JP3178987B2 - 双ロール型薄板連続鋳造機 - Google Patents
双ロール型薄板連続鋳造機Info
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- JP3178987B2 JP3178987B2 JP07025795A JP7025795A JP3178987B2 JP 3178987 B2 JP3178987 B2 JP 3178987B2 JP 07025795 A JP07025795 A JP 07025795A JP 7025795 A JP7025795 A JP 7025795A JP 3178987 B2 JP3178987 B2 JP 3178987B2
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- roll
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば溶湯から厚み
が直接2mm〜6mmの鋼板を直接鋳造し、熱間圧延工程を
経ずに直接冷間圧延により0.3mm 〜0.5mm 程度の薄い鋼
板を製造するのに利用される双ロール型薄板連続鋳造機
に関するものである。
が直接2mm〜6mmの鋼板を直接鋳造し、熱間圧延工程を
経ずに直接冷間圧延により0.3mm 〜0.5mm 程度の薄い鋼
板を製造するのに利用される双ロール型薄板連続鋳造機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、厚みが0.3mm から0.5mm 程度
の薄い鋼板は、通常、スラブ連続式鋳造機によって、厚
みが100mm 〜150mm のスラブ材から、熱間圧延、冷間圧
延の工程を経て製造される。この方式によると、工程が
多いのみならず、いったん冷却したスラブ材を、熱間圧
延に供するため再び加熱する必要がある。そのために、
溶湯から鋼板を直接鋳造するところの双ロール型薄板連
続鋳造機が採用されている。
の薄い鋼板は、通常、スラブ連続式鋳造機によって、厚
みが100mm 〜150mm のスラブ材から、熱間圧延、冷間圧
延の工程を経て製造される。この方式によると、工程が
多いのみならず、いったん冷却したスラブ材を、熱間圧
延に供するため再び加熱する必要がある。そのために、
溶湯から鋼板を直接鋳造するところの双ロール型薄板連
続鋳造機が採用されている。
【0003】従来の双ロール型薄板連続鋳造機は、たと
えば図9に示すように、ストレート型の一本の溶湯供給
用ノズル20を用い、この溶湯供給用ノズル20の供給口21
を短辺堰22に対向させている。この場合に、耐火物もし
くはセラミックスで構成した短辺堰22を用いたとき、鋳
造時に短辺堰22に凝固層が成長するのを防止するため
に、鋳造開始前に短辺堰22を予熱する必要があり、願わ
くば、鋳造中にも加熱装置を用いて加熱するか、供給す
る溶湯の熱を利用するため、溶湯流れ23を、短辺堰22、
特に短辺堰22とモールドロールが摺動する近辺に配置す
ることが効果的であった。
えば図9に示すように、ストレート型の一本の溶湯供給
用ノズル20を用い、この溶湯供給用ノズル20の供給口21
を短辺堰22に対向させている。この場合に、耐火物もし
くはセラミックスで構成した短辺堰22を用いたとき、鋳
造時に短辺堰22に凝固層が成長するのを防止するため
に、鋳造開始前に短辺堰22を予熱する必要があり、願わ
くば、鋳造中にも加熱装置を用いて加熱するか、供給す
る溶湯の熱を利用するため、溶湯流れ23を、短辺堰22、
特に短辺堰22とモールドロールが摺動する近辺に配置す
ることが効果的であった。
【0004】また図10に示すように、短辺堰に、電磁力
を利用した電磁力利用短辺堰25を用いた場合は、電磁力
により、溶湯供給用ノズル20からの溶湯流れ23に逆らっ
た力26が生じているため、溶湯静圧および流れによる動
