JP2018025556A - 位置標定システム、および位置標定方法 - Google Patents

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Atsushi Kuroda
淳 黒田
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Abstract

【課題】複数の対象物の位置推定精度の向上を図った位置標定システム、および位置標定方法を提供すること。【解決手段】互いに独立して配置され、複数の対象物M1,M2に対する方位角をそれぞれ測定する少なくとも3つの測角センサS1,S2,S3と、3つの測角センサS1,S2,S3から対象物M1へそれぞれ延びる3つの方位線l11,l21,l31が交差するか否かを判定する交差判定部12と、交差判定部12が3つの方位線l11,l21,l31が交差すると判定した場合に、3つの方位線からみなし交点P123を算出し、このみなし交点P123を対象物M1の位置と推定する位置推定部13とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、測角センサを用いて対象の位置を推定する位置標定システム、および位置標定方法に関する。
一般に、捜索対象や欠陥などの対象物(目標ともいう)の位置を推定する場合、対象物に対する方位角を測定する測角センサを複数用いて、三角測量の原理に基づき、各測角センサから対象物に延びる方位線の交点から推定することできる。一方で、対象物が複数存在する場合には、測角センサから各対象物にそれぞれ延びる方位線は、対象物の個数が求められるため、各方位線の交点が対象物の真の位置以外の箇所(以下、虚像という)にも現れることとなる。このため、この虚像の存在により、実際よりも多くの個数の対象物が存在すると誤認識し、対象物の位置の推定精度が著しく劣化する問題がある。
このような問題を解決するために、従来、各目標の実測データとセンサ位置と実測データがどの目標から得られるかの可能性係数を目標毎に設定した分類データを入力とし、実測値との差を少なくするよう、目標の仮の位置の集まりで表されるクラスタ特性データを出力するクラスタ特性データ最適化手段と、クラスタ特性データと実測データとセンサ位置とを入力とし、実測値との差を少なくするよう、各実測データが各目標から得られる新しい可能性係数を目標毎に再設定し新しい分類データとしてクラスタ特性データ最適化手段と分類評価値算出手段に出力する分類データ最適化手段と、これらを入力とし、分類評価値を算出する分類評価値算出手段を備えた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。複数の目標に対する状態推定を行う技術として、カルマンフィルタをベースとするPHDフィルタが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
特開平09−304520号公報
B-N. Vo and W-K. Ma, "The Gaussian Mixture Probability Hypothesis Density Filter," IEEE Trans. Signal Processing, vol.54, no.11, pp.4091-4104, Nov., 2006.
特許文献1に記載の技術は、同一対象を指し示すと推定した方位線の組み合わせを出力し、虚像を排除することを目的としている。しかしながら、現実には、測角センサが計測した方位角の実測値には観測誤差が存在するため、仮に虚像をすべて排除できたとしても、対象物の位置推定には誤差が含まれ、推定精度の低下が懸念される。さらに、上記特許文献1に記載の技術は、対象物の位置推定にあたり、対象物の数の真値を予め入力する必要があり、対象物の数が不明の場合や変化する場合には、対象物の位置推定が困難であった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、複数の対象物の位置推定精度の向上を図った位置標定システム、および位置標定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る位置標定システムは、互いに独立して配置され、複数の対象物に対する方位角をそれぞれ測定する少なくとも3つの測角センサと、3つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる3つの方位線が交差するか否かを判定する交差判定部と、交差判定部が3つの方位線が交差すると判定した場合に、3つの方位線からみなし交点を算出し、このみなし交点を対象物の位置と推定する位置推定部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、3つの方位線からみなし交点を算出し、このみなし交点を対象物の位置と推定するため、対象物の位置を精度良く推定することができる。また、3つの方位線が交差するか否かを判定することで対象物の位置を推定するため、従来のように、対象物の数の真値を予め入力する必要はなく、対象物の数が不明の場合や変化する場合でも容易に対象物の位置推定ができる。
この構成において、交差判定部は、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点を算出し、この交点を中心とする所定の誤差半径の円の内側を、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線が通過する場合に、3つの方位線は交差すると判定してもよい。
また、交差判定部は、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点と、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線との距離を算出し、この距離が交点を中心とする円の所定の誤差半径よりも小さい場合に、3つの方位線は交差すると判定してもよい。
また、誤差半径は、測角センサの測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されてもよい。また、誤差半径は、任意に選択された2つの測角センサのうち、測角誤差の大きい測角センサにおける測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されてもよい。
また、位置推定部は、3つの方位線から最小二乗法を用いてみなし交点を算出してもよい。また、所定の運動モデルに基づく状態推定フィルタを用いた対象物の状態推定によって、みなし交点の値を補正する補正部を備えてもよい。
また、本発明に係る位置標定システムは、互いに独立して配置され、複数の対象物に対する方位線の方向ベクトルを規定する方位角及び天頂角をそれぞれ測定する少なくとも3つの測角センサと、現在または過去の所定期間内に、すべての測角センサから一の対象物へそれぞれ延びるすべての方位線が交差した全線交差点を記憶する記憶部と、任意に選択された複数の測角センサから該対象物へそれぞれ延びる方位線が交差する複数の交点を算出する交点算出部と、全線交差点に基づき、複数の交点の尤度をそれぞれ判定する尤度判定部と、尤度の大きさに基づいて一の交点を抽出し、該交点を一の対象物の位置と推定する位置推定部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、現在または過去の全線交差点に基づいて交点の尤度を判定し、この尤度の大きさから交点の位置を対象物の位置と推定するため、測角センサが対象物を常時検出できなくても、対象物の位置を精度良く推定することができる。
また、尤度判定部は、全線交差点との距離が最も短い交点の尤度を最も高く判定する構成としてもよい。
