JP7433560B1 - 目標軌跡推定装置及び目標軌跡推定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、複数の非同期センサの異なる方位測定誤差に基づいて、MAP(Maximum A Posteriori)推定で方位測定時刻の違いを反映しながら目標の位置と速度、及び、その精度を推定する方法がある。
特許文献1に示された目標軌跡推定装置は、複数のセンサから選択されるセンサ組毎の測位精度を表す指標であるDOP(Dilution Of Precision)を計算して、優先的に測位処理に使用するセンサを設定している。
ところで、センサ組における特定のセンサがマルチパス環境下にあると、異常値を多く含む場合があり、誤った測位処理を行ってしまう恐れがある。
実施の形態1に係る目標軌跡推定装置を図1から図7を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る目標軌跡推定装置を含む目標軌跡推定システムの概略構成を示すブロック図である。
目標軌跡推定システムは、図1に示すように、複数の方位センサ101~10Nと複数の方位測定部201~20Nと記憶装置30と目標軌跡推定装置40と出力装置50を備える。
方位センサ10及び方位測定部20に付した添え字Nについて、個別に説明する必要がない場合は、説明の煩雑さを避けるため、添え字を付さずに、以下説明する。
各方位センサ10は、目標100から送信される電波を受信する電波センサなどのパッシブセンサである。
複数の方位センサ10はそれぞれ同じ構成である。
また、各方位センサ10は、目標100から発せられる音波又は熱等の物理量を感知、受信し、目標100の方向を推定できるセンサであってもよい。
各方位センサ10の測定誤差は各方位センサ10それぞれによって異なっていてもよく、また、測定時刻によって異なっていてもよい。
複数の方位測定部20それぞれは、連接しているN個の方位センサ10それぞれの対応した受信信号を解析して、目標100からの到来電波の到来方位(θk、φk)を方位測定値として測定する。
また、複数の方位測定部20それぞれは、方位測定値に付随する情報としてその測定時刻tkと、対応する方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)を方位測定値(θk、φk)に紐づけして方位測定値を示す方位情報として出力する。方位情報はデジタル情報である。
方位測定値番号kは複数(N個)の方位センサ10が目標100を観測する間の非同期の方位測定値全てに対して時系列順に付した番号であり、K個あるとする。
また、位置情報において、x、y、zはx座標、y座標、z座標を示し、rは方位センサ10を特定するための1~Nの整数である。
記憶装置30は、複数の方位センサ10それぞれが目標100を観測する間に、時系列順に送られてくる複数の方位測定部20それぞれからの、方位測定値(θk、φk)を示す方位情報及び方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を示す方位測定誤差情報を記憶部310に蓄積し、目標軌跡推定時に記憶された方位情報及び方位測定誤差情報を出力する。
目標軌跡推定装置40は、特に、複数の方位センサ10の内の一部の方位センサ10が目標100の方位を示さない環境、いわゆるマルチパス環境下であっても、目標100の軌跡を高精度に推定できる確率が高い装置である。
出力装置50は目標軌跡推定装置40からの物体軌跡情報から得た目標100の推定軌跡を表示する。
方位情報読込部41は記憶装置30に記憶された複数の方位測定部20からの方位測定値(θk、φk)を示す方位情報、及び記憶装置30に記憶された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を示す方位測定誤差情報(σθ,k、σφ,k)を読み込む。
方位情報読込部41は、併せて記憶装置30に記憶された方位測定値(θk、φk)に付随する方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)と測定時刻tkを読み込む。
誤差設定部42により設定された方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)が方位情報読込部41に読み込まれる。
複数の方位測定部20それぞれが方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を示す方位測定誤差情報を出力する場合は、複数の方位測定部20それぞれが誤差設定部42としての機能を果たす。
この時、複数の方位センサ10それぞれが目標100を観測した時間の、記憶装置30に蓄積された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を示す方位測定誤差情報、あるいは、誤差設定部42により一様に設定された方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)も合わせて読み込む。
時間領域分割部43は複数の方位センサ10それぞれが目標100を観測した時間を時系列順に複数の時間領域に分割し、方位情報読込部41が読み込む方位情報を分割した時間領域毎に分割する。
また、時間領域mにおいて、各方位センサ10が受信した目標100からの電波に対する方位情報及び方位測定誤差情報に時系列に付す方位測定値番号kのうち、最初の方位測定値番号をkm,s、最後の方位測定値番号をkm,eとする。
方位センサ101の位置情報(x1 k、y1 k、z1 k)及び方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を示す方位測定誤差情報は、方位測定値(θk、φk)が時系列順に等間隔にM個に分割されたとしても、対応する方位測定値(θk、φk)に付随する。
図2において、θk(s1)は第1の方位センサ101が受信した電波による方位情報の方位測定値θk、θk(s4)は第4の方位センサ104が受信した電波による方位情報の方位測定値θkを示し、1~Mは1番目の時間領域からM番目の時間領域を示している。
なお、1つの方位センサ10に対する1つの時間領域mに、図2に示すように、複数の方位測定値(θk、φk)が存在していてもよく、また、方位測定値(θk、φk)が存在していない、もしくは1つの方位測定値(θk、φk)が存在する時間領域mがあってもよい。
異常値判定部44は、時間領域分割部43が設定した時間領域m毎に存在する方位測定値(θk、φk)が異常値を示すか否かの判定を実施し、異常値であると判定した方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を設定し直し、測位値を算出する測位処理において、異常値と判定した方位測定値(θk、φk)の信頼度を下げ、異常値と判定した方位測定値(θk、φk)の軌跡推定に対する信頼度を下げる処理を行なう。