圧にバランスさせて溶湯を保持し得る。さらに電磁力利
用短辺堰25を用いた場合は、電磁力利用短辺堰25側に溶
湯流れ23を与えて電磁力利用短辺堰25を加熱する必要が
ないのみならず、溶湯流れ23による動圧を与えること
は、静圧以上の電磁力を必要とする。
を利用した電磁力利用短辺堰25を用いた場合は、電磁力
により、溶湯供給用ノズル20からの溶湯流れ23に逆らっ
た力26が生じているため、溶湯静圧および流れによる動
圧にバランスさせて溶湯を保持し得る。さらに電磁力利
用短辺堰25を用いた場合は、電磁力利用短辺堰25側に溶
湯流れ23を与えて電磁力利用短辺堰25を加熱する必要が
ないのみならず、溶湯流れ23による動圧を与えること
は、静圧以上の電磁力を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図9で示される耐火物
もしくはセラミックスの短辺堰22では、溶湯流れ23が短
辺堰22側に向かうことで、この短辺堰22の加熱に有効に
作用するが、短辺堰22に当たった溶湯流れ23は、短辺堰
22に沿った盛り上がり流れ23Aを生じ、これが鋳片の表
面欠陥の原因の一つであった。さらに溶湯の流れ23は時
として乱れを生じ、その乱れが溶湯表面に現れ、モール
ドロールと溶湯境界の巻き込み部に生じた場合には、溶
湯表面に浮遊しがちの金属酸化膜を巻き込み、これも鋳
片の表面欠陥の原因の一つとなる。
もしくはセラミックスの短辺堰22では、溶湯流れ23が短
辺堰22側に向かうことで、この短辺堰22の加熱に有効に
作用するが、短辺堰22に当たった溶湯流れ23は、短辺堰
22に沿った盛り上がり流れ23Aを生じ、これが鋳片の表
面欠陥の原因の一つであった。さらに溶湯の流れ23は時
として乱れを生じ、その乱れが溶湯表面に現れ、モール
ドロールと溶湯境界の巻き込み部に生じた場合には、溶
湯表面に浮遊しがちの金属酸化膜を巻き込み、これも鋳
片の表面欠陥の原因の一つとなる。
【0006】また図10で示される短辺堰に電磁力利用短
辺堰25を用いたとき、溶湯供給用ノズル20からの溶湯流
れ23による圧力と溶湯の静圧との和が、電磁力と釣りあ
った場合は、溶湯表面に盛り上がりもしくは乱れを生ぜ
ず、また電磁力利用短辺堰25の表面での溶湯の盛り上が
りはないが、操業の安定のため電磁力に余裕をもたせて
いること、また、溶湯供給用ノズル20からの溶湯の流れ
23は必ずしも一定でないことから、電磁力利用短辺堰25
から少し離れた領域に溶湯の流れ23と電磁力により生じ
た溶湯流れとのぶつかった部分に盛り上がり23Bを生じ
る。
辺堰25を用いたとき、溶湯供給用ノズル20からの溶湯流
れ23による圧力と溶湯の静圧との和が、電磁力と釣りあ
った場合は、溶湯表面に盛り上がりもしくは乱れを生ぜ
ず、また電磁力利用短辺堰25の表面での溶湯の盛り上が
りはないが、操業の安定のため電磁力に余裕をもたせて
いること、また、溶湯供給用ノズル20からの溶湯の流れ
23は必ずしも一定でないことから、電磁力利用短辺堰25
から少し離れた領域に溶湯の流れ23と電磁力により生じ
た溶湯流れとのぶつかった部分に盛り上がり23Bを生じ
る。
【0007】また、現実的には溶湯供給用ノズル20から
の溶湯流れ23を一定に保持することは困難であり、常に
一定の動圧とすることは不可能である。したがって、こ
の電磁力利用短辺堰25を配した双ロール型薄板連続鋳造
機において、電磁力利用短辺堰25の方向に供給口21を向
けた溶鋼供給用ノズル20を用いた場合は、大きな電磁力
を必要とするのみならず、溶鋼供給用ノズル20からの溶
湯供給の乱れに起因した種々の問題を生じ、鋳片の表面
欠陥の原因となっていた。
の溶湯流れ23を一定に保持することは困難であり、常に
一定の動圧とすることは不可能である。したがって、こ
の電磁力利用短辺堰25を配した双ロール型薄板連続鋳造
機において、電磁力利用短辺堰25の方向に供給口21を向