また、予め複数の対象物が近接して存在することが判明している場合、尤度判定部は、一の交点の尤度を、該交点の所定範囲内に存在する他の交点の数に応じて高める補正をしてもよい。
また、交点算出部は、測角センサが対象物を検出する検出確率が高くなるにつれて、選択される測角センサの数を増やしてもよい。
また、記憶部は、対象物と測角センサとの相対速度と、測角センサの測定周期との積が大きくなるにつれて、所定期間を短くしてもよい。
また、すべての測角センサから一の対象物へそれぞれ延びるすべての方位線の最接近点を算出すると共に、この最接近点を中心とした所定の誤差領域内を、すべての方位線が通過する場合に、該最接近点を全線交差点と判定する交差判定部を備えてもよい。
本発明に係る位置標定方法は、少なくとも3つの測角センサを用いて、複数の対象物に対する方位角をそれぞれ測定する測角ステップと、3つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる3つの方位線が交差するか否かを判定する交差判定ステップと、3つの方位線が交差すると判定された場合に、3つの方位線からみなし交点を算出し、このみなし交点を対象物の位置と推定する位置推定ステップと、を備えたことを特徴とする。
この構成において、交差判定ステップは、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点を算出し、この交点を中心とする所定の誤差半径の円の内側を、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線が通過する場合に、3つの方位線は交差すると判定してもよい。
また、交差判定ステップは、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点と、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線との距離を算出し、この距離が交点を中心とする円の所定の誤差半径よりも小さい場合に、3つの方位線は交差すると判定してもよい。
また、交差判定ステップにおいて、誤差半径は、測角センサの測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されてもよい。また、交差判定ステップにおいて、誤差半径は、任意に選択された2つの測角センサのうち、測角誤差の大きい測角センサにおける測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されてもよい。
また、位置推定ステップは、3つの方位線から最小二乗法を用いてみなし交点を算出してもよい。また、所定の運動モデルに基づく状態推定フィルタを用いた対象物の状態推定によって、みなし交点の値を補正する補正ステップを備えてもよい。
本発明に係る位置標定方法は、少なくとも3つの測角センサを用いて、複数の対象物に対する方位線の方向ベクトルを規定する方位角及び天頂角をそれぞれ測定する測角ステップと、現在または過去の所定期間内に、すべての測角センサから一の対象物へそれぞれ延びるすべての方位線が交差した全線交差点を算出して記憶する全線交差点記憶ステップと、任意に選択された複数の測角センサから該対象物へそれぞれ延びる方位線が交差する複数の交点を算出する交点算出ステップと、全線交差点に基づき、複数の交点の尤度をそれぞれ判定する尤度判定ステップと、尤度の大きさに基づいて一の交点を抽出し、該交点を一の対象物の位置と推定する位置推定ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、尤度判定ステップにおいて、全線交差点との距離が最も短い交点の尤度を最も高く判定してもよい。
また、予め複数の対象物が近接して存在することが判明している場合、尤度判定ステップにおいて、一の交点の尤度を、該交点の所定範囲内に存在する他の交点の数に応じて高める補正をしてもよい。
また、交点算出ステップにおいて、測角センサが対象物を検出する検出確率が高くなるにつれて、選択される測角センサの数を増やしてもよい。
また、全線交差点記憶ステップは、対象物と測角センサとの相対速度と、測角センサの測定周期との積が大きくなるにつれて、所定期間が短く設定されてもよい。
すべての測角センサから一の対象物へそれぞれ延びるすべての方位線の最接近点を算出すると共に、この最接近点を中心とした所定の誤差領域内を、すべての方位線が通過する場合に、該最接近点を全線交差点と判定する交差判定ステップを備えてもよい。
本発明によれば、3つの方位線からみなし交点を算出し、このみなし交点を対象物の位置と推定するため、対象物の位置を精度良く推定することができる。また、3つの方位線が交差するか否かを判定することで対象物の位置を推定するため、従来のように、対象物の数の真値を予め入力する必要はなく、対象物の数が不明の場合や変化する場合でも容易に対象物の位置推定ができる。
また、本発明によれば、現在または過去の全線交差点に基づいて交点の尤度を判定し、この尤度の大きさから交点の位置を対象物の位置と推定するため、測角センサが対象物を常時検出できなくても、対象物の位置を精度良く推定することができる。
図1は、第1実施形態に係る位置標定システムの概略構成を示すブロック図である。 図2は、位置標定システムが対象物の位置推定を行う手順を示すフローチャートである。 図3は、交差判定ステップの判定手順を説明する図である。 図4は、第2実施形態に係る位置標定システムの概略構成を示すブロック図である。 図5は、方向ベクトルを規定する方位角と天頂角とを説明するための図である。 図6は、位置標定システムが対象物の位置推定を行う手順を示すフローチャートである。 図7は、PHDフィルタを用いた演算処理の手順を示すフローチャートである。 図8は、交差判定ステップの判定手順を説明する図である。 図9は、全線交差点と各方位線の交点との配置関係の一例を示す図である。 図10は、検出確率と選択される測角センサの数との関係の一例を示すグラフである。 図11は、時間窓幅と、測角センサに対する測角センサの相対速度と測角センサの測定周期との積と、の関係を示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る位置標定システムの概略構成を示すブロック図である。位置標定システム1は、測角センサを用いて、例えば、捜索対象や欠陥などの対象物の位置を推定する。図1には、一例として、3つの測角センサS,S,Sを用いて、2つの対象物M,Mの位置を推定する場合について説明する。本実施形態では、測角センサから対象物へと向かう所定の一方向をX方向とし、このX方向に水平方向に直交する方向をY方向とする。測角センサは、少なくとも3つ備えていれば数を限るものではなく、また、対象物についても、複数であれば数を限るものではない。ここで、2つの対象物M,Mは、例えば、地表面のような同一平面(XY平面)上に存在する物体であり、静止するものであっても、自由に移動するものであってもよい。
位置標定システム1は、図1に示すように、3つの測角センサS,S,Sと、これら測角センサS,S,Sの計測値に基づき演算処理を行う演算処理部10とを備える。測角センサS〜Sは、Y方向に所定間隔をあけ、互いに独立して配置されており、演算処理部10と有線または無線により通信可能に接続されている。測角センサS,S,Sは、対象物M,Mからの信号(音波、光波、電波など)を受信して、この信号の発信方向を方位角として計測する。例えば、測角センサとして、対象物M,Mが発する音声信号を受信するマイクを用いることができる。また、測角センサとして、周囲を撮影するカメラを用いて、撮影した画像情報に対象物を示す所定形状が存在するか否かを画像処理などにて識別する構成としてもよい。