なお、測位値を算出する測位処理は一般に知られている処理でよい。
異常値判定部44は、方位測定値(θk、φk)が異常値でないと判定した方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)はそのままとし、異常値でないと判定した方位測定値(θk、φk)の軌跡推定に対する信頼度はそのままとする。
なお、測位値xmを算出する測位処理は一般に知られている処理でよい。
図3において、S1~S4は第1の方位センサ101から第4の方位センサ104を示し、第1の方位センサS1から第4の方位センサS4それぞれから伸びている線分d1から線分d4が時間領域Mに存在する第1の方位センサS1から第4の方位センサ104それぞれの方位測定値θkを示す。xM,trueは時間領域Mにおける目標100の位置を示す。
図3において、線分d4が時間領域Mにおける目標100の方位(真値xM,true)を示す正常値であるのに対し、線分d1はマルチパス環境によって目標100の方位(位置)を示さない異常値である。
一方、図3に示す状態において、異常値判定部44は、第4の方位センサ104が受信した電波による方位測定値(θk、φk)を正常値であると判定し、方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)はそのままとして正常値と判定した方位測定値(θk、φk)の軌跡推定に対する信頼度をそのままとする。
その結果、測位処理部45は、第1の方位センサ101から第4の方位センサ104それぞれが受信した電波による方位測定値(θk、φk)と当該方位測定値(θk、φk)に付随する異常値判定部44により再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて測位値を算出する測位処理を行い、時間領域mにおける目標100の推定位置である測位値xmを得、時間領域m、つまり代表時刻tmにおける目標100の測位値xmを示す目標位置情報を得る。
このようにして、図2に示すように、時間領域1から時間領域Mまでの代表時刻tmでの測位値x1から測位値xMが測位処理部45により得られる。
出力装置50は、出力部46からの物体軌跡情報を利用する装置であり、例えば、物体軌跡情報に基づいて物体の軌跡を表示する表示器である。
方位情報読込部44aは、時間領域分割部43が設定した時間領域m毎に存在する、複数の方位センサ10が受信した目標100からの電波に対する方位測定値(θk、φk)を示す方位情報、方位情報が示す方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を示す方位測定誤差情報、測定時刻tk、方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)を時系列順に読み込む。
測位ゲート判定部44bによる方位測定値(θk、φk)が異常値を示すか否かを判定する処理は、時間領域mに存在する複数の方位センサ10それぞれが受信した電波による方位測定値(θk、φk)が示す位置が一点に集中しているか、つまり唯一の位置を示しているか、あるいは、測位処理の結果が速度成分を含む場合は位置と速度からなる状態ベクトルの周辺に方位測定値(θk、φk)が集中するかを基に、方位測定値(θk、φk)が異常値であるか正常値であるかを判定する処理である。
なお、異常度が最も低い時間領域を正常な時間領域としてもよい。
図4において、S1~S4は第1の方位センサ101から第4の方位センサ104を示し、第1の方位センサS1から第4の方位センサS4それぞれから伸びている破線による線分d1から線分d4が時間領域mに存在する第1の方位センサS1から第4の方位センサ104それぞれの方位測定値θkを示す。xm,trueは時間領域mにおける目標100の位置を示す。
第1の方位センサS1から第4の方位センサS4それぞれが受信した電波による方位測定値(θk、φk)とそれに付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)と測定時刻tk及び各方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)を用いて測位処理を行い、目標100の測位値xmを得る。
すなわち、目標100の測位値xmは線分d1によって示す方位測定値θkの影響により目標100の真値xM,trueから離れている。
測位ゲート判定部44bは、異常値と判定した線分d1によって示す方位測定値θkに付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を、測位値を算出する測位処理における寄与が低くなるように設定し直す。
今、N個の方位センサ10から目標100の推定位置を求める、つまり、異常値の判定処理を行う方位センサ10として4個を選択した場合について説明する。方位センサ10の数は4個に限られるものではない。
図5において、S1~S4は第1の方位センサ101から第4の方位センサ104を示し、第1の方位センサS1から第4の方位センサS4それぞれから伸びている破線による線分d1から線分d4が時間領域mに存在する第1の方位センサS1から第4の方位センサ104それぞれの方位測定値θkを示す。
第1に、第1の方位センサS1から第4の方位センサS4から一定の台数、本例では3台の方位センサを選択し、組わけする。例えば、方位センサS1、S2、S3の組(第1の組とする)、方位センサS1、S2、S4の組(第2のセンサ組とする)、方位センサS1、S3、S4の組(第3のセンサ組とする)、方位センサS2、S3、S4の組(第4のセンサ組とする)に組わけする。
時間領域m毎に、第1の方位センサS1から第4の方位センサS4それぞれが受信した電波による方位測定値(θk、φk)が測位ゲートGa~Gd内に存在するか否かを判定する。
今、目標100の観測が可能な方位センサ10の数をN個であるとし、時間領域mでの測位で使用される番号付きの複数の方位センサ10の集合をU={1,2,・・・,N}、時間領域m内の測定時刻tkを特定するための方位測定値番号kの集合をSm={km,s,・・・,km,e}とする。
方位測定値番号kは測定時刻tkにおける方位測定値(θk、φk)と1対1に対応する。km,sは時間領域mでの最初の方位情報の方位測定値(θk、φk)に対応し、km,eは時間領域mでの最初の方位情報の方位測定値(θk、φk)に対応する。
このとき選択されるセンサ組をAi(i=1,2,・・・,I)(I=NC3)とするとセンサの組み合わせは次式(1)で表される。