けた溶鋼供給用ノズル20を用いた場合は、大きな電磁力
を必要とするのみならず、溶鋼供給用ノズル20からの溶
湯供給の乱れに起因した種々の問題を生じ、鋳片の表面
欠陥の原因となっていた。
【0008】このように、いずれの場合も溶湯表面に
は、大きな安定しない盛り上がり23A,23Bを生じ、表
面欠陥の原因の一つとなっていた。このような問題点を
解決する手法として、一般のストレート型一本の溶湯供
給用ノズルでなく、溶湯供給用ノズルが扇型になり、溶
湯を直接下方に落し、短辺方向である横方向に流れを与
えないか、もしくは溶湯をロールの周方向に流す方式も
あるが、この場合、溶湯供給用ノズルが特殊形状となる
ため高価となり、商業ベースの実生産に用いるには大き
な制限があった。
は、大きな安定しない盛り上がり23A,23Bを生じ、表
面欠陥の原因の一つとなっていた。このような問題点を
解決する手法として、一般のストレート型一本の溶湯供
給用ノズルでなく、溶湯供給用ノズルが扇型になり、溶
湯を直接下方に落し、短辺方向である横方向に流れを与
えないか、もしくは溶湯をロールの周方向に流す方式も
あるが、この場合、溶湯供給用ノズルが特殊形状となる
ため高価となり、商業ベースの実生産に用いるには大き
な制限があった。
【0009】本発明の目的とするところは、モールドロ
ール内の空間に単純かつ安価な形状のダムを挿入し、溶
湯供給用ノズルからの溶湯流れをダムにより抑制して、
直接短辺堰に与えないようにした双ロール型薄板連続鋳
造機を提供する点にある。
ール内の空間に単純かつ安価な形状のダムを挿入し、溶
湯供給用ノズルからの溶湯流れをダムにより抑制して、
直接短辺堰に与えないようにした双ロール型薄板連続鋳
造機を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
第1発明は、互いに相対向した一対のロールと、両ロー
ルの幅の両端部に設けた一対の短辺堰とで形成される空
間に溶湯供給用ノズルから溶湯を供給しつつ、相対向し
たロールを挟み込む方向に回転することでロール表面に
生成した金属凝固層を圧着して溶湯から肉厚の薄い板を
製造する双ロール型薄板連続鋳造機において、溶湯供給
用ノズルに、短辺堰に対向する供給口を形成すること
で、溶湯を短辺堰の方向に供給すべく構成し、溶湯供給
用ノズルと短辺堰との間に、耐火物で構成した流れ抑制
用のダムを、溶湯流れに対向して設置し、このダムは、
溶湯供給用ノズルに向いた面が横断面で凹入円弧面であ
り、かつ多数の通過孔を形成している。
第1発明は、互いに相対向した一対のロールと、両ロー
ルの幅の両端部に設けた一対の短辺堰とで形成される空
間に溶湯供給用ノズルから溶湯を供給しつつ、相対向し
たロールを挟み込む方向に回転することでロール表面に
生成した金属凝固層を圧着して溶湯から肉厚の薄い板を
製造する双ロール型薄板連続鋳造機において、溶湯供給
用ノズルに、短辺堰に対向する供給口を形成すること
で、溶湯を短辺堰の方向に供給すべく構成し、溶湯供給
用ノズルと短辺堰との間に、耐火物で構成した流れ抑制
用のダムを、溶湯流れに対向して設置し、このダムは、
溶湯供給用ノズルに向いた面が横断面で凹入円弧面であ
り、かつ多数の通過孔を形成している。
【0011】また本第2発明は、上記した第1発明に記
載の双ロール型薄板連続鋳造機において、通過孔は、溶
湯供給用ノズル側である入口側内径に対して短辺堰側で
ある出口側内径を大きく形成している。そして本第3発
明は、上記した第2発明に記載の双ロール型薄板連続鋳
造機において、通過孔は、入口側内径の孔径を5〜12mm
に形成している。
載の双ロール型薄板連続鋳造機において、通過孔は、溶
湯供給用ノズル側である入口側内径に対して短辺堰側で
ある出口側内径を大きく形成している。そして本第3発
明は、上記した第2発明に記載の双ロール型薄板連続鋳
造機において、通過孔は、入口側内径の孔径を5〜12mm
に形成している。
