JP3179094B2 - 内燃機関の動弁系部材 - Google Patents

内燃機関の動弁系部材

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、常温強度のみならず動弁系部品に要求さ
れる200℃程度の高温強度もすぐれ、さらに耐衝撃強度
にも優れたアルミニウム合金からなる内燃機関の動弁系
部材に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車等の内燃機関の部品においては、省エネ
ルギー等の要求に基づき、軽量化が進んでいる。このよ
うな見地から内燃機関の部品にアルミニウム合金を用い
ることは軽量化の点で有利であるので次第にアルミニウ
ム合金製部品が普及してきている。
ところで、内燃機関の動弁系部材として、アルミニウ
ム合金では常温から200℃程度の高温までの広い温度域
で強度及び耐衝撃強度に優れた材料が要求される。この
ような性能を有するアルミニウム合金としてAA7091材や
AA2618材が従来用いられてきた。AA2618材の組成はSi:
0.1〜0.25%、Fe:0.9〜1.3%、Cu:1.9〜2.7%、Mg:1.2
〜1.8%、Cr:0.1%以下、Ni:1.7〜2.3%、Zn:0.25%以
下、Ti:0.05%以下、残余Alである。
一方、特開昭62−142741号では、Si:0.5〜9.4wt%、C
u:2〜8wt%、Mg:0.5〜4wt%とFe:0.2〜5wt%又はMn:0.2
〜8wt%の何れか1種もしくは2種を必須元素として含
有すると共に、任意元素としてNi:1〜10wt%を含有し、
残余がAl及び不純物からなる合金粉末を塑性加工して得
たことを特徴とする耐疲労強度の優れた高強度アルミニ
ウム合金が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来のアルミニウム合金は
動弁系部材の性能は十分ではない。すなわち、AA7091材
は、常温下では高い強度を有しているが、動弁系部品の
ように200℃程度の高温域に達する場合、強度が急激に
低下する。また、AA2618材は高温強度及び耐衝撃強度に
おいては優れているが、常温における強度が劣るので動
弁系部品としての利用目的に適さない。
さらに、特開昭62−142741号の合金はCu及びMg等の添
加元素により時効硬化性能を高め常温強度を高めること
を一つの特長としているが、Siの添加により生じるMg2S
i系時効析出物は靭性や高温における強度の低下の点で
は望ましくないことが分かった。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、このような従来の問題点に着目してなさ
れたものであり、Si:0.1〜0.5wt%、Cu:4.5〜7.0wt%、
Mg:0.5〜1.0wt%と、Fe、Ni、Mn及びCrからなる群の遷
移金属元素の何れか1種以上、但しCrは必須成分とする
を合計量で1.5〜2.5wt%と、を含んでなり、残余が不純
物とAlからなる合金粉末を塑性加工して得たことを特徴
とする常温強度、高温強度及び耐衝撃強度に優れた内燃
機関の動弁系部材に関する。
以下、本発明合金の組成限定理由を説明する。
Si: Siは、Mgの存在のもとでMg2Siの化合物を生成し、ア
ルミニウム合金の時効硬化性能を増し、強度を高めるの
に役立つ。しかし、その量が増大すると靭性を急激に低
下させ、伸び及び耐衝撃性を著しく低下させる。従っ
て、Siの添加量としては、Si添加量の0.5wt%以下にす
る必要がある。また強度のためには、0.1wt%以上のSi
は必要であるため、Si添加量の範囲としては0.1〜0.5wt
%、好ましくは、0.1〜0.3wt%とする。
Cu: Cuの添加は、アルミニウム合金に時効硬化性を付与
し、常温及び200℃程度の高温下の強度向上に有益であ
る。Cuの添加量が4.5wt%未満では、その効果は不十分
であり又7.0wt%を超えても強度の向上は認められず、
加工性及び靭性を劣化するので、Cuの添加量は4.5〜7.0
wt%とし、好ましくは4.5〜5.5wt%とする。
Mg: Mgは、Siの存在のもとで時効硬化性を助長し、強度の
増加に寄与するものであるが、0.5wt%未満では、それ
らの効果が乏しく、1.0wt%を超えると靭性の低下を生
じるので、Mgの添加量は0.5〜1.0wt%とし、好ましく
は、0.7〜0.8wt%とする。
Fe、Ni、Mn及びCr等の遷移金属: 上記遷移金属は、高温強度を増加させるのに有効な元
素であるが、これらの合計添加量が1.5wt%より少ない
と、そのような効果を得ることができず、2.5wt%より
多いと脆い晶出物が生じ、靭性を害するので、遷移金属
の添加量は1.5〜2.5wt%とし、好ましくは、2.0〜2.2wt
%とする。又、強度特性の向上を重視すると、耐熱合金
元素であるFe、Ni、Mn、Cr等を多量に添加するのが望ま
しく高温強度及び耐疲労強度の点において優れた性能が
得られるが、引張特性の一つである伸びが犠牲になるた
め耐衝撃強度が劣り、動弁系部材としては適さないの
で、添加量の上限は2.5%とする。
なお、添加遷移金属はAl中での拡散係数が小さく、高
温強度を高めることができるならば上記以外のものも使
用することができる。
上記合金は、空気アトマイズ法等で急冷凝固の粉体を
製造し、−100メッシュ以下の微細なものとする。さら
に所定の動弁系部品の形状を得るために、このAl合金粉
末は、圧粉成形体とし、さらに押出または鍛造され、必
要に応じて適当な熱処理を施される。得られた製品の組
織は、急冷凝固のため微細であり、又金属間化合物も微
細に均一分散されており、これらの組織が材料の強度及
び耐衝撃強度向上に貢献している。
通常、動弁系部品を所定の形状に塑性加工して得るに
は熱間押出し及び鍛造を行う。上記鍛造は、コスト的に
冷間鍛造が適しているが、強度向上を重視したアルミニ
ウム合金では、伸びの低下が生じるため、熱間鍛造によ
り所定の形状を得なければならない。しかし、本発明部
材においては、強度に加え、伸びもあるため、鍛造性に
優れているため、冷間鍛造により所定の形状を得ること
ができ、コスト的にも優れている。
〔作用〕
第1表に示す組成のアルミニウム合金を空気アトマイ
ズ法により粉末とし、−100メッシュに分級して圧粉成
形体とし、熱間押出し加工後、500℃×2時間の溶体化
処理を施してから水冷し、その後175℃×10時間の時効
処理を加えて目的とする部材を得た。これより、所定の
形状に切り出した各試験片による引張強度及び伸びを求
めた。
さらに、これを第1図に引張強度、第2図に伸びを遷
移金属添加量との関係で示し、第3図に引張強度、第4
図に伸びをSi添加量との関係で示した。
尚、急冷凝固法と鋳造材の比較として鋳造法で得たAA
2618材の引張特性と伸び特性も第1表及び第1図〜第4
図に示す。
本発明者らは、動弁系部材の要求特性として、引張強
度50kgf/mm2以上(常温)でありかつ伸びが8%以上
(常温)を達成することを目標とした。
このことを念頭において第1表、第1図〜第4図の結
果を検討すると、強度特性を高める添加元素としては、
Cu効果が著しく、その他の遷移金属の添加は全添加量が
3wt%以上になっても引張強度向上にそれ程効果なく
(第1図参照)、伸びを低下させるだけである(第2図
参照)。又、遷移金属の全添加量が1%程度以下では、
引張強度向上の効果がない。
Siは添加量が多いと強度が高くなる傾向があるが、0.
4%未満の低添加量では強度のばらつきが極めて大きく
(第3図参照)、Si添加量と強度の関係は希薄になる。
したがって、従来はMg2Siの十分な析出によらなければ
高強度は得られないとの考え方もあったが、このような
考え方により合金組成設計をする必要はないことが分か
った。
一方、伸びはSi添加量を低下することにより増大する
傾向がある(第4図参照)。
なお、No.13はSi=1.2%とSi添加量が比較的多いにも
かかわらず遷移金属添加量が少ないため高い伸びとなっ
ている。したがってNo.13を除外して検討すると、本発
明目標値の伸びを得るためにはSi含有量を0.6%以上に
することはできないことが第4図より分かる。
第2表に、No.7、8、9、11、13の150℃における引
張強度及び伸びならびに強度低下値(常温から150℃へ
の昇温に伴う引張強度の減少)を示す。
常温での強度は充分でも動弁品が使用される高温では
強度が不充分になる場合があり、又設計の信頼性が低く
なるので、強度低下の抑制が重要になる。本発明材の特
性の目標として200℃での強度低下が少ないことを本発
明者は目標として設定した。
このような観点から第3表を検討すると、No.11は強
度低下が著しいことが分かる。これは、No.11はSi添加
量が高く、Mg2Siが多量に発生しており、Mg2SiはCu系析
出物に比較して粗大化し易いなどの点から大幅な強度低
下を招いていることを示す。
No.11以外の材料(No.7〜9、13)の強度低下は小さ
いので、Si添加量を抑制することが強度低下防止に重要
であることが分かる。
以上説明したように本発明合金は、Siを0.1〜0.5wt
%、Mgを0.5〜1.0wt%含有している時効硬化性合金に属
するが、Mg−Siによる時効硬化はできるだけ少なくし、
Cuを4.5〜7.0wt%とし、高温強度を高め、Fe、Ni、Mn及
びCrの遷移金属元素の何れか1種もしくは2種の合計添
加量が1.5〜2.5wt%とすることで伸びの低下を防ぎつ
つ、さらに高温強度を高めたことを特徴とする。以上の
ような組成により、引張特性の一つである伸びを損なう
ことなく耐衝撃強度に優れ、さらに常温及び200℃程度
の高温下での強度を高めることができる。
〔実施例〕
以下に、実施例及び比較例を示し説明する。
第3表に示す組成のアルミニウム合金を空気アトマイ
ズ法により粉末とし、−100メッシュに分級して圧粉成
形体とし、熱間押出し加工後、500℃×2時間の溶体化
処理を施してから水冷し、その後175℃×10時間の時効
処理を加えて目的とする部材を得た。
この部材より所定の形状に切り出した各試験片による
引張強度、疲労強度及び衝撃値を第4表に示す。
第3表、第4表から明らかなように本発明材は、常温
における引張強度はA2618材よりも優れ、150℃の高温下
においては強度低下が少なく、A7091材以上の引張強度
及び疲労強度を有する。又、本発明材の伸び及び衝撃値
はA7091材より優れ、A2618材と同等である。さらに、高
Si−高遷移金属組成をもつ比較材3は、AA7091材に比
べ、高温での引張強度の低下は少ないが、AA2618材に比
べ、伸び及び衝撃値は著しく低い。一方、本発明材は、
常温から200℃程度の高温域の強度はA2618材以上の性能
を示し、A7091材のような高温域での強度の著しい低下
はない。又、耐衝撃性能もA2618材と同等に近いものと
なっている。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、その構
成をSi:0.1〜0.5wt%、Cu:4.5〜7.0wt%、Mg:0.5〜1.0w
t%と、Fe、Ni、Mn及びCr等の遷移金属元素の何れか1
種もしくは2種を必須元素として添加し、その合計添加
量が1.5〜2.5wt%とし、残余が不純物とAlからなる合金
粉末を塑性加工して得たことを特徴とする高温強度及び
耐衝撃強度に優れた内燃機関の動弁系部材としたため、
内燃機関の動弁系部材が使用される常温ないし200℃程
度の高温域下において、優れた強度特性を示し、さらに
動弁系部品の異常運動等により過度の応力がかかった場
合においても耐衝撃性能の優れた本発明部材では何ら問
題無いといえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、Cu、Mg及び種々の遷移金属元素を添加したア
ルミニウム合金の引張強度と遷移金属添加量との関係に
ついてまとめた結果を示すグラフであり、 第2図は、本発明部材を得るにあたり、Cu、Mg及び種々
の遷移金属元素を添加したアルミニウム合金の伸びと遷
移金属添加量との関係についてまとめた結果を示すグラ
フであり、 第3図はSi添加量との関係を示す第1図と同様のグラフ
であり、 第4図はSi添加量との関係を示す第2図と同様のグラフ
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−294446(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/12 B22F 3/10 C22C 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si:0.1〜0.5wt%、Cu:4.5〜7.0wt%、Mg:
    0.5〜1.0wt%と、Crを1.5〜2.5wt%と、を含んでなり、
    残余が不純物とAlからなる合金粉末を塑性加工して得た
    ことを特徴とする常温強度、高温強度及び耐衝撃強度に
    優れた内燃機関の動弁系部材。
  2. 【請求項2】Crの他にFe、Ni及びMnの少なくとも1種を
    Crとの合計量で1.5〜2.5wt%含有する請求項1記載の内
    燃機関の動弁部材。
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