A1={1,2,3}、A2={1,2,4}、・・、AI={N-2,N-1,N}
・・・(1)
k=k(m,Ai),s、・・・、k(m,Ai),e ・・・(2)
すなわち、上式(2)は、方位測定値番号kをkm,Ai個の方位測定値として表わしている。
また、センサ組Aiにおいて、仮測位精度Rm,Aiは、仮測位値xm,Aiと仮測位値xm,Aiに対応する方位センサSの位置及び方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて推定される。
また、状態(測位値)xmに位置成分だけでなく速度成分を含む場合、状態xmは3次元空間において位置3次元、速度3次元による6成分を持つ状態ベクトルであり、以下の非特許文献に示された複数のセンサの異なる方位測定時刻と方位測定誤差に基づいてMAP推定で目標の位置と速度を推定する方法を用いてもよい。
仮測位精度Rm,Aiの推定方法に、例えば、以下の非特許文献に記載のBCRB(Bayesian Cramer-Rao Boundary)を下限とした観測誤差共分散を設定する方法が用いられる。
次式(13)及び次式(14)において、IFはカッコ内の条件を満たすときに1を返し、満たさないときに0を返す判定式である。
ここで言う意図的に大きくするとは、異常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差におけるσθ,kの値を、σθ,kの値より大きいパラメータ値におけるσθ,err´の値に設定することを意味している。
要するに、異常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差が示す値を、正常値と判定される方位測定値に付随する方位測定誤差が示す値より大きい値のパラメータ値に再設定する。
すなわち、パラメータ値は、異常値と判定される方位測定値を正常値と判定される方位測定値に対して設定した信頼度によって決められるパラメータ要素である。
方位情報読込部41が、複数の方位センサ10それぞれが目標100を観測した時間の、記憶装置30に蓄積された複数の方位測定部20からの方位測定値(θk、φk)を示す方位情報と方位測定値(θk、φk)に付随し紐づけされた測定時刻tk及び各方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)を示す方位情報を読み込む。
ステップST1は方位情報読込部44aが、時間領域m毎に分割されたN個のセンサが目標を観測した時間の方位測定値(θk、φk)と方位測定値(θk,φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)と、測定時刻tkと、方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)を読み込む。
ステップST1は、時間領域m毎の方位情報を読み込むステップであり、時間領域分割部43がM個に分割した方位測定値(θk、φk)等を測位ゲート判定部44bが得るステップである。
ステップST2において、複数の方位センサ10から一定台数の方位センサ10を選択して複数のセンサ組に組わけする。例えば、4台の方位センサから3台の方位センサ10を1組とするセンサ組に組わけする。ステップST2はセンサ組を選択するステップである。
このような仮測位値の計算が時間領域1から時間領域Mのm個の時間領域に対して行われ、時間領域の数とセンサ組の組数を乗算した数の仮測位値が計算される。
仮測位精度の推定は、仮測位値と仮測位値に対応する方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)及び方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて推定される。
例えば、仮測位値xm,{1,2,3}に対して仮測位精度Rm,{1,2,3}、仮測位値xm,{1,2,4}に対して仮測位精度Rm,{1,2,4}、仮測位値xm,{1,3,4}に対して仮測位精度Rm,{1,3,4}、仮測位値xm,{2,3,4に仮測位精度Rm,{2,3,4}を推定する。
測位ゲートの設定は仮測位値と仮測位精度から作成される。
例えば、仮測位値xm,{1,2,3}に対して測位ゲートGa、仮測位値xm,{1,2,4}に対して測位ゲートGb、仮測位値xm,{1,3,4}に対して測位ゲートGc、仮測位値xm,{2,3,4に測位ゲートGdを設定する。
すなわち、選択された方位測定値(θk、φk)が存在する時間領域において、組わけされたセンサ組に対する測位ゲートGに、選択された方位測定値(θk、φk)が入るか否かを判定し、入ると判定するとステップST8に進み、入らないと判定されるとステップST9に進む。
ステップST9において、ステップST6において方位測定値(θk、φk)が全て選択されたか否かを判定し、全て選択されていない場合は、ステップST6に戻り、ステップST7及びステップST8が繰り返される。
ステップST9において、方位測定値(θk、φk)が全て選択されている場合はステップST10に進む。
このようにして、ステップST1により読み込まれた方位測定値(θk、φk)全てについて、測位ゲートGに入るか否かの判定が行われる。
ステップST12において、ステップST11において、測位測定値(θk、φk)がセンサ組の正常値として1回以上判定されたかを判定し、1回以上判定されたとするとステップST13に進み、1回もないと判定されるとステップST14に進む。
ステップST14において、ステップST12においてセンサ組の正常値として1回もないと判定された測位測定値(θk、φk)を異常値判定部44における異常値とする。
このようにして、ステップST1により読み込まれた方位測定値(θk、φk)全てについて、正常値か異常値かの判定が行われる。
言い換えれば、選択された方位測定値(θk、φk)が一点に集中しているか、つまり唯一の位置を示しているか、あるいは、位置と速度からなる状態ベクトルの周辺に集中しているかを判定する。
判定した結果に基づき、正常値か異常値かの判定が行われる。
例えば、方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を方位測定値(θk、φk)の信頼度を下げたパラメータ値(σθ,err´、σφ,err´)に設定する。
メモリ402は大容量の半導体メモリ(RAM:Random Access Memory)と、ハードディスク装置又はSSD装置などの不揮発性記録装置などの記憶装置(ROM:Read only memory)を備える。
プロセッサ401は、メモリ402におけるROMに記憶してあるプログラムを一旦RAMに格納し、RAMに格納されたソフトウェア・プログラムに従って目標100の推定軌跡を生成する処理を実行する。