【0012】
【作用】上記した本第1発明の構成によると、溶湯供給
用ノズルから短辺堰側に向けて供給された溶湯流れは、
ダムの表面にぶつかって流れを抑制(軽減)し得、緩速
な流れとなって短辺堰側に到達させるため、この短辺堰
での盛り上がりはなく、短辺堰上に均一の動圧を与える
ことになる。そして、溶湯供給用ノズルから短辺堰側に
向けて供給された溶湯流れは、ダムの凹入円弧面にぶつ
かって流れを抑制(軽減)し得、そして凹入円弧面の曲
率を伴った部分で左右方向に分離して、曲率に沿って流
れつつ、ダムに形成された通過孔を通って短辺堰側へと
拡散しながら流し得る。
用ノズルから短辺堰側に向けて供給された溶湯流れは、
ダムの表面にぶつかって流れを抑制(軽減)し得、緩速
な流れとなって短辺堰側に到達させるため、この短辺堰
での盛り上がりはなく、短辺堰上に均一の動圧を与える
ことになる。そして、溶湯供給用ノズルから短辺堰側に
向けて供給された溶湯流れは、ダムの凹入円弧面にぶつ
かって流れを抑制(軽減)し得、そして凹入円弧面の曲
率を伴った部分で左右方向に分離して、曲率に沿って流
れつつ、ダムに形成された通過孔を通って短辺堰側へと
拡散しながら流し得る。
【0013】また本第2発明の構成によると、通過孔群
を通って短辺堰側へと移動する溶湯は、入口側内径に対
して出口側内径が大きいことから、その出口流速を緩和
し得る。 そして本第3発明の構成によると、入口側内径
が5〜12mmであることで、閉塞することもなくかつ緩速
化を効果的に行える。
を通って短辺堰側へと移動する溶湯は、入口側内径に対
して出口側内径が大きいことから、その出口流速を緩和
し得る。 そして本第3発明の構成によると、入口側内径
が5〜12mmであることで、閉塞することもなくかつ緩速
化を効果的に行える。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図1〜図8に基づ
いて説明する。図1〜図3において双ロール型薄板連続
鋳造機は、互いに相対向した一対のロール1,2で形成
される空間3に溶湯供給用ノズル4から溶湯5を供給し
つつ、相対向したロール1,2を挟み込む方向に回転す
ることで、ロール表面に生成した金属凝固層を圧着して
溶湯5から肉厚の薄い板6を製造するよう構成してい
る。前記溶湯供給用ノズル4の供給口4Aは短辺堰7に
対向し、そして溶湯供給用ノズル4と短辺堰7との間
に、耐火物で構成した流れ抑制用のダム10を設置してい
る。
いて説明する。図1〜図3において双ロール型薄板連続
鋳造機は、互いに相対向した一対のロール1,2で形成
される空間3に溶湯供給用ノズル4から溶湯5を供給し
つつ、相対向したロール1,2を挟み込む方向に回転す
ることで、ロール表面に生成した金属凝固層を圧着して
溶湯5から肉厚の薄い板6を製造するよう構成してい
る。前記溶湯供給用ノズル4の供給口4Aは短辺堰7に
対向し、そして溶湯供給用ノズル4と短辺堰7との間
に、耐火物で構成した流れ抑制用のダム10を設置してい
る。
【0015】このダム10は、基本的には逆三角形の板状
に形成され、そして上部を湯面から突出させるとともに
両ロール1,2のロール表面との間に隙間(ギャップ)
gを形成した状態で配設している。前記ダム10は図4〜
図6に示すように、溶湯供給用ノズル4に向いた面を横
断面で曲率rの凹入円弧面11に形成し、さらに下部は、
下位ほど溶湯供給用ノズル4に近づく円弧面12に形成し
ている。そしてダム10の溶湯供給用ノズル4側に向く面
で両側縁から下縁に亘っては、所定の長さaかつ幅bの
つば部10Aに形成している。
に形成され、そして上部を湯面から突出させるとともに
両ロール1,2のロール表面との間に隙間(ギャップ)
gを形成した状態で配設している。前記ダム10は図4〜
図6に示すように、溶湯供給用ノズル4に向いた面を横
断面で曲率rの凹入円弧面11に形成し、さらに下部は、
