JPH08262121A - 測位装置 - Google Patents

測位装置

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JPH08262121A
JPH08262121A JP6795495A JP6795495A JPH08262121A JP H08262121 A JPH08262121 A JP H08262121A JP 6795495 A JP6795495 A JP 6795495A JP 6795495 A JP6795495 A JP 6795495A JP H08262121 A JPH08262121 A JP H08262121A
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angle
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measuring sensors
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Atsushi Okamura
敦 岡村
Seiji Mano
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電波源からの信号の到来方向を複数の測角セ
ンサにより測定し、測角センサからこの到来方向に引か
れた複数の方位線により上記電波源の位置を特定する測
位装置において、電波源が複数存在し、方位線が多数引
かれる場合に生じる虚像を抑圧することを目的とする。 【構成】 この発明の測角装置では、対応判定手段10
3が、相関係数算出手段102a,102bが出力する
相互相関係数行列Φ(1) 、Φ(2) に基づき、電波源ごと
に、測角センサ4aの到来角推定値θ(1) 1、θ(1) 2、θ
(1) 3と測角センサ4bの到来角推定値θ(2) 1、θ(2) 2
θ(2) 3との対応をとり、この対応関係に基づき、角度デ
ータ順序交換手段104が測角センサ4bの到来角推定
値の順序を入れ替え、交点算出手段105が、対応関係
が正しくとられたθ(1) 1とθ(2) i1の組、θ(1) 2とθ(2)
i2 の組、θ(1) 3とθ(2) i3 の組から電波源を特定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の測角センサを
用いて電波源の位置を特定する測位装置に関し、特に、
同一周波数帯に複数の入射波が存在する混信時において
も、各入射波の到来方向を分離して測定する測位装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電波、音波、光波等を発する目標の位置
を特定すること(測位)は、レーダ、ソナー、ライダで
盛んに行われている。とくに、目標が電波、音波、光波
等を発射(または反射)している場合、複数の測角セン
サを用いることにより、電波、音波、光波等を発射する
ことなしに(すなわち、パッシブに)目標位置を特定で
きることがよく知られている。このような方法で目標
(波源)位置を特定するパッシブ測位装置を、以後、単
に測位装置と呼ぶ。また、以後、電波を発射している電
波源を測位する場合を想定して説明する。
【0003】まず、従来の測位装置について、図11〜
図13を参照して説明する。図11は、従来の測位装置
の構成図であり、4a,4bは電波源からの電波の到来
方向をそれぞれ測定する測角センサである。測角センサ
4a,4bは電波源の測位ができるように、互いに離し
て設置されている。
【0004】測角センサ4aは、M個の受信アンテナ1
a−1〜1a−M、M個の受信アンテナそれぞれに設け
られているM個の受信機2a−1〜2a−M、及びM個
の受信機からのM個の受信信号x1 〜xM に基づき測角
処理を行う測角処理手段3aから構成される。受信機2
a−1〜2a−Mは、フィルタ場合によってはA/D変
換器を含む。同様に、測角センサ4bは、M個の受信ア
ンテナ1b−1〜1b−M、M個の受信アンテナそれぞ
れに設けられているM個の受信機2b−1〜2b−M、
及びM個の受信機からのM個の受信信号x1 〜xM に基
づき測角処理を行う測角処理手段3bから構成される。
【0005】6は測角センサ4a,4bからの到来角推
定値θ(1) 及びθ(2) に基づき交点を算出して電波源の
測位する交点算出手段、7は交点算出手段6の測位結果
を表示する表示手段である。
【0006】次に動作について説明する。たとえば、図
12のように、1つの電波源31が存在すると仮定す
る。測角センサ4aにおいて、受信アンテナ1a−1〜
1a−Mで捕えられた電波源31からの受信信号は、そ
れぞれ、受信機2a−1〜2a−Mを経て測角処理手段
3aに送られる。測角処理手段3aは、受信信号x1
M に基づき到来角θ(1) を推定し、測角センサ4aの
出力として交点算出手段6に送る。同様に、測角処理手
段3bは測角センサ4bの出力としてθ(2) を交点算出
手段6に送る。
【0007】交点算出手段6は、既知の測角センサ4
a、4bの座標と到来角推定値θ(1)及びθ(2) に基づ
き方位線L(1) 、L(2) を求める。ところで、測角セン
サ4a,4bの位置はあらかじめわかっており、これら
センサの間の距離は既知である。したがって、交点算出
手段6は、三角測量の原理に基づき、L(1) 、L(2)
交点の座標を算出することができる。この交点が電波源
31の位置を示す。表示手段7はこの交点座標を電波源
31の推定位置として表示する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記測位装
置では、測定対象とするフィールドに同一の周波数帯の
複数の電波源が存在する場合には、一個の測角センサか
ら得られる方位線は電波源の個数分求められる。たとえ
ば、図13に示すように、3つの電波源(31a〜31
c)が存在する場合、測角センサ4aの到来角推定値は
θ(1) 1、θ(1) 2、θ(1) 3の3つであり、これら到来角推
定値に対してそれぞれ包囲線L(1) 1、L(1 ) 2、L(1) 3
求められる。同様に、測角センサ4bの到来角推定値は
θ(2) 1、θ(2) 2、θ(2) 3の3つであり、これら到来角推
定値に対してそれぞれ包囲線L(2) 1、L(2) 2、L(2) 3
求められる。
【0009】ところで、図13によれば、包囲線
(1) 1、L(1) 2、L(1) 3と包囲線L(2) 1、L(2) 2、L
(2) 3との交点は9つあるが、これら交点のうちで真の電
波源31a〜31cの位置を示すものは同図の黒丸で示
された3つのみであり、白丸で示された6つの交点は虚
像32a〜32fである。
【0010】つまり、複数の電波源と測角センサが、例
えば地表面のような同一平面上に存在する場合、方位線
の交点の個数は実際の電波源の個数を上回り、実像(す
なわち電波源の位置)のほかに複数の虚像が表示され
る、このように、従来の測位装置には、電波源の位置に
アンビギュイティ(曖昧さ)が生じてしまうという問題
があった。測角センサを追加すれば、上記アンビギュイ
ティを除去することができるようになるが、この場合、
測角センサを多数設けるとともにこれらセンサと交点算
出手段との間でデータ通信を行う通信設備を多数設けな
ければならず、コストの増大を招いてしまう。
【0011】以上のように、従来の測位装置では、電波
源が複数個存在する場合、電波源位置の推定にアンビギ
ュイティが残る、もしくは電波源の位置の虚像が多数表
示されるという課題があった。上記虚像を排除する場合
には、測位装置のコストが上昇するという課題があっ
た。
【0012】この発明は、以上のような課題を解決する
ためになされたもので、コストを抑制しつつ、電波源の
位置のアンビギュイティを小さくできる測位装置を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る測位装置
は、互いに離隔して配置され、複数の電波源に対応する
複数の入射信号を受けて、これら入射信号の到来角及び
これら入射信号間の相互関係を、それぞれ求める複数の
測角センサと、上記複数の測角センサのひとつが出力す
る入射信号間の相互関係と上記複数の測角センサの他の
ひとつが出力する入射信号間の相互関係とを比較して、
上記電波源ごとに、上記複数の測角センサのひとつによ
る到来角と上記複数の測角センサの他のひとつによる到
来角とを対応づける対応関係判定手段と、上記対応関係
判定手段により対応づけられた複数の到来角に基づき上
記電波源の位置を求める交点算出手段とを備えたもので
ある。
【0014】請求項2に係る測位装置は、上記複数の測
角センサのいずれかを、入射信号間の相互関係として相
互相関係数を出力するように構成するとともに、上記対
応関係判定手段を、上記複数の測角センサのひとつが出
力する相互相関係数と上記複数の測角センサの他のひと
つが出力する相互相関係数同士の距離を求め、この距離
に基づき比較を行い対応関係を求めるように構成したも
のである。
【0015】請求項3に係る測位装置は、上記複数の測
角センサのいずれかを、入射信号間の相互関係として相
互相関係数を出力するように構成するとともに、上記対
応関係判定手段を、上記複数の測角センサのひとつが出
力する相互相関係数と上記複数の測角センサの他のひと
つが出力する相互相関係数との分散を求め、この分散に
基づき比較を行い対応関係を求めるように構成したもの
である。
【0016】請求項4に係る測位装置は、上記測角セン
サを、複数の素子アンテナと、上記複数の素子アンテナ
についてそれぞれ設けられ、受信処理を行う複数の受信
機と、MUSICアルゴリズムを用いて上記複数の受信
機の出力に基づき複数の入射信号の到来角及びこれら入
射信号の共分散行列を求めるMUSIC信号処理手段
と、上記共分散行列から相互相関行列を求める相関係数
算出手段とから構成したものである。
【0017】請求項5に係る測位装置は、上記測角セン