図1に示す時間領域分割部43と異常値判定部44と測位処理部45と出力部46の一部それぞれの機能は、プロセッサ401がメモリ402に格納されたプログラムをロードし、ロードしたプログラムに従って動作することによって実現される。
すなわち、メモリ402に格納されたプログラムは、目標100からの到来電波を受信した複数の方位センサ10それぞれが目標100を観測した時間を時系列順に複数の時間領域mに分割し、複数の方位センサ10それぞれにより得られる方位測定値(θk、φk)を示す方位情報を分割した時間領域m毎に分割する手順と、複数の方位センサ10から一定台数の方位センサ10を選択して複数のセンサ組に組わけし、複数のセンサ組それぞれにおいて、分割された時間領域m毎に仮測位値xm,Aiを推定し、当該得られた仮測位値xm,Aiによって定まる測位ゲートGを設定し、当該時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が当該設定された測位ゲートG内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が当該設定されたいずれの測位ゲートG内に存在しないと異常値と判定する手順と、異常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を当該方位測定値(θk、φk)の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再設定する手順と、分割された時間領域m毎に、各時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)と当該方位測定値(θk、φk)に付随する再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて目標100に対する各時間領域mにおける測位値を推定する手順と、推定された時間領域m毎の測位値を時系列につなげて目標100の軌跡を示す物体軌跡情報を出力する手順と、を備える。
さらに、測位ゲートGによる判定はセンサ組毎に測位値xmを計算して異常値の判定を行うため、仮測位精度Rmによって定められる測位ゲートGに基づいて定量的に方位測定値(θk、φk)の異常を判定することができる。これにより、複数の方位センサ10の方位測定値(θk、φk)を用いて行う測位処理の、マルチパス環境下で生じる異常値に対するロバスト性を確立し、マルチパス環境下でも正常な方位測定値(θk、φk)を信頼した高精度な測位処理を行うことができる。
また、仮測位値xm,Aiによって定まる測位ゲートGを用いて定量的に方位測定値(θk、φk)の異常を判定することができる。
実施の形態2に係る目標軌跡推定装置を図8から図10を用いて説明する。
実施の形態2に係る目標軌跡推定装置は、実施の形態1に係る目標軌跡推定装置が複数の方位センサ10により得られる方位測定値(θk、φk)を示す方位情報を分割された時間領域m毎に順次時系列順に測位処理を行うのに対して、複数の方位センサ10それぞれが目標100を観測する間(以下、目標観測時間という)に複数の方位センサ10により得られる方位測定値(θk、φk)を一括で取得して軌跡を推定するバッチ型の処理を行う点が相違し、その他の点は同じである。
なお、図8から図10中、図1から図7において付された符号と同一符号は同一又は相当部分を示す。
目標軌跡推定システムは、図8に示すように、複数の方位センサ101~10Nと複数の方位測定部201~20Nと記憶装置30と目標軌跡推定装置40Aと出力装置50を備える。
複数の方位センサ101~10Nと複数の方位測定部201~20Nと記憶装置30と出力装置50は、実施の形態1において説明した複数の方位センサ101~10Nと複数の方位測定部201~20Nと記憶装置30と出力装置50と同じであるので、説明を省略する。
方位情報読込部41と時間領域分割部43は実施の形態1において説明した方位情報読込部41と時間領域分割部43と同じであるので、説明を省略する。
方位情報読込部44aと測位ゲート判定部44bと信頼度設定部44cは、実施の形態1に係る目標軌跡推定装置と実質同じである。
測位ゲート判定部44bは、複数の方位センサ10から一定台数の方位センサ10を選択して、複数のセンサ組に組わけし、複数のセンサ組それぞれにおいて、時間領域分割部43により分割された時間領域m毎に仮測位値xm,Aiを推定し、推定された仮測位値xm,Aiによって定まる測位ゲートGを設定し、時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が設定された測位ゲートG内に存在すると正常値と判定し、時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が設定されたいずれの測位ゲートG内に存在しないと異常値と判定する。
信頼度設定部44cは、測位ゲート判定部44bで異常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を、方位測定値(θk、φk)の信頼度を下げたパラメータ値(σθ,err´、σφ,err´)に再設定し、測位ゲート判定部44bで正常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を、方位測定値(θk、φk)の信頼度を下げない、信頼度が高いそのままに再設定する。
選択された時間領域msは追尾起点時間領域とする。
時間領域msを選択する方法は、分散が小さい時間が続いている時間領域又は分散が最小である時間領域を選択する方法である。
精度推定部47は、時間領域m毎に、測位値xmと方位センサ10の位置情報(xr k、yr k、zr k)と方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)から測位値xmの測位精度Rmを推定する。
追尾処理部48は、追尾起点時間領域msを起点として隣接する時間領域m毎に、測位値xmと測位精度Rmを用いてカルマンフィルタにより測位値xmのフィルタリングを計算する。
追尾処理する方法には、例えば、任意の測定時刻tkの予測値xk|mを並列して出力するカルマンフィルタが存在する。
追尾処理のカルマンフィルタは、前時刻の予測値と現時刻の観測値から、現時刻の平滑値(重み付け平均)と次時刻の予測値(現時刻の平滑値から運動モデルで算出)を推定する処理である。
測位ゲート判定では、方位センサの方位測定値が一点あるいは一つの状態ベクトルに集中しているかを判定するために仮測位値xm,Ai´を算出していた。
よって、測位ゲートが正常に機能したかを確かめるには、各時間領域mで信頼度の高いセンサ組全ての仮測位値xm,Ai´同士の分散を評価すれば良く、この分散の大きさが時間領域における測位の異常度と言える。