方位角は、図1に示すX方向に延びる基準線5となす角として定義され、例えば、測角センサSから対象物M,Mにそれぞれ延びる方位線l11,l12(l1p,p=1、2)の方位角は、方位角θ11,θ12(θ1p,p=1、2)として表される。同様に、測角センサSから対象物M,Mにそれぞれ延びる方位線l21,l22(l2q,q=1、2)の方位角は、方位角θ21,θ22(θ2q,q=1、2)として表され、測角センサSから対象物M,Mにそれぞれ延びる方位線l31,l32(l3r,r=1、2)の方位角は、方位角θ31,θ32(θ3r,r=1、2)として表される。測角センサS〜Sは、それぞれ自己の位置情報を既知の情報として有しており、この位置情報と同時に計測した方位角(計測値)θ1p,θ2q,θ3rとを演算処理部10に順次送信する。なお、本実施形態では、測角センサS〜Sは、所定位置に固定設置されたものとするが、例えば、GPS(Global Positioning System)信号に基づき、自己の位置情報を取得可能な構成とすれば、測角センサS〜Sを移動体に搭載してもよい。
演算処理部10は、図1に示すように、データ受信部11、交差判定部12、位置推定部13、補正部14、表示部15、および制御部16とを備える。データ受信部11は、測角センサS,S,Sから順次送信される方位角θ1p,θ2q,θ3rを受信する。交差判定部12は、受信した方位角θ1p,θ2q,θ3rの情報に基づいて、測角センサS,S,Sから対象物M,Mに向けてそれぞれ延びる方位線l1p,l2q,l3rが交差するか否かを判定する。本実施形態では、交差するとは、方位線l1p,l2q,l3rが1点で交差するだけでなく、各方位線が所定領域内に存在する(所定領域内を通過する)場合を含む。位置推定部13は、交差判定部12が3本の方位線l1p,l2q,l3rが交差すると判定した場合、その交差した位置を対象物M,Mと推定する。また、交差判定部12が3本の方位線l1p,l2q,l3rのうち、2本の方位線のみが交差すると判定した場合には、位置推定部13は、その交点20,21,22は虚像であると推定する。
補正部14は、所定の運動モデルに基づく状態推定フィルタを用いた状態推定によって、位置推定部13が推定した対象物M,Mの位置を補正する。状態推定フィルタとして、例えば、カルマンフィルタや粒子フィルタを用いることができる。測角センサS,S,Sが計測する方位角は瞬時値であるため、この状態推定により、瞬時値のばらつきを抑圧することができ、測角誤差に起因する位置推定誤差を抑圧できる。
表示部15は、例えば、ディスプレイ装置であり、推定した対象物M,Mの位置情報を表示する。制御部16は、位置標定システム1の動作を司るものであり、測角センサS,S,S、データ受信部11、交差判定部12、位置推定部13、補正部14を制御して、対象物M,Mの位置を推定する動作を実行する。次に、位置標定方法の動作手順について説明する。
図2は、位置標定システムが対象物の位置推定を行う手順を示すフローチャートである。制御部16の制御下、3つの測角センサS,S,Sは、すべての対象物M,Mに対する方位角θ1p,θ2q,θ3rを計測する(ステップS1)。本実施形態では、説明の便宜上、対象物M,Mを2つとしているが、実際の計測動作では、対象物の個数は不明である。このため、測角センサS,S,Sがそれぞれ受信した受信信号に基づき、受信信号が発せられた方向に位置する対象物を仮定し、この対象物に対する方位角θ1p,θ2q,θ3rを計測する。
次に、各測角センサS,S,Sの計測情報を演算処理部10に集約する(ステップS2)。この計測情報には、測角センサS,S,Sが計測した方位角θ1p,θ2q,θ3r(計測値)のみならず、測角センサS,S,Sの位置情報が含まれる。これらの計測情報により、測角センサS,S,Sから対象物M,Mへと延びる方位線l1p,l2q,l3rが想定される。
次に、交差判定部12は、測角センサSが計測した方位角θ1pから1つの方位角θ11を選択する(ステップS3)。この場合、方位角θ11の選択に伴い、方位角θ11に対応する方位線l11が選択される。次に、交差判定部12は、測角センサSが計測した方位角θ2qから1つの方位角θ21を選択する(ステップS4)。この場合、方位角θ21の選択に伴い、方位角θ21に対応する方位線l21が選択される。ステップS4で選択された方位角θ21(方位線l21)は、上記した方位角θ11(方位線l11)と組つけて後述する判定処理を行う。
交差判定部12は、選択した方位角θ21(θ2q)は既に使用済であるかを判定する(ステップS5)。具体的には、選択された方位角θ21が既に他の方位角と組みつけられているかを判定する。既に使用済であれば(ステップS5;Yes)、qに1を加える処置を施した(ステップS6)のち、処理をステップS4に戻して方位角θ2qから次の方位角θ22を選択する。また、使用済でなければ(ステップS5;No)、選択された2つの方位線の交点Ppq(この例では交点P12)の座標を算出する(ステップS7)。
ここで、本実施形態では、測角センサS,Sの位置情報、および測角センサS,Sから対象物M,Mへと延びる2本の方位線l11,l21の方位角θ11,θ21が判っているため、2本の方位線l11,l21を示す一次関数式に基づいて、交点Ppq(この例では交点P12)の座標(X12,Y12)が算出される。
次に、測角センサSのすべての方位線l3rと交点Ppqとの距離drを算出する(ステップS8)。この場合、方位線l3rは、測角センサSの座標を(X,Yとすると、式(1)で表すことができる。
Figure 2018025556
このため、方位線l3rと交点Ppqとの距離drは、式(2)で表すことができる。
Figure 2018025556
この式(2)に基づき、方位線l31,l32と、交点P12との各距離d,dを算出し、この中から最短距離dminを抽出する(ステップS9)。
次に、交差判定部12は、3本の方位線l11,l21,l31が交差するか否かを判定する。測角センサS,S,Sで測定された方位角は測定誤差があるため、1点で交わることは難しい。このため、本実施形態では、3本の方位線l11,l21,l31が交差するか否かを簡易的に判定している。具体的には、図3に示すように、判定に際し、交点Ppq(交点P12)を中心とする円50の誤差半径Rerrを算出する(ステップS10)。誤差半径Rerrは、測角センサS,Sの測角誤差の標準偏差σに基づいて設定されるものであり、例えば、本実施形態では、標準偏差σの3倍である3σまで考慮した値となっている。この誤差半径Rerrは、適宜変更することができ、例えば、測角センサS,Sの測角誤差が異なる場合には、測角誤差が大きい方の測角センサの測角誤差の標準偏差σを用いるのが好ましい。この構成では、測角誤差に考慮した誤差半径Rerrを設定できる。
次に、交差判定部12は、式(3)に基づいて、最短距離dminと誤差半径Rerrとの大きさを比較する。
Figure 2018025556
すなわち、方位線l31が誤差半径Rerrの円50内を通過するか否かを判定する。この判定において、距離dmin≦誤差半径Rerrでなければ(ステップS11;No)、方位線l31が誤差半径Rerrの円50内を通過しないため、3本の方位線l11,l21,l31は交差しないと判定し、処理をステップS6に移行する。
一方、距離dmin≦誤差半径Rerrであれば(ステップS11;Yes)、3本の方位線l11,l21,l31が交差するみなし交点Ppqr(この例では交点P123)を算出する(ステップS12)。本実施形態では、みなし交点pqrは最小二乗法によって算出される。具体的には、交差すると判定された3本の方位線l11,l21,l31(便宜上、方位線l,l,lと記す)が得られた場合、各方位線は、式(4)で示すことができる。
Figure 2018025556