サを、複数の素子アンテナと、疑似信号を発生する発振
器と、上記発振器が出力する疑似信号を上記複数の素子
アンテナの数に対応して分配する分配器と、上記分配器
の分配出力それぞれについて振幅及び位相の調整を行う
複数の調整器と、上記複数の素子アンテナの出力と上記
複数の調整器の出力とをそれぞれ合成する複数の合成器
と、上記複数の合成器の出力をそれぞれ受けて、受信処
理を行う複数の受信機と、MUSICアルゴリズムを用
いて上記複数の受信機の出力に基づき複数の入射信号の
到来角及びこれら入射信号の共分散行列を求めるMUS
IC信号処理手段と、上記共分散行列から相互相関行列
を求める相関係数算出手段とから構成したものである。
【0018】請求項6に係る測位装置は、上記測角セン
サを、複数の素子アンテナと、上記複数の素子アンテナ
についてそれぞれ設けられ、受信処理を行う複数の受信
機と、疑似データを発生する信号発生器と、上記信号発
生器の出力データ受けて、それぞれ複素乗算を行う複数
の複素乗算器と、上記複数の受信機の出力データと上記
複数の複素乗算器の出力データとをそれぞれ複素加算す
る複数の複素加算器と、MUSICアルゴリズムを用い
て上記複数の複素加算器の出力データに基づき複数の入
射信号の到来角及びこれら入射信号の共分散行列を求め
るMUSIC信号処理手段と、上記共分散行列から相互
相関行列を求める相関係数算出手段とから構成したもの
である。
【0019】請求項7に係る測位装置は、互いに離隔し
て配置され、複数の電波源に対応する複数の入射信号を
受けて、これら入射信号の到来角及びこれら入射信号間
の相互関係を、それぞれ求める複数の測角センサと、上
記複数の測角センサのひとつによる到来角と上記複数の
測角センサの他のひとつによる到来角との対応関係を、
到来角間の組み合わせを変えながら順次出力する対応関
係指定手段と、上記対応関係指定手段により対応づけら
れた複数の到来角に基づき上記電波源の位置を求める交
点算出手段と、上記対応関係指定手段が出力する対応関
係に基づき上記複数の測角センサのひとつが出力する入
射信号間の相互関係と上記複数の測角センサの他のひと
つが出力する入射信号間の相互関係とを比較して、上記
対応関係の妥当性を計算する評価関数算出手段とを備え
たものである。
【0020】請求項8に係る測位装置は、互いに離隔し
て配置され、複数の電波源に対応する複数の入射信号を
受けて、これら入射信号の到来角及びこれら入射信号の
電界強度を、それぞれ求める複数の測角センサと、上記
複数の測角センサのひとつによる到来角と上記複数の測
角センサの他のひとつによる到来角とから交点を求め、
順次出力する交点算出手段と、上記複数の測角センサご
とに設けられ、上記交点算出手段が出力する交点座標と
上記測角センサとの間の距離を求めるとともに、この距
離及び上記複数の測角センサによる上記入射信号の電界
強度に基づき、上記電波源ごとに送信電力を、それぞれ
求める複数の送信電力推定手段と、上記複数の送信電力
推定手段が出力する送信電力に基づき上記交点算出手段
による交点の妥当性を計算する評価関数算出手段とを備
えたものである。
【0021】請求項9に係る測位装置は、上記評価関数
算出手段を、上記複数の測角センサのひとつが出力する
電界強度と上記複数の測角センサの他のひとつが出力す
る電界強度との差を求め、この差に基づき評価を行うよ
うに構成したものである。
【0022】請求項10に係る測位装置は、上記評価関
数算出手段を、上記複数の測角センサのひとつが出力す
る電界強度と上記複数の測角センサの他のひとつが出力
する電界強度との分散を求め、この分散に基づき評価を
行うように構成したものである。
【0023】請求項11に係る測位装置は、互いに離隔
して配置され、複数の電波源に対応する複数の入射信号
を受けて、これら入射信号の到来角及びこれら入射信号
を分離して、それぞれ求める複数の測角センサと、上記
複数の測角センサのひとつが出力する分離された入射信
号と上記複数の測角センサの他のひとつが出力する分離
された入射信号とを比較して、上記電波源ごとに、上記
複数の測角センサのひとつによる到来角と上記複数の測
角センサの他のひとつによる到来角とを対応づける対応
関係判定手段と、上記対応関係判定手段により対応づけ
られた複数の到来角に基づき上記電波源の位置を求める
交点算出手段とを備えたものである。
【0024】請求項12に係る測位装置は、上記測角セ
ンサを、複数の素子アンテナと、上記複数の素子アンテ
ナについてそれぞれ設けられ、受信処理を行う複数の受
信機と、上記複数の受信機の出力に基づき上記複数の入
射信号の到来角を推定する測角処理手段と、上記測角処
理手段で推定した到来角に基づき上記複数の受信機の出
力を処理し、上記複数の入射信号の到来角の一部の方向
にアンテナビームのヌルを形成することにより、上記複
数の入射信号の一部を選択してそれぞれ出力する複数の
ビームフォーマとから構成したものである。
【0025】請求項13に係る測位装置は、上記交点算
出手段を、上記複数の測角センサから上記電波源への方
位線を求め、これら方位線により囲まれる閉曲線の重心
座標を上記電波源の位置として出力する構成としたもの
である。
【0026】
【作用】請求項1の発明においては、互いに離隔して配
置された複数の測角センサが、複数の電波源に対応する
複数の入射信号を受けて、これら入射信号の到来角及び
これら入射信号間の相互関係をそれぞれ求め、対応関係
判定手段が、上記複数の測角センサのひとつが出力する
入射信号間の相互関係と上記複数の測角センサの他のひ
とつが出力する入射信号間の相互関係とを比較して、上
記電波源ごとに、上記複数の測角センサのひとつによる
到来角と上記複数の測角センサの他のひとつによる到来
角とを対応づけ、交点算出手段が、上記対応関係判定手
段により対応づけられた複数の到来角に基づき上記電波
源の位置を求める。
【0027】請求項2の発明においては、上記複数の測
角センサのいずれかが、入射信号間の相互関係として相
互相関係数を出力し、上記対応関係判定手段が、上記複
数の測角センサのひとつが出力する相互相関係数と上記
複数の測角センサの他のひとつが出力する相互相関係数
同士の距離を求め、この距離に基づき比較を行い対応関
係を求める。
【0028】請求項3の発明においては、上記複数の測
角センサのいずれかが、入射信号間の相互関係として相
互相関係数を出力し、上記対応関係判定手段が、上記複
数の測角センサのひとつが出力する相互相関係数と上記
複数の測角センサの他のひとつが出力する相互相関係数
との分散を求め、この分散に基づき比較を行い対応関係
を求める。
【0029】請求項4の発明においては、上記複数の素
子アンテナについてそれぞれ設けられた複数の受信機が
受信処理を行い、MUSIC信号処理手段が、MUSI
Cアルゴリズムを用いて上記複数の受信機の出力に基づ
き複数の入射信号の到来角及びこれら入射信号の共分散
行列を求め、相関係数算出手段が、上記共分散行列から
相互相関行列を求める。
【0030】請求項5の発明においては、発振器が疑似
信号を発生し、分配器が上記発振器が出力する疑似信号
を上記複数の素子アンテナの数に対応して分配し、複数
の調整器が上記分配器の分配出力それぞれについて振幅
及び位相の調整を行い、合成器が、上記複数の素子アン
テナの出力と上記複数の調整器の出力とをそれぞれ合成
し、複数の受信機が、上記複数の合成器の出力をそれぞ
れ受けて、受信処理を行い、MUSIC信号処理手段
が、MUSICアルゴリズムを用いて上記複数の受信機
の出力に基づき複数の入射信号の到来角及びこれら入射
信号の共分散行列を求め、相関係数算出手段が、上記共
分散行列から相互相関行列を求める。
【0031】請求項6の発明においては、上記複数の素
子アンテナについてそれぞれ設けられた複数の受信機
が、受信処理を行い、信号発生器が疑似データを発生
し、複数の複素乗算器が、上記信号発生器の出力データ
受けて、それぞれ複素乗算を行い、複数の複素加算器
が、上記複数の受信機の出力データと上記複数の複素乗
算器の出力データとをそれぞれ複素加算し、MUSIC
信号処理手段が、MUSICアルゴリズムを用いて上記
複数の複素加算器の出力データに基づき複数の入射信号
の到来角及びこれら入射信号の共分散行列を求め、相関
係数算出手段が、上記共分散行列から相互相関行列を求
める。
【0032】請求項7の発明においては、互いに離隔し
て配置された複数の測角センサが、複数の電波源に対応
する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の到来角
及びこれら入射信号間の相互関係を、それぞれ求め、対
応関係指定手段が、上記複数の測角センサのひとつによ
る到来角と上記複数の測角センサの他のひとつによる到
来角との対応関係を、到来角間の組み合わせを変えなが
ら順次出力し、交点算出手段が、上記対応関係指定手段
により対応づけられた複数の到来角に基づき上記電波源
の位置を求め、評価関数算出手段が、上記対応関係指定
手段が出力する対応関係に基づき上記複数の測角センサ
のひとつが出力する入射信号間の相互関係と上記複数の
測角センサの他のひとつが出力する入射信号間の相互関
係とを比較して、上記対応関係の妥当性を計算する。
【0033】請求項8の発明においては、互いに離隔し
て配置された複数の測角センサが、複数の電波源に対応
する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の到来角
及びこれら入射信号の電界強度を、それぞれ求め、交点
算出手段が、上記複数の測角センサのひとつによる到来
角と上記複数の測角センサの他のひとつによる到来角と
から交点を求め、順次出力し、上記複数の測角センサご
とに設けられた複数の送信電力推定手段が、上記交点算
出手段が出力する交点座標と上記測角センサとの間の距
離を求めるとともに、この距離及び上記複数の測角セン
サによる上記入射信号の電界強度に基づき、上記電波源