全時間領域の異常度を評価した際に、追尾起点時間領域msは、追尾処理のしやすさから、異常度が持続的に低い時間領域、あるいは、異常度が最も低い時間領域を選択する。
時間逆方向のカルマンフィルタの運動モデルは、xm|m+1を予測値、xm+1|m+1を平滑値として代表時刻tm+1からtmへの時間逆方向の状態遷移行列Γm|m+1を用いて記述する。
予測値xm|m+1は次式(17)により表わされ、状態遷移行列Γm|m+1は次式(18)により表わされる。
vm~N(0,Rm)は観測雑音であり、測位値の推定誤差に相当する。
時間逆方向のカルマンフィルタの初期ステップ(m=ms)では、追尾起点時間領域msの測位値xmsと測位精度Rmsがそのまま平滑値xms|ms(=xms)と平滑誤差共分散Pms|ms(=Rms)となる。
Km=Pm|m+1+(Pm|m+1+Rm)-1 (22)
xm|m=xm|m+1+Km(xm-xm|m+1) (23)
Pm|m=Pm|m+1-KmPm|m+1 (24)
Pm|m+1は予測誤差共分散、Kmはカルマンゲインである。
予測情報読込部44eは、説明の都合上、機能部として説明しているが、追尾処理部48により得られた予測情報を、直接、予測ゲート判定部44fが用いる。
予測ゲート判定部44fは、追尾処理部48による予測値xk|m+1と精度推定部47により推定される測位精度Rmから推定される予測精度Pk|m+1によって定まる予測ゲートを設定し、時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が当該設定された予測ゲート内に存在すると正常値と判定し、時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)がいずれの予測ゲート内に存在しないと異常値と判定する。
時間領域m内のk番目の方位測定値(θk、φk)の残差Lk´は、状態遷移行列Φk|(m,Ai)で測定時刻tkに変換した予測値xk|m+1は予測誤差共分散Pk|m+1によって定義される統計的距離で計算され、次式(25)により表わされる。
予測誤差共分散Pk|m+1は次式(27)により表わされる。
次式(26)は状態遷移行列Φk|m+1を表わす。
上式(29)は予測されるDOAの残差誤差共分散を示す。
上式(30)は時間領域m内のk番目の方位測定値(θk、φk)の残差Lk´の2乗を示す。
従って、信頼度設定部44cは残差Lk´が閾値α2を超えるかによって、方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を再設定する。
再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)は、追尾起点時間領域msの次の時間領域mからの測位処理部45における測位処理に用いられる。
すなわち,追尾処理部48は、隣接する時間領域mにおける測位値xmと時間領域m-1の時に予測した時間領域mの予測値xm|m-1とを重み付け平均した、平滑値xm|mを得る。
予測値xm|m-1と平滑値xm|mを求める追尾処理は、実質、時間逆方向のカルマンフィルタによる追尾処理と同様であり、通常の時間順方向のカルマンフィルタであるので、説明は省略する。
予測値xk|m-1を中心とした予測ゲート判定は、実質、時間逆方向のカルマンフィルタによる予測値xk|m+1を中心とした予測ゲート判定と同じであるので、説明は省略する。
時間逆方向のカルマンフィルタによる予測ゲート判定と同様にして得た再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)は、追尾起点時間領域ms以降の時間領域mからの測位処理部45における測位処理に用いられる。
実施の形態1において動作説明したと同様に、図6に示したステップST15までが行われる。
すなわち、測位ゲート判定部44bが時間領域m毎に測位ゲート判定を行い、目標観測時間の全時間領域(以下、単に全時間領域と言う)における方位測定値(θk、φk)について、正常値か異常値かの判定が行われ、信頼度設定部44cが全時間領域における方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を再設定する。
ステップST104において、時間領域選択部44dにおいて計算された分散の推移をもとに正常な時間領域mを追尾起点時間領域msとして選択する。
測位ゲート判定では、方位センサの方位測定値が一点あるいは一つの状態ベクトルに集中しているかを判定するために仮測位値xm,Ai´を算出していた。
よって、測位ゲートが正常に機能したかを確かめるには、各時間領域mで信頼度の高いセンサ組全ての仮測位値xm,Ai´同士の分散を評価すれば良く、この分散の大きさが時間領域における測位の異常度と言える。
全時間領域の異常度を評価した際に、追尾起点時間領域msは、追尾処理のしやすさから、異常度が持続的に低い時間領域、あるいは、異常度が最も低い時間領域を選択する。
ステップST105において、まず、起点として測位処理を行う時間領域mとして追尾起点時間領域msを選択する。
計算して得た平滑値xm|mは目標100の推定位置を示す代表時刻tmでの追尾処理の出力として用いられる。
ステップST112において、予測ゲート判定部44fが、予測情報読込部44eに読み込まれた予測値xk|m-1を中心とした予測ゲート判定を行う。
ステップST112における予測ゲート判定部44fによる予測ゲート判定は、予測値xk|m-1に基づき更新された時間領域m内の方位測定値(θk、φk)に対する異常値判定である予測ゲート判定を行う。
このようにして、追尾起点時間領域msから時間領域Mまでの代表時刻tmでの測位値xmが得られる。
ステップST205において、まず、起点として測位処理を行う時間領域mとして追尾起点時間領域msを選択する。
計算して得た平滑値xm|mは目標100の推定位置を示す代表時刻tmでの追尾処理の出力として用いられる。
ステップST212において、予測ゲート判定部44fが、予測情報読込部44eに読み込まれた予測値xk|m+1を中心とした予測ゲート判定を行う。
ステップST212における予測ゲート判定部44fによる予測ゲート判定は、予測値xk|m+1に基づき更新された時間領域m内の方位測定値(θk、φk)に対する異常値判定である予測ゲート判定を行う。
このようにして、時間領域1から追尾起点時間領域msまでの代表時刻tmでの測位値xmが得られる。
入力インタフェース403は図7に示す方位情報読込部41に該当し、出力インタフェース404は図7に示す出力部46に該当する。
図7に示す時間領域分割部43と異常値判定部44Aと測位処理部45と精度推定部47と追尾処理部48と出力部46の一部それぞれの機能は、プロセッサ401がメモリ402に格納されたプログラムをロードし、ロードしたプログラムに従って動作することによって実現される。