図3に示すように、方位線l11,l21は、交差するものの、方位線l31も含めた3つの直線の最近傍点は交点Ppq(交点P12)と一致せず、改めて計算する必要がある。これらの最近傍点をみなし交点Ppqr(xpqr,ypqrとすると、式(5)が成立する。
Figure 2018025556
この式(5)は、いわゆる優決定系であるため、最小二乗法を用いることにより、みなし交点Ppqr(交点P123)の座標を算出することができ、このみなし交点P123に対象物が存在すると推定できる。これにより、誤差の影響で確実に交わらない3本の方位線を仮想的に交わったものとみなすことができ、みなし交点Ppqrの位置から対象物の存在する位置を推定できる。また、この構成では、3本の方位線l11,l21,l31が交差するみなし交点Ppqrに対象物が存在すると推定するため、対象物の個数が不明な場合であっても、対象物Mの位置を精度良く推定することができる。なお、式(3)において、距離dminが0であった場合には、交点Ppq(交点P12)上で3本の方位線l11,l21,l31が交差するため、この交点Ppqをみなし交点Ppqrとすればよい。
さて、上記した計算により、測角センサS,S,Sを用いて対象物の位置を計測することができる。特に、最小二乗法を用いることにより、みなし交点Ppqr(交点P123)の座標を算出することで、このみなし交点P123に対象物が存在すると精度良く推定することができる。一方で、上記したみなし交点Ppqr(交点P123)の値は、測角センサS,S,Sの測角誤差の影響を受けた瞬時値であるため、時系列で評価すると、対象物M,Mの位置変化が急峻であるなど、実際の対象物M,Mの挙動とは大きく異なっている可能性がある。また、対象物M,Mが移動体であり、位置だけでなくその速度や加速度などの運動パラメータを推定しなければならない場合には、差分処理の影響で更にばらつきが大きくなる。
このため、本実施形態では、みなし交点Ppqrに状態推定による平滑化処理を施す(ステップS13)。具体的には、対象物M,Mの運動モデルを導入して状態推定を行い、誤差の影響を抑圧している。その運動モデルは、式(6)の状態方程式で示される。
Figure 2018025556
この式は、対象物M,Mの現在の位置が直前の位置と強い相関があることを意味しており、対象物M,Mの動きをこの式で拘束している。これにより、測角誤差の影響を抑圧し、実際の対象の動き(静止を含む)に即した位置推定が可能となる。また、Tsとkは、それぞれ図2のフローチャートを1回実施する際の処理時間とサンプリングのインデクスを表している。
また、観測方程式は式(7)で示される。
Figure 2018025556
この場合の観測値は、上記したステップS12で得た位置の瞬時値(xpqr(k),ypqr(k))であり、この観測値と上述の運動モデルに基づいて,カルマンフィルタや粒子フィルタ等の状態推定手法を適用することで、測定された方位角の観測誤差を抑圧して対象物M,Mの位置を含む運動パラメータを推定できる。このため、対象物M,Mの位置をより精度良く推定することができる。なお、この状態推定は、対象物M,Mが移動する場合だけでなく、静止している場合にも適用することができる。
次に、制御部16は、全対象物の位置を推定したか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、各測角センサS,S,Sから延びる方位線の数(2本)と同じ数の対象物M,Mの位置が推定されたか否かを判定する。この判定において、全対象物の位置が推定されていない場合(ステップS14;No)には、pに1を加える処置を施した(ステップS15)のち、処理をステップS3に戻して方位角θ1pから次の方位角θ12を選択して処理を実行する。一方、全対象物の位置が推定されている場合(ステップS14;Yes)には、処理を終了する。
以上、説明したように、本実施形態によれば、3つの方位線l11,l21,l31からみなし交点P123を算出し、このみなし交点P123を対象物Mの位置と推定するため、対象物Mの位置を精度良く推定することができる。また、3つのl11,l21,l31が交差するか否かを判定することで対象物Mの位置を推定するため、従来のように、対象物の数の真値を予め入力する必要はなく、対象物の数が不明の場合や変化する場合でも対象物の位置推定ができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、上述のように、少なくとも3つの測角センサS,S,Sから延びる方位線l11,l21,l31からみなし交点P123を算出し、このみなし交点P123を対象物Mの位置と推定している。この構成では、すべて(例えば3つ)の測角センサS,S,Sが常時、対象物Mを検出(観測)する、すなわち検出確率が100%であることを前提としている。しかしながら、現実には、すべての測角センサS,S,Sが常時、すべて(例えば2つ)の対象物M,Mを検出できるとは限らず、センサ処理系の性能に起因した検出確率に応じて、対象物M,Mを見失う可能性がある。特に、対象物M,Mが測角センサS,S,Sから遠い位置に存在する場合には、相対的に検出確率が低くなるため、各測角センサS,S,Sが検出できる対象物M,Mは互いに異なることが想定される。従って、測角センサが対象物を常時検出できない場合には、みなし交点を正確に算出することができず、対象物の位置を推定する精度が悪い可能性があった。このため、第2実施形態では、測角センサが対象物を常時検出できない場合であっても、対象物の位置を精度良く推定できる構成について説明する。
図4は、第2実施形態に係る位置標定システムの概略構成を示すブロック図である。図5は、方向ベクトルを規定する方位角と天頂角とを説明するための図である。位置標定システム100は、測角センサを用いて、例えば、捜索対象や欠陥などの対象物の位置を推定する。図4には、U個(一例として4つ)の測角センサSO1,SO2,SO3,SO4を用いて、N個(一例として2つ)の対象物M,Mの位置を推定する場合が記載されている。測角センサの数は、少なくとも3つ備えていれば数を限るものではなく、3<U個であればよい。また、対象物についても、複数であれば数を限るものではなく、2<N個であればよい。第2実施形態では、図4に示すように、測角センサから対象物へと向かう所定の一方向をY方向とし、このY方向に水平方向に直交する方向をX方向とし、これらX方向及びY方向に高さ方向に直交する方向をZ方向とする。2つの対象物M,Mは、3次元空間(XYZ空間)に存在する物体であり、静止するものであっても、自由に移動するものであってもよい。
位置標定システム100は、図4に示すように、4つの測角センサSO1〜SO4と、これら測角センサSO1〜SO4の計測値に基づき演算処理を行う演算処理部30とを備える。測角センサSO1〜SO4は、3次元空間内に所定間隔をあけ、互いに独立して配置されており、演算処理部30と有線または無線により通信可能に接続されている。測角センサSO1〜SO4は、対象物M,Mからの信号(音波、光波、電波など)を受信して、この信号の発信方向の方位ベクトルを規定する方位角及び天頂角を計測する。
図5には、m番目の測角センサSOm(m=1、2、・・・U)からn番目の対象物Mに向けて延びる方向ベクトルvmnと、この方向ベクトルvmnに重なる方位線lmnとが示されている。この図5では、説明の便宜上、測角センサSOmを原点Oに配置している。この場合、方位角θmnは、図5に示すように、方向ベクトルvmnをXY平面に投影した線とX軸とのなす角として定義される。また、天頂角φmnは、方向ベクトルvmnとZ軸とのなす角として定義される。