ごとに送信電力を、それぞれ求め、評価関数算出手段
が、上記複数の送信電力推定手段が出力する送信電力に
基づき上記交点算出手段による交点の妥当性を計算す
る。
【0034】請求項9の発明においては、上記評価関数
算出手段が、上記複数の測角センサのひとつが出力する
電界強度と上記複数の測角センサの他のひとつが出力す
る電界強度との差を求め、この差に基づき評価を行う。
【0035】請求項10の発明においては、上記評価関
数算出手段が、上記複数の測角センサのひとつが出力す
る電界強度と上記複数の測角センサの他のひとつが出力
する電界強度との分散を求め、この分散に基づき評価を
行う。
【0036】請求項11の発明においては、互いに離隔
して配置された複数の測角センサが、複数の電波源に対
応する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の到来
角及びこれら入射信号を分離して、それぞれ求め、対応
関係判定手段が、上記複数の測角センサのひとつが出力
する分離された入射信号と上記複数の測角センサの他の
ひとつが出力する分離された入射信号とを比較して、上
記電波源ごとに、上記複数の測角センサのひとつによる
到来角と上記複数の測角センサの他のひとつによる到来
角とを対応づけ、交点算出手段が、上記対応関係判定手
段により対応づけられた複数の到来角に基づき上記電波
源の位置を求める。
【0037】請求項12の発明においては、上記複数の
素子アンテナについてそれぞれ設けられた複数の受信機
が受信処理を行い、測角処理手段が上記複数の受信機の
出力に基づき上記複数の入射信号の到来角を推定し、複
数のビームフォーマが、上記測角処理手段で推定した到
来角に基づき上記複数の受信機の出力を処理し、上記複
数の入射信号の到来角の一部の方向にアンテナビームの
ヌルを形成することにより、上記複数の入射信号の一部
を選択してそれぞれ出力する。
【0038】請求項13の発明においては、上記交点算
出手段が、上記複数の測角センサから上記電波源への方
位線を求め、これら方位線により囲まれる閉曲線の重心
座標を上記電波源の位置として出力する。
【0039】
【実施例】
実施例1.この実施例1について図1及び図2を用いて
説明する。ここでは、一例として、2個の独立した測角
センサを用いて、3個の電波源位置を測位する場合につ
いて説明する。図1はこの実施例1の測位装置の構成図
である。同図において、4a,4bは電波源からの電波
の到来方向をそれぞれ測定する測角センサである。測角
センサ4a,4bは電波源の測位ができるように、互い
に離して設置されている。
【0040】測角センサ4aは、M個の受信アンテナ1
a−1〜1a−M、M個の受信アンテナそれぞれに設け
られているM個の受信機2a−1〜2a−M、及びM個
の受信機からのM個の受信信号x1 〜xM に基づき測角
処理を行うMUSIC信号処理手段101aから構成さ
れる。受信機2a−1〜2a−Mは、フィルタ、及び場
合によってはA/D変換器を含む。同様に、測角センサ
4bは、M個の受信アンテナ1b−1〜1b−M、M個
の受信アンテナそれぞれに設けられているM個の受信機
2b−1〜2b−M、及びM個の受信機からのM個の受
信信号x1 〜xM に基づき測角処理を行うMUSIC信
号処理手段101bから構成される。
【0041】MUSIC信号処理手段101a,101
bは、到来方位角及び入射信号の共分散行列を推定す
る。102a,102bは、MUSIC信号処理手段1
01a,101bが出力する入射信号の共分散行列S
(1) ,S(2) をそれぞれ受けて相互相関係数行列Φ
(1 ) 、Φ(2) を求める相関係数算出手段である。
【0042】103は相関係数算出手段102a,10
2bがそれぞれ出力する電界信号の相互相関係数行列Φ
(1) 及びΦ(2) に基づき、測角センサ4aの入射信号と
測角センサ4bの入射信号との対応関係を求める対応判
定手段である。104は対応判定手段103が出力する
対応関係i1 ,i2 ,i3 に基づき、MUSIC信号処
理手段101bが出力する到来角度推定値θ(2) 1,θ
(2) 2,θ(2) 3の順序を並べ換えて、電波源ごとに、MU
SIC信号処理手段101aの到来角度推定値θ(1) 1
θ(1) 2,θ(1) 3の順序と一致させる角度データ順序交換
手段である。角度データ順序交換手段103により対応
づけられた測角センサ4aの到来角度推定値と測角セン
サ4bの到来角度推定値の組(θ(1) 1、θ(2) i1 ),
(θ(1) 2、θ(2) i2 ),(θ(1) 3、θ(2) i3 )は、それ
ぞれ、ひとつの電波源からの到来信号の方位角の組を意
味するものである。
【0043】105はMUSIC信号処理手段101a
が出力する到来角度推定値θ(1) 1,θ(1) 2,θ(1) 3及び
角度データ順序交換手段が出力する並べ換えられた到来
角度推定値θ(2) i1 ,θ(2) i2 ,θ(2) i3 に基づき、そ
れぞれの電波源について独立に真の位置を求める交点算
出手段である。
【0044】次に動作について説明する。ここでは図1
3に示すように配置された3つの電波源31a〜31c
が存在する場合を例にとり説明する。同図からわかるよ
うに、θ(1) 1及びθ(2) 2がそれぞれ測角センサ4a,4
bによる電波源31aの真の方位を表す。また、θ(1) 2
及びθ(2) 3がそれぞれ測角センサ4a,4bによる電波
源31bの方位を表す。また、θ(1) 3及びθ(2) 1がそれ
ぞれ測角センサ4a,4bによる電波源31cの方位を
表す。
【0045】今、測角センサ4aで算出された電波源3
1aの方位角θ(1) 1に対応する測角センサ4bの到来角
の番号をi1 とする。同様に、電波源31bの方位角θ
(1) 2に対応する測角センサ7bの到来角の番号をi2 と
し、電波源31cの方位角θ(1) 3に対応する測角センサ
4bの到来角の番号をi3 とする。図13の場合におい
て、 (i1 、i2 、i3 )=(2、3、1) となる。従来は、このような到来角の対応関係が不明で
あるから虚像が現れ、実像(電波源位置)を特定できな
い。そこで、この実施例1において、入射信号間の相関
関係を手がかりに、上記到来角の対応関係(i1 、i2
、i3 )を特定する。
【0046】s(1) 1、s(1) 2、s(1) 3を測角センサ4a
により測定される、それぞれθ(1) 1、θ(1) 2、θ(1) 3
到来角に対応する入射信号、s(2) 1、s(2) 2、s(2) 3
測角センサ4bにより測定される、それぞれθ(2) 1、θ
(2) 2、θ(2) 3の到来角に対応する電波の入射信号とす
る。
【0047】MUSIC信号処理手段101a,101
bは、それぞれ、Mチャネルの受信信号xm (m=1,…,
M) を用いて、例えば公知文献 R.O.Schmidt : ”Multip
le Emitter Location and Signal Parameter Estimatio
n”, IEEE Trans. AP-34, 3,pp.276-280 (1986) に示さ
れるようなMUSICアルゴリズムに基づいて、電波到
来角θ1 、θ2 、θ3 を分離して測角すると共に、入射
信号s1 、s2 、s3の相関行列S(1) 、S(2) を算出
する。相関行列Sの第m,n成分cm,n は、sm とsn
との相関を意味し、次式で与えられる。 cm,n =<smn *> (m=1,2,3; n=1,2,3) (1)
【0048】ここで、*は複素共役を、<>は時間平均
を意味する。相関係数算出手段102a,102bは、
それぞれ、MUSIC信号処理手段101a,101b
が出力する相関行列S(1) ,S(2) に基づき、入射信号
の相互相関係数行列Φ(1) ,Φ(2) を算出する。相互相
関係数行列Φの第m,n成分であるrm,n は、次式で算
出される(以下、絶対値の表示を、ABS と記することが
ある)。 rm,n=ABS( cm,n)/( cm,mn,n)1/2 (m=1,2,3; n=1,2,3) (2)
【0049】ここで、cm,m 、cn,n は、それぞれs
m 、sn の電力pm 、pn と等価であるから、rm,n
は、sm とsn との相互相関係数を意味する。
【0050】対応判定手段103は、Φ(1) 、Φ(2)
素であるr(1) m,n、r(2) m,nに基づき、上記(j1、j2、
j3)のすべての組み合わせ( j1=1,2,3; j2=1,2,3; j3
=1,2,3 )について、次式の評価関数F(j1,j2,j3)を計算
する。
【0051】
【数1】
【0052】ところで、j1 、j2 、j3 の取り得る値
は1、2、3で互いに重複を許せないから(j1 、j2
、j3 )の組み合わせは3!通り存在する(一般に
は、電波源がK個存在すると組み合わせはK!通り存在
する。)。つぎに、3!個のF(j1,j2,j3)の値を比較し
て、F(j1,j2,j3)の中で最も小さい値をとる(j1 、j
2、j3 )を選択し、これを(i1 、i2 、i3 )とし
て出力する。次に、このこの理由について説明する。な
お、(i1 、i2 、i3 )の具体的な算出方法例は後述
する。
【0053】相関を求めている2つの信号が同一のもの
であれば、その相互相関係数rは、測角センサによらず
原理的に同一の値を示す。従って、理想的には、図13
に示すような配置において、Φ(1) 、Φ(2) の要素の間
に次式のような等式が成立する。 r(1) 2,1=r(2) 3,2(1) 3,1=r(2) 2,1(1) 3,2=r(2) 3,1 (4)
【0054】したがって、(j1,j2,j3)=
(2、3、1)であれば、(3) 式の右辺は原理的には0
となり、実際にもF(2,3,1) の値が最小となる。すなわ
ち、対応判定手段103が、複数の測角センサ4a,4
b間の入射波の対応関係(i1 、i2 、i3 )を推測す
る。
【0055】角度データ順序交換手段104は、対応判