すなわち、メモリ402に格納されたプログラムは、「目標100からの到来電波を受信した複数の方位センサ10それぞれが目標100を観測した時間を時系列順に複数の時間領域mに分割し、複数の方位センサ10それぞれにより得られる方位測定値(θk、φk)を示す方位情報を分割した時間領域m毎に分割する手順と、複数の方位センサ10から一定台数の方位センサ10を選択して複数のセンサ組に組わけし、複数のセンサ組それぞれにおいて、分割された時間領域m毎に仮測位値xm,Aiを推定し、当該得られた仮測位値xm,Aiによって定まる測位ゲートGを設定し、当該時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が当該設定された測位ゲートG内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が当該設定されたいずれの測位ゲートG内に存在しないと異常値と判定する手順と、異常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を当該方位測定値(θk、φk)の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再設定する手順と、分割された時間領域m毎に、各時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)と当該方位測定値(θk、φk)に付随する再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて目標100に対する各時間領域mにおける測位値を推定する手順と、推定された時間領域m毎の測位値を時系列につなげて目標100の軌跡を示す物体軌跡情報を出力する手順と、正常値又は異常値を判定する手順において、信頼度が高いと判定されたセンサ組の仮測位値xm,Ai同士の分散を計算し、計算された分散の推移を基に追尾起点時間領域msを選択する手順と、時間順方向のカルマンフィルタにより、追尾起点時間領域msを起点に分割された時間領域mにおける推定される測位値と当該測位値に付随する再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて、推定される測位値に対する測位精度を推定する手順と、時間順方向のカルマンフィルタにより、追尾起点時間領域msを起点に分割された時間領域mにおける推定される測位値と当該測位値に対応する測位精度を用いて予測値と平滑値からなる測位値を得る手順と、追尾起点時間領域msを起点に分割された時間領域mにおける平滑値からなる測位値と当該測位値に対応する測位精度から推定される予測精度によって定まる予測ゲートを設定し、時間経過方向の隣接時間領域m+1に存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が当該設定された予測ゲート内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)がいずれの予測ゲート内に存在しないと異常値と判定する手順と、追尾起点時間領域msを起点に分割された一つ後の時間領域m+1における再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)の内、いずれの予測ゲート内に存在しないとして異常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を当該方位測定値(θk、φk)の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再度設定する手順と、時間逆方向のカルマンフィルタにより、追尾起点時間領域msを起点に分割された時間領域mと一つ前の時間領域m-1それぞれにおける推定される測位値と当該測位値に付随する再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて、推定される測位値に対する測位精度を推定する手順と、時間逆方向のカルマンフィルタにより、追尾起点時間領域msを起点に分割された時間領域mにおける推定される測位値と当該測位値に対応する測位精度を用いて予測値と平滑値からなる測位値を得る手順と、追尾起点時間領域msを起点に分割された時間領域mにおける平滑値からなる測位値と当該測位値に対応する測位精度から推定される予測精度によって定まる予測ゲートを設定し、時間逆方向の隣接時間領域m-1に存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)が当該設定された予測ゲート内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)がいずれの予測ゲート内に存在しないと異常値と判定する手順と、追尾起点時間領域msを起点に分割された一つ前の時間領域m-1における再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)の内、いずれの予測ゲート内に存在しないとして異常値と判定される方位測定値(θk、φk)に付随する方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を当該方位測定値(θk、φk)の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再度設定する手順と、分割された時間領域m毎に、各時間領域mに存在する方位情報が示す方位測定値(θk、φk)と当該方位測定値(θk、φk)に付随する再設定された方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を再度設定した方位測定誤差(σθ,k、σφ,k)を用いて目標に対する各時間領域mにおける測位値を推定する手順と、時間領域m毎の平滑値からなる測位値を時系列につなげて目標100の軌跡を示す物体軌跡情報を出力する手順と、を備える。
特に、軌跡推定が困難なマルチパス環境が目標周辺にあっても軌跡推定を行うことができる。
Claims (15)
- 目標からの到来電波を受信した複数の方位センサそれぞれにより得られる方位測定値を示す方位情報、及び当該方位情報が示す方位測定値に付随する方位測定誤差を示す方位測定誤差情報を読み込む方位情報読込部と、
前記複数の方位センサそれぞれが前記目標を観測した時間を時系列順に複数の時間領域に分割し、前記方位情報読込部が読み込む方位情報を前記分割された時間領域毎に分割する時間領域分割部と、
