JP3177843B2 - 核酸塩基配列の変異又は特定の塩基配列を有する核酸の存在を検出する方法 - Google Patents

核酸塩基配列の変異又は特定の塩基配列を有する核酸の存在を検出する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は核酸上で起こった突然変異等の塩基配列の変
異ならびに特定の塩基配列を有する核酸の存在を検出す
る為の試薬及びそれに用いられる担体に関する。
[従来の技術] 近年、遺伝子工学の進歩に伴い、動物、植物、細菌、
ウイルス等の生物の遺伝情報が明らかになりつつある。
特に人間の遺伝子に対する解析は急速に進んでおり、遺
伝病、癌等においては核酸の塩基配列のレベルで明らか
になりつつある。その結果、ある種の遺伝病は核酸の塩
基配列の僅か一部分の変異、即ち点突然変異により起こ
ることが知られている。従って、核酸の塩基配列を調べ
正常な塩基配列と比較することにより、正確な遺伝病等
の診断が可能である。
突然変異の測定法の一つに温度勾配DNAカラムクロマ
トグラフィーがある(Nucleic Acids Research.Symposi
um Series No.19,49−52(1988))。この方法によれば
カラムに充填した多孔質の担体に固定化された核酸(以
下、核酸プローブと言う)と、試料中に含まれる核酸プ
ローブに相補的な塩基配列を含む核酸とをハイブリッド
形成させ、ハイブリッドしなかった核酸その他の夾雑物
を溶出除去する。その次にハイブリッドを形成している
核酸分子間の水素結合を切るようにカラムの温度を徐々
に上げ、ハイブリッドしていた核酸を解離させ溶出す
る。核酸の検出は紫外吸収等により行い、カラムから溶
出されて来る温度を測定する。ミスマッチ塩基配列を持
つ核酸は、相補的な塩基配列をもつ核酸に比べハイブリ
ッドの安定性が低いため、完全に相補的なものより早く
溶出される。しかし多孔質の担体を用いたこの方法で
は、溶出ピーク幅が広いため、核酸プローブと試料中の
核酸とのミスマッチの割合が小さかったり、またミスマ
ッチの位置が相補的部分の末端に近い部分に存在する場
合、該ミスマッチに起因するハイブリッドの安定性の変
化が小さく、溶出ピークの分離度が悪くなり測定しにく
くなるという問題点があった。
[発明が解決しようとする問題点] 従って、本発明の目的は、核酸の塩基配列の変異測定
及び特定の塩基配列を有する核酸の検出を鋭敏に行なう
ことができる核酸の塩基配列変異又は特定の塩基配列を
有する核酸の存在を検出する方法を提供することであ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、従来技術にみられる問題点を解決すべ
く鋭意研究を行った結果、表面が非多孔質であって粒径
0.1〜10μmの高分子担体表面に、10以上のヌクレオチ
ドから成る一本鎖の核酸を固定化した試薬を用いること
により、温度勾配カラムクロマトグラフィーの分離度を
改善できることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、非多孔質の表面を有し、表面に
水酸基を有し、前記水酸基の活性化工程において使用さ
れる有機溶媒に不溶でかつ水に不溶な高分子化合物の粒
子であって、その粒径が0.1〜10μmである担体に一本
鎖核酸を固定化した試薬を充填したカラムに、一本鎖の
被検核酸を含む試料を通し、前記固定化一本鎖核酸と前
記被検核酸をハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしな
かった核酸を溶出除去した後、ハイブリッド形成時の温
度から100℃を超えない温度までカラムの温度を上昇さ
せてハイブリダイズした被検核酸を解離させ、被検核酸
が解離した温度を求めることから成る、核酸塩基配列の
変異又は特定の塩基配列を有する核酸の存在を検出する
方法を提供する。また、本発明は、上記担体に一本鎖核
酸を固定化した、上記本発明の方法を行うための試薬を
提供する。
[発明の効果] 本発明の方法によると、多孔質の担体を用いた従来の
試薬では検出することができなかった、相補的部分が長
くミスマッチ部分の割合が小さい場合やミスマッチが相
補的部分の末端に近い部分に存在する場合のハイブリッ
ドの安定性の小さな差を検出することができるようにな
った。従って、本発明の方法を用いることにより、核酸
の塩基配列の変異の検出及び特定の塩基配列を有する核
酸の検出を鋭敏に行なうことができるようになった。
[発明の具体的説明] 上述のように、本発明の方法に用いられる担体は非多
孔質の表面を有する。表面が「非多孔質」であるとは、
孔径が10nm以上である孔を粒子表面に実質的に有さない
ことを意味する。
本発明の方法に用いられる担体は、表面に後述の核酸
プローブを結合するための水酸基を有する。
本発明の方法に用いられる担体は、前記水酸基の活性
化工程において使用される、例えばアセトニトリルやア
セトンのような有機溶媒に不溶である。