測角センサSO1〜SO4は、それぞれ自己の位置情報を既知の情報として有しており、この位置情報と同時に計測した方位角θmn及び天頂角φmn(計測値)を演算処理部30に順次送信する。なお、本実施形態では、測角センサSO1〜SO4は、所定位置に固定設置されたものとするが、例えば、GPS信号に基づき、自己の位置情報を取得可能な構成とすれば、測角センサSO1〜SO4を移動体に搭載してもよい。
演算処理部30は、図4に示すように、データ受信部31、交差判定部32、記憶部33、交点算出部34、尤度判定部35、位置推定部36、検出確率算出部37、表示部38、および制御部39とを備える。
データ受信部31は、測角センサSO1〜SO4から順次送信される方位角θmn及び天頂角φmnを受信する。交差判定部32は、受信した方位角θmn及び天頂角φmnの情報に基づいて、すべての測角センサSO1〜SO4から対象物M(一の対象物)に向けてそれぞれ延びるすべての方位線lmn(l11,l21,l31,l41)が交差しているか否かを判定する。本実施形態では、交差するとは、すべての方位線l11,l21,l31,l41が1点で交差するだけでなく、各方位線が所定領域内に存在する(所定領域内を通過する)場合を含む。また、交差判定部32は、すべての方位線l11,l21,l31,l41が所定領域内に存在しない(所定領域内を通過しない)場合には、交差していないと判定する。なお、交差判定部32は、すべての測角センサSO1〜SO4から対象物M(一の対象物)に向けてそれぞれ延びるすべての方位線が交差するか否かについても判定するが、図4では、測角センサSO1〜SO4から対象物Mに向けて延びる方位線の記載を省略している。
記憶部33は、すべての方位線lmn(l11,l21,l31,l41)が交差した際に、この交差した全線交差点を記憶する。ここで、本実施形態では、すべての測角センサSO1〜SO4が、対象物M,Mを常時、検出(観察)できない事情を鑑み、現在のみならず、現在から遡った過去の所定期間内における複数の全線交差点を記憶する。
交点算出部34は、すべての測角センサSO1〜SO4の中から任意に選択された複数(例えば2本)の測角センサSO1,SO2から対象物Mへそれぞれ延びる方位線lmn(l11,l21)が交差する交点を算出する。選択される測角センサの数U´は、2以上U以下であればよい。この場合、交点算出部34は、測角センサの選択される組み合わせ(パターン)の数だけ、繰り返し複数の交点を算出する。例えば、4つの測角センサSO1〜SO4の中から任意に2つの測角センサを選択する組み合わせは、6パターンあるため、この6パターン分、方位線の交点を算出する。
尤度判定部35は、PHD(Probabilistic Hypothesis Density)フィルタを用いることにより、記憶部33に記憶された全線交差点の情報に基づいて、算出された複数の交点の尤度を判定する。PHDフィルタは、カルマンフィルタのような状態推定技術を複数の対象物に対して同時に行えるように提案された方法論であり、本願では、上記した非特許文献1のようにカルマンフィルタをベースとした実装方法を採用している。一般に、方位線lmnの数が増えるほど、これら方位線lmnが交差した交点(例えば、全線交差点)に対象物が存在する確率(尤度)が高く、方位線lmnの数が少ないほど、これら方位線lmnが虚像の位置を示す虚像確率が高まることになる。本実施形態では、尤度判定部35は、全線交差点の情報に基づいて、算出された各交点(観測値)の虚像確率を求めることにより、結果として、これら交点の尤度を判定している。
位置推定部36は、尤度の大きさに基づいて交点を抽出し、これら交点をそれぞれ対象物M,Mの位置と推定する。また、位置推定部36は、尤度の小さい、すなわち虚像確率の高い交点については、虚像とみなして、対象物の候補から排除する。
検出確率算出部37は、測角センサSO1〜SO4がそれぞれ対象物M,Mにいずれかを検出する確率(検出確率)を算出する。具体的には、測角センサSO1〜SO4はそれぞれ、所定の測定周期ごとに、対象物(MであるかMは問わない)の測定を試みる。この場合、所定の測定回数(例えば10回)に対する対象物が検出された回数を検出確率とする。算出された検出確率は、定期的に制御部39に出力される。
表示部38は、例えば、ディスプレイ装置であり、推定した対象物M,Mの位置情報を表示する。制御部39は、位置標定システム100の動作を司るものであり、測角センサSO1〜SO4、データ受信部31、交差判定部32、記憶部33、交点算出部34、尤度判定部35、位置推定部36、検出確率算出部37を制御して、対象物M,Mの位置を推定する動作を実行する。次に、位置標定方法の動作手順について説明する。
図6は、位置標定システムが対象物の位置推定を行う手順を示すフローチャートである。制御部39の制御下、4つの測角センサSO1〜SO4は、すべての対象物M,Mに対する方位角θmn及び天頂角φmnを計測する(ステップS21)。そして、計測した各方位角θmn及び各天頂角φmnを用いて、制御部39は、方向ベクトルvmnと方位線lmnとを算出する(ステップS22)。
本実施形態では、説明の便宜上、対象物M,Mを2つとしているが、実際の計測動作では、対象物の総数の真値Nは不明である。ここで、m番目の測角センサSOmが検出した対象物の数をN(m=1、2・・U)とおく。各測角センサの検出確率が100%である場合には、各測角センサがそれぞれ検出した対象物の数は同一であり、N=・・=N=・・N=Nが成立する。しかし、本実施形態では、検出確率が100%未満である場合を想定しているため、この等式は一般には成立せず、N≦Nとなる。m番目の測角センサSOmが測定した方位角と天頂角とをそれぞれθm1、・・・、θmNmおよびφm1、・・・、φmNmとすると、方向ベクトルvmnは、式(8)で示される。
Figure 2018025556
ここで、m番目の測角センサSOmの位置を、SOm=[xOmOmOmと表せるため、m番目の測角センサSOmが検出したn番目の対象物Mに対応する方位線lmnは、媒介変数tを用いて、式(9)で示される。
Figure 2018025556
次に、交差判定部32は、U個(例えば4つ)すべての測角センサSO1〜SO4から一の対象物M(例えば対象物M)に向かうすべての方位線lmn(l11,l21,l31,l41)の最接近点qを計算する(ステップS23)。理論上、実像(対象物が実際に存在する位置)ではすべて方位線lmnが交わるため、すべての方位線lmnが交わる点(全線交差点)が存在すれば、その点に対象物が存在するとみなすことができる。一方、実際には白色雑音などの測定誤差が生じるため、通常、測定値から算出したすべての方位線lmn(l11,l21,l31,l41)は交わらない。このため、交差判定部32は、複数の方位線lmnの最接近点qを計算した上で、その最接近点qにおいて各方位線lmnが交差したか否かを判定する。
複数のlmnの最接近点qを、q=[q]とすると、この最接近点qは、最小二乗法など公知技術を用いて求めることができる。例えば、最小二乗法を用いる場合には、式(10)に示す連立方程式を解く。
Figure 2018025556
ここで、v(m=1、2・・U)は、m番目の測角センサSOmの方向ベクトルの一つである。未知変数を一つのベクトルでまとめると、式(10)は、式(11)のように書き表せる。
Figure 2018025556
この連立方程式は、式の数が3U、変数の数が3+Uであり、U≧2の条件では式の数が変数の数よりも多い。式(11)に最小二乗法を適用することにより、最接近点qが得られる。すべての測角センサSOm(m=1、2・・U)からすべての対象物M(n=1、2・・N)に向かう全ての方位線lmnの組合せについて求めた最接近点qの集合を、q、q・・・qをとする。