下位ほど溶湯供給用ノズル4に近づく円弧面12に形成し
ている。そしてダム10の溶湯供給用ノズル4側に向く面
で両側縁から下縁に亘っては、所定の長さaかつ幅bの
つば部10Aに形成している。
【0016】またダム10には、凹入円弧面11や円弧面12
から短辺堰7に向く面へと開放する多数の通過孔13を形
成している。その際に通過孔13群は、溶湯供給用ノズル
4側である入口側内径d1 に対し、短辺堰7側である出
口側内径d2 を大きくしたラッパ状に形成しており、以
て出口流速を緩和している。
から短辺堰7に向く面へと開放する多数の通過孔13を形
成している。その際に通過孔13群は、溶湯供給用ノズル
4側である入口側内径d1 に対し、短辺堰7側である出
口側内径d2 を大きくしたラッパ状に形成しており、以
て出口流速を緩和している。
【0017】次に本実施例における各部寸法の一例を述
べる。ロール1,2の半径Rは600mmである。湯面高さ
Hは、安定した鋳造には重要な値であるが、実施例は40
0mmである。但し、経験的に、[ 0.5R<H<0.75R]
の範囲であれば、安定した鋳造が可能である。従って湯
面の巾Lは半径Rと湯面高さHによって一義的に決ま
り、今回の実施例では308mm である。
べる。ロール1,2の半径Rは600mmである。湯面高さ
Hは、安定した鋳造には重要な値であるが、実施例は40
0mmである。但し、経験的に、[ 0.5R<H<0.75R]
の範囲であれば、安定した鋳造が可能である。従って湯
面の巾Lは半径Rと湯面高さHによって一義的に決ま
り、今回の実施例では308mm である。
【0018】溶湯供給用ノズル4は、通常は本方式で用
いられるロール1,2の幅の中央部に設置される。実施
したロール幅は1100mmであるので、溶湯供給用ノズル4
からダム10の位置までの距離C1 と、短辺堰7からダム
10の位置までの距離C2 との関係は、[C1 +C2 =55
0 mm]である。ここでダム10の位置は任意であるが、設
置する位置によって必要とする形状がかわる。すなわち
溶湯供給用ノズル4からダム10の位置までの距離C1 が
近ければつば部10Aの長さaは長く、また距離C1 が遠
ければ長さaは短くてよいが、概ね5〜15mmの範囲でよ
い。
いられるロール1,2の幅の中央部に設置される。実施
したロール幅は1100mmであるので、溶湯供給用ノズル4
からダム10の位置までの距離C1 と、短辺堰7からダム
10の位置までの距離C2 との関係は、[C1 +C2 =55
0 mm]である。ここでダム10の位置は任意であるが、設
置する位置によって必要とする形状がかわる。すなわち
溶湯供給用ノズル4からダム10の位置までの距離C1 が
近ければつば部10Aの長さaは長く、また距離C1 が遠
ければ長さaは短くてよいが、概ね5〜15mmの範囲でよ
い。
【0019】さらにダム10の幅、厚み、高さは、ダム10
における凹入円弧面11の曲率rの形状、およびダム10と
ロール1,2間に必要とする隙間(ギャップ)gによっ
て決まるが、ここで隙間gは5〜20mmが望ましい。
における凹入円弧面11の曲率rの形状、およびダム10と
ロール1,2間に必要とする隙間(ギャップ)gによっ
て決まるが、ここで隙間gは5〜20mmが望ましい。
【0020】以下に、上記実施例における作用を説明す
る。図1、図2に示すように、溶湯供給用ノズル4の供
給口4Aから短辺堰7側に向けて供給された溶湯は、ダ
ム10の両円弧面11,12にぶつかり、これら円弧面11,12
の曲率rを伴った部分で左右方向に分離されて、曲率r
に沿って流れつつ、ダム10にあけられた通過孔13を通っ
て短辺堰7側へと拡散しながら流れる。したがって溶湯
供給用ノズル4から出た溶湯流は、ダム10にぶつかって
流れが抑制(軽減)され、緩速な流れとなって短辺堰7
側に到達するため、この短辺堰7での盛り上がりはな
く、短辺堰7上に均一の動圧を与えることになる。