前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、各時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が異常値を示すか否かを判定し、異常値と判定した方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再設定し、異常値でないと判定した方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度をそのままに再設定する異常値判定部と、
前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、各時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値と当該方位測定値に付随する再設定された方位測定誤差を用いて前記目標に対する各時間領域における測位値を推定する測位処理部と、
前記測位処理部により推定された時間領域毎の測位値を時系列につなげて前記目標の軌跡を示す物体軌跡情報を出力する出力部と、
を備える目標軌跡推定装置。 - 目標からの到来電波を受信した複数の方位センサそれぞれにより得られる方位測定値を示す方位情報、及び当該方位情報が示す方位測定値に付随する、あるいは、一様に設定される方位測定誤差を示す方位測定誤差情報を読み込む方位情報読込部と、
前記複数の方位センサそれぞれが前記目標を観測した時間を時系列順に複数の時間領域に分割し、前記方位情報読込部が読み込む方位情報を前記分割された時間領域毎に分割する時間領域分割部と、
前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、各時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が示す位置が一点に集中しているか、あるいは、位置と速度からなる状態ベクトルの周辺に集中するかを基に、当該方位測定値が異常値を示すか否かを判定し、異常値と判定した方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再設定し、異常値でないと判定した方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度をそのままに再設定する異常値判定部と、
前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、各時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値と当該方位測定値に付随する再設定された方位測定誤差を用いて前記目標に対する各時間領域における測位値を推定する測位処理部と、
前記測位処理部により推定された時間領域毎の測位値を時系列につなげて前記目標の軌跡を示す物体軌跡情報を出力する出力部と、
を備える目標軌跡推定装置。 - 前記異常値判定部における方位測定値が異常値を示すか否かの判定は、前記複数の方位センサから一定台数の方位センサを選択して複数のセンサ組に組わけし、前記複数のセンサ組それぞれにおいて、前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、各時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値と当該方位測定値に付随する方位測定誤差を用いて測位処理を行ない前記目標に対するセンサ組における仮測位値を得、当該仮測位値と当該仮測位値に対応する前記方位センサの位置及び前記方位測定誤差を用いてセンサ組における仮測位精度を推定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が前記仮測位値と前記仮測位精度によって定まる測位ゲート内に存在するかを判定することにより当該方位測定値の信頼度を評価し、当該評価した信頼度が高い方位測定値を正常値、当該評価した信頼度が低い方位測定値を異常値とする判定である請求項2に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記異常値判定部における異常値と判定した方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定は、異常値と判定した方位測定値に付随する方位測定誤差が示す値を異常値でないと判定される方位測定値に付随する方位測定誤差が示す値より大きい値のパラメータ値に再設定することである請求項2に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記異常値判定部におけるセンサ組における仮測位精度の推定は、前記センサ組における仮測位値と対応する前記方位センサの位置と誤差設定部によって設定される方位測定誤差を用いて前記仮測位値が理論的に取り得る分散の下限値(BCRB:Bayesian Cramer-Rao Boundary)を計算することにより行う請求項3に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記異常値判定部は、
前記複数の方位センサから一定台数の方位センサを選択して複数のセンサ組に組わけし、前記複数のセンサ組それぞれにおいて、前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に仮測位値を推定し、当該得られた仮測位値によって定まる測位ゲートを設定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が当該設定された測位ゲート内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が当該設定されたいずれの測位ゲート内に存在しないと異常値と判定する測位ケート判定部と、
前記測位ケート判定部により異常値と判定される方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再設定する信頼度設定部と、
備える請求項2に記載の目標軌跡推定装置。 - 前記測位ケート判定部で行う仮測位値の推定は、重み付き最小二乗推定による方法又はMAP(Maximum a Posteriori)推定による方法のいずれかの方法により行う請求項6に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記異常値判定部における方位測定値が異常値を示すか否かの判定は、前記複数の方位センサから一定台数の方位センサを選択して複数のセンサ組に組わけし、前記複数のセンサ組それぞれにおいて、前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に仮測位値と仮測位精度を推定し、当該得られた仮測位値が、当該得られた仮測位値と仮測位精度によって定まる測位ゲート内に存在するかを判定することにより信頼度を評価し、当該評価した信頼度が高いセンサ組毎に仮測位値同士の分散の大きさが時間領域における測位の異常度とする請求項2に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、前記異常値判定部により再設定された方位測定誤差を用いて、前記測位処理部により推定される測位値に対する測位精度を推定する精度推定部と、