定手段103から送られる対応関係(i1 、i2 、i3
)に従い、測角センサ4bから出力されるθ(2) 1、θ
(2) 2、θ(2) 3をθ(2) i1 、θ(2) i2 、θ(2) i3 に並び換
える。たとえば、図13に示すような配置の場合、θ
(2) 1、θ(2) 2、θ(2) 3はθ(2) 2、θ(2) 3、θ(2) 1に並び
換えられる。
【0056】交点算出手段105は、測角センサ4aか
らの到来角推定値θ(1) 1、θ(1) 2、θ(1) 3及び並び換え
られた到来角推定値θ(2) i1 、θ(2) i2 、θ(2) i3 に基
づき、θ(1) 1とθ(2) i1 から電波源31aの位置を示す
交点1の座標を、θ(1) 2とθ(2) i2 から電波源31bの
位置を示す交点2の座標を、θ(1) 3とθ(2) i3 から電波
源31cの位置を示す交点3の座標を、それぞれ独立に
算出する。
【0057】なお、たとえば、測角センサが3つ以上あ
り、ひとつの電波源について方位線が3つ以上存在する
場合において、交点算出手段105は、これら方位線に
より囲まれる閉曲線の重心座標を求め、この電波源の位
置として出力するようにしてもよい。また、重心座標に
代えて、内心・外心・垂心座標を求めるようにしてもよ
い。
【0058】表示手段7は、図13における方位線L
(1) 1と方位線L(2) 2の交点、L(1) 2とL(2) 3の交点、L
(1) 3とL(2) 1の交点のみを表示する。従って、虚像を表
示することなく、電波源(実像)のみを推定することが
できる。
【0059】次に、(i1 、i2 、i3 )の具体的な算
出方法について説明する。図2は、対応判定手段103
における(i1 、i2 、i3 )の具体的な算出方法を示
すフローチャートである。以下、処理方法をこの図に基
づき説明する。
【0060】ステップ201において、メモリFmin
十分に大きな値a(a 1)が格納される。これによ
り、メモリFmin は初期化される。ステップ202にお
いて、整数j1 、j2 、j3 が初期化される。
【0061】ステップ203において、整数j1 、j2
、j3 のなかで重複する整数があるかどうか判断され
る。重複する整数がある場合、ステップ204に処理が
移される。重複する整数がない場合、ステップ205に
処理が移される。
【0062】ステップ204において、整数j1 、j2
、j3 の値の組み合わせが変更される。整数j1 、j2
、j3 は整数i1 、i2 、i3 の取り得るすべての組
み合わせをとる。組み合わせ変更の後、ステップ203
に再び処理が移される。ステップ205において、(3)
式に従い、評価関数F(j1,j2,j3)の値が算出される。
【0063】ステップ206において、F(j1,j2,j3)の
値とメモリFmin に格納されたの値とが比較される。
(F(j1,j2,j3)の値)<(メモリFmin に格納されたの
値)であれば、このときの(j1,j2,j3)が(i1,i2,i3)に対
応する可能性があるから、ステップ208、209に処
理が移される。(F(j1,j2,j3)の値)≧(メモリFmin
に格納されたの値)であれば、このときの(j1,j2,j3)は
(i1,i2,i3)に対応しないから、ステップ207に処理が
移される。
【0064】ステップ207において、整数j1 、j2
、j3 のすべての組み合わせについて処理を完了した
か否かが判断される。完了している場合、ステップ21
0に処理が移される。完了していない場合、ステップ2
04に処理が移され、次の整数j1 、j2 、j3 に変更
される。
【0065】ステップ208において、整数j1 、j2
、j3 の値がメモリi1 、i2 、i3 に格納される。
ステップ209において、F(j1,j2,j3)の値がメモリF
min に格納される。すなわち、F(j1,j2,j3)<Fmin の
場合に限り、そのF(j1,j2,j3)の値がFmin に保存され
る。ステップ210において、メモリi1 、i2 、i3
の内容が出力される。このメモリの内容は、F(j1,j2,j
3)を最小とする整数j1 、j2 、j3 である。
【0066】これらのステップの処理により、最終的に
は、i1 、i2 、i3 には、F(j1,j2,j3)を最小にする
j1 、j2 、j3 の値が残ることになり、対応判定手段
103の処理の目的が達成される。
【0067】なお、以上の説明において、測角センサ4
aと測角センサ4bとで測角される入射電波の数Kが互
いに一致する場合を説明したが、一方のセンサの入射電
波の数が他方のセンサの入射電波の数と異なる場合に
も、この実施例1の方法は適用できる。
【0068】この場合、入射電波の数が少ない方のセン
サを測角センサ4aに、入射電波の数が多い方のセンサ
を測角センサ4bに割り当てればよい。例えば、一方の
センサの入射電波の数が4、他方のセンサの入射電波の
数が5の場合、対応判定手段103は( j1=1,2,3,4,5;
j2=1,2,3,4,5; j3=1,2,3,4,5; j4=1,2,3,4,5 ) に
ついて、(3) 式の評価関数F(j1,j2,j3,j4) を計算する
ことによって、入射波の対応関係(i1 、i2 、i3 、
i4 )を求めることができる。
【0069】また、測角センサの個数が3以上の場合
は、これらのセンサの組み合わせ(つまり、センサAと
センサBとの、センサAとセンサCとの、センサAとセ
ンサDとの、・・・組み合わせ)について入射波の対応
関係をそれぞれ独立に求めることにより、センサAの入
射波を基準に、すべてのセンサの入射波の対応関係を求
めることができて、交点座標を算出できる。
【0070】あるいは、対応判定手段103が、次式の
評価関数Fを最小にする整数j21,‥,j2K; …… ; jQ
1, ‥,jQKを、i21, ‥, i2K; …… ; iQ1, ‥,
iQKと決定して、交点座標を算出すればよい。ここでi
qkは、第1番目の測角センサ4−1の第k入射波到来角
θ(1) kに対応する、第q番目の測角センサ4−qの到来
角の番号である。jqk はiqkの候補である。
【0071】
【数2】
【0072】ここでr(1) jqm,jqnは、測角センサ4−q
における第jqm の入射波と第jqn の入射波との相互相関
係数である。σ(*)は*の要素の分散を表す。Kは電
波源の個数すなわち入射波の個数、Qは測角センサの個
数である。
【0073】以上のように、この実施例1によれば、そ
れぞれの測角センサにおいて複数の入射信号についての
相互相関係数行列Φを求め、この相互相関係数行列Φを
複数の測角センサから受けて、対応判定手段が、ある測
角センサで受信した特定の電波源からの信号と他の測角
センサで受信したこの電波源からの信号との対応関係を
求めるので、それぞれの測角センサにおいて特定の電波
源に対する真の到来方位角を知ることができて、方位線
の交点を求めることにより常に電波源の真の位置を求め
ることができ、虚像を排除することができる。
【0074】なお、この実施例1では、測角センサの構
成をアレーアンテナとし、測角信号処理にMUSICア
ルゴリズムを用いて説明したが、これに限るものではな
い。要は、複数の入射波の到来角を分離測角し、入射信
号間の相関が明らかになる測角センサであれば、同様の
効果が得られる。
【0075】実施例2.次に、この実施例2について、
図1及び図3を参照して説明する。図3は、この実施例
2による測角センサ4の内部構成を示す図である。図1
の測角センサ4a、4bは、いずれも図3の構成を有す
る。
【0076】301は疑似信号s0 を発生する発振器、
302は信号s0 を受信アンテナの数Mだけ分配する分
配器、303−1〜303−Mは分配されたM個の信号
0の振幅及び位相調整をそれぞれ行うアッテネータ・
位相器、304−1〜304−Mは受信アンテナ1−1
〜1−Mで受信された信号s1 、s2 のM個の要素と振
幅及び位相調整がなされた信号s0 のM個の要素とをそ
れぞれ合成する合成器である。その他の受信アンテナ
1、受信機2、MUSIC信号処理手段101は実施例
1で示されたもの同じものであるから説明を省略する。
【0077】先に説明した実施例1では、電波源の個数
が2である場合は、入射電波間の相関情報は1個しか得
られないため、実像すなわち電波源位置を特定すること
ができない。この実施例2による測角センサを用いた測
位装置は、入射電波が2個であるときに、これに疑似信
号を追加して見かけ上の入射電波数を3個に拡張するこ
とにより、電波源の個数が2である場合にも電波源位置
を特定できるようにすることを目的とする。
【0078】次に動作を説明する。発振器301は最初
停止している。ところで、MUSICアルゴリズムによ
れば、入射電波の個数も同時に算出できる。そこで、M
USIC信号処理手段101が作動して入射電波数が2
と判定されたとき、発振装置301に2つの入射波s1
、s2 と同一の周波数帯の疑似信号s0 を発振させ
る。信号s0 は分配器302によってM個のチャネルに
分配され、アッテネータ・位相器303−1〜303−
Mによりそれぞれ独立に振幅・位相を調整された後、合
成器304−1〜304−Mにおいて受信アンテナ1−
1〜1−Mの出力信号とそれぞれ合成される。
【0079】このとき、受信機2−1〜2−Mがそれぞ
れ出力する受信信号xm (m=1、‥、M)は、実施例
1の場合と異なり、次式で与えられる値となる。 X=[A(θ1 )A(θ2 )A0 ]s+N (6) X=[x1 、・・・、xMT (7)
【0080】ここで、A(θ)はステアリングベクトル
と呼ばれるM×1ベクトルで、その第m要素はθ方向か
ら入射する電波に対する第m番目の受信アンテナ1−m
の振幅及び位相を与える複素数am (θ)である。A0
は疑似信号s0 に対応するM×1のステアリングベクト
ルで、その第m要素は第m番目のアッテネータ・位相器
303−mが与える振幅・位相を表す複素数a0mであ
る。ここで、a0mは、A0 がA(θ1 )およびA(θ
2 )と線形従属とならない範囲で適当な値に設定され
る。このように設定するのは、線形独立でないと、MU
SICアルゴリズムで到来方位を算出することができな
いからである。また、sは入射信号ベクトルと呼ばれる
3×1ベクトルであり、この要素は実際の入射電波信号
1 、s2 及び疑似信号s0 である。 s=[s1 、s2 、s0T (8)
【0081】また、Nはノイズベクトルと呼ばれるM×
1ベクトルで、その要素nm は第m番目の受信機2−m
で生ずるノイズである。右肩のTは行列ベクトルの転置
を表す。
【0082】ところで、(6) 式は、入射電波数が2つで
あっても、受信機2−1〜2−Mの出力は、s1 、s
2 、s0 の3波の入射波が存在している場合と等価であ
ることを示している。つまり、見かけ上、発振器301
により入射波が1つ追加されたことになる。信号が3波
であれば実施例1の処理を適用できる。すなわち、MU
SIC信号処理101が再度処理を行うことにより、実
施例1の場合と同様に、入射信号s1 、s2 、s0 の相
関行列Sを算出でき、ひいては相互相関係数行列Qを求
めることができる。
【0083】測角センサ4a,4bを図3のように構成
することにより、実施例1と同様な処理で到来角推定値
の対応がついて、実像すなわち電波源位置を特定するこ
とができる。ここで、注意しなければならないことは、
疑似信号が同じ電波源からの信号であるとみなせるよう
に、測角センサ4a,4bの発振器301a,301b
を、同一周波数及び振幅の信号s0 を発振するよう構成
することである。なお、疑似信号s0 のステアリングベ
クトルA0 は、測角センサ4a,4bで異なってもよ
い。なお、図4中のθ0 は形式的にs0 に対応する入射
角と言う意味でつけたダミーの変数であり、MUSIC
アルゴリズムで求める対象ではない。
【0084】上記実施例1において、評価関数F(j1,j
2,j3)を(3) 式で計算したが、この実施例2において、
入射信号の対応はi1 ,i2 のみ解れば十分であるか
ら、( j1=1,2; j2=1,2; j1≠j2 )について次式で評
価するようにしてもよい。
【0085】
【数3】
【0086】実施例3.この実施例3は、上記実施例2
の変形例である。この実施例3を図4を参照して説明す
る。図4は、この実施例3の測角センサ4a、4bの内
部構成を示す図で、401はデジタル疑似信号s0 を発
生するデジタル信号生成手段、403−1〜403−M
は信号s0 の振幅及び位相を調整するために、あらかじ
め定められた係数a01〜a0Mをそれぞれ乗算する複素乗
算手段、404−1〜404−Mは受信機2−1〜2−
Mのデジタル受信出力と複素乗算手段403−1〜40
3−Mのデジタル疑似信号出力とをそれぞれ加算する複
素加算手段である。図4の測角センサ4は、実施例2の
図3のものとは異なり、合成手段が受信機2の出力後に
設けられている。
【0087】デジタル信号生成手段401、複素乗算手
段403、複素加算手段404は、デジタル信号を処理
するが、これらの機能は、それぞれ実施例2の発振器3
01、アッテネータ・位相器303、合成器304と等
価である。この実施例3では、複素加算手段404が受
信機2の後段にあるが、ノイズと信号間の線形性が成り
立つため、実施例2と同様に受信信号xm (m=1、
‥、M)は(6) 式で与えられる。従って、この実施例3
においても、電波源の個数が2である場合に電波源の位
置を特定することができる。
【0088】この実施例3では、ディジタル信号生成手
段401、複素乗算手段403、複素加算手段404を
ディジタル信号のハードウェアのイメージで説明した
が、計算機内部のソフトウェアで処理するように構成し
てもよく、同様の効果が得られる。
【0089】実施例4 この実施例4について図5に基づき説明する。図5は、
この実施例4の測位装置の全体構成図であり、501は
測角センサ4aが求めた到来角度推定値と測角センサ4
bが求めた到来角度推定値との対応関係を、すべての組
み合わせについて順次出力する対応関係指定手段、50
2は対応関係指定手段が指定した対応関係における評価
関数F(i1,i2,i3)の値を算出する評価関数F(i1,i2,i3)
算出手段、503は交点算出手段が出力する交点座標を
評価関数F(i1,i2,i3)算出手段502が出力する評価関
数値と併せて表示する表示手段である。これ以外の構成
要素は実施例1に示されたものと同じであり、説明を省
略する。
【0090】i1 、i2 、i3 は複数のセンサ間の入射
信号の対応関係を示す整数である。例えば、i2 は、測
角センサ4aの第2の入射波s2 と対応する(すなわ
ち、交点を形成する)測角センサ4bの入射波の番号を
意味する。
【0091】実施例1において、測角センサ4aが求め
た到来角度推定値θ(1) 1、θ(1) 2、θ(1) 3と、測角セン
サ4bが求めた到来角度推定値θ(2) 1、θ(2) 2、θ(2) 3
との真の対応関係を求めるために、評価関数F(j1,j2,j
3)を最小にする組み合わせを求めた。しかし、この実施
例4は、図13に示す方位線のすべての交点について評
価関数の値を求め、各交点毎に電波源である確からしさ
のグレードを表示するものである。
【0092】以下、この実施例4の測位装置の動作につ
いて説明する。測角センサ4a,4b、相関係数算出手
段102a,102b、角度データ104、及び交点算
出手段105の動作は、実施例1の場合と同様である。
【0093】対応関係指定手段501は、( i1=1,2,3;
i2=1,2,3; i3=1,2,3 ;i1 ≠i2 ;i2 ≠i3 ;
i3 ≠i1 ) のなかから対応関係(i1 、i2 、i3 )
の組み合わせを、一つづつ順次出力する。評価関数F(i
1,i2,i3)算出手段502は与えられた(i1 、i2 、i
3 )に対応して次式の評価関数を算出する。
【0094】
【数4】
【0095】ここで、hは規格化定数でh=3である。
角度データ順序交換手段104は、対応関係指定手段5
01が与えた(i1 、i2 、i3 )に従って、測角セン
サ4bの出力するθ(2) 1、θ(2) 2、θ(2) 3をθ(2) i1
θ(2) i2 、θ(2) i3 に並び換える。
【0096】表示手段503は、交点算出手段105が
出力する3個の交点座標を表示するとともに、これら交
点について評価関数F(i1,i2,i3)算出手段502が出力
した評価関数の値F(i1,i2,i3)を併せて表示する。表示
処理がなされた後、対応関係指定手段501は次の対応
関係(i1 、i2、i3 )を出力する。対応関係指定手
段501は、(i1 、i2 、i3 )のすべての組み合わ
せが終わるまで(i1 、i2 、i3 )を変更して順次出
力する。
【0097】以上の動作により、図13に示す方位線の
すべての交点が表示されるとともに、同時にその交点の
評価関数の値が表示される。各交点と一対一で表示され
る評価関数Fの値から、その交点が実像すなわち電波源
である確からしさがわかる。すなわち、評価関数Fの値
が小さい交点ほど電波源である確からしさは高いと判定
できる。
【0098】この実施例4では、評価関数Fを算出する
(10)式中、規格化定数hをh=3としたが、hを他の
定数で置き換えてもかまわない。規格化定数hをh=3
と、(一般に、K個の電波源が存在する場合は h=K
(K−1)/2)と定めるのは、評価関数Fの値を0 ≦
F≦1の範囲に規格化するためであり(ここで、0 ≦r
≦1より0 ≦ABS(r(1) ーr(2) )≦1であること
を使った)、電波源を測位するために必要な本質的な条
件ではない。また、(10)式に代えて、例えば次式のよ
うな評価関数を用いてもかまわない。
【0099】
【数5】
【0100】但し、この(11)式を用いる場合、評価関数
Fの値が大きい交点ほど電波源である確からしさは高い
と判定される。
【0101】また、測角センサ4の個数が3以上の場合
は、以下のように構成する。交点の対応関係指定手段5
01が、順次、整数i21, ‥, i2K; …… ; iQ1,
‥,iQKを指示する。ここでiqkは、第1の測角センサ
4−1の第k番目の入射波到来角θ(1) kに対応する(こ
の入射波到来角θ(1) kによる方位線L(1) kと交点を形成
する)第qの測角センサ4−qの到来角の番号である。
評価関数F(i1,i2,i3)算出手段502は(i21, ‥, i
2K; …… ; iQ1,‥, iQK)に対して次式の評価関
数Fを算出する。
【0102】
【数6】
【0103】第qの測角センサ4−1に接続された角度
データ順序交換手段104は、対応関係指定手段501
が与えた対応関係(iq1, ‥, iqK)に従って、
θ(q) 1, ‥, θ(q) Kをθ(q) iq1, ‥, θ(q) iqKに並び換
える。表示手段503は、交点算出手段105が出力す
るK個の交点座標に、評価関数F(i1,i2,i3)算出手段5
02が出力した評価関数Fを併せて表示する。以上のよ
うに構成すれば、測角センサが3つ以上の場合でも、交
点を表示するとともに、これら交点が電波源である確か
らしさを同時に知ることができる。
【0104】実施例5 この実施例5の測位装置について図6を参照して説明す
る。図6は、この実施例5の測位装置の全体構成図であ
り、601a,601bは測角センサ4a,4bが出力
する相関行列S(1) 、S(2) に基づき、電波源の電界強
度を算出する電界強度算出手段、602は測角センサ4
a,4bが出力する到来角推定値に基づき交点を算出す
る交点算出手段、603a,603bは交点算出手段6
02により指定された交点に電波源が存在すると仮定し
たときの電波源の送信電力を、電界強度算出手段601
a,601bに基づきそれぞれ推定する送信電力推定手
段、604は送信電力推定手段603a,603bの出
力に基づき評価関数を算出する評価関数算出手段、60
5は交点座標とともにその交点に関する評価関数の値を
格納するバッファメモリである。これ以外の構成要素は
実施例1に示されたものと同様であり、説明を省略す
る。
【0105】p(1) 1、p(1) 2、p(1) 3は、測角センサ4
aに入射する3つの電波の電界強度(受信電力)であ
り、それぞれ到来角推定値θ(1) 1、θ(1) 2、θ(1) 3の電
波に対応する。同様に、p(2) 1、p(2) 2、p(2) 3は、測
角センサ4bに入射する3つの電波の電界強度であり、
それぞれ到来角推定値θ(2) 1、θ(2) 2、θ(2) 3の電波に
対応する。
【0106】以下、動作について説明する。受信アンテ
ナ1、受信機2、MUSIC信号処理手段101の動作
は、実施例1の場合と同様である。測角センサ4aは、
3つの電波源から信号を受けて、これらの到来角推定値
θ(1) 1、θ(1) 2、θ(1) 3及び相関行列S(1) を出力す
る。同様に、測角センサ4bは、到来角推定値θ(2) 1
θ(2) 2、θ(2) 3及び相関行列S(2) を出力する。
【0107】電界強度算出手段601a,601bは、
それぞれ相関行列S(1) 、S(2) の対角成分から電界強
度p(1) 1、p(1) 2、p(1) 3及びp(2) 1、p(2) 2、p(2) 3
を算出する。交点算出手段602は、測角センサ4aか
らの到来角推定値θ(1) 1、θ(1) 2、θ(1) 3、及び、測角
センサ4bからの到来角推定値θ(2) 1、θ(2) 2、θ(2) 3
に基づき、図13に示す方位線L(1) 1,L(1) 2,L(1) 3
と方位線L(2) 1,L(2) 2,L(2) 3との交点座標を求め
る。そして、これらの中から一つの交点座標Z=(ξ、
ζ)を選択して出力する。
【0108】送信電力推定手段603a,603bは、
電界強度算出手段601a,601bにおいて求められ
た電界強度p(1) 1、p(1) 2、p(1) 3及びp(2) 1
(2) 2、p(2) 3から、交点座標Zを形成した方位線に対
応する電界強度pを選択するとともに、この電界強度p
に基づき、次式に従い、この電波源の送信電力pt (1)
びpt (2)をそれぞれ算出する。 pt =p/L2 (13)
【0109】ここで、Lは、測角センサから交点座標Z
までの距離である。Lは、測角センサ座標は既知である
から容易に算出できる。pt は交点座標Zに電波源があ
ったと仮定した場合において、電波源が放射している送
信電力、またはこの電力値に比例する値である。
【0110】(13)式は、電波源から距離Lにおける電
界強度がL2 の逆数に比例する性質を用いている。も
し、電波源が交点算出手段602が選択した座標Zに、
実際に存在しているならば、測角センサ4aの出力に基
づき求められた送信電力p (1)と測角センサ4bの
出力に基づき求められた送信電力p (2)とは一致す
るはずである。一致していなければ、電波源はこの座標
Zではなく、他の交点に存在していると考えられる。
【0111】このことに基づき電波源の真の位置を求め
るため、評価関数算出手段604は、測角センサ4aに
接続された送信電力推定手段603aが出力するpt (1)
と測角センサ4bに接続された送信電力推定手段603
bが出力するpt (2)とを用いて、次式の評価関数Fを算
出する。 F= ABS(pt (1)ーpt (2)) (14)
【0112】求められた評価関数Fの値は、そのときの
交点座標Zとともに、バッファメモリ605に格納され
る。そして、交点算出手段602は、次の交点座標を選
択し、送信電力推定手段603a,603bに対し出力
する。同様にして、送信電力推定値及び評価関数の値が
求められる。同様に、これらの処理は、他のすべての交
点について行われる。
【0113】バッファメモリ605は、すべての交点に
関し、評価関数算出手段604が出力する評価関数Fと
交点算出手段602が出力する交点座標Zをペアにして
記憶している。そして、バッファメモリ605は、もっ
とも小さな評価関数Fに対応する交点座標を選択して表
示手段7に出力する。このとき、電波源の数に対応し
て、3個の交点座標が出力される。
【0114】もし交点座標Zが電波源(実像)であるな
らば、測角センサ4aから推定したpt (1)と測角センサ
4bから推定したpt (2)はほとんど等しいから、(14)
式の評価関数Fの値は非常に小さな値をとる。逆に交点
座標Zが虚像である(電波源ではない)ならば、pt (1)
とpt (2)とは異なった値になるから、評価関数Fの値は
比較的大きな値をとる。このような原理から、表示手段
7で表示される交点座標は電波源の座標となる。
【0115】以上のように、この実施例5によれば、測
角センサごとに、すべての交点について電波源の推定送
信電力を求め、そして、測角センサごとの推定送信電力
の差を評価関数としたので、推定送信電力に基づき電波
源の真の位置を特定することができる。
【0116】なお、測角センサの個数が3以上の場合
は、一個の交点座標Zに対しpt (1)、pt (2), ‥, pt
(Q)を求めるように構成するとともに、評価関数算出手
段を次式の評価関数Fを用いるように構成する。 F= σ(pt (1)、pt (2), ‥, pt (Q)) (15)
【0117】ここでpt (q)は第qの測角センサ4−qか
ら推定された電界強度である。もし交点座標Zが電波源
(実像)であるならば、(15)式の分散σが小さい値を
とる。したがって、式(15)の評価関数の最小値を与える
交点を選択することにより、真の電波源の位置のみを表
示させることができる。
【0118】なお、この実施例5の推定電力値を用いる
方法によれば、測角センサにおける処理は電力値を求め
る処理であればよく、測角センサの処理を、MUSIC
信号処理に限らず、他の種々の処理とすることができ
る。すなわち、実施例5の適用範囲は広い。また、実施
例5は相関演算を用いないので、処理が比較的簡単であ
るという特徴とともに、処理時間が比較的短いという特
徴も有する。したがって、短時間のみ電波を放射する電
波源を特定することが容易である。なお、本実施例で
は、式(13)でLの指数に2を用いたが、電波環境に応じ
て他の値を用いてもかまわない。
【0119】実施例6.この実施例6を図7を参照して
説明する。図7は、この実施例6の全体構成図であり、
701は表示装置である。これ以外の構成要素は実施例
5の図6と同様であり、説明を省略する。
【0120】表示手段701は、交点算出手段602が
出力する交点座標を表示するとともに、評価関数算出手
段604が出力する評価関数Fを併せて表示する。
【0121】以上のように構成すれば、交点が電波源で
ある確からしさが、表示装置上で同時にわかる。評価関
数Fが小さい交点のほうが電波源である確からしさは高
いと判断できる。また、測角センサの個数が3以上の場
合は、評価関数Fに(15)式を用いるよう構成すること
によって、同様に交点が電波源である確からしさがわか
る。
【0122】実施例7 この実施例7について、図8及び図9を参照して説明す
る。ここでは、簡単のため、2個の独立した測角センサ
を用いて、2個の電波源を測位する場合について説明す
る。
【0123】図8はこの実施例7の測位装置の全体構成
図であり、801a,801bは複数の電波源からの信
号の到来角推定値を出力するとともに、これら信号を分
離して出力する信号処理手段である。802a、802
bは、受信アンテナ1、受信機2、信号処理手段801
により構成される測角センサ、803は測角センサ80
2a,802bからの分離された信号に基づき信号の対
応関係を判定する対応判定手段である。これ以外の構成
要素は実施例1の場合と同様であり、説明を省略する。
【0124】図9は、図8中の信号処理手段801の内
部構成図を示す図である。902a,902bは複数の
電波源からの信号の到来角推定値に基づき、一部の到来
角方向にアンテナパターンのヌルを形成するように荷重
を決定する荷重決定手段、903a,903bは荷重決
定手段902a,902bが出力する荷重に基づき複素
乗算を行うM個の複素乗算手段、904a,904bは
複素乗算手段903a,903bの出力を加算して分離
された信号s1 、s2 を出力する複素加算手段、905
a、905bは荷重決定手段902a,902b、複素
乗算手段903a,903b、複素加算手段904a,
904bで構成されるビームフォーマである。また、w
m はm番目の受信信号xm に乗じられる複素荷重であ
る。
【0125】以下、動作を説明する。この実施例7の測
位装置の測角センサ4a,4bは、アンテナによる受信
ビームパターンの任意の位置にヌル(利得が0の部分)
を形成するように構成されていて、電波源が複数あった
場合でも、それらのうちの不要なものを受信せずに、必
要なもののみを選択して受信できる。ひとつの測角セン
サ4は、2つのビームフォーマを含むから、たとえば、
電波源が2つある場合、測角センサ4aは、電波源ごと
の2つの信号s(1) 1とs(1) 2とを分離して出力し、ま
た、測角センサ4bは、電波源ごとの2つの信号s(2) 1
とs(2) 2とを分離して出力することができる。そして、
これら信号同士の相関をとることによって、電波源ごと
の信号の対応を明らかにするとともに、この対応関係に
基づき到来角推定値を選択して電波源の位置を求める。
【0126】図9の測角処理手段3は、例えば、MUS
ICアルゴリズム等を用いて2つの入射信号s1 、s2
の入射角推定値θ1 、θ2 を算出する。ビームフォーマ
905aの荷重決定手段902aは、測角処理手段3か
らθ(1) 1、θ(1) 2を受け、これらとあらかじめ与えられ
た素子アンテナ1の配置とに基づき、複素荷重w1,‥,
M を決定する。これら複素荷重により、ビームフォー
マ905aにより形成されるアンテナパターンにおい
て、たとえばθ(1) 2方向にヌルが形成される。このと
き、複素荷重手段904aの出力信号、すなわちビーム
フォーマ905aの出力信号yは y=Σmmm (16) で与えられる。そして、y≒s(1) 1となるようwm を調
整する。
【0127】例えば、素子アンテナ1が等間隔でリニア
アレー状に配置されていて、 xm =s(1) 1 exp[j・2π(m-1)d・sinθ(1) 1] +s(1) 2 exp[j・2π(m-1)d・sinθ(1) 2] (17) である場合は、次式を満足するようにwm を設定すれば
y=s(1) 1となる。 Σmm exp[j・2 π(m-1)d・sinθ(1) 2] =0 (18) ここでdはアンテナの素子間隔である。同様に、ビーム
フォーマ905bはy=s(1) 2を出力する。
【0128】このように、測角センサ802aは、入射
角推定値θ(1) 1、θ(1) 2と、それぞれに対応する入射信
号s(1) 1、s(1) 2を出力する。同様に、測角センサ80
2bも、θ(2) 1、θ(2) 2と、それぞれに対応する
(2) 1、s(2) 2を算出する。
【0129】図8の対応判定手段803は、整数( j1=
1,2; j2=1,2 )について、次式の評価関数F(j1,j2)
を計算し、Fが最小となる(j1 、j2 )を対応関係
(i1、i2 )として出力する。
【0130】
【数7】
【0131】(19)式中、rm,jnはs(1) mとs(2) jn
の相互相関係数で、(1)、(2) 式に従い算出されるもので
ある。
【0132】実施例1の場合と同様に、角度データ順序
交換手段104は、対応判定手段803から送られる対
応関係(i1 、i2 )に従い、測角センサ802bから
出力されるθ(2) 1、θ(2) 2をθ(2) i1 、θ(2) i2 に並び
換える。これにより、到来角推定値間で正しい対応関係
が成立する。交点算出手段105は、θ(1) 1とθ(2) i1
から交点1の座標を、θ(1) 2とθ(2 ) i2 から交点2の座
標をそれぞれ独立に算出する。
【0133】(i1 、i2 )が示す入射信号の対応関係
は(s(1) 1、s(1) 2)と(s(2) 1、s(2) 2)の組み合わ
せのなかで最も相関が高い組み合わせである。したがっ
て、表示手段7は、かかるs(1) とs(2) の相関が高い
交点座標のみを表示することができ、虚像を表示するこ
となく、電波源(実像)のみを推定することができる。
【0134】以上のように、この実施例7によれば、測
角センサのアンテナパターンにヌルを形成できるように
構成したので、複数の電波源からの信号を分離して出力
することができる。そして、これら分離された信号同士
の相関をとることにより角度データの対応関係をとるこ
とができて、電波源の標定を正しく行うことができる。
この実施例7によれば、MUSICアルゴリズムを用い
る必要がない。
【0135】また、この実施例7によれば、電波源が2
つの場合、あるいは電波源が3つ以上の場合いずれにお
いても処理が可能である。その意味で、実施例1の測位
装置よりも適用範囲が広い。
【0136】実施例8.この実施例8について図10を
参照して説明する。この実施例8の測位装置は、実施例
4と実施例7とを組み合わせたものである。図10はこ
の実施例8の全体構成図であり、評価関数算出手段10
01以外の構成要素は先に示した実施例と同様であり、
説明を省略する。
【0137】評価関数算出手段1001は、対応関係指
定手段501から与えられた(i1、i2 )に対して(1
9)式の評価関数F(i1 、i2 )を算出する。表示手
段503は、交点算出手段602が出力する交点座標
と、評価関数算出手段1001が出力した評価関数Fと
を併せて表示する。以上のように構成すれば、交点が電
波源である確からしさがわかる。評価関数Fが小さいほ
ど、電波源である確からしさは高いと判断できる。
【0138】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし請求項4
の発明によれば、互いに離隔して配置され、複数の電波
源に対応する複数の入射信号を受けて、これら入射信号
の到来角及びこれら入射信号間の相互関係を、それぞれ
求める複数の測角センサと、上記複数の測角センサのひ
とつが出力する入射信号間の相互関係と上記複数の測角
センサの他のひとつが出力する入射信号間の相互関係と
を比較して、上記電波源ごとに、上記複数の測角センサ
のひとつによる到来角と上記複数の測角センサの他のひ
とつによる到来角とを対応づける対応関係判定手段と、
上記対応関係判定手段により対応づけられた複数の到来
角に基づき上記電波源の位置を求める交点算出手段とを
備えたので、対応関係判定手段により正しい対応関係が
とられた複数の到来角に基づき電波源を標定することで
きて、誤った対応関係の到来角による虚像の発生を防止
できる効果を奏する。
【0139】また、請求項5または請求項6の発明によ
れば、上記測角センサを、複数の素子アンテナと、疑似
信号を発生する発振器と、上記発振器が出力する疑似信
号を上記複数の素子アンテナの数に対応して分配する分
配器と、上記分配器の分配出力それぞれについて振幅及
び位相の調整を行う複数の調整器と、上記複数の素子ア
ンテナの出力と上記複数の調整器の出力とをそれぞれ合
成する複数の合成器と、上記複数の合成器の出力をそれ
ぞれ受けて、受信処理を行う複数の受信機と、MUSI
Cアルゴリズムを用いて上記複数の受信機の出力に基づ
き複数の入射信号の到来角及びこれら入射信号の共分散
行列を求めるMUSIC信号処理手段と、上記共分散行
列から相互相関行列を求める相関係数算出手段とから構
成したので、さらに、電波源が2つの場合にも適用でき
る効果を奏する。
【0140】また、請求項7の発明によれば、互いに離
隔して配置され、複数の電波源に対応する複数の入射信
号を受けて、これら入射信号の到来角及びこれら入射信
号間の相互関係を、それぞれ求める複数の測角センサ
と、上記複数の測角センサのひとつによる到来角と上記
複数の測角センサの他のひとつによる到来角との対応関
係を、到来角間の組み合わせを変えながら順次出力する
対応関係指定手段と、上記対応関係指定手段により対応
づけられた複数の到来角に基づき上記電波源の位置を求
める交点算出手段と、上記対応関係指定手段が出力する
対応関係に基づき上記複数の測角センサのひとつが出力
する入射信号間の相互関係と上記複数の測角センサの他
のひとつが出力する入射信号間の相互関係とを比較し
て、上記対応関係の妥当性を計算する評価関数算出手段
とを備えたので、到来角に基づき交点を求めるととも
に、求められた交点が実像であるかどうかの評価値を出
力することができる。
【0141】また、請求項8ないし請求項10の発明に
よれば、互いに離隔して配置され、複数の電波源に対応
する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の到来角
及びこれら入射信号の電界強度を、それぞれ求める複数
の測角センサと、上記複数の測角センサのひとつによる
到来角と上記複数の測角センサの他のひとつによる到来
角とから交点を求め、順次出力する交点算出手段と、上
記複数の測角センサごとに設けられ、上記交点算出手段
が出力する交点座標と上記測角センサとの間の距離を求
めるとともに、この距離及び上記複数の測角センサによ
る上記入射信号の電界強度に基づき、上記電波源ごとに
送信電力を、それぞれ求める複数の送信電力推定手段
と、上記複数の送信電力推定手段が出力する送信電力に
基づき上記交点算出手段による交点の妥当性を計算する
評価関数算出手段とを備えたので、到来角に基づき交点
を求めるとともに、簡単な処理で、求められた交点が実
像であるかどうかの評価値を出力することができる。
【0142】また、請求項11及び請求項12の発明に
よれば、互いに離隔して配置され、複数の電波源に対応
する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の到来角
及びこれら入射信号を分離して、それぞれ求める複数の
測角センサと、上記複数の測角センサのひとつが出力す
る分離された入射信号と上記複数の測角センサの他のひ
とつが出力する分離された入射信号とを比較して、上記
電波源ごとに、上記複数の測角センサのひとつによる到
来角と上記複数の測角センサの他のひとつによる到来角
とを対応づける対応関係判定手段と、上記対応関係判定
手段により対応づけられた複数の到来角に基づき上記電
波源の位置を求める交点算出手段とを備えたので、電波
源の数によらず、対応関係判定手段により正しい対応関
係がとられた複数の到来角に基づき電波源を標定するこ
とできて、誤った対応関係の到来角による虚像の発生を
防止できる効果を奏する。
【0143】また、請求項13の発明によれば、上記交
点算出手段を、上記複数の測角センサから上記電波源へ
の方位線を求め、これら方位線により囲まれる閉曲線の
重心座標を上記電波源の位置として出力する構成とした
ので、複数の方位線が一点で交わらないときでも、電波
源を標定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による測位装置の構成図
である。
【図2】 実施例1の対応判定手段における処理手順を
示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施例2による測位装置の測角セ
ンサの構成図である。
【図4】 この発明の実施例3による測位装置の測角セ
ンサの構成図である。
【図5】 この発明の実施例4による測位装置の構成図
である。
【図6】 この発明の実施例5による測位装置の構成図
である。
【図7】 この発明の実施例6による測位装置の構成図
である。
【図8】 この発明の実施例7による測位装置の構成図
である。
【図9】 実施例7による測位装置の測角センサの構成
図である。
【図10】 この発明の実施例8による測位装置の構成
図である。
【図11】 従来の測位装置の構成図である。
【図12】 電波源が1つのときの測位装置の測位原理