る。図1、図2に示すように、溶湯供給用ノズル4の供
給口4Aから短辺堰7側に向けて供給された溶湯は、ダ
ム10の両円弧面11,12にぶつかり、これら円弧面11,12
の曲率rを伴った部分で左右方向に分離されて、曲率r
に沿って流れつつ、ダム10にあけられた通過孔13を通っ
て短辺堰7側へと拡散しながら流れる。したがって溶湯
供給用ノズル4から出た溶湯流は、ダム10にぶつかって
流れが抑制(軽減)され、緩速な流れとなって短辺堰7
側に到達するため、この短辺堰7での盛り上がりはな
く、短辺堰7上に均一の動圧を与えることになる。
【0021】前述したように、溶湯供給用ノズル4から
の溶湯を、曲率rを伴った部分で左右方向に分離させる
際に、その流れが直接ロール表面へ逃げるのを、つば部
10Aにより防ぐことになる。このとき、ダム10に与えら
れた曲率rは、モールド内のどの位置にダム10を設置す
るかにより決定される。そしてダム10が設置される位置
は、溶湯表面の温度測定部材、湯面高さ検知センサーの
設置いかんにより決められるが、制約の条件がない場合
はどこに設置してもかまわない。しかしながら、その距
離C1 と適切な曲率rとは関係があり、ダム10が溶湯供
給用ノズル4に近いほど小さな曲率rが、ダム10が溶湯
供給用ノズル4より離れるほど大きな曲率rが望まし
く、その良好な流れの範囲は、図7に示すとおりであ
る。
の溶湯を、曲率rを伴った部分で左右方向に分離させる
際に、その流れが直接ロール表面へ逃げるのを、つば部
10Aにより防ぐことになる。このとき、ダム10に与えら
れた曲率rは、モールド内のどの位置にダム10を設置す
るかにより決定される。そしてダム10が設置される位置
は、溶湯表面の温度測定部材、湯面高さ検知センサーの
設置いかんにより決められるが、制約の条件がない場合
はどこに設置してもかまわない。しかしながら、その距
離C1 と適切な曲率rとは関係があり、ダム10が溶湯供
給用ノズル4に近いほど小さな曲率rが、ダム10が溶湯
供給用ノズル4より離れるほど大きな曲率rが望まし
く、その良好な流れの範囲は、図7に示すとおりであ
る。
【0022】またダム10に衝突した溶湯は、ダム10に形
成された通過孔13群を通って短辺堰7側へと移動する
が、このとき入口側内径d1 に対して出口側内径d2 が
大きいことから、その出口流速を緩和することになる。
成された通過孔13群を通って短辺堰7側へと移動する
が、このとき入口側内径d1 に対して出口側内径d2 が
大きいことから、その出口流速を緩和することになる。
【0023】図8は、通過孔13の必要な孔径を示す。こ
こで入口側内径d1 は細い方が望ましいが、5mm以下で
あると閉塞する場合があり、また12mm以上であるとダム
10を通しての緩速化の効果が薄い。そして出口側内径d
2 は、入口側内径d1 と、得られる流速とから決められ
るが、入口側内径d1 の1.5 倍を基準として、配列され
る通過孔13の数などより決めればよい。また、入口側内
径d1 は、ダム10が溶湯供給用ノズル4に近い場合には
小さくし、ダム10が溶湯供給用ノズル4より離れた場合
には大きくする。
こで入口側内径d1 は細い方が望ましいが、5mm以下で
あると閉塞する場合があり、また12mm以上であるとダム
10を通しての緩速化の効果が薄い。そして出口側内径d
2 は、入口側内径d1 と、得られる流速とから決められ
るが、入口側内径d1 の1.5 倍を基準として、配列され
る通過孔13の数などより決めればよい。また、入口側内
径d1 は、ダム10が溶湯供給用ノズル4に近い場合には
小さくし、ダム10が溶湯供給用ノズル4より離れた場合
には大きくする。
【0024】
【発明の効果】上記構成の本第1発明によると、扇形の
特殊でかつ高価なノズルを用いることもなく、モールド
ロール内の空間に単純な形状のダムを挿入するだけで、
溶湯供給用ノズルから短辺堰の方向への溶湯流れを、こ