次に、交差判定部32は、最接近点qに方位線lmnが交差したか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、図8に示すように、中心をq(l=1、2・・・L)とし、所定半径を有する誤差球(誤差領域)40を想定し、この誤差球40の内部を一の対象物M(M)に向けて延びるすべての方位線lmn(l11,l21,l31,l41)が通過するか否かを判定する。この誤差球40の半径は、測角センサSO1〜SO4の測定誤差に起因して設定される。この判定において、誤差球40の内部をすべての方位線lmn(l11,l21,l31,l41)が通過すれば、その中心が全線交差点qであると判定する。一方、誤差球40の内部をすべての方位線lmn(l11,l21,l31,l41)が通過しない場合には、この最接近点qは虚像であると判定する。なお、誤差球(誤差領域)40は、必ずしも球形状である必要はなく、たとえば奥行方向と横方向とで三角測量の誤差が異なることを利用し、回転楕円形状を有する誤差楕円体(誤差領域)を採用することもできる。このような手法で選定した全線交差点qの集合を、q、q・・・qL´とする(L´<L)。
交差判定部32は、算出された方位線lmnの情報に基づいて、所定時間ごとに全線交差点qを算出する。記憶部33には、現在の全線交差点qのみならず、過去の所定期間内における複数の全線交差点qが記憶されている。
次に、交点算出部34は、すべての測角センサSOmの中から選択された複数の測角センサSOm(m=2、・・・U´、U´<U)を用いて、これらの測角センサSOm(例えばSO1,SO2)から一の対象物M(例えばM)へそれぞれ延びる方位線lmn(例えばl11,l21)が交差する交点(観測値)zを算出する(ステップS25)。上述したように、すべての方位線lmnが交わる全線交差点qが存在すれば、この全線交差点qに対象物Mが存在するとみなせるため、全線交差点qをそのまま観測値として用いることができれば対象物Mの位置を容易に推定することができる。
ところが、すべての測角センサSOmがすべての対象物Mを常時検出できない場合、すなわち測角センサSOmの検出確率が低い(100%未満)場合には、そもそも全線交差点qが得られる確率が低いという問題がある。この問題は、測角センサSOmの数が増えれば増えるほど顕著となる。従って、全線交差点qのみを観測値として用いることは現実的ではなく、虚像が多く含まれてしまう可能性はあるものの、選択された数量の測角センサSOmで交点(観測値)zを算出する必要がある。この場合、交点算出部34は、測角センサの選択される組み合わせ(パターン)の数だけ、繰り返し複数の交点zを算出する。
次に、PHDフィルタを用いた演算処理を実行する(ステップS26)。本実施形態では、PHDフィルタを用いて、加速度・速度・位置という運動パラメータの推定を行う。このため、状態方程式と観測方程式の組である状態空間表現を導入する。この状態空間表現は、式(12)及び式(13)によって示される。
Figure 2018025556
Figure 2018025556
この式(12)及び式(13)において、Tは測定周期(サンプリング周期)を表す。この例では、簡素化のためTを固定値としているが、測定周期を変動する構成とすることもできる。また、u(k)とw(k)はそれぞれ駆動雑音と観測雑音を表す。
最後に、時間をkからk+1に更新する(ステップS27)ともに、処理を再びステップS21に戻し、ステップS21からステップS27を繰り返し実行する。
次に、PHDフィルタを用いた演算処理(ステップS26)について説明する。図7は、PHDフィルタを用いた演算処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、PHDフィルタにより、記憶部33に記憶された全線交差点qの情報に基づいて、状態候補となる複数の交点zの虚像確率をそれぞれ算出し、この虚像確率に基づいて尤度を求めている。ここで尤度とは、算出された交点Zが対象物Mである尤もらしさ表す示量であり、交点zの虚像確率によって変動する。
尤度判定部35は、時間更新によって新規に発生する状態候補を生成する(ステップS31)。この場合、測角センサSOmの測定可能エリア内に出入りする対象物Mを考慮する。次に、1時刻前(1測定周期前)の状態と相関のある新規状態候補を生成する(ステップS32)。この場合には、例えば、対象物Mが分裂する状態などを考慮する。これらステップS31,S32において、新規の状態候補が発生しなければ、そのまま処理をステップS33に移行する。
次に、尤度判定部35は、1時刻前(1測定周期前)状態候補を遷移させる(ステップS33)。この場合、上記した式(12)の状態方程式を用いて状態を遷移させる。ここで、PHDフィルタでは、状態候補が複数存在するため、これらすべての状態候補に対してそれぞれ状態遷移を行う。
次に、尤度判定部35は、測角センサSOmの検出確率に応じて、状態候補の重みを減衰する(ステップS34)。具体的は、検出確率の高い対象物Mの状態候補については重み付けを大きくし、逆に検出確率の低い対象物Mの状態候補については小さくする。この場合、例えば、測角センサSOmが検出できなくなった対象物Mについても所定時間、状態候補を存続させておく。
次に、尤度判定部35は、式(13)の観測方程式を用いて、交点(観測値)zの推定値y(k)とカルマンゲインの計算を行う(ステップS35)。そして、尤度判定部35は、すべての状態候補に対して存在するカルマンゲインK(k)∈R9×3と交点z(k)を用いることで、式(14)に示すように、状態の候補を補正する(ステップS36)。この場合、一度、検出できなくなった対象物Mを再検出することができる。
Figure 2018025556
このような交点(観測値)z(k)と紐付いた状態の第j候補に対して、PHDフィルタでは尤度wを式(15)のように計算して都度更新する(ステップS37)。
Figure 2018025556
この式(15)において、κ(z(k),Q(k))は、交点(観測値)z(k)の虚像確率であり、Q(k)は、現在時刻kから遡る過去の所定時間(過去数ステップ前から現在時刻kまで時間窓幅;所定期間)の全線交差点qの集合である。この式(15)に示すように、尤度wは、虚像確率が高いほど小さくなるように設定されている。このため、算出された虚像確率の大きさに基づいて、尤度wを求めることができる。
次に、尤度判定部35は、尤度wの低い状態候補を棄却したり、類似する状態候補を集約する(ステップS38)。これにより、目標の数と状態をある程度推定することができる。
最後に、位置推定部36は、尤度wの大きさに基づいて、複数の交点(観測値)zの中から1つを抽出し、この抽出した交点zを対象物Mの位置と推定する(ステップS39)。位置推定部36は、尤度wの最も高い状態候補を抽出し、複数の対象物Mの状態(位置などの運動パラメータ)を推定する。この構成によれば、現在または過去の全線交差点qに基づいて交点zの尤度wを判定し、この尤度wの大きさから交点zの位置を対象物Mの位置と推定するため、測角センサSOmが対象物を常時検出できなくても、対象物Mの位置を精度良く推定することができる。
本実施形態によれば、現在または過去の全線交差点qの情報に基づいて交点(観測値)zの尤度wを判定し、この尤度wの大きさから交点(観測値)zの位置を対象物Mの位置と推定するため、測角センサSOmが対象物Mを常時検出できなくても、対象物Mの位置を精度良く推定することができる。
[第3実施形態]
この第3実施形態では、上記した第2実施形態の式(15)における虚像確率κ(z(k),Q(k))を、交点(観測値)zと全線交差点Q(k)との距離に基づいて算出する。図9は、全線交差点と各方位線の交点との配置関係の一例を示す図である。全線交差点qの位置は、対象物の位置と考えられるため、この全線交差点qに近い交点zほど虚像確率が低く、尤度が高いと考えられる。そこで、本実施形態では、選択された少数の測角センサで得た交点zと、全線交差点qとの距離dをそれぞれ測定する。全線交差点qの集合Q(k)はL´個の要素からなるため、虚像確率κ(z(k),Q(k))を、式(16)で定義することができる。
Figure 2018025556
すなわち、本実施形態では、全線交差点qに最も近い交点zとの距離で虚像確率を定義している。ただし、式(16)のままでは絶対値によって、虚像確率の値が大きく変化するため、式(17)により、虚像確率の総和が1となるよう正規化することが好ましい。
Figure 2018025556
本実施形態では、全線交差点qに最も近い交点zとの距離dで虚像確率を定義するため、尤度判定部35は、全線交差点qとの距離dが最も短い交点zの尤度wを最も高く判定するため、測角センサの検出確率が低くても、虚像確率を適切に計算することでき、虚像を排除して対象物Mの位置を精度良く推定することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、複数の対象物Mが所定の範囲内に近接していることが判明している場合に有効な手法である。通常、複数の対象物Mが所定の範囲内に近接している場合、観測誤差の影響を受けるため、各対象物Mの分離検出が困難となる。一方、他のセンサもしくは、外部情報によって、複数の対象物Mが所定の範囲内に近接していることが予め判明している場合には、その情報を位置状態の推定に利用することができる。具体的には、式(18)に示すように、一の状態候補(交点)の尤度wを、その状態候補の所定範囲内に存在する他の状態候補(交点)の数n(x )に応じて高める補正をする。この式(18)において、Gが補正値であり、G>1である。
Figure 2018025556
この構成によれば、一の状態候補(交点)の近傍に存在する他の状態候補の数n(x )が多ければ多いほど、一の状態候補の尤度wが上方に補正されるため、複数の対象物Mが近接して存在していても、各対象物Mを精度良く位置推定することができる。
[第5実施形態]
第5実施形態では、第2実施形態のステップS25において、交点(観測値)zを算出するために選択される測角センサSOmの数を検出確率に応じて変化させる。図10は、検出確率と選択される測角センサの数との関係の一例を示すグラフである。
上記した第2実施形態では、測角センサSOmの検出確率が常時100%ではないことを想定し、選択された少ない数の測角センサSOmを用いて方位線lmnの交点zを求めている。しかし、検出確率は、例えば対象物Mとの距離に応じて変動する。一般に、検出確率が高い場合、使用する測角センサSOmの数を増やした方が、方位線の数が増えて虚像を排除できるため、対象物Mの位置を精度良く推定できる。また、検出確率が高いにも関わらず、少数の測角センサSOmを用いた場合には、交点(観測値)zが膨大となり計算負荷が増すことがある。
このため、本実施形態では、交点算出部34は、測角センサSOmが対象物Mを検出する検出確率が高くなるにつれて、選択される測角センサSOmの数を増やしている。図10の例では、検出確率が50%の場合には、半分の数(U/2)の測角センサSOmを選択し、検出確率が100%の場合にすべての測角センサSOmを選択している。ここで、測角センサSOmの数を決めるための検出確率は、例えば、すべての測角センサSOmの検出確率の中で、最も低い測角センサSOmの検出確率を採用する。また、すべての測角センサSOmの検出確率の中央値や、平均値を用いても良い。
本実施形態によれば、検出確率に応じて、使用する測角センサSOmの数が変化し、検出確率が高くなるにつれて、測角センサSOmの数を増やしているため、検出確率が低い場合は、交点(観測数)zを増やせる一方、検出確率が高い場合には、交点(観測数)zの増大を避けつつ、尤度の高い交点(観測数)zを得ることができる。この結果、検出確率に関わらず精度良く対象物Mの位置を推定できる。
[第6実施形態]
第6実施形態では、第2実施形態における全線交差点qの情報を過去に遡って保持する時間窓幅TM(所定期間)を対象物Mの状態によって変更する。図11は、時間窓幅と、測角センサに対する測角センサの相対速度と測角センサの測定周期との積と、の関係を示すグラフである。上述したように、全線交差点qの集合Q(k)は、現在時刻kのみならず過去の時刻k−1、k−2、・・の全線交差点qも含まれる。これは、検出確率が低い(100%未満)場合であっても、一定数の全線交差点qを確保するための処置である。ここで、対象物Mが測角センサSOmに対して相対的に移動している場合、過去の全線交差点qは対象物Mの位置に対応しない。
本実施形態では、対象物Mと測角センサSOmとの相対速度と、測角センサSOmの測定周期(サンプリング周期)との積が大きくなるにつれて、全線交差点qの情報を過去に遡って保持する時間窓幅TMを短くしている。この場合、他のセンサもしくは、外部情報によって、対象物Mの最大速度が予め想定できる場合には、その情報を利用して時間窓幅TMを決定する。この構成によれば、対象物Mの相対移動速度に応じて、全線交差点qの情報を保持する時間窓幅TMを適切に調整できるため、対象物Mが移動しても該対象物Mの位置を精度良く推定できる。
本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。上記した第1実施形態では、任意に選択された2本の方位線l11,l21の交点P12と、残りの方位線l31との距離が所定の誤差半径Rerrよりも小さいか否かで3本の方位線l11,l21,31が交差しているか否かを判定している。このため、他の2組の方位線と交点についても、距離を算出し、最短距離を示した方位線と交点の組み合わせについて、交差の判定および位置の推定を行うことが好ましい。この構成では、3本の方位線l11,l21,31の交点をより精度良く算出できるため、対象物M,Mの位置をより精度良く推定することができる。
1,100 位置標定システム
10,30 演算処理部
12,32 交差判定部
13,36 位置推定部
14 補正部
16,39 制御部
33 記憶部
34 交点算出部
35 尤度判定部
123,Ppqr みなし交点
12,Ppq 交点
err 誤差半径
min 距離
,M,M 対象物
,S,S,SO1,SO2,SO3,SO4,SOm 測角センサ

Claims (26)

  1. 互いに独立して配置され、複数の対象物に対する方位角をそれぞれ測定する少なくとも3つの測角センサと、
    3つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる3つの方位線が交差するか否かを判定する交差判定部と、
    前記交差判定部が3つの前記方位線が交差すると判定した場合に、3つの前記方位線からみなし交点を算出し、このみなし交点を前記対象物の位置と推定する位置推定部と、
    を備えたことを特徴とする位置標定システム。
  2. 前記交差判定部は、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点を算出し、この交点を中心とする所定の誤差半径の円の内側を、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線が通過する場合に、3つの前記方位線は交差すると判定することを特徴とする請求項1に記載の位置標定システム。
  3. 前記交差判定部は、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点と、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線との距離を算出し、この距離が前記交点を中心とする円の所定の誤差半径よりも小さい場合に、3つの前記方位線は交差すると判定することを特徴とする請求項1に記載の位置標定システム。