また、カラムクロマトグラフィーに担体を使用する
際、水性媒体又は有機溶媒を含む水性媒体が通常用いら
れるので、本発明の方法に用いられる担体は水に不溶で
ある。
本発明の方法に用いられる担体は粒子状であり、その
粒径は0.1〜10μmである。もっとも、粒径が1μm以
下であると、凝縮しやすく、カラムへ充填する際高圧を
要するので粒径は1μm〜10μmが好ましい。
本発明の方法に用いられる担体を構成する、上記諸性
質を有する高分子化合物の好ましい例としては、スチレ
ン、クロルスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、ジビニルベンゼン、スチレンスルホン酸ナ
トリウム、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン、(メ
タ)アクリル酸グリシジル、エチレングリコール−ジ−
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸トリ
ブロモフェニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクロレイン、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、酢
酸ビニル、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、塩
化ビニル、臭化ビニル等の芳香族ビニル化合物、α,β
−不飽和カルボン酸のエステル類若しくはアミド類、
α,β−不飽和ニトリル化合物、ハロゲン化ビニル化合
物、共役ジエン化合物、並びに低級脂肪酸ビニルエステ
ルから成るビニル系単量体の一種以上を重合して得られ
る水不溶性の有機高分子物質や該有機高分子物質を化学
的に変成して得られる水不溶性でかつ非膨潤性の有機高
分子物質を挙げることができる。
これらの高分子粒子は、乳化重合、懸濁重合、溶液沈
殿重合等の公知の方法によって製造することができる。
また、有機高分子溶液を非溶媒中に分散したり、架橋し
たり、又は溶媒を揮散させること等によって該高分子粒
子を得ることができるが、高分子粒子の製造方法はこれ
らに限定されるものではない。
また、水酸基を有しない高分子粒子の表面に水酸基を
導入するには、薬品処理、紫外線処理、プラズマ処理等
種々の公知の方法を利用することができる。
このような化合物から成る非多孔質の粒子は一部市販
されており、本発明においては、このような市販の担体
をも好ましく用いることができる。
本発明の方法に用いられる試薬は、上記本発明の担体
の表面に、10以上のヌクレオチドから成る一本鎖の核酸
(以下、核酸プローブと言う)が、上記式[I]に示す
結合により固定化されて成るものが好ましい。
核酸プローブは、試料中の変異の有無又はその存在を
調べたい核酸部分とハイブリッド可能な状態で固定化さ
れていなくてはいけない。このように固定化するために
は、核酸の末端を固定化することが好ましい。
固定化は、次のようにして行なうことができる。すな
わち、本発明の担体を、活性化剤であるパラ−トルエン
スルホニルクロライド、トレシルクロライド又は2−フ
ルオロ−1−メチルピリジニウム−パラ−トルエンスル
ホネート等で活性化する。活性化は例えば次のようにし
て行なうことができる。すなわち、脱水したアセトニト
リルやアセトン等の有機溶媒に担体を懸濁した後、さら
にピリジン又はN−ジメチルピリジン等の塩基を加え、
撹拌下で上記活性化剤を加え、1時間反応させる。フィ
ルターで担体をろ過しアセトニトリルやアセトン等で未
反応物を洗浄後、さらに、希塩酸で洗浄して塩基を除い
た後、氷冷した水で洗浄した後、凍結乾燥により脱水す
ることにより調製される。担体は0℃以下で保存するこ
とが好ましい。
次に、活性化した担体に、好ましくは核酸の末端にス
ペーサを介して、第1級アミノ基を有し、かつ10以上の
ヌクレオチドから成る一本鎖の核酸プローブを反応させ
ることにより、上記式[I]に示す結合により核酸プロ
ーブを固定化することができる。
5′末端にスペーサを介して第一級アミノ基を有する
核酸プローブ(ここではDNAの場合について説明する)
は、亜リン酸アミダイト法やハイドロジェンホスホネー
ト法などの固相合成法で合成されたDNA中間体に、5′
−アミノアルキル−オリゴデオキシリボヌクレオチド
(特開昭61−33195号)や、N−トリフルオロアセチル
アミノアルキル−6−オキシ−β−シアノエチル−N,N
−ジイソプロピルアミノホスホアミダイド(Biosearch
Product Bulletin No.104)等を縮合した反応物又はN,N
−カルボニルジイミダゾールで活性化したものに両末端
にアミノ基をもつスペーサを反応させた後、反応物の保
護基を除去し、固相から切り出すことにより得ることが
できる。N,N−カルボニルジイミダゾールで活性化した
場合の条件をさらに詳細に述べると、上記固相合成法で
合成されたDNA中間体を、アセトニトリルに溶解したN,N
−カルボニルジイミダゾール0.5Mで15分反応させた後、
アセトニトリルに溶解した1.0Mのジアミンと室温で15分
反応させる。この後、室温条件下、28重量%、アンモニ
ア溶液中でえ1時間処理することによりオリゴヌクレオ
チドを固相から切り出し、該溶液中で55℃条件下で17時
間、脱保護を行なうことにより得ることができる。
スペーサは、骨格部分の原子数が2〜50の直鎖又は分
岐鎖を有する化合物である。スペーサとして好ましいも
のの例としてはエチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス(3−アミノ
プロピル)メチルアミン、ビス(3−アミノプロピル)
エーテル、エチレングリコールビス(3−アミノプロピ
ル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノ
プロピル)エーテル、1,4−ブタンジオールビス(3−
アミノプロピル)エーテル等を挙げることができる。
本発明では、試料に含まれる核酸と核酸プローブとの
結合特異性を得るために、10塩基以上の長さを有する核
酸プローブを用いることが望ましい。また、例えば試料
に含まれる核酸と対応する核酸プローブのハイブリッド
が100塩基以上となる場合においては、試料に含まれる
核酸中の変異が少数であると、ミスマッチに起因するハ
イブリッドの安定性の変化は小さく測定しにくくなる。
従って、用いる核酸プローブは10〜100塩基、更に好ま
しくは15〜80塩基程度のものが好ましい。但し、ハイブ
リッド中のミスマッチが複数存在する場合、さらには試
料に含まれる核酸中の変異が複数個の塩基の欠失あるい
は挿入によるときはこの限りではない。
本発明の方法により、核酸塩基配列における変異及び
特定の塩基配列を有する核酸の存在を検出することがで
きる。上記試薬は、常法による温度勾配DNA(又はRNA)
カラムクロマトグラフィーの充填剤として用いられ、よ
り具体的には上記試薬を充填剤として用いて以下のよう
に温度勾配カラムクロマトグラフィーを行なうことによ
り、核酸塩基配列における変異及び特定の塩基配列を有
する核酸の存在を検出することができる。すなわち、 (1)非多孔質の担体に固定化した核酸プローブに対し
核酸を含む試料をハイブリッドさせ、 (2)ハイブリッドしなかった核酸を溶出除去した後、 (3)ハイブリッド形成時の温度から100℃を超えない
温度までカラムの温度を上昇させて、ハイブリッドした
核酸を解離させ、 (4)核酸が解離した温度を求めることにより核酸塩基
配列における変異が測定できる。
核酸を含む試料と非多孔質の担体に固定化した核酸プ
ローブとをハイブリッドさせるには、通常知られた方
法、例えば核酸を含む試料を熱変性させた後に適当な温
度で固定化核酸プローブと接触させればよい。ハイブリ
ッドを形成しなかった核酸は溶出除去する。ハイブリッ
ド形成した核酸は、引続き該温度を上昇させることによ
り再び解離させる。このとき、核酸と核酸プローブの間
にA−T(A−U)、G−C結合以外のミスマッチした
部分が存在するハイブリッドでは、完全に相補的に結合
したハイブリッドに比べて安定性が低いため比較的低い
温度で核酸の解離が起こる。完全相補的にハイブリッド
した核酸であっても高塩濃度下では90〜100℃で解離し
ているので、温度は核酸と核酸プローブがハイブリッド
を形成した時の温度から100℃を超えない温度まで温度
を上昇させれば良い。解離してきた核酸は、例えば紫外
域の吸光度、また操作に先立って該核酸をラジオアイソ
トープあるいは蛍光物質等の標識を施した場合には、そ
れら標識を測定することにより行えばよい。また溶出し
てきた核酸をポストラベルし測定してもよい。
本発明の方法を用いて検査を行なう被検試料として
は、動物細胞例えば白血球細胞、腎細胞、肝細胞等、ま
た細菌、ウイルス等の微生物、さらには植物細胞等から
抽出した核酸を用いることができるが、これらに限定さ
れるものでないことは明らかである。
[実施例] 以下の実施例により本発明のさらに詳細な説明を行う
が、本発明はこれら実施例に限定されるのものではな
い。
実施例1 核酸プローブ固定化カラムの調製 非多孔質担体NPR(東ソー(株)社製)をトレシルク
ロライドで活性化した。活性化の条件は乾燥した担体1g
を、脱水アセトン10mlに懸濁し、ピリジン0.2mlを加え
た後、撹拌しながらトレシルクロライドを0.1ml加えて
1時間常温で反応させた。次に担体をガラスフィルター
でろ過後、アセトンで数回洗浄した後さらに、塩酸(5m
M)で洗浄した後、氷冷した水で洗浄した。担体を凍結
乾燥して−20℃で保存した。活性化した担体を0.5g取
り、核酸プローブとして5′末端にアミノ基を有する21
merのオリゴデオキシチミジンを溶解したリン酸バッフ
ァ(1M、pH9.0)に懸濁し、常温で1時間反応させた。
次に遠心し担体を沈降させ、上清を捨てた後、トリス−
塩酸バッファ(0.1M pH8.0)に再懸濁し残存活性基をつ
ぶした。
また比較のために、上記NPRと実質的に同一の組成を
有するが表面が多孔質である担体650M(孔径100nm、東
ソー(株)社製)を上記と同様にトレシルクロライドで
活性化し、同様にアミノ基を有する核酸プローブを反応
させた。各担体1mg(乾燥重量)に核酸プローブは、約
1μgずつ固定化された。これら核酸プローブが固定化
された担体をカラム(内径6mm×長さ4cm)に充填した。
試験例1 実施例1で調製したカラムを温度勾配槽内にセット
し、緩衝溶液(750mM NaCl,75mMクエン酸ナトリウム、p
H7.0)で平衡化後、槽内の温度を35℃に保ちつつ、サン
プル注入バルブより核酸(ポリデオキシアデニン)を注
入した。核酸注入後、最初の10分間は相補的な核酸をハ
イブリッドさせるため35℃に保ちつつ、ハイブリッドし
なかった試料を溶出除去した。10分後に温度グラジエン
ト(1℃/min.)を開始し、カラム内でハイブリッドし
ている試料を溶出させ、溶出してきた核酸を紫外吸収
(260nm)でモニターし検出した。
結果を図1に示す。図中、点線は多孔質の担体650Mを
用いたときの分離を示し、実線は非多孔質の担体NPRを
用いたときの分離を示す。なお、本実施例における液体
の流速は全て0.5ml/分とした。図1に示されるように、
本発明の非多孔質の担体を用いた場合の方が、従来の多
孔質の担体を用いた場合よりも溶出ピークの幅が狭くな
っており、すなわち、鋭敏に検出を行なうことができる
ことがわかる。
なお、図1に示されるように、多孔質担体を用いた場
合の方が、非多孔質担体を用いた場合よりもピークが早
い時間に現われている。これは、次のような理由による
ものと考えられる。すなわち、非多孔質担体の方が、多
孔質担体よりも比重が大きいので、一定のカラム体積当
りに充填される重量が多くなる。ところが、多孔質担体
も非多孔質担体も同じ条件で核酸を付加しているので、
一定重量当りの核酸担持量はほぼ等しい。従って、カラ
ム当りの核酸プローブの量が、上記の試験例1では、非
多孔質担体を用いた場合の方が多孔質担体を用いた場合
の約2倍になっている。温度を上昇させることによって
解離した被検試料中の一本鎖DNAは、下方に移動してカ
ラムの下端より排出されるが、下方に移動する際に、下
方にある担体に担持された核酸プローブと相互作用を行
ないながら移動していくので、結局、カラム全体の核酸
プローブの量が多い方が溶出が遅れる。多孔性担体の表
面の孔に物理的に捕捉されることによる遅れよりも、こ
のような、下方の担体上の核酸プローブとの相互作用に
よる遅れの方が大きいので、非多孔質担体を用いた場合
の方が多孔質担体を用いた場合よりも溶出ピークが遅く
現われるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の方法及び比較例の方法を行なった際の
結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−117262(JP,A) 特開 昭61−33195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非多孔質の表面を有し、表面に水酸基を有
    し、前記水酸基の活性化工程において使用される有機溶
    媒に不溶でかつ水に不溶な高分子化合物の粒子であっ
    て、その粒径が0.1〜10μmである担体に一本鎖核酸を
    固定化した試薬を充填したカラムに、一本鎖の被検核酸
    を含む試料を通し、前記固定化一本鎖核酸と前記被検核
    酸をハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしなかった核
    酸を溶出除去した後、ハイブリッド形成時の温度から10
    0℃を超えない温度までカラムの温度を上昇させてハイ
    ブリダイズした被検核酸を解離させ、被検核酸が解離し
    た温度を求めることから成る、核酸塩基配列の変異又は
    特定の塩基配列を有する核酸の存在を検出する方法。
  2. 【請求項2】前記担体は、水に対して非膨潤性である請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記担体の表面に、10以上のヌクレオチド
    から成る一本鎖の核酸が下記式[I]に示す結合により
    固定化されて成る、請求項1又は2記載の方法。 (ただし、スペーサは、骨格部分の原子数が2〜50の直
    鎖又は分岐鎖を有する化合物である。)
  4. 【請求項4】前記核酸は、その末端がスペーサを介して
    前記担体に結合されている請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載の担体に一本鎖核酸を固
    定化した、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法を
    行うための試薬。
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