前記測位処理部により推定される測位値と当該測位値に対応する前記精度推定部により推定される測位精度を用いて当該測位値をフィルタリングして平滑値と予測値を得る追尾処理部と、をさらに備え、
前記異常値判定部は、前記追尾処理部による予測値により、再設定された方位測定誤差を再度設定する、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の目標軌跡推定装置。 - 前記追尾処理部は、前記異常値判定部により異常値でないと判定した方位測定値が存在する時間領域を1つ選択し、選択した時間領域である追尾起点時間領域を起点とした時間順方向のカルマンフィルタにより、前記追尾起点時間領域の1つ後の時間領域における予測値と平滑値を求め、前記追尾起点時間領域を起点とした時間逆方向のカルマンフィルタにより、前記追尾起点時間領域の1つ前の時間領域における予測値と平滑値を求め、
前記出力部により用いられる前記追尾処理部により推定された時間領域毎の平滑値を目標軌跡推定装置の出力とした、
請求項9に記載の目標軌跡推定装置。 - 前記追尾処理部による追尾起点時間領域の選択は、時間領域内に存在する方位測定値の分散が小さい時間が続いている時間領域又は分散が最小である時間領域を選択する請求項10に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記追尾処理部による追尾起点時間領域の選択は、前記複数の方位センサから一定台数の方位センサを選択して複数のセンサ組に組わけし、前記複数のセンサ組それぞれにおいて、前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に仮測位値と仮測位精度を推定し、当該得られた仮測位値が、当該得られた仮測位値と仮測位精度によって定まる測位ゲート内に存在するかを判定することにより信頼度を評価し、当該評価した信頼度が高いセンサ組毎に仮測位値同士の分散の大きさが時間領域における測位の異常度とし、異常度が設定値より持続的に低い時間領域、又は異常度が最も低い時間領域を選択する請求項10に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記異常値判定部による再設定された方位測定誤差の再度の設定は、前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、前記追尾処理部による予測値と前記精度推定部により推定される測位精度から推定される予測精度によって定まる予測ゲートを設定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が当該設定された予測ゲート内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が当該設定されたいずれの予測ゲート内に存在しないと異常値と判定することにより行われる、請求項10に記載の目標軌跡推定装置。
- 前記時間領域分割部により分割された時間領域毎に、前記異常値判定部における前記信頼度設定部により再設定された方位測定誤差を用いて、前記測位処理部により推定される測位値に対する測位精度を推定する精度推定部と、
前記時間領域分割部により分割された隣接する時間領域それぞれにおける前記測位処理部により推定される測位値と当該測位値に付随する前記精度推定部により推定される測位精度を用いてカルマンフィルタによりフィルタリングして予測値と平滑値を得る追尾処理部と、をさらに備え、
前記異常値判定部は、前記追尾処理部による予測値と前記精度推定部により推定される測位精度から推定される予測精度によって定まる予測ゲートを設定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が当該設定された予測ゲート内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値がいずれの予測ゲート内に存在しないと異常値と判定する予測ゲート判定部を備え、
前記異常値判定部における前記信頼度設定部は、再設定された方位測定誤差の内、前記予測ゲート判定部により異常値と判定される方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再度設定し、
前記出力部により用いられる前記追尾処理部により推定された時間領域毎の平滑値を目標軌跡推定装置の出力とした、
請求項6に記載の目標軌跡推定装置。 - 時間領域分割部と、測位ケート判定部及び信頼度設定部を有する異常値判定部と、測位処理部と、出力部を備える目標軌跡推定装置による目標の測位値を測定する目標軌跡推定方法であって、
前記時間領域分割部が、前記目標からの到来電波を受信した複数の方位センサそれぞれが前記目標を観測した時間を時系列順に複数の時間領域に分割し、前記複数の方位センサそれぞれにより得られる方位測定値を示す方位情報を前記分割された時間領域毎に分割するステップと、
前記異常値判定部における測位ケート判定部が、前記複数の方位センサから一定台数の方位センサを選択して複数のセンサ組に組わけし、前記複数のセンサ組それぞれにおいて、前記分割された時間領域毎に仮測位値を推定し、当該得られた仮測位値によって定まる測位ゲートを設定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が当該設定された測位ゲート内に存在すると正常値と判定し、当該時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値が当該設定されたいずれの測位ゲート内に存在しないと異常値と判定するステップと、
前記異常値判定部における信頼度設定部が、前記異常値と判定される方位測定値に付随する方位測定誤差を当該方位測定値の軌跡推定に対する信頼度を下げる設定に再設定するステップと、
前記測位処理部が前記分割された時間領域毎に、各時間領域に存在する方位情報が示す方位測定値と当該方位測定値に付随する再設定された方位測定誤差を用いて前記目標に対する各時間領域における測位値を推定するステップと、
前記出力部が前記推定された時間領域毎の測位値を時系列につなげて前記目標の軌跡を示す物体軌跡情報を出力するステップと、
を備える目標軌跡推定方法。
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