のダムにより抑制できて、直接短辺堰に与えないように
でき、溶湯の横方向の流れに起因した問題を安価に解消
できた。
特殊でかつ高価なノズルを用いることもなく、モールド
ロール内の空間に単純な形状のダムを挿入するだけで、
溶湯供給用ノズルから短辺堰の方向への溶湯流れを、こ
のダムにより抑制できて、直接短辺堰に与えないように
でき、溶湯の横方向の流れに起因した問題を安価に解消
できた。
【0025】すなわち、短辺堰に耐火物もしくはセラミ
ックスを用いた場合には、溶湯表面に乱れがなく、鋳片
表面の清浄を向上できた。なお、この場合には、短辺堰
の表面温度を高温に保つために、鋳造中も短辺堰の裏側
から加熱することが有効である。また、短辺堰に電磁力
利用短辺堰を用いた場合には、溶湯が直接電磁力利用短
辺堰にぶつからないために、必要とする電磁力を軽減で
き、装置を簡便化できるのみならず、溶湯流れを均一化
できて、鋳片の欠陥防止に有効である。そして、溶湯供
給用ノズルからの溶湯流れは、ダムの凹入円弧面にぶつ
かったのち、凹入円弧面の曲率を伴った部分で左右方向
に分離して曲率に沿って流しつつ、通過孔を通して短辺
堰側へと拡散しながら流すことができ、流れの抑制をよ
り効果的に行うことができる。
ックスを用いた場合には、溶湯表面に乱れがなく、鋳片
表面の清浄を向上できた。なお、この場合には、短辺堰
の表面温度を高温に保つために、鋳造中も短辺堰の裏側
から加熱することが有効である。また、短辺堰に電磁力
利用短辺堰を用いた場合には、溶湯が直接電磁力利用短
辺堰にぶつからないために、必要とする電磁力を軽減で
き、装置を簡便化できるのみならず、溶湯流れを均一化
できて、鋳片の欠陥防止に有効である。そして、溶湯供
給用ノズルからの溶湯流れは、ダムの凹入円弧面にぶつ
かったのち、凹入円弧面の曲率を伴った部分で左右方向
に分離して曲率に沿って流しつつ、通過孔を通して短辺
堰側へと拡散しながら流すことができ、流れの抑制をよ
り効果的に行うことができる。
【0026】また上記構成の本第2発明によると、通過
孔群を通って短辺堰側へと移動する溶湯は、入口側内径
に対して出口側内径が大きいことから、その出口流速を
緩和できる。そして上記構成の本第3発明によると、入
口側内径が5〜12mmであることで、閉塞することもなく
かつ緩速化を効果的に行うことができる。
孔群を通って短辺堰側へと移動する溶湯は、入口側内径
に対して出口側内径が大きいことから、その出口流速を
緩和できる。そして上記構成の本第3発明によると、入
口側内径が5〜12mmであることで、閉塞することもなく
かつ緩速化を効果的に行うことができる。
【図1】本発明の一実施例を示し、双ロール型薄板連続
鋳造機の要部の一部切り欠き平面図である。
鋳造機の要部の一部切り欠き平面図である。
【図2】同双ロール型薄板連続鋳造機の要部の側面図で
ある。
ある。
【図3】同双ロール型薄板連続鋳造機の要部の正面図で
ある。
ある。
【図4】同双ロール型薄板連続鋳造機におけるダムの平
面図である。
面図である。
【図5】同双ロール型薄板連続鋳造機におけるダムの側
面図である。
面図である。
【図6】同双ロール型薄板連続鋳造機におけるダムの正
面図である。
面図である。
【図7】同双ロール型薄板連続鋳造機において、必要な
ダム表面の曲率を示すグラフ図である。
ダム表面の曲率を示すグラフ図である。
【図8】同双ロール型薄板連続鋳造機において、ダムに
必要な通過孔の径を示すグラフ図である。
必要な通過孔の径を示すグラフ図である。
【図9】従来例を示し、短辺堰が耐火物の場合の双ロー
ル型薄板連続鋳造機における要部の側面図である。
ル型薄板連続鋳造機における要部の側面図である。
【図10】別の従来例を示し、短辺堰が電磁堰の場合の
双ロール型薄板連続鋳造機における要部の側面図であ
る。
双ロール型薄板連続鋳造機における要部の側面図であ
る。