  4. 前記誤差半径は、前記測角センサの測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されることを特徴とする請求項2または3に記載の位置標定システム。
  5. 前記誤差半径は、任意に選択された2つの測角センサのうち、測角誤差の大きい測角センサにおける測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されることを特徴とする請求項2または3に記載の位置標定システム。
  6. 前記位置推定部は、3つの前記方位線から最小二乗法を用いて前記みなし交点を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の位置標定システム。
  7. 所定の運動モデルに基づく状態推定フィルタを用いた前記対象物の状態推定によって、前記みなし交点の値を補正する補正部を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の位置標定システム。
  8. 互いに独立して配置され、複数の対象物に対する方位線の方向ベクトルを規定する方位角及び天頂角をそれぞれ測定する少なくとも3つの測角センサと、
    現在または過去の所定期間内に、すべての前記測角センサから一の対象物へそれぞれ延びるすべての前記方位線が交差した全線交差点を記憶する記憶部と、
    任意に選択された複数の前記測角センサから該対象物へそれぞれ延びる前記方位線が交差する複数の交点を算出する交点算出部と、
    前記全線交差点に基づき、複数の前記交点の尤度をそれぞれ判定する尤度判定部と、
    尤度の大きさに基づいて一の交点を抽出し、該交点を一の前記対象物の位置と推定する位置推定部と、
    を備えたことを特徴とする位置標定システム。
  9. 前記尤度判定部は、前記全線交差点との距離が最も短い前記交点の尤度を最も高く判定することを特徴とする請求項8に記載の位置標定システム。
  10. 予め複数の対象物が近接して存在することが判明している場合、
    前記尤度判定部は、一の交点の尤度を、該交点の所定範囲内に存在する他の交点の数に応じて高める補正をすることを特徴とする請求項8または9に記載の位置標定システム。
  11. 前記交点算出部は、前記測角センサが前記対象物を検出する検出確率が高くなるにつれて、選択される前記測角センサの数を増やすことを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の位置標定システム。
  12. 前記記憶部は、前記対象物と前記測角センサとの相対速度と、前記測角センサの測定周期との積が大きくなるにつれて、前記所定期間を短くすることを特徴とする請求項8から11のいずれか一項に記載の位置標定システム。
  13. すべての前記測角センサから一の前記対象物へそれぞれ延びるすべての前記方位線の最接近点を算出すると共に、この最接近点を中心とした所定の誤差領域内を、すべての方位線が通過する場合に、該最接近点を前記全線交差点と判定する交差判定部を備えることを特徴とする請求項8から12のいずれか一項に記載の位置標定システム。
  14. 少なくとも3つの測角センサを用いて、複数の対象物に対する方位角をそれぞれ測定する測角ステップと、
    3つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる3つの方位線が交差するか否かを判定する交差判定ステップと、
    3つの前記方位線が交差すると判定された場合に、3つの前記方位線からみなし交点を算出し、このみなし交点を前記対象物の位置と推定する位置推定ステップと、
    を備えたことを特徴とする位置標定方法。
  15. 前記交差判定ステップは、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点を算出し、この交点を中心とする所定の誤差半径の円の内側を、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線が通過する場合に、3つの前記方位線は交差すると判定することを特徴とする請求項14に記載の位置標定方法。
  16. 前記交差判定ステップは、任意に選択された2つの測角センサから各対象物へそれぞれ延びる2つの方位線の交点と、残りの測角センサから該対象物へ延びる方位線との距離を算出し、この距離が前記交点を中心とする円の所定の誤差半径よりも小さい場合に、3つの前記方位線は交差すると判定することを特徴とする請求項14に記載の位置標定方法。
  17. 前記交差判定ステップにおいて、前記誤差半径は、前記測角センサの測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されることを特徴とする請求項15または16に記載の位置標定方法。
  18. 前記交差判定ステップにおいて、前記誤差半径は、任意に選択された2つの測角センサのうち、測角誤差の大きい測角センサにおける測角誤差の標準偏差の値に基づいて設定されることを特徴とする請求項15または16に記載の位置標定方法。
  19. 前記位置推定ステップは、3つの前記方位線から最小二乗法を用いて前記みなし交点を算出することを特徴とする請求項14から18のいずれか一項に記載の位置標定方法。
  20. 所定の運動モデルに基づく状態推定フィルタを用いた前記対象物の状態推定によって、前記みなし交点の値を補正する補正ステップを備えたことを特徴とする請求項14から19のいずれか一項に記載の位置標定方法。
  21. 少なくとも3つの測角センサを用いて、複数の対象物に対する方位線の方向ベクトルを規定する方位角及び天頂角をそれぞれ測定する測角ステップと、
    現在または過去の所定期間内に、すべての前記測角センサから一の対象物へそれぞれ延びるすべての前記方位線が交差した全線交差点を算出して記憶する全線交差点記憶ステップと、
    任意に選択された複数の前記測角センサから該対象物へそれぞれ延びる前記方位線が交差する複数の交点を算出する交点算出ステップと、
    前記全線交差点に基づき、複数の前記交点の尤度をそれぞれ判定する尤度判定ステップと、
    尤度の大きさに基づいて一の交点を抽出し、該交点を一の前記対象物の位置と推定する位置推定ステップと、
    を備えたことを特徴とする位置標定方法。
  22. 前記尤度判定ステップにおいて、前記全線交差点との距離が最も短い前記交点の尤度を最も高く判定することを特徴とする請求項21に記載の位置標定方法。
  23. 予め複数の対象物が近接して存在することが判明している場合、
    前記尤度判定ステップにおいて、一の交点の尤度を、該交点の所定範囲内に存在する他の交点の数に応じて高める補正をすることを特徴とする請求項21または22に記載の位置標定方法。
  24. 前記交点算出ステップにおいて、前記測角センサが前記対象物を検出する検出確率が高くなるにつれて、選択される前記測角センサの数が増えることを特徴とする請求項21から23のいずれか一項に記載の位置標定方法。
  25. 前記全線交差点記憶ステップは、前記対象物と前記測角センサとの相対速度と、前記測角センサの測定周期との積が大きくなるにつれて、前記所定期間が短く設定されることを特徴とする請求項21から24のいずれか一項に記載の位置標定方法。
  26. すべての前記測角センサから一の前記対象物へそれぞれ延びるすべての前記方位線の最接近点を算出すると共に、この最接近点を中心とした所定の誤差領域内を、すべての方位線が通過する場合に、該最接近点を前記全線交差点と判定する交差判定ステップを備えることを特徴とする請求項21から25のいずれか一項に記載の位置標定方法。
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