の説明図である。
【図13】 電波源が3つのときの測位装置の測位原理
の説明図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ、2 受信機、3 測角処理手段、4
測角センサ、6 交点算出手段、7 表示手段、10
1 MUSIC信号処理手段、102 相関係数算出手
段、103 対応判定手段、104 角度データ順序交
換手段、105交点算出手段、301 発振装置、30
2 分配器、303 アッテネータ・位相器、304
合成器、401 ディジタル信号生成手段、403 複
素乗算手段、404 複素加算手段、501 対応関係
指定手段、502 評価関数算出手段、503 表示手
段、601 電界強度算出手段、602 交点算出手
段、603 送信電力推定手段、604 評価関数算出
手段、605 バッファメモリ、701 表示装置、8
01 信号処理手段、802 測角センサ、803対応
判定手段、902 荷重決定手段、903 複素乗算手
段、904 複素加算手段、905 ビームフォーマ、
1001 評価関数算出手段。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに離隔して配置され、複数の電波源
    に対応する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の
    到来角及びこれら入射信号間の相互関係を、それぞれ求
    める複数の測角センサと、上記複数の測角センサのひと
    つが出力する入射信号間の相互関係と上記複数の測角セ
    ンサの他のひとつが出力する入射信号間の相互関係とを
    比較して、上記電波源ごとに、上記複数の測角センサの
    ひとつによる到来角と上記複数の測角センサの他のひと
    つによる到来角とを対応づける対応関係判定手段と、上
    記対応関係判定手段により対応づけられた複数の到来角
    に基づき上記電波源の位置を求める交点算出手段とを備
    えた測位装置。
  2. 【請求項2】 上記複数の測角センサのいずれかを、入
    射信号間の相互関係として相互相関係数を出力するよう
    に構成するとともに、上記対応関係判定手段を、上記複
    数の測角センサのひとつが出力する相互相関係数と上記
    複数の測角センサの他のひとつが出力する相互相関係数
    同士の距離を求め、この距離に基づき比較を行い対応関
    係を求めるように構成したことを特徴とする請求項1記
    載の測位装置。
  3. 【請求項3】 上記複数の測角センサのいずれかを、入
    射信号間の相互関係として相互相関係数を出力するよう
    に構成するとともに、上記対応関係判定手段を、上記複
    数の測角センサのひとつが出力する相互相関係数と上記
    複数の測角センサの他のひとつが出力する相互相関係数
    との分散を求め、この分散に基づき比較を行い対応関係
    を求めるように構成したことを特徴とする請求項1記載
    の測位装置。
  4. 【請求項4】 上記測角センサを、複数の素子アンテナ
    と、上記複数の素子アンテナについてそれぞれ設けら
    れ、受信処理を行う複数の受信機と、MUSICアルゴ
    リズムを用いて上記複数の受信機の出力に基づき複数の
    入射信号の到来角及びこれら入射信号の共分散行列を求
    めるMUSIC信号処理手段と、上記共分散行列から相
    互相関行列を求める相関係数算出手段とから構成したこ
    とを特徴とする請求項2または請求項3記載の測位装
    置。
  5. 【請求項5】 上記測角センサを、複数の素子アンテナ
    と、疑似信号を発生する発振器と、上記発振器が出力す
    る疑似信号を上記複数の素子アンテナの数に対応して分
    配する分配器と、上記分配器の分配出力それぞれについ
    て振幅及び位相の調整を行う複数の調整器と、上記複数
    の素子アンテナの出力と上記複数の調整器の出力とをそ
    れぞれ合成する複数の合成器と、上記複数の合成器の出
    力をそれぞれ受けて、受信処理を行う複数の受信機と、
    MUSICアルゴリズムを用いて上記複数の受信機の出
    力に基づき複数の入射信号の到来角及びこれら入射信号
    の共分散行列を求めるMUSIC信号処理手段と、上記
    共分散行列から相互相関行列を求める相関係数算出手段
    とから構成したことを特徴とする請求項2または請求項
    3記載の測位装置。
  6. 【請求項6】 上記測角センサを、複数の素子アンテナ
    と、上記複数の素子アンテナについてそれぞれ設けら
    れ、受信処理を行う複数の受信機と、疑似データを発生
    する信号発生器と、上記信号発生器の出力データ受け
    て、それぞれ複素乗算を行う複数の複素乗算器と、上記
    複数の受信機の出力データと上記複数の複素乗算器の出
    力データとをそれぞれ複素加算する複数の複素加算器
    と、MUSICアルゴリズムを用いて上記複数の複素加
    算器の出力データに基づき複数の入射信号の到来角及び
    これら入射信号の共分散行列を求めるMUSIC信号処
    理手段と、上記共分散行列から相互相関行列を求める相
    関係数算出手段とから構成したことを特徴とする請求項
    2または請求項3記載の測位装置。
  7. 【請求項7】 互いに離隔して配置され、複数の電波源
    に対応する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の
    到来角及びこれら入射信号間の相互関係を、それぞれ求
    める複数の測角センサと、上記複数の測角センサのひと
    つによる到来角と上記複数の測角センサの他のひとつに
    よる到来角との対応関係を、到来角間の組み合わせを変
    えながら順次出力する対応関係指定手段と、上記対応関
    係指定手段により対応づけられた複数の到来角に基づき
    上記電波源の位置を求める交点算出手段と、上記対応関
    係指定手段が出力する対応関係に基づき上記複数の測角
    センサのひとつが出力する入射信号間の相互関係と上記
    複数の測角センサの他のひとつが出力する入射信号間の
    相互関係とを比較して、上記対応関係の妥当性を計算す
    る評価関数算出手段とを備えた測位装置。
  8. 【請求項8】 互いに離隔して配置され、複数の電波源
    に対応する複数の入射信号を受けて、これら入射信号の
    到来角及びこれら入射信号の電界強度を、それぞれ求め
    る複数の測角センサと、上記複数の測角センサのひとつ
    による到来角と上記複数の測角センサの他のひとつによ
    る到来角とから交点を求め、順次出力する交点算出手段
    と、上記複数の測角センサごとに設けられ、上記交点算
    出手段が出力する交点座標と上記測角センサとの間の距
    離を求めるとともに、この距離及び上記複数の測角セン
    サによる上記入射信号の電界強度に基づき、上記電波源
    ごとに送信電力を、それぞれ求める複数の送信電力推定
    手段と、上記複数の送信電力推定手段が出力する送信電
    力に基づき上記交点算出手段による交点の妥当性を計算
    する評価関数算出手段とを備えた測位装置。
  9. 【請求項9】 上記評価関数算出手段を、上記複数の測
    角センサのひとつが出力する電界強度と上記複数の測角
    センサの他のひとつが出力する電界強度との差を求め、
    この差に基づき評価を行うように構成したことを特徴と
    する請求項8記載の測位装置。
  10. 【請求項10】 上記評価関数算出手段を、上記複数の
    測角センサのひとつが出力する電界強度と上記複数の測
    角センサの他のひとつが出力する電界強度との分散を求
    め、この分散に基づき評価を行うように構成したことを
    特徴とする請求項8記載の測位装置。
  11. 【請求項11】 互いに離隔して配置され、複数の電波
    源に対応する複数の入射信号を受けて、これら入射信号
    の到来角及びこれら入射信号を分離して、それぞれ求め
    る複数の測角センサと、上記複数の測角センサのひとつ
    が出力する分離された入射信号と上記複数の測角センサ
    の他のひとつが出力する分離された入射信号とを比較し
    て、上記電波源ごとに、上記複数の測角センサのひとつ
    による到来角と上記複数の測角センサの他のひとつによ
    る到来角とを対応づける対応関係判定手段と、上記対応
    関係判定手段により対応づけられた複数の到来角に基づ
    き上記電波源の位置を求める交点算出手段とを備えた測
    位装置。
  12. 【請求項12】 上記測角センサを、複数の素子アンテ
    ナと、上記複数の素子アンテナについてそれぞれ設けら
    れ、受信処理を行う複数の受信機と、上記複数の受信機
    の出力に基づき上記複数の入射信号の到来角を推定する
    測角処理手段と、上記測角処理手段で推定した到来角に
    基づき上記複数の受信機の出力を処理し、上記複数の入
    射信号の到来角の一部の方向にアンテナビームのヌルを
    形成することにより、上記複数の入射信号の一部を選択
    してそれぞれ出力する複数のビームフォーマとから構成
    したことを特徴とする請求項11記載の測位装置。
  13. 【請求項13】 上記交点算出手段を、上記複数の測角
    センサから上記電波源への方位線を求め、これら方位線
    により囲まれる閉曲線の重心座標を上記電波源の位置と
    して出力する構成としたことを特徴とする請求項1、請
    求項7、請求項8、または、請求項11いずれかに記載
    の測位装置。
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