1.2 ロール 3 空間 4 溶湯供給用ノズル 4A 供給口 5 溶湯 6 板 7 短辺堰 10 ダム 10A つば部 11 凹入円弧面 12 円弧面 13 通過孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−154958(JP,A) 特開 昭63−177945(JP,A) 特開 平7−1087(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/06 330 B22D 11/04 311 B22D 11/103 B22D 11/11
Claims (3)
- 【請求項1】 互いに相対向した一対のロールと、両ロ
ールの幅の両端部に設けた一対の短辺堰とで形成される
空間に溶湯供給用ノズルから溶湯を供給しつつ、相対向
したロールを挟み込む方向に回転することでロール表面
に生成した金属凝固層を圧着して溶湯から肉厚の薄い板
を製造する双ロール型薄板連続鋳造機において、溶湯供
給用ノズルに、短辺堰に対向する供給口を形成すること
で、溶湯を短辺堰の方向に供給すべく構成し、溶湯供給
用ノズルと短辺堰との間に、耐火物で構成した流れ抑制
用のダムを、溶湯流れに対向して設置し、このダムは、
溶湯供給用ノズルに向いた面が横断面で凹入円弧面であ
り、かつ多数の通過孔を形成したことを特徴とする双ロ
ール型薄板連続鋳造機。 - 【請求項2】 通過孔は、溶湯供給用ノズル側である入
口側内径に対して短辺堰側である出口側内径を大きく形
成したことを特徴とする請求項1記載の双ロール型薄板
連続鋳造機。 - 【請求項3】 通過孔は、入口側内径の孔径を5〜12mm
に形成したことを特徴とする請求項2記載の双ロール型
薄板連続鋳造機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07025795A JP3178987B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 双ロール型薄板連続鋳造機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07025795A JP3178987B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 双ロール型薄板連続鋳造機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08267189A JPH08267189A (ja) | 1996-10-15 |
JP3178987B2 true JP3178987B2 (ja) | 2001-06-25 |
Family
ID=13426324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07025795A Expired - Fee Related JP3178987B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 双ロール型薄板連続鋳造機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3178987B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101947643B (zh) * | 2010-09-26 | 2012-07-25 | 南京钢铁股份有限公司 | 中间包坝堰控流装置 |
-
1995
- 1995-03-29 JP JP07025795A patent/JP3178987B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08267189A (ja) | 1996-10-15 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |