JP3177120U - 衣類 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤ等の硬い保形材を用いない場合でもカップ及びバージスラインの保形性を高めることができる衣類を提供する。
【解決手段】ブラジャー1は、左右に取り付けられた一対のカップ部2と、カップ部2の脇側及び下側に接続されて下端に補強部13が設けられた基布部4と、カップ部2の縁部に沿って配置されて裏側の縁部に盛り上がるように細幅の不織布が取り付けられたテープ部3とを備える。さらに、カップ部2の脇側において上下方向に取り付けられて上端がカップ部2の上部に当接し下端がテープ部3に当接する第一補強部材7と、第一補強部材7の取り付けられた位置よりも脇側にずらして基布部4に上下方向に取り付けられて上端がテープ部3の上方に延設された部分に当接し下端が補強部13に当接する第二補強部材9とを備えている。
【選択図】図1

Description

本考案は、バストを支えるためのカップ部を有するブラジャー等の衣類に関する。
従来よりバストを支えるためにブラジャー等の衣類が用いられている。こうした衣類では、バストを支えるとともにバストの形状を補整する機能を持たせることで、衣類を着用した際にバスト部分に均整のとれた美しい外形を表出させることができる。バストの補整方法としては、バストを支えるために保形性を有するカップ部によりバストを覆うとともにカップ部の縁部に細幅のワイヤ部材を取り付けて補整することが行われている。例えば、特許文献1では、左右一対のカップ部と、カップ部を前中心側で連結する前中心布と、カップ部の脇側に連結される左右一対のバック布とを備えるストラップレスブラジャーが記載されており、カップ部は、カップ形状を成すように立体成型されて、前中心側の縁部から下縁部を経て脇側の縁部に沿うようにカップワイヤー部を有し、カップの両サイドに3次元ボーンを有する点が記載されている。また、特許文献2では、ブラジャーのカップ部として、カップ本体及びバージスラインに沿って配置されたワイヤを有し、カップ本体の脇側部分を縦断する位置に扁平な樹脂帯からなる芯材を配置した点が記載されている。
特開2005−264373号公報 特開2012−7271号公報
上述した先行文献では、カップ部においてバージスラインに沿うようにワイヤを配置してバスト部分の補整を行うようにしているが、衣類を着用した場合にワイヤが体に圧接された状態となる。ワイヤは金属製材料又は樹脂性材料が用いられて他の生地部分に比べて硬い素材のため、長時間着用しているとワイヤの圧迫による痛みを生じて不快感を与えるようになる。
こうしたワイヤを用いた場合の問題点を解消するためにワイヤを用いない衣類が提案されているが、バージスラインに沿う部分にワイヤを配置していない場合、バージスライン部分が柔らかくなるため、カップの形が崩れやすくなる。また、長時間着用していると、着用者の動作に伴いカップが次第にずり上がってバージスラインを維持することができなくなる。そのため、カップの位置ずれに伴いバージスラインが崩れるため、カップの位置ずれが生じるたびに位置ずれを直す必要がある。
そこで、本考案は、ワイヤ等の硬い保形材を用いない場合でもカップ及びバージスラインの保形性を高めることができる衣類を提供することを目的とするものである。
本考案に係る衣類は、左右に取り付けられた一対のカップ部と、前記カップ部の脇側及び下側に接続されるとともに下端に補強部が設けられた基布部と、前記カップ部の縁部に沿って配置されるとともに前記カップ部の裏側の縁部に盛り上がるように細幅の不織布が取り付けられたテープ部と、前記カップ部の脇側において上下方向に取り付けられるとともに上端が前記カップ部の上部に当接し下端が前記テープ部に当接する第一補強部材と、前記第一補強部材の取り付けられた位置よりも脇側にずらして前記基布部に上下方向に取り付けられるとともに上端が前記テープ部の上方に延設された部分に当接し下端が前記補強部に当接する第二補強部材とを備えている。さらに、前記基布部の脇の下の端部において上下方向に取り付けられた第三補強部材を備えている。
本考案は、上記のような構成を有することで、ワイヤ等の硬い保形材を用いなくてもカップ及びバージスラインの保形性を高めることができる。
本考案に係る実施形態に関する表側から見た正面図である。 本考案に係る実施形態に関する裏側から見た背面図である。 ブラジャーを着用した状態に関する脇側から見た側面図である。
