標(以下、目標と略称する)、2,
3はこの目標より放射される電波や赤外線等を検出し目
標の存在方向を探知する第1および第2の角度センサ
(角度センサ)である。
【0024】なお、図1の例では、説明を簡単にするた
めに地上に固定された2つの角度センサ2,3により目
標1を探知する場合を示している。角度センサ2,3
は、多数の目標1を探知可能であり、探知結果として、
各角度センサ2,3より見た各目標の仰角および方位角
を出力する。
【0025】各角度センサ2,3は、目標の距離を観測
しないため、単独の角度センサの観測情報からだけで
は、目標の3次元的な位置を標定することはできない
が、2つの角度センサ2,3の情報を統合することで目
標の3次元的な追尾が可能となる。これを実現するため
に、各角度センサ2,3に付随して情報処理装置4,5
を設けるとともに、2つの角度センサ2,3の情報を統
合するための情報統合装置6を設けている。各角度セン
サ2,3の情報処理装置4,5と情報統合装置6が互い
にデータ交換を行いながら、目標の3次元追尾のための
処理を行う。
【0026】図8に示すように、角度センサSi (i=
1,2)を原点とするx−y−zの3次元直交座標系、
およびR−E−Byの3次元極座標系を考える。なお、
3次元極座標系では目標までの距離を表わす記号をR,
仰角を表わす記号をE、方位角を表わす記号をByとす
る。
【0027】3次元直交座標(x,y,z)T と3次元
極座標(R,E,By)T の間には、式(1),(2)
の関係がある(Tはベクトルの転置を表わす記号であ
る)。また、角度センサS1 を原点とした角度センサS
2 の3次元直交座標での位置ベクトルを式(3)とし、
この値は既知とする。
【0028】
【数1】
【0029】目標追尾が開始されてからの、必ずしも等
間隔とは限らない各サンプリング時刻をtk (k=1,
2,…)で表わす。なお、時間微分を表わす記号
【数2】 には、コード入力部ではa’の如く符号に’を付けて表
わし、イメージ入力部では、文字の上に・を付して表わ
す。また、ベクトルを表わす記号
【数3】 は、x_,y_,ξ_と記載し、スカラ量と区別する。
サンプリング時刻tk における目標の運動状態を表わす
3次元直交座標系での状態ベクトルx_(k,i)を式
(4)で、また、3次元極座表系での状態ベクトルy_
(k,i)を式(5)で定義する。
【0030】さらに、角度センサの観測次元を考慮し、
仰角と方位角の2次元極座表系での状態ベクトルξ_
(k,i)を式(6)で定義する。また、各角度センサ
i (i=1,2)よりの目標の方向単位ベクトルu_
(k,i)は式(7)で与えられる。
【0031】
【数4】
【0032】上記式(4)〜(7)の各量は角度センサ
の観測値に基づかない目標運動の真値を表わしたもので
ある。一方、角度センサSi (i=1,2)は、各サン
プリング時刻tk において、目標やクラッタからの、観
測誤差を含んだ仰角および方位角を探知する。この探知
データz_(k,i)を式(8)で定義する。ここで
は、角度センサによる探知情報のみに基づいて、各サン
プリング時刻tk における式(4),(5)の状態ベク
トルx_(k,i),y_(k,i)の真値を推定して
いく方法を考察する。
【0033】
【数5】
【0034】各角度センサSi (i=1,2)には、そ
れぞれに付随する情報処理装置内に角度追尾器を設けて
いる。これらの角度追尾器では、各々の対応する角度セ
ンサより式(8)の探知データz_(k,i)を次々と
入力し、通常のカルマンフィルタの処理手順に従って式
(9)の平滑値ξS _(k,i)および式(10)の平
滑誤差共分散行列Pξ(k,i)を算出することができ
る。ここで、式(10)のE[ ]は平均を表わす記号
である。式(9)の平滑値ξS _(k,i)は、追尾開
始から現サンプリング時刻に至るまでの観測履歴に基づ
いて、式(6)の状態ベクトルξ_(k,i)の値を推
定した推定値を意味する。また、式(10)の平滑誤差
共分散行列Pξ(k,i)はこの推定値の平均的な誤差
を見積った誤差評価量を意味する4行4列の行列であ
る。
【0035】以降では、式(9)の平滑値ξS _(k,
i)を角度航跡とよぶ。この角度航跡を用いて、式
(7)で与えられる目標の方向単位ベクトルu_(k,
i)に対応する目標の方向単位ベクトルの推定値uS _
(k,i)を、式(11)により算出することができ
る。
【0036】なお、多目標環境下において、角度センサ
が複数の目標を同時に追尾している場合は、式(9)の
角度航跡が各目標ごとに維持されることになる。ただ
し、ここでは、説明が繁雑になるため各目標を区別する
記号は用いないものとする。
【0037】
【数6】
【0038】この発明の目的は、複数の目標の各々につ
いて、複数の角度センサの角度追尾器から出力される式
(9)の角度航跡を統合処理することにより、式(1
2)で定義される3次元直交座標系での航跡xs _
(k,i)や式(13)で定義される3次元極座標系で
の航跡ys _(k,i)を精度よく算出し、目標の3次
元追尾を確立することである。式(12),(13)の
航跡xs (k,i),ys (k,i)は、それぞれ、複
数の角度センサの観測情報に基づいて式(4),(5)
の状態ベクトルの真値を推定した推定値を表わしてい
る。
【0039】
【数7】
【0040】このような3次元追尾を行うにあたり、特
に多目標環境下において、各角度センサがそれぞれ複数
の角度航跡を維持している場合には、角度センサ間の角
度航跡のどの対が同一目標のものであるかを判定する相
関処理が極めて重要となる。この発明における相関処理
の具体的な処理方法については後に詳しく述べる。以下
では、まず、相関ありと判定された(すなわち、同一目
標のものであると判定された)一対の角度航跡を出発点
として、式(12),(13)の3次元航跡を算出する
方法について説明する。
【0041】相関ありと判定された角度航跡の対より、
三角測量の原理に基づいて、目標までの距離および距離
変化率を算出することができる。まず、各角度センサS
i (i=1,2)より目標までの距離をR(k,i)と
すれば、図9のように目標と2つの角度センサS1 ,S
2 が閉じた三角形をなすことから式(14)を得る。式
(14)の両辺とu_(k,1)の内積を計算した式、
および式(14)の両辺とu_(k,2)の内積を計算
した式の2つの式を解くことにより、式(15),(1
6)の距離算出式が得られる。これら式(15),(1
6)の右辺を、式(11)の目標方向単位ベクトル推定
値uS _(k,i)と式(3)の角度センサ間の配置関
係m_を用いて計算することにより目標距離の推定値を
算出することができる。この推定値をRS (k,i)と
する。
【0042】
【数8】
【0043】さらに、式(14)の両辺を時間微分して
式(17)を得る。この式(17)の両辺とu_(k,
1)の内積を計算した式、および式(17)の両辺とu
_(k,2)の内積を計算した式の2つの式を解くこと
により、式(18),(19)の距離変化率算出式が得
られる。これら式(18),(19)の右辺を、式(1
1)の目標方向単位ベクトル推定値uS _(k,i)、
式(15),(16)に基づき算出した距離推定値RS
(k,i)、式(9)の角度航跡ξS _(k,i)を用
いて計算することにより目標距離変化率の推定値を算出
することができる。この推定値をRS ’(k,i)とす
る。
【0044】なお、前記相関処理と、この目標距離およ
び距離変化率の計算は、2つの角度センサ双方の角度航
跡を用いるため、情報統合装置にて行う必要がある。ま
た、これらの算出式は、原則として2つの角度航跡が目
標の同じ時刻の情報であることを前提としているが、2
つの角度センサ間での観測が非同期的である場合、角速
度項(角度追尾器において角速度の推定値を算出するこ
とが可能である)までを用いた内挿または外挿計算によ
り時刻整合を行うことが可能である。
【0045】
【数9】
【0046】上記目標の距離および距離変化率の推定値
と、角度航跡を組み合わせることにより、各角度センサ
i (i=1,2)を基準とした式(13)の3次元極
座標系での3次元航跡ys _(k,i)が得られた。さ
らに、この3次元航跡を3次元直交座標系に座標変換す
ることにより、式(12)の3次元直交座標系の3次元
航跡xS _(k,i)を算出することができる。この座
標変換は、式(1)と式(1)の両辺を時間微分した式
に基づき、式(22),(23)で算出する。
【0047】
【数10】
【0048】このようにして、相関ありと判定された角
度航跡の対よりの、3次元の目標航跡が一応確立され
た。しかしながら、上記の距離、距離変化率を得るまで
の演算手順は、実際には計算が複雑であり、有限桁によ
る演算を行う通常の計算機では桁落ちによる誤差の影響
で追尾精度の劣化が避けられない。
【0049】このような問題を改善するために、上記の
方法による3次元航跡の算出は、各目標についての追尾
開始時に一度のみ実行し、以後は、この航跡算出値を初
期値として、3次元直交座標系で構成したカルマンフィ
ルタに、直接、角度センサの探知データを取り込むこと
により3次元航跡を維持する方法が可能である。
【0050】この方法を実現するために、まず、上記の
ように算出された式(12)の3次元直交座標系での航
跡xS _(k,i)に対する誤差共分散行列Px (k,
i)を求める必要がある。この誤差共分散行列を式(2
4)で定義する。また、式(13)の3次元極座標系で
の航跡に対する誤差共分散行列PY (k,i)を式(2
5)で定義する。これらの誤差共分散行列は、それぞれ
対応する航跡の平均的な誤差を見積もった誤差評価量を
意味するもので、ともに6行6列の行列である。これら
の誤差共分散行列は、式(10)の角度航跡の誤差共分
散行列に基づき、角度航跡から式(13)の3次元極座
標系の航跡を経て式(12)の3次元直交座標系の航跡
を算出する計算過程の誤差伝搬を追うことによって算出
できる。
【0051】
【数11】
【0052】2つの角度センサSi (i=1,2)間で
相関ありと判定された目標について、式(9)の角度航
跡ξs _(k,i)(i=1,2)を結合した新たな航
跡ζs _(k)を、便宜的に式(26)のごとく定義し
ておく。この航跡に対応する誤差共分散行列Pζ(k)
は、角度航跡の誤差共分散行列Pζ(k,i)(i=
1,2)を用いて式(27)とかける(以降、In はn
行n列の単位行列を表わす)。
【0053】
【数12】
【0054】前述した目標距離の推定値Rs (k,i)
および距離変化率の推定値Rs ’(k,i)の平均的な
誤差量を見積る。式(15),(16),(17)〜
(21)による距離および距離変化率の算出式は、結局
のところ、2つの角度センサ基準の式(6)の状態ベク
トルから目標の距離および距離変化率を算出する非線形
な関係式とみることができる。そこで、この関係式をT
aylor展開して線形一次近似することにより、上記
ζS _(k)の誤差から式(28)で定義される誤差r
S _(k、i)の伝搬を、式(29)で近似することが
できる。
【0055】ここで、N(k,i)は式(31),(3
2)に示すような偏微分行列のζS_(k,i)におけ
る値である。また、各偏微分は式(15),(16),
(17)〜(19)に式(7),(20),(21)を
代入した式より計算することができる。一方、式(3
3)の関係があることより、式(10)および式(2
9)を用いて、式(25)の誤差共分散行列が式(3
4)のとおり算出される。
【0056】
【数13】
【0057】同様にして、式(22),(23)による
3次元極座標系から3次元直交座標系への航跡の座標変
換にともなう誤差伝搬についても、式(22),(2
3)をTaylor展開して線形一次近似することによ
り、式(35),(36)で近似する。式(36)にお
ける各偏微分は、式(22),(23)より計算するこ
とができる。結局、3次元直交座標系の航跡の誤差共分
散行列Px (k,i)は、式(35)と式(34)に基
づいて式(37)のとおり算出される。
【0058】
【数14】
【0059】以上のようにして、3次元直交座標系およ
び3次元極座標系の航跡の誤差共分散行列が算出でき
た。次に、3次元直交座標系におけるカルマンフィルタ
による航跡維持の処理方法について述べる。角度センサ
i (i=1,2)を原点とする3次元直交座標系にお
ける目標の運動モデルを式(38)〜(42)のように
定義する。この運動モデルは、x,y,z各成分の加速
度相当の外乱入力w_(k,i)をもつ等速直進運動に
基づいている。一方、角度センサSi (i=1,2)に
おける観測モデルを式(43)〜(46)で定義する。
ν_(k,i)は仰角、方位角各成分の観測誤差を表わ
す。
【0060】
【数15】
【0061】カルマンフィルタの理論に従い、式(3
8)の運動モデルに基づく3次元直交座標系における予
測処理を式(47),(48)で行う。ここで、xS _
(k,i)はサンプリング時刻tk までの観測情報に基
づきサンプリング時刻tk の目標の運動状態を推定した
平滑値であり、式(12)の航跡に相当する。また、P
x (k,i)は式(24)に相当する平滑誤差分散行列
である。一方、xp _(k,i)は式(49)で定義さ
れ、サンプリング時刻tk-1 までの観測情報に基づき1
サンプリング後の時刻tk における目標の運動状態を推
定した予測値である。Px pred (k,i)は式(50)
で定義される予測誤差共分散行列である。
【0062】
【数16】
【0063】次に、式(43)の観測モデルにおける非
線形関数hをTaylor展開することによる、予測誤
差の線形一次近似を式(51)に示す。ここで、H
(k,i)は式(52)に示すような偏微分行列のxs
_(k,i)における値である。この線形一次近似に従
い、サンプリング時刻tk での当該目標についての探知
データz0 _(k)を用いた平滑処理を式(53)〜
(55)により行う。K(k,i)はカルマンゲイン行
列である。
【0064】
【数17】
【0065】上記のようにして、サンプリング時刻t
k-1 の平滑値および平滑誤差共分散行列より、まず式
(47),(48)によりサンプリング時刻tk の予測
値および予測誤差共分散行列を算出し、さらにサンプリ
ング時刻tk での探知データを用いて、式(53)〜
(55)によりサンプリング時刻tk の新たな平滑値お
よび平滑誤差共分散行列を算出する。この一連の処理を
繰り返すことによって、3次元の航跡を維持することが
できる。
【0066】なお、この一連の処理は、角度センサより
新たな探知データが得られるたびに、サンプリング時刻
を1つ進めて計算を行うものであって、必ずしも等間隔
なサンプリング間隔を必要としない。また、上記一連の
処理を進めるにあたり、追尾開始時にxs _(k,
i),Px (k,i)の初期値が必要となるが、この初
期値としては、前記、相関ありと判定された2つの角度
航跡より最終的に式(22),(23)で算出した3次
元直交座標系の航跡、および、式(37)で算出したこ
の航跡の誤差共分散行列を適用する。
【0067】ところで、上記の航跡維持処理では、上記
のように初期値を設定した後、各角度センサに付随の情
報処理装置で各々独立に構成したカルマンフィルタにお
いて、それぞれ対応する角度センサからの探知情報のみ
を取り込んで各角度センサ基準の目標航跡を維持する方
法と、情報統合装置で構成した単一のカルマンフィルタ
において、2つの角度センサからの探知情報をともに入
力し、例えば、角度センサS1 基準の目標航跡を維持
し、角度センサS2 基準の目標航跡は、角度センサS1
基準の航跡を角度センサS2 基準に座標変換して得る方
法の2通りが考えられる。
【0068】前者の方法では、航跡の初期値のみ2つの
角度センサの情報が反映され、以後は単一の角度センサ
の情報のみにより航跡が更新されるのに対し、後者の方
法では、常に2つの角度センサの情報が反映されるた
め、精度の高い航跡が維持される。
【0069】以上で、3次元航跡の算出方法についての
説明を終わり、次に、角度航跡間の相関処理について説
明する。前述したように、相関処理は、2つの角度セン
サの角度追尾器より出力される角度航跡ξs _(k,
i)(i=1,2)の間のどの対が同一目標のものであ
るかを判定する処理である。
【0070】この相関処理では、まず第1の相関処理と
して、角度航跡ξs _(k,i)(i=1,2)に含ま
れる目標角度の情報を用いた処理により、同一目標か否
かの判定を行う。この相関処理では、2つの角度センサ
よりの目標方向単位ベクトルu_(k,1)u_
(k,2)が同一目標から得られているならば、先に示
した式(14)の関係が成り立つことに着目する(図9
参照)。
【0071】式(14)は3つのベクトルu_(k,
1)u_(k,2),m_が同一平面上にあり線形一
次従属であることを示している。従って、式(56)で
定義した関数fに対し式(57)が同一目標の条件とな
る。ここで、式(56)の右辺は3つの列ベクトルu_
(k,1)u_(k,2),m_を横に並べて構成さ
れる行列の行列式であり、式(7)を用い、状態ベクト
ルξ_(k,)(i=1,2)に含まれる目標の角度
E(k,)、By (k,i)(i=1,2)より計算
される。
【0072】
【数18】
【0073】角度追尾器より出力される角度航跡の任意
の対に対し、それらの角度航跡に含まれる角度の推定値
を用いて式(56)の関数fの値を算出し、相関判定を
行う。ただし、実際の相関判定においては、角度航跡に
は推定誤差が含まれる式(57)が厳密には成立しない
ことに配慮し、関数fの算出誤差を正規分布で近似しカ
イ自乗検定で判定を行う。このために、まず式(26)
のときと同様に、相関判定しようとする角度航跡の対を
結合した新たな航跡ζs _(k)を定義する。この航跡
ζs _(k)の誤差共分散行列はやはり式(27)でか
ける。関数fをTaylor展開することにより、角度
航跡よりの関数fの算出値の誤差を式(58)〜(6
0)のごとく線形一次近似する。
【0074】
【数19】
【0075】式(58)に式(57)を用い、角度航跡
ξs _(k,i)の誤差は正規分布することを仮定すれ
ば、角度航跡よりの関数fの算出値は、平均を式(6
1)、分散を式(62)とする正規分布で近似できる。
従って、式(63)で示す変数χa 2は自由度1のカイ自
乗分布で近似できる。この事実に基づき、同一目標であ
るか否かの判定を式(64)により行う。Ca は相関し
きい値を示すパラメータである。
【0076】
【数20】
【0077】上記の目標の角度情報による相関処理だけ
では、図12に示すように複数の目標が2つの角度セン
サを含む同一平面上に存在する場合、G1およびG2に
示す偽像が発生し誤った相関が生じるという問題がおこ
る。このような問題に対処し、偽像を効果的に排除する
ために、第2の相関処理として、角度航跡ξs _(k,
i)(i=1,2)に含まれる角速度の情報を用いた相
関処理を追加する。
【0078】式(56)の関数fを時間微分した関数を
gとし、式(65)とする。角度航跡の対が同一の目標
から得られているならば、式(57)の関係は、時間に
よらず恒常的に成立することから、式(66)が成立す
る。一方、角度航跡の対が異なる2つの目標から得られ
たものであって、ある時刻に一時的に上記同一平面上と
なった場合には、式(57)は成立するが、式(66)
は成立しない。この事実に着目し、同一目標であるため
の追加条件を式(66)とする。なお、式(65)の関
数gの値は式(7)と式(21)を適用することによ
り、状態ベクトルξ_(k,i)(i=1,2)に含ま
れる目標の角度E(k,i),By(k,i)(i=
1,2)および角速度E’(k,i),By’(k,
i)(i=1,2)より計算される。
【0079】
【数21】
【0080】前記、角度情報による相関処理により相関
ありと判定された角度航跡の対に対し、さらに、角度お
よび角速度の推定値を用いて式(65)の関数gの値を
算出し、相関判定を行う。ただし、実際の相関判定にお
いては、角度航跡には推定誤差が含まれ式(66)が厳
密には成立しないことに配慮し、関数gの算出誤差を正
規分布で近似しカイ自乗検定で判定を行う。式(58)
のときと同様に、関数gをTaylor展開することに
より、角度航跡に基づく関数gの算出誤差を式(67)
〜(69)のごとく線形一次近似する。
【0081】
【数22】
【0082】式(67)に式(66)を用い、角度航跡
の誤差が正規分布することを仮定すれば、角度航跡によ
る関数gの算出値は、平均を式(70)、分散を式(7
1)とする正規分布で近似できる。従って、式(72)
に示す変数χb 2は自由度1のカイ自乗分布で近似でき
る。この事実に基づき、同一目標であるか否かの判定を
式(73)により行う。Cb は相関しきい値を示すパラ
メータである。
【0083】
【数23】
【0084】以上のようにして、この発明の相関処理で
は、目標の角度および角速度の推定値に基づき角度航跡
間の相関判定を行う方法を基本とする。しかし、上記の
角速度情報までを用いた相関処理により、ある時刻に一
時的に、複数の目標と2つの角度センサが同一平面上と
なる場合の偽像を排除できるものの、ごくまれな目標運
動のケースとして、複数の目標が継続的にこの同一平面
上を運動し続ける(あるいは角度航跡の誤差の範囲内で
ほぼ同一平面上と判断されるように運動し続ける)場合
においては、なお偽像が残ることとなる。
【0085】以下では、このようなまれなケースにも対
処するために、さらに、第3の角度センサを利用して偽
像を排除する相関処理、あるいは、目標の属性情報を利
用して偽像を排除する相関処理を付加する方法を述べ
る。
【0086】第3の角度センサS3 は第1および第2の
角度センサSi (i=1,2)と同様に、目標の仰角、
方位角を観測する。第3の角度センサを利用した相関処
理を行うために、まず、第1および第2の角度センサS
i (i=1,2)の角度航跡間で上記目標の角度および
角速度による相関処理で相関ありと判定された目標につ
いて、第1の角度センサS1 基準の式(12)の3次元
直交座標系の航跡xs_(k,1)を式(15),(1
8)および式(22),(23)を用いて算出する。ま
た、この3次元航跡の誤差共分散行列Px (k,1)を
式(34)および式(37)を用いて算出する。さら
に、式(74)に示すように、3次元直交座標系の航跡
s _(k,1)より、その位置成分のみを抽出した新
たな航跡を考え、これを航跡xs *_(k,1)とする。
この航跡の誤差共分散行列P x *(k,1)は式(76)
となる。
【0087】次に、航跡xs *_(k,1)を、式(7
7)に基づき、第3の角度センサS3基準の3次元直交
座標系の航跡xs *_(k,3)ヘと座標変換する。ここ
で、m1,3 は角度センサS1 を原点とした角度センサS
3 の3次元直交座標での位置ベクトルで、この値は既知
とする。航跡xs *_(k,3)の誤差共分散行列P
x *(k,3)は、上記の座標変換により不変であって、
式(79)である。
【0088】
【数24】
【0089】さらに、式(77)で得られた第3の角度
センサ基準の3次元直交座標系の航跡を、式(80)の
3次元極座標系の航跡ys *_(k,3)ヘ座標変換す
る。座標変換は式(81)の関係式による。また、この
航跡ys *_(k,3)の誤差共分散行列を求めるため
に、式(81)をTaylor展開して線形一次近似し
て、式(82),(83)とする。式(83)の各偏微
分は式(81)より計算する。式(82)の関係を用
い、式(80)の航跡ys *_(k,3)の誤差共分散行
列Py *(k,3)は、式(84)となる。
【0090】
【数25】
【0091】第3の角度センサS3 より入力される探知
データを式(85)のように定義する。いま、上記式
(82)で得た航跡ys *_(k,3)に対応する目標が
実際の目標であって偽像でないならば、式(85)の探
知データとして航跡ys *_(k,3)の仰角、方位角に
近い値となるものが存在するはずである。
【0092】そこで、仰角および方位角成分について、
探知データz_(k,3)と航跡ys *_(k,3)の差
をとった式(86)のベクトルε_(k)を定義する。
このベクトルε_(k)の共分散行列は式(88)とな
る。ここで、QV (k)は式(46)で定義したのと同
様に第3の角度センサの観測誤差共分散行列である。ε
_(k)の分布が、近似的に平均ゼロ、共分散S(k)
をもつ正規分布であることを仮定すれば、式(89)の
χg 2は自由度2のカイ自乗分布で近似できる。
【0093】以上の事実に基づき、第3の角度センサを
利用した相関処理では、第3の角度センサの探知データ
として、式(90)を満たすデータが存在するか否かを
調べ、これが存在しない場合には、偽像であると判断
し、これに対応する角度センサSi (i=1,2)の角
度航跡間の相関関係を削除する。Cg は相関しきい値を
示すパラメータである。
【0094】
【数26】
【0095】次に、目標の属性情報を利用した相関処理
について説明する。目標の属性モデルを式(91)で定
義する。ここで、各属性種類ωd は、例えば、目標が航
空機、飛翔体、ヘリコプタ等のいずれかより詳細に目標
の機種が何であるか等の区別を示す。属性種類として
は、予め想定されるN個の種類を設定しておく。一方、
ωは実際に追尾を行っている目標の属性であり、各d=
1,2,…Nに対し、「式(91)が真である」との仮
説をJd とかく。各角度センサSi (i=1,2)の角
度追尾器による角度航跡の個々について、ここには記述
されない方法により、センサの観測情報に基づく上記仮
説の信頼度が算出される。
【0096】この信頼度は、例えば、角度センサが目標
の放射する電波を探知するセンサの場合、その電波の送
信周波数やパルス幅、パルス繰り返し周波数等の観測結
果と事前に収集した各属性種類のこれらの情報とを照合
することにより算出でき、また、角度センサが目標の放
射する赤外線を探知するセンサである場合には、目標の
形状や温度分布等の観測結果に基づき同様に算出するこ
とができる。
【0097】信頼度は、角度センサSi による時刻tk
までの探知データの全体をZ(k,i)としたときの条
件付確率Pi (Jd |Z(k,i))で定義する。ま
た、目標の追尾が開始される以前の状態での各仮説の信
頼度をPi (Jd )とする。このPi (Jd )は、各属
性種類の目標の出現確率を事前情報に基づき予め設定す
るものである。
【0098】目標の属性情報を利用した相関処理では、
前記、角度および角速度による相関処理により相関あり
と判定された角度航跡の対に対し、上記仮説の信頼度に
基づき、式(92)が成立するか否かを判定する。式
(92)が成立しない場合、偽像であると判定し、この
角度航跡間の相関関係を削除する。Cd は相関しきい値
を示すパラメータである。
【0099】
【数27】
【0100】以上が、この発明の根拠となる理論の骨子
である。以下、この発明の各実施の形態について説明す
る。
【0101】実施の形態1.図2はこの発明の実施の形
態1による多目標追尾装置の構成を示すブロック図であ
り、図2において、2,3は目標1より放射された電波
や赤外線等を検出し目標の存在方向を探知する第1およ
び第2の角度センサ、4,5は各角度センサ2,3に付
随した情報処理装置であり、この情報処理装置4は角度
追尾器(角度追尾手段)11a,3次元航跡算出器(3
次元航跡算出手段)14aを有し、他の情報処理装置5
は角度追尾器(角度追尾手段)11b,3次元航跡算出
器(3次元航跡算出手段)14bを有する。6は各角度
センサ2,3の情報を統合する情報統合装置であり、こ
の情報統合装置6は相関器(相関処理手段)12,距離
/距離変化率算出器(距離および距離変化率算出手段)
13を有する。また、7,8は各角度センサ基準の3次
元の目標航跡をオペレータに表示する第1および第2の
航跡表示装置である。
【0102】次に動作について説明する。第1および第
2の角度センサ2,3より時々刻々と出力される式
(8)の探知データz_(k,i)は、それぞれ対応す
る情報処理装置4,5の角度追尾器11a,11bに取
り込まれる。この角度追尾器11a,11bでは、探知
された各目標毎に、式(9)の角度航跡ξs _(k,
i)および式(10)の誤差共分散行列Pξ(k,i)
を算出する。これらの算出値は情報統合装置6に送信さ
れる。
【0103】情報統合装置6では、まず、相関器12に
おいて、受信した両角度センサ2,3の角度航跡間のど
の対が同一目標のものであるかを判定する相関処理を行
う。上記角度追尾器11a,11bによる角度航跡は、
追尾開始初期の所定の時間を経過すると精度が安定し、
両角度センサ2,3の角度航跡がともに安定すると、相
関処理が成功するようになる。以後、3次元追尾が可能
となる。
【0104】相関器12により同一目標と判定した角度
航跡の対は、距離/距離変化率算出器13に送出し、こ
の距離/距離変化率算出器13において、式(11)の
各角度センサよりの目標方向単位ベクトルus _(k,
i)を算出し、式(15),(16)および式(18)
〜(21)を用いて、各角度センサ2,3よりの目標距
離Rs (k,i)および距離変化率Rs ’(k,i)を
算出する。
【0105】この目標距離Rs (k,i),距離変化率
s ’(k,i)は再び、各角度センサ2,3の情報処
理装置4,5に送信される。各情報処理装置4,5で
は、3次元航跡算出器14a,14bにおいて、情報統
合装置6の距離/距離変化率算出器13より受信した目
標距離Rs (k,i),距離変化率Rs ’(k,i)に
対応する角度航跡ξs _(k,i)をあらためて角度追
尾器11a,11bより入力し、目標距離Rs (k,
i),距離変化率Rs ’(k,i),角度航跡ξs_
(k,i)を組み合わせることにより式(13)の3次
元極座標系での航跡ys _(k,i)を構成し、さら
に、式(22),(23)に従って座標変換処理するこ
とにより、式(12)の3次元直交座標系での航跡xs
_(k,i)を算出する。
【0106】これらの3次元航跡は第1および第2の航
跡表示装置7,8に出力され、画面上に表示される。以
上の一連の処理を、各目標について追尾終了まで繰り返
すことにより、多目標の3次元追尾を実現する。
【0107】実施の形態2.図3は、この発明の実施の
形態2による多目標追尾装置の構成を示すブロック図で
あり、図3において、2,3は第1および第2の角度セ
ンサ、4,5は各角度センサに付随した情報処理装置で
あり、この情報処理装置4は角度追尾器11a,3次元
航跡算出器14a,3次元航跡誤差評価量算出器(3次
元航跡誤差評価量算出手段)15a,航跡維持器(航跡
維持手段)16aを有し、他の情報処理装置5は角度追
尾器11b,3次元航跡算出器14b,3次元航跡誤差
評価量算出器(3次元航跡誤差評価量算出手段)15
b,航跡維持器(航跡維持手段)16bを有する。6は
情報統合装置であり、相関器12,距離/距離変化率算
出器13を有する。7,8は各角度センサ基準の3次元
の目標航跡をオペレータに表示する第1および第2の航
跡表示装置である。
【0108】次に動作について説明する。第1および第
2の角度センサ2,3より時々刻々と出力される式
(8)の探知データz_(k,i)は、それぞれ対応す
る情報処理装置4,5の角度追尾器11a,11bに取
り込まれる。この角度追尾器では、探知された各目標毎
に、式(9)の角度航跡ξs _(k,i)および式(1
0)の誤差共分散行列Pξ(k,i)を算出する。これ
らの算出値は、適当な手段により情報統合装置6に送信
される。
【0109】情報統合装置6では、まず、相関器12に
おいて、受信した両角度センサ2,3の角度航跡間の、
どの対が同一目標のものであるかを判定する相関処理を
行う。追尾開始初期の所定の時間を経過し、両角度セン
サ2,3の角度航跡の精度が安定すると相関処理に成功
する。
【0110】相関器12により同一目標と判定した角度
航跡の対は、距離/距離変化率算出器13に送出し、こ
の距離/距離変化率算出器13において、式(11)の
各角度センサ2,3よりの目標方向単位ベクトルus _
(k,i)を算出し、式(15),(16)および式
(18)〜(21)を用いて、各角度センサ2,3より
の目標距離Rs (k,i)および距離変化率Rs
(k,i)を算出する。目標距離Rs (k,i),距離
変化率Rs ’(k,i)は再び、各角度センサ2,3の
情報処理装置4,5に送信される。各情報処理装置4,
5では、3次元航跡算出器14a,14bにおいて、情
報統合装置6より受信した目標距離Rs (k,i),距
離変化率Rs ’(k,i)に対応する角度航跡ξs _
(k,i)をあらためて角度追尾器11a,11bより
入力し、目標距離Rs (k,i),距離変化率Rs
(k,i),角度航跡ξs _(k,i)を組み合わせる
ことにより式(13)の3次元極座標系での航跡ys _
(k,i)を構成し、さらに、式(22),(23)に
従って座標変換処理することにより、式(12)の3次
元直交座標系での航跡xs _(k,i)を算出する。
【0111】また、3次元航跡誤差評価量算出器15
a,15bにおいて、情報統合装置6の距離/距離変化
率算出器13より受信した目標距離Rs (k,i),距
離変化率Rs ’(k,i)に対応する角度航跡ξs _
(k,i)およびその誤差共分散行列Pξ(k,i)を
あらためて角度追尾器11a,11bより入力し、式
(34),(30)〜(32),(27)に従い3次元
極座標系の航跡ys _(k,i)の誤差共分散行列Py
(k,i)を算出し、さらに、3次元航跡算出器14
a,14bより、3次元極座標系の航跡ys _(k,
i)を入力して、式(37),(36)に従い3次元直
交座標系の航跡xs _(k,i)の誤差共分散行列Px
(k,i)を算出する。
【0112】この実施の形態2では、各目標について、
ひとたび上記3次元航跡算出器14a,14bおよび3
次元航跡誤差評価量算出器15a,15bにより航跡x
s _(k,i),誤差共分散行列Px (k,i)が算出
されると、上記の情報統合装置6を経由した処理を終了
し、各情報処理装置4,5の航跡維持器16a,16b
における追尾維持処理に移る。各航跡維持器16a,1
6bでは、それぞれ対応する角度センサ2,3の探知デ
ータを取り込むことにより、各角度センサ基準の3次元
航跡を独立に維持する。
【0113】例えば、第1の角度センサ2に付随の情報
処理装置4の航跡維持器16aでは、第1の角度センサ
2より新たな探知データが得られるごとにサンプリング
時刻を一つ進めることにより、まず式(47),(4
8)のi=1の場合による予測処理を行ったのち、第1
の角度センサ2の探知データz_(k,1)を式(5
3)のz0 _(k)として用い、式(53)〜(55)
のi=1の場合による平滑処理を行って、航跡xs _
(k,1),誤差共分散行列Px (k,1)の更新値を
算出する。この処理を追尾終了まで繰り返し実行するこ
とにより追尾を維持する。
【0114】なお、式(47),(48)で必要な航跡
s _(k,1),誤差共分散行列Px (k,1)の初
期値としては、上記3次元航跡算出器14aおよび3次
元航跡誤差評価量算出器15aの算出値を使用する。
【0115】上記の追尾維持処理は、第2の角度センサ
3に付随した情報処理装置5の航跡維持器16bの処理
も全く同様に行われる。航跡維持器16a,16bによ
る3次元航跡は第1および第2の航跡表示装置7,8に
出力され、画面上に表示される。
【0116】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3による多目標追尾装置の構成を示すブロック図であ
り、図において、2,3は第1および第2の角度セン
サ、4,5は各角度センサに付随の情報処理装置であ
り、この情報処理装置4,5はそれぞれ角度追尾器11
a,11bを有する。6は情報統合装置であり、相関器
12,距離/距離変化率算出器13,3次元航跡算出器
14,3次元航跡誤差評価量算出器15,航跡維持器1
6を有する。7,8は各角度センサ基準の3次元の目標
航跡をオペレータに表示する第1および第2の航跡表示
装置である。
【0117】次に動作について説明する。第1および第
2の角度センサ2,3より時々刻々と出力される式
(8)の探知データz_(k,i)は、それぞれ対応す
る情報処理装置4,5の角度追尾器11a,11bに取
り込まれる。角度追尾器11a,11bでは、探知され
た各目標毎に、式(9)の角度航跡ξs _(k,i)お
よび式(10)の誤差共分散行列Pξ(k,i)を算出
する。これらの算出値は、適当な手段により情報統合装
置6に送信される。
【0118】情報統合装置6では、まず、相関器12に
おいて、受信した両角度センサ2,3の角度航跡間の、
どの対が同一目標のものであるかを判定する相関処理を
行う。追尾開始初期の所定の時間を経過し、両角度セン
サ2,3の角度航跡の精度が安定すると相関処理に成功
する。
【0119】相関器12により同一目標と判定した角度
航跡の対は、距離/距離変化率算出器13に送出し、こ
の距離/距離変化率算出器13において、式(11)の
各角度センサ2,3よりの目標方向単位ベクトルus _
(k,i)を算出し、式(15),(16)および式
(18)〜(21)を用いて、各角度センサよりの目標
距離Rs (k,i)および距離変化率Rs ’(k,i)
を算出する。
【0120】次に、3次元航跡算出器14において、距
離/距離変化率算出器13より目標距離Rs (k,i)
および距離変化率Rs ’(k,i)と角度航跡ξs _
(k,i)を入力し、これらを組み合わせることによ
り、第1の角度センサ基準および第2の角度センサ基準
の式(13)の3次元極座標系の目標航跡ys _(k,
1),ys _(k,2)を求め、さらに、式(22),
(23)に従って座標変換処理することにより、第1の
角度センサ基準および第2の角度センサ基準の式(1
2)の3次元直交座標系の目標航跡xs _(k,1),
s _(k,2)を算出する。
【0121】また、3次元航跡誤差評価量算出器15に
おいて、距離/距離変化率算出器13より目標距離Rs
(k,i)および距離変化率Rs ’(k,i)と角度航
跡ξs _(k,i)を入力し、式(34),(30)〜
(32),(27)に従い、各角度センサ基準の3次元
極座標系の航跡ys _(k,1),ys _(k,2)の
誤差共分散行列Py (k,1),Py (k,2)を算出
し、さらに、3次元航跡算出器14より、各角度センサ
基準の3次元極座標系の航跡ys _(k,1),ys _
(k,2)を入力して、式(37),(36)に従い3
次元直交座標系の航跡xs _(k,1),xs _(k,
2)の誤差共分散行列Px (k,1),Px (k,2)
を算出する。
【0122】この実施の形態3では、各目標について、
ひとたび上記3次元航跡算出器14および3次元航跡誤
差評価量算出器15により航跡xs _(k,i),誤差
共分散行列Px (k,i)が算出されると、上記手順を
終了し、情報統合装置6内の航跡維持器16における追
尾維持処理に移る。航跡維持器16では、第1および第
2の角度センサ2,3の探知データを取り込むことによ
り、各角度センサ基準の3次元航跡を維持する。
【0123】航跡維持器16では、例えば、第1の角度
センサ基準の式(12)の航跡xs_(k,1)につい
て、第1および第2の角度センサ2,3のいずれか一方
の角度センサよりの探知データが得られるごとにサンプ
リング時刻を一つ進めることにより、まず式(47),
(48)のi=1の場合による予測処理を行ったのち、
角度センサの探知データz_(k,1)またはz_
(k,2)を式(53)のz0 _(k)として用い、式
(53)〜(55)i=1の場合による平滑処理を行
って、航跡xs _(k,1),誤差共分散行列Px
(k,1)の更新値を算出する。
【0124】式(47),(48)で必要な航跡xs _
(k,1),誤差共分散行列Px (k,1)の初期値と
しては、上記3次元航跡算出器14および3次元航跡誤
差評価量算出器15の算出値を使用する。第2の角度セ
ンサ基準の式(12)の航跡xs _(k,2)について
は、式(3)のm_を用い、上記手順で得られる第1の
角度センサ基準の航跡xs _(k,1)を第2の角度セ
ンサ基準に座標変換することにより更新する。上記の処
理は、もちろん、第2の角度センサ基準の航跡を式(4
7),(48),(53)〜(55)で更新し、これを
第1の角度センサ基準に座標変換するのでもよい。
【0125】航跡維持器16による3次元航跡は第1お
よび第2の航跡表示装置7,8に出力され、画面上に表
示される。以上のように、この実施の形態3によれば、
情報統合装置に要求される計算負荷が高い反面、きわめ
て高い追尾精度が期待でき、例えば、目標数、角度セン
サ数がともに比較的小さい状況で、極めて高い追尾精度
を要求される場合に有効である。
【0126】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4による多目標追尾装置で使用する相関器の構成を示
すブロック図であり、図において、11a,11bは、
前記図2〜図4に示した角度追尾器に相当する角度追尾
器、13は前記図2〜図4に示した距離/距離変化率算
出器に相当する距離/距離変化率算出器、12は図2〜
図4に示した相関器に相当する相関器であり、角度相関
器(角度相関手段)21,角速度相関器(角速度相関手
段)22を有する。
【0127】次に動作について説明する。角度追尾器1
1a,11bにより算出された角度航跡ξs _(k,
i)およびその誤差共分散行列Pξ(k,i)は角度相
関器21に入力される。角度相関器21では、まず式
(11)により各角度センサ2,3よりの目標方向単位
ベクトルus _(k,i)を算出し、この値を式(5
6)に適用することにより関数fの値を求め、また式
(59),(60)に従い行列Fの値を求め、さらに、
これらの値と式(63)より変数χa 2の値を算出して、
式(64)に従い同一目標か否かの判定を行う。
【0128】次に、角速度相関器22において、角度相
関器21より該角度相関器において相関あり(すなわ
ち、同一目標である)と判定された角度航跡ξs _
(k,i)の対、およびそれらの角度航跡の誤差共分散
行列Pξ(k,i)を入力し、まず式(11)により各
角度センサ2,3よりの目標方向単位ベクトルus _
(k,i)を算出し、式(21)の関係式を用いること
により上記目標方向単位ベクトルの時間微分値us ’_
(k,i)を算出する。
【0129】これらの値を式(65)に適用することに
より関数gの値を求め、また式(68),(69)に従
い行列Gの値を求め、さらに、これらの値と式(72)
より変数χb 2の値を算出して、式(73)に従い同一目
標か否かの判定を行う。角速度相関器22より相関あり
(すなわち、同一目標である)と判定された角度航跡の
対は、この実施の形態の相関器12の最終的な判定結果
として、距離/距離変化率算出器13に出力される。
【0130】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、複数の異なる目標が同一の目標面内に一時的に存在
する場合に発生する偽像を効果的に排除し、角度航跡間
の正しい相関関係を判定する効果がある。
【0131】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形
態5による多目標追尾装置で使用する相関器の構成を示
すブロック図であり、図において、11a,11bは前
記図2〜図4に示した角度追尾器に相当する角度追尾
器、13は前記図2〜図4に示した距離/距離変化率算
出器に相当する距離/距離変化率算出器、12は前記図
2〜図4に示した相関器に相当する相関器であり、角度
相関器21,角速度相関器22,偽像検出器(偽像検出
手段)24を有する。また、23はこの実施の形態5の
相関器12のために新たに設けられた第3の角度センサ
である。
【0132】次に動作について説明する。この実施の形
態5の相関器12は、前記実施の形態4の相関器12に
おける角度相関器21、角速度相関器22に、さらに、
第3の角度センサ23の探知データによる相関処理を行
うための偽像検出器24を付加した形式となっている。
この実施の形態5の相関器12における角速度相関器2
2までの処理の流れは、上記実施の形態4の相関器の場
合と同様であるので重複説明は省略する。
【0133】角速度相関器22により相関ありと判定さ
れた角度航跡の対は、偽像検出器24に送出される。偽
像検出器24では、この角度航跡の対を角速度相関器2
2より入力し、また、第3の角度センサ23により観測
されたすべての探知データを入力し、以下の手順により
偽像を検出してこれを削除する。
【0134】まず、角速度相関器22より入力した角度
航跡の対より、式(11)に基づき第1の角度センサ2
よりの目標方向単位ベクトルus _(k,1)を算出
し、式(15),(18),(20),(21)により
第1の角度センサ2よりの目標距離Rs (k,1)およ
び距離変化率Rs ’(k,1)を算出して、第1の角度
センサ基準の3次元極座標系の航跡ys _(k,1)を
算出し、これを式(22),(23)を用いて座標変換
することにより第1の角度センサ基準の3次元直交座標
系の航跡xs _(k,1)を算出する。
【0135】また、式(34),(30)〜(32),
(27)を用い,航跡ys _(k,1)の誤差共分散行
列Py (k,1)を算出し、式(36),(37)によ
り航跡xs _(k,1)の誤差共分散行列Px (k,
1)を算出する。
【0136】次に、式(74)〜(76)により、航跡
s _(k,1)よりその位置成分のみを抽出した航跡
s * _(k,1)およびその誤差共分散行列Px *
(k,1)を算出し、これらを式(77),(79)に
従い第3の角度センサ基準の3次元直交座標系での値x
s * _(k,3),Px * (k,3)に座標変換する。さ
らに、これを式(81)および(84),(83)を用
いて第3の角度センサ基準の3次元極座標系の値ys *
_(k,3),Py * (k,3)に変換する。
【0137】上記のように得られた値Py *(k,3)と
第3の角度センサ23の観測誤差共分散行列Qv (k)
より、まず、式(88)のS(k)を算出し、また、第
3の角度センサ23の探知データの各々について式(8
6)のε_(k)を算出し、式(89)の変数χg 2を算
出し、式(90)を満たす探知データが存在するか否か
を調べる。
【0138】式(90)を満たす探知データが存在しな
い場合には、角速度相関器22より入力された角度航跡
の対は偽像であると判断して、この角度航跡間の相関関
係を削除し、一方、式(90)を満たす探知データが存
在する場合には、この角度航跡の対は偽像ではないと判
断して、この角度航跡の対を距離/距離変化率算出器1
3に出力する。
【0139】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、複数の異なる目標が同一の目標面内に継続的に存在
する場合に発生する偽像を効果的に排除し、角度航跡間
の正しい相関関係を判定する効果がある。
【0140】実施の形態6.図7はこの発明の実施の形
態6による多目標追尾装置で使用する相関器の構成を示
すブロック図であり、図において、11a,11bは図
2〜図4に示した角度追尾器に相当する角度追尾器、1
3は図2〜図4に示した距離/距離変化率算出器に相当
する距離/距離変化率算出器、12は図2〜図4に示し
た相関器12に相当する相関器であり、角度相関器2
1,角速度相関器22,属性相関器(属性相関手段)2
6を有する。また、25aは、相関処理を行おうとする
角度航跡の対の第1の角度センサ2の航跡について、各
属性種類の信頼度を算出する属性信頼度算出器(属性信
頼度算出手段)、25bは同様に、第2の角度センサ3
の航跡について、各属性種類の信頼度を算出する属性信
頼度算出器(属性信頼度算出手段)である。
【0141】次に動作について説明する。この実施の形
態6の相関器12は、上記実施の形態4の相関器12に
おける、角度相関器21、角速度相関器22に、さら
に、属性情報を利用した相関処理を行うための属性相関
器26を付加した形式となっている。この実施の形態6
の相関器12における角速度相関器22までの処理の流
れは、上記実施の形態4の相関器12の場合と同様であ
るので、重複説明は省略する。
【0142】角速度相関器22により相関ありと判定さ
れた角度航跡の対は、属性相関器26に送出される。属
性相関器26では、この角度航跡の対を角速度相関器2
2より入力し、また、属性信頼度算出器25a,25b
より各角度航跡それぞれについての、式(91)のN個
の各属性モデルが真であるとの仮説Jd の信頼度P
1(Jd |Z(k,1)),P2 (Jd |Z(k,
2))を入力し、この信頼度と予め設定したP1 (J
d ),P2 (Jd )およびCd の値を用いて、式(9
2)が成立するか否かを調べる。式(92)が成立しな
い場合には、角速度相関器22より入力された角度航跡
の対は偽像であると判断して、この角度航跡間の相関関
係を削除し、一方、式(92)が成立する場合には、こ
の角度航跡の対は偽像ではないと判断して、この角度航
跡の対を距離/距離変化率算出器13に出力する。
【0143】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、複数の異なる目標が同一の目標面内に継続的に存在
する場合に発生する偽像を効果的に排除し、角度航跡間
の正しい相関関係を判定する効果がある。
【0144】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、角度センサが探知した2次元方向角度データよ
り、各目標ごとに、角度航跡およびその誤差評価量を算
出し、複数の角度センサの各々について算出した角度航
跡間のどの対が同一目標のものであるかを判定し、同一
目標と判定された角度航跡の対に基づいて各角度センサ
からの目標の距離および距離変化率を算出し、この距離
および距離変化率と上記算出したこの目標の角度航跡と
に基づき、目標の3次元空間での3次元航跡を算出し、
上記の一連の処理を各目標について繰り返して、目標の
3次元追尾を行うように構成したので、複数の角度セン
サからの探知情報により目標の3次元空間における位置
および速度等の運動諸元を算出することによる3次元追
尾が可能であり、高い追尾精度が期待できない反面、各
情報処理装置および情報統合装置に要求される計算負荷
がともに低く、例えば、追尾目標数および角度センサ数
がともに大きい状況で、比較的低い追尾精度が許容され
る場合の運用に有効である効果がある。
【0145】請求項2記載の発明によれば、角度センサ
が探知した2次元方向角度データより、各目標ごとに、
角度航跡およびその誤差評価量を算出し、複数の角度セ
ンサの各々について算出した角度航跡間のどの対が同一
目標のものであるかを判定し、同一目標と判定された角
度航跡の対に基づいて各角度センサからの目標の距離お
よび距離変化率を算出し、この距離および距離変化率と
上記算出したこの目標の角度航跡とに基づき、目標の3
次元空間での3次元航跡と該3次元航跡の誤差評価量を
算出し、上記3次元航跡およびその誤差評価量を初期値
として3次元追尾を開始し、当該角度センサよりの新た
な探知データが得られるたびに、前記3次元航跡および
その誤差評価量を更新して、目標の3次元追尾を行うよ
うに構成したので、各情報処理装置に要求される計算負
荷が高い反面、比較的高い追尾精度が期待でき、また情
報統合装置に要求される計算負荷が低く、例えば、角度
センサ数が大きい状況で、比較的高い追尾精度が要求さ
れる場合の運用に有効である効果がある。
【0146】請求項3記載の発明によれば、角度センサ
が探知した2次元方向角度データより、各目標ごとに、
目標の角度と角速度とからなる角度航跡およびその誤差
評価量を算出し、複数の角度センサの各々について算出
した角度航跡間のどの対が同一目標のものであるかを判
定し、同一目標と判定された角度航跡の対に基づいて各
角度センサからの目標の距離および距離変化率を算出
し、この距離および距離変化率と上記算出したこの目標
の角度航跡とに基づき、目標の3次元空間での3次元航
跡と該3次元航跡の誤差評価量を算出し、前記複数の角
度センサのいずれかよりの新たな探知データが得られる
たびに、前記3次元航跡およびその誤差評価量を更新し
て、目標の3次元追尾を行うように構成したので、情報
統合装置に要求される計算負荷が高い反面、きわめて高
い追尾精度が期待でき、例えば、目標数、角度センサ数
がともに比較的小さい状況で、極めて高い追尾精度を要
求される場合に有効である効果がある。
【0147】請求項4記載の発明によれば、任意の2つ
の角度センサよりの目標方向単位ベクトルと一方の角度
センサより見た他方の角度センサの相対位置を示すベク
トルで構成される行列の行列式を算出して該行列式の誤
差評価量を算出し、この行列式の値がその誤差評価量の
範囲内でゼロに近い値であるか否かによって相関判定を
行い、上記行列式の時間微分値を算出して該時間微分値
の誤差評価量を算出し、上記行列式の時間微分値がその
誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かを判定
することによって、目標の角度航跡の対が同一目標のも
のであるか否かの相関判定を行うように構成したので、
複数の異なる目標が同一の目標面内に一時的に存在する
場合に発生する偽像を効果的に排除し、角度航跡間の正
しい相関関係を判定することができる効果がある。
【0148】請求項5記載の発明によれば、任意の2つ
の角度センサよりの目標方向単位ベクトルと一方の角度
センサより見た他方の角度センサの相対位置を示すベク
トルで構成される行列の行列式を算出して該行列の誤差
評価量を算出し、この行列式の値がその誤差評価量の範
囲内でゼロに近い値であるか否かによって相関判定を行
い、上記行列式の時間微分値を算出して該時間微分値の
誤差評価量を算出し、上記行列式の時間微分値がその誤
差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かを判定す
ることによって、目標の角度航跡の対が同一目標のもの
であるか否かの相関判定を行い、同一目標のものである
と判定された角度航跡の対より、前記2つの角度センサ
よりの目標距離を算出して目標の3次元位置および該3
次元位置の誤差評価量を算出し、前記2つの角度センサ
とは別の角度センサの前記3次元位置方向に相当する角
度データが、上記3次元位置の誤差評価量および前記別
の角度センサの観測精度の範囲内で存在するか否かによ
り偽像でないか否かを判定するように構成したので、複
数の角度センサからの探知情報により目標の3次元空間
における位置および速度等の運動諸元を算出することに
よる3次元追尾が可能であり、偽像を削減することによ
り信頼性の高い3次元航跡を得ることができる。また、
複数の異なる目標が同一の目標面内に継続的に存在する
場合に発生する偽像を効果的に排除し、角度航跡間の正
しい相関関係を判定することができる効果がある。
【0149】請求項6記載の発明によれば、任意の2つ
の角度センサよりの目標方向単位ベクトルと一方の角度
センサより見た他方の角度センサの相対位置を示すベク
トルで構成される行列の行列式を算出し、この行列式の
値がその誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否
かによって相関判定を行い、上記行列式の時間微分値を
算出して該時間微分値の誤差評価量を算出し、上記行列
式の時間微分値がその誤差評価量の範囲内でゼロに近い
値であるか否かを判定することによって、目標の角度航
跡の対が同一目標のものであるか否かの相関判定を行
い、同一目標と判定された各角度航跡が予め想定した各
属性種類のいずれに属するかを推定した信頼度に基づ
き、前記角度航跡の対が同一属性であるか否かにより偽
像でないか否かを判定するように構成したので、偽像を
削減することにより信頼性の高い3次元航跡を得ること
ができ、複数の異なる目標が同一の目標面内に継続的に
存在する場合に発生する偽像を効果的に排除し、角度航
跡間の正しい相関関係を判定することができる効果があ
る。
【0150】請求項7記載の発明によれば、目標および
不要信号の仰角および方位角の2次元方向角度データを
出力する複数の角度センサと、各角度センサに付随して
各角度センサの探知した前記目標の航跡情報を処理する
情報処理装置と、前記各情報処理装置と交信し前記複数
の角度センサの航跡情報を統合する情報統合装置を有
し、前記情報処理装置は目標の角度航跡およびその誤差
評価量を算出する角度追尾手段と、目標の3次元空間で
の位置および速度よりなる3次元航跡を算出して、目標
の3次元追尾を行う3次元航跡算出手段を備え、前記情
報統合装置は角度航跡間のどの対が同一目標のものであ
るかを判定する相関処理手段と、同一目標と判定された
角度航跡の対に基づき前記各角度センサからの目標の距
離および距離変化率を算出する距離および距離変化率算
出手段とを備えるように構成したので、複数の角度セン
サからの探知情報により目標の3次元空間における位置
および速度等の運動諸元を算出することによる3次元追
尾が可能であり、高い追尾精度が期待できない反面、各
情報処理装置および情報統合装置に要求される計算負荷
がともに低く、例えば、追尾目標数および角度センサ数
がともに大きい状況で、比較的低い追尾精度が許容され
る場合の運用に有効な多目標追尾装置を得ることができ
る効果がある。
【0151】請求項8記載の発明によれば、目標および
不要信号の仰角および方位角の2次元方向角度データを
出力する複数の角度センサと、各角度センサに付随して
各角度センサの探知した前記目標の航跡情報を処理する
情報処理装置と、前記各情報処理装置と交信し前記複数
の角度センサの航跡情報を統合する情報統合装置を有
し、前記情報処理装置は目標の角度航跡およびその誤差
評価量を算出する角度追尾手段と、目標の3次元空間で
の位置および速度よりなる3次元航跡を算出する3次元
航跡算出手段と、前記3次元航跡の誤差評価量を算出す
る3次元航跡誤差評価量算出手段と、当該角度センサよ
りの新たな探知データが得られるたびに、3次元航跡お
よびその誤差評価量を更新して目標の3次元追尾を行う
航跡維持手段とを備え、前記情報統合装置は角度航跡間
のどの対が同一目標のものであるかを判定する相関処理
手段と、同一目標と判定された角度航跡の対に基づき前
記各角度センサからの目標の距離および距離変化率を算
出する距離および距離変化率算出手段とを備えるように
構成したので、各情報処理装置に要求される計算負荷が
高い反面、比較的高い追尾精度が期待でき、また情報統
合装置に要求される計算負荷が低く、例えば、角度セン
サ数が大きい状況で、比較的高い追尾精度が要求される
場合の運用に有効な多目標追尾装置を得ることができる
効果がある。
【0152】請求項9記載の発明によれば、目標および
不要信号の仰角および方位角の2次元方向角度データを
出力する複数の角度センサと、各角度センサに付随して
各角度センサの探知した前記目標の航跡情報を処理する
情報処理装置と、前記各情報処理装置と交信し前記複数
の角度センサの航跡情報を統合する情報統合装置を有
し、前記情報処理装置は前記角度センサが探知した各目
標ごとに、目標の角度と角速度とからなる角度航跡およ
びその誤差評価量を算出して前記情報統合装置に送信す
る角度追尾手段を備え、前記情報統合装置は角度航跡間
のどの対が同一目標のものであるかを判定する相関処理
手段と、同一目標と判定された角度航跡の対に基づき前
記各角度センサからの目標の距離および距離変化率を算
出する距離および距離変化率算出手段と、目標の3次元
空間での位置および速度よりなる3次元航跡を算出する
3次元航跡算出手段と、前記3次元航跡の誤差評価量を
算出する3次元航跡誤差評価量算出手段と、複数の角度
センサのいずれかよりの新たな探知データが得られるた
びに、3次元航跡およびその誤差評価量を更新して目標
の3次元追尾を行う航跡維持手段とを備えるように構成
したので、情報統合装置に要求される計算負荷が高い反
面、きわめて高い追尾精度が期待でき、例えば、目標
数、角度センサ数がともに比較的小さい状況で、極めて
高い追尾精度を要求される場合に有効な多目標追尾装置
を得ることができる効果がある。
【0153】請求項10記載の発明によれば、相関処理
手段は、任意の2つの角度センサよりの目標方向単位ベ
クトルと一方の角度センサより見た他方の角度センサの
相対位置を示すベクトルで構成される行列の行列式を算
出し、この行列式の値がその誤差評価量の範囲内でゼロ
に近い値であるか否かによって相関判定を行う角度相関
手段と、前記行列式の時間微分値を算出し、この時間微
分値がその誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか
否かを判定することによって相関判定を行う角速度相関
手段とを備えるように構成したので、複数の異なる目標
が同一の目標面内に一時的に存在する場合に発生する偽
像を効果的に排除し、角度航跡間の正しい相関関係を判
定する多目標追尾装置を得ることができる効果がある。
【0154】請求項11記載の発明によれば、相関処理
手段は、任意の2つの角度センサよりの目標方向単位ベ
クトルと一方の角度センサより見た他方の角度センサの
相対位置を示すベクトルで構成される行列の行列式を算
出し、この行列式の値がその誤差評価量の範囲内でゼロ
に近い値であるか否かによって相関判定を行う角度相関
手段と、前記行列式の時間微分値を算出し、この時間微
分値がその誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか
否かを判定することによって相関判定を行う角速度相関
手段と、同一目標と判定された角度航跡の対より、目標
の3次元位置および該3次元位置の誤差評価量を算出
し、前記任意の2つの角度センサとは別の第3の角度セ
ンサから与えられた角度データが、前記3次元位置の誤
差評価量および第3の角度センサの観測精度の範囲内で
存在するか否かにより偽像でないか否かを判定する偽像
検出手段とを備えるように構成したので、複数の角度セ
ンサからの探知情報により目標の3次元空間における位
置および速度等の運動諸元を算出することによる3次元
追尾が可能であり、偽像を削減することにより信頼性の
高い3次元航跡を得ることができる。また、複数の異な
る目標が同一の目標面内に継続的に存在する場合に発生
する偽像を効果的に排除し、角度航跡間の正しい相関関
係を判定する多目標追尾装置を得ることができる効果が
ある。
【0155】請求項12記載の発明によれば、相関処理
手段は、任意の2つの角度センサよりの目標方向単位ベ
クトルと一方の角度センサより見た他方の角度センサの
相対位置を示すベクトルで構成される行列の行列式を算
出し、この行列式の値がその誤差評価量の範囲内でゼロ
に近い値であるか否かによって相関判定を行う角度相関
手段と、前記行列式の時間微分値を算出し、この時間微
分値がその誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか
否かによって相関判定を行う角速度相関手段と、各角度
航跡が予め想定した各属性種類のいずれに属するかを推
定した属性信頼度に基づき、前記角度航跡の対が同一属
性であるか否かにより偽像でないか否かを判定する属性
相関手段とを備えるように構成したので、複数の異なる
目標が同一の目標面内に継続的に存在する場合に発生す
る偽像を効果的に排除し、角度航跡間の正しい相関関係
を判定する多目標追尾装置を得ることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態による多目標追尾装置
の運用例を説明する図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による多目標追尾装
置の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による多目標追尾装
置の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による多目標追尾装
置の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による多目標追尾装
置で使用する相関器の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態5による多目標追尾装
置で使用する相関器の構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態6による多目標追尾装
置で使用する相関器の構成を示すブロック図である。
【図8】 角度センサを原点とする3次元座標系を説明
する図である。
【図9】 2つの角度センサと目標との位置関係を説明
する図である。
【図10】 従来の目標相関装置の構成を示すブロック
図である。
【図11】 従来の目標相関装置における目標面および
傾角の概念を説明する図である。
【図12】 2つの角度センサによる2目標追尾で発生
する偽像の例を説明する図である。
【符号の説明】
1 目標、2 第1の角度センサ(角度センサ)、3
第2の角度センサ(角度センサ)、4,5 情報処理装
置、6 情報統合装置、11a,11b 角度追尾器
(角度追尾手段)、12 相関器(相関処理手段)、1
3 距離/距離変化率算出器(距離および距離変化率算
出手段)、14a,14b 3次元航跡算出器(3次元
航跡算出手段)、15a,15b 3次元航跡誤差評価
量算出器(3次元航跡誤差評価量算出手段)、16a,
16b 航跡維持器(航跡維持手段)、21 角度相関
器(角度相関手段)、22 角速度相関器(角速度相関
手段)、24 偽像検出器(偽像検出手段)、25a,
25b 属性信頼度算出器(属性信頼度算出手段)、2
6 属性相関器(属性相関手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−113859(JP,A) 特開 平6−94830(JP,A) 特開 平5−288840(JP,A) 実開 平5−19979(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 5/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角度センサが探知した複数の目標および
    不要信号の仰角および方位角の2次元方向角度データよ
    り、各目標ごとに、目標の角度と角速度とからなる角度
    航跡およびその誤差評価量を算出し、 複数の角度センサの各々について算出した角度航跡間の
    どの対が同一目標のものであるかを判定し、同一目標と
    判定された角度航跡の対に基づく三角測量の原理に基づ
    いて各角度センサからの目標の距離および距離変化率を
    算出し、 この距離および距離変化率と上記算出したこの目標の角
    度航跡とに基づき、目標の3次元空間での位置および速
    度よりなる3次元航跡を算出し、 上記の一連の処理を各目標について繰り返すことによ
    り、目標の3次元追尾を行うことを特徴とする多目標追
    尾方法。
  2. 【請求項2】 角度センサが探知した複数の目標および
    不要信号の仰角および方位角の2次元方向角度データよ
    り、各目標ごとに、目標の角度と角速度とからなる角度
    航跡およびその誤差評価量を算出し、 複数の角度センサの各々について算出した角度航跡間の
    どの対が同一目標のものであるかを判定し、同一目標と
    判定された角度航跡の対に基づく三角測量の原理に基づ
    いて各角度センサからの目標の距離および距離変化率を
    算出し、 この距離および距離変化率と上記算出したこの目標の角
    度航跡とに基づき、目標の3次元空間での位置および速
    度よりなる3次元航跡と該3次元航跡の誤差評価量を算
    出し、 この3次元航跡およびその誤差評価量の算出値を初期値
    として目標の3次元追尾を開始し、当該角度センサより
    の新たな探知データが得られるたびに、この探知情報を
    反映して前記3次元航跡およびその誤差評価量を更新し
    て、目標の3次元追尾を行うことを特徴とする多目標追
    尾方法。
  3. 【請求項3】 角度センサが探知した複数の目標および
    不要信号の仰角および方位角の2次元方向角度データよ
    り、各目標ごとに、目標の角度と角速度とからなる角度
    航跡およびその誤差評価量を算出し、 複数の角度センサの各々について算出した角度航跡間の
    どの対が同一目標のものであるかを判定し、同一目標と
    判定された角度航跡の対に基づく三角測量の原理に基づ
    いて各角度センサからの目標の距離および距離変化率を
    算出し、 この距離および距離変化率と上記算出したこの目標の角
    度航跡とに基づき、目標の3次元空間での位置および速
    度よりなる3次元航跡と該3次元航跡の誤差評価量を算
    出し、 この3次元航跡およびその誤差評価量の算出値を初期値
    として目標の3次元追尾を開始し、前記複数の角度セン
    サのいずれかよりの新たな探知データが得られるたび
    に、この探知情報を反映して前記3次元航跡およびその
    誤差評価量を更新して、目標の3次元追尾を行うことを
    特徴とする多目標追尾方法。
  4. 【請求項4】 任意の2つの角度センサよりの目標方向
    単位ベクトルと一方の角度センサより見た他方の角度セ
    ンサの相対位置を示すベクトルの計3つのベクトルで構
    成される行列の行列式を算出し、 この行列式の誤差評価量を算出して該行列式の値がその
    誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かによっ
    て相関判定を行い、上記行列式の時間微分値を算出して
    該時間微分値の誤差評価量を算出し、 上記行列式の時間微分値がその誤差評価量の範囲内でゼ
    ロに近い値であるか否かを判定することによって、目標
    の角度と角速度とからなる角度航跡の対が同一目標のも
    のであるか否かの相関判定を行うことを特徴とする請求
    項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の多目標追
    尾方法。
  5. 【請求項5】 任意の2つの角度センサよりの目標方向
    単位ベクトルと一方の角度センサより見た他方の角度セ
    ンサの相対位置を示すベクトルの計3つのベクトルで構
    成される行列の行列式を算出し、 この行列式の誤差評価量を算出して該行列式の値がその
    誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かによっ
    て相関判定を行い、上記行列式の時間微分値を算出して
    該時間微分値の誤差評価量を算出し、 上記行列式の時間微分値がその誤差評価量の範囲内でゼ
    ロに近い値であるか否かを判定することによって、目標
    の角度と角速度とからなる角度航跡の対が同一目標のも
    のであるか否かの相関判定を行い、同一目標と判定され
    た角度航跡の対より、前記2つの角度センサよりの目標
    距離を算出して目標の3次元位置および該3次元位置の
    誤差評価量を算出し、 前記2つの角度センサとは別の角度センサの前記3次元
    位置方向に相当する角度データが、上記3次元位置の誤
    差評価量および前記別の角度センサの観測精度の範囲内
    で存在するか否かにより偽像でないか否かを判定するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか
    1項記載の多目標追尾方法。
  6. 【請求項6】 任意の2つの角度センサよりの目標方向
    単位ベクトルと一方の角度センサより見た他方の角度セ
    ンサの相対位置を示すベクトルの計3つのベクトルで構
    成される行列の行列式を算出し、 この行列式の誤差評価量を算出して該行列式の値がその
    誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かによっ
    て相関判定を行い、上記行列式の時間微分値を算出して
    該時間微分値の誤差評価量を算出し、 上記行列式の時間微分値がその誤差評価量の範囲内でゼ
    ロに近い値であるか否かを判定することによって、目標
    の角度と角速度とからなる角度航跡の対が同一目標のも
    のであるか否かの相関判定を行い、同一目標と判定され
    た各角度航跡が予め想定した各属性種類のいずれに属す
    るかを推定した信頼度に基づき、前記角度航跡の対が同
    一属性であるか否かにより偽像でないか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれ
    か1項記載の多目標追尾方法。
  7. 【請求項7】 目標および不要信号の仰角および方位角
    の2次元方向角度データを出力する複数の角度センサ
    と、 各角度センサに付随して各角度センサの探知した前記目
    標の航跡情報を処理する情報処理装置と、 前記各情報処理装置と交信し前記複数の角度センサの航
    跡情報を統合する情報統合装置を有し、 前記情報処理装置は前記角度センサが探知した各目標ご
    とに、目標の角度と角速度とからなる角度航跡およびそ
    の誤差評価量を算出して前記情報統合装置に送信する角
    度追尾手段と、前記情報統合装置より受信した前記目標
    の距離および距離変化率と前記角度追尾手段により算出
    したこの目標の角度航跡に基づき目標の3次元空間での
    位置および速度よりなる3次元航跡を算出し、上記の一
    連の処理を各目標について繰り返すことにより、目標の
    3次元追尾を行う3次元航跡算出手段を備え、 前記情報統合装置は前記各情報処理装置より受信した角
    度航跡間のどの対が同一目標のものであるかを判定する
    相関処理手段と、前記相関処理手段において同一目標と
    判定された角度航跡の対に基づき前記各角度センサから
    の目標の距離および距離変化率を算出して前記情報処理
    装置に送信する距離および距離変化率算出手段とを備え
    た多目標追尾装置。
  8. 【請求項8】 目標および不要信号の仰角および方位角
    の2次元方向角度データを出力する複数の角度センサ
    と、 各角度センサに付随して各角度センサの探知した前記目
    標の航跡情報を処理する情報処理装置と、 前記各情報処理装置と交信し前記複数の角度センサの航
    跡情報を統合する情報統合装置を有し、 前記情報処理装置は前記角度センサが探知した各目標ご
    とに、目標の角度と角速度とからなる角度航跡およびそ
    の誤差評価量を算出して前記情報統合装置に送信する角
    度追尾手段と、前記情報統合装置より受信した前記目標
    の距離および距離変化率と前記角度追尾手段により算出
    したこの目標の角度航跡に基づき目標の3次元空間での
    位置および速度よりなる3次元航跡を算出する3次元航
    跡算出手段と、前記3次元航跡の誤差評価量を算出する
    3次元航跡誤差評価量算出手段と、前記3次元航跡およ
    びその誤差評価量の算出値を初期値として目標の3次元
    追尾を開始し、当該角度センサよりの新たな探知データ
    が得られるたびに、この探知情報を反映して3次元航跡
    およびその誤差評価量を更新して目標の3次元追尾を行
    う航跡維持手段とを備え、 前記情報統合装置は前記各情報処理装置より受信した角
    度航跡間のどの対が同一目標のものであるかを判定する
    相関処理手段と、前記相関処理手段において同一目標と
    判定された角度航跡の対に基づき前記各角度センサから
    の目標の距離および距離変化率を算出して前記情報処理
    装置に送信する距離および距離変化率算出手段とを備え
    た多目標追尾装置。
  9. 【請求項9】 目標および不要信号の仰角および方位角
    の2次元方向角度データを出力する複数の角度センサ
    と、 各角度センサに付随して各角度センサの探知した前記目
    標の航跡情報を処理する情報処理装置と、 前記各情報処理装置と交信し前記複数の角度センサの航
    跡情報を統合する情報統合装置を有し、 前記情報処理装置は前記角度センサが探知した各目標ご
    とに、目標の角度と角速度とからなる角度航跡およびそ
    の誤差評価量を算出して前記情報統合装置に送信する角
    度追尾手段を備え、 前記情報統合装置は前記各情報処理装置より受信した角
    度航跡間のどの対が同一目標のものであるかを判定する
    相関処理手段と、前記相関処理手段において同一目標と
    判定された角度航跡の対に基づき前記各角度センサから
    の目標の距離および距離変化率を算出する距離および距
    離変化率算出手段と、前記距離および距離変化率算出手
    段により算出した前記目標の距離および距離変化率と前
    記情報処理装置より受信したこの目標の角度航跡に基づ
    き目標の3次元空間での位置および速度よりなる3次元
    航跡を算出する3次元航跡算出手段と、前記3次元航跡
    の誤差評価量を算出する3次元航跡誤差評価量算出手段
    と、前記3次元航跡およびその誤差評価量の算出値を初
    期値として目標の3次元追尾を開始し、複数の角度セン
    サのいずれかよりの新たな探知データが得られるたび
    に、この探知情報を反映して3次元航跡およびその誤差
    評価量を更新して目標の3次元追尾を行う航跡維持手段
    とを備えた多目標追尾装置。
  10. 【請求項10】 相関処理手段は、任意の2つの角度セ
    ンサよりの目標方向単位ベクトルと一方の角度センサよ
    り見た他方の角度センサの相対位置を示すベクトルの計
    3つのベクトルで構成される行列の行列式を算出し、こ
    の行列式の誤差評価量を算出して前記行列式の値がその
    誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かによっ
    て相関判定を行う角度相関手段と、 前記行列式の時間微分値を算出し、この時間微分値の誤
    差評価量を算出して前記行列式の時間微分値がその誤差
    評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かを判定する
    ことによって相関判定を行う角速度相関手段とを備え、 前記任意の2つの角度センサの情報処理装置より入力さ
    れる角度航跡の対が同一目標のものであるか否かの相関
    判定をすることを特徴とする請求項7から請求項9のう
    ちのいずれか1項記載の多目標追尾装置。
  11. 【請求項11】 相関処理手段は、任意の2つの角度セ
    ンサよりの目標方向単位ベクトルと一方の角度センサよ
    り見た他方の角度センサの相対位置を示すベクトルの計
    3つのベクトルで構成される行列の行列式を算出し、こ
    の行列式の誤差評価量を算出して前記行列式の値がその
    誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かによっ
    て相関判定を行う角度相関手段と、 前記行列式の時間微分値を算出し、この時間微分値の誤
    差評価量を算出して前記行列式の時間微分値がその誤差
    評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かを判定する
    ことによって相関判定を行う角速度相関手段と、 前記角度相関手段と角速度相関手段により同一目標と判
    定された角度航跡の対より、前記任意の2つの角度セン
    サよりの目標距離を算出することにより、目標の3次元
    位置および該3次元位置の誤差評価量を算出し、前記任
    意の2つの角度センサとは別の第3の角度センサから与
    えられた前記3次元位置方向に相当する角度データが、
    前記3次元位置の誤差評価量および第3の角度センサの
    観測精度の範囲内で存在するか否かにより偽像でないか
    否かを判定する偽像検出手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項7から請求項9のうちのいずれか1項記載の多
    目標追尾装置。
  12. 【請求項12】 相関処理手段は、任意の2つの角度セ
    ンサよりの目標方向単位ベクトルと一方の角度センサよ
    り見た他方の角度センサの相対位置を示すベクトルの計
    3つのベクトルで構成される行列の行列式を算出し、こ
    の行列式の誤差評価量を算出して前記行列式の値がその
    誤差評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かによっ
    て相関判定を行う角度相関手段と、 前記行列式の時間微分値を算出し、この時間微分値の誤
    差評価量を算出して前記行列式の時間微分値がその誤差
    評価量の範囲内でゼロに近い値であるか否かによって相
    関判定を行う角速度相関手段と、 各角度航跡が予め想定した各属性種類のいずれに属する
    かを推定した属性信頼度算出手段からの属性信頼度に基
    づき、前記角度航跡の対が同一属性であるか否かにより
    偽像でないか否かを判定する属性相関手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項7から請求項9のうちのいずれか
    1項記載の多目標追尾装置。
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