以下、本考案に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本考案を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本考案は、以下の説明において特に本考案を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本考案に係る実施形態に関する表側から見た正面図であり、図2は、裏側から見た背面図である。この例では、衣類としてブラジャーを例に説明する。ブラジャー1は、左右一対のカップ部2、カップ部2の周縁部に形成されるバージスラインに沿うように取り付けられたテープ部3、カップ部2及びテープ部3が取り付けられる基布部4、並びに、基布部4の左右両側に接続されたベルト部5を備えている。なお、図面では、理解を容易にするため、ベルト部5の一部を省略している。
カップ部2は、上部片2a、中央側下部片2b及び脇側下部片2cの3つの部材を縫着して全体として椀状となるように湾曲形成されている。各部材は、表側生地及び裏側生地の間に所定の厚さの柔軟性のある不織布を挿入して構成されており、肌触りがよく伸縮性のほとんどない素材が用いられている。カップ部2の脇側には、上部片2a及び脇側下部片2cにかけて表側の上下方向に細幅のテープ6が縫着されており、内部に細幅で薄板状の第一補強部材7が挿入されている。第一補強部材7は、樹脂材料からなり、可撓性を有するとともに曲げに対する復元力を備えている。そのため、カップ部2の上部が潰れるように型崩れする曲げに対してカップ部2が潰れないように椀状の湾曲状態を維持する保形機能を果たす。
左右のカップ部2は、互いの上部片2aの内側を縫着して一体化されている。そして、カップ部2の中央側下部片2b及び脇側下部片2cの縁部にはカップ部2と同じ伸縮性のほとんどない素材で構成された基布部4がそれぞれ左右両側に延設されるように縫着されている。
テープ部3は、厚みのあるテープ状の不織布をカップ部2の裏側においてバージスラインに沿って配置し、配置した不織布の両側を基布部4に縫着して取り付けられている。テープ部3は、厚みのある不織布を用いているため、カップ部2の周縁部に盛り上がるように形成されている。ブラジャー1を着用した場合、盛り上がるように取り付けられたテープ部3が胸の表面に圧接されて容易にずれないように取り付けられ、バストを囲むように保持してバージスラインを形成・維持するように機能する。
テープ部3には、従来のような硬質のワイヤではなく柔軟性を有して肌触りの柔らかい不織布を用いているため、着用感が良好で美しいバージスラインを形成することができる。しかしながら、不織布は、従来のワイヤのような弾性を有しておらず変形しやすいため、長時間着用すると型崩れが生じやすい。特に、カップ部2の脇側下部片2cの縁部に沿って上方に延設された部分では、脇側に拡がるように変形しやすくなる。そのため、基布部4には、テープ部3の脇側下部片2cに沿う位置において表側の上下方向に細幅のテープ8が縫着されており、内部に細幅で薄板状の第二補強部材9が挿入されている。第二補強部材9は、第一補強部材7と同様に樹脂材料からなり、可撓性を有するとともに曲げに対する復元力を備えている。そのため、テープ部3の上方に延設された部分を第二補強部材9により支えて型崩れが生じないようにし、バージスラインを維持することができる。
第一補強部材7を覆うテープ6の下端部がテープ部3に縫着されており、第二補強部材9を覆うテープ8の上端部がテープ部3に縫着されるとともに第二補強部材9が第一補強部材7に対して脇側にずらして配置されるように取り付けられているため、テープ部3の最も変形しやすい湾曲部分を上下から第一補強部材7及び9により支えるようになる。そのため、バージスラインの美しい曲線部分を型崩れしないように維持することができる。
基布部4は、カップ部2から脇側に延設されており、脇の下の端部には上下方向にテープ10が表側に縫着されており、内部に細幅で薄板状の第三補強部材11が挿入されている。第三補強部材11は、第一補強部材7と同様に樹脂材料からなり、可撓性を有するとともに曲げに対する復元力を備えている。また、基布部4の脇の下の端部には、裏側に第三補強部材11とともに細幅の不織布12がベルト部5の端部とともに縫着されている。不織布12が基布部4の脇の下の端部に取り付けられることで、裏側に盛り上がった状態となり、着用した場合に不織布12を取り付けた部分が肌に圧接するようになる。そのため、脇の下の贅肉を前側に寄せた場合に、不織布12を取り付けた部分が寄せた贅肉が元に戻ろうとするのを堰き止める作用効果を奏するようになる。
基布部4の下端部には、裏側に全長にわたって肌に密着して滑りにくいテープ状素材が縫着されて補強部13が形成されており、ブラジャー1を着用した場合に、補強部13が肌に圧接してずれにくくなる。そのため、長時間着用してもブラジャー1が上下にずれることを抑止することができる。
ベルト部5は、縦横に伸縮性のある布地をベルト状に形成して構成されている。使用される布地としては、例えば、伸縮性を有するようにナイロン繊維等の合成繊維からなる糸を用いて経編又は緯編により編成された公知の編地を裁断して用いればよい。ベルト部5は、伸縮性のほとんどない基布部4と接続する部分14には布地を二重にし、脇から背中の回りの密着する部分には布地を一重にしている。基布部4と接続する部分14では、布地を二重にすることで弾性力を高めることができ、基布部4を脇側に引張る力を高めることが可能となる。そして、脇から背中回りの部分については、一重にすることで伸縮性が大きくなって肌に圧接する力が分散され、長時間着用していても過度に圧迫されることがない。
カップ部2の裏側には、最上部の位置から中央の連結部の位置にかけて当て布地15がテープ部3に沿って縫着されている。当て布地15は、カップ部2の内側に張設するように取り付けられており、着用の際にバストをカップ部2で覆うように密着させると、当て布地15がバストに圧接して中央に向かって寄せ上げるように作用する。こうしてバストの形状を補整することができる。
図3は、ブラジャー1を着用した状態に関する脇側から見た側面図である。カップ部2の縁部に沿って取り付けられたテープ部3は、バージスラインに沿ってバストを保持するように設定されている。そして、テープ部3の脇側の上方に延設された部分では、カップ部2を保形する第一補強部材7が上下方向に設けられており、第一補強部材7の上端がカップ部2の上部に当接し、下端がテープ部3に当接することで、カップ部2が上下方向に潰れるように変形することを防止している。
また、カップ部2に接続する基布部4には、第二補強部材9が上下方向に設けられており、第一補強部材7よりも脇側の位置において上端がテープ部3に当接するとともに下端が基布部4の補強部13に当接しており、テープ部3の上方に延設された部分が脇側に拡がるように変形することを防止する。そして、第一補強部材7がテープ部3の湾曲部分において上側から当接し、第二補強部材9が第一補強部材7の当接位置から脇側にずれた位置で下側から当接することで、変形しやすいテープ部3の湾曲部分がバージスラインに沿う形状に安定して保持されるようになる。そのため、テープ部3として柔軟性を有する不織布を用いた場合でも、従来のワイヤとほぼ同様の保形性を備えることが可能となる。
以上説明した例では、衣類としてブラジャーを例に説明したが、本発明に係る衣類としては、ブラスリップ、ブラキャミソール等のカップ部を有するインナーウェア、水着、レオタード等のカップ部を有するアウターウェア、アウターウェアのうち内面のバスト部分にカップ部が設けられている衣類が挙げられる。こうした衣類では、第一補強部材を取り付けたカップ部とともに、テープ部及び第二補強部材を取り付けた基布部を適用することで本発明に係る衣類を実現することができる。
1・・・ブラジャー、2・・・カップ部、3・・・テープ部、4・・・基布部、5・・・ベルト部、6・・・テープ、7・・・第一補強部材、8・・・テープ、9・・・第二補強部材、10・・・テープ、11・・・第三補強部材、12・・・不織布、13・・・補強部

Claims (2)

  1. 左右に取り付けられた一対のカップ部と、前記カップ部の脇側及び下側に接続されるとともに下端に補強部が設けられた基布部と、前記カップ部の縁部に沿って配置されるとともに前記カップ部の裏側の縁部に盛り上がるように細幅の不織布が取り付けられたテープ部と、前記カップ部の脇側において上下方向に取り付けられるとともに上端が前記カップ部の上部に当接し下端が前記テープ部に当接する第一補強部材と、前記第一補強部材の取り付けられた位置よりも脇側にずらして前記基布部に上下方向に取り付けられるとともに上端が前記テープ部の上方に延設された部分に当接し下端が前記補強部に当接する第二補強部材とを備えている衣類。
  2. 前記基布部の脇の下の端部において上下方向に取り付けられた第三補強部材を備えている請求項1に記載の